JPH0776736A - グラス被膜及び磁気特性の極めて優れる方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
グラス被膜及び磁気特性の極めて優れる方向性電磁鋼板の製造方法Info
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Abstract
ス被膜と磁気特性の向上。 【構成】 低温スラブ加熱の方向性電磁鋼板の製造工程
において、脱炭、窒化処理後の鋼板に焼鈍分離剤として
Cl及び/又はSO3 を0.15〜2.0重量%含有す
るMgOを塗布し、仕上げ焼鈍することを特徴とするこ
とにより、グラス被膜と磁気特性の優れた方向性電磁鋼
板が得られる。この際、仕上げ焼鈍条件として昇温率2
0℃/hr以下、900℃以後の昇温雰囲気ガスをN2 2
5%とすることにより更にグラス被膜と磁性の向上が得
られる。
Description
鈍の後、窒化処理を行うことを基本とする方向性電磁鋼
板の製造方法に関わり、グラス被膜及び磁気特性の極め
て優れる方向性電磁鋼板の製造方法に関する。
て主としてトランスその他の電機機器の鉄心材料として
使用されるもので、磁気特性として励磁特性と鉄損特性
が良好なものが要求される。良好な磁気特性を得るため
には、磁化容易軸である〈001〉軸を圧延方向に高度
に揃えることが重要である。又、板厚、結晶粒度、固有
抵抗、被膜等も磁気特性に大きい影響を与えるため重要
である。結晶の方向性についてはAlN,MnSをイン
ヒビターとする高圧下最終冷間圧延を特徴とする方法に
より大幅に向上し、現在では磁束密度がほぼ理論値に近
いものまで製造されるようになってきた。更に、近年で
は板厚の薄手化や高Si鋼化に技術が進歩し、鉄損レベ
ルもかなりのレベルまで改善されてきている。
て、磁気特性と共に重要なのは被膜特性である。これ
は、被膜特性が電磁鋼板を利用したトランスの鉄心にお
いて絶縁性のみならず、ビルディングファクターや騒音
に影響する磁歪、歪み敏感度等に対して大きい影響を与
えるからである。この方向性電磁鋼板の被膜特性は、こ
のように製品特性に対する多大な影響を与えると共に、
その被膜形成過程においては鋼板中のインヒビターの制
御の面から重要な役割を持っているため、高磁束密度、
低鉄損の方向性電磁鋼板を得るためにも製造過程でのグ
ラス被膜形成速度、量、質を厳密にコントロールして形
成することが重要である。
程で形成するグラス被膜(一次被膜;フォルステライト
+スピネル)とヒートフラットニング時に処理焼き付け
される絶縁コーティング(二次被膜)の二層被膜によっ
て表面処理がなされている。グラス被膜は焼鈍分離剤の
MgOと脱炭焼鈍時に形成したSiO2 主体の酸化膜と
の反応により形成するフォルステライト被膜(Mg2 S
iO4 )を主成分とし、本発明のようにAlを鋼板成分
として利用する場合にはAl2 O3 や他の焼鈍分離剤の
添加剤等によりもたらされる酸化物やこれらによるスピ
ネル状化合物によって構成される。
によって鉄損や磁歪等を改善する一方、形成状態によっ
ては磁束密度、占積率、加工性、製品外観を低下させた
り、張力による鉄損改善効果にも差異を生じる。又、こ
のグラス被膜は本発明のようにインヒビターとして(A
l,Si)Nを利用する場合には、被膜の形成時期、形
成速度、形成量等が鋼板界面において雰囲気ガスからの
Nの浸入をコントロールしたり、逆に鋼中からのインヒ
ビターの分解挙動に多大な影響を及ぼす。このため、適
正量のグラス被膜を適正時期に形成することは被膜特性
と磁気特性の両立した製品を得る上で重要で、このため
の新技術開発のニーズは高まっている。
ス被膜や磁気特性を向上する技術は数多く提案されてき
た。特公昭48−8703号公報には電磁鋼板表面に鉄
及び珪素の酸化物を主成分とする3〜6μmのスケール
層を形成せしめた後、Clが0.08%以下のマグネシ
アを塗布し、その後高温焼鈍することにより一方向性電
磁鋼板表面に耐熱性電気絶縁被膜(グラス被膜)を形成
させるものである。特公昭49−29409号公報に
は、かさ比重0.18〜0.30g/ccの重質低活性の
微粒マグネシアを水に混合して液温15℃以下に保ち、
水和水分1〜4%のマグネシアスラリーを鋼板表面に均
一に塗布すること、又、このマグネシア100重量部に
対し2〜30重量部のアナターゼ型の微粒TiO2 を併
用することによりグラス被膜を改善する技術が提案され
ている。
0重量%以上のMgO、0.01〜2.0重量%のB2
O3 をnMgO・B2 O3 として含み、残部が不可避の
不純物からなる珪素鋼用焼鈍分離剤が提案されている。
これはB2 O3 被膜形成促進作用を利用するもので、こ
れにより全面的に均一な被膜が得られることが述べられ
ている。特公昭57−57952号公報には焼鈍分離剤
として325メッシュ不通の粗粒子分を1%以下とする
SrSO4 を主成分とする焼鈍分離剤を用いることを特
徴とする密着性、均一性に優れ、且つ鉄損値を害するこ
とのない方向性電磁鋼板の絶縁被膜形成方法が提案され
ている。これによれば、SrSO4 の添加により表面直
下のフォルステライト粒は全く消失し、全て表面外層に
浮上し、鉄損が著しく低下すること、又、被膜が緻密に
なって向上することが述べられている。
i,Sr等の化合物によるグラス被膜形成反応性向上効
果を利用して、グラス被膜、磁性向上を意図することを
中心として述べられており、それらの効果はかなり得ら
れているものの、素材の成分、処理工程の違いからくる
表面酸化膜の形成状態やMgOの物性値によっては、い
まだ充分な反応性が得られているとは言えない。そのた
め、特に本発明のような素材成分や工程条件をとる材料
においては焼鈍分離剤の更なる改善が望まれている。
び磁気特性の著しく優れた方向性電磁鋼板の製造方法を
提供することを目的とする。
は鋼成分として、重量でC;0.021〜0.075
%、Si;2.5〜4.0%、Mn;0.05〜0.4
5%、S;0.014%以下、酸可溶Al;0.010
〜0.040%、N;0.0030〜0.0130%、
Sn;0.030〜0.50%を含有し、残部がFe及
び不可避の不純物からなるスラブを1280℃未満の温
度に加熱後、熱延し、得られた熱延板を必要に応じて熱
延板焼鈍後、1回又は中間焼鈍を挟む2回以上の冷延に
より最終板厚とし、窒化処理の後、焼鈍分離剤を塗布
し、高温仕上げ焼鈍をすることを基本工程とする。この
ような成分と工程における本発明の、グラス被膜及び磁
気特性の著しく良好な方向性電磁鋼板の製造方法は、脱
炭焼鈍後の焼鈍分離剤の条件と最終仕上げ焼鈍に特徴が
ある。即ち、最終板厚に冷延された鋼板は連続焼鈍ライ
ンにおいて800〜875℃で、N2 +H2 混合ウェッ
ト雰囲気中で脱炭と酸化膜形成が行われ、次いで窒化処
理が行われる。その際の最適窒化量は一次再結晶粒にも
よるが、好ましくは150〜300ppm である。
離剤としてCl及び/又はSO3 を0.15〜2.0%
含有するように製造したMgOを主成分とする焼鈍分離
剤を塗布し、仕上げ焼鈍を行い製造される。この際の工
程条件としては、次のような焼鈍分離剤の添加剤と最終
仕上げ焼鈍条件が磁気特性と被膜特性を両立して安定化
するのに重要である。即ち、この際の焼鈍分離剤として
は、上記のように不純物としてCl及び/又はSO3 を
含有し、粒子径10μm以下70%以上、且つ水和水分
5%以下のMgOに対し、添加剤としてTi,Sb,S
r,B化合物を0.1〜7.5重量部配合する焼鈍分離
剤が塗布される。
として、昇温時1200℃までの雰囲気条件はN2 ,H
2 、及び他の不活性ガス雰囲気として、少なくともN2
を20%以上含むことが重要である。又、昇温時の加熱
速度としては、20℃/Hr以下で行われる。この仕上げ
焼鈍工程では二次再結晶、純化、グラス被膜形成反応が
行われる。このようにして得られたグラス被膜付きのコ
イルは連続ラインにおいて、800〜900℃の温度で
絶縁被膜処理とヒートフラットニングが行われる。
グラス被膜の形成状態と共に被膜張力が鉄損特性及び磁
歪特性に重要であり、このため、特公昭53−2837
5号公報に記載されているようなリン酸塩−コロイダル
シリカ系の張力付与型のコーティング剤を塗布し、焼き
付け処理される。本発明者等は脱炭焼鈍後に窒化処理を
行い、(Al,Si)N主体のインヒビターを形成する
工程で形成する脱炭酸化膜と焼鈍分離剤の反応によっ
て、良質のグラス被膜形成と良好な磁気特性を得るため
には、焼鈍分離剤の反応性の改善と仕上げ焼鈍のサイク
ル及び雰囲気の改良が重要であることを膨大な実験と研
究により突き止めた。
離剤MgOの成分としてCl,SO3等を適切に制御し、
このMgOに適切な添加剤を添加することにより、グラ
ス被膜の形成反応を著しく高めることに成功した。これ
により、グラス被膜の形成反応が低温から開始し、シー
ル性の高い被膜層を形成する。これにより、仕上げ焼鈍
昇温時後半の鋼板表面の追加酸化を防止し、磁性に有害
な内部酸化層の少ない良好な被膜を形成する。又、同時
に第二の重要な要素条件である仕上げ焼鈍のヒートサイ
クルと雰囲気条件の改良により、コイル板間の雰囲気酸
化度の制御と一次再結晶粒径と脱インヒビターの適切な
制御をもたらし、優れた磁気特性を有する方向性電磁鋼
板の実現に至ったものである。
出発材のスラブは、重量でC;0.021〜0.075
%、Si;2.5〜4.5%、Mn;0.05〜0.4
5%、S;≦0.014%、Al;0.010〜0.0
40%、N;0.0030〜0.0130%、Sn;
0.03〜0.50%を含有し、残部はFe及び不可避
の不純物からなる。Cはその含有量が0.021%未満
では二次再結晶が不安定となり、二次再結晶した場合に
も製品の磁束密度がB8 で1.8Tesla 低いものにな
る。一方、0.075%超になると脱炭焼鈍工程で長時
間を要するため、生産性を阻害する。Siはその含有量
によって製品板の固有抵抗が変化する。2.5%未満で
は良好な鉄損値が得られず、一方、4.5%超と多くな
りすぎると冷間圧延時に割れ、破断等が多発し、安定し
た冷間圧延作業を不可能にする。
は、Sを0.014%以下にすることである。従来の公
知技術の例えば特公昭47−25220号公報に開示さ
れている技術においては、SはMnSとして二次再結晶
を生起させるに必要な析出物を形成する元素で、前記公
知技術において最も効果を発現するS量の範囲があり、
それは熱延に先だって行われるスラブ加熱段階でMnS
を固溶できる量として規定されていた。しかし、近年の
研究において、二次再結晶に必要な析出物として(A
l,Si)Nを用いる一方向性電磁鋼板の製造プロセス
において、素材中のSi量の多いスラブを低温で加熱し
て熱延する場合、Sは二次再結晶不良を助長することが
見いだされた。素材中のSi量が4.5%以下の場合に
は、Sは0.014%以下、好ましくは0.0070%
以下であれば二次再結晶不良は全く生じない。
して(Al,Si)Nを用いる。従って必要最小限のA
lNを確保するためには酸可溶Alは0.010%以
上、Nは0.0030%以上必要である。しかしなが
ら、酸可溶Alが0.040%を超えると熱延中のAl
Nが不適切になり、二次再結晶が不安定となるため0.
010〜0.040%に制限される。一方、Nの含有量
としては0.0130%を超えるとブリスターと呼ばれ
る鋼板表面の割れが発生し、又一次再結晶の粒径が調整
できないため、0.0030〜0.0130%に限定す
る。Mnは0.05%未満では二次再結晶が不安定にな
る。しかし、多くなるとB8 値は高くなるが一定量以上
の添加はコスト面で不利になる。このため、0.05〜
0.45%に制限される。
焼鈍分離剤の成分と最終焼鈍の条件にある。先ず、第一
の特徴である焼鈍分離剤としては、Cl及び/又はSO
3 を0.15〜2.0%含有することである。これらの
Cl,SO3 等はグラス被膜形成の面では従来の公知文
献に見られる如く、被膜形成には有害とされ、比較的低
レベルに保つのが良いとされてきた。本発明者等は本発
明プロセスのような成分、酸化膜形成プロセスにおける
グラス被膜形成について研究を重ねた結果、MgO不純
物が上記成分範囲内の場合に極めて良好なグラス被膜が
得られることを見いだした。
処理を行う場合、窒化工程において脱炭焼鈍で形成した
酸化膜の最表層がアンモニアガス等により還元を受け
て、Fe2 SiO4 ,FeSiO3 等が減少するため、
フォルステライト被膜の形成性が低下する傾向がある。
本発明のような焼鈍分離剤を適用すれば、このような影
響を全く受けず、従来よりも更に優れたグラス被膜が得
られる。Cl及び/又はSO3 含有量としては、0.0
20重量部以下ではMgOと下地酸化膜との反応性の向
上が十分に得られない。一方、2.0部以上と高い場合
にはこれらによる酸化膜のオーバーエッチングが生じ過
酸化が生じ、ガスマーク、シモフリ等の欠陥や被膜が薄
くなる問題が生じる。
0%以上(レーザー法による測定)の微粒子のものが用
いられる。10μm以下60%以下では、本発明のよう
なMgO成分条件をもってしても高反応性が得られにく
い。又、MgOの水和水分は5%以下である。これは本
発明のようなMgOにより高反応性を得ようとする条件
では、むしろ水分は有害で不必要であることによる。5
%以下では水分による鋼板の酸化の害もなく、極めて良
好なグラス被膜を形成する。水和水分5%以上では、過
酸化反応現象特有のスケールシモフリ、ガスマーク等の
欠陥が回避できないため制限される。
促進の目的で更に添加する化合物としては、Sb,S
r,Ti,B等の1種又は2種以上0.1〜7.5重量
部である。0.1重量部以下ではCl,SO3 含有Mg
Oでは反応向上効果はない。7.5重量部以上では過剰
反応によって、ガスマーク、変色、スケール等の過酸化
現象特有の欠陥が多数見られるようになる。
本発明の第二の重要な要素技術として次のように制御し
た仕上げ焼鈍条件が磁性と被膜特性の両立のために必要
である。先ず、昇温時の雰囲気が重要である。本技術に
おいては、昇温時の低温から被膜形成が開始する。この
ため、昇温時期にはインヒビター成分のNは被膜のシー
ル効果によって雰囲気からの窒化等による補強が全く行
われず、昇温過程ではインヒビターは減少する一方にな
る。
℃以後の雰囲気制御は、特に重要になってくる。本発明
のような焼鈍分離剤を適用する場合、昇温時雰囲気がN
2 +H2 あるいはこれらに他の不活性ガスを混入させる
場合において、コイル焼鈍においては板間が酸化性にな
り易く、N2 20%未満では二次再結晶が不安定にな
る。しかし、N2 20%以上になると二次再結晶が安定
し良好な磁気特性が得られる。これは、N2 20%以上
の雰囲気に保つとインヒビターの窒化物の分解が抑えら
れて(Al,Si)Nが安定化し、二次再結晶の安定に
つながっているものと考えられる。仕上げ焼鈍の昇温中
のN2 ガス量と二次再結晶率の関係を図2に、B8 との
関係を図3に示すが、N2 量が多いほど二次再結晶が安
定していることを示している。この昇温雰囲気の設定に
あたっては、昇温開始時から適用しても特に問題はな
い。
熱速度の制御も重要である。本発明においては、昇温時
期の加熱速度は20℃/Hr以下である。この昇温速度の
制御はコイル板間の雰囲気の均一なドライ化と二次再結
晶の安定向上に寄与する。20℃以下の昇温速度では、
昇温雰囲気の制御による脱インヒビターの制御と昇温時
の粒成長のバランスが適切に保たれて良好な二次再結晶
を安定して得ると共に板間が均一にドライ化が進み、本
発明のMgO不純物と添加剤においては、鋼板表面の追
加酸化がなく、著しく良好なグラス被膜が同時に得られ
る。
性が優れる方向性電磁鋼板が得られるメカニズムとして
は次のように考えられる。本発明では、焼鈍分離剤のベ
ースMgOの成分として微粒子且つ低水和のCl,SO
3 の量を適正量とし、Ti,Sb,Sr,B等の添加剤
を適当量添加することにより、SiO2 リッチの下地酸
化膜との反応を著しく高める。この結果、フォルステラ
イト被膜の形成を低温化、均一化し、最終的に良質のフ
ォルステライトとスピネル構造の被膜を形成する。
り、磁性に有害な内部酸化層の少ない、均一、緻密、高
張力、良密着性の磁区細分化時において鉄損改善効果能
の大きい被膜を形成する。このグラス被膜形成と二次再
結晶過程における昇温速度と雰囲気ガス成分を適切に保
つことにより、コイル板間雰囲気のドライ化、均一化が
生じ、前記Cl,SO3 等の反応性向上効果を十分にも
たらすと共に脱インヒビター速度の最適化が行われ、磁
気特性とグラス被膜特性の両立した製品を得ることがで
きると考えられる。
%、Mn;0.13%、酸可溶Al;0.029%、
S;0.0064%、N;0.0078%、Sn;0.
038%、残部Feと不可避的の不純物からなる素材を
2.0mmに熱延し、1120℃×2min.焼鈍した後、酸
洗、冷延して板厚0.225mmとした。次いで、830
℃×100sec.N2 25%+H2 75%、露点65℃中
で脱炭焼鈍し、更に、同一ラインの後段に設けた窒化帯
でN2 25%+H2 75%+NH3 のドライ雰囲気中で
750℃×30sec.NH3 量を調整し、鋼中N量が20
0ppm になるように窒化処理をし、出発材とした。
て製造段階でCl量とSO3 をそれぞれ変更して製造し
たMgOをベースとし、添加物を変更した焼鈍分離剤ス
ラリーを塗布し、図1(A)に示す条件で最終仕上げ焼
鈍を行った。その後ヒートフラットニングラインにおい
て絶縁被膜剤として30%コロイド状シリカ70ml+5
0%第一リン酸Al50ml+CrO3 7gからなるコー
ティング液を焼き付け後の重量で5g/m2 になるよう
に塗布し、850℃×30sec.の焼き付けを行った。こ
の試験における被膜特性と磁気特性を表2に示す。
るものは、何れも均一で光沢のあるグラス被膜が形成さ
れ、密着性、グラス被膜張力共に良好な被膜特性が得ら
れた。又、磁気特性も極めて良好な結果となった。一
方、MgOとしてCl,SO3 の低い比較例によるもの
は、同一の添加剤を利用しているにもかかわらず、何れ
もグラス被膜が不完全であった。又、MgOの粒子径が
本発明のものと同じでも、MgO成分が本発明でない場
合も被膜特性、磁気特性共に本発明に比較してかなり劣
る結果となった。
た脱炭焼鈍、窒化を行ったコイルに表3に示すようなM
gO特性と添加剤を変更した焼鈍分離剤を塗布し、図1
(A),(B)に示すようなヒートサイクルと雰囲気条
件で仕上げ焼鈍を行った。次いで、実施例1と同様に絶
縁被膜処理と焼き付け処理を行った。結果を表4に示
す。
鈍条件(Aサイクル)によるものは、何れもグラス被膜
が均一に形成され、密着性等の被膜特性が得られた。
又、磁気特性においても著しく良好な結果を得た。一
方、焼鈍分離剤が本発明の場合でも、仕上げ焼鈍条件が
比較例(Bサイクル)の場合には、被膜特性はかなり良
好なものは得られたが、二次再結晶が不安定で、磁気特
性は仕上げ焼鈍サイクルAの場合のように良好なものは
得られず、かなり劣る結果となった。即ち、本発明にお
いては、焼鈍分離剤と仕上げ焼鈍がマッチしたときに極
めて良好な磁性と被膜特性が両立した製品が得られるこ
とが判る。
でタイトなグラス質被膜が早期に形成され最終製品とし
て、均一で適正な内部酸化層を有するグラス被膜が形成
できる。又、この被膜の早期形成と、焼鈍雰囲気及び昇
温速度の制御により、鋼中のインヒビターの安定化が適
正に保たれ、磁気特性の著しく良好な方向性電磁鋼板が
得られる。
囲気条件を示す図表である。(A)は本発明の焼鈍分離
剤の場合の仕上げ焼鈍条件を示す図である。(B)は比
較例の焼鈍サイクルと雰囲気条件を示す図である。
鈍昇温過程の雰囲気ガス及び昇温率と二次再結晶率を示
す図表である。
鈍昇温過程の雰囲気ガス及び昇温率と磁束密度の値を示
す図表である。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量で C ;0.021〜0.075%、 Si;2.5〜4.0%、 Mn;0.05〜0.45%、 S ;0.014%以下、 酸可溶Al;0.010〜0.040%、 N ;0.0030〜0.0130%、 Sn;0.030〜0.50%、 残部がFe及び不可避の不純物からなるスラブを128
0℃未満の温度で加熱した後、熱延し、1回又は焼鈍を
挟む2回以上の冷延により最終板厚とし、次いで脱炭焼
鈍を行った後又は脱炭焼鈍の後半及び/又は脱炭焼鈍の
後で窒化処理をし、焼鈍分離剤を塗布し、高温仕上げ焼
鈍をすることからなる方向性電磁鋼板の製造方法におい
て、焼鈍分離剤としてCl及び/又はSO3 を0.15
〜2.0%含有するMgOを塗布し、最終仕上げ焼鈍に
おける昇温速度を20℃/Hr以下とし昇温時の雰囲気ガ
スをN2 又はN2 20%以上を含有するH2 、又はN2
20%以上を含有する不活性ガスとすることを特徴とす
るグラス被膜及び磁気特性の極めて優れる方向性電磁鋼
板の製造方法。 - 【請求項2】 焼鈍分離剤のMgOのレーザー法により
測定した粒子径が10μm以下60%以上、且つ水和水
分5%以下とすることを特徴とする請求項1記載のグラ
ス被膜及び磁気特性の極めて優れる方向性電磁鋼板の製
造方法。 - 【請求項3】 MgOへの添加剤としてTi,Sb,S
r,B化合物のうち1種以上を0.1〜7.5重量部配
合することを特徴とする請求項1又は2記載のグラス被
膜及び磁気特性の極めて優れる方向性電磁鋼板の製造方
法。
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JP17313593A JP3021241B2 (ja) | 1993-07-13 | 1993-07-13 | グラス被膜及び磁気特性の極めて優れる方向性電磁鋼板の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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Country | Link |
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1993
- 1993-07-13 JP JP17313593A patent/JP3021241B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN107699670A (zh) * | 2017-09-25 | 2018-02-16 | 北京首钢股份有限公司 | 一种高磁感取向硅钢的生产方法 |
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