JPH0777051A - 過給機付内燃機関の過給圧制御方法および装置 - Google Patents

過給機付内燃機関の過給圧制御方法および装置

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JPH0777051A
JPH0777051A JP5169843A JP16984393A JPH0777051A JP H0777051 A JPH0777051 A JP H0777051A JP 5169843 A JP5169843 A JP 5169843A JP 16984393 A JP16984393 A JP 16984393A JP H0777051 A JPH0777051 A JP H0777051A
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JP
Japan
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pressure
internal combustion
combustion engine
control
actuator
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JP5169843A
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Inventor
Kimio Nemoto
公夫 根本
Hiroki Yamamoto
浩樹 山本
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Aisan Industry Co Ltd
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 過給機付内燃機関の吸気管内の過給圧を、内
燃機関の特性に適合するように制御する。 【構成】 内燃機関20の吸気管22内の圧力空気はリ
リーフ弁42を付設した蓄圧タンク41内に設定圧力P
oで貯留され、電気制御式切換弁装置46が連通したと
き、電気制御式レギユレータ44で制御空気圧Paに調
圧されてアクチユエータ30の圧力室33に印加され
る。内燃機関の回転速度Neは回転速度センサ51によ
り、吸気管22内の過給圧Pは圧力センサ54によりそ
れぞれ検出され、CPUを備えた電気制御回路50は検
出した過給圧Pを記憶している目標過給圧Piと比較
し、過給圧Pより目標過給圧Piを差し引いた差圧△P
が、負の値であるときアクチユエータ30の圧力室33
を外気に連通し、前記差圧△Pが正の値であるとき前記
差圧△Pに対応する制御空気圧Paをアクチユエータ3
0の圧力室33に印加してウエイストゲートバルブ12
を開き、吸気管22内の圧力を前記差圧△Pだけ低下さ
せるように過給圧制御を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等に搭載する過
給機付内燃機関において、過給機より内燃機関の吸気管
に供給される過給圧を、該過給機を取付けた内燃機関の
特性に適合するように制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関に取付ける過給機において、内
燃機関の排気ガスのエネルギでタービンを駆動し、該タ
ービンで圧縮機を駆動して吸気を圧縮して内燃機関の吸
気管に過給圧の空気を供給するとともに、過給圧が内燃
機関の特性に基く目標過給圧に達したときは、過給圧の
空気で作動するアクチユエータで開閉するウエイストゲ
ートバルブの開度を調整して、排気ガスの一部をタービ
ンを迂回する排気バイパス通路に導き、過給圧の上昇を
抑制し、かつ内燃機関の最大回転速度において過給圧を
適正な最大圧力となるように制御することが周知であ
る。特に自動車に搭載される過給機付内燃機関において
は、該内燃機関の燃焼効率の改善および燃費の向上の見
地から、内燃機関の回転速度がかなり低速度域から過給
の開始が求められており、またデイーゼル機関において
は排気ガス浄化の目的からも機関の低回転速度域におい
て過給圧の上昇が求められている。
【0003】このため、ウエイストゲートバルブの開閉
アームに複数個のアクチユエータを取付け、内燃機関の
回転速度に応じて電磁切換弁により選択されたアクチユ
エータの1つに過給圧を供給して特性を変更するように
したもの(実開平1−97039号参照)、が知られて
いる。また、前記周知の制御方式では、過給圧が目標過
給圧に達したときに前記アクチユエータの作動が開始さ
れるので、内燃機関の加速時に過給圧が目標過給圧に達
したときには、応答遅れのため過給圧が目標過給圧を大
きく上回るオーバシユート現象を生じ、内燃機関の耐久
性に悪影響を及ぼすところから、内燃機関の回転速度
と、スロツトル開度、吸気管内圧力または吸入空気温
度、吸入空気量等を検出し、これらのデータから前記ア
クチユエータに供給する過給圧を調節して、前記オーバ
シユート現象を防止しようとするもの(特開平3−18
2630号、特開平3−210023号)も知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術は、
前記アクチユエータとして、その内部で過給圧の空気の
供給を受ける圧力室を区画するダイアフラム等の可動部
材を前記ウエイストゲートバルブにレバー等を介して連
結し、かつ前記ダイアフラムには前記圧力室内の圧力に
抗する方向にばねを付勢させ、前記圧力室内に直接内燃
機関の吸気管内の過給圧の空気を導入して、過給圧が目
標過給圧に達したとき前記ダイアフラムがばねの弾力に
抗して移動を開始し、ウエイストゲートバルブを閉弁状
態から開弁せしめる構成を採用しているため、過給圧の
大きさが前記目標過給圧の前後の大きさであるとき、ま
たは前記内燃機関の回転速度等のデータによりアクチユ
エータ内の圧力室に供給される過給圧の調節が行なわれ
るとき等において、アクチユエータ内の圧力室に目標過
給圧を中心とする微細な圧力変動が生じ、このためウエ
イストゲートバルブに前記圧力変動に基くバタツキが発
生して、過給機の耐久性に重大な影響を与える。
【0005】そこで本発明は、ウエイストゲートバルブ
の開閉を司るアクチユエータの前記圧力室には、内燃機
関の吸気管内の過給圧を直接供給することなく、目標過
給圧より適宜減圧した安定した圧力源を形成し、内燃機
関の吸気管内の過給圧が目標過給圧Piを正の値の差圧
△Pだけ超えたことを判定したとき、前記アクチユエー
タの圧力室に前記安定した圧力源より前記差圧△Pに比
例せしめて調圧した圧力空気を供給して、前記ウエイス
トゲートバルブの開弁および開弁度制御を行なわせるこ
とを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明における過給圧制
御方法は、内燃機関の吸気管に過給機より供給される過
給圧の大きさに対応する制御空気圧をアクチユエータの
圧力室に印加し、該アクチユエータの可動部材の移動量
に応じて前記内燃機関の排気管より前記過給機に供給さ
れる排気ガスの一部をバイパス通路に排出するウエイス
トゲートバルブを開閉せしめる過給機付内燃機関の過給
圧制御方法において、 a)前記内燃機関の回転速度Nを回転速度検出手段によ
り検出し、 b)前記内燃機関の吸気管内の過給圧Pを圧力検出手段
により検出し、 c)過給圧制御のため予め設定した内燃機関の回転速度
Neと該回転速度Neに対応した目標過給圧Piとを記
憶する第1のメモリ手段から、前記検出した内燃機関の
回転速度Nに対応する目標過給圧Piを読み出して前記
検出した過給圧Pから前記目標過給圧Piを差し引いた
差圧△Pを演算して、該差圧△Pが正であるか否かを比
較手段により判定し、 d)前記比較手段が前記差圧△Pは零または負の値であ
ると判定したときは、前記アクチユエータの圧力室を外
気に連通させるとともに、前記過給機より前記内燃機関
の吸気管に供給される過給圧の空気を圧力制御弁を介し
て脈動防止用蓄圧タンクに供給して前記圧力制御弁によ
り定められる設定圧力Poの圧力空気を貯留させ、 e)前記比較手段が前記差圧△Pは正の値であると判定
したときは、過給圧制御のために前記第1のメモリ手段
に設定した目標過給圧Piに付加すべく内燃機関の回転
速度に対応せしめて定めた制御用差圧△Piと、内燃機
関の吸気管内の過給圧が前記目標過給圧Piを前記制御
用差圧△Piだけ超えたときに前記内燃機関の吸気管内
の過給圧を前記制御用差圧△Piに相当する圧力値だけ
低下せしめる前記ウエイストゲートバルブの移動量を定
める前記アクチユエータの圧力室内の制御空気圧Paと
の関係を記憶する第2のメモリ手段から、前記検出した
回転速度Nにおける差圧△Pに等しい制御用差圧△Pi
に対応する制御空気圧Paを読み出して、該蓄圧タンク
と前記アクチユエータの圧力室との間の空気通路に配設
した連続的に調圧制御可能の可変式絞りを備えた電気制
御式レギユレータに前記第2のメモリ手段から読み出し
た前記制御空気圧Paに比例した電気信号を出力して、
前記アクチユエータの圧力室に前記設定圧力Poの圧力
空気を前記制御空気圧Paに調圧した制御空気圧を印加
するとともに、前記アクチユエータの圧力室を前記蓄圧
タンクに連通せしめ、 f)以下a)〜e)の工程を繰り返すことを特徴とする
過給機付内燃機関の過給圧制御方法である。
【0007】本発明における過給圧制御装置は、内燃機
関の吸気管に過給機より供給される過給圧の大きさに対
応する制御空気圧をアクチユエータの圧力室に印加し、
該アクチユエータの可動部材の移動量に応じて前記内燃
機関の排気管より前記過給機に供給される排気ガスの一
部をバイパス通路に排出するウエイストゲートバルブを
開閉せしめる過給機付内燃機関の過給圧制御装置におい
て、前記内燃機関の回転速度Nを検出する回転速度検出
手段と、前記内燃機関の吸気管内の過給圧を検出する圧
力検出手段と、前記アクチユエータの圧力室を前記内燃
機関の吸気管に連通せしめる空気通路に配設され、該空
気通路内の空気の脈動を防止する貯留容積を有するとと
もに、貯留される圧力空気の圧力を予め定めた設定圧力
Poに維持する圧力制御弁と連結された蓄圧タンクと、
前記蓄圧タンクと前記アクチユエータの圧力室とを連通
せしめる前記空気通路に配設され、前記アクチユエータ
の圧力室を外気に開放するとともに前記蓄圧タンクのア
クチユエータ側空気通路を閉塞する第1の位置と、前記
アクチユエータの圧力室と外気との連通を遮断して該圧
力室を前記蓄圧タンクのアクチユエータ側空気通路に連
通せしめる第2の位置との少なくとも2位置に変位可能
の切換弁を備えた電気制御式切換弁装置と、前記蓄圧タ
ンクと前記アクチユエータの圧力室とを連通せしめる前
記空気通路に前記電気制御式切換弁装置の切換弁と直列
に配設され、前記空気通路を通り前記アクチユエータの
圧力室に供給される圧力空気の圧力を連続的に調圧制御
する可変絞りを備えた電気制御式レギユレータと、過給
機制御のため予め設定した内燃機関の回転速度Neと該
回転速度Neに対応した目標過給圧Piとを記憶する第
1のメモリ手段と、過給圧制御のために前記目標制御圧
Piに付加すべく内燃機関の回転速度に対応せしめて定
めた制御用差圧△Piと、内燃機関の吸気管内の過給圧
が前記目標過給圧Piを前記制御用差圧△Piだけ超え
たときに、前記吸気管内の過給圧を前記制御用差圧△P
iに相当する圧力値だけ低下せしめる前記ウエイストゲ
ートバルブの移動量を定める前記アクチユエータの圧力
室内の制御空気圧Paと前記制御用差圧△Piとの関係
を記憶する第2のメモリ手段と、前記回転速度検出手段
および圧力検出手段によりそれぞれ検出した前記回転速
度Nおよび過給圧Pを入力し、前記検出した過給圧Pと
前記第1のメモリ手段から読み出した前記検出した回転
速度Nに対応する目標過給圧Piとの差圧△Pが正であ
るか否かを比較判定する比較手段と、該比較手段が前記
過給圧Pと前記目標過給圧Piとの圧力差△Pは零また
は負の値であると判定したときに前記電気制御式切換弁
装置にその切換弁を前記第1の位置に位置せしめる電気
信号を供給し、前記比較手段が前記圧力差△Pは正の値
であると判定したときに前記電気制御式切換弁装置にそ
の切換弁を前記第2の位置に位置せしめる電気信号を供
給するとともに、前記電気制御式レギユレータの可変絞
りに前記蓄圧タンク内の設定圧力Poの圧力気体の通過
時に前記第2のメモリ手段から読み出した前記差圧△P
に等しい制御用差圧△Piに対応する制御空気圧Paに
調圧せしめる絞り開度を付与する電気信号を供給する信
号発生手段とを備えた電気制御回路とから成ることを特
徴とする過給機付内燃機関の過給圧制御装置である。
【0008】
【作用】本発明における過給圧制御方法は、内燃機関の
回転速度が増大し、過給機により内燃機関の吸気管に供
給圧が上昇しても、圧力検出手段により検出された前記
吸気管内の過給圧Pが、回転速度検出手段により検出さ
れた内燃機関の回転速度Nに対応する第1のメモリ手段
に設定記憶されている目標過給圧Piに等しいかまたは
これより小である間は、アクチユエータの圧力室を外気
に開放せしめてウエイストゲートバルブを作動せしめ
ず、従つて内燃機関の吸気管内圧力は、過給機により生
成された過給圧に等しい。一方、前記アクチユエータの
圧力室を前記内燃機関の吸気管に連通せしめる空気通路
内の空気圧は、蓄圧タンクと圧力制御弁とにより、予め
定めた設定圧力Poに達すると、それ以上の圧力上昇は
圧力制御弁により阻止されて、蓄圧タンク内の空気圧は
設定圧力Poに維持され(Pi>Po)、かつ蓄圧タン
クの圧力空気貯留容積により過給機の過給圧に脈動があ
つても蓄圧タンク内の圧力気体の圧力の脈動は阻止され
る。
【0009】前記吸気管内の過給圧Pが増大し、該過給
圧Pと前記目標過給圧Piとの差圧△Pが正の値となる
と、前記アクチユエータの圧力室は外気への開放を断た
れて前記蓄圧タンクに連通させるとともに、前記アクチ
ユエータの圧力室と蓄圧タンクとを連通する空気通路に
配設した連続的に制御可能の可変絞りを備えた電気制御
式レギユレータに、前記第2のメモリ手段から読み出し
た前記差圧△Pに等しい前記制御用差圧△Piに対応し
て設定記憶されている制御空気圧Paに比例した電気信
号を出力して電気制御式レギユレータの前記可変絞りを
前記設定圧力Poを制御空気圧Paに調圧するよう変更
せしめ、該制御空気圧Paを前記アクチユエータの圧力
室に印加(Po≧Pa)する。これにより前記アクチユ
エータの可動部材は前記ウエイストゲートバルブを移動
させ、内燃機関の排気ガスの一部を過給機を迂回するバ
イパス通路に排出する。
【0010】引き続き内燃機関の回転速度Nおよび吸気
管内の過給圧Pの検出、該過給圧と前記回転速度Nに対
応する目標過給圧Piと制御用差圧△Piの和との対比
が行なわれ、内燃機関の吸気管内の過給圧Pは、内燃機
関の回転速度Nに対応して設定された目標過給圧Piの
圧力値に収斂する。前記アクチユエータの圧力室には、
内燃機関の吸気管内の過給圧が供給されることなく、蓄
圧タンク内に貯留されて圧力制御弁で調圧された設定圧
Poを上回らない圧力に一旦減圧され、かつ脈動のない
制御空気圧Paに調圧した圧力を印加するとともに、該
制御空気圧Paは、内燃機関の吸気管内の過給圧が目標
過給圧Piに達し、これを僅かな圧力値である差圧△P
を超えたときであつて、かつ前記吸気管内の過給圧を前
記差圧△Pだけ低下せしめる値の制御空気圧Paは前記
吸気管内の過給圧ではなく、別途蓄圧タンクに貯留せし
めた設定圧力Poの空気圧を調圧した空気圧であるか
ら、前記目標過給圧Piに達する前後の時期におけるウ
エイストゲートバルブのバタツキは阻止される。
【0011】本発明における過給圧制御装置は、前記圧
力検出手段により検出された前記吸気管内の過給圧P
が、前記回転速度検出手段により検出された内燃機関の
回転速度Nに対応して設定された目標過給圧Piに等し
いかまたはこれより小であると比較手段により判定され
ている間は、前記蓄圧タンクとアクチユエータの圧力室
とを連通する空気通路に配設された電気制御式切換弁装
置の切換弁を、前記アクチユエータの圧力室を外気に開
放するとともに前記蓄圧タンクのアクチユエータ側空気
通路を閉塞する第1の位置に位置するように、電気制御
回路の信号発生手段からの電気信号で制御され、従つて
前記アクチユエータの圧力室は外気に開放されて前記ウ
エイストゲートバルブはバイパス通路を閉塞し、内燃機
関の排気ガスのすべてを過給機に供給している。この状
態においては内燃機関の吸気管内の圧力は過給機によつ
て生成される過給圧と等しくされる。一方、前記アクチ
ユエータの圧力室と前記内燃機関の吸気管とを連通する
空気通路に配設された蓄圧タンクには、前記過給機によ
り生成された過給圧の圧力空気が供給され貯留される
が、蓄圧タンクに連結した圧力制御弁により、蓄圧タン
ク内に貯留される圧力空気の圧力は予め定めた設定圧力
Poを超えることがないように維持され、かつ蓄圧タン
クの貯留容積により蓄圧タンク内の圧力空気の圧力の脈
動が阻止されている。
【0012】前記比較手段により、検出した吸気管内の
過給圧Pから検出した内燃機関の回転速度Nに対応する
目標過給圧Piを差し引いた差圧△Pが正の値であると
判定されたときは、電気制御回路の信号発生手段の発生
する電気信号により、前記電気制御式切換弁装置の切換
弁は前記アクチユエータの圧力室と外気との連通を遮断
して該圧力室を前記蓄圧タンクのアクチユエータ側空気
通路に連通せしめる第2の位置に位置せしめられ、かつ
前記電気制御回路の発生する電気信号により、前記電気
制御式レギユレータはその可変絞りを前記蓄圧タンク内
の圧力空気の設定圧力Poを前記第2のメモリ手段から
読み出した前記差圧△Pに等しい制御用差圧△Piに対
応する制御空気圧Paに調圧する絞り開度に制御され
る。これにより前記アクチユエータの圧力室には制御空
気圧Paが印加され、前記ウエイストゲートバルブは内
燃機関の吸気管内の過給圧を前記制御用差圧△Piに相
当する圧力値だけ低下せしめる量の排気ガスを内燃機関
の排気管よりバイパス通路に排出する開口を排気管に形
成する。
【0013】前記アクチユエータの圧力室は前記電気制
御式切換弁装置と電気制御式レギユレータを直列に配設
した空気通路により前記蓄圧タンクと連結されており、
該蓄圧タンクに貯留された脈動のない設定圧力Poを電
気制御式レギユレータにより制御された前記設定圧力P
oまたはこれより低い圧力の制御空気圧により作動さ
れ、かつ前記内燃機関の吸気管内の過給圧Pが、検出さ
れた内燃機関の回転速度Nに対応する設定された目標過
給圧Piを超えたときは、前記内燃機関の吸気管内の過
給圧Pから前記目標過給圧Piを差し引いた差圧△Pに
対応する制御空気圧Paにより制御されるから、前記内
燃機関の吸気管内の過給圧Pがそのときの内燃機関の回
転速度Nに対応する目標過給圧Piを超えた時期におけ
るウエイストゲートバルブの起動は迅速に行なわれてオ
ーバシユート現象を防止するとともに、前記アクチユエ
ータの圧力室に印加する制御空気圧Paをウエイストゲ
ートバルブの起動時の吸気管内の過給圧Pに対して低い
圧力とした(P>Po≧Pa)ことにより、前記アクチ
ユエータの可動部材に付勢するリターンスプリングの弾
力を小なるものとしても、前記蓄圧タンクにより制御空
気圧Paの元圧である設定圧力Poが安定していること
から、前記アクチユエータの信頼度を極めて向上せしめ
ることができる。
【0014】
【実施例】図1に本発明に係る過給機付内燃機関の過給
圧制御装置の一実施例を示す。過給機1は圧縮機2を軸
を介してタービン3に同心的に連結して、該圧縮機2を
内燃機関20の吸気口21の上流に配設された吸気管2
2に連結した過給機1の圧縮機ケーシング4内に回転自
在に収容するとともに、前記タービン3は前記内燃機関
20の排気口23の下流に配設された排気管24と連結
した過給機1のタービンケーシング5内に回転自在に収
容し、該タービンケーシング5の排気ガス吐出口7は前
記内燃機関20のためのマフラ(図示せず)と連通せし
めたものである。前記内燃機関20の排気口23と前記
過給機1のタービンケーシング5の導入口6の間の排気
管24には該排気管24よりタービン3に流れる排気ガ
スの一部を前記タービン3を迂回させて前記タービンケ
ーシング5の排気ガス吐出口7に排出するための排気ガ
スバイパス通路10を分岐形成する。該排気ガスバイパ
ス通路10の排気管24との連通部である排気バイパス
ポート11には、該排気バイパスポート11を開閉する
ためのウエイストゲートバルブ12を前記排気ガスバイ
パス通路10内に配設し、該ウエイストゲートバルブ1
2はリンク機構13によりアクチユエータ30の可動部
材であるダイヤフラム32と連結される。前記過給機1
の圧縮機ケーシング4の排出口8は内燃機関20の吸気
管22の上流側に連結される。これにより内燃機関20
が運転されると過給機1のタービン3は内燃機関20の
排気ガスにより回転駆動され、圧縮機2は前記タービン
3と同一回転速度で駆動され、圧縮機ケーシング4の吸
入口9より吸入した空気を圧縮して、内燃機関20の吸
気管22に過給圧の空気を圧縮機ケーシング4の排出口
8より供給する。
【0015】前記内燃機関20の吸気口21と過給機1
の圧縮機ケーシング4の排出口8との間の前記吸気管2
2には空気通路25の上流端が連結され、前記吸気管2
2に供給される過給圧の空気の一部は該空気通路25に
分岐供給される。該空気通路25には蓄圧タンク41、
電気制御式レギユレータ44、切換弁を備えた電気制御
式切換弁装置46を直列に配設し、前記空気通路25の
下流端を前記アクチユエータ30の圧力室33に連通せ
しめる。前記アクチユエータ30は、周縁部をケーシン
グ31に固定された前記ダイヤフラム32により、該ケ
ーシング31の内部を前記空気通路25に連通する圧力
室33と外気に連通する調圧室34とに区画され、該調
圧室34は前記ケーシング31を貫通して前記ダイヤフ
ラム32に連結されるリンク機構13の貫通孔を介して
外気と連通され、該リンク機構13は前記調圧室34内
において前記ダイヤフラム32とケーシング31間に介
装されたリターンスプリング35の弾力により、前記ウ
エイストゲートバルブ12を排気バイパスポート11を
閉塞する方向に付勢される。前記アクチユエータ30の
圧力室33に空気通路25より制御空気圧Paが供給さ
れるときは、前記ダイヤフラム32は制御空気圧の大き
さに比例して撓み、リンク機構13をリターンスプリン
グ35の弾力に抗して移動させ、ウエイストゲートバル
ブ12を開いて排気バイパスポート11を開き、該排気
バイパスポート11の開度に応じた量の排気ガスをター
ビン3を迂回せしめて排気ガスバイパス通路10よりタ
ービンケーシング5の吐出口7に排出し、前記タービン
3および圧縮機2の回転速度を減少せしめて過給機1の
圧縮機ケーシング4の排出口8より内燃機関20の吸気
管22に供給する過給圧Pを低減せしめる。
【0016】内燃機関20の回転速度を検出するため、
内燃機関20のケーシングに光学式回転速度センサ51
が取付けられる。該光学式回転速度センサ51は、前記
内燃機関のクランクシヤフト52に同心的に取り付けら
れて、外周部に等間隔のスリツトあるいは歯形を刻設し
た円板53と対向せしめられ、この円板53のスリツト
または歯形を光学的に検出してパルス状の信号を出力
し、回転速度を検出する。一方内燃機関20の吸気管2
2の燃料噴射弁または気化器の上流側の位置に吸気管圧
力を測定するための圧力センサ54を配設する。この圧
力センサ54はブルドン管型、ベローズ型、ダイヤフラ
ム型等の通常内燃機関の圧力検出器として通常用いられ
る半導体式圧力センサでよく、吸気管22内の過給圧P
を検出して、過給圧Pに比例した電気信号を出力する。
【0017】蓄圧タンク41は、その内部に前記空気通
路25を介して内燃機関20の吸気口21と連通してい
る吸気管22より供給される過給機1の圧縮機2により
形成された過給圧Pの空気を、予め定めた容積だけ貯留
する内部空間を有する。この内部空間の容積は、前記過
給機1の回転速度むらにより生ずる前記空気通路25内
の脈動を防止するに足る貯留容積とする。前記蓄圧タン
ク41の内部空間は該蓄圧タンク41の側壁に設けた圧
力制御弁としての圧力リリーフ弁42を介して外気と連
通せしめられ、該圧力リリーフ弁42は前記蓄圧タンク
41内の空気の圧力が予め設定された設定圧力Poを超
えたときに該リリーフ弁42およびフイルタ43を介し
て前記蓄圧タンク41内の空気の一部を放出し、該蓄圧
タンク41内の空気圧を設定圧力Poの空気圧に維持す
る。
【0018】電気制御式切換弁装置46は前記蓄圧タン
ク41と前記アクチユエータ30とに直列に、両者を連
通せしめている空気通路25に配設される。該電気制御
式切換弁装置46は電磁ソレノイドと切換弁とを備え、
後述する電気制御回路50よりOFFの電気信号を電磁
ソレノイドに入力したとき、前記切換弁は前記アクチユ
エータ30の圧力室33側の連通孔26を放出口47お
よびフイルタ48を介して外気に開放するとともに、前
記蓄圧タンク41側の空気通路25との連通口27を閉
塞する第1の位置と、前記電気制御回路50よりONの
信号を電磁ソレノイドに入力したとき、前記切換弁は前
記アクチユエータ30の圧力室33と外気との連通を遮
断して該圧力室33を前記連通孔26に連通せしめると
ともに、前記蓄圧タンク41側の空気通路25との連通
口27を開放して前記アクチユエータ30の圧力室33
を前記蓄圧タンク41に連通せしめる第2の位置との、
2個の位置に選択的に位置せしめられる。
【0019】電気制御式レギユレータ44は前記蓄圧タ
ンク41と前記アクチユエータ30の圧力室33とを連
通せしめる空気通路25に前記切換弁を備えた電気制御
式切換弁装置46と直列に配設される。該電気制御式レ
ギユレータ44は、前記蓄圧タンク41よりアクチユエ
ータ30の圧力室33に供給する圧力Poの空気流の流
路に絞り部を形成し、該絞り部より空気放出口45を介
し外気に放出する空気量を規定する円形の通孔を有する
弁座と、ステツピングモータの回転により前記弁座の通
孔内においてその軸方向に移動自在とされた円錐形の弁
体とを備える。該弁体とステツピングモータの回転軸と
の間には、該回転軸の回転量を該回転軸の軸方向への前
記弁体の直線的移動量に変換するねじ式またはボールね
じ式の運動変換機構が介設され、前記弁座と弁体との間
の流体通路面積を前記ステツピングモータに入力するパ
ルス状の電気信号の大きさに比例して変化させ、これに
より前記空気放出口45より外気に放出する空気量を加
減して前記絞り部の下流側の空気圧を上流側の空気圧よ
り可変的に減圧せしめる。従つて前記電気制御式レギユ
レータ44は、後述するように電気制御回路50よりパ
ルス状の電気信号を入力したときは、前記ステツピング
モータは入力した電気信号のパルス数に比例した角度だ
け回転軸が回転し、前記弁体は弁座に対してステツピン
グモータの回転角に比例した量だけ直線的に移動して弁
座との間の流体通路を変化させ、これにより前記空気通
路25より前記アクチユエータ30の圧力室33に印加
される空気圧を前記電気制御回路50の指令信号どうり
に減圧する。以上から、電気制御回路50の出力信号O
FFが電気制御式切換弁装置46に入力しているとき
は、該切換弁装置46の切換弁は前記第1の位置にあつ
て前記アクチユエータ30の圧力室33を外気に連通せ
しめているので、ウエイストゲートバルブ12はリター
ンスプリング35の弾力で排気バイパスポート11を閉
塞しているが、電気制御回路50の出力信号ONが電気
制御式切換弁装置46に入力すると、該切換弁装置46
の切換弁は前記第2の位置に移動してアクチユエータ3
0の圧力室33を蓄圧タンク41に連通させ、該蓄圧タ
ンク41内の設定圧力Poの圧力気体は、電気制御回路
50の指令電気信号のパルス数に比例して制御される電
気制御式レギユレータ44の絞り量に対応して制御空気
圧Paに減圧されてアクチユエータ30の圧力室33に
供給され、ウエイストゲートバルブ12を移動させ、排
気バイパスポート11の開度が変更される。
【0020】電気制御回路50は、内燃機関の回転速度
Neと該内燃機関が回転速度Neで回転しているときに
該内燃機関の吸気管に印加すべき目標過給圧Piの関係
を記憶せしめた第1のメモリ手段と、前記内燃機関の回
転速度Neにおいて該内燃機関の吸気管内の過給圧の実
測値Pが前記目標過給圧Piより前記制御用差圧△Pi
だけ超えているときに、前記吸気管内の過給圧Pを前記
制御用差圧△Piだけ低下せしめて前記目標過給圧Pi
とするためのウエイストゲートバルブ12による排気バ
イパスポート11の開度を生じさせるために前記アクチ
ユエータ30の圧力室33に印加すべき制御空気圧Pa
と前記制御用差圧△Piとの関係を内燃機関の回転速度
Neとともに記憶せしめた第2のメモリ手段と、前記回
転速度センサ51が検出した内燃機関の回転速度実測値
Nから前記第1のメモリ手段より前記回転速度Nに対応
する目標過給圧Piを読み出し、前記圧力センサ54が
検出した内燃機関の吸気管内の過給圧実測値Pとを比較
して該過給圧実測値Pと前記目標過給圧Piを差し引い
た差圧△Pが正であるか負であるかを判定する比較手
段、前記第2のメモリ手段から前記差圧△Pに等しい制
御用差圧△Piに対応する制御空気圧Paを読み出す手
段および該比較手段の判定結果により前記電気制御式切
換弁装置46と電気制御式レギユレータ44に指令電気
信号を出力するCPUを備えるものである。前記電気制
御回路50は図2のフローチヤートに示すように、ステ
ツプ101において回転速度センサ51の検出した内燃
機関20の回転速度Nおよび圧力センサ54の検出した
内燃機関の吸気管22内の過給圧Pを読みとり、ステツ
プ102において前記第1のメモリ手段の記憶Pi=f
(Ne)より前記検出した内燃機関の回転速度Nに対応
する目標過給圧Piを読み出し、前記ステツプ101に
おいて読みとつた内燃機関の吸気管内の過給圧Pよりス
テツプ102で読み出した目標過給圧Piを差し引いた
差圧△Pが正の値であるか否かを対比する。
【0021】ここで、ステツプ103において、圧力セ
ンサ54により検出した過給圧Pが目標過給圧Piを超
えた差圧△Pが零または負の値であると判定したとき
は、ステツプ104において電気制御式切換弁装置46
に電気信号OFFを出力してリターンする。該電気制御
式切換弁装置46は前記電気信号OFFを電磁ソレノイ
ドに入力して前記切換弁を前記第1の位置、即ちアクチ
ユエータ30の圧力室33側の連通孔26を外気に開放
させ、前記切換弁装置46の蓄圧タンク41側の空気通
路25との連通口27を閉塞する位置に位置せしめる。
前記ステツプ103において、圧力センサ54により検
出した過給圧Pより目標過給圧Piを差し引いた差圧△
Pが正であると判定したときは、ステツプ105におい
て前記第2のメモリ手段の記憶Pa=f(△Pi)より
前記内燃機関の回転速度実測値Nにおける前記差圧△P
と同一値である制御用差圧△Piと対応するアクチユエ
ータ制御空気圧Paに比例するパルス信号を読み出し、
ステツプ106において該アクチユエータ制御空気圧P
aに比例するパルス信号を電気制御式レギユレータ44
に出力し、ステツプ107において電気制御式切換弁装
置46に電気信号ONを出力してリターンする。
【0022】電気制御式レギユレータ44は前記ステツ
プ106において出力されたアクチユエータ制御空気圧
Paに比例するパルス信号を入力して該パルス信号に比
例する角度位置にステツピングモータの回転子が回転
し、弁体を弁座に対して直線的に移動させ、前記レギユ
レータ44の設定圧力Poの空気流が流れる流路に形成
した絞り部より空気放出口を介して外気に放出する空気
量を前記弁体の移動量により変更して、前記絞り部の上
流側の空気圧Poを前記絞り部の下流側において前記制
御圧Pa(Po≧Pa)に調圧する。電気制御式切換弁
装置46は電気信号ONを電磁ソレノイドに入力して、
前記切換弁を第2の位置、即ちアクチユエータ30の圧
力室33と外気との連通を遮断して前記連通口26をア
クチユエータ30の圧力室33に連通せしめるととも
に、前記連通孔27を開放せしめて、アクチユエータ3
0の圧力室33を前記蓄圧タンク41に連通せしめる位
置に位置せしめる。そして前記電気制御レギユレータ4
4と電気制御式切換弁装置46は前記アクチユエータ3
0の圧力室33と前記蓄圧タンク41とを連結する空気
通路25に直列に配設されているから、アクチユエータ
30の圧力室33には前記制御空気圧Paが印加され、
アクチユエータ30のダイヤフラム32はリターンスプ
リング35の弾力に抗してリンク機構13およびウエイ
ストゲートバルブ12を排気バイパスポート11より離
間させ、検出した過給圧Pを前記第2のメモリ手段に前
記制御空気圧Paと対応せしめて記憶されている制御用
差圧△Piだけ低下せしめるバイパス排気量を排気バイ
パス通路10に放出せしめる。電気制御回路50は、さ
らにステツプ101,102,103,105,10
6,107の操作を繰返し、これにより内燃機関20の
吸気管22内の過給圧Pを、前記第1のメモリ手段に記
憶されている内燃機関の回転速度Neと目標過給圧Pi
との関係を示すデータに基き、検出された内燃機関20
の回転速度Nに対応する目標過給圧Piに吸気管22内
の過給圧を滑らかに収斂せしめる。
【0023】図3ないし図6を用いて本発明の過給圧制
御方法の特徴を、従来技術と対比せしめて説明する。図
3は、内燃機関の回転速度Neと該回転速度における過
給圧Pcおよび目標過給圧Piの関係を示す線図であ
る。一般的に、内燃機関の回転速度Neの増大に比例し
て過給機により生成される過給圧Pcは実線61に示す
ように直線状に増大する。この内燃機関においては回転
速度がNxで過給圧がPx(=Pi)に達した時点から
過給圧制御を開始するものとする。従来技術においては
ウエイストゲートバルブを開閉せしめるアクチユエータ
の圧力室に吸気管内の過給圧の空気を供給してダイヤフ
ラムに過給圧を作用せしめ、一方該ダイヤフラムを前記
過給圧に抗する方向に付勢するリターンスプリングは、
アクチユエータの圧力室内の圧力がPxと釣り合う高弾
力に設定され、アクチユエータの圧力室内の圧力即ち内
燃機関の吸気管内圧力がPxを超えたとき、ダイヤフラ
ムを過給圧により移動させてウエイストバルブを開き、
排気ガスの一部を過給機のタービンを迂回させてバイパ
ス通路より排気ガス吐出口へ排出し、タービンおよび圧
縮機の回転速度の増大を阻止する。これによつて理論的
には内燃機関の回転速度Neが回転速度Nxより増大し
ても、内燃機関の吸気管内の圧力およびアクチユエータ
の圧力室内の圧力は破線62に示すように一定値の過給
圧Pxに維持される。この破線62により示される過給
圧は目標過給圧Piと呼ばれ、前記過給圧制御開始点で
ある実線61と破線62との交点63はインターセプト
点と呼ばれる。ところで、上記従来技術における過給圧
制御方法においては、過給圧制御開始時のアクチユエー
タの圧力室内の圧力は前記過給圧Pxとなつているの
で、内燃機関が前記インターセプト点63の回転速度N
xを超えてもウエイストゲートバルブの開放が開始され
ないオーバシユート現象が発生し、内燃機関の耐久性に
悪影響を及ぼすことがある。
【0024】本発明の過給圧制御方法は、内燃機関の特
性に応じて内燃機関の回転速度Neに対する目標過給圧
Piとの関係を任意に設定して電気制御回路の第1のメ
モリ手段に記憶せしめるとともに、過給圧制御にあたり
前記目標過給圧Piに付加すべき制御用差圧△Piと内
燃機関の回転速度Neに対応させて内燃機関の吸気管内
の過給圧を前記制御用差圧△Piだけ低下せしめるウエ
イストゲートバルブのストローク量を発生するためにア
クチユエータの圧力室に印加する制御空気圧Paとの関
係を設定するデータを電気制御回路の第2のメモリ手段
に記憶させておき、内燃機関の回転速度の検出値Nに対
応する目標過給圧Piと吸気管内の過給圧の検出値Pと
対比判定して、過給圧Pを内燃機関の回転速度Nに対応
する目標過給圧Piに収斂せしめる安定した制御を行な
うことを第1の特徴とする。説明を簡易にするために、
過給圧制御の対象とする目標過給圧Piを前記従来技術
の目標過給圧Pxと同一値とし、かつ内燃機関の全回転
速度範囲で同一とする。図3の破線62はこれを示す。
本発明の過給圧制御方法においては、図3に示す破線6
2で示される内燃機関の回転速度Neに対応する目標過
給圧PiのデータPi=f(Ne)を第1のメモリ手段
に記憶せしめておくとともに、少なくとも目標過給圧P
iのインターセプト点63より大なる内燃機関の回転速
度Neに対応せしめて目標制御圧Piに付加すべき制御
用差圧△Piと前記制御空気圧Paとの関連を示す式P
a=f(△Pi)またはデータを第2のメモリ手段に記
憶せしめておく。
【0025】本発明においては、回転速度検出手段によ
り検出した内燃機関の回転速度Nと圧力検出手段により
検出した内燃機関の吸気管内の過給圧Pとにより、前記
第1のメモリ手段に記憶された回転速度Ne−目標過給
圧Piのデータより回転速度Nに対する目標過給圧Pi
と前記過給圧Pとを対比し、PからPiを除去した差圧
△Pが正の値であるか否かを判定し、前記差圧△Pが負
であるかまたは零であるときは、ウエイストゲートバル
ブを閉じたままとし、過給圧制御を行なわない(図2の
ステツプ101,102,103,104参照)。図3
において実線61で示される直線状の回転速度Ne−目
標過給圧Pi線において回転速度Neが速度Nx以下の
直線部においては△Pは負または零であり、ウエイスト
ゲートバルブは閉塞位置にある。検出された内燃機関の
回転速度Nが速度Nyであり検出された過給圧Pが圧力
Pyであるときは、過給圧Pyと回転速度Nyに対応し
て設定された目標過給圧Piとの差圧△Pは正である。
このとき過給機の発生する過給圧を△Pだけ低下せしめ
る排気のバイパスを生ぜしめるために、前記第2のメモ
リ手段から内燃機関の回転速度Nにおいて前記差圧△P
に等しい前記制御用差圧△Piに対応する制御空気圧P
aを読み出し、電気制御式レギユレータに前記制御空気
圧Paに比例する電気信号を出力し、アクチユエータの
圧力室に前記制御空気圧を印加して、ウエイストゲート
バルブを前記排気のバイパスを生ずる大きさだけ排気バ
イパスポートより離間せしめる。以下回転速度Nおよび
過給圧Pの検出、目標過給圧Piとの対比判定を繰り返
す。これにより内燃機関の吸気管内の過給圧Pは、図3
の曲線64に示すように内燃機関の回転速度Neが増大
しても、破線62で示す過給圧に収斂する。前記制御用
差圧△Piを定めたことにより、内燃機関が自動車に搭
載されるものである場合、インターセプト点における目
標過給圧に対する内燃機関の吸気管内の過給圧の変動
は、前記目標過給圧Piに対しその0.5〜5%の範囲
に収めることができ、自動車の走行の滑らかさを保証す
ることができる。後述するアクチユエータの圧力室に制
御空気圧を印加する手段の分解能によつては、前記目標
過給圧Piの0.5〜2%の範囲に収めることができ、
一層目標過給圧Piに近似した過給圧制御を行うことが
できる。なお前記従来技術において、インターセプト点
において過給圧制御を開始するときに生ずるオーバシユ
ート現象は、アクチユエータの応答遅れのために過給圧
制御が目標過給圧Pxを10%を超えて上回つたときに
生ずる現象であるが、本発明における内燃機関の吸気管
内の過給圧の変動は10%を上回ることはない。
【0026】本発明の過給圧制御方法は、内燃機関の吸
気管内に過給機から吐出された過給圧の圧力空気を直接
アクチユエータの圧力室に制御用空気として供給するこ
となく、内燃機関の吸気管に吐出された過給圧の圧力空
気を圧力制御弁を連結した脈動防止用蓄圧タンクにより
前記圧力制御弁によつて定められる前記インターセプト
点における目標過給圧より低い圧力の設定圧力Po(P
o<Pi)の圧力空気として貯留させ、前記アクチユエ
ータの圧力室には、前記蓄圧タンク内の設定圧力Poの
圧力空気を前記制御用差圧△Piに比例した制御空気圧
Pa(Pa≦Po)に調圧して供給することを第2の特
徴とする。アクチユエータに制御空気圧を印加してウエ
イストゲートバルブを移動せしめると、該ウエイストゲ
ートバルブの移動量(ストロークS)に比例して排気バ
イパスポートから排気バイパス通路に流入して過給機の
タービンを迂回するバイパスガス量Qは図4に示すよう
に直線的に増大し、これにより過給機の圧縮機が生成す
る過給圧Pは減少する。ここで図3に示すように内燃機
関の回転速度がNyであるとき過給圧制御が開始される
内燃機関の運転状態であつたとき、前記第1のメモリ手
段に記憶した回転速度Nyにおける目標過給圧Piとの
差圧△Pだけ過給圧Pを減少せしめると、過給機が生成
する過給圧は目標過給圧Piになる。一方、アクチユエ
ータに印加する制御空気圧Paとウエイストゲートバル
ブのストロークSとの関係を図5に示すと、制御空気圧
Paが圧力Pabに達したときリターンスプリングの弾
力が相殺されて、それ以降はストロークSは制御空気圧
Paの増大に比例して直線的に増大することが自明であ
る。従つて過給機の特性とアクチユエータの特性が設計
上特定されたときは、図4に示すストロークSとバイパ
スガス量Qとの関係を示すデータと、図5に示すアクチ
ユエータ制御空気圧PaとストロークSとの関係を示す
データとから、制御用差圧△Piとアクチユエータ制御
空気圧Paとの関係を示すデータを内燃機関の回転速度
に対応せしめて特定することができ計算をすることもで
きる。これを電気制御回路の第2のメモリ手段にPa=
f(△Pi)として記憶せしめる。
【0027】アクチユエータの圧力室に印加される制御
空気圧Paは、図1に示す蓄圧タンク41から導かれ
る。既に説明したように、蓄圧タンク41には、過給機
1から内燃機関20の吸気管22に吐出された過給圧P
の圧力空気の一部が空気通路25を介して供給され、蓄
圧タンク41内の圧力は圧力制御弁である圧力リリーフ
弁42により設定される設定圧力Poに維持される。こ
こに設定圧力Poは、図3に示す目標過給圧線のインタ
ーセプト点63における目標過給圧の60〜80%、好
ましくは70%の圧力値に設定する。本発明の過給圧制
御方法においては、回転速度検出手段51および圧力検
出手段54によりそれぞれ内燃機関の実際の回転速度N
および吸気管内の実際の過給圧Pを検出し、前記第1の
メモリ手段に記憶せしめた回転速度Neとこれに対応す
る目標過給圧Piのデータメモリから前記実際の回転速
度Nに対応する目標過給圧Piを読み出し(ステツプ1
01)、前記実際の過給圧Pより読み出した目標過給圧
Piを差し引いた差圧△Pが正であるか否かを比較手段
により判定する(ステツプ103)。過給機の過給圧制
御においては、目標過給圧線のインターセプト点におけ
る目標過給圧に達するまではウエイストゲートバルブを
作動せしめることはない。従つて図3の破線62よりな
る目標過給圧線を設定した場合は内燃機関の回転速度N
eが速度Nxに達するまでの回転速度においては目標過
給圧は回転速度Nxに対応する目標過給圧Piに設定さ
れる。そこで回転速度Nx以下の回転速度において実際
の過給圧Pより目標過給圧Piを差し引いた差圧△Pは
零または負の値となる。このとき電気制御回路50は電
気制御式切換弁装置46に電気信号OFFを出力して
(ステツプ104)、アクチユエータ30の圧力室33
を外気に連通させるとともに蓄圧タンク41側の空気通
路25との連通口27を遮断するように、前記切換弁装
置46の切換弁を第1の位置に位置せしめる。これによ
りアクチユエータ30の圧力室33には大気圧が印加さ
れ、ウエイストゲートバルブ12はリターンスプリング
35の弾力により排気バイパスポート11を閉塞した状
態に維持され、一方蓄圧タンク41内には内燃機関20
の吸気管22から供給される圧力空気が貯留されるとと
もに、圧力リリーフ弁42により貯留圧力空気の圧力は
前記設定圧力Poを超えないように維持される。
【0028】内燃機関20の運転状態により、回転速度
Neがインターセプト点63を超えた後は、検出した実
際の過給圧Pは目標過給圧Piを超え、比較手段におい
て実際の過給圧Pから目標過給圧Piを差し引いた差圧
△Pが正の値となる(ステツプ103)。圧力検出手段
54により検出された吸気管22内の過給圧Pより回転
速度検出手段51により検出された内燃機関20の実際
の回転速度Nに対応する目標過給圧Piを差し引いた差
圧△Pを正の値であると比較手段が判定したときは、過
給圧制御が行なわれる。即ち、図3に示すように圧力検
出手段54と回転速度検出手段51がそれぞれ検出した
値が過給圧Py、回転速度Nyであるとしたとき、実際
の過給圧Pyより前記目標過給圧Piを差し引いた差圧
△Pが正の値であると比較手段が判定したときは(ステ
ツプ103)、前記第2のメモリ手段に記憶された制御
用差圧△Piとこれに対応する制御空気圧Paとの関係
を示すデータより前記回転速度Nyに対応して記憶され
ている前記差圧△Pに等しい制御用差圧△Piに対応す
る制御空気圧Paを読み出し(ステツプ105)、電気
制御式レギユレータ44に制御空気圧Paに比例する電
気パルス信号を出力(ステツプ106)し、前記レギユ
レータ44の可変式絞りを、蓄圧タンク41内の設定圧
力Poの圧力気体が該可変式絞りを通過後に前記制御空
気圧Paに調圧せしめるようステツピングモータを回転
せしめ、かつ電気制御式切換弁装置46に電気信号ON
を出力して、該切換弁装置46によりアクチユエータ3
0の圧力室33と外気との連通を遮断して該圧力室33
を蓄圧タンク41側の空気通路25に連通せしめるよう
に、前記切換弁装置46の切換弁を第2の位置に位置せ
しめる。これにより電気制御式レギユレータ44により
設定圧力Poから制御空気圧Paに調圧された制御用空
気がアクチユエータ30の圧力室33に導入され、アク
チユエータ30のダイヤフラム32は制御空気圧Paが
印加されたことによりウエイストゲートバルブは図4お
よび図5から明らかなように吸気管22内の過給圧Pを
制御用差圧△Piだけ減圧するバイパスガス量Qを排気
バイパス通路10に放出する。
【0029】電気制御回路は、再び圧力検出手段54お
よび回転速度検出手段51により検出した実際の過給圧
Pおよび回転速度Nから上記比較判定および出力を繰り
返す。これにより内燃機関20の吸気管22内の過給圧
Pcは、図3に線64で示したように目標過給圧Piに
限りなく近接するように収斂する。前記電気制御式レギ
ユレータ44は、アクチユエータ30の圧力室33に印
加する制御空気圧Paを、蓄圧タンク41に貯留されて
いる圧力空気の圧力値である設定圧力Poの50〜10
0%の圧力値の範囲で連続的かつ直線的に調圧するもの
とする。これを達成する電気制御式レギユレータ44と
しては、空気放出口45を介して外気に放出する空気量
を規定する円形の通孔を有する弁座を円錐形の弁体が完
全に閉塞する位置と、該弁体と弁座との間の間隙が前記
レギユレータ44を通過した後の圧力空気の空気圧が5
0%Poとなる位置との間を、ステツピングモータによ
り前記弁体を直線的に移動せしめる形式のものが好まし
い。また蓄圧タンク41内の空気圧力を目標過給圧線の
インターセプト点63における目標過給圧Piの70%
の設定圧力Poとしたときは、アクチユエータ30の圧
力室33に印加する制御空気圧Paは前記目標過給圧P
iの35〜70%と低い圧力とすることができ、ウエイ
ストゲートバルブ12による排気ガスのバイパスを開始
せしめる制御空気圧Pab(図5参照)を前記目標過給
圧Piの35%の圧力値とすることができ、これにより
アクチユエータ30に配設するリターンスプリング35
の弾力を35%Piに対応する弾力とすることができ
る。
【0030】以上の説明においては、目標過給圧Piを
図3の破線62に示すようにインターセプト点63にお
ける目標過給圧Pxと同一圧力値として説明したが、本
発明においては内燃機関の吸気管内の過給圧を直接アク
チユエータの圧力室に印加する制御ではなく、内燃機関
の圧力室には蓄圧タンク内の設定圧力Poの一定圧の空
気圧力を電気制御式レギユレータによりさらに調圧して
印加するものであるため、インターセプト点63より内
燃機関の回転速度Neが高速側の目標過給圧Piを回転
速度Neに対応させて変化させて増減することにより、
内燃機関の特性に応じた回転速度−過給圧のパターンに
制御することができる。図6にこれら内燃機関の特性に
適応した過給圧制御の例を示す。図6のパターン71
は、図3に示すインターセプト点を回転速度Nx,過給
圧Pxに定め、回転速度Neのインターセプト点より高
速側において過給圧Pcが直線的に低下するように目標
過給圧Piを定めた過給圧のパターンであつて、デイー
ゼル機関において過剰吸気量を防止せしめるに適したパ
ターンである。またパターン72は、インターセプト点
をパターン71と同様に回転速度Nx,過給圧Pxに定
め、回転速度Neのインターセプト点より高速側におい
て過給圧Pcを上昇させた後、下降するように目標過給
圧Piを定めた過給圧のパターンであつて、デイーゼル
機関のウエイストゲートバルブの全閉時から過給圧制御
を開始する過渡状態における回転速度域における運転状
態に難点のあるデイーゼル機関の過給圧制御に好適なパ
ターンである。さらにパターン73は、インターセプト
点を前記回転速度Nx,過給圧Pxより高速高圧である
回転速度Nz,過給圧Pzに定め、内燃機関の回転速度
Neが前記速度Nzより高速側において急速に過給圧P
cを低下させ、かつ回転速度Neのさらに高速側におい
ては過給圧Pcを緩やかに低下せしめるように目標過給
圧Piを回転速度Neに対応させて設定した過給圧のパ
ターンであつて、ガソリン機関およびデイーゼル機関を
問わず、回転速度Nx,過給圧Pxをインターセプト点
として定めた場合にウエイストゲートの全閉時から過給
圧制御を開始する過渡状態における回転速度域における
運転特性に難点のある内燃機関の過給圧制御に好適なパ
ターンである。
【0031】本発明を過給機付の4気筒3000ccの
デイーゼル機関に実施した一例を示す。アクチユエータ
の圧力室を画成するダイヤフラムの有効受圧面積を18
cm2とし、リターンスプリングにスプリング力が6k
g・fのコイルスプリングを用いた小型のアクチユエー
タにより、受圧面積が5cm2のウエイストゲートバル
ブを作動せしめる過給圧制御装置を構成し、前記デイー
ゼル機関のインターセプト点における目標過給圧を70
0mmHgに設定した。このときインターセプト点にお
けるウエイストゲートバルブにかかる背圧は約1kg/
cm2であつたが、ウエイストゲートバルブの開放を開
始するインターセプト点においてアクチユエータの圧力
室に印加する制御空気圧の最小値は245mmHgで足
り、インターセプト点における目標過給圧の35%で足
りた。なお上記実施例の説明において電気制御式切換弁
装置46は、電気信号OFFを入力したとき切換弁を第
1の位置に位置させ、電気信号ONを入力したとき切換
弁を第2の位置に位置させるものとして説明したが、前
記切換弁装置46は電気信号が入力しないときはばねで
前記第1の位置に位置するように付勢されており、電気
信号が入力したときに前記ばねの付勢力に抗して前記第
2の位置に位置するものとしても差支えない。図7に本
発明の過給圧制御装置の他の実施例を示す。この実施例
は、図1に示す実施例と異なる点は電気制御式切換弁装
置46が電気制御式レギユレータ44とアクチユエータ
30の圧力室33とを連結する空気通路25に配設され
ている点であつて、その他の構成は図1に示す実施例と
同一であり、作用効果においても図1に示す実施例と異
なるところはないが、電気制御式切換弁装置46の切換
弁が第1の位置にあるとき、電気制御式レギユレータ4
4は、弁体が空気放出口45に通ずる弁座を閉塞する位
置に位置せしめられる。図8に本発明の過給圧制御装置
のさらに他の実施例を示す。この実施例は、図1に示す
実施例において圧力制御弁60を蓄圧タンク41の上流
側に設けたものである。図において蓄圧タンク41の上
流側の空気通路25内には環状の弁座61が前記空気通
路25の壁面に突出するように設けられ、前記弁座61
に着座して該弁座61を閉塞可能の形状とした円錐形外
表面を備えた弁体62の弁杆は、前記空気通路25の外
壁にケーシング63を固定したアクチユエータ64に設
けたダイヤフラム65に固定され、該ダイヤフラム65
と前記ケーシング63により囲まれた圧力室66は前記
蓄圧タンク41と連通せしめられ、前記ダイヤフラム6
5は前記蓄圧タンク41内の圧力気体が上昇するに従
い、リターンスプリング67の弾力に抗して弁体62を
弁座61に近接させる。前記リターンスプリング67の
弾力は蓄圧タンク41および圧力室66内の圧力気体の
圧力が前記設定圧力Poに達したとき、弁体62を弁座
61に着座せしめ、閉塞せしめる弾力に設定する。従つ
て過給機1が起動せしめられて吸気管22内の過給圧が
設定圧力Poに達すると、圧力制御弁60は弁体62を
弁座61に着座させ、過給圧が設定圧力Poを超えた後
においても蓄圧タンク41内の圧力気体の圧力を設定圧
力Poに維持するとともに、蓄圧タンク41内の圧力気
体がウエイストゲートバルブ12を駆動するアクチユエ
ータ30により消費されてアクチユエータ64の圧力室
66内の圧力が設定圧力Poを下回つたときは、弁体6
2は弁座61より離座せしめられて、蓄圧タンク41内
の圧力を上昇させる。なお、前記弁体62の弁杆がアク
チユエータ64のケーシング63および空気通路25の
壁を貫通する部分は、オイルシール68により摺動自在
に支承され、かつ空気通路25内部の過給圧をアクチユ
エータ64の大気圧室69に導入せしめることはない。
【0032】
【発明の効果】本発明の過給圧制御方法および装置にお
いては、アクチユエータの圧力室を区画するダイヤフラ
ム等の可動部材にリンク機構を介して連結したウエイス
トゲートバルブを開閉させるにあたり、過給機を付設し
た内燃機関の吸気管内の過給圧を前記アクチユエータの
圧力室に供給してウエイストゲートバルブの開閉を前記
アクチユエータの圧力室に供給される過給圧により直接
制御することなく、内燃機関の吸気管内の圧力空気を該
空気通路に連通せしめた蓄圧タンク内に導き、該蓄圧タ
ンクに連結した圧力制御弁により前記内燃機関の特性に
応じて設定した目標過給圧線の少なくともインターセプ
ト点における目標過給圧Piより低い中間値の一定圧で
ある設定圧力Poの圧力空気として貯留せしめ、さらに
過給圧制御時にはこの蓄圧タンクに貯留した圧力空気を
可変式絞りを備えた電気制御式レギユレータを介して前
記アクチユエータの圧力室に供給しその圧力を前記可動
部材に印加しているから、内燃機関の吸気管内に供給さ
れる過給機の生成した圧力空気に圧力の脈動があつても
蓄圧タンクの容積によりその脈動は消去され、アクチユ
エータの圧力室内には前記圧力の脈動が伝達されること
なく、またアクチユエータの圧力室に印加される制御空
気圧が内燃機関の吸気管内圧力より低圧であつてアクチ
ユエータの可動部材を付勢するリターンスプリングの弾
力を小とすることができることと相俟つて、ウエイスト
ゲートバルブの開閉作動を鋭敏とすることができ、その
バタツキを阻止することができる。
【0033】さらに本発明においては、過給圧制御のた
め予め設定した内燃機関の回転速度Neと該回転速度に
対応した目標過給圧Piのデータを第1のメモリ手段に
記憶せしめ、また内燃機関の吸気管内の過給圧が前記目
標過給圧Piを制御用差圧△Piだけ超えたときに前記
吸気管内の過給圧を前記制御用差圧△Piに等しい圧力
だけ低下せしめるウエイストゲートバルブの移動量を定
めるアクチユエータの圧力室内の制御空気圧Paと前記
制御用差圧△Piとの対応を示すデータを第2のメモリ
手段に記憶せしめておき、圧力検出手段により内燃機関
の吸気管内の実際の過給圧Pを、また回転速度検出手段
により内燃機関の実際の回転速度Nをそれぞれ検出し、
前記第1のメモリ手段の記憶から、前記実際の回転速度
Nに対応する目標過給圧Piを読み出し、比較手段によ
り前記実際の過給圧Pより前記目標過給圧Piを差し引
いた差圧△Pが正の値であるか負の値であるか比較判定
する。そして前記比較手段において前記差圧△Pが負で
あるか、または零であるときは、前記蓄圧タンク内の圧
力空気をアクチユエータの圧力室に供給することなく、
該圧力室を外気に連通せしめる。このときはウエイスト
ゲートバルブは閉じたままとされ過給圧制御は行なわれ
ないから、内燃機関の回転速度の増大に比例して、内燃
機関の吸気管内の過給圧は増大する。
【0034】前記比較手段において前記差圧△Pは正で
あると判定されたときは、前記アクチユエータの圧力室
は外気との連通を遮断して前記蓄圧タンクに連通せしめ
られるとともに、該蓄圧タンクとアクチユエータの圧力
室との間の空気通路に配設した電気制御式レギユレータ
は前記第2のメモリ手段の記憶から読み出した前記差圧
△Pに等しい制御用差圧△Piに対応する制御空気圧P
aに比例した電気信号により制御され、蓄圧タンクに貯
留した設定圧力Poの圧力空気を制御空気圧Paに調圧
してアクチユエータの圧力室に供給する。これによりア
クチユエータのウエイストゲートバルブは制御空気圧P
aに対応するストロークだけ移動して排気バイパス通路
に排出されて過給機をバイパスする内燃機関の排気ガス
量を調節し、内燃機関の吸気管内の過給圧Pを前記制御
用差圧△Piに相当する圧力値だけ低下せしめる。そし
てさらに検出した実際の過給圧Pと回転速度Nから、前
記実際の過給圧Pと前記回転速度Nに対応する目標過給
圧Piとの比較判定および電気制御式レギユレータの制
御が繰り返されて、吸気管内の過給圧Pは目標制御圧P
iに収斂するように制御される。本発明におけるアクチ
ユエータの圧力室に印加する制御空気圧は、内燃機関の
吸気管内の過給圧とは無関係に設定する蓄圧タンク内の
設定圧力Poに調圧した圧力であるので、第1のメモリ
手段に記憶せしめる内燃機関の回転速度Neと該回転速
度Neに対応する目標過給圧Piのデータは前記制御空
気圧Paに無関係に設定できる。従つて目標過給圧のイ
ンターセプト点における回転速度Neと目標過給圧Pi
の設定を内燃機関の運転特性に適合するように変化させ
ることにより、図6に示すように内燃機関の特性に適合
した過給圧変化のパターン71,72,73を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の過給圧制御方法を実施する装置の一実
施例の概要図。
【図2】本発明における過給圧制御を示すフローチヤー
ト。
【図3】内燃機関回転速度Neと目標過給圧Piおよび
制御された過給圧Pcの関係を示す線図。
【図4】ウエイストゲートバルブのストロークSと排気
バイパス通路に排出されるバイパスガス量Qとの関係を
示す線図。
【図5】アクチユエータ制御空気圧Paとウエイストゲ
ートバルブのストロークSとの関係を示す線図。
【図6】本発明により達成する内燃機関回転速度Neと
吸気管内過給圧Pcとの関係の一例を示す線図。
【図7】本発明の過給圧制御方法を実施する装置の他の
実施例の概要図。
【図8】本発明の過給圧制御方法を実施する装置の、さ
らに他の実施例の概要図。
【符号の説明】
1 過給機 2 圧縮機 3 タービン 10 排気バイパス通路 11 排気バイパスポート 12 ウエイストゲートバルブ 20 内燃機関 22 吸気管 24 排気管 25 空気通路 30 アクチユエータ 32 ダイヤフラム 33 圧力室 35 リターンスプリング 41 蓄圧タンク 42 圧力制御弁としての圧力リリーフ弁 44 電気制御式レギユレータ 45 空気放出口 46 電気制御式切換弁装置 47 放出口 51 回転速度センサ 54 圧力センサ 60 圧力制御弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気管に過給機より供給され
    る過給圧の大きさに対応する制御空気圧をアクチユエー
    タの圧力室に印加し、該アクチユエータの可動部材の移
    動量に応じて前記内燃機関の排気管より前記過給機に供
    給される排気ガスの一部をバイパス通路に排出するウエ
    イストゲートバルブを開閉せしめる過給機付内燃機関の
    過給圧制御方法において、 a)前記内燃機関の回転速度Nを回転速度検出手段によ
    り検出し、 b)前記内燃機関の吸気管内の過給圧Pを圧力検出手段
    により検出し、 c)過給圧制御のため予め設定した内燃機関の回転速度
    Neと該回転速度Neに対応した目標過給圧Piとを記
    憶する第1のメモリ手段から、前記検出した内燃機関の
    回転速度Nに対応する目標過給圧Piを読み出して前記
    検出した過給圧Pから前記目標過給圧Piを差し引いた
    差圧△Pを演算して、該差圧△Pが正であるか否かを比
    較手段により判定し、 d)前記比較手段が前記差圧△Pは零または負の値であ
    ると判定したときは、前記アクチユエータの圧力室を外
    気に連通させるとともに、前記過給機より前記内燃機関
    の吸気管に供給される過給圧の空気を圧力制御弁を介し
    て脈動防止用蓄圧タンクに供給して前記圧力制御弁によ
    り定められる設定圧力Poの圧力空気を貯留させ、 e)前記比較手段が前記差圧△Pは正の値であると判定
    したときは、過給圧制御のために前記第1のメモリ手段
    に設定した目標過給圧Piに付加すべく内燃機関の回転
    速度に対応せしめて定めた制御用差圧△Piと、内燃機
    関の吸気管内の過給圧が前記目標過給圧Piを前記制御
    用差圧△Piだけ超えたときに前記内燃機関の吸気管内
    の過給圧を前記制御用差圧△Piに相当する圧力値だけ
    低下せしめる前記ウエイストゲートバルブの移動量を定
    める前記アクチユエータの圧力室内の制御空気圧Paと
    の関係を記憶する第2のメモリ手段から、前記検出した
    回転速度Nにおける差圧△Pに等しい制御用差圧△Pi
    に対応する制御空気圧Paを読み出して、該蓄圧タンク
    と前記アクチユエータの圧力室との間の空気通路に配設
    した連続的に調圧制御可能の可変式絞りを備えた電気制
    御式レギユレータに前記第2のメモリ手段から読み出し
    た前記制御空気圧Paに比例した電気信号を出力して、
    前記アクチユエータの圧力室に前記設定圧力Poの圧力
    空気を前記制御空気圧Paに調圧した制御空気圧を印加
    するとともに、前記アクチユエータの圧力室を前記蓄圧
    タンクに連通せしめ、 f)以下a)〜e)の工程を繰り返すことを特徴とする
    過給機付内燃機関の過給圧制御方法。
  2. 【請求項2】 内燃機関の吸気管に過給機より供給され
    る過給圧の大きさに対応する制御空気圧をアクチユエー
    タの圧力室に印加し、該アクチユエータの可動部材の移
    動量に応じて前記内燃機関の排気管より前記過給機に供
    給される排気ガスの一部をバイパス通路に排出するウエ
    イストゲートバルブを開閉せしめる過給機付内燃機関の
    過給圧制御装置において、 前記内燃機関の回転速度Nを検出する回転速度検出手段
    と、 前記内燃機関の吸気管内の過給圧を検出する圧力検出手
    段と、 前記アクチユエータの圧力室を前記内燃機関の吸気管に
    連通せしめる空気通路に配設され、該空気通路内の空気
    の脈動を防止する貯留容積を有するとともに、貯留され
    る圧力空気の圧力を予め定めた設定圧力Poに維持する
    圧力制御弁と連結された蓄圧タンクと、 前記蓄圧タンクと前記アクチユエータの圧力室とを連通
    せしめる前記空気通路に配設され、前記アクチユエータ
    の圧力室を外気に開放するとともに前記蓄圧タンクのア
    クチユエータ側空気通路を閉塞する第1の位置と、前記
    アクチユエータの圧力室と外気との連通を遮断して該圧
    力室を前記蓄圧タンクのアクチユエータ側空気通路に連
    通せしめる第2の位置との少なくとも2位置に変位可能
    の切換弁を備えた電気制御式切換弁装置と、 前記蓄圧タンクと前記アクチユエータの圧力室とを連通
    せしめる前記空気通路に前記電気制御式切換弁装置の切
    換弁と直列に配設され、前記空気通路を通り前記アクチ
    ユエータの圧力室に供給される圧力空気の圧力を連続的
    に調圧制御する可変絞りを備えた電気制御式レギユレー
    タと、 過給機制御のため予め設定した内燃機関の回転速度Ne
    と該回転速度Neに対応した目標過給圧Piとを記憶す
    る第1のメモリ手段と、過給圧制御のために前記目標制
    御圧Piに付加すべく内燃機関の回転速度に対応せしめ
    て定めた制御用差圧△Piと、内燃機関の吸気管内の過
    給圧が前記目標過給圧Piを前記制御用差圧△Piだけ
    超えたときに、前記吸気管内の過給圧を前記制御用差圧
    △Piに相当する圧力値だけ低下せしめる前記ウエイス
    トゲートバルブの移動量を定める前記アクチユエータの
    圧力室内の制御空気圧Paと前記制御用差圧△Piとの
    関係を記憶する第2のメモリ手段と、前記回転速度検出
    手段および圧力検出手段によりそれぞれ検出した前記回
    転速度Nおよび過給圧Pを入力し、前記検出した過給圧
    Pと前記第1のメモリ手段から読み出した前記検出した
    回転速度Nに対応する目標過給圧Piとの差圧△Pが正
    であるか否かを比較判定する比較手段と、該比較手段が
    前記過給圧Pと前記目標過給圧Piとの圧力差△Pは零
    または負の値であると判定したときに前記電気制御式切
    換弁装置にその切換弁を前記第1の位置に位置せしめる
    電気信号を供給し、前記比較手段が前記圧力差△Pは正
    の値であると判定したときに前記電気制御式切換弁装置
    にその切換弁を前記第2の位置に位置せしめる電気信号
    を供給するとともに、前記電気制御式レギユレータの可
    変絞りに前記蓄圧タンク内の設定圧力Poの圧力気体の
    通過時に前記第2のメモリ手段から読み出した前記差圧
    △Pに等しい制御用差圧△Piに対応する制御空気圧P
    aに調圧せしめる絞り開度を付与する電気信号を供給す
    る信号発生手段とを備えた電気制御回路とから成ること
    を特徴とする過給機付内燃機関の過給圧制御装置。
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