JPH0776646A - 塗料用樹脂組成物および該組成物を含有する塗料組成物 - Google Patents

塗料用樹脂組成物および該組成物を含有する塗料組成物

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JPH0776646A
JPH0776646A JP24611993A JP24611993A JPH0776646A JP H0776646 A JPH0776646 A JP H0776646A JP 24611993 A JP24611993 A JP 24611993A JP 24611993 A JP24611993 A JP 24611993A JP H0776646 A JPH0776646 A JP H0776646A
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weight
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chlorinated polypropylene
acid ester
chlorinated
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JP24611993A
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Nobuyuki Kimura
修志 木村
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Fujikura Kasei Co Ltd
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Fujikura Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 表面処理の施されていないポリオレフィン系
基材に対しても、1コート仕上げで密着性に優れた塗膜
を形成することができると共に、艶消し材の配合によっ
て高度に艶消し処方とした場合においても耐薬品性に優
れた塗膜を形成し得る塗料組成物を提供する。 【構成】 塩素含有率が20〜40重量%でかつ重量平
均分子量が3万〜30万の低塩素化ポリプロピレンと塩
素含有率が65〜70重量%の高塩素化ポリプロピレン
からなる塩素化ポリプロピレンの存在下に、アクリル酸
エステル類および/またはメタクリル酸エステル類の7
5〜100重量%と該(メタ)アクリル酸エステル類と共
重合可能な他のビニル系単量体の0〜25重量%からな
る重合性単量体を、特定の重量比で重合して得られる塩
素化ポリプロピレン変性アクリル共重合体を含有してな
る塗料用樹脂組成物、および該塩素化ポリプロピレン変
性アクリル共重合体と平均粒子径10μm以下の鱗片状
無機物粉体の特定量を含有してなる塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形品、シートおよび
フィルム状のポリオレフィン系基材を被覆するのに適し
た塗料用樹脂組成物に関するものであり、より詳しく
は、塗料用艶消顔料によって高度に艶消し状態とした場
合においても、該ポリオレフィン系基材に対して充分な
密着性が得られると共に耐薬品性に優れた塗膜を形成し
得る塗料用樹脂組成物および該樹脂組成物を含有する塗
料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、家庭用電気製品などの分野にお
いて、軽量化、防錆性、デザインの多様化への対応面な
どから、金属材料に代わって種々のプラスチックス材料
が使用されており、特に近年の地球環境保護への意識の
高まりから、リサイクル面で優位性のあるポリオレフィ
ン系樹脂、特にポリプロピレン系基材への転換が図られ
つつある。
【0003】しかしながら、ポリオレフィン系基材は表
面活性に乏しくかつ結晶性であるため、被塗装物として
見た場合、塗料塗膜が密着し難いという欠点があり、こ
のためポリオレフィン系基材表面への塗装においては、
塗膜付着性の改善のために種々の表面処理が行なわれて
いる。
【0004】例えば、プラズマ処理、ガス炎処理、クロ
ム酸処理による表面活性化処理、あるいはトリクロロエ
タンによる蒸気洗浄などが行なわれているが、これら処
理工程はいずれも塗装工程を煩雑にするばかりでなく、
トリクロロエタンによる蒸気洗浄はオゾン層の破壊とい
った地球環境保護の見地から好ましくない結果を招くの
で、全く無処理のポリオレフィン基材に対して良好な塗
膜密着性の得られる塗料の検討も進められている。
【0005】従来、ポリオレフィン系基材の塗装に用い
られる塗料(以下、PP用塗料という)としては、塩素
化率50%以下の低塩素化ポリプロピレンをバインダー
とするものが知られているが、該塗料は耐候性、耐摩耗
性といった塗膜特性に劣るため、1コート仕上げ用もし
くはトップコート用塗料としての用途には適さず、もっ
ぱら2コート塗装系における基材への密着性の付与を目
的としたアンダーコートとして使用されているに過ぎな
い。
【0006】一方、上記低塩素化ポリプロピレンにアク
リル系モノマーをグラフト重合せしめてなる、いわゆる
低塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂をバインダー
とする塗料も知られている。この塗料におけるバインダ
ーは、アクリル樹脂で変性されている分、上記低塩素化
ポリプロピレンのみをバインダーとするPP用塗料に比
較して塗膜特性が改善されているが、その反面で密着性
が低下し、表面処理の施されていないポリオレフィン基
材に対しては充分に付着しないという問題点がある。ま
た、特に多量の艶消し剤を配合して高度に艶消し処方と
した場合、形成される塗膜の耐薬品性が著しく低下する
という問題点もあり、この点でも上記PP用塗料同様、
1コート仕上げのための塗料としては不適当である。
【0007】例えば、自動車分野におけるインストルメ
ントパネルを始めとする自動車内装部品の場合、(1) 運
転者への防眩性の配慮から、多量の艶消し剤を配合して
完全艶消し仕上げにする必要があること、(2) 該内装部
品は運転者の整髪料や汗、体脂、あるいは飲食物、車内
芳香剤などといった汚染物質との接触の機会が想定され
るなど、きわめて苛酷な条件にさらされるため、形成さ
れる塗膜は、かかる汚染物質に耐え得る耐薬品性を有す
るものであること、(3) 1コート仕上げで塗膜形成が可
能なこと、などの塗膜特性ないし塗装条件が要求されて
いるが、上記低塩素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂
をバインダーとする塗料は、これら条件を充分に満たす
ものではなく、自動車内装部品の塗装には適さないとい
う問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
記のごとき現状にかんがみなされたもので、表面処理の
施されていないポリオレフィン系基材に対しても、1コ
ート仕上げで密着性に優れた塗膜を形成することができ
ると共に、艶消し剤の配合によって高度に艶消し処方と
した場合においても耐薬品性に優れた塗膜を形成し得る
PP用塗料の提供を目的に検討を進めた結果、上記低塩
素化ポリプロピレン変性アクリル樹脂バインダーを得る
際のグラフト重合において、特定の高塩素化ポリプロピ
レンを共存せしめることによって得られる樹脂組成物
が、上記本発明の目的を達成する上できわめて好ましい
塗料バインダーとなり得ることを見出したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によって提供され
る塗料用樹脂組成物は、塩素含有率が20〜40重量%
でかつ重量平均分子量が3万〜30万の低塩素化ポリプ
ロピレン(a−1)と塩素含有率が65〜70重量%の高
塩素化ポリプロピレン(a−2)からなる塩素化ポリプロ
ピレン(A)の存在下に、アクリル酸エステル類および/
またはメタクリル酸エステル類(b−1)の75〜100
重量%と、該(メタ)アクリル酸エステル類と共重合可能
な他のビニル系単量体(b−2)の0〜25重量%からな
る重合性単量体(B)を、(A)/(B)が10/90〜70
/30の重量比でかつ(A)および(B)の合計量中、前記
(a−1)が8重量%以上でかつ(a−2)が2重量%以上
の割合となるような条件下で重合して得られる塩素化ポ
リプロピレン変性アクリル共重合体を含有してなること
を特徴とし(以下、第1発明という)、また、本発明に
よって提供される塗料組成物は、上記塩素化ポリプロピ
レン変性アクリル共重合体100重量部に対し、平均粒
子径10μm以下の鱗片状無機物粉体10〜100重量
部の範囲で含有してなることを特徴とする(以下、第2
発明という)ものである。
【0010】上記第1発明に係わる塗料用樹脂組成物に
おいては、塩素化ポリプロピレン変性アクリル共重合体
を得る際の塩素化ポリプロピレン(A)として、塩素含有
率が20〜40重量%の低塩素化ポリプロピレン(a−
1)(以下、低塩素化PPという)に加え、塩素含有率
が65〜70重量%の高塩素化ポリプロピレン(a−2)
(以下、高塩素化PPという)を用いたことを大きな特
徴としている。
【0011】上記構成において高塩素化PPは、ポリオ
レフィン系基材に対して親和性を示すと共に耐薬品性に
優れているので、該ポリオレフィン系基材に対する密着
性を低下させることなく、耐薬品性の改善された塗料用
樹脂組成物とすることができる。また、該高塩素化PP
はアクリル樹脂成分との相溶性にも優れているので、低
塩素化PPとの共存下で(メタ)アクリル酸エステルモ
ノマー類によるグラフト重合工程を経ることにより、均
一透明な塩素化ポリプロピレン変性アクリル共重合体が
得られ、形成される塗膜特性に好ましい結果をもたら
す。
【0012】本発明塗料用樹脂組成物において、塩素化
ポリプロピレン(A)の構成成分である低塩素化PPとし
ては、ポリプロピレンを公知の方法により、その塩素含
有率を20〜40%となるように塩素化してなるポリマ
ーであり、一般的にはトルエン溶液として市場に提供さ
れている。この低塩素化PPの塩素含有率が20%未満
では、溶剤に実質的に不溶であり、塗料用ワニスとして
は適さなくなり、40%を超えると無処理のポリオレフ
ィン基材に対する密着性が劣るようになる。従って塩素
含有率の決定は、塗装作業性と塗膜性能を考慮して決め
られるべきであるが、好ましくは25〜35%の範囲で
ある。
【0013】上記低塩素化PPの分子量も本発明におい
ては重要な要件である。すなわち低塩素化PPの重量平
均分子量は3万〜30万の範囲であることが必要で、該
重量平均分子量が3万未満では得られる塗膜の耐薬品性
が低下するようになり、30万を超えると塗料用有機溶
剤への溶解性の悪化により塗装作業性が低下するように
なる。従って、本発明における低塩素化PPの好ましい
重量平均分子量は5万〜20万の範囲である。
【0014】上記塩素化ポリプロピレン(A)のもう一方
の構成成分である高塩素化PPは、低塩素化PPの場合
と同様、ポリプロピレンを塩素含有率65〜70%とな
るように塩素化してなるポリマーであり、一般的にはポ
リマー粉末として市販されている。該塩素化PPにおい
て、塩素含有率が70%を超えるものについては現在市
販されておらず、従って塗膜性能との関係は必ずしも明
確ではないが、無処理のPP素材に対する密着性が低下
するおそれがある。また、該高塩素化PPの重量平均分
子量については特に限定するものではいが、塗料組成物
とした場合の塗装作業性、低塩素化PPとの相溶性、耐
薬品性等の点を考慮すると4万〜10万の範囲であるの
が好ましい。
【0015】本発明塗料用樹脂組成物において、重合性
単量体(B)の構成成分であるアクリル酸エステル類およ
び/またはメタクリル酸エステル類(b−1)としては、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イ
ソブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シク
ロヘキシル、(メタ)アクリル酸−ジ−シクロペンテニ
ル、(メタ)アクリル酸−ジ−シクロペンタニルなどが
挙げられ、これらエステル類は1種または2種以上の組
み合わせで用いられる。
【0016】また、上記重合性単量体(B)のもう一方の
構成成分である上記(メタ)アクリル酸エステル類(b
−1)と共重合可能な他のビニル系単量体(b−2)とし
ては、酢酸ビニル、スチレン、ビニルトルエン、α−メ
チルスチレン、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の
不飽和二塩基酸及びそれらのジエステル、(メタ)アク
リル酸、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸
グリシジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル
などである。なお、これらビニル系単量体の内、ヒドロ
キシル基、グリシジル基、アミノ基、カルボキシル基な
どの官能基を含むものは、顔料分散性を向上させるなど
の効果があるが、多過ぎると得られる塩素化ポリプロピ
レン変性アクリル共重合体の透明性の低下、塗料組成と
した際の粘度の上昇、ポリオレフィン系基材に対する密
着性の低下などが生じるため、塩素化ポリプロピレン変
性アクリル共重合体中3重量%を超えない範囲で用いる
のが好ましい。
【0017】重合性単量体(B)は、(メタ)アクリル酸
エステル類(b−1)の75〜100重量%と共重合可能
な他のビニル系単量体(b−2)の0〜25重量%の範囲
で用いられ、この混合比においてビニル系単量体(b−
2)が25重量%より多くなると、(メタ)アクリル酸
エステル類(b−1)との共重合性の低下や形成される変
性アクリル共重合体の重合率や重量平均分子量の低下を
招くようになる。
【0018】本発明の塗料用樹脂組成物において、塩素
化ポリプロピレン変性アクリル共重合体は、上記塩素化
ポリプロピレン(A)と重合性単量体(B)とが、重量比
(A)/(B)=10/90〜70/30の範囲で使用され
る。この重量比が10/90の範囲を外れて塩素化ポリ
プロピレン(A)が少なくなると、ポリオレフィン系基材
に対する密着性が不充分となり、70/30の範囲を外
れて塩素化ポリプロピレン(A)が多くなると耐薬品性や
耐候性が低下するので、本発明においては15/85〜
50/50の範囲とするのが好ましい。
【0019】また、上記塩素化ポリプロピレン変性アク
リル共重合体においては、該共重合体中に、低塩素化P
Pが8重量%以上でかつ高塩素化PPが2重量%以上と
なるように含有せしめることも重要で、低塩素化PPが
8重量%未満ではポリオレフィン系基材に対する密着性
が低下し、高塩素化PPが2重量%未満では耐薬品性の
向上効果が期待できなくなる。本発明においては、低塩
素化PPが10重量%以上でかつ高塩素化PPが5重量
%以上となるようにするのが好ましい。
【0020】上記塩素化ポリプロピレン変性アクリル共
重合体の製造方法は、特に制限されるものではなく、上
記塩素化ポリプロピレン(A)の存在下、公知のラジカル
重合法によって重合性単量体(B)を重合せしめることに
よって得られる。その一例としては、70〜100℃で
溶液重合するのが好ましく、この場合、有機溶媒として
はトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素を主体に
し、必要に応じてシクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ンなどの脂環式炭化水素、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶
媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒が使
用できる。また、重合開始剤としてはベンゾイルパーオ
キサイド、t−ブチルオキシ−2−エチルヘキサノエー
トなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、
ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレートなどのアゾ
ビス系化合物が使用し得る。
【0021】以上のようにして得られた塩素化ポリプロ
ピレン変性アクリル共重合体は、必要ならば適宜の有機
溶媒で稀釈して本発明の塗料用樹脂組成物とされる。な
おこの塗料用樹脂組成物は、そのままで公知の塗装方法
により適宜の基材に塗布して塗膜形成しても良く、該組
成物に更にチタン白、弁柄、カーボンブラックなどの無
機質着色顔料、フタロシアニン系、アゾ系などの有機質
着色顔料、炭酸カルシウムなどの体質顔料やその他種々
の塗料用添加剤を含有させて用いても良い。また、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ク
マロン・インデン樹脂といったハードレジン類やポリオ
レフィン系樹脂の慣用量の添加は、得られる塗料の低温
安定性、顔料分散性の向上や塗膜の密着性の向上が期待
できる場合があるので好ましい。
【0022】本発明において、第2発明となる塗料組成
物は、上記塩素化ポリプロピレン変性アクリル共重合体
100重量部に対し、平均粒子径10μm以下の鱗片状
無機物粉体10〜100重量部の範囲で含有することを
必須要件としており、該鱗片状無機物粉体は形成される
塗膜中で層状に配向し、種々の汚染物質等の塗膜中への
浸透を抑制する効果がある。従って、これに更に艶消し
剤を配合して艶消し処方とした場合においても、上記塩
素化ポリプロピレン変性アクリル共重合体の有する優れ
た耐薬品性とあいまって、種々の汚染物質に充分に耐え
得るきわめて優れた塗膜を形成することができる。
【0023】上記塗料組成物に用いることのできる鱗片
状無機物粉体の具体例としては、タルク、マイカ、ガラ
スフレーク、鱗片状酸化鉄(M.I.O)などであるが、
特にタルクを用いるのが好ましい。その平均粒子径は形
成される塗膜の厚さや表面平滑性の要求度によって左右
されるが、自動車や家電製品などのように塗膜外観が重
要視される分野の場合、その粒子径は10μm以下、好
ましくは5μm以下である。また、該鱗片状無機物粉体
の含有量が10重量部未満では、形成される塗膜の耐薬
品性の向上が望めず、100重量部を超えると塩素化ポ
リプロピレン変性アクリル共重合体の樹脂成分が塗膜中
で完全な連続層を形成できず、かえって密着性や耐アル
カリ性の低下が生じるので、本発明においては鱗片状無
機物粉体の含有量は20〜75重量部であるのが好まし
い。
【0024】以上のように構成されてなる塗料組成物に
は、塗料業界で慣用されている種々の有機溶剤、顔料も
しくは染料及びその他塗料用各種添加剤を適宜加えるこ
とができ、また通常使用されているシリカ系艶消し剤を
配合し、艶消し塗料としての用途に好ましく用いられ
る。このようにして得られた塗料組成物は、必要ならば
塗装に適する粘度に稀釈した後、公知の塗装法で種々の
基材に塗布し、適宜の乾燥工程を経て塗膜形成すること
ができる。また、本発明の塗料組成物が適用できる基材
としては、ポリオレフィン系基材に限定するものではな
く、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂を始めと
する種々の樹脂基材に好ましく用いることができる。
【0025】
【実施例】本発明を、以下の実施例に基づいて詳述する
が、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以
下の実施例における配合成分は、特にことわりのないか
ぎり重量部で示した。
【0026】塗料用樹脂組成物の製造 攪拌機、冷却器及びモノマー滴下装置を備えた1リット
ル4口フラスコに、下記表1に示した組成(A)の各成分
を仕込み、攪拌下内温が90℃になるまで加温し、さら
に90℃で20分間保持した。次いで組成(B)のモノマ
ー混合物を1時間半にわたって滴下し、滴下終了1時間
後に組成(C)一部を、さらに1時間後に残部をを加え、
90℃で3時間を保持し、不揮発分41%の塗料用樹脂
組成物(V-1〜V-3)を得た。
【表1】
【0027】実施例1、2及び比較例1〜5 上記で得られた樹脂組成物(ワニス)を用い、下記表2
の処方で塗料化し、シンナーにて14秒/岩田カップN
K−2となるように稀釈し、厚さ3mmの無処理ポリプ
ロピレン板(宇部興産社製、UBE J−109G)に
乾燥塗膜厚が20〜25μmとなるようにエアースプレ
ー塗装し、60℃で30分間乾燥し、さらに室温に2日
間放置した後、下記評価方法に従って塗膜特性を評価し
た。評価結果は併せて表2に示した。
【0028】評価方法 (1) 密着性:JIS K 5400、6.15 碁盤目試験
法にしたがって切傷をつけた後(1mm間隔目)、その
上にセロハン粘着テープをはり次いでテープを剥す操作
を3回繰り返し、塗膜の剥離状態で密着性を評価する。 (2) 耐可塑剤汚染性:塗膜表面に5枚重ねのガーゼを貼
り付け、その上から可塑剤(ジオクチルフタレート)を
充分に塗り付け、70℃×10日間放置後、可塑剤を完
全に拭き取り、塗膜面の外観変化及び上記(1) の方法で
密着性を評価する。 (3) 耐アルカリ性:0.1N−NaOH水溶液でリング
スポットテストを行ない、55℃×5時間放置後アルカ
リ液を除き、塗膜面の外観変化で評価する。また、試験
前後の変色の度合いについて、色差計によりL,a,b
値を測定し、ΔEを算出する。 (4) 光沢:60度鏡面反射率を測定する。
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明の塗料用樹脂組成物は、低塩素化
PPと高塩素化PPの両方を特定の割合で含む塩素化ポ
リプロピレンを用いた塩素化ポリプロピレン変性アクリ
ル共重合体を含有しているので、無処理のポリオレフィ
ン基材に対しても良好な密着性を示し、また、自動車分
野に要求されている種々の汚染物質に対する抵抗性に優
れており、特に、耐薬品性の低下が顕著な艶消し処方に
おいても、鱗片状無機物粉体を併用することにより耐薬
品性の低下を完全に抑制することができるので、1コー
ト仕上げの要求される自動車内装部品の塗装等にきわめ
て好適に使用し得る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素含有率が20〜40重量%でかつ重
    量平均分子量が3万〜30万の低塩素化ポリプロピレン
    (a−1)と塩素含有率が65〜70重量%の高塩素化ポ
    リプロピレン(a−2)からなる塩素化ポリプロピレン
    (A)の存在下に、アクリル酸エステル類および/または
    メタクリル酸エステル類(b−1)の75〜100重量%
    と該(メタ)アクリル酸エステル類と共重合可能な他のビ
    ニル系単量体(b−2)の0〜25重量%からなる重合性
    単量体(B)を、(A)/(B)が10/90〜70/30の
    重量比でかつ(A)および(B)の合計量中、前記(a−1)
    が8重量%以上でかつ(a−2)が2重量%以上の割合と
    なるような条件下で重合して得られる塩素化ポリプロピ
    レン変性アクリル共重合体を含有してなることを特徴と
    する塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 塩素含有率が20〜40重量%でかつ重
    量平均分子量が3万〜30万の低塩素化ポリプロピレン
    (a−1)と塩素含有率が65〜70重量%のアクリル酸
    エステル類および/またはメタクリル酸エステル類(b
    −1)の75〜100重量%と該(メタ)アクリル酸エス
    テル類と共重合可能な他のビニル系単量体(b−2)の0
    〜25重量%からなる重合性単量体(B)を、(A)/(B)
    が10/90〜70/30の重量比でかつ(A)および
    (B)の合計量中、前記(a−1)が8重量%以上でかつ
    (a−2)が2重量%以上の割合となるような条件下で重
    合して得られる塩素化ポリプロピレン変性アクリル共重
    合体100重量部に対し、平均粒子径10μm以下の鱗
    片状無機物粉体10〜100重量部の範囲で含有してな
    ることを特徴とする塗料組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001002977A (ja) * 1999-06-22 2001-01-09 Honda Motor Co Ltd 自動車内装材用水性塗料組成物
US11485831B2 (en) 2013-11-08 2022-11-01 Dow Global Technologies Llc Primerless paint composition, methods of manufacture thereof and articles comprising the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001002977A (ja) * 1999-06-22 2001-01-09 Honda Motor Co Ltd 自動車内装材用水性塗料組成物
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