JPH0778665A - 内燃機関用高圧ケーブルの接続端子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高圧ケーブルと相手方部品の電極を接続する
接続端子を小型化すると共に該接続端子の接点部に損
傷、変形が発生しないようにする。 【構成】 高圧ケーブル３と、該高圧ケーブルと接続さ
れる相手側部品の電極２０とを接続するＬ字形状の接続
端子１０であって、一端に上記高圧ケーブルとの圧着部
を設けると共に、他端に円筒状の電極結合部１０ｂを設
け、該電極結合部に内部に突出する接点部１０ｄを形成
し、該電極結合部に上記電極を内嵌して上記接点部を圧
接する。上記電極結合部の外周部も含めて接続端子を筒
状の絶縁体４の内部に収容している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関用高圧ケーブ
ルの接続端子に関し、詳しくは、内燃機関の点火装置に
おいて、高圧ケーブルの端末とディストリビュータまた
は点火コイル等の相手側部品の電極とを接続する接続端
子に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、車両の点火装置においては、点火
コイルやディストリビュータは、内燃機関とは別の位置
に配置されていたため、上記点火コイルやディストリビ
ュータ側の電極と高圧ケーブルとを接続する部分にはス
ペース的な余裕があった。

【０００３】そのため、上記点火コイルが内燃機関と別
の位置に配置された場合には、図６に示す接続端子１が
用いられていた。該接続端子１はＬ字形状で、一端を高
圧ケーブル３の端末に圧着する結合部１ａを備えると共
に、他端に円筒形状の電極結合部１ｂを備えた形状で、
高圧ケーブル３との結合部から筒状の絶縁体４で被覆し
ており、先端の電極結合部１ｂは点火コイルあるいはデ
ィストリビュータなどの相手部品の円筒形の電極５に嵌
合させるため、絶縁体４より距離Ｌ１だけ突出した構成
となっている。また、上記円筒形状の電極結合部１ｂに
は外方へ突出するバネ状の接点部１ｃが設けられ、電極
結合部１ｂを円筒形状の電極５に内嵌することにより、
上記接点部１ｃが外周の電極５に圧接して接続する構成
とされている。

【０００４】即ち、絶縁体４から突出した電極結合部１
ｂを雄タイプとする一方、電極５を雌タイプとし、雌タ
イプの電極５に対して、突出した雄タイプの電極結合部
１ｂを嵌合するタイプとなっていた。

【０００５】

【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、近時、
点火コイルを内燃機関の点火プラグの真上に配置する直
結点火コイルシステムが採用される場合が多く、その場
合には、内燃機関とボンネットの間のスペースが小さ
く、従来のスペース的に余裕のあった場合に用いられて
いた上記接続端子１を配置できない問題が発生してい
る。

【０００６】さらに、電極結合部１ｂの外周面からバネ
状の接点部１ｃが突出した形状であるため、筒状の絶縁
体４に接続端子１を挿通させて取り付け際、突出した接
点部１ｃで絶縁体４の内周面に損傷を発生させる不具合
があった。さらにまた、高圧ケーブルに接続端子を組み
つけた状態で車両メーカーへと輸送されて納入され、車
両組み立てラインで電極５と嵌合されるものであるた
め、絶縁体より外方に電極結合部１ｂが突出し、該電極
結合部１ｂから更にバネ状の接点部１ｃが外方へ突出し
ていると、電極５と嵌合するまでに、接点部１ｃにほこ
りが付着しやすいと共に傷が付き易く、輸送時に他の部
材と接触してバネが変形する等の不具合が発生してい
た。

【０００７】本発明は、上記した不具合を解消せんとす
るもので、直結点火コイルシステムを採用してスペース
的に余裕のない場合にも設置できるように小型化すると
共に、接点部により絶縁体に損傷を発生させず、かつ、
該接点部自体に損傷および変形が発生しないようにした
接続端子を提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、高圧ケ
ーブルと、該高圧ケーブルと接続される相手側部品の電
極とを接続するＬ字形状の接続端子であって、一端に上
記高圧ケーブルとの圧着部を設けると共に、他端に円筒
状の電極結合部を設け、該電極結合部に内部に突出する
接点部を形成し、該電極結合部に上記電極を挿入して上
記接点部を圧接する構成としている内燃機関用高圧ケー
ブルの接続端子を提供するものである。

【０００９】さらに、上記接続端子は、その電極結合部
の外周部も含めて筒状の絶縁体の内部に収容し、上記絶
縁体で被覆されている上記電極結合部の先端開口より上
記電極を挿入する構成としている。

【００１０】詳しくは、接続端子は導電性の薄板金属板
をプレス加工して形成しており、Ｌ字形状の一端に高圧
ケーブルの端末外周面に圧着するバレル部を設けている
一方、直角に屈折した他端に円筒形状とした電極結合部
を設け、該電極結合部に内部側へ弾性を持たせて突出さ
せた接点部を設けた形状とし、上記接続端子の外周面を
円筒形状の絶縁体で被覆する一方、点火コイルあるいは
ディストリビュータなどの相手側部材の電極を上記電極
結合部に内嵌する形状とし、該電極を上記接続端子の電
極結合部へ内嵌し、該電極に接点部を圧接させる構成と
している。

【００１１】上記接続端子の電極結合部に設ける接点部
は、円筒状の電極結合部の先端面より内部を折り返して
接点部を設けても良いし、あるいは、電極結合部の一部
に小径部を形成して、該小径部の内面を電極に圧接する
接点部としても良い。

【００１２】

【作用】上記接続端子では、その円筒形状の電極結合部
に、点火コイルあるいはディストリビュータ等の相手方
部品の電極を挿入し、接続端子の電極結合部の内部へ突
出させたバネ状の接点部を電極に圧接させて接続する。

【００１３】上記の接続端子では電極結合部を雌タイプ
とし、雄タイプとした電極を嵌合する構成としているた
め、従来の雄タイプとして突出させていた電極結合部の
長さＬ１だけ寸法を短くすることができる。よって、ス
ペースのない直結点火コイルシステムの場合に採用する
ことができる。また、雄タイプとした電極側を雌タイプ
の接続端子の円筒状電極結合部に挿入する構成であるた
め、電極結合部を絶縁体で被覆することができる。よっ
て、電極との嵌合前に、電極結合部に設けた接点部にほ
こりが付着せず、傷および変形の発生も防止できる。さ
らに、接点部を円筒状の電極結合部の内周側へ突出させ
ているため、絶縁体へ接続端子を挿入する時に、接点部
により絶縁体の内周面に損傷を発生させない。

【００１４】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例により詳細
に説明する。図１から図４は本発明の実施例を示す。導
電性の金属薄板をプレス加工して形成する接続端子１０
は従来の前記図６に示す接続端子１と同様なＬ字形状
で、その一端に高圧ケーブル３の端末外周面に圧着する
圧着バレル１０ａを設け、該圧着バレル１０ａに対して
直角に屈折した他端に円筒形状に丸めた電極結合部１０
ｂを設けており、該形状は従来と同様である。

【００１５】前記図６の従来の接続端子１では電極結合
部１ｂを雄タイプとして絶縁体４から突出させていた
が、本発明の接続端子１０の電極結合部１０ｂは雌タイ
プとして絶縁体４の内部に位置させており、電極結合部
１０ｂの先端部１０ｃのみを絶縁体４の先端より距離Ｌ
２だけ突出させている。この距離Ｌ２は約１mmであり、
これに対して従来の図６に示す電極結合部１ｂの絶縁体
４からの突出距離Ｌ１は１３mmである。よって、１２mm
だけ距離が短くなっている。

【００１６】図２は電極結合部１０ｂを拡大して示して
おり、この図２におけるＡ−Ａ'ラインでの水平断面図
を図３に示している。これらの図でわかるように、電極
結合部１０ｂには、縦方向(電極２０の挿入方向)に沿っ
て、内側にへこませることにより、内部に突出させた接
点部１０ｄを形成しており、該接点部１０ｄを電極結合
部１０ｂに挿入する電極２０と圧接させ、電気的に結合
するようにしている。

【００１７】尚、上記電極２０と圧接する接点部１０ｄ
を、図４（Ａ）（Ｂ）に示すように、電極結合部１０ｂ
の下端より一体的に形成した細長の片を内側に折り曲げ
て形成しても良い。

【００１８】一方、点火コイルあるいはディストリビュ
ータ等の高圧ケーブルと接続する相手側部品の上記電極
２０は、筒状の絶縁体２１の内部に突出させた棒状体と
して、雄タイプとしている。該棒状体の電極２０は基部
側を絶縁体２１に密着させているが、接続端子１０との
嵌合側は絶縁体２１の間に隙間２２をあけ、上記接続端
子１０の電極結合部１０ｂの外周面に被覆した絶縁体４
の先端部分４ａが隙間２２に内嵌するようにしている。

【００１９】図１において、３０はホルダーであり、接
続端子１０を内嵌した絶縁体４をカバーするように取り
付けられる。

【００２０】上記接続端子１０は、その一端の圧着バレ
ル１０ａを高圧ケーブル３の端末に圧着した状態で、屈
曲した筒状の絶縁体４の内部に、矢印Ｘで示す方向よ
り、電極結合部１０ｂを先頭として挿通され、電極結合
部１０ｂの先端部１０ｃが絶縁体４の先端部４ａより僅
かに突出した状態で収容している。この絶縁体４への接
続端子１０の挿通時に、接点部１０ｄが外方へ突出して
いないため、接点部１０ｄで絶縁体４の内周面に損傷を
発生させることはない。上記のように、高圧ケーブル３
と接続した接続端子１０を絶縁体４の内部に収容した状
態で、ホルダー３０を被せて組み付けが終了し、車両組
み立てラインへと送られる。

【００２１】車両組み立てラインにおいて、点火コイル
あるいはディストリビュータ等の相手方部品の電極２０
と接続され、その際、図５（Ａ）に示すように、相手方
部品の絶縁体２１の内部に絶縁体４の先端部４ａを内嵌
し、該絶縁体先端部４ａ内に収容されている接続端子１
０の電極結合部１０ｂの先端開口より棒状体の電極２０
を挿入している。即ち、雌タイプの電極結合部１０ｂに
雄タイプの電極２０を嵌合し、電極２０の外周面に内方
に突出させた接点部１０ｄを圧接させている。

【００２２】 図５（Ｂ）は従来の図６に示すタイプの
接続端子１と電極５と接続した状態を比較して示してい
る。図５（Ｂ）では接続端子１の雄タイプの電極結合部
１ｂが絶縁体４から突出しているのに対して、図５
（Ａ）の接続端子１０の雌タイプの電極結合部１０ｂは
絶縁体４の内部に位置し、その分だけ寸法(高さ)を短く
することができる。

【００２３】

【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
は、雌タイプの電極結合部を絶縁体より突出させずに内
部に位置させているため、その分だけ小型化でき、直結
点火システムに対して不都合なく適用できる。さらに、
電極結合部の内部側に接点部を設けているため、接点部
にほこりがついて汚れたれり傷がつくのを防止できると
共に、接続端子を絶縁体に挿通する時に絶縁体に損傷を
与えることを防止できる等の種々の利点を有するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の接続端子の一実施例を示した側断面
図である。

【図２】 電極結合部の拡大図である。

【図３】 図２のＡ−Ａ'ラインでの水平断面図であ
る。

【図４】 （Ａ）は電極結合部に設ける接点部の変形例
を示す正面図、（Ｂ）は断面図である。

【図５】 （Ａ）本発明に関わる接続端子を電極に接続
した状態を示す側断面図、（Ｂ）は従来の接続端子を電
極と接続した状態を示す側断面図である。

【図６】 従来の接続端子の側断面図である。

【符号の説明】

１、１０ 接続端子 １ｂ、１０ｂ 電極結合部 １ｃ、１０ｄ 接点部 ３ 高圧ケーブル ４ 絶縁体 ５、２０ 電極 ３０ ホルダー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 高圧ケーブルと、該高圧ケーブルと接続
   される相手側部品の電極とを接続するＬ字形状の接続端
   子であって、 一端に上記高圧ケーブルとの圧着部を設けると共に、他
   端に円筒状の電極結合部を設け、該電極結合部に内部に
   突出する接点部を形成し、該電極結合部に上記電極を挿
   入して上記接点部を圧接する構成としている内燃機関用
   高圧ケーブルの接続端子。
2. 【請求項２】 上記電極結合部の外周部も含めて接続端
   子を筒状の絶縁体の内部に収容し、上記絶縁体で被覆さ
   れている上記電極結合部の先端開口より上記電極を挿入
   する構成としている請求項１記載の内燃機関用高圧ケー
   ブルの接続端子。