JPH07777Y2 - ワンコイルダブルメカニカルシール - Google Patents

ワンコイルダブルメカニカルシール

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JPH07777Y2
JPH07777Y2 JP1989115532U JP11553289U JPH07777Y2 JP H07777 Y2 JPH07777 Y2 JP H07777Y2 JP 1989115532 U JP1989115532 U JP 1989115532U JP 11553289 U JP11553289 U JP 11553289U JP H07777 Y2 JPH07777 Y2 JP H07777Y2
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rotary
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sealing
shaft
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寿夫 福井
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は水中ポンプ,エンジン付自吸式ポンプ,温水循
環ポンプおよび家庭用井戸ポンプ等の機器の軸封部に適
用されるワンコイルダブルメカニカルシールに関する。
[従来の技術] 従来、第6図に示すように、有蓋筒状モータハウジング
Aに乾式モータBを収納した水中ポンプ(被軸封機器)
Cにおいて、ケーシングDに回転自在に収納されている
羽根車Eを下端に取付けた鉛直回転軸Fは、モータハウ
ジングAとケーシングDの間に設けられた中間ハウジン
グG内の油室Hに介装されているメカニカルシールMに
よって軸封され、羽根車Eの回転軸によりケーシングD
の吸込口d1から吸込まれて吐出口d2より吐出される流体
が油室HおよびモータハウジングAへ浸入するのを封止
している。
メカニカルシールMとしては、第7図に示すように、環
状パッキンM1を介してモータハウジングAに回転不能に
保持されている一方の静止密封環M2を設けた一方の固定
側シール要素と、環状パッキンM3を介して中間ハウジン
グGに回転不能に保持されている他方の静止密封環M4を
設けた他方の固定側シール要素からなる1対のシール要
素を有し、環状パッキンM5およびドライブリングM5aを
介して鉛直回転軸Fと同時回転可能に取付けられた回転
ケースM6に回転不能に保持されている一方の回転密封環
M7を有する一方の回転側シール要素と,環状パッキンM8
およびドライブリングM8aを介して鉛直回転軸Fと同時
回転可能に取付けられた回転ケースM9に回転不能に保持
されている他方の回転密封環M10を有する他方の回転側
シール要素を具備し、回転ケースM6,M9間に介装された
コイルスプリングM11のばね力によって、一方の回転密
封環M7を一方の静止密封環M2側に、また他方の回転密封
環M10を他方の静止密封環M4側に付勢し、それぞれ密封
端面同士を摺接させて軸封したワンコイルダブルメカニ
カルシールが採用されている。
[考案が解決しようとする課題] 前記従来のワンコイルダブルメカニカルシールでは、1
対の回転側シール要素が硬質ゴム等によって成形されて
いる環状パッキンM5,M8の弾性縮径によって生じる摩擦
力で、回転軸Fに対して同時回転可能に固定されてい
る。したがって、環状パッキンM5,M8に経時的な弾性劣
化を生じて摩擦力が低下すると、回転軸Fと環状パッキ
ンM5,M8との間に相対回転、所謂トルク伝達機能低下に
よるスリップ現象が生じて、密封力を低下させるおそれ
を有している。
また、1対の回転側シール要素を回転軸Fと同時回転さ
せるのに必要な摩擦力を得るためには、環状パッキンM
5,M8の軸方向寸法を比較的長寸に設定しなければならな
いから、1対の回転側シール要素の軸方向寸法が長くな
りワンコイルダブルメカニカルシールの縦軸寸法が長く
なって、軸方向に長い取付スペースを必要とし大形化す
ることになる。
さらに、各回転軸シール要素が回転密封環M7,M10,回転
ケースM6,M9,環状パッキンM5,M8およびドライブリングM
5a,M8aの4部品によって構成されているから、部品点数
と組立工数が多くコストアップにつながる。しかも環状
パッキンM5,M8の弾性縮径によって生じる摩擦力は、各
回転側シール要素を固定側シール要素との摺接によって
生じるトルク反力に打ち勝って回転軸Fと同時回転させ
る強力なものであるから、環状パッキンM5,M8に対して
回転軸Fを嵌合させるのに相当強い力を作用させなけれ
ばならないため、メカニカルシールの組付作業が困難で
あり、組付作業性に劣るとともに保守点検等の分解作業
性も当然悪くなる。つまりメカニカルシールの着脱作業
が困難である欠点を有している。
このような事情を踏まえ、本願出願人は実願昭63-14369
8号により、トルク伝達機能の経時低下に伴う密封力の
低下を回避でき、メカニカルシールの縦軸寸法(装着長
さ)を短くして小形化が達成され、しかも回転側シール
要素の部品点数と組立工数および着脱作業性の向上が実
現可能なワンコイルダブルメカニカルシールを提案し
た。
このワンコイルダブルメカニカルシールは、第8図に示
すように回転軸2の軸方向に変位して配設された1対の
回転側シール要素10,20の中間位置に、回転軸2に同時
回転可能にトルク伝達リング50を固着し、このトルク伝
達リング50と各回転側シール要素10,20とを、両者に形
成されて互いに係合する係合機構60,61によってトルク
伝達可能に連結したものである。
なお、第8図における構成部材のうち説明がされていな
いものは、後述する本考案の実施例の第1図における構
成部材と同一であるため、同一の符号を付して、それら
の説明を省略している。
このように構成することで、回転軸2から1対の回転側
シール要素10,20へのトルク伝達が、トルク伝達リング5
0から該トルク伝達リング50および1対の回転側シール
要素10,20の両者に形成されて、互いに係合する係合機
構60,61を介して行なわれるから、トルク伝達機能の経
時低下が起こらない。
また1対の回転側シール要素10,20を強い摩擦力で回転
軸2に取付ける必要がないので、環状パッキン11,21の
軸方向寸法をそれぞれ短小に設定できるから、それだけ
メカニカルシール1の縦軸寸法を短縮することができ
る。
さらに、強い摩擦力を得るために必要であったドライブ
リングを省略できるので、部品点数と組立工数を削減で
き、しかも1対の回転側シール要素10,20と回転軸2間
の摩擦力低減によってメカニカルシール1の着脱作業が
容易になる。
ところが、前記第7図のメカニカルシールMを第6図の
水中ポンプCに採用した場合、羽根車Eの回転によって
吸込口d1から吸込まれた流体が第7図の矢印x1で示すよ
うに、羽根車Eの背部から他方の静止密封環M4と他方の
回転密封環M10の径内部にも流入し、この流体圧が例え
ば3kgf/cm2以上の高圧であると、環状パッキンM8を押し
上げて静止密封環M4と回転密封環M10の密封端面を開か
せて、密封性を低下させるとともに、環状パッキンM8が
環状パッキンM5を押し上げ、一方の回転密封環M7を一方
の静止密封環M2に強く押し付け、両者M2,M7の密封端面
のシール面圧が過大になって密封端面の異常摩耗ひいて
は焼付けが発生することになる。
また、第8図のメカニカルシール1でも矢印x1で示す流
体圧が高圧であると、環状パッキン21およびこの環状パ
ッキン21に加硫成形によって一体結合されている回転密
封環22が押し上げられて静止密封環41と回転密封環22の
密封端面を開かせて、密封性を低下させることになる。
ただし、この種のメカニカルシール1では回転密封環22
の移動が上方の回転密封環12に作用して、この回転密封
環12と静止密封環31の密封端面のシール面圧過大による
異常摩耗ひいては焼付けは避けられる。
即ち、第7図および第8図で述べたワンコイルダブルメ
カニカルシールM,1では、第6図の羽根車E側、つまり
機外側の回転密封環M10,22が流体圧によって機内側に移
動して静止密封環41,M4との密封性を低下させるととも
に、特に第7図のワンコイルダブルメカニカルシールM
では機内側の回転密封環M7を静止密封環M2に強く押し付
けて両者M2,M7の密封端面のシール面圧を過剰に増大さ
せ密封端面の異常摩耗ひいては焼付けを発生させる不都
合が生じる。
本考案は上記のような実情に鑑みてなされたもので、ト
ルク伝達機能の経時的な低下に伴う密封力の低下の回
避、軸方向取付スペースの短縮による小形化、部品点数
と組立工数の削減および着脱作業性の向上を実現するこ
とができ、しかも、機外流体圧が高圧であっても、機外
側軸封部における密封性の低下を有効に防止することが
できるワンコイルダブルメカニカルシールを提供するこ
とを目的としている。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本考案に係るワンコイルダ
ブルメカニカルシールは、環状パッキンと回転密封環お
よび金属製の環状金具との3者が加硫成形によって一体
結合されてなり、回転軸の軸方向に変位して配設された
1対の回転側シール要素と、被軸封機器のハウジング側
に固定されてそれぞれが静止密封環を有する1対の固定
側シール要素とを具備し、1対の回転側シール要素の間
に介設されたコイルスプリングのばね力で各回転密封環
をそれぞれに対応する静止密封環側に付勢し、両者の密
封端面同士を摺接させて軸封部を形成して密封するよう
に構成されたワンコイルダブルメカニカルシールにおい
て、1対の回転側シール要素の中間位置の回転軸に該回
転軸と同時回転可能にトルク伝達リングが固着され、こ
のトルク伝達リングと各回転側シール要素とが両者間に
形成されて互いに係合する係合機構によってトルク伝達
可能に連結されているとともに、機内側軸封部を機内密
封流体圧との関係によるアンバランスシール構造とする
一方、機外側軸封部の密封端面内径をバランス径よりも
小径にして該機外側軸封部を機内密封流体圧との関係に
よるバランスシール構造にして、回転密封環の背端面に
機外流体圧負荷面を形成したものである。
[作用] 上記のような構成の本考案によれば、回転軸から1対の
回転側シール要素へのトルク伝達が、回転軸に固着され
たトルク伝達リングおよび該トルク伝達リングと各回転
側シール要素との間に形成されて互いに係合する係合機
構を介して行なわれるので、トルク伝達機能の経時的な
低下を回避することが可能である。
また、1対の回転側シール要素を回転軸と同時回転させ
るために強い摩擦力で回転軸に取付ける必要もなく、回
転側シール要素の一つの構成部材である環状パッキンの
軸方向寸法をそれぞれ短小に設定することが可能とな
り、それゆえに、メカニカルシールの縦軸寸法を短縮し
て、軸方向の取付スペースを小さくし小形化が図れる。
さらに、強い摩擦力を得るためのドライブリングが不要
であることと、1対の回転側シール要素を構成する3つ
の部品を加硫成形によって一体結合して1部品化してい
るので、取り扱うべき部品点数の削減と組立工数の削減
が図れるとともに、環状パッキンの回転軸に対する摩擦
力としては強力なものが要求されないので、メカニカル
シールの着脱作業が容易になる。
加えて、機外側軸封部はバランスシール構造にして、そ
の回転密封環の背端面に機外流体圧負荷面を形成してい
るので、機外流体圧を回転密封環の機外流体圧負荷面に
背圧として作用させ、その背圧によって該回転密封環を
静止密封環側に付勢保持することが可能となり、機外流
体圧が高圧であったとしても、機外該軸封部のシール面
圧を高めて所定の密封性を確保することができる。
[実施例] 以下、本考案の実施例を図面に基いて説明する。
第1図は本考案の実施例を示す縦断面図であり、図にお
いてワンコイルダブルメカニカルシール1は、ポンプ等
の被軸封機器の回転軸2と同時回転するように軸方向に
変位して配設された1対の回転側シール要素10,20と、
被軸封機器のハウジング3における上側ハウジング3A
(第6図のモータハウジングAに相当する)に固定され
る固定側シール要素30および下側ハウジング3B(第6図
の中間ハウジングGに相当する)に固定される固定側シ
ール要素40を有している。
回転側シール要素10,20は、それぞれ硬質ゴムによって
なり軸方向寸法の短い環状パッキン11,21と、例えばSiC
系、またはAl2O3系の硬質材或いはブロンズなどの銅系
金属などで形成された回転密封環12,22および金属製の
環状金具13,23とからなり、3者が加硫成形によって一
体結合されるとともに、第2A図,第2B図および第3A図,
第3B図に示すように、環状パッキン11,21の内周部にシ
ールリップ11a,21aが径内方向に膨出形成され、環状金
具13,23には円周方向に等間隔を有して複数(図示例で
は4つ)の係止爪13a,23aを軸方向に突設している。尚
係止爪13a,23aは円周方向に45°の位相角を有して突設
されている。
第1図の固定側シール要素30,40は、例えば炭素系の材
料またはSiC系,Al2O3の硬質材で形成された静止密封環
31,41および硬質ゴムによってなる環状パッキン32,42と
から構成され、上側ハウジング3Aに嵌合固定された環状
パッキン32に静止密封環31が回転不能かつ液密に嵌合保
持されるとともに、下側ハウジング3Bに嵌合固定された
環状パッキン42に静止密封環41が回転不能かつ液密に嵌
合保持されている。
回転側シール要素10,20の中間位置にトルク伝達リング5
0が回転軸2に同時回転可能に固着されている。トルク
伝達リング50は例えばステンレス鋼のような非発錆性金
属によってなり、回転軸2に対して円滑に外嵌できる内
径寸法を有し、外周部には第4図および第5図に示すよ
うに、円周方向に等間隔を有して複数(図示例では8
つ)の係止溝51が軸方向全長にわたって凹設されてい
る。これら係止溝51の幅寸法は環状金具13,23の係止爪1
3a,23aを係合できる大きさに設定されている。そして周
壁部を径方向に貫通して2つのねじ孔52が形成されてい
る。したがって、回転軸2に外嵌されたトルク伝達リン
グ50は、2つのねじ孔52に螺挿したセットねじ(第1図
に1つだけ示している)7によって回転軸2に固着され
る。
トルク伝達リング50の複数の係止溝51には隔数ごとに環
状金具13の係止爪13aが係合される。即ち、第4図のP1,
P3,P5,P7の4位置にある係止溝51に対して、係止爪13a
を上方から係合して係合機構60(第1図参照)を構成す
るとともに、残る隔数ごとの係止溝51(P2,P4,P6,P8)
には環状金具23の係止爪23aを下側から係合して係合機
構61(第1図参照)を構成している。
回転側シール要素10,20の環状金具13,23の間にコイルス
プリング4が軸方向に圧縮して介装される。したがっ
て、そのばね力によって回転密封環12,22を静止密封環3
1,41側に付勢し、それぞれの密封端面同士を摺接させて
軸封部5,6を形成した状態でワンコイルダブルメカニカ
ルシール1が機内密封流体としての油を封入した油室8
に装着される。
回転軸2は下側ハウジング3Bより少し上側ハウジング3A
に片寄った位置、つまり下側回転側シール要素20の環状
パッキン21を圧入している位置の下側付近において径小
部2Aを形成している。つまり回転軸2のバランス径Dmよ
りも小径の径小部2Aが形成されている。したがって、回
転該シール要素20を構成している回転密封環22と、固定
側シール要素40を構成している静止密封環41との密封端
面の内径はバランス径Dmよりも小径になっている。これ
によって回転密封環22の背端面に機外流体圧が負荷され
る負荷面70が形成されることになる。
即ち、機外側軸封部6と油室8に封入されているオイル
圧との関係による受圧面積Ar(径方向寸法D1の環状部分
の面積)と、密封端面の面積As(径方向寸法D2の環状部
分の面積)がAr≦Asであるバランス構造になっており、
負荷面70に機外流体圧を負荷させられるように構成して
ある。
なお、バランス比Ar/Asを0.99〜0.5好ましくは0.7〜0.8
に設定してある。
また、機内側軸封部5の油室8と前記オイル圧との関係
による受圧面積Ar(径方向寸法D3の環状部分の面積)
と、密封端面の面積As(径方向寸法D4の環状部分の面
積)はAr>Asの関係を有するアンバランス構造になって
いる。
前記構成において、回転軸2から回転側シール要素10,2
0へのトルク伝達は、トルク伝達リング50から該トルク
伝達リング50と環状金具13,23とに形成されて、互いに
係合している係止溝51と係止爪13a,23aによって構成さ
れた係合機構60,61を介して行われる。トルク伝達リン
グ50および係合機構60,61は剛性の高い金属によって形
成されているから、保形性にすぐれており、トルク伝達
機能が経時的に低下しないので、回転軸2と回転側シー
ル要素10,20とに相対回転(所謂スリップ)の生じない
適正なトルク伝達状態を長期間継続して維持できる。
トルク伝達リング50と係合機構60,61によって回転側シ
ール要素10,20にトルク伝達がなされるから、回転側シ
ール要素10,20の環状パッキン11,21には従来のようにト
ルク伝達機能を付与する必要がなくなり、単に2次シー
ル機能を付与しておけばよいことになる。したがって環
状パッキン11,21は、回転軸2に圧接させることで2次
シール部を構成するシールリップ11a,21aの形成された
短小の軸方向寸法に設定できるから、ワンコイルダブル
メカニカルシール1の縦軸寸法を短くして、軸方向取付
長さの短縮による小形化を達成できる。
また、各回転側シール要素10,20を環状パッキン11,21,
回転密封環12,22および環状金具13,23の3部材によって
構成できるので、従来の回転側シール要素が4部材(環
状パッキンM5,M8,回転密封環M7,M10,回転ケースM6,M9お
よびドライブリングM5a,M8a)によって構成されている
のと比較して、部品点数が削減され、前記3部材を加硫
成形によって一体結合しているから、回転側シール要素
10,20の組立工数を省略できる。
さらに、環状パッキン11,21のシールリップ11a,21と回
転軸2によって構成されている2次シール部の摩擦力
は、従来の環状パッキンと回転軸との間に生じる強力な
摩擦と比較して、きわめて小さいものであるから、環状
パッキン11,21に対して回転軸2を圧入するのに強い力
を必要とせず容易に行うことができるので、回転側シー
ル要素10,20の回転軸2に対する着脱作業、つまりメカ
ニカルシールの着脱作業を容易に行うことができる。
さらにまた、矢印x1で示す機外流体圧が例えば3kfg/cm2
以上の高圧であったとしても、この流体の圧力は回転密
封環22の背端面に形成した負荷面70に負荷されて、回転
密封環22を静止密封環41側に付勢して軸封部6のシール
面圧を増大させるので、密封性を向上させることにな
る。
[考案の効果] 以上説明したように、本考案によれば、回転軸の軸方向
に変位して配設された1対の回転側シール要素の中間位
置に、回転軸に同時回転可能にトルク伝達リングを固着
し、このトルク伝達リングと各回転側シール要素とを、
両者に形成されて互いに係合する係合機構によってトル
ク伝達可能に連結した構成になっているので、回転軸か
ら1対の回転側シール要素へのトルク伝達が剛性の高い
トルク伝達リングと係合機構を介して行われるから、経
時的なトルク伝達機能の低下を生じないため密封力の低
下が回避され、信頼性を向上することができる。
また、環状パッキンの軸方向寸法を短小に設定し、これ
によってメカニカルシールの縦軸寸法が短縮されるの
で、軸方向の取付スペース短縮による小形化を達成でき
る。しかも、回転側シール要素側に強い摩擦力を得るた
めのドライブリングを設けることが不要であることと、
1対の回転側シール要素を構成する3つの部品が加硫成
形によって一体結合されて1部品化されているので、取
り扱うべき部品点数の削減と組立工数の削減を図ること
ができるとともに、環状パッキンの回転軸に対する摩擦
力としては強力なものが要求されず、シールリップを形
成するだけでよいので、一体化された回転側シール要素
に回転軸を嵌合させるときの力は非常に小さくてよく、
したがって、保守点検時などにおける回転側シール要素
の着脱作業を非常に容易に行なえ、メカニカルシール全
体の着脱作業性を大幅に向上することができる。
さらに、機外流体圧がたとえ高圧であったとしても、機
外側軸封部の密封端面内径をバランス径よりも小径にし
て、機外側軸封部を機内密封流体圧との関係によるバラ
ンスシール構造とし、機外側流体の圧力を機外側軸封部
における回転密封環の背端面に形成した負荷面に負荷さ
せるようにしているので、機外流体圧が高圧であったと
しても、機外側軸封部の回転密封環がそれに対応する静
止密封環から離れる方向に移動することを防止し、両密
封環の密封端面のシール面圧を高めて、所定の密封性を
確保することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例を示す縦断面図、第2A図は機内
側回転側シール要素の拡大正面図、第2B図は機外側回転
側シール要素の拡大正面図、第3A図は第2A図におけるII
IA-IIIA線断面図、第3B図は第2B図におけるIIIB-IIIB線
断面図、第4図はトルク伝達リングの拡大正面図、第5
図は第4図におけるV−V線断面図、第6図は被軸封機
器の一例を一部断面にて示す正面図、第7図は従来例の
縦断面図、第8図は比較例の縦断面図である。 1……メカニカルシール 2……回転軸 3……ハウジング 4……コイルスプリング 5,6……軸封部 10,20……回転側シール要素 12,22……回転密封環 39,40……固定側シール要素 50……トルク伝達リング 60,61……係合機構 70……機外流体圧負荷面 Dm……バランス径

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状パッキンと回転密封環および金属製の
    環状金具との3者が加硫成形によって一体結合されてな
    り、回転軸の軸方向に変位して配設された1対の回転側
    シール要素と、被軸封機器のハウジング側に固定されて
    それぞれが静止密封環を有する1対の固定側シール要素
    とを具備し、1対の回転側シール要素の間に介設された
    コイルスプリングのばね力で各回転密封環をそれぞれに
    対応する静止密封環側に付勢し、両者の密封端面同士を
    摺接させて軸封部を形成して密封するように構成された
    ワンコイルダブルメカニカルシールにおいて、1対の回
    転側シール要素の中間位置の回転軸に該回転軸と同時回
    転可能にトルク伝達リングが固着され、このトルク伝達
    リングと各回転側シール要素とが両者間に形成されて互
    いに係合する係合機構によってトルク伝達可能に連結さ
    れているとともに、機内側軸封部を機内密封流体圧との
    関係によるアンバランスシール構造とする一方、機外側
    軸封部の密封端面内径をバランス径よりも小径にして該
    機外側軸封部を機内密封流体圧との関係によるバランス
    シール構造にして、回転密封環の背端面に機外流体圧負
    荷面を形成したことを特徴とするワンコイルダブルメカ
    ニカルシール。
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WO2016140092A1 (ja) * 2015-03-05 2016-09-09 イーグル工業株式会社 メカニカルシール装置、ダブルシール装置およびダブルメカニカルシール装置

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