JPH077646A - 高速度ビデオ撮影装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来高速度ビデオ撮影装置は記録装置と共
に、その構成上から高価、大型で重量があり、高速動作
の中でも比較的遅いスポーツの動作解析等の撮影には操
作上にも難点があった。そのため、基本的に２つの撮像
素子を同期をずらせて駆動することにより、通常の部品
で構成した、安価、軽量、操作性もよく、ＶＴＲなど通
常のテレビ機材が活用できる高速度ビデオ撮影装置を提
供する。 【構成】 通常の標準テレビシステムを活用して、高速
動作の被写体を撮影、記録し、通常のテレビで再生でき
るビデオ撮影装置であって、それは、シャッタ機能を有
する２つの撮像素子の垂直同期信号を互いに半周期ずら
せて駆動し、１フィールド画面に２コマ画面を撮影する
ようにし、前記２つの撮像素子に同一被写体を撮影可能
とする光学系により構成された速度（倍速度）ビデオ撮
影装置である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、高速動作のうちで比
較的低速の動作を撮影できる装置を提供するため、通常
の標準ビデオシステムを活用して、高速動作の被写体を
撮影、記録し、通常のテレビで再生できる、高速度ビデ
オ撮影装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】高速度ビデオ撮影装置は高速で動作する
被写体を出来るだけ多くのコマ数で撮影、記録し、これ
を通常のテレビ画面に再生して観察できるようにした装
置である。従来、このような装置としては毎秒の撮影コ
マ数を増やすため、ＮＴＳＣやＰＡＬなどの標準テレビ
信号の整数倍の垂直、水平走査速度で走査し、高速画面
を撮影する方法や、又は水平、垂直の幅を短くして小画
面として毎秒のコマ数を多くする方法が行われている。
そしてこの高速撮影の画像信号を専用のＩＣ（半導体）
メモリーや、高速に対応する専用のＶＴＲに記録し、通
常のテレビ画面で再生する方法が行われている（特開昭
50-149224号，特開昭63-250289号公報）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】以上の各方式はかなり
の高速動作の撮影が可能であるが、高速動作の中では比
較的低速であるスポーツ動作の解析などに使用するに
は、大型で操作等に難点があった。従来の撮影装置は高
速撮影に対応する撮像素子、およびこの撮像素子を高速
駆動するための電子部品や素子で構成する電子回路が必
要であった。また、撮影された画面信号を記録するため
には多量に画像メモリーを必要とする。このためこのメ
モリーを多量のＩＣ（半導体）で構成するか、または高
速で動作するＶＴＲを用意しなければならないなどの問
題点がある。このＶＴＲは高速動作のため複雑なメカニ
ズムと高度な電子回路で構成されている。従って、いず
れにしても大変高価で大型で、運搬にも重量があり、専
用の装置を用意する必要がある等の課題もある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、以上の課題を
解決するためなされた高速度ビデオ撮影装置であって、
シャッタ機能を有する２つの撮像素子の垂直同期信号を
互いに半周期ずらせて駆動し、１フィールド画面に半画
面２コマの画面を構成するようにし、前記２つの撮像素
子に同一被写体を撮影可能とする光学系により構成され
たことをを特徴とするものである。

【０００５】

【実施例】既に述べたように、本発明はスポーツ等、高
速動作の中でも比較的低速動作を撮影できる装置を提供
するため、通常の標準テレビ方式をそのまま利用するも
ので、標準方式としてＮＴＳＣ方式を例に説明する。

【０００６】ＮＴＳＣ方式の画面は１フレームは1/30秒
であり、インターレースによって、２フィールドで１フ
レームを構成しているから、１フィールドは1/60秒であ
る。従ってこの１フィールドに１画面（コマ）を割り当
てると、毎秒60コマの撮影ができる。そしてこれをフィ
ード再生可能なＶＴＲに記録し、再生すれば毎秒60コマ
の画像を観察することができる。しかし、高速動作する
被写体によってはこれではコマ数が不足で、動解像力が
低下し、詳細な観察（解析）はできない。そこで、本発
明は１フィールドに1/2画面、2コマを割り当て、毎秒120
コマの撮影をするものである。

【０００７】図１の構成図に示すように、レンズ系２を
通った被写体１の光は、ハーフミラー３によって２つの
ビームに分けられ、１つビームは直進して撮像素子（Ｃ
ＣＤ）Ａに結像し、もう１つビームは全反射ミラー４を
経て撮像素子Ｂ（ＣＣＤ）に結像する。これらの結像は
図３のフィールド合成画面の構成図に示すように、被写
体が各撮像素子Ａ，Ｂの上部半分の画面ａ_i，ｂ_i部分の
みに結像するように構成されている。また撮像素子Ａ、
撮像素子Ｂは機械的な回転シャッタなどでもよいが、電
子シャッタ機能のあるＣＣＤを使用することが動解像度
や制御の点で有効である。

【０００８】次に、撮像素子Ａと撮像素子Ｂの駆動方法
について、図２のタイムチャートに従って説明する。特
に、垂直同期信号は１/２周期即ち、１/120秒ずらして
駆動されている。図２で横軸に時間をとり、縦軸に垂直
同期信号と合成画像出力信号をとって、それぞれ撮像素
子Ａの垂直同期信号をＶａ、撮像素子Ｂの垂直同期信号
をＶｂまた合成出力信号をＳで示してある。ＮＴＳＣ信
号では１フィールドは262.5水平ライン（Ｈで示しす）
で構成されているから、図２ではＨのライン数で示して
ある。また垂直ブランキング信号は20Ｈあり、このなか
に通常９Ｈの垂直同期信号Ｖａが内包されている。本発
明では、撮像素子Ａと撮像素子Ｂは共に同期して駆動さ
れているが、電子シャッタ機能付きＣＣＤを使用してい
る。このＣＣＤは垂直同期信号Ｖａの動作する直前に設
定したシャッタスピード（露光時間）分だけの信号を利
用する（他はアースに廃棄する）。従って実際には、前
記１フィールドライン数262.5Ｈから20Ｈを引き、２で
割った時点で画面の切り替えを行っている。即ち、各撮
像素子Ａ，Ｂともそれぞれのフィールド毎に図２の点線
で示したようにシャッタを動作させ、それぞれの画像信
号を得ている。そして、撮像素子Ａの画像ａの上半分の
画像（ビデオ）信号と、１/120秒ずれた撮像素子Ｂの画
像ｂの上半分の画像信号とを、図３に示すように、１/1
20秒毎にスイッチ回路で切り替える事によって合成し、
通常の１フィード画面の上下に１/120秒毎の画面ａ，ｂ
が合成される。そして下半分の画面ａ′，とｂ′は利用
されない。

【０００９】この画像信号は通常のＮＴＳＣのフィール
ド信号であるので、前記したフィールド記録が可能なＶ
ＴＲ、例えば松下電器製AG-7355型ＶＴＲで録画すれ
ば、毎秒120コマの画像をテレビで観察することが可能
である。また撮像素子としてシャッタ機能付きＣＣＤの
代わりに別途メカニカルなシャッタを使用しても同様の
効果を達成できる。

【００１０】

【発明の効果】従来大型で重量があり、運搬や操作上難
点があった高速動作のテレビ撮影、装置は本発明によっ
て、安価で操作しやすく、通常のＶＴＲなどのテレビ機
材が活用できるテレビ撮影装置を構成することが可能と
なった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のビデオ撮影装置の構成図。

【図２】２つの撮像素子を駆動する垂直同期信号のタイ
ムチヤート。

【図３】本発明のフィールド合成画面の構成を示す図。

【符号の説明】

１ 被写体 ２ レンズ系 ３ ハーフミラー ４ 全反射ミラー Ａ 撮像素子（ＣＣＤ） Ｂ 撮像素子（ＣＣＤ） Ｓ 合成画像信号 Ｖａ 撮像素子Ａの垂直同期信号 Ｖｂ 撮像素子Ｂの垂直同期信号 ａ_i 撮像素子Ａによる画面 ｂ_i 撮像素子Ｂによる画面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シャッタ機能を有する２つの撮像素子の
   垂直同期信号を互いに半周期ずらせて駆動し、１フィー
   ルド画面に半画面２コマの画面を構成するようにし、前
   記２つの撮像素子に同一被写体を撮影可能とする光学系
   により構成された高速度ビデオ撮影装置。