JPH0775985B2 - 車両の液圧操向装置 - Google Patents

車両の液圧操向装置

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JPH0775985B2
JPH0775985B2 JP59261033A JP26103384A JPH0775985B2 JP H0775985 B2 JPH0775985 B2 JP H0775985B2 JP 59261033 A JP59261033 A JP 59261033A JP 26103384 A JP26103384 A JP 26103384A JP H0775985 B2 JPH0775985 B2 JP H0775985B2
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洋 藤川
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石炭露天掘機械技術研究組合
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/06Power-assisted or power-driven steering fluid, i.e. using a pressurised fluid for most or all the force required for steering a vehicle

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は車両の液圧操向装置に係り、例えば、ホイール
式車両特にショベルローダのような建設土木用屈折式車
両の比較的大出力を要する走行輪操向技術の分野で利用
される液圧操向装置に関するものである。
〔従来の技術〕
走行輪の変向に比較的大出力を要する車両の液圧操向装
置として、従来から例えば第9図に示すものが知られて
いる。運転者が操舵輪1を矢印2方向に回転操作する
と、操舵輪1と連動して二方向回転形ポンプ3が回転さ
れ、そのポンプ3と連結されている方向切換弁4が中立
位置からポジション4Aに切り換えられる。その結果、図
示しないエンジンにより駆動されている定容量形ポンプ
5からの作動液が管路6に通じ、リリーフ弁7により規
制された圧力の作動液が二方向回転形ポンプ3の吸込み
側に供給され、操舵輪1の操作が助勢されて、運転者の
操作力が軽減される。
ポンプ3からはその回転操作速度にほぼ比例した量の作
動液すなわちパイロット液流が吐出され、これが管路8,
9を通って絞り10に送られ、さらに管路11および切換弁
4を通って貯留器12へ還流される。パイロット液流が絞
り10を通過する際の圧力降下により、絞り10の前後に差
圧が生じ、それが切換弁13の2つのパイロットポート13
a,13bにそれぞれ付加される。その差圧の作用力とスプ
リング13c,13dの弾発力とが釣り合うまで、切換弁13は
ポジション13Aの方向にシフトする。したがって、図示
しないエンジンにより駆動される定容量形ポンプ14から
の作動液は、切換弁13のシフト量に応じてシリンダ液圧
管路15に送られ、一対の液圧シリンダ16,17のシリンダ
室16A,17Bに供給される。他のシリンダ室16B,17Aは管路
18、切換弁13を介して貯留器12へ通じるので、液圧シリ
ンダ17は伸長し、シリンダ16は縮小する。その結果、液
圧シリンダ16,17は図示しない変向機構を作動させて走
行輪の変向が行われる。
このような操作において、操舵輪1の回転操作速度が小
さいと、絞り10に送られるパイロット液量は少なくその
前後差圧が小さいので、切換弁13のシフト量は小さくな
る。この場合、定容量形ポンプ14から吐出された作動液
のうちシリンダ液圧管路15に配分される作動液量は少な
く、他は切換弁13を介して貯留器12へ還流される。操舵
輪1の回転操作即尾が大きいと、絞り10の前後差圧が大
きくなって、切換弁13のシフト量は大きくなる。定容量
形ポンプ14から吐出された作動液のシリンダ液圧管路15
への配分量が多くなり、切換弁13のシフト量が設定値以
上になると作動液のほぼ全量がシリンダ液圧管路15へ配
分される。つまり、走行輪の変向速度の調整は操舵輪1
の回転操作速度を加減することにより行われる。
操舵輪1の操作を停止すると方向切換弁4はポジション
4Aから中立位置に戻るため、定容量形ポンプ5から送ら
れた作動液は、方向切換弁4を通過することなくリリー
フ弁7を通って貯留器12に還流される。絞り10への送液
が止まり切花弁13も中立位置に戻り、シリンダ液圧管路
15,18は切換弁13で遮断される。液圧シリンダ16,17はそ
のまゝの位置を保持して走行輪の変向が停止されると共
に、定容量形ポンプ14から送られた作動液も全量が貯留
器12へ還流される。なお、操舵輪1を前述と反対方向に
操作すると、液圧シリンダ16,17は上述と逆方向に伸縮
し、走行輪の逆変向が行われる。
〔発明が解決しようとする課題〕
このような液圧操向装置において、定容量形ポンプの駆
動と車両の走行ならびに荷役用液圧機器などは同一のエ
ンジンで駆動されているので、操向操作をしていない時
でも定容量形ポンプは常に作動して作動液を吐出し、そ
れが貯留器に還流される。また、低速操向時には定容量
形ポンプからの高圧の作動液の一部分だけが液圧シリン
ダに供給され、残りの作動液は走行輪の変向操作に寄与
することなく貯留器に還流される。したがって、定容量
形ポンプはその出力の全部または大部分が走行輪の変向
操作に寄与することなく無駄な駆動をしていることにな
り、エネルギを無用に消費する欠点がある。しかも、作
動液の温度を上昇させて液圧機器の故障を招いたり、高
温持続による作動液の劣化を早めたりする。
加えて、上述したようにエンジンは定容量形ポンプとそ
の他の装置の駆動とに兼用されているため、車両の運転
状態に応じて回転速度が変化するエンジンにより、定容
量形ポンプから切換弁に供給される作動液量も変化す
る。切換弁はそのシフト量に応じた比率でシリンダ液圧
管路と貯留器へ作動液を配分するが、切換弁のシフト量
が一定であっても、定容量形ポンプからの作動液量が変
化すればそれに応じてシリンダ液圧管路へ配分される作
動液量も変化する。つまり、操舵輪の回転操作速度が同
じであっても、走行輪の変向速度はエンジン回転速度の
変化に応じて変化することになり、操舵輪の操作量に応
じた変向が行われなくなる。その結果、運転者に不快な
操作感覚を与えたり、ときには、操舵輪の操作加減が狂
って運転上の安全性が阻害されるなどの問題が生じる。
本発明は、上述した定容量形ポンプの不必要な駆動によ
るエネルギの浪費、それに伴う作動液の温度上昇による
液圧機器の故障の問題、高温持続による作動液の劣化の
問題、操舵輪の操作量と走行輪の変向量とのアンバラン
スによる運転者の操作上の不快感、それに伴なう安全上
の問題などを解消し、走行輪の変向操作性の向上を図る
と共に、各液圧機器の適正な作動を実現できる車両の液
圧操向装置を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は車両の液圧操向装置に適用される。その特徴と
するところは、第1図を参照して、エンジンにより駆動
される定容量形ポンプ33と、この定容量形ポンプ33の吐
出管路34に介在された液圧発生器35とを有するエンジン
回転速度検出手段25が設けられ、操舵輪1の操作量に応
じて調整された作動液をパイロット液流として発生する
パイロット液流発生手段28が備えられる。また、パイロ
ット液流の流路に介在され、液圧発生器35からの圧力信
号を受けて開度を調整する可変絞り弁37を有した液圧制
御手段と29、および、その液圧制御手段29とパイロット
液流発生手段28との間に、固定絞り44と圧力制御弁45と
からなる三方向流量制御弁であって、液圧制御手段29を
通過する作動液量を予め設定された所定量以上とならな
いように圧力制御弁45を開口させる液量制御手段43が設
けられる。そして、液圧制御手段29により制御されたパ
イロット液圧を受けて、走行輪を変向させる液圧シリン
ダに作動液を供給するため、エンジンにより駆動される
可変容量形ポンプ30の1回転当りの吐出容量を制御する
吐出量調整手段31が設置されていることである。
〔実 施 例〕
以下に、本発明に係る車両の液圧操向装置を、その実施
例に基づいて詳細に説明する。
第1図は液圧操向装置の全体系統図で、エンジン回転速
度検出手段25、操舵輪1の回転操作方向および回転操作
速度に応じて管路26または27へパイロット液流を導出す
るパイロット液流発生手段28、エンジン回転速度検出手
段25からの圧力信号に応じてパイロット液流にパイロッ
ト液圧を立たせる液圧制御手段29、操舵輪1の高回転操
作による過大なパイロット液圧の発生を制限する液量制
御手段43、上述のパイロット液圧に応じて可変容量形ポ
ンプ30の1回転当りの吐出容量を制御する吐出量調整手
段31を主たる構成とし、図示しない走行輪を変向させる
一対の液圧シリンダ16,17およびシリンダ液圧管路15,18
に介在されパイロット液圧によって切り換わる方向切換
弁32を含んでいる。
詳述すると、エンジン回転速度検出手段25は、図示しな
いエンジンにより駆動される定容量形ポンプ33と、その
ポンプの吐出管路34に介在されその流通量に応じて差圧
を発生させる液圧発生器である絞り35とを有している。
パイロット液流発生手段28は、運転席に付設された操舵
輪1と、その操舵輪に連動された二方向回転形ポンプ3
と、このポンプに連結されかつそのポンプと上述の絞り
35との間に介在された方向切換弁4を有している。
液圧制御手段29は、固定絞り36と、液圧発生器35からの
圧力信号によって開度の変わる可変絞り弁37とを有して
おり、それぞれはパイロット液流の流路に介在されたシ
ャトル弁38の二次側ポートに接続されている。なお、可
変絞り弁37には2つのパイロットポート40,41が設けら
れ、絞り35の前後差圧スプリング37aの弾発力とが釣り
合う位置で開口するようになっている。
液量制御手段43はシャトル弁38と液圧制御手段29との間
に設けられた三方向流量制御弁で、固定絞り44と圧力制
御弁45とからなる。これは、固定絞り44の前後差圧が圧
力制御弁45のスプリング45aの設定圧に達すると作動液
の一部を貯留器12に導き、液圧制御手段29を通過する作
動液量を予め設定された所定量以上とならないようにす
るものである。なお、シャトル弁38の一次側ポートは、
パイロット液流発生手段28の出口側管路26,27にそれぞ
れ接続されている。
吐出量調整手段31は、液圧制御手段29の入口側流路に枝
設された管路46を介して供給されるパイロット液圧に応
じてシフト量が制御されるサーボ弁47と、このサーボ弁
のシフト量に応じて移動するサーボピストン48と、その
サーボピストンの移動と連動して吐出容量が変わる可変
容量形ポンプ30とを有している。
方向切換弁32は、可変容量形ポンプ30と図示しない走行
輪を変向させる液圧シリンダ16,17との間のシリンダ液
圧管路15,18に介在されている。これは、パイロット液
流発生手段28の出口側管路26,27にそれぞれ枝設された
管路49,50を介して供給されるパイロット液圧によっ
て、可変容量形ポンプ30の吐出側管路51とシリンダ液圧
管路15,18および貯留器12への排出管路52との連通を切
り換えるものである。
以上述べたような構成の実施例によれば、次のように作
動させることができる。第1図において、操舵輪1を運
転者が所望する例えば矢印2の方向に回転操作すると、
それに連動して二方向回転形ポンプ3が動き、その動き
に伴って二方向回転形ポンプ3と連結されている方向切
換弁4が中立位置からポジション4Aに切り換わる。定容
量形ポンプ33から送られた作動液が管路6に通じ、リリ
ーフ弁53により規制された圧力の作動液が二方向回転形
ポンプ3の吸込み側に供給されるので、操舵輪1の回転
が助勢され、その操作力が軽減される。
これと同時に、操舵輪1の回転操作速度に応じた量で二
方向回転形ポンプ3から導出されたパイロット液流が、
管路8,26を通ってシャトル弁38へ送られる。シャトル弁
38は供給されたパイロット液流によって、管路26と流量
制御手段43とを連通すると共に管路27を遮断する。パイ
ロット液流は固定絞り44を通って液圧制御手段29に送ら
れ、その固定絞り36または場合によっては可変絞り弁37
をも通って貯留器12へ排出される。そのときのパイロッ
ト液量と液圧制御手段29の等価通過面積とに応じて、液
圧制御手段29の上流にパイロット液圧が立つ。
そのパイロット液圧は管路46を介して吐出量調整手段31
のサーボ弁47のパイロットポート54に付加される。パイ
ロット液圧がサーボ弁47のスプリング56の感応域に達し
ていれば、その液圧がサーボ弁47のスプール55を、スプ
リング56の弾発力とパイロット液圧による作用力とが釣
り合う位置まで、矢印57の方向に移動させる。なお、ス
プリング56の不感域ならびに後述する方向切換弁32のス
プリングの不感域では、操舵輪1の遊びが許容されてい
る。スプール55とスリーブ58との位置関係が第2図
(a)のようになると、リリーフ弁53によって圧力の規
制された定容量形ポンプ33からの作動液が、管路59、サ
ーボピストン48のシリンダ室60、サーボ弁47および管路
61を通ってシリンダ室60より大径のシリンダ室62に供給
される。両シリンダ室の断面積差により生じる力によ
り、サーボピストン48は矢印63の方向へ移動し、このサ
ーボピストンと連接部材64によって接続されているスリ
ーブ58も同時に矢印57の方向に移動する。
このサーボピストン48の移動量が前述のスプール55の移
動量と等しくなると、スプール55とスリーブ58との相対
位置関係は基に戻るので、シリンダ室62への送液が停止
され、サーボピストン48の移動も停止する。また、サー
ボピストン48は可変容量形ポンプ30の吐出容量調整レバ
ー65とも接続されているので、サーボピストン48の矢印
63方向の移動量に応じて可変容量形ポンプ30の1回転当
りの吐出容量も増大される。なお、前述の状態からサー
ボ弁47に供給されるパイロット液圧が減少した場合に
は、スプール55は減少したパイロット液圧の作用力とス
プリング56の弾発力とが釣り合う位置まで矢印66の方向
へ移動する。シリンダ室62の作動液は管路61、サーボ弁
47を通って貯留器12へ還流されるため、サーボピストン
48は矢印67の方向に移動し、それに連動するスリーブ58
とスプール55との位置関係が第2図(a)とは正反対の
第2図(b)に示すようなポジションで停止する。した
がって、可変容量形ポンプ30の吐出容量調整レバー65も
前述と逆方向に作動し、サーボピストン48の矢印67方向
への移動量に応じて、可変容量形ポンプ30の吐出容量が
減少される。つまり、可変容量形ポンプ30の1回転当り
の吐出容量q(/回転)は、スプリング56が感応を開
始する第3図に示したパイロット源圧Po以上の領域A
で、サーボ弁47に供給されるパイロット液圧に応じた量
に常時追従制御される。
一方、方向切換弁32のパイロットポート68にも管路49を
介してパイロット液圧が付加され、他方のパイロットポ
ート69は管路50,27および切換弁4を介して貯留器12に
通じるので、パイロット液圧の作用力によって方向切換
弁32は、中立位置からポジション32Aに切り換わる。可
変容量形ポンプ30から吐出された作動液はシリンダ液圧
管路15に通じ、液圧シリンダ16,17のそれぞれの室16A,1
7Bに供給されると共に、他方のシリンダ室16B,17Aはシ
リンダ液圧管路18および管路52を介して貯留器12に通じ
るので、液圧シリンダ16は縮小しシリンダ17は伸長す
る。その結果、一対の液圧シリンダ16,17は図示しない
変向機構を作動させて、走行輪の変向が行われる。
上述の変向操作において、走行輪の変向速度は可変容量
形ポンプ30からの作動液の吐出量に比例するが、その吐
出量Q(/分)はその時の可変容量形ポンプ30の1回
転当りの吐出量q(/回転)とポンプ回転速度R(回
転数/分)の積に等しい。その結果、可変容量形ポンプ
30を駆動しているエンジンの回転速度Nが、その大小の
如何によらず一定の場合には、液圧シリンダへの吐出量
Qは可変容量形ポンプ30の吐出容量qに比例することに
なる。その吐出容量qは前述したようにサーボ弁47に供
給されるパイロット液圧に応じて制御されており(第3
図の領域A参照)、そのパイロット液圧の高低は、パイ
ロット液流発生手段28からのパイロット液流が液圧制御
手段29を通過する際の流路抵抗による圧力降下量に依存
する。
液圧制御手段29では、エンジン回転速度がNj例えば1,00
0rpm以下の場合に、可変絞り弁37のスプリング37aが不
感状態となるように設定され、その弁37が全閉状態にな
る。このようなNj以下のエンジン回転速度では、パイロ
ット液流は固定絞り36のみを流通し、液圧制御手段29で
発生したパイロット液圧はパイロット液流発生手段28か
らのパイロット液量に対応した値となる。その液量はパ
イロット液流発生手段28の操舵輪1の回転操作速度M
(回転/秒)に比例するので、エンジン回転速度が一定
の場合には、可変容量形ポンプ30からの操作液の吐出量
Qは、操舵輪1の回転操作速度Mに比例する。換言すれ
ば、可変絞り弁37が開口しないエンジン回転速度がNj
(上述した1,000rpm)までの範囲では、操舵輪1の回転
操作速度が同じならば、パイロット液圧は第4図の領域
Bにおいて一定となる。したがって、回転操作速度がM
a,Mb,Mcと異なれば、各線で示すようにパイロット液圧
はPa,Pb,Pcの異なる一定値になり、それに応じて可変容
量形ポンプ30の吐出容量qは、第3図で述べたように増
減する。その値qにエンジン回転速度N、すなわち可変
容量形ポンプ30の回転速度Rを乗じると、第5図の領域
Bに示すような吐出量となって、走行輪の所望の変向速
度が得られる。
次に、エンジン回転速度が上述のNjすなわち1,000rpm以
上の領域で変化した場合の走行輪の変向速度について述
べる。エンジン回転速度検出手段25の定容量形ポンプ33
はエンジン回転速度Nに比例した速度で駆動され、定容
量形ポンプ33からの吐出量もエンジン回転速度に比例す
る。その結果、絞り35の前後差圧はエンジン回転速度に
応じた量となり、その前後圧力が液圧制御手段29の可変
絞り弁37のパイロットポート40,41に作用する。エンジ
ン回転速度が1,000rpm以上であるのでスプリング37aが
感応状態にあり、したがって、その差圧による力で可変
絞り弁37が開口する。その開度はエンジン回転速度の増
大に応じて大きくなるので、液圧制御手段29の等価通過
面積は固定絞り36のみならず可変絞り弁37をも含めた値
となる。そのような状態で、パイロット液流発生手段28
からのパイロット液量が同一であっても、すなわち、操
舵輪1の回転操作速度が前述した例えばMaであっても、
液圧制御手段29で発生されるパイロット液圧は、エンジ
ン回転速度の増大に応じて減少し、両者の関係は第4図
の領域Cのようになる。そのため、定容量形ポンプ33と
同一のエンジンで駆動される可変容量形ポンプ30の1回
転当りの吐出容量qは、エンジン回転速度の増大に応じ
て減少することになる。しかし、可変容量形ポンプ30の
吐出量Qは、減少した吐出容量qと増大したエンジン回
転速度Nとの積であり、エンジン回転速度Nに対して、
第5図の領域Cの車両の通常の運転状態におけるエンジ
ン回転速度の変動範囲内で一定とすることができる。つ
まり、Nj以上のエンジン回転速度では、その回転速度に
は無関係に、操舵輪1の回転操作速度に応じた所定の変
向速度で走行輪が変向できることになる。
なお、操舵輪1の回転を停止すると二方向回転形ポンプ
3も停止し、方向切換弁4はポジション4Aから中立位置
に戻り、定容量形ポンプ33からの作動液は方向切換弁4
のところで停止する。液圧制御手段29にはパイロット液
流が送られず、パイロット液圧が立たないので方向切換
弁32はポジション32Aから中立位置に戻り、シリンダ液
圧管路15,18は方向切換弁32で閉鎖されると共に、可変
容量形ポンプ30からの作動液は管路52を通り貯留器12へ
還流される。したがって、液圧シリンダ16,17の伸縮は
停止して走行輪の変向も停止する。一方、吐出量調整手
段31のサーボ弁47に供給されているパイロット液圧もほ
ぼ貯留器12の圧力まで減少するので、スプール55は矢印
66方向のストロークエンドまで変位する。吐出量調整手
段31は前述と同様に作動し、可変容量形ポンプ30の吐出
容量は所定の最小量に制御され、初期の状態になる。ち
なみに、操舵輪1を前述の矢印2と逆の方向に回転操作
すると、前述と逆方向に変向することができる。
以上の説明から分かるように、実用上の運転範囲である
エンジンの回転速度Nj以上の領域において、操舵輪1の
回転操作速度Mに応じて、液圧シリンダ16,17の作動速
度を決める可変容量形ポンプ30の吐出量Q(=q×N)
をQa,Qb,Qcと一定にすることができる(第5図参照)。
これは、上述したように、パイロット液圧を降下させる
ことにより(第4図参照)、可変容量形ポンプ30の1回
転当りの吐出容量qを減少させているからである。その
結果、可変容量形ポンプ30は液圧シリンダ16,17が必要
とする作動液量しか吐出しないので、省エネルギの観点
から非常に好ましい結果となる。しかも、操舵輪1の回
転操作速度を決めれば、可変容量形ポンプ30の回転速度
に関係なく常に一定した所望の変向速度が得られる。す
なわち、回転操作速度Mと可変容量形ポンプの吐出量Q
との間には、第6図の領域Dで示す比例した関係が成り
立つ。なお、回転操作速度がMoより小さいときは、方向
切換弁32がスプリング68a,69aで中立に保持され、液圧
シリンダ16,17への供給液量は零であり、変向速度は発
生しない。第6図から分かるように、回転操作速度がMo
からあるポンプ吐出量Qavを実現する回転操作速度Mavま
での間では、走行輪の変向速度が k=Qav/(Mav−Mo) で与えられる値に基づいて増加する。このkは操作性の
面から非常に重要で、適正な値が要求されるが、その詳
細は本発明と直接関係がないので、その説明を省く。
ところで、走行輪の変向速度は操舵輪の回転操作速度に
比例するのが好ましいが、過度な変向速度は多くの弊害
を伴う。一方、操作輪の所望の変向速度を得るために必
要な操舵輪1の回転操作速度と、運転者が操作する可能
性のある回転操作速度とは一致しないのが通常である。
第6図で説明すれば、操舵輪1の回転操作速度が上述の
Mav、すなわち、許容操作速度以上になると、kに基づ
いてポンプ吐出量がQavの許容値を、破線で示すように
越える。このことは、過剰な液量が液圧シリンダ16,17
に供給されて変向速度が超過し、変向操作に加減速ショ
ックを伴ったり、可変容量形ポプ30におけるエネルギの
過大な消費をきたすことを意味する。
第1図の装置においては、操舵輪1の回転操作速度が許
容操作速度Mav以下であれば、すなわち、パイロット液
流発生手段28からのパイロット液流が適正量であれば、
液量制御手段43の固定絞り44の前後差圧は小さい。その
結果、三方向流量制御弁の圧力制御弁45は閉止状態を維
持し、パイロット液流の全量が液圧制御手段29に流過さ
れ、上述した作動となる。一方、運転者の操作によって
は、回転操作速度がMav以上になることがある。この場
合、パイロット液流が適正量を越えて、三方向流量制御
弁の固定絞り44の前後差圧は、圧力制御弁45のスプリン
グ45aの設定圧に等しくなる。圧力制御弁45が開口する
ので、パイロット液流の一部は貯留器12に還流され、固
定絞り44を流通するパイロット液量は、液圧制御手段29
が許容吐出量Qavに対応するパイロット液圧を発生する
程度に留まる。その結果、回転操作速度と可変容量形ポ
ンプの吐出量とは、第6図の領域Eのような関係とな
り、走行輪が過度な速度で変向するのは防止され、か
つ、可変容量形ポンプ30におけるエネルギ消費も抑制さ
れる。
ちなみに、本発明の吐出量調整手段31は第1図に示す吐
出量調整手段に限定されるものではなく、適宜公知の例
えば第7図に示すように、可変容量形ポンプ30の吐出容
量調整レバー65に連結されたシリンダ70を採用し、その
シリンダ室70Aに、第1図に示す管路46を介してパイロ
ット液圧を供給してもよい。また、パイロット液流発生
手段28も適宜公知の例えば第8図に示すような、操舵輪
1に接続された二方向回転形ポンプ71を採用し、その2
つの吸排出ポートを2つのチェック弁72,73を介して貯
留器12と接続すると共に、管路26,27にそれぞれ接続し
てもよい。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように本発明においては、変向操作
をしない場合には可変容量形ポンプからの吐出量が最小
限に抑制され、変向操作を行う場合には可変容量形ポン
プからの吐出量が操舵輪の適度な回転速度に制御され、
しかも、その吐出全量が走行輪の変向操作を行う液圧シ
リンダへ供給され、そのエネルギが有効に利用される。
その結果、従来技術のところで述べたような定容量形ポ
ンプの不必要な駆動によるエネルギの無用な消費を防止
できる。加えて、操舵輪の回転操作速度が許容操作速度
以上になっても、可変容量形ポンプの吐出量が許容吐出
量に留められ、過度な速度による変向が防止され、か
つ、そのときのポンプ消費エネルギの低減が図られる。
さらに、エネルギ損失に伴う作動液の温度上昇が低くな
り、それによる液圧機器の故障の問題および作動液の劣
化の問題も回避され、液圧機器の使用上の適正化を図る
ことができる。
また、車両の通常の運転状態におけるエンジン回転速度
の変動範囲内においては、エンジン回転速度の変動とは
ほぼ無関係に操舵輪の回転速度に応じた所定の変向速度
で走行輪を変向できる。その結果、エンジン回転速度の
変動による操舵輪の操作と走行輪の変向作動とのアンバ
ランスを解消でき、運転者に好ましい変向操作感覚と操
作上の安全を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の車両の液圧操向装置の実施例、第2図
(a)は吐出量調整手段におけるサーボ弁の作動説明
図、第2図(b)はスリーブとスプールとの位置関係が
同図(a)とは正反対のポジションとなったときの作動
説明図、第3図はパイロット液圧と可変容量形ポンプの
1回転当りの吐出容量との関係を示すグラフ、第4図は
エンジン回転速度とパイロット液圧との関係を示すグラ
フ、第5図はエンジン回転速度と可変容量形ポンプの吐
出量との関係を示すグラフ、第6図は操舵輪の回転操作
速度と可変容量形ポンプの吐出量との関係を示すグラ
フ、第7図は吐出量調整手段の他例図、第8図はパイロ
ット液流発生手段の他例図、第9図は液圧操向装置の従
来の制御系統図である。 1……操舵輪、3,71……二方向回転形ポンプ、4……方
向切換弁、25……エンジン回転速度検出手段、28……パ
イロット液流発生手段、29……液圧制御手段、30……可
変容量形ポンプ、31……吐出量調整手段、33……定容量
形ポンプ、34……吐出管路、35……液圧発生器(絞
り)、37……可変絞り弁、43……液量制御手段、44……
固定絞り、45……圧力制御弁。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンにより駆動される定容量形ポンプ
    と、この定容量形ポンプの吐出管路に介在された液圧発
    生器とを有するエンジン回転速度検出手段と、 操舵輪の操作量に応じて調整された作動液をパイロット
    液流として発生するパイロット液流発生手段と、 前記パイロット液流の流路に介在され、前記液圧発生器
    からの圧力信号を受けて開度を調整する可変絞り弁を有
    した液圧制御手段と、 この液圧制御手段と前記パイロット液流発生手段との間
    に設けられ、固定絞りと圧力制御弁とからなる三方向流
    量制御弁であって、前記液圧制御手段を通過する作動液
    量を予め設定された所定量以上とならないように前記圧
    力制御弁を開口させる液量制御手段と、 前記液圧制御手段により制御されたパイロット液圧を受
    けて、走行輪を変向させる液圧シリンダに作動液を供給
    するため前記エンジンにより駆動される可変容量形ポン
    プの1回転当りの吐出容量を制御する吐出量調整手段
    と、 を具備することを特徴とする車両の液圧操向装置。
  2. 【請求項2】前記液圧発生器は、通過流量に応じた前後
    差圧を発生する絞りであることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の車両の液圧操向装置。
  3. 【請求項3】前記パイロット液流発生手段は、操舵輪に
    接続された二方向回転形ポンプと、この二方向回転形ポ
    ンプに連動して切り換わる方向切換弁とを有することを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の車両の液圧操向
    装置。
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