JPH077640B2 - イオン源 - Google Patents
イオン源Info
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- JPH077640B2 JPH077640B2 JP63326433A JP32643388A JPH077640B2 JP H077640 B2 JPH077640 B2 JP H077640B2 JP 63326433 A JP63326433 A JP 63326433A JP 32643388 A JP32643388 A JP 32643388A JP H077640 B2 JPH077640 B2 JP H077640B2
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- side wall
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- magnetic field
- electrons
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Links
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Landscapes
- Electron Sources, Ion Sources (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (ア)要旨 プラズマ型イオン源に於いて、プラズマの高密度化のた
め、電子の閉込めが重要である。電子を有効に閉じ込め
るためイオン源側壁をアノードとせずプラズマ電位より
も十分に負の電位とする。細いワイヤをアノードとして
フィラメントカソードとの間に放電を起こさせる。アノ
ードワイヤはカスプ磁場のカスプ部に設ける。電子の閉
じ込め時間が長くなり、プラズマを高密度化することが
できる。
め、電子の閉込めが重要である。電子を有効に閉じ込め
るためイオン源側壁をアノードとせずプラズマ電位より
も十分に負の電位とする。細いワイヤをアノードとして
フィラメントカソードとの間に放電を起こさせる。アノ
ードワイヤはカスプ磁場のカスプ部に設ける。電子の閉
じ込め時間が長くなり、プラズマを高密度化することが
できる。
(イ)技術分野 この発明は、磁場閉じ込めプラズマ型イオン源に於い
て、電子の閉じ込め時間を長くし、高密度プラズマを得
るようにした改良に関する。
て、電子の閉じ込め時間を長くし、高密度プラズマを得
るようにした改良に関する。
磁場閉じ込めというのは、チャンバの側壁に、半径方向
に磁化方向を持つ永久磁石を互に極性が異なるように並
べたカスプ磁場(cusp)により、プラズマを閉じ込める
ものをいう。
に磁化方向を持つ永久磁石を互に極性が異なるように並
べたカスプ磁場(cusp)により、プラズマを閉じ込める
ものをいう。
プラズマは正負の荷電粒子よりなり、荷電粒子は磁力線
を横切って外部へ逃げる事ができない。このため、カス
プ磁場によりプラズマを閉じ込める事ができる。もちろ
んカスプ磁場以外の磁場によってプラズマを閉じ込める
方法もあるが、本発明はそれを対象にはしない。
を横切って外部へ逃げる事ができない。このため、カス
プ磁場によりプラズマを閉じ込める事ができる。もちろ
んカスプ磁場以外の磁場によってプラズマを閉じ込める
方法もあるが、本発明はそれを対象にはしない。
バケット型イオン源によって、従来技術を説明する。
(ウ)従来技術 第3図は従来例に係るバケット型イオン源の軸を含んで
切断した断面図。第4図は軸に直角な断面図である。
切断した断面図。第4図は軸に直角な断面図である。
プラズマ生成部1は、アークチャンバ側壁2によって囲
まれ、真空排気できる空間である。
まれ、真空排気できる空間である。
アークチャンバの一方の端面に、イオンビームを引き出
すためのイオンビーム引出し電極3が設けられる。イオ
ンビーム引出し電極3は、多孔板及び多スリット板の電
極板であり、加速電極と減速電極とを重ね合わせたもの
である。
すためのイオンビーム引出し電極3が設けられる。イオ
ンビーム引出し電極3は、多孔板及び多スリット板の電
極板であり、加速電極と減速電極とを重ね合わせたもの
である。
引出し電極3の先には、イオンによって試料基板に何ら
かの処理を行うプロセスチャンバがあるが、ここでは簡
単のため図示を略す。
かの処理を行うプロセスチャンバがあるが、ここでは簡
単のため図示を略す。
引出し電極3の反対側の端面には、電極対向壁5があ
る。これとアノードであるアークチャンバ側壁2とは絶
縁物7によって絶縁されている。
る。これとアノードであるアークチャンバ側壁2とは絶
縁物7によって絶縁されている。
電極対向壁5には、フィラメント4がある。フィラメン
ト4のリード線は、絶縁物7によって電極対向壁5から
絶縁されている。
ト4のリード線は、絶縁物7によって電極対向壁5から
絶縁されている。
アークチャンバ側壁2のまわりには、磁石2が多数配置
されている。これは第4図に示すようにカスプ磁場を形
成するためのものである。
されている。これは第4図に示すようにカスプ磁場を形
成するためのものである。
カスプ磁場は、円周上に設けられた極性の交代する永久
磁石によって作られる。磁場の方向は半径方向に向いて
いるが、隣接磁石の極性は反対である。
磁石によって作られる。磁場の方向は半径方向に向いて
いるが、隣接磁石の極性は反対である。
このため、ひとつの磁石の磁力線は両隣の磁石に円弧を
描いてつながっている。極性が交代するので、磁石から
離れると磁場の影響は少ない。壁の近傍のみで磁界が大
きくなる。
描いてつながっている。極性が交代するので、磁石から
離れると磁場の影響は少ない。壁の近傍のみで磁界が大
きくなる。
荷電粒子は、磁場を横切る事はできず、磁力線のまわり
をサイクロトロン運動する。つまり、磁力線に拘束され
る。従って、荷電粒子は、チャンバ側壁に衝突する前
に、カスプ磁場によって弾じき返されるという事にな
る。つまり、荷電粒子を閉じ込める事ができるわけであ
る。
をサイクロトロン運動する。つまり、磁力線に拘束され
る。従って、荷電粒子は、チャンバ側壁に衝突する前
に、カスプ磁場によって弾じき返されるという事にな
る。つまり、荷電粒子を閉じ込める事ができるわけであ
る。
さて、従来は、フィラメント4をカソード、アークチャ
ンバ側壁2をアノードにして、この間でアーク放電を起
こさせていた。フィラメントからは熱電子が放出され
る。アークチャンバには、もちろんプラズマ化すべきガ
スが導入される。カソード・アノードの間でアーク放電
が生ずるから、ガスが正イオン、電子の集合であるプラ
ズマになる。
ンバ側壁2をアノードにして、この間でアーク放電を起
こさせていた。フィラメントからは熱電子が放出され
る。アークチャンバには、もちろんプラズマ化すべきガ
スが導入される。カソード・アノードの間でアーク放電
が生ずるから、ガスが正イオン、電子の集合であるプラ
ズマになる。
プラズマ中から、イオンビームが引き出される。これ
は、カソード電位、フローテイング電位などプラズマ電
位と比較して充分に負である電位にバイアスされたイオ
ンビーム引出し電極3によってなされる。正イオンが引
出し電極3によって引き出される。
は、カソード電位、フローテイング電位などプラズマ電
位と比較して充分に負である電位にバイアスされたイオ
ンビーム引出し電極3によってなされる。正イオンが引
出し電極3によって引き出される。
電極対向壁5とフィラメント4の間でアーク放電が起こ
ってはならない。このため電極対向壁5はフローテイン
グ電位であるか、カソード電位に等しくしてある。
ってはならない。このため電極対向壁5はフローテイン
グ電位であるか、カソード電位に等しくしてある。
荷電粒子であるプラズマは、カスプ磁場に有効に閉じ込
められる。
められる。
(エ)発明の解決しようとする問題点 高密度のイオンビームを得るためには、高密度のプラズ
マがプラズマ生成部1に存在しなければならない。
マがプラズマ生成部1に存在しなければならない。
高密度プラズマの生成には、正イオンと電子の寿命が長
い、という事が必要である。ところが、チャンバ側壁2
をアノードにする従来の構成では、正イオンの損失、電
子の損失ともに大きく、寿命が短い。このため高密度プ
ラズマを生成できない。
い、という事が必要である。ところが、チャンバ側壁2
をアノードにする従来の構成では、正イオンの損失、電
子の損失ともに大きく、寿命が短い。このため高密度プ
ラズマを生成できない。
正イオンは、引出し電極3、電極対向壁5に当たって消
滅する。又ラインカスプ部9に於いて、イオンのラーモ
ア半径程度の損失面積を持ってアノードに衝突し損失と
なる。つまり、カスプ磁場による閉じ込めは完全ではな
く、磁石の端面の拡がり程度、磁場の穴があるわけであ
る。この部分をラインカスプ部9という。ここでアノー
ドたるチャンバ側壁に衝突することがある。
滅する。又ラインカスプ部9に於いて、イオンのラーモ
ア半径程度の損失面積を持ってアノードに衝突し損失と
なる。つまり、カスプ磁場による閉じ込めは完全ではな
く、磁石の端面の拡がり程度、磁場の穴があるわけであ
る。この部分をラインカスプ部9という。ここでアノー
ドたるチャンバ側壁に衝突することがある。
電子は、フィラメント4から熱電子として発生したもの
と、アーク放電によって発生したものがある。これらの
電子は、引出し電極3、電極対向壁5では消滅せず反射
される。また、電子はカスプ磁場によっても反射され
る。ただし、磁石端面近くのラインカスプ部では反射さ
れないので、ここでチャンバ側壁に当たって消滅する。
電子の殆どはラインカスプ部のチャンバ側壁との衝突に
よって消滅する。
と、アーク放電によって発生したものがある。これらの
電子は、引出し電極3、電極対向壁5では消滅せず反射
される。また、電子はカスプ磁場によっても反射され
る。ただし、磁石端面近くのラインカスプ部では反射さ
れないので、ここでチャンバ側壁に当たって消滅する。
電子の殆どはラインカスプ部のチャンバ側壁との衝突に
よって消滅する。
電子は、引出し電極3、電極対向壁5、側周のカスプ磁
場により封じ込められている。電子の閉じ込め時間、つ
まり寿命が長いほどプラズマ密度が高くなる。電子はラ
インカスプ部9に於いてのみ消滅する。チャンバがアノ
ードであり、電子が引き寄せられやすい。
場により封じ込められている。電子の閉じ込め時間、つ
まり寿命が長いほどプラズマ密度が高くなる。電子はラ
インカスプ部9に於いてのみ消滅する。チャンバがアノ
ードであり、電子が引き寄せられやすい。
電子とイオンに分離されているが、全体的には電気的に
中性でなければならない。
中性でなければならない。
質量の大きいイオンの場合、ラーモア半径が大きくなる
ので、ラインカスプ部に於けるイオン損失面積が増え
る。イオン損失面積というのは、その位置にイオンが当
たると消滅するという部分の面積の和である。
ので、ラインカスプ部に於けるイオン損失面積が増え
る。イオン損失面積というのは、その位置にイオンが当
たると消滅するという部分の面積の和である。
イオンの損失面積が増えると、電子の閉じ込め時間は短
くなる。
くなる。
このようなわけで、イオンの質量が大きい場合、電子が
有効に閉じ込められず、高密度プラズマを生成できな
い。
有効に閉じ込められず、高密度プラズマを生成できな
い。
(オ)目的 電子のアノード損失面積を低減し、電子の電離平均自由
行程長を増大させる事により、イオン源チャンバ内のプ
ラズマの高密度化を図り、大電流のイオンビームを取り
出す事のできるイオン源を提供することが本発明の目的
である。
行程長を増大させる事により、イオン源チャンバ内のプ
ラズマの高密度化を図り、大電流のイオンビームを取り
出す事のできるイオン源を提供することが本発明の目的
である。
(カ)構成 電子の損失は大部分がアノードによるものである。チャ
ンバ側壁の全体がアノードである従来の構造では、電子
のアノードへの衝突による損失を低減させる事が難し
い。
ンバ側壁の全体がアノードである従来の構造では、電子
のアノードへの衝突による損失を低減させる事が難し
い。
そこで、本発明では、チャンバ側壁をアノードにせず、
細いワイヤをラインカスプ部に設け、これをアノードと
する。ワイヤであるから衝突可能な面積は著しく減少す
る。
細いワイヤをラインカスプ部に設け、これをアノードと
する。ワイヤであるから衝突可能な面積は著しく減少す
る。
又、このアノードワイヤは、軸方向に伸縮可能として表
面積を可変にするのが望ましい。
面積を可変にするのが望ましい。
図面によって説明する。
第1図は本発明のイオン源の軸方向に切った概略縦断面
図、第2図は軸に直角な断面図である。
図、第2図は軸に直角な断面図である。
イオン源は、アークチャンバ側壁2、イオンビーム引出
し電極3、電極対向壁5などで仕切られた真空排気可能
な容器である。
し電極3、電極対向壁5などで仕切られた真空排気可能
な容器である。
これらで仕切られた空間の中がプラズマ生成部1となっ
ている。
ている。
イオンビーム引出し電極3は、プラズマから正イオンを
イオンビームとして引き出すものである。多孔板または
多スリット板の電極となっている。
イオンビームとして引き出すものである。多孔板または
多スリット板の電極となっている。
これは、先述のようにプラズマ電位に対して、充分な負
電位になるようバイアスされている。引出し電極3の右
方にプロセスチャンバが続いている。この中にはイオン
ビームを照射すべき試料が保持されている。簡単の為プ
ロセスチャンバの図示を略す。
電位になるようバイアスされている。引出し電極3の右
方にプロセスチャンバが続いている。この中にはイオン
ビームを照射すべき試料が保持されている。簡単の為プ
ロセスチャンバの図示を略す。
電極対向壁5には、フィラメント4が設けられる。これ
はカソードとなり、熱電子を発生するものである。フィ
ラメント4のリード線は、絶縁物7によって電極対向壁
5と絶縁されている。
はカソードとなり、熱電子を発生するものである。フィ
ラメント4のリード線は、絶縁物7によって電極対向壁
5と絶縁されている。
フィラメント4は、例えば1mmφのタングステン線より
なる。これには50A〜200Aの電流が流される。
なる。これには50A〜200Aの電流が流される。
アークチャンバ側壁2の外周には、磁化方向が半径方向
を向く多数の永久磁石(又電磁石)6が設けられる。隣
接磁石の磁化方向が互いに異なるようになっている。ひ
とつの磁石6の端面から出た磁力線は、両隣の磁石の端
面に入る。磁石端面で磁力線が尖点(cusp)を作るので
カスプ(cusp)磁場という。
を向く多数の永久磁石(又電磁石)6が設けられる。隣
接磁石の磁化方向が互いに異なるようになっている。ひ
とつの磁石6の端面から出た磁力線は、両隣の磁石の端
面に入る。磁石端面で磁力線が尖点(cusp)を作るので
カスプ(cusp)磁場という。
磁化方向が互いに異なる磁石が並んでいるから、磁気四
重極のような配置になり、磁場は遠くまで及ばない。磁
石の近傍のみに磁場が生ずる。正イオン、電子ともにカ
スプ磁場で弾ね返される。しかし、磁石の端面は、磁場
がこれを覆っていないので、正イオン・電子がここへ入
る事ができる。この尖点に近い部分をラインカスプ部9
という。
重極のような配置になり、磁場は遠くまで及ばない。磁
石の近傍のみに磁場が生ずる。正イオン、電子ともにカ
スプ磁場で弾ね返される。しかし、磁石の端面は、磁場
がこれを覆っていないので、正イオン・電子がここへ入
る事ができる。この尖点に近い部分をラインカスプ部9
という。
以上の構成は第3図、第4図のものと共通である。
次に本発明の構成を説明する。
アノードがなければフィラメントカソードとの間にアー
ク放電が起こらない。
ク放電が起こらない。
従来は、チャンバ側壁2をアノードとしていたが、本発
明では、細いワイヤを電極対向壁5から、軸方向にチャ
ンバ内に延長するよう設ける。これをアノードワイヤ10
と呼ぶ。
明では、細いワイヤを電極対向壁5から、軸方向にチャ
ンバ内に延長するよう設ける。これをアノードワイヤ10
と呼ぶ。
アノードワイヤ10は、チャンバ側壁2の内部に、これに
沿って設けられる。これは、磁石6の端面、つまりライ
ンカスプ部9に設ける。ラインカスプ部9でないと、電
子がアノードワイヤ10に到達できず、アーク放電が起こ
らないからである。
沿って設けられる。これは、磁石6の端面、つまりライ
ンカスプ部9に設ける。ラインカスプ部9でないと、電
子がアノードワイヤ10に到達できず、アーク放電が起こ
らないからである。
アノードワイヤ10は、絶縁物7を通っているので、電極
対向壁5とは絶縁されている。また、アノードワイヤ10
は進退可能とする。これはアノードワイヤの表面積の大
きさを加減するためである。
対向壁5とは絶縁されている。また、アノードワイヤ10
は進退可能とする。これはアノードワイヤの表面積の大
きさを加減するためである。
アノードがなければ放電が起こらず、プラズマがそもそ
も発生しない。このため、アノードは或る程度の表面積
が必要である。しかし、プラズマが発生している時、ア
ノードは電子に対する損失を引き起こす主原因になる。
そこでアノード表面積を減らす方が良い。このように、
アノードの表面積の最適値が放電の前後、プラズマ発生
中で異なるのでアノードワイヤ10は外部から操作して進
退できるようにしているのである。
も発生しない。このため、アノードは或る程度の表面積
が必要である。しかし、プラズマが発生している時、ア
ノードは電子に対する損失を引き起こす主原因になる。
そこでアノード表面積を減らす方が良い。このように、
アノードの表面積の最適値が放電の前後、プラズマ発生
中で異なるのでアノードワイヤ10は外部から操作して進
退できるようにしているのである。
アノードワイヤ10は、アーク放電にたえなけらばならな
いので、熱的に安定な高融点金属を用いなければならな
い。たとえばタングステンWのワイヤを用いると良い。
いので、熱的に安定な高融点金属を用いなければならな
い。たとえばタングステンWのワイヤを用いると良い。
ワイヤの表面積を減らすためには、ワイヤの径を細くし
た方が良い。しかし、径が細すぎるとアーク放電によっ
て容易に損耗してしまう。
た方が良い。しかし、径が細すぎるとアーク放電によっ
て容易に損耗してしまう。
この例では、アノードワイヤ10を電極対向壁5からチャ
ンバ内に挿入している。しかし、それに限るものではな
い。チャンバ側壁2に穴を開けて放射状にアノードワイ
ヤ10を挿入しても良い。
ンバ内に挿入している。しかし、それに限るものではな
い。チャンバ側壁2に穴を開けて放射状にアノードワイ
ヤ10を挿入しても良い。
アークチャンバ側壁2は、もはやアノードではない。こ
れはカソード電位又はフローテイング電位のように、充
分に負に電位固定する。プラズマ電位に対して負に保つ
のである。これにより、電子がチャンバ側壁2に衝突し
にくくなり、電子の損失面積が著しく減少する。
れはカソード電位又はフローテイング電位のように、充
分に負に電位固定する。プラズマ電位に対して負に保つ
のである。これにより、電子がチャンバ側壁2に衝突し
にくくなり、電子の損失面積が著しく減少する。
代わりに、電子はアノードワイヤに衝突して消滅するよ
うになるが、これは表面積が狭いので衝突の確率が少な
い。
うになるが、これは表面積が狭いので衝突の確率が少な
い。
(キ)作用 アノードワイヤ10とフィラメント4の間に電圧が加わ
り、この間でアーク放電が起こる。導入されたガス分子
は、アーク放電によって励起されて一部がプラズマ状態
になる。
り、この間でアーク放電が起こる。導入されたガス分子
は、アーク放電によって励起されて一部がプラズマ状態
になる。
イオンビーム引出し電極3によってプラズマから正イオ
ンが引き出される。このイオンビームは、プロセスチャ
ンバの試料に照射される。
ンが引き出される。このイオンビームは、プロセスチャ
ンバの試料に照射される。
本発明に於いては、アークチャンバ側壁2を負電位とす
る。このため、正イオンの側壁への衝突による損失は従
来のものよりも増加する。
る。このため、正イオンの側壁への衝突による損失は従
来のものよりも増加する。
しかし、イオンの損失はチャンバ側壁に衝突することに
よるのは僅かである。イオン損失の大部分は、引出し電
極3、電極対向壁5に衝突する事によって失われる。で
あるから、イオンの側壁の衝突による損失増加はあまり
大きくない。
よるのは僅かである。イオン損失の大部分は、引出し電
極3、電極対向壁5に衝突する事によって失われる。で
あるから、イオンの側壁の衝突による損失増加はあまり
大きくない。
側壁がアノードでないので、電子は側壁に引き寄せられ
ず、かえって反射されるようになる。
ず、かえって反射されるようになる。
アノードワイヤがアノードであるので、電子はアノード
との衝突により消滅する。しかし、電子のアノード損失
面積が著しく小さくなるので、電子の消滅平均自由行程
が長くなる。消滅平均自由行程が長ければガス分子と衝
突し、これをイオン化する確率が増える。このため、高
密度プラズマを生成する事ができる。
との衝突により消滅する。しかし、電子のアノード損失
面積が著しく小さくなるので、電子の消滅平均自由行程
が長くなる。消滅平均自由行程が長ければガス分子と衝
突し、これをイオン化する確率が増える。このため、高
密度プラズマを生成する事ができる。
(ク)効果 磁場閉じ込めプラズマ型イオン源に於いて、電子のアノ
ード損失を低減し、電子の消滅平均自由行程を増長させ
る事ができるので、高密度プラズマを発生させる事がで
きる。このため高密度のイオンビームを得る事ができる
ようになる。
ード損失を低減し、電子の消滅平均自由行程を増長させ
る事ができるので、高密度プラズマを発生させる事がで
きる。このため高密度のイオンビームを得る事ができる
ようになる。
第1図は本発明の一例を示すイオン源の軸方向断面図。 第2図は同じものの軸に直角な断面図。 第3図は従来例に係るイオン源の軸方向断面図。 第4図は同じものの軸に直角な断面図。 1……プラズマ生成部 2……アークチャンバ側壁 3……イオンビーム引出し電極 4……フィラメント 5……電極対向壁 6……磁石 7……絶縁物 8……磁力線 9……ラインカスプ部 10……アノードワイヤ
Claims (2)
- 【請求項1】イオン処理すべき試料を保持するプロセス
チャンバに続いて設けられるアークチャンバ側壁2と、
アークチャンバ側壁2の外周に極性が交代するように設
けられたカスプ磁場を形成するための複数の磁石6と、
アークチャンバ側壁2のプロセスチャンバに続く端に設
けられ負電位に保たれたイオンビーム引出し電極3と引
出し電極3の対向端に設けられる電極対向壁5と、熱電
子を生ずるためチャンバ内に設けられるフィラメント4
と、チャンバ内であってカスプ磁場が磁石端面に収束す
るラインカスプ部9に設けたアノードワイヤ10とよりな
り、アークチャンバ側壁2をカソード電位又はフローテ
イング電位として負電位に保持し、真空に引いた後、ガ
スを導入し、フィラメント4をカソード、アノードワイ
ヤ10をアノードとしてアーク放電させる事によりガスを
プラズマ化する事を特徴とするイオン源。 - 【請求項2】アノードワイヤ10が進退可能である事を特
徴とする特許請求の範囲(1)項記載のイオン源。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63326433A JPH077640B2 (ja) | 1988-12-23 | 1988-12-23 | イオン源 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63326433A JPH077640B2 (ja) | 1988-12-23 | 1988-12-23 | イオン源 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02172138A JPH02172138A (ja) | 1990-07-03 |
JPH077640B2 true JPH077640B2 (ja) | 1995-01-30 |
Family
ID=18187750
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63326433A Expired - Lifetime JPH077640B2 (ja) | 1988-12-23 | 1988-12-23 | イオン源 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH077640B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6439966B2 (ja) * | 2014-10-03 | 2018-12-19 | 日新イオン機器株式会社 | イオン源 |
-
1988
- 1988-12-23 JP JP63326433A patent/JPH077640B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02172138A (ja) | 1990-07-03 |
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