JPH077711Y2 - コンバインにおけるフィードチエンオープン装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は、走行装置上の左側に、脱穀部をそのフィード
チエンを左外側部にして前後方向の向きに搭載し、右側
には穀物収容部を設置するとともに、脱穀部の前方に刈
取部を設け、機体の前進に伴なって植立穀稈を刈取りな
がら脱穀し脱穀後の穀粒を穀物収容部で収納するコンバ
インのフィードチエンオープン装置に関するものであ
る。

（ロ）従来の技術 従来、上記にようなコンバインにおいて、刈取部を脱穀
部前側の外側部を支点にして左側に横開きし脱穀部の前
側を開放するように構成したものは、例えば実公平1-17
146号公報等によって公知であり、またこの刈取部が横
開きするに当って特に脱穀部のフィードチエンがアンダ
ー式のものにあってはこのフィードチエンの始端部がそ
の横開きを邪魔するため、フィードチエンは終端部を支
点にして外側方に移動させるようにして刈取部の横開き
に支障のないようにしてある。

しかし、これでは刈取部を横開きするに際してその前に
フィードチエンを外側方に移動させておかなければなら
ず作業が煩雑になるという欠点を有している。

（ハ）考案が解決しようとする課題 上述のように従来は、刈取部を脱穀部前側の外側部を支
点にして横開きするに際してその前にフィードチエンを
外側方に移動させておかなければならず作業が煩雑にな
るという欠点を有しているので、本考案にあっては、刈
取部の横開きの前にフィードチエンを移動させるという
手間を省いて作業の煩雑さを解消せんとする目的として
考案に至ったものである。

（ニ）課題を解決するための手段 そこで、本考案は上記の目的を遂行するために、 走行装置上の左側に、脱穀部をそのフィードチエンを左
外側部にして前後方向の向きに搭載し、右側には穀物収
容部を設置するとともに、脱穀部の前方に刈取部を設
け、機体の前進に伴なって植立穀稈を刈取りながら脱穀
し脱穀後の穀粒を穀物収容部で収納するコンバインであ
って、刈取部は脱穀部前側の外側部を支点にして左側に
横開き可能にし、脱穀部のフィードチエンはその全体を
終端部を支点にして外側方に移動自在に構成してあるも
のにおいて、前記刈取部のロック機構解除操作に連動し
てフィードチエンを自動的に外側方に移動させる構成に
したのである。

（ホ）作用 このように構成されているから、機体の前進によって植
立穀稈は刈取部で刈取られ、その刈取られた穀稈は脱穀
部に供給されて脱穀処理され、脱穀後の穀粒は穀物収容
部で収納されるようになる。

そして、コンバインの各部を整備するような場合には、
刈取部全体を脱穀部前側の外側部を支点にして左側に大
きく回動させるのであるが、このとき、刈取部のロック
機構の解除操作を行なうとこの解除に連動してフィード
チエンは自動的にその終端部が支点となって全体が外側
方に移動し、刈取部を支障なく横開きさせるのである。

（ヘ）実施例 以下、本考案のものについて実施例図を参照して説明す
る。

そこで、先ずこのコンバインの概要について第４図によ
り記載すると、 走行装置（１）により支持する機台（４）上の左側に脱
穀部（Ｂ）を搭載し、右側の前部から後部にかけては操
縦部（Ｃ）と穀物収容部（穀物タンク）（５）とエンジ
ン（Ｅ）を設置するとともに、脱穀部（Ｂ）の前方に刈
取部（Ａ）を設けて、機体の前進によって植立穀稈を刈
取部（Ａ）で刈取りこの刈取られた穀稈を脱穀部（Ｂ）
に供給して脱穀処理しその脱穀処理により得られる穀粒
を揚上して穀物収容部（５）で収納するように構成され
ている。

前記脱穀部（Ｂ）は、フィードチエン（６）を左外側部
にして前後方向の向きにして搭載し、刈取部（Ａ）は刈
取フレーム（３）に一体的に組成される各分草板（７）
（７）と（８）（８）と引起しタイン（９）を具備する
引起しケース（10）‥と刈刃およびこの刈刃で刈取った
穀稈の株元がわを挟持して後方に搬送する搬送帯とこの
搬送帯の終端部から受継いで揚上し前記フィードチエン
（６）の始端部に受継がせる縦搬送帯等から構成されて
いる。

また、（11）は前記の穀物収容部（５）内に貯溜された
穀粒を取出すところのスクリューコンベヤを内蔵する搬
出筒で、機体上方でその基部（11a）を支点にして上下
左右に旋回可能に構成され、（12）はフィードチエン
（６）の終端部からの排藁を受継いで後方に搬出する排
藁チエンである。

次に、第５図〜第10図と第３図により刈取部（Ａ）の横
開き手段について記載すると、 （２）は前記脱穀部（Ｂ）の前側から前方に向けて突設
する刈取部（Ａ）の高さ変更部材で、機台（４）に下端
部を枢着して上向きに突出した揺動アーム（13）（13）
の上端部に、前方に向け突設する支持アーム（14）（1
4）の後端部を回動自在に連結し、その揺動アーム（1
3）（13）は連結パイプ（15）で、また支持アーム（1
4）（14）前側は刈取部（Ａ）の左側から脱穀部（Ｂ）
の横外側にそって設ける分草杆（16）を係止する係止棒
（17）を抜差しする支持パイプ（18）によってそれぞれ
連結されて枠状に形成され、その支持アーム（14）（1
4）の前端部の側面にＨ形の支持体（19）（19）がそれ
ぞれ溶着されている。

（20）は前記機台（４）の左外側部の前端に溶着した基
台（21）上に立設する筒状の基軸（22）に上方から嵌合
させて基軸（22）の周りに回動自在に装着された外筒ケ
ースで、その外筒ケース（20）の上面から斜め上向きに
揺動斜杆（23）が立設されその揺動斜杆（23）の上端部
から脱穀部（Ｂ）の前側にそい揺動横杆（24）が延設さ
れている。そして、この揺動横杆（24）には前記刈取フ
レーム（３）から上向きに延設の支持フレーム（3a）
（3a）の上端部が揺動横杆（24）の周りに回動自在に連
結されて刈取フレーム（３）はこの揺動横杆（24）を軸
とする上下動と、前記基軸（22）を支点として第４図に
仮想線（イ）で示す位置が支点となり横方向に揺動自在
になって刈取部（Ａ）は矢印（ロ）の如く左側に横開き
可能に構成されている。

また、刈取フレーム（３）の後側からは前記高さ変更部
材（２）を構成する支持アーム（14）（14）の前端部と
連結解離自在の連結部材（25）（25）が後方に向けて延
出され、この連結部材（25）（25）の側面に板体を折曲
して 状にした係合体（26）（26）の一側を溶着してあ
って、その係合体（26）（26）の他側には前記支持体
（19）（19）の軸部（19a）が係脱する下向き開口の切
欠部（26a）を形成するとともにその下部は支持体（1
9）が下側から係合し易いように斜め向きの案内片（26
b）に形成してある。

（27）（27）は側方から前記の連結部材（25）（25）を
貫通して係合体（26）（26）に係合状態の前記支持体
（19）（19）の軸部（19a）に挿脱自在のピン軸で、支
軸（28）（28）を軸にして揺動し連杆（29）によって連
結されて連動する作動アーム（30）（30）の後端部にそ
れぞれ連結され、左外側がわの作動アーム（30）は前方
に延出してその延出端部に前後方向の長孔（31）を設け
る係合片（32）を一体に形成し、刈取フレーム（３）の
外側部から突出するピン（33）に長孔（31）を通して係
合させスナップリング（34）により係着自在に構成し、
係合片（32）を刈取フレーム（３）がわに係着すれば前
記のピン軸（27）（27）が支持体（19）（19）の軸部
（19a）に挿入し、係合片（32）を支軸（28）を軸にし
て外側方に作動すれば前記のピン軸（27）（27）は支持
体（19）（19）の軸部（19a）から脱する構成にし、前
記の支持アーム（14）には下側から油圧シリンダー装置
のロッド（35）を連結しその上下動を行わせるようにし
ている。

さらに、前記の外筒ケース（20）の外周りには前記揺動
横杆（24）の右側への回動限界を規制するところの規制
体（36）（36）が突設され、この規制体（36）（36）は
前記基台（21）に突設して一側がわから切欠いだ係合部
（37a）を備える規制板（37）（37）に係脱自在となっ
て揺動横杆（24）を右側に回動させて脱穀部（Ｂ）の前
側にそう状態において係止して右側への回動範囲を規制
し、左側への回動範囲は基台（21）上に突出するストッ
パー（38）によって規制されている。

そして、（39）は基台（21）上の支持板（40）に後向き
に突出した軸（41）を支点にして回動する係止板で、そ
の係止板（39）には下向き開口の係止部（39a）が設け
られ操作レバー（42）によって係止板（39）を横姿勢と
斜め姿勢に切替自在にして前記係合部（37a）に係止さ
れた規制体（36）に上方から嵌合し揺動横杆（24）の回
動を阻止して固定の状態にするのである。

（43）は係止板（39）の横姿勢と斜め姿勢を保持するた
めのスプリングである。

また、前記揺動横杆（24）が右側への回動限界に達して
脱穀部（Ｂ）の前側にそった状態において、その延設端
部は機台（４）に立設する支持受体（44）の上端部に設
けるロック機構（ａ）によって固定解除自在になってい
る。

すなわち、ロック機構（ａ）は支持受体（44）の上端部
の前側を開放して半円弧形にし、レバー（45）の操作に
よって回動する弧状の接当金（46）により支持受体（4
4）で受止められる前記の延出端部に前側から当接する
接当状態と上端部の前側を開放する非接当状態とに切り
変わるようにしてある。

なお、（47）はその接当状態と非接当状態を保持させる
スプリングである。

次に、第２図と第１図によりフィードチエン（６）をそ
の終端部を支点にして外側方に移動自在にする点につい
て記載すると、 このフィードチエン（６）は前後方向のチエン台（48）
に懸回されて上側の挟扼レール（49）に対設され、機体
側から突設された支持金（50）にこのチエン台（48）の
終端部が縦の支点軸（51）を介して装着され、支点軸
（51）を支点にしてチエン台（48）もろとも全体が外側
方に移動自在に構成されている。

すなわち、フィードチエン（６）は第４図の（ハ）の位
置を支点にして矢印（ニ）のように外側方に移動するよ
うになっているのである。

（52）は前記チエン台（48）の支点軸（51）側寄り部分
を横方向に貫通したストッパー棒で、基部側は機体に枢
支されてチエン台（48）の内側面（48a）と機体との間
には圧縮バネ（53）を介在させ、先端部にはチエン台
（48）の外側面（48b）に接当するロックナット（54）
が螺合されている。そして、チエン台（48）始端側の外
側面（48b）部分に形の係合金（55）が固設されてい
る。

そこで、前記のロック機構（ａ）による刈取部（Ａ）の
固定解除操作と、この係合金（55）への係合離脱関連構
成について記載する。

前記の揺動横杆（24）の下側にそって左右方向にロック
レバー軸（56）が横架されるのであるが、このロックレ
バー軸（56）は前記の機台（４）から立設する支持受体
（44）と共に一列に列設する支持体（57）‥に貫設され
て回動自在に支架され、前記ロック機構（ａ）を構成す
る接当金（46）の下部はこのロックレバー軸の内端面に
溶着されていてロックレバー軸（56）を軸にして前述の
ように前記の接当状態と非接当状態に切り変るようにな
っている。

ロックレバー軸（56）は途中で左右部に分断されその左
部（56a）と右部（56b）の各分断面には互いに対接する
フランジ（58）（59）が溶着され、左部（56a）のもの
には各フランジ（58）（59）を連動連結または解離自在
の連結自在具（60）設けられている。

また、左部（56a）のものの外端部には前記係合金（5
5）に係合する係止片（61）が下向きに突設されて、前
記接当金（46）が揺動横杆（24）に接当状態となって刈
取部（Ａ）をロックするときは係止片（61）が下向きに
なって係合金（55）に係合し、接当金（46）をロックレ
バー軸（56）を軸にして回動させて非接当状態に切り変
えロック機構（ａ）を解除させるとロックレバー軸（5
6）の回動により係止片（61）が一体となって回動し係
合金（55）から離脱して圧縮バネ（53）のバネ力により
フィードチエン（６）を外側方に移動させるように構成
されている。

したがって、刈取部（Ａ）とフィードチエン（６）を第
４図の状態にロックして植立穀稈を刈取り脱穀するとき
は、走行装置（１）によって前進するコンバインは分草
板（７）と（８）によって分草されながら引起しタイン
（９）によってその姿勢が修正されて刈取られ、この刈
取られた穀稈はフィードチエン（６）の始端側に受継が
れ脱穀部（Ｂ）は脱穀処理されて穀粒は穀物収容部
（５）で収納されるのである。

そして、この穀物収容部（５）内の穀粒は搬出筒（11）
によって適所に取出されるようになる。

また、刈取作業の終了等により、このコンバインの各部
を整備しようと思えば、先ず、係止棒（17）を抜いて分
草杆（16）を取外し、油圧シリンダー装置によって刈取
フレーム（３）を上動させ第６図に示す仮想線（ホ）の
ようにしてから、刈取フレーム（３）にコロ等を装着し
て浮かせたのち、スナップリング（34）をピン（33）か
ら取外し作動アーム（30）を第５図の矢印（ヘ）のよう
に回動させると各ピン軸（27）（27）は支持体（19）
（19）の軸部（19a）から脱するから油圧シリンダー装
置を操作し支持アーム（14）（14）を下動させ第６図と
第７図に仮想線（ト）に示すようにすると支持アーム
（14）（14）前端部の支持体（19）（19）は連結部材
（25）（25）がわの係合体（26）（26）との連結が解か
れて解離する。

次いでロック機構（ａ）を解除するのである。すなわ
ち、レバー（45）を第３図の矢印のように回動させて仮
想線のようにし支持受体（44）の上端部の前側を開放す
るとともに操作レバー（42）を倒せば係止板（39）は第
10図の仮想線に示す斜め姿勢に保持されて規制体（36）
に対する上方からの嵌合を解き固定の状態から開放され
る。

上記のレバー（45）の回動によるロック機構（ａ）の解
除操作によってロックレバー軸（56）は回動し係止片
（61）は係合金（55）から離脱し、圧縮バネ（53）のバ
ネ力により自動的にフィードチエン（６）は終端部の支
点軸（51）を支点にして外側方に移動するようになるか
ら、コロ等によって浮かした刈取部（Ａ）を左側に横開
きするのである。

なお、ロックレバー軸（56）の左部（56a）と右部（56
b）を連動連結または解離自在の連結自在具（60）を操
作して対接するフランジ（58）（59）の連結状態を解く
と、左部（56a）のみが回動可能になり刈取部（Ａ）の
ロック機構（ａ）を解除しなくてもフィードチエン
（６）を単独に外側方に移動させることができ、またフ
ィードチエン（６）だけの側方への移動だけでなく、こ
のフィードチエン（６）側の機体側壁も一緒に開放可能
にすることもできるのである。

（ト）考案の効果 本考案は、以上詳述したように、走行装置上の左側に、
脱穀部をそのフィードチエンを左外側部にして前後方向
の向きに搭載し、右側には穀物収容部を設置するととも
に、脱穀部の前方に刈取部を設け、機体の前進に伴なっ
て植立穀稈を刈取りながら脱穀し脱穀後の穀粒を穀物収
容部で収納するコンバインであって、刈取部は脱穀部前
側の外側部を支点にして左側に横開き可能にし、脱穀部
のフィードチエンはその全体を終端部を支点にして外側
方に移動自在に構成してあるものにおいて、前記刈取部
のロック機構解除操作に連動してフィードチエンを自動
的に外側方に移動させる構成にしたのであるから、コン
バインの各部を整備するような場合に、刈取部全体を脱
穀部前側の外側部を支点にして左側に大きく回動させる
のであるが、このとき、刈取部のロック機構の解除操作
を行なうとこの解除に連動してフィードチエンは自動的
にその終端部が支点となって全体が外側方に移動し刈取
部を支障なく横開きさせるので、刈取部の横開きの前に
フィードチエンを外側方に移動させるという手間を省
き、その作業は煩雑さから開放できるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施態様を例示せるものにして、そ
の、 第１図は本考案要部の前方視図、第２図はそのフィード
チエン側の平面図、第３図は第１図のＰ方向からの図、
第４図はコンバイン全体の概要を示した平面図、第５図
は刈取フレーム部分の前方視図、第６図は同左側面図、
第７図は第６図の要部の部分を断面して示す前方視図、
第８図は構成の一部を断面した側面図で示し、第９図は
その横断平面図、第10図は同後面図である。 １……走行装置、Ｂ……脱穀部 ５……穀物収容部、Ａ……刈取部 ａ……ロック機構、６……フィードチエン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】走行装置（１）上の左側に、脱穀部（Ｂ）
   をそのフィードチエン（６）を左外側部にして前後方向
   の向きに搭載し、右側には穀物収容部（５）を設置する
   とともに、脱穀部（Ｂ）の前方に刈取部（Ａ）を設け、
   機体の前進に伴なって植立穀稈を刈取りながら脱穀し脱
   穀後の穀粒を穀物収容部（５）で収納するコンバインで
   あって、刈取部（Ａ）は脱穀部（Ｂ）前側の外側部を支
   点にして左側に横開き可能にし、脱穀部（Ｂ）のフィー
   ドチエン（６）はその全体を終端部を支点にして外側方
   に移動自在に構成してあるものにおいて、前記刈取部
   （Ａ）のロック機構（ａ）解除操作に連動してフィード
   チエン（６）を自動的に外側方へ移動させる構成にした
   ことを特徴とするコンバインにおけるフィードチエンオ
   ープン装置。