JPH0775842B2 - 改質木材の製法 - Google Patents

改質木材の製法

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JPH0775842B2
JPH0775842B2 JP32129891A JP32129891A JPH0775842B2 JP H0775842 B2 JPH0775842 B2 JP H0775842B2 JP 32129891 A JP32129891 A JP 32129891A JP 32129891 A JP32129891 A JP 32129891A JP H0775842 B2 JPH0775842 B2 JP H0775842B2
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JP
Japan
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wood
treated
modified wood
pressure
temperature
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祐二 岩塚
秀夫 月東
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Aica Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Aica Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、木質系材料(以下、木
材という。)の改質に関し、特に、木材の寸法安定化に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、木材の寸法安定性を改良する
ためにポリエチレングリコールやポリエチレングリコー
ルモノメタアクリレートなどの寸法安定性付与剤を木材
へ注入し、しかる後、乾燥あるいは硬化させる方法がよ
く知られている。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】しかしながら、これらの処理材を使用し、
木材の寸法安定性を十分に付与するためには、木材への
十分な注入を行う必要があるため、処理材のコストや処
理にかかるコストの面での問題があった。
【0004】また、ソビエト社会主義共和国連邦のBe
lyi,V.A.らはKhim.Drev.,Khi
m.(6),103−107の文献において、木材中へ
ε−カプロラクタムを含浸し、大気圧下で加熱すること
によってポリアミドの生成に成功しているが、この方法
では、大気圧下であることから、そのポリマー転化率は
きわめて低く、木材の充分な改質は困難であった。
【0005】本発明は、かかる状況に鑑み検討されたも
のであって、木材の欠点である反り、狂いといった性質
を簡易な方法で改良し、寸法安定性に優れた改質木材の
製法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ブ
チロラクタムやカプロラクタムなどのラクタム類を木材
に含浸、浸漬あるいは塗布した被処理木材を乾燥した
後、被処理木材を温度100〜250℃に設定したホッ
トプレスの熱板間に挿入し、次いで、圧力3〜25kg
/cm2、時間3〜180分の条件にて熱圧処理すること
によって前記の課題を解決することができる。
【0007】以下、本発明について、詳細に説明する。
【0008】本発明に用いるラクタム類としては、例え
ば、γ−ブチロラクタム、δ−バレロラクタム、ε−カ
プロラクタム、ω−エナントラクタム、などがあげられ
るが、特にこれらに限定するものではない。しいてあげ
るならば、反応効率、コスト、開環重合しやすさなどか
ら、ε−カプロラクタムを用いるのがより好ましい。
【0009】ラクタム類を所定濃度の水溶液にして寸法
安定化剤を得るが、濃度はラクタム類が木材中へ充分浸
透し、拡散する程度とするのが望ましく、5〜50重量
%とするのが好ましい。上限値を越えると浸透しにく
く、下限値に満たないと良好な寸法の安定性が得られな
い。また、含浸、浸漬あるいは塗布する量としては、1
0〜100%とするのが好ましく、上限値を越える状態
では、改質木材の高吸湿能、抗膨潤能が平衡に達し、下
限値に満たないと良好な寸法の安定性が得られない。
【0010】さらに、ラクタム類よりなる水溶液に触媒
を適宜加えることによって、より開環重合を促進させる
ことができる。触媒としては、通常、メチルアミン、イ
ソプロピルアミン、ジメチルアミン、エチルメチルアミ
ン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、エチル
ジエタノ−ルアミンのなどの脂肪族アミン類、プルピオ
ン酸、ヘキサン酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸
類、アミノヘキサン酸、アミノウンデカン酸などのアミ
ノ酸類、リン酸、塩酸など酸、水酸化ナトリウム、炭酸
ナトリウムなどの塩基などが挙げられるが、特にこれら
に限定するものではない。
【0011】寸法安定化剤を木材に含浸、浸漬あるいは
塗布した被処理木材は、反応を阻害する水を除去するた
めに40〜60℃で10〜120分乾燥した後、温度1
00〜250℃に設定したホットプレスの熱板間に挿入
し、次いで、圧力3〜25kg/cm2、時間3〜180
分の条件にて熱圧処理することによって、本発明の改質
木材を得ることができる。
【0012】
【作用】本発明における木材の寸法安定化のメカニズム
は、木材と親和力の強いラクタム類を含んだ被処理木材
が、熱圧処理されることにより、被処理木材の内部は高
温、高圧力の状態が一定時間保持され、それにともな
い、ラクタム類は開環、縮合重合反応および木材へのグ
ラフト重合が行われる。また、このような反応によって
生成したポリアミドは水に不溶なものとなり、水などに
よる溶脱にも充分に耐え得るものとなる。
【0013】以下、実施例、比較例を挙げて、さらに詳
細に説明する。
【実施例】実施例1 寸法安定化剤の調製 ε−カプロラクタム100gに蒸留水900gを加え固
形分濃度10%の寸法安定化剤(A)を得た。
【0014】寸法安定化剤(A)を厚さ5mmのスギ単
板に、減圧加圧含浸法により含浸量が20%となるよう
に含浸し、被処理木材(A)を得た。しかる後、被処理
木材(A)を40℃で4時間乾燥した後、温度170
℃、圧力15kg/cm2、時間90分の熱圧条件で熱圧
処理し、実施例1の改質木材を得た。
【0015】実施例2 寸法安定化剤(A)に触媒としてオルトリン酸1gを加
えた寸法安定化剤(B)を厚さ5mmのヒノキ単板に、
実施例1と同じように含浸し、被処理木材(B)を得
た。しかる後、被処理木材(B)を40℃で4時間乾燥
した後、温度170℃、圧力15kg/cm2、時間30
分の条件で熱圧処理し、実施例2の改質木材を得た。
【0016】比較例1 被処理木材(A)を40℃で4時間乾燥した後、温度1
70℃の熱風加熱乾燥器にて、90分間加熱処理し、比
較例1の処理木材とした。
【0017】寸法安定性試験については、以下のように
した。
【0018】実施例1、2の改質木材及び比較例1の処
理木材を40℃−30%RH、40℃−90%RHの恒
温恒湿槽に平衡になるまで静置し、高吸湿能(Mois
ture Excluding Efficienc
y:MEE)及び抗膨潤能(Anti Swellin
g Efficiency:ASE)により寸法安定性
を評価した。評価結果を表1に結果を示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明の改質木材の製法は、従来では困
難であった木材中でのポリアミドの生成及び木材とのグ
ラフト化を可能にし、木材の寸法安定性を改良したもの
であって、その製法は実施例1、2の如く非常に安価な
寸法安定化剤を用い、オートクレーブなどの特殊な装置
を必要としない非常に簡易な方法である。さらに該改質
木材は、水の溶脱にも充分に耐え、化学的にも物理的に
も安定である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブチロラクタムやカプロラクタムなどの
    ラクタム類よりなる水溶液を木質系材料に含浸、浸漬あ
    るいは塗布した被処理木質系材料を乾燥した後、被処理
    木質系材料を温度100〜250℃に設定したホットプ
    レスの熱板間に挿入し、圧力3〜25kg/cm2、時間
    3〜180分の条件にて熱圧処理することを特徴とする
    改質木材の製法。
JP32129891A 1991-11-07 1991-11-07 改質木材の製法 Expired - Lifetime JPH0775842B2 (ja)

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JPH05131403A JPH05131403A (ja) 1993-05-28
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