JPH0776016B2 - 桟付ベルトコンベアへの横向き引揃え装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、人参、大根等のような
長尺物を桟付ベルトコンベアによって一本宛、横臥状態
で搬送方向と直交させて、桟の間に納めながら移送でき
るベルトコンベアに関し、桟上に縦向きで乗ってしまっ
たり、桟に寄りかかって斜めに起立してしまった長尺物
につき、その姿勢を修正して、上記の如く桟の間へ納め
ることができるようにした桟付ベルトコンベアへの横向
き引揃え装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】既知の如く人参等の長尺物を箱詰めしよ
うとするときは、箱体に対し一定方向へ向きを揃えて並
べながら詰め込まなければ、不必要な隙間が生じ、当該
箱体に所定量だけの長尺物を充填させることができない
こととなる。従って、人参等は一般に人手によって箱詰
めするようにしており、このために当該作業に多くの時
間と人手を要することとなり、極めて非能率的であっ
た。

【０００３】そこで、人参等の箱詰めを能率的に行い得
るようにした自動箱詰機が既に提案されているが、これ
によるときは、人参等を一本宛搬送することとなる桟付
ベルトコンベアにより、これを搬送方向と直交する横向
きのままで搬送し、当該ベルトコンベアの先端から当該
長尺物を箱体内に落入させることで、横向きの整列詰め
を可能としている。

【０００４】そして、上記自動箱詰機にあっては、桟付
ベルトコンベアの前段にあって、他の供給コンベアや供
給装置に連設し、これにより人参等を一本宛横臥状態の
まま桟付ベルトコンベアにおける桟の間へ供給するよう
にしているが、このとき、人参等の供給速度と桟付ベル
トコンベアを同期させるようにしても、当該人参等が桟
上へ搬送方向である縦向きにて乗ってしまったり、桟に
寄りかかって斜めに起立してしまうといった姿勢になる
ことがあり、このまま当該長尺物が搬送されて行くと、
箱体内へのおさまりが悪くなり、横向き定量整列詰めが
できなくなってしまう。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術が有する問題点に鑑み、請求項１では桟付ベルトお
よび桟を、中太ガイドローラにより中央部を高く、左右
両側部を対称に傾斜下降させて山形に形成し、桟上に乗
った縦向の被搬送物である長尺物や、斜めに起立してし
まった長尺物が低い端部側へ移動するようにすると共
に、桟付ベルトの左右から立設臨装のガイド板からは、
変向板を延設した構成とすることにより、上記の縦向き
や斜めに起立した長尺物を方向転換させて桟の間に落し
込むことができるようにし、当該長尺物の望ましい横向
き搬送を保証し得るようにするのが、その目的である。

【０００６】請求項２にあっては、前記請求項１の構成
に加えて変向板を桟付ベルトの搬送方向へ所定の間隔を
おいて一側だけ付加してやることで、桟上に縦向きに乗
ったものはもとより、当該桟付ベルトの上流側の桟に寄
りかかった傾斜状態に起立の長尺物についても、その姿
勢を方向転換により是正することで、確実に桟の間へ落
動横臥させ得るようにするのが、その目的である。

【０００７】請求項３では、前記請求項１の構成に加え
て変向板を、桟付ベルトの進行方向側が上昇するよう傾
斜して付設することで、複数の桟上に跨って乗った長尺
物につき、これを、より高い信頼性をもって、桟の間へ
誤動作なく落入させようとしている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、請求項１では桟付ベルトと、その左右に
臨設のガイド板から桟付ベルトの上方部位へ延設した軟
質材製の変向板とからなり、前記桟付ベルトは、桟上に
乗った縦向きの長尺物および桟により斜めに起立して乗
った長尺物を、側端部へ向けて移動自在となるよう中太
ガイドローラにより横幅方向において中央部を高く、そ
の中央部から左右両側端部が対称状に傾斜下降する山形
状に形成され、前記変向板は、上記の状態にある長尺物
と当接可能な高さに設定された傾斜面を有し、この傾斜
面はこれに当接した長尺物が桟の間へ横向落入するよう
変向自在に、その基端から先端へ向けて、桟付ベルトの
搬送方向と斜交状に形成されていることを特徴とする桟
付ベルトコンベアへの横向き引揃え装置を提供しようと
するものである。

【０００９】請求項２では桟付ベルトと、その左右に臨
設のガイド板から桟付ベルトの上方部位へ延設した軟質
材製の変向板とからなり、前記桟付ベルトは、桟上に乗
った縦向きの長尺物および桟により斜めに起立して乗っ
た長尺物を、側端部へ向けて移動自在となるよう中太ガ
イドローラにより横幅方向において中央部を高く、その
中央部から左右両側端部が対称状に傾斜下降する山形状
に形成され、前記変向板は、桟付ベルトの搬送方向へ所
定の間隔をおいて二個並設され、当該両変向板は、上記
の状態にある長尺物と当接可能な高さに設定された傾斜
面を有し、この傾斜面はこれに当接した長尺物が桟の間
へ横向落入するよう変向自在に、その基端から先端へ向
けて、桟付ベルトの搬送方向と斜交状に形成されている
ことを特徴とする桟付ベルトコンベアへの横向き引揃え
装置を提供しようとしている。

【００１０】さらに、請求項３では桟付ベルトと、その
左右に臨設のガイド板から桟付ベルトの上方部位へ延設
した軟質材製の変向板とからなり、前記桟付ベルトは、
桟上に乗った縦向きの長尺物を、側端部へ向けて移動自
在となるよう中太ガイドローラにより横幅方向において
中央部を高く、その中央部から左右両側端部が対称状に
傾斜下降する山形状に形成され、前記変向板は、複数個
の桟上に跨いで乗った横向きの長尺物を掬い上げ、長さ
方向へ逆倒し自在となるように、桟付ベルトの搬送方向
へ上昇傾設すると共に、当該逆倒しの長尺物を桟の間へ
横向落入自在となるよう前端を、その基端から先端へ桟
付ベルトの搬送方向と斜交する傾斜面が形成されている
ことを特徴とする桟付ベルトコンベアへの横向き引揃え
装置を提供しようとしている。

【００１１】

【作用】人参等や円柱形状等の長尺物を、供給コンベア
等より桟付ベルトへ移乗されるとき、桟の間へ移乗され
ずに、桟上へ搬送方向である縦向きに、あるいは下流側
の桟によりかかって、後方へ傾斜下降した状態に起立し
て移乗されてしまうと、桟付ベルトが山形状であること
により、当該長尺物は桟付ベルトの横幅方向における側
端部へと移動していき、左右に臨設のガイド板に当接し
てそのときの姿勢に保持されることになる。

【００１２】桟付ベルトの駆動によって、当該長尺物が
搬送されていくと、その先端部は変向板の傾斜面に突き
当たり、該傾斜面に案内されることによって、先端部が
桟付ベルトの中央部側へ方向転換され、そのまま傾斜面
に案内されることで、当該長尺物は桟付ベルトの横幅方
向へ向きが修正されて、桟の間に落入し、横向きのまま
搬送されることとなる。

【００１３】下流側の桟に寄りかかって、前方へ傾斜し
た起立状態にて移乗された長尺物は、桟付ベルトの駆動
により、その先端部が上流側の変向板における下面で押
えられ、上流側の桟の間へ押し下げられることにより、
シーソーの原理によって基端部が押し上げられ、これに
よって、当該長尺物の向きが、後方へ傾斜下降した逆倒
しの傾斜状態となる。

【００１４】このままの姿勢で搬送されていくことによ
り、基端部が下流側の変向板における傾斜面に突き当た
り、これにより前記と同様にして、この長尺物は桟の間
へ横向きに変向されて落し込まれる。

【００１５】複数の桟上へ跨がって乗り移って来た長尺
物は、桟付ベルトの駆動により、ガイド板に上下方向へ
傾斜して付設された変向板によって、先端部が掬い上げ
られることにより、基端部は下降して桟の間へ落入し、
後方へ傾斜下降した状態で起立する。

【００１６】さらに搬送されて行くと、先端部が変向板
の傾斜面に突き当たって桟付ベルトの中央部方向へ案内
されることによって、当該長尺物は桟の間へ落入し、横
向きに矯正される。

【００１７】

【実施例】以下、本発明を図示の実施例について説明す
ると、図１の（Ａ）（Ｂ）および図２に示したように、
桟付ベルト１と変向板２‥‥‥とからなり、当該、桟付
ベル１は、無端ベルト１ａと、その表面にあって、長さ
方向へ所定の間隔をおいて、横幅方向にて平行となるよ
う立設された複数個の桟１ｂ、１ｂ‥‥‥とを具備して
いる。上記各桟１ｂ‥‥‥は、中央部に切れ目３を入れ
ることで左右に二分割され、無端ベルト１ａはコンベア
フレーム４に一定の間隔をおいて回転自在なるよう軸架
併設した複数個の中太ガイドローラ５‥‥‥に巻き掛
け、これによって横幅方向の中央部１ｃが高く、この中
央部１ｃから左右両側部１ｄ、１ｄが対称に傾斜下降し
ており、従って横断面略山形状となっている。

【００１８】このことによって、図２に二点鎖線で示し
たように、桟１ｂ上へ縦向きすなわち桟付ベルト１の搬
送方向ａとなるように乗った被搬送物である長尺物６や
桟１ｂに寄りかかって斜めに起立して乗った図示されて
いない長尺物は、図２の矢印ｂ方向へ転動下降する等し
て、同図に実線で示した通り、桟付ベルト１の横幅方向
における端部へ向けて移動することとなる。

【００１９】前記の変向板２は、ゴム、スポンジゴム、
軟質プラスチック等の軟質剤にて形成され、図２に示し
た如く、コンベアフレーム４に立設固定した左右のガイ
ド板７、７に、その基端を固定することによって、その
先端部を桟付ベルト１における桟１ｂの上方部位へ延出
させてある。

【００２０】この変向板２は、図１の（Ａ）（Ｂ）およ
び図２に示したように、桟１ｂ上に前記の如く縦向きに
乗った長尺物６や図３の（Ａ）に示した如く、下流側の
桟１ｂに寄りかかって斜めに起立した状態の長尺物６の
先端部６ａが、当接可能なるよう桟１ｂよりも適宜の高
さだけ高位に設定してある。

【００２１】さらに、変向板２における桟付ベルト１の
上流側には、基端から先端へ向けて、桟付ベルト１の搬
送方向ａへ向けて傾斜する傾斜面２ａが形成され、これ
によって、桟付ベルト１の駆動により前記の如く桟付ベ
ルト１上に乗った長尺物６の先端部６ａが、図１の
（Ｂ）に示すの位置で、上記傾斜面２ａに突き当た
り、当該傾斜面２ａに案内されて同図に矢印ｃで示した
通り内側へ向け方向転換され、さらに、当該長尺物６は
同図に示した、、の位置順で向きが修正された
後、桟１ｂ、１ｂの間ｄに横向きに落し込まれる。

【００２２】上記の変向板２は、左右のガイド板７、７
に各々一個宛設けるようにしているが、図１の（Ａ）
（Ｂ）および図３の（Ｂ）、（Ｃ）に示したものは、各
々二個宛の変向板２を桟付ベルトの搬送方向ａへ所定の
間隔ｌだけ離して並設するようにしている。

【００２３】上記二個の変向板２、２のうち、桟付ベル
ト１の上流側に臨設されたものは、図３の（Ｂ）に示し
た如く、上流側の桟１ｂに寄りかかって長尺物６が、斜
めに起立した状態である場合、その先端部６ａが桟付ベ
ルト１の駆動により、下方へ押え込まれる位置に設けら
れ、これによって、上記先端部６ａが図示の矢印ｅ方向
へ押し下げられ、丁度シーソーの動きのように長尺物６
が回動し、図３の（Ｃ）に示したように後続の桟１ｂ、
１ｂの間に押し込まれ、これにより長尺物６は、基端部
６ｂが先行上位となるように傾斜起立されることにな
る。

【００２４】次に、上記下流側に設けられた変向板２
は、前記の一個だけ設けた場合と同様に機能する位置に
あり、従って、上記の長尺物６を、当該変向板２の傾斜
面２ａが案内して、桟１ｂ、１ｂの間へ横向落入するこ
ととなる。

【００２５】さらに、図４の（Ａ）〜（Ｃ）に示した変
向板２は一個であるが、桟付ベルト１の搬送方向ａへ向
けて上昇するように傾斜して臨設されている。

【００２６】このような変向板２を設けた場合には、同
図の（Ａ）に示した如く、複数個の桟１ｂ‥‥‥上に跨
がって縦向きに乗った長尺物６が桟付ベルト１の駆動に
より、その前端部６ａが同図の（Ｂ）に示した通り、掬
い上げられ、これによって基端部６ｂが下降して桟１
ｂ、１ｂの間へ落入され、同図の（Ｃ）に示されている
通り、先行上位の傾斜姿勢となり、次いで、当該変向板
２の傾斜面２ａによる案内で、図示の矢印ｇ方向へ転向
されて桟１ｂ、１ｂの間に、横向きに落し込まれること
となる。

【００２７】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
るものであるから、請求項１によるときは、桟上に縦向
きに乗った被搬送物、または桟によりかかって前方へ斜
めに起立して乗った長尺物を、その搬送過程において、
変向板により桟の間へ方向転換して落し込むことがで
き、このことによって、長尺物の横向き搬送を保証する
ことができる。しかも、長尺物の方向修正を特別な駆動
源をもつ手段により行うのではなく、桟付ベルトによる
搬送力を有効利用するので、簡潔な構成により安価に提
供でき、故障も生じ難い。

【００２８】請求項２にあっては、桟に寄りかかって後
方へ向け斜めに起立して乗った長尺物を、上流側の変向
板で逆倒しの状態とした後、下流側の変向板で桟の間へ
向きを修正して横向きに落し込むことができ、特異姿態
で搬送されてくる長尺物に対しても、その矯正による引
揃えが可能となる。

【００２９】請求項３によるときは、複数個の桟上に跨
がって縦向きに乗った長尺物を、傾斜して形成されてい
る変向板によって掬い上げ、これにより、前傾姿勢に起
立させた後、桟の間へ向きを修正して横向きに確実な落
し込みを行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る桟付ベルトコンベアへの横向き引
揃え装置の一実施例を示し、（Ａ）はその一部を切欠し
た斜視図、（Ｂ）はその平面図である。

【図２】同上実施例を示す一部切欠した正面図である。

【図３】同上実施例の作動状態を示し、（Ａ）は前方へ
斜めに起立して乗った長尺物を桟の間へ向きの修正によ
り落し込む状態、（Ｂ）は後方へ斜めに起立して乗った
長尺物を逆倒しとした状態、（Ｃ）は当該長尺物を桟の
間へ向きの修正により落し込む状態を夫々表わした各説
明図である。

【図４】他実施例により作動状態を示し、（Ａ）は長尺
物が複数個の桟上へ跨がって乗った状態（Ｂ）は長尺物
の先端部が変向板によって掬い上げられた状態、（Ｃ）
は当該長尺物の基端部が桟の間へ落し込まれた状態を夫
々表わした各説明図である。

【符号の説明】

１ 桟付ベルト １ｂ 桟 １ｃ 中央部 １ｄ 側部 ２ 変向板 ２ａ 傾斜面 ５ 中太ガイドローラ ６ 長尺物 ７ ガイド板 ａ 搬送方向

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 桟付ベルトと、その左右に臨設のガイド
   板から桟付ベルトの上方部位へ延設した軟質材製の変向
   板とからなり、前記桟付ベルトは、桟上に乗った縦向き
   の長尺物および桟により斜めに起立して乗った長尺物
   を、側端部へ向けて移動自在となるよう中太ガイドロー
   ラにより横幅方向において中央部を高く、その中央部か
   ら左右両側端部が対称状に傾斜下降する山形状に形成さ
   れ、前記変向板は、上記の状態にある長尺物と当接可能
   な高さに設定された傾斜面を有し、この傾斜面はこれに
   当接した長尺物が桟の間へ横向落入するよう変向自在
   に、その基端から先端へ向けて、桟付ベルトの搬送方向
   と斜交状に形成されていることを特徴とする桟付ベルト
   コンベアへの横向き引揃え装置。
2. 【請求項２】 桟付ベルトと、その左右に臨設のガイド
   板から桟付ベルトの上方部位へ延設した軟質材製の変向
   板とからなり、前記桟付ベルトは、桟上に乗った縦向き
   の長尺物および桟により斜めに起立して乗った長尺物
   を、側端部へ向けて移動自在となるよう中太ガイドロー
   ラにより横幅方向において中央部を高く、その中央部か
   ら左右両側端部が対称状に傾斜下降する山形状に形成さ
   れ、前記変向板は、桟付ベルトの搬送方向へ所定の間隔
   をおいて二個並設され、当該両変向板は、上記の状態に
   ある長尺物と当接可能な高さに設定された傾斜面を有
   し、この傾斜面はこれに当接した長尺物が桟の間へ横向
   落入するよう変向自在に、その基端から先端へ向けて、
   桟付ベルトの搬送方向と斜交状に形成されていることを
   特徴とする桟付ベルトコンベアへの横向き引揃え装置。
3. 【請求項３】 桟付ベルトと、その左右に臨設のガイド
   板から桟付ベルトの上方部位へ延設した軟質材製の変向
   板とからなり、前記桟付ベルトは、桟上に乗った縦向き
   の長尺物を、側端部へ向けて移動自在となるよう中太ガ
   イドローラにより横幅方向において中央部を高く、その
   中央部から左右両側端部が対称状に傾斜下降する山形状
   に形成され、前記変向板は、複数個の桟上に跨いで乗っ
   た横向きの長尺物を掬い上げ、長さ方向へ逆倒し自在と
   なるように、桟付ベルトの搬送方向へ上昇傾設すると共
   に、当該逆倒しの長尺物を桟の間へ横向落入自在となる
   よう前端を、その基端から先端へ桟付ベルトの搬送方向
   と斜交する傾斜面が形成されていることを特徴とする桟
   付ベルトコンベアへの横向き引揃え装置。