JPH0775444A - 切り花保存剤及び保存方法 - Google Patents

切り花保存剤及び保存方法

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JPH0775444A
JPH0775444A JP24728993A JP24728993A JPH0775444A JP H0775444 A JPH0775444 A JP H0775444A JP 24728993 A JP24728993 A JP 24728993A JP 24728993 A JP24728993 A JP 24728993A JP H0775444 A JPH0775444 A JP H0775444A
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Japan
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salt
cut flower
iron
cut
zinc
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JP24728993A
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English (en)
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Masaichi Takemura
政一 竹村
Akito Kitsuta
明人 橘田
Takashi Kosuge
隆史 小菅
Koichi Tachibana
公一 橘
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AKIYAMA KK
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AKIYAMA KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、安価で、容易に製造でき、
植物に安全で、薬害の発生、使用後の廃棄、環境汚染な
どの問題を生じず、切り花の保存を効果的に行なえる切
り花保存剤及び保存方法を提供することである。 【構成】 本発明は、ポリ燐酸及び/又はその塩の水溶
液に、鉄(II)及び/又は亜鉛の水溶性塩を添加し、pH
を4〜7に調整して、析出するポリ燐酸鉄塩組成物又は
ポリ燐酸亜鉛塩組成物を含有する切り花保存剤、並びに
切り花の切り口をポリ燐酸鉄塩組成物及び/又はポリ燐
酸亜鉛塩組成物を含む液に浸漬することによる切り花保
存法である。 【効果】 本発明は、安価で、容易に製造でき、植物に
安全で、薬害の発生、使用後の廃棄、環境汚染などの問
題を生じず、切り花の保存を効果的に行なえる切り花保
存剤及び保存方法を可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は切り花の保存剤及びそれ
を使用する切り花保存方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】切り花の保存方法として、(1)糖など
の呼吸基質の供給、(2)殺菌剤などの茎の閉鎖防止物
質の供給、(3)チオ硫酸銀処理、(4)切り花が良好
に給水できるように、水をpH4〜6程度の弱酸性に保
持させるpH調整剤の配合などが考えられている。
【0003】チオ硫酸銀は、切り花の老化を促進する要
因と考えられている植物体内のエチレン感受部位をマス
クすることにより、切り花の保存を計り、効率のよい保
存性を示すことから主に使用されている物質であるが、
銀の析出などの問題があり各種の変形が提案されてい
る。例えば、特公平2−23521号公報は、チオ硫酸
アルカリと銀塩及びその他の化合物との混合組成物、特
開昭63−222101号公報は、チオ硫酸ナトリウ
ム、ハロゲン化銀、酸及び酸化防止剤からなる組成物、
特開平3−47101号公報は、チオスルファト銀錯体
塩とヘキサメチレンテトラミンからなる組成物、特開平
3−93701号公報は、水可溶性脱酸素剤と銀化合物
とよりなる組成物、特開平3−163001号公報は、
亜燐酸塩、銀塩、酸及びチオ硫酸塩からなる組成物、特
開平4−49203号公報は、銀イオンを溶出しえる無
機抗菌剤とチオ硫酸ナトリウムからなる組成物、を切り
花保存剤として提案している。
【0004】然しながら、これらの組成物は、銀イオ
ン、チオ硫酸イオンを含むため、取扱いに注意を要し、
薬害の発生、使用後の廃棄、環境汚染など種々の問題を
含んでいる。
【0005】このため、これらの銀塩に代る物質とし
て、各種の有機化合物の使用が検討されている。例えば
特開平3−24001号公報は、4又は5−フルオロト
リプトファン、特開平3−204802号公報は、塩素
化イソシアヌル酸及びその塩、特開平1−121201
号公報は、第4級アンモニウム化多糖類の使用を提案し
ている。
【0006】これらの有機化合物は、少量で効果を示す
が、合成する必要があるので高価につき、使用後の廃
棄、環境汚染などの問題を内蔵していることは、チオ硫
酸銀の場合に類似している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安価
で、容易に製造でき、植物に安全で、薬害の発生、使用
後の廃棄、環境汚染などの問題を生じず、切り花の保存
を効果的に行なえる切り花保存剤及び保存方法を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
先にポリ燐酸水溶液に鉄(II)又は亜鉛の水溶性塩を反応
させ、pHを4〜7に調整することにより得られる生成
物、ポリ燐酸鉄(II)塩組成物又はポリ燐酸亜鉛塩組成物
が強力な脱臭作用を有することを認め、脱臭剤としての
使用を提案した(特公平4−67867号公報及び特公
平4−67987号公報)。
【0009】鉄及び亜鉛が植物体内での各種酵素活性に
関与していること、鉄化合物がエチレンの分解、吸収に
寄与するので植物の鮮度保持剤の成分として使用されて
いること、燐酸が植物の栄養素であることなどを考える
と、これらポリ燐酸塩が、チオ硫酸銀と同様植物体内か
らのエチレン発生を抑制し、切り花の保存剤として有効
であるのではないかと考えた。加えてこれらのポリ燐酸
塩は水に難溶性で、水に添加するとき、その水溶液のp
Hが、植物の吸水に適したpHを保持することを切り花
保存剤として好ましい。そこでこれらポリ燐酸塩の切り
花保存剤としての効果を検討した結果、これらのポリ燐
酸塩が切り花保存剤として極めて有効であることを知っ
た。
【0010】本発明は、ポリ燐酸鉄(II)塩組成物又はポ
リ燐酸亜鉛塩組成物の切り花保存剤としての使用及び保
存方法を提供するものである。
【0011】すなわち、本発明は、ポリ燐酸及び/又は
その塩の水溶液に、鉄(II)及び/又は亜鉛の水溶性塩を
添加し、pHを4〜7に調整して、析出するポリ燐酸鉄
塩組成物又はポリ燐酸亜鉛塩組成物を含有することを特
徴とする切り花保存剤である。又本発明は、切り花の切
り口をポリ燐酸鉄塩組成物及び/又はポリ燐酸亜鉛塩組
成物を含む液に浸漬することを特徴とする切り花保存法
である。
【0012】本発明に使用するポリ燐酸鉄(II)塩組成物
又はポリ燐酸亜鉛塩組成物は、特公平4−67867号
公報又は特公平4−67987号公報に記載の方法によ
り容易に得ることができる。例えばポリ燐酸鉄(II)塩組
成物はH6413水溶液に硫酸鉄(II)を添加し、撹拌
後、アルカリを添加してpHを4〜7に調整し、析出す
る沈殿を採取し、主分を水洗乾燥後、粉砕して使用す
る。ポリ燐酸はいかなるものでも水に可溶であれば使用
できるが、H6413が入手が容易であり好ましい。
添加する鉄(II)塩の量が多量に過ぎると副反応を生成
し、水洗によるそれらの除去が困難となり好ましくな
く、少な過ぎると収量の低下をきたし好ましくないの
で、その添加量は鉄(II)塩の場合ポリ燐酸又は塩に対し
モル比で1:0.067〜0.528が好ましく、より
好ましくは1:0.26〜0.528である。又亜鉛塩
の場合ポリ燐酸又は塩に対しモル比で1:3〜7.4が
好ましく、より好ましくは1:3〜5である。
【0013】このようにして得られるポリ燐酸鉄(II)塩
組成物又はポリ燐酸亜鉛塩組成物は、水に難溶であり、
多量に水に添加しても、それらの過剰量は不溶性の懸濁
物として存在し、溶液のpHを極端に下げることがなく
切り花用水として適当であるpHを示し、存在する沈殿
は切り花に悪影響を及ぼさない。従って切り花保存剤と
して使用するそれら塩組成物の量は、特に限定されるこ
とはなく、専ら経済的見地から適宜選択され、懸濁液の
まま、或いは懸濁液を濾別して得た溶液のみを切り花保
存剤として使用することができる。然しながら多量のポ
リ燐酸塩組成物の存在は切り花の保存効果を低減させる
傾向があるので一般的には約0.1〜1.5重量%の懸
濁液の使用が好ましい。
【0014】これらの塩組成物の懸濁液又は溶液に、切
り花の切り口を数時間浸漬した後、切り花を液より引上
げ、浸漬した部分を洗浄し、塩組成物を含まない水に浸
漬しても変らぬ保存効果が得られる。浸漬時間は、溶液
の塩組成物濃度に依存して適宜選択されるが一般的に懸
濁液を使用するとき数時間の浸漬で充分な保存効果が得
られる。
【0015】これら塩組成物を抱水性樹脂、シリカゲル
などに水と共に包含させ、その中に直接切り花の切り口
を差し込むことによっても効果的な保存効果が得られ
る。このようにこれら塩組成物を包含したゲルを使用す
ることは遊離の水が滲出することがないので輸送などに
好ましい保存方法といえる。かかるゲルは抱水樹脂又は
シリカゲルを作成する際にこれら塩組成物を共存させる
ことにより得ることができる。
【0016】又これら塩組成物を、保存剤として使用す
るとき、従来から保存剤として使用されている物質を共
存させることも可能であり、場合によっては好ましいと
いえる。それはこれら塩組成物が安定で他の物質との反
応を生じないためである。
【0017】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
する。 [実施例1]ポリ燐酸鉄(II)塩組成物の調製:ポリ燐酸
水溶液(H6413*1に第1硫酸鉄7水塩(FeS
4 ・7H2 O)をモル比3:1の割合で添加し、pH
4.50で析出する沈殿を分離した乾燥塩組成物に対
し、約2倍の蒸留水を加え、撹拌、水洗した塩組成物を
分離後、70℃で乾燥した塩組成物を試料とした。
【0018】[実施例2]ポリ燐酸亜鉛塩組成物の調
製:ポリ燐酸水溶液に硫酸亜鉛7水塩(ZnSO4・7
2 O)をモル比7.4:1の割合で添加し、pH7.
00で析出する沈殿を分離した乾燥塩組成物に対し、約
2倍の蒸留水を加え、撹拌、水洗した塩組成物を分離
後、70℃で乾燥した塩組成物を試料とした。
【0019】(注):*1のポリ燐酸はアプロックスH
6413(Approx H6413、和光純薬工
業株式会社製)である。
【0020】[実施例3]実施例1及び2で得られた塩
組成物を使用して切り花保存試験を行なって表1の結果
を得た。
【0021】(1)使用したカーネーションの種類はフ
ランシスコ(赤)である。
【0022】(2)各試験で使用した試験液の調製方法
は表1に示した条件であって、各々の塩組成物に蒸留水
500mlを加え、撹拌してその抽出液と、蒸留水40
0mlを加えた懸濁液とを試験液とした。
【0023】(3)カーネーションの切り取り後は薬剤
等による処理はせず、首下約30cm程度で切断し、各
試験液共に3本宛用いた。カーネーションの浸漬は各抽
出液、懸濁液、及び蒸留水を各々400ml宛入れたも
のに浸漬した。切り取りから浸漬までの時間は約4時間
であった。
【0024】(4)判定基準はカーネーションの3本中
2本が、萎凋開始した日数及び同じく枯死した日数を対
照と比較して判定した。
【0025】(5)結果は表1の如くでありポリ燐酸鉄
(II)塩組成物及びポリ燐酸亜鉛塩組成物はカーネーショ
ンの切り花の保存効果を認めた。高濃度の場合は保存力
が低下する。
【0026】[実施例4]実施例1で得られた塩組成物
を使用して切り花保存試験を行なって表2の結果を得
た。
【0027】(1)使用したカーネーションの種類はラ
イトピンクバーバラ(ピンク)である。
【0028】(2)各試験で使用した試験液の調製方法
は実施例3に準じて表2に示した条件であって、塩組成
物に蒸留水500mlを加え、撹拌してその濾液と、蒸
留水400mlを加えた懸濁液とを試験液とした。
【0029】(3)カーネーションの切り取り後は薬剤
等による処理はせず、一番高い花の首下約30cmの所
で切断し、各試験液共に3本宛用いた。カーネーション
の浸漬は各試験液及び蒸留水を各々400ml宛入れた
ものに浸漬した。切り取りから浸漬までの時間は約3.
5時間であった。
【0030】(4)判定基準は各試験の経時による花数
の生存割合を対照と比較して判定した。
【0031】(5)結果は表2の如くでありポリ燐酸鉄
(II)塩組成物の抽出液区及び懸濁液区共にカーネーショ
ンの切り花の保存効果を認めた。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明は安価で、容易に製造でき、植物
に安全で、薬害の発生、使用後の廃棄、環境汚染などの
問題を生じず、切り花の保存を効果的に行なえる切り花
保存剤及び保存方法である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ燐酸及び/又はその塩の水溶液に、
    鉄(II)及び/又は亜鉛の水溶性塩を添加し、pHを4〜
    7に調整して、析出するポリ燐酸鉄塩組成物又はポリ燐
    酸亜鉛塩組成物を含有することを特徴とする切り花保存
    剤。
  2. 【請求項2】 ポリ燐酸及び/又はその塩がH64
    13及び/又はその塩である請求項1に記載の切り花保存
    剤。
  3. 【請求項3】 ポリ燐酸と鉄(II)塩との比がモル比で
    1:0.067〜0.528である請求項2に記載のポ
    リ燐酸鉄塩組成物の切り花保存剤。
  4. 【請求項4】 ポリ燐酸と亜鉛塩との比がモル比で1:
    3〜7.4である請求項2に記載のポリ燐酸亜鉛塩組成
    物の切り花保存剤。
  5. 【請求項5】 切り花の切り口をポリ燐酸鉄塩組成物及
    び/又はポリ燐酸亜鉛塩組成物を含む液に浸漬すること
    を特徴とする切り花保存法。
  6. 【請求項6】 0.2〜1.5重量%のポリ燐酸鉄塩組
    成物又はポリ燐酸亜鉛塩組成物の懸濁液に浸漬する請求
    項5に記載の切り花保存法。
JP24728993A 1993-09-09 1993-09-09 切り花保存剤及び保存方法 Pending JPH0775444A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005230380A (ja) * 2004-02-23 2005-09-02 Sankou Tsuushou Corp 生け花展示用バケットセットおよび生け花用バケット

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005230380A (ja) * 2004-02-23 2005-09-02 Sankou Tsuushou Corp 生け花展示用バケットセットおよび生け花用バケット

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