JPH077607B2 - 変形導電性エラストマー - Google Patents

変形導電性エラストマー

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JPH077607B2
JPH077607B2 JP41690890A JP41690890A JPH077607B2 JP H077607 B2 JPH077607 B2 JP H077607B2 JP 41690890 A JP41690890 A JP 41690890A JP 41690890 A JP41690890 A JP 41690890A JP H077607 B2 JPH077607 B2 JP H077607B2
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conductive elastomer
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無加圧及び無伸長等の
無変形状態においては高抵抗値を示すと共に、圧縮、伸
長、ねじり、曲げ等の変形時においては抵抗値が好適に
低下するように構成された変形導電性エラストマーに係
り、特に、抵抗変化範囲が広く、直線性、耐久性、応答
性に優れた変形導電性エラストマーに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来におけるこの種の変形導電性エラス
トマーとしては、シリコーンゴム,エチレンプロピレン
ゴム,クロロプレンゴム等の合成ゴムや、ゴム弾性を示
す熱可塑性エラストマー等の非導電性エラストマーに、
金属粒子,カーボンブラック,黒鉛粒子等の導電性付与
剤を混合分散させてなる感圧導電性ゴムが公知となって
いると共に、上記と同様の非導電性エラストマーに、金
属繊維,炭素短繊維,雲母をニッケルメッキした薄片状
導電性フィラー等の導電性付与剤を混合分散させてなる
伸長導電性エラストマーが公知となっている。前記感圧
導電性ゴムは、主として加圧、圧縮変形により抵抗値が
変化するものであり、また前記伸長導電性エラストマー
は、主として伸長変形により抵抗値が変化するものであ
る。
【0003】具体例を述べると、前記感圧導電性ゴムに
関しては、例えば特公昭56―9187号公報及び特公
昭56―54019号公報に、導電性粒子として、角を
落とした礫状の人造黒鉛粒子を用いてなる感圧導電性ゴ
ム組成物が開示されており、また特開昭62―1126
41号公報には、球状粒子とした高分子材料を焼成・炭
化してなる導電性粒子を用いた感圧導電性エラストマー
組成物が開示されており、更に特公昭60―722号公
報及び特公昭60―723号公報には、液状シリコーン
ゴム中に、シランカップリング剤で表面処理した導電性
金属粒子を分散させると共に、発泡剤として、溶解度パ
ラメータが9.8以上のn−プロピルアルコール,n−
ブチルアルコール等の有機化合物或いはN−ニトロソ基
を有する有機化合物を用いた感圧導電性材料が開示され
ている。一方、前記伸長導電性エラストマーの具体例と
して、例えば特開昭61―80708号公報には、高分
子エラストマーのポリウレタンに、面内径と厚みとの比
が2対1以上で100対1未満である雲母やガラス等の
薄片状導電性フィラーにニッケルや銅メッキ等を施した
ものを混合分散させてなる変形導電性高分子エラストマ
ーが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来の
感圧導電性ゴム及び伸長導電性エラストマーは、特定の
変形態様に対してのみ有用な機能を発揮するものであ
り、両者には夫々以下に示すような問題点があった。即
ち、前記感圧導電性ゴムは、加圧、圧縮変形に対しての
み良好な抵抗値の変化を示すものであって、伸長変形に
対しては適度な抵抗値の変化を示さないのに対し、前記
伸長導電性エラストマーは、伸長変形に対してのみ良好
な抵抗値の変化を示すものであって、加圧、圧縮変形に
対しては適度な抵抗値の変化を示さないという問題点が
ある。これは、前記両者が使用される目的及び用途が相
異なっていることに起因して必然的に生じる問題であ
る。また、前記感圧導電性ゴムとしては、非導電性エラ
ストマー中に黒鉛粒子や球状炭素粒子でなる導電性粒子
を配合してなるものの使用が試みられているが、このよ
うな単純な配合手段では、非導電性エラストマーのみの
変形に基づいて導電性粒子が相互に接触し或いは離反す
ることとなり、従来の非導電性エラストマーの有するゴ
ム弾性等の諸特質が所要の条件を満たしていないことに
起因して、加圧、圧縮変形に伴う圧力変化に対する抵抗
値の変化が急激となりつまり感度が過剰に高くなり、広
い圧力変化範囲にわたって抵抗値が徐々に変化していく
という好適な特性が得られず、而も圧力変化に対する抵
抗値の変化特性に所望の直線性が得られないという不具
合を招く。更に、この種の感圧導電性ゴムにおいては、
加圧、圧縮変形時に抵抗値を適度に低下させようとすれ
ば、非導電性エラストマー中に比較的多量の導電性粒子
を配合せねばならず、これに起因して、見かけ上の硬さ
が高くなると共に材料自体が脆くなり、このため曲げ強
度及び引張強度が低下するという不具合を招く。
【0005】本発明は上記諸事情に鑑みてなされたもの
であり、変形態様の差異に起因する抵抗値変化の問題
点、抵抗値の変化範囲や直線性等の抵抗変化特性の問題
点、材料強度の問題点等を総合的に検討することによっ
て、圧縮、伸長、曲げ、ねじり等の種々の変形態様に対
して良好な抵抗値の変化を示し、且つ抵抗値の変化範囲
が広く、而も直線性、耐久性、応答性に優れた新規な変
形導電性エラストマーを提供することを技術的課題とす
るものである。
【課題を解決するための手段】本発明に係る変形導電性
エラストマーは、上記技術的課題を達成すべく、以下に
示すように構成したことを特徴とする。即ち、非導電性
エラストマー中に、粒子径が10乃至300μmのエラ
ストマー粒子と、粒子径が1乃至40μmの導電性粒子
と、粒子径が10乃至150μmの中空状弾性マイクロ
スフェアーとが分散されていることを要旨とするもので
ある。そして、必要に応じて、前記非導電性エラストマ
ーとしては、シリコーンゴムを採用し、又は、液状シリ
コーンゴムと、シリコーンワニス及びシリコーン生ゴム
若しくはこれらを主成分とするシリコーン粘着剤とから
なるエラストマーを採用する。また、前記エラストマー
粒子としては、架橋シリコーンゴム粉を採用する。更
に、前記導電性粒子としては、球状炭素粒子で且つその
表面に粒子径が0.05乃至0.2μmの絶縁性粒子を
30乃至70%の表面積分率で付着させたものを採用す
る。この場合、前記絶縁性粒子としてはカルシウム粒子
を用いることができる。更に又、前記中空状弾性マイク
ロスフェアーとしては、塩化ビニリデンとアクリロニト
リルのコポリマーを殻としたものを採用する。
【0006】
【作用】非導電性エラストマーとしては、従来のものを
用いることができ、中でも1液常温硬化シリコーンゴム
が好適である。1液常温硬化シリコーンゴムとしては、
空気中の湿気で加水分解を起して架橋が進行する縮合型
のものが例示され、オキシム型,アルコール型,アセト
ン型,酢酸型等を使用することができる。これらの中
で、アセトン型や酢酸型のものは、硬化速度、腐蝕性、
臭気等の点で特性が劣るので、オキシム型若しくはアル
コール型を使用することが好ましい。また、必要により
上記液状シリコーンゴムに、シリコーンワニス、詳しく
は、シラノール基を有するポリシロキサンをトルエン,
キシレン等の有機溶剤で希釈したものと、平均分子量が
15万から50万の直鎖状ポリシロキサンからなるシリ
コーン生ゴムを加えた混合物、或いは上記液状シリコー
ンゴムに、シリコーンワニスとシリコーン生ゴム,充填
剤,可塑剤を主成分とするシリコーン粘着剤を加えた混
合物を使用すれば、上記液状シリコーンゴム単体の場合
より、導電性粒子との接着力及び当該変形導電性エラス
トマーの引裂強度を改善することができる。
【0007】上記非導電性エラストマー中に導電性付与
剤として分散される導電性粒子としては、ニツケル,
銅,金,銀,ステンレス,アルミニウム,鉄,クロム等
或いはこれらの合金でなる金属粒子や、黒鉛,炭素粒子
等を使用することができる。これらの中の具体例として
は、スチレン,塩化ビニル,塩化ビニリデン等の微小球
を空気中で300℃まで加熱し、次いで不活性ガス中で
1000℃まで加熱焼成したメソカーボンマイクロビー
ズ、或いはフェノール樹脂,フラン樹脂等の微小球状粒
子を真空中で800℃から1000℃に加熱処理したガ
ラス状微小球状炭素粒子(真球に近い独立粒子)が挙げ
られる。この導電性粒子の粒子径については、1μm未
満の場合は粒子の製造が困難であると共に、粒子径が小
さくなると抵抗変化が少なくなる。一方、粒子径が40
μmを超えると抵抗変化が荒くなるので、1乃至40μ
mとする必要がある。また、この導電性粒子の全組成物
中に占める配合割合については、5乃至5容量%が
好ましく、5容量%未満の場合には抵抗値が高くな
り、5容量%を超える場合には常導電状態となりやす
い。更に、この導電性粒子と上記非導電性エラストマー
との接着力を向上させる手段としては、導電性粒子の適
切な表面処理が挙げられる。この導電性粒子の適切な表
面処理の一例として、導電性粒子が球状炭素粒子である
場合にはその表面に粒子径が0,05乃至0・2μmの
絶縁性粒子を30乃至70%の表面積分率で付着させる
ことが例示される。この絶縁性粒子としては、カルシウ
ム,酸化チタン,酸化ケイ素等の超微粒子を使用するこ
とができる。また、このように導電性粒子の表面に適度
な表面積分率で絶縁性粒子を付着させることにより、導
電性粒子が相互に接触した際に導通状態となる度合が適
度に緩和され、これに伴って当該変形導電性エラストマ
ーの変形に対する抵抗値変化がゆるやかになり更には変
形に対する抵抗値変化特性の直線性が改善されることと
なる。
【0008】本発明の第1の特徴的構成要件であるエラ
ストマー粒子は、ゴム弾性を示すエラストマー又は架橋
ゴム粒子であり、このエラストマー粒子を当該変形導電
性エラストマー中に混合分散させることにより、変形
電性エラストマーのポリマーアロイ化(海、島構造)の
構築をするものであり、前記導電性粒子の配合に起因し
て高くなる硬さを低下させると共に、伸び量の最大限界
やゴム弾性を増加させ、当該変形導電性エラストマーが
脆くなるのを防止できる。従って、当該変形導電性エラ
ストマーは、圧縮変形に対してのみならず伸長,ねじ
り,曲げ変形に対しても充分な強度を有し、これらの全
ての変形に対して抵抗の変化を良好に示すことが可能と
なる。このエラストマー粒子としては、ポリスチレンと
ブタジエンゴムの共重合体、ポリエチレンとエチレンブ
ロピレンゴムの共重合体、ウレタンとポリエステルの共
重合体等の熱可塑性エラストマーや、シリコーンゴム,
フッ素ゴム,EPDMゴム、アクリロニトリルゴム,ク
ロロブレンゴム,スチレンブタジエンゴム等の架橋合成
ゴムを低温粉砕機で粉砕したもの或いは摩耗式製粉機で
製造したものを使用することができ、無定形或いは球状
の粉体,粒子状のものであればよく、上記非導電性エラ
ストマーがシリコーンゴムでなる場合には架橋シリコー
ンゴム粉が好適であるが、他のエラストマー粒子を採用
する場合にはシランカップリング剤等で適切な表面処理
をして使用することもできる。このエラストマー粒子の
粒子径としては、10乃至300μmとする必要があ
り、特に伸長変形の面から好ましいものとしては粒子径
が50乃至100μmのものが挙げられる。粒子径が1
0μm未満の場合には粉砕が困難であり且つ補強の効果
があまり期待できず、粒子径が300μmを超えると上
記導電性粒子の分布状態が粗くなることに起因して電極
を接続する場合に導電性粒子と電極とが接触し難くなり
抵抗値のバラツキが発生するという問題がある。
【0009】本発明の第2の特徴的構成要件である中空
状弾性マイクロスフェアーは、弾性並びに衝撃吸収性に
優れた微小球体であり、これを非導電性エラストマー中
に混合分散させることにより、導電性粒子の配合に起因
して高くなる見かけ上の硬さを低下させると共に、非導
電性エラストマー特にシリコーンゴムの難点である耐久
性、衝撃強度を向上させることができる。この中空状弾
性マイクロスフェアーとしては、好ましくは塩化ビニリ
デンとアクリロニトリルのコポリマーを殻とし、膨脹剤
としてイソブタンを内包してカプセル化したものを、膨
脹・乾燥させたPVDCマイクロバルーンが例示される
が、勿論これに限定されるものではない。この中空状弾
性マイクロスフェアーの粒子径としては、10乃至15
0μmとする必要があり、特に弾性並びに衝撃吸収性の
面からより好ましいものとしては、粒子径が20乃至8
0μmで且つ平均粒子径が50μmであり、殻壁の厚さ
が凡そ0.1μmのものが挙げられる。粒子径が10μ
m未満の場合には粒子が細かくなって衝撃吸収性並びに
振動吸収性が低下し、一方粒子径が150μmを超える
と局部的或いは全体的に中空セル即ち中空状弾性マイク
ロスフェアーの占める割合が高くなり過ぎて当該変形導
電性エラストマーの強度が低下する。全組成物中に占め
る中空状弾性マイクロスフェアーの配合割合としては、
10乃至35容量%が好ましく、10容量%未満の場合
には耐久性及び衝撃吸収性をあまり改善することができ
ず、一方35容量%を超えると抵抗変化が少なくなり変
形に対する抵抗変化の特性が悪化する。また、中空状弾
性マイクロスフェアーは、上記の如く予め膨脹させたも
のを配合してもよいが、未膨脹のものをエラストマー相
に混合分散し、加熱膨脹させて前記粒子径の中空状弾性
マイクロスフェアーに調整することもできる。但し、こ
の場合には非導電性エラストマーの硬化条件や膨脹のタ
イミングのコントロールが微妙で製造が難しくなるとい
う問題があるので、膨脹済みの中空状弾性マイクロスフ
ェアーを混合分散させる方か好ましい。このような中空
状弾性マイクロスフェアーを配合した変形導電性エラス
トマーと、発泡剤を加えて得られる変形導電性エラスト
マーとを比較すると、発泡剤を加えたものの場合には、
発泡セルの形状、大きさが不均一であるのに対し、中空
状弾性マイクロスフェアーは、真球状で比較的粒子径が
そろっており、中空セルのサイズや量を比較的容易にコ
ントロールすることができ、而も中空状弾性マイクロス
フェアーは発泡セルより耐久性,衝撃吸収性が格段に優
れている。この結果、中空状弾性マイクロスフェアーを
配合した本発明の変形導電性エラストマーは、上記発泡
剤を加えたものに比べて、圧縮変形に対して優れた耐久
性,衝撃吸収性を示すことになる。
【0010】以上のように本発明に係る変形導電性エラ
ストマーは、粒子の製造の容易化及び抵抗変化の適切な
増大化を図るべく1乃至40μmの粒子径とされた導電
性粒子と、衝撃吸収性並びに振動吸収性の向上を図ると
共に中空部の占める割合を適切にして強度の向上を図る
べく10乃至150μmの粒子径とされた中空状弾性マ
イクロスフェアーと、導電性粒子の配合に起因して高く
なる硬さを低下させて脆性の改善を図ると共に変形導電
性エラストマーのポリマーアロイ化(海、島構造)の構
築と粒子の粉砕の容易化及び導電性粒子の分布状態の適
切化を図るべく10乃至300μmの粒子径とされたエ
ラストマー粒子とを非導電性エラストマー中に分散させ
たものであるため、圧縮,伸長,ねじり,曲げ等のあら
ゆる変形に対して十分な強度が得られるばかりでなく、
これらの各変形に対する抵抗変化の特性は以下に示す通
りとなる。即ち、圧縮変形に対しては、非導電性エラス
トマー中において適度な分布状態にあるエラストマー粒
子及び中空状弾性マイクロスフェアーが加圧力により押
圧されて微視的に考察すれば三次元方向に徐々に押し縮
められることになり、従ってこれらと共に混合分散され
ている導電性粒子が相互に三次元方向に接近し、これに
起因して導通状態となる導電性粒子の数が除々に増加
し、これにより抵抗値は加圧力が大きくなるに連れて除
々に低下していく。また、伸長変形に対しては、非導電
性エラストマーと混合分散されたエラストマー粒子及び
中空状弾性マイクロスフェアーが引張られることによ
り、引張部の中心には引張方向と直交する方向に応力が
加わり、この応力によって導電性粒子が相互に三次元方
向に接近し、これに起因して導通状態となる導電性粒子
の数が除々に増加し、従って抵抗値は引張力が大きくな
るに連れて除々に低下していく。更に、ねじり、曲げ変
形に対しては、導電性粒子の粒子径が適切であることか
らつまり導電性粒子の分布状態が適切であることから、
前記圧縮変形と伸長変形との双方の作用により抵抗値が
良好に変化していくこととなる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について述べるが、こ
れらの実施例は、本発明を限定する趣旨のものではな
い。先ず、本発明に係る変形導電性エラストマーの実施
例1について説明する。粒子径1乃至20μmで平均粒
子径5μmの微小球状炭素粒子(カーボンマイクロビー
ズICB−0510、日本カーボン株式会社製)40.
8重量部(65g)に、シリコーンゴム(SH861
U、東レ・ダウコーニング株式会社製)+架橋剤(RC
−4、東レ・ダウコーニング株式会社製)0.5部配合
を160℃で20分間プレスキュアーした架橋シリコー
ンゴムを粉砕機で50乃至200μmに粉砕してなるシ
リコーンゴム粉18.8重量部(30g)と、粒子径1
0乃至100μmで平均粒子径40μmの塩化ビニリデ
ン及びアクリロニトリルのコポリマーを殻とする中空状
弾性マイクロスフェアー(EXPANCEL−DE55
1、エクスパンセル社(スウェーデン)製)0.4重量
部(0.6g)とを混合分散させた。次いで、このもの
に1液常温硬化シリコーンゴム(KE−441、信越化
学工業株式会社製)40重量部(64g)を加えて混合
機にて5分間混合し、よく脱泡した。そして、ポリエチ
レン製のモールド(200mm×100mm×2.0mm)に
上記混合物を移してシート状に成形し、温度15℃及び
湿度60乃至70%の条件下で24時間放置して硬化さ
せた後、70℃で1時間熱処理した。このようにして得
た試料の圧縮変形に対する抵抗の変化と、伸長変形に対
する抵抗の変化とを、夫々、以下に示すような手段を講
じて測定した。図4は、圧縮変形に対する抵抗変化の特
性を測定するための測定回路を示し、Eは直流定電圧電
源、Rは標準抵抗器、Pは加圧速度(5mm/分)、Vは
電圧変化、Cは試料(10mm×10mm×2.0mm)を示
す。また、図5は具体的測定装置を示し、Aは加圧及び
伸長試験機、Bは小型荷重変換器、Dは動歪測定器、F
はアナライジングレコーダ、G1,G2は測定電極(金
メッキ銅貼りプリント基板、20mm×20mm×1.6m
m)を示す。測定は、前記測定電極G1,G2の間に試
料Cを置き、更にこの電極G1,G2の下に加圧力を測
定するための小型荷重変換器Bを設置して、試料Cの上
方から加圧速度Pで測定電極G1を降下させて加圧し、
この時の電圧Vから抵抗値を算出し、動歪測定器Dより
加圧力を出力した。この測定結果を図1のグラフ(両対
数目盛によるグラフ)に実施例1として示した。図6
は、伸長変形に対する抵抗変化の特性を測定するための
測定回路を示し、E、R、Vについては上記図4に示す
ものと同様のものを使用し、H1,H2は測定電極(金
メッキ銅貼プリント基板、10mm×4mm×1.6mm)、
Tは伸長速度(5mm/分)、Iは試料(15mm×4.0
mm×2.0mm)を示す。また、図7は具体的測定装置を
示し、A,B,D,F,E,Rについては上記図5に示
すものと同様のものを使用し、電極H1,H2を接続し
た試料IをチャックJ1,J2で把持し、伸長速度Tで
チャックJ1を降下させて試料Iを伸長させ、この時の
電圧Vから抵抗値を算出し、動歪測定器Dより伸長力を
出力した。この測定結果を図2のグラフ(片対数目盛に
よるグラフ)に実施例1として示した。
【0012】次に、本発明に係る変形導電性エラストマ
ーの実施例2について説明する。シリコーンゴム(KE
−971U、信越化学工業株式会社製)に架橋剤(C−
8A、信越化学工業株式会社製)0.4重量部を配合し
且つ混練りして160℃で15分間プレスキュアーした
架橋シリコーンゴムを粉砕機で50乃至300μmに粉
砕し、更にこれをSUS304ステンレス#70メッシ
ュのフィルターのふるいにかけてシリコーンゴム粉を得
た。そして、粒子径1乃至12μmのガラス状微小球状
炭素粒子(ガラスカーボン―P,GP−5X、大和田カ
ーボン工業株式会社製)42.1重量部(77g)に、
上記のシリコーンゴム粉11重量部(20g)と、粒子
径20乃至80μmの塩化ビニリデン及びアクリロニト
リルのコポリマーを殻とする中空状弾性マイクロスフェ
アー(F−80ED,松本油脂製薬株式会社製)0.4
3重量部(0.8g)とを混合分散させた。次いで、1
液常温硬化シリコーンゴム(SE5002,東レ・ダウ
コーニング株式会社製)27.3重量部(50g)と、
シリコーンゴム粘着剤(YR3340、東芝シリコーン
株式会社製)19.1重量部(35g)とを混合機にて
3分間混合した後、このものに上記のシリコーンゴム粉
と中空状弾性マイクロスフェアーとを混合分散させたガ
ラス状微小球状炭素粒子を加えて更に3分間混合し、よ
く脱泡した。そして、この混合物をポリプロピレン製の
モールド(150mm×200mm×2.0mm)に移してシ
ート状に成形し、温度15℃及び湿度60乃至70%の
条件下で24時間放置して硬化させた後、70℃で1時
間熱処理した。この場合において、上記の微小球状炭素
粒子は、その表面に30乃至70%の表面積分率で絶縁
性粒子が付着してなるものであるが、このような微小球
状炭素粒子の製造方法の一例を述べると、5乃至20μ
mのフェノール樹脂,エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂等
を核とする粒子を母粒子とし、0.05乃至0.2μm
のカルシウム,チタン,シリカ等の絶縁性無機物の超微
粒子を子粒子とし、ハイブリダイザー等を用いてこの子
粒子を前記母粒子に打ち込み固定、配列させることによ
りオーダードミクスチャを形成する。そして、このもの
を真空中や不活性ガス中等において800乃至1000
℃の温度で加熱して炭素化することにより上記の絶縁性
粒子が付着してなる微小球状炭素粒子を得ることができ
る。以上のようにして得た試料の圧縮変形に対する抵抗
の変化と、伸長変形に対する抵抗の変化とを前述の実施
例1の場合と同様の方法で測定し、この測定結果を図1
と図2のグラフに実施例2として示した。尚、図1と図
2のグラフに比較例として示したものは、実施例2の配
合でシリコーンゴム粉(エラストマー粒子)を混入しな
かった試料についての測定結果である。また、図3に示
すグラフ(両対数目盛によるグラフ)は、実施例2と比
較例の耐久性試験の結果を示し、夫々の試験は2kg/cm
2 の荷重で1秒間ON(加荷重状態)、3秒間OFF
(無荷重状態)の繰り返しを100万回行い、この10
0万回目の加圧力と抵抗値の変化とを、前記した初回目
のデータと共に示したものである。更に、上記実施例
1,実施例2,比較例の各試料について、圧縮変形に対
する測定結果を表1に、伸長変形に対する測定結果を表
2に、曲げ変形に対する測定結果を表3に、ねじり変形
に対する測定結果を表4に、夫々数値として示した。
尚、曲げ変形についての測定は、試料(35mm×4.0
mm×2.0mm)の長手方向両端部に電極を接続してお
き、この試料の長手方向一端部を固定した状態でその他
端部に荷重を作用させて曲げ変形を生じさせ、この時の
電気抵抗値を取り出したものであり、また、ねじり変形
についての測定は、試料(35mm×4.0mm×2.0m
m)の長手方向両端部に電極を接続しておき、この試料
の長手方向一端部を固定した状態でその他端部に中心軸
線(長手方向に延びる中心軸線)回りに回転力を与えて
ねじり変形を生じさせ、この時の電気抵抗値を取り出し
たものである。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【0017】
【発明の効果】以上のように本発明に係る変形導電性エ
ラストマーによれば、非導電性エラストマー中に、ゴム
弾性を有するエラストマー粒子と、弾性及び衝撃吸収性
に富んだ中空状弾性マイクロスフェアーと、粒子径が適
切に設定された導電性粒子とを混合分散させることによ
り、従来の圧縮変形に対してのみ機能を発揮する感圧導
電性ゴムや伸長変形に対してのみ機能を発揮する伸長導
電性エラストマーのように特定の変形態様に対処できる
だけでなく、圧縮,伸長,ねじれ,曲げ等のあらゆる変
形に対して良好に抵抗変化を示し且つ充分な機能を発揮
できることとなり、用途の拡大を図ることが可能とな
る。また、中空状弾性マイクロスフェアーを配合したこ
とにより、圧縮荷重に対する耐久性及び衝撃吸収性の向
上が図られると共に、エラストマー粒子を配合したこと
により、非導電性エラストマー中に導電性粒子と中空状
弾性マイクロスフェアーを含む海層とエラストマー粒子
の島層構造が構築され、圧縮及び伸長荷重に対する強度
並びに耐久性の向上及び抵抗値の変化範囲の拡大化が図
られ、更には両者を配合したことにより、各変形に対す
る抵抗変化特性の直線性が改善されるばかりでなく応答
性の向上が図られることとなる。更に、上記導電性粒子
の表面に絶縁性粒子を適度な表面積分率で付着させてお
くことにより、非導電性エラストマーとの接着力が向上
するばかりでなく、各変形に対する抵抗変化がゆるやか
になり、各変形に対する抵抗変化特性の直線性の更なる
改善が図られることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1と実施例2及び比較例の圧縮変形に対
する抵抗変化特性を示すグラフである。
【図2】実施例1と実施例2及び比較例の伸長変形に対
する抵抗変化特性を示すグラフである。
【図3】実施例2と比較例の耐久試験に対する抵抗変化
特性を示すグラフである。
【図4】実施例1及び実施例2の圧縮変形に対する測定
回路図である。
【図5】実施例1及び実施例2の圧縮変形に対する具体
的測定装置を示す概略構成図である。
【図6】実施例1及び実施例2の伸長変形に対する測定
回路図である。
【図7】実施例1及び実施例2の伸長変形に対する具体
的測定装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
A 加圧試験機(伸長試験機) B 小型荷重変換器 C 試料 D 動歪測定器 F アナライジングレコーダ I 試料

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非導電性エラストマー中に、粒子径が1
    0乃至300μmのエラストマー粒子と、粒子径が1乃
    至40μmの導電性粒子と、粒子径が10乃至150μ
    mの中空状弾性マイクロスフェアーとが分散されている
    ことを特徴とする変形導電性エラストマー。
  2. 【請求項2】 非導電性エラストマーが、シリコーンゴ
    ム、又は、液状シリコーンゴムと、シリコーンワニス及
    びシリコーン生ゴム若しくはこれらを主成分とするシリ
    コーン粘着剤とからなる請求項1に記載の変形導電性エ
    ラストマー。
  3. 【請求項3】 エラストマー粒子が、架橋シリコーンゴ
    ム粉である請求項1又は2に記載の変形導電性エラスト
    マー。
  4. 【請求項4】 導電性粒子が、球状炭素粒子で且つその
    表面に粒子径が0.05乃至0.2μmの絶縁性粒子を
    30乃至70%の表面積分率で付着させたものである請
    求項1乃至3のいずれかに記載の変形導電性エラストマ
    ー。
  5. 【請求項5】 絶縁性粒子が、カルシウム粒子である請
    求項4に記載の変形導電性エラストマー。
  6. 【請求項6】 中空状弾性マイクロスフェアーが、塩化
    ビニリデンとアクリロニトリルのコポリマーを殻とする
    ものである請求項1乃至5のいずれかに記載の変形導電
    性エラストマー。
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