JPH0774957B2 - 楽音波形信号形成装置 - Google Patents

楽音波形信号形成装置

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JPH0774957B2
JPH0774957B2 JP1329214A JP32921489A JPH0774957B2 JP H0774957 B2 JPH0774957 B2 JP H0774957B2 JP 1329214 A JP1329214 A JP 1329214A JP 32921489 A JP32921489 A JP 32921489A JP H0774957 B2 JPH0774957 B2 JP H0774957B2
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synthesizing
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は電子楽器、音楽教育装置、玩具等に利用される
楽音波形信号形成装置に係り、特に管楽器音に似た音色
の楽音波形信号を形成するのに適した楽音波形信号形成
装置に関する。
【従来技術】
従来、この種の装置は、例えば特開昭63−40199号公報
に示されるように、波形信号の往路としての第1信号ラ
インと、波形信号の復路としての第2信号ラインと、発
音すべき楽音の楽音要素を制御するための楽音制御信号
及び前記第2信号ラインからの波形信号を入力するとと
もに該入力した両信号を合成して第1信号ラインに出力
する楽音制御信号入力部と、第1信号ラインから入力さ
れた波形信号に所定の処理を施して第2信号ラインへ帰
還することにより発音すべき楽音のピッチに対応した共
振周波数を得る波形信号伝送部とを備え、楽音制御信号
入力部を管楽器のマウスピース部等に対応させるととも
に、波形信号伝送部を管楽器の共鳴管に対応させ、外部
から、、演奏情報に従った楽音制御信号を楽音制御信号
入力部に入力して、該入力した楽音制御信号に応じて波
形信号を発生することにより、管楽器等の楽音を模倣し
た楽音波形信号を発生するようにしている。 さらに、この装置においては、マウスピース部にて空気
の流れる状態を模倣するために、楽音制御信号入力部内
に非線形テーブルを設け、前記入力した楽音制御信号と
波形信号との合成信号と、該合成信号を非線形テーブル
にて非線形変換した信号とを合成して第1信号ラインに
出力するようにしている。
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記従来の装置にあっては、楽音制御信号入
力部にて、楽音制御信号と波形信号との合成信号と、該
合成信号を非線形テーブルにて非線形変換した信号とを
合成しても、クラリネット、サックス等のリード楽器に
おけるリードの質量、金管楽器における唇の振動などに
起因したマウスピース部における空気の流れる状態を正
確に模倣することができず、音質が良好な楽音波形信号
を形成することができないという問題があった。 本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、
その目的は音質が良好な楽音波形信号を形成する楽音波
形信号形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、上記請求項1に係る発明の
構成上の特徴は、波形信号の往路としての第1信号ライ
ンと、波形信号の復路としての第2信号ラインと、発音
すべき楽音の楽音要素を制御するための楽音制御信号及
び第2信号ラインからの波形信号を入力するとともに該
入力した両信号を合成して第1信号ラインに出力する楽
音制御信号入力部と、第1信号ラインから入力された波
形信号に所定の処理を施して第2信号ラインへ帰還する
ことにより発音すべき楽音のピッチに対応した共振周波
数を得る波形信号伝送部とを備えた楽音波形信号形成装
置において、前記楽音制御信号入力部を、前記入力した
楽音制御信号と波形信号とを合成する第1合成手段と、
第1合成手段にて合成された合成信号を入力して該入力
した合成信号を非線形変換する非線形変換手段と、非線
形変換手段に直列に設けた所定の周波数特性を有するフ
ィルタと、非線形変換手段にて変換された合成信号と前
記非線形変換手段を介さない第1合成手段からの合成信
号とを合成して第1信号ラインに出力する第2合成手段
とで構成したことにある。 また、上記請求項2に係る発明の構成上の特徴は、前記
請求項1に係る発明の楽音制御信号入力部を、前記入力
した楽音制御信号と波形信号とをそれぞれ合成する第1
及び第2合成手段と、第1合成手段にて合成された合成
信号を入力して該入力した合成信号を非線形変換する非
線形変換手段と、非線形変換手段に直列に設けた所定の
周波数特性を有するフィルタと、非線形変換手段にて変
換され合成信号と第2合成手段にて合成された合成信号
とを合成して前記第1信号ラインに出力する第3合成手
段とからなる楽音制御信号入力部で置換したことにあ
る。 また、上記請求項3に係る発明の構成上の特徴は、前記
請求項2に係る発明のフィルタを、外部からの制御信号
に応じてその周波数特性が可変制御される可変フィルタ
で構成したことにある。
【発明の作用】
上記のように構成した請求項1〜3い係る発明において
は、共に、上記従来装置と同様、楽音制御信号に基づい
て楽音制御信号入力部から出力された波形信号が、第1
信号ライン、波形信号伝送部及び第2信号ラインを介し
て前記入力部へ帰還されながら楽音波形信号が形成され
る。 かかる場合、上記請求項1に係る発明の楽音制御信号力
部においては、第1合成手段にて合成される楽音制御信
号及び波形信号を演奏者からリードに付与される口内圧
力及びリード楽器の共鳴管からマウスピース部に帰還さ
れる音波にそれぞれ対応させれば、第1合成手段の出力
信号をリードの前後の差圧を表す信号とすることができ
る。そして、非線形変換手段の非線形変換特性をリード
の付与圧力に対する変位量の特性とすれば、第2合成手
段に入力される2信号を、前記差圧に対するリードの変
位量すなわちリードとマウスピースとの間に形成される
空気通路面積と、リード前後の差圧とにそれぞれ対応さ
せることができ、同第2合成手段の出力をマウスピース
内へ侵入しかつ共鳴管へ伝播する振動波の流速に対応さ
せることができる。また、この場合、非線形変換手段に
直列に接続されたフイルタにより、リードの振動特性、
例えば質量のために高い周波数成分の圧力変動に対して
応答が悪くなることをシミュレートさせることができる
ので、この楽音制御信号入力部はリード楽器のマウスピ
ース部における空気の流れる状態を正確に模倣すること
になる。 また、上記請求項2に係る発明の楽音制御信号入力部に
おいては、第1及び第2合成手段にてそれぞれ合成され
る楽音制御信号及び波形信号を、演奏者から金管楽器の
マウスピースに付与される口内圧力及び同楽器の共鳴管
からマウスピース部に帰還される音波にそれぞれ対応さ
せれば、第1及び第2合成手段の各出力信号を唇を押し
開ける圧力及び唇の前後の差圧をそれぞれ表す信号とす
ることができる。そして、非線形変換手段の非線形変換
特性を前記唇を押し開ける圧力に対して唇が開く具合い
を表す特性とすれば、第3合成手段に入力される2信号
を、前記唇の開き具合いすなわち唇とマウスピースとの
間に形成される空気通路面積と、唇の前後の差圧とにそ
れぞれ対応させることができ、同第3合成手段の出力を
マウスピース内へ浸入しかつ共鳴管へ伝播する振動波の
流速に対応させることができる。また、この場合、非線
形変換手段に直列に接続されたフィルタにより、前記リ
ードの場合と同様な唇の振動特性、例えば高い周波数領
域の圧力変動に対する唇の純い応答特性をシミュレート
させることができるので、この楽音制御信号入力部は金
管楽器のマウスピース部における空気の流れる状態を正
確に模倣することになる。 さらに、上記のように構成した請求項3に係る楽音制御
信号入力部のフィルタにおいては、外部からの制御信号
に応じてその周波数特性が可変制御されて、この周波数
特性の変更によって前記循環する波形信号のピッチも変
更制御されるので、同制御信号を変化させることによ
り、前記唇の振動特性に起因して金管楽器からの発生楽
音の周波数が可変制御されることをより正確にシミュレ
ートできる。
【発明の効果】
上記作用説明からも明かなように、上記請求項1〜3に
係る発明によれば、リード楽器、金管楽器のマウスピー
ス部における空気流速を正確に表した信号を作ることが
できるので、前記のような管楽器音を模倣した楽音、同
楽器音を基礎とした新たな楽音の形成をより高品質にす
ることができる。
【実施例】
a.第1実施例 以下、本発明の第1実施例を図面を用いて説明すると、
第1図はクラリネット、サックス等のリード楽器音信号
の形成に最適な楽音信号形成装置を備えた電子楽器をブ
ロック図により示している。 この電子楽器は演奏情報発生部10、音色情報発生部20及
び楽音制御信号発生部30を備え、演奏情報発生部10から
の演奏情報及び音色情報発生部20からの音色情報に基づ
いて楽音制御信号発生部30から発生される楽音制御信号
を、楽音制御信号入力部100、波形信号ループ部200及び
波形信号伝送部300からなる楽音波形信号形成装置へ供
給して楽音波形信号を形成するようにしたものである。 演奏情報発生部10は音階に対応した複数の鍵からなる鍵
盤と、該各鍵の押鍵操作の有無を検出する押鍵検出回
路、押鍵操作速度を検出するイニシャルタッチ検出回
路、押鍵圧力又は押鍵深さを検出するアフタータッチ検
出回路等の鍵盤に付随する各種回路とを備え、押鍵の有
無、イニシャルタッチ、アフタータッチ等の演奏情報を
出力する。音色情報発生部20は音色選択スイッチ及び同
スイッチの操作検出回路と備え、選択音色を表す音色情
報を出力する。楽音制御信号発生部30は例えばマイクロ
コンピュータ、楽音制御パラメータ記憶テーブル等によ
り構成され、前記演奏情報及び音色情報に応じて前記テ
ーブルを参照して各種楽音制御信号を出力する。これら
の楽音制御信号は、例えば、鍵盤にて押鍵された鍵によ
り決定され発生楽音のピッチを表すピッチ信号PITと、
イニシャルタッチ演奏情報、アフタータッチ演奏情報及
び音色情報により決定され管楽器演奏時間における口内
圧力(吹奏圧)を表す口内圧力信号PRESと、前記各演奏
情報により決定され管楽器演奏時における唇の構え、諦
め等を表すアンブシュール信号EMBSとからなる。 なお、息圧等を検出するセンサを備えたマウスコントロ
ーラを本件実施例の電子楽器に接続可能とした場合に
は、前記演奏情報の一部を同マウスコントローラから得
るようにしてもよい。また、電子管楽器に本発明を適用
した場合には、該管楽器の演奏部から前記各種演奏情報
を得るようにする。さらに、前記演奏情報発生部10及び
音色情報発生部20として、他の楽器、自動演奏装置等を
採用し、同他の楽器、自動演奏装置等から楽音制御信号
発生部30に演奏情報及び音色情報が供給されるようにし
たり、また他の楽器、自動演奏装置内にて前記各種楽音
制御信号が形成されるようにして、同楽音制御信号が楽
音制御信号入力部100、波形信号ループ部200及び波形信
号伝送部300からなる楽音波形信号形成装置へ直接供給
されるようにしてもよい。 楽音制御信号入力部100は減算器151を有し、同減算器15
1は、波形信号の復路をなす信号ラインL2からの波形信
号から口内圧力信号PRESを減算することにより、前記両
信号の合成信号を出力する。かかる場合、信号ラインL2
からの波形信号は共鳴管からマウスピース内へ伝播して
来た反射波を表し、前記減算は、第2図に示すように、
口内圧力PRESと、共鳴管からマウスピース41内へ伝播し
て来た反射波圧力Qとの差圧に応じてリード42が変位
し、該変位に応じて入射波が形成される状態を示してお
り、減算器151の出力はマウスピース41のリード42を変
位させるための差圧に対応したものとなる。 減算器151の出力にはローパスフィルタ152が接続されて
おり、同フィルタ152は前記差圧信号の高域成分を除去
して出力する。これは、リード42が固有の周波数特性を
有するため、例えば高域成分の振動波に応答しないため
である。ローパスフィルタ152の出力には加算器153が接
続されており、同加算器153はアンブシュール信号EMBS
と前記ローパスフィルタ152の出力とを加算して非線形
テーブル154に出力する。この加算器153におけるアンブ
シュール信号EMBSの計算により、前記差圧に対するリー
ド42の変位に関し、唇の構え、締め等による補正がシミ
ュレートされる。 非線形テーブル154はリード42の力に対する曲げの非線
形特性、すなわち付与された圧力に対するリード42の変
位量をシミュレートするもので、例れば第3図のような
入出力特性を有している。これにより、非線形テーブル
154の出力はマウスピース41のリード42部における空気
通路面積を表す信号となる。この非線形テーブル154の
出力は乗算器155の一方の入力に接続されている。 乗算器155の他方の入力には加算器151からの差圧信号が
非線形テーブル156を介して供給されている。この非線
形テーブル156は、差圧が大きくなっても狭い管路では
流速が飽和して差圧と流速とが比例しないことがシミュ
レートするもので、第4図のような入出力特性に設定さ
れている。これにより、マスピース41内のリード42部で
差圧が流速に与える影響を考慮して補正された差圧信号
が乗算器155の他方の入力に供給されることになる。そ
して、乗算器155は両入力に供給された信号、すなわち
リード42部における空気通路面積を表す信号と補正され
た差圧信号とを乗算して出力するので、同乗算器155の
出力信号はマウスピース41内のリード42部における空気
流速を表す信号となる。乗算器155の出力は乗算器157の
入力に接続されており、同乗算器157は前記空気流速を
表す記号にマウスピース41内のインピーダンス(空気抵
抗)を表す固定係数Kを乗算して、該乗算結果を音圧信
号として信号ラインL1を介して波形信号ループ部200に
供給するようになっている。 波形信号ループ部200は各信号ラインL1,L2内に挿入され
た加算器251,252により構成される。加算器251はその一
方の入力に信号ラインL1から供給される波形信号とその
他方の入力に信号ラインL2から供給される波形信号とを
加算して信号ラインL1へ出力し、加算器252はその一方
の入力に信号ラインL2から供給される波形信号とその他
方の入力に信号ラインL1から供給される波形信号とを加
算して信号ラインL2へ出力するものである。これによ
り、第3図に示すように、マウスピース41とリード42と
の間隙直後における入力流速による入射波W1、共鳴管か
らの反射波W2及び両波W1,W2の合成として圧力Qの発生
状態がシミュレートされる。 波形信号伝送部300は信号ラインL1上の波形信号を信号
ラインL2へ帰還するもので、該帰還路にはローパスフィ
ルタ351、ハイパスフィルタ352及び遅延回路353が介装
されている。ローパスフィルタ351及びハイパスフィル
タ352に基本的には共鳴管の形状をシミュレートするも
のであり、それらのカットオフ周波数がピッチ信号PIT
すなわち発生楽音の音高に応じて変更制御されるように
なっている。遅延回路353は共鳴管の長さ及び同共鳴管
の端部からトーンホールまでの長さに対応してマウスピ
ース41から入射した入射波が反射波としてマウスピース
41へ戻って来る状態をシュミレートするものである。か
かる場合、遅延回路353はピッチ信号PITによりその遅延
時間が可変制御されるようになっており、該遅延時間の
可変制御により、循環する波形信号の共振周波数が発生
すべき楽音の音高に対応したものとなるようになってい
る。 また、信号ラインL1には空気中の楽音の放射特性をシミ
ュレートするためのバンドパスフィルタ401が接続さ
れ、同フィルタ401から波形信号が出力されるようにな
っている。 次に、上記のように構成した電子楽器の動作を説明す
る。演奏情報発生部10からの各種演奏情報及び音色情報
発生部20からの音色情報が楽音制御信号発生部30へ供給
されると、同制御信号発生部30は前記各情報に基づいて
口内圧力信号PRES、アンブシュール信号EMBS及びピッチ
信号PITをそれぞれ出力する。口内圧力信号PRESは楽音
制御入力部100の減算器101にて信号ラインL2からの反射
波W2を表す波形信号と合成されて同減算器151から出力
される。かかる場合、ローパスフィルタ152、加算器15
3、非線形テーブル154,156及び乗算器155は、前述のよ
うに、リード42の質量、リード42に対するアンブシュー
ルの影響、リード42の圧力に対する非線形変位特性、狭
い管路を通る空気の圧力に対する流速の飽和特性等を考
慮して、空気流速を表す信号を形成するとともに、該空
気流速を表す信号は乗算器157にて音圧を表す信号に変
換されて信号ラインL1を介して波形信号ループ部200に
供給される。 波形信号ループ部200においては、加算器251,252の作用
により、信号ラインL1を介して波形信号伝送部300へ進
行する入射波W1を表す波形信号の一部が楽音制御信号入
力部100へ帰還されるとともに、信号ラインL2を介して
楽音制御信号入力部100へ進行する反射波W2を表す波形
信号の一部が波形信号伝送部300へ帰還されるので、マ
ウスピース41とリード42との間隙直後における空気流の
変化状態がよりよくシミュレートされる。 かかる波形信号ループ部200を介した波形信号は波形信
号伝送部300に供給され、同信号はローパスフィルタ35
1、及びハイパスフィルタ352にて共鳴管の特性に従って
変更させるとともに、遅延回路353にて遅延されて、再
び波形信号ループ部200を介して楽音制御信号入力部100
の減算器151へ帰還される。かかる場合、遅延回路353は
前記ピッチ信号PITにより制御されて演奏された鍵音高
に対応した時間だけ波形信号を遅延するので、楽音制御
信号入力部100から出力された波形信号が信号ラインL1,
L2を介して再び同入力部100へ帰還されるまでの時間は
前記鍵音高にほぼ対応したものとなり、すなわち波形信
号の循環ループの共振周波数が鍵音高にほぼ対応したも
のとなり、信号ラインL1,L2上の波形信号を鍵音高に対
応した基本周波数を有するものとなる。そして、かかる
波形信号はバンドパスフィルタ401を介して出力され
る。 かかる動作説明からも理解できるとおり、上記構成の楽
音波形信号形成装置によれば、マウスピース41における
音響信号の形成状態、特にリード42の質量、リード42に
対するアンブシュールの影響、リード42の圧力に対する
非線形変位特性、狭い管路を通る空気の圧力に対する流
速の飽和特性が厳密にシミュレートされるとともに、共
鳴管における音響信号の伝達状態がより良くシミュレー
トされるので、クラリネット、サックス等のリードを有
する管楽器の音に近い楽音信号の形成が可能となる。 b.第2実施例 次に、本発明の第2実施例について図面を用いて説明す
ると、第5図は金管楽器の楽音信号の形成に最適な楽音
波形信号形成装置をブロック図により示している。 この楽音波形信号形成装置も、上記第1実施例の場合と
同様に、楽音制御信号入力部100、波形信号ループ部200
及び波形信号伝送部300により形成されているととも
に、楽音制御信号発生部30からは、発生楽音の周波数に
対応するピッチ信号PITと、口内圧力信号PRESとが出力
されているが、かかる場合には、上記アンブシュール信
号EMBSに代えて発生楽音の周波数に対応するカットオフ
周波数制御信号F0(ピッチ信号PITとは必ずしも一致し
ない)が出力されている。 楽音制御信号入力部100は加算器161及び減算器162を有
する。加算器161は、信号ラインL2から入力され、微小
時間だけ波形信号を遅延回路163を介して供給される波
形信号と、口内圧力信号PRESとを加算することにより、
唇を押し開ける圧力を表す信号を出力する。加算器161
の出力はローパスフィルタ164に接続されており、同フ
ィルタ164は供給された前記信号の高域成分を除去して
出力する。これは、金管楽器の場合には、唇の振動が上
記クラリネット、サックス等のリードの振動に似た役割
を果たし、この場合も、唇の周波数特性が固有の周波数
特性を有するため、例えば高い周波数領域の空気圧の振
動に対しては唇の振動が応答しないためである。また、
この金管楽器の場合、ローパスフィルタ164にはカット
オフ周波数制御信号F0が供給されており、該フィルタ16
4のカットオフ周波数やレゾナンス(共振)周波数が、
第6図に示すように、前記カットオフ周波数制御信号F0
により制御される。これは、金管楽器においては、唇の
締め等による前記唇の振動特性を変えることにより、発
生楽音の周波数が制御されることをシミュレートするも
ので、このローパスフィルタ164は波形信号伝送部300に
おける波形信号の遅延時間とともに、信号ラインL1,L2
による信号循環路における発振周波数を制御して発生楽
音の周波数を制御する役割を果たす。 ローパスフィルタ164の出力には非線形テーブル165が接
続されており、同テーブル165は前記圧力に対する唇の
開き具合いをシミュレートするもので、第7図のような
入出力特性を有している。これにより、非線形テーブル
165の出力は唇とマウスピースとの間隙面積を表す信号
となる。この非線形テーブル165の出力は乗算器166の一
方の入力に接続されている。 乗算器166の他方の入力に減算器162からの信号が供給さ
れている。減算器162は口内圧力信号PRESから遅延回路1
63からの波形信号を減算して出力するもので、該減算に
より同減算器162からは乗算器166に唇の前後の圧力差を
表す信号が供給される。そして、乗算器166がこの減算
器162からの前記圧力差を表す信号と、前記非線形テー
ブル165からの前記間隙面積を表す信号とを乗算して空
気流速を表す信号を算出し、該算出信号を信号ラインL1
を介して波形信号ループ部200に供給する。これによ
り、波形信号ループ部200には、金管楽器のマウスピー
スにおける音波をシミュレートした波形信号が供給され
ることになる。 波形信号ループ部200は、加算器261,262により、上記第
1実施例の場合と全く同様に構成されており、前述のよ
うに、マススピース内におけ空気流の変化状態をシミュ
レートするものである。 波形信号伝送部300は、波形信号を加算合成して出力す
る加算器161〜363、波形信号に固定係数K(=Kn,Kn-1
・・・K1)を乗算する乗算器364及び波形信号を遅延す
る遅延回路365を一組としたn段からなる梯子状回路
と、波形信号を遅延する遅延回路366と、波形信号に固
定係数「−1」を乗算する乗算器367とからなるケリー
−ロッフバウム(Kelly−Lochbaum)型格子のカスケー
ド回路を有する。このカスケード回路は円錐状の管体中
における音波の伝播を近似するもので、よく音声合成に
利用されるものである。かかる場合、各遅延回路365,36
5・・・,366の各遅延時間はピッチ信号PITにより制御さ
れ、各遅延回路365,365・・・,366の合計がおおよそ発
生楽音の周波数に対応する。さらに、このカスケード回
路の端部には共鳴管の周波数特性をシミュレートするた
めのローパスフィルタ368が介装されるとともに、同フ
ィルタ368の入力側から上記第1実施例の場合と同様に
してバンドパスフィルタ401を介して波形信号が出力さ
れるようになっている。 上記のように構成した第2実施例においては、楽音制御
信号入力部にて金管楽器のマウスピース部におけるマウ
スピースと唇との間隙面積、及び唇の締めが発生楽音に
与える影響が正確にシュミレートされて、同シュミレー
トされた波形信号が波形信号ループ部200に出力され
る。波形信号ループ部200においてはマウスピース内に
おける空気流の変化状態をシミュレートされ、波形信号
伝送部300にて金管楽器の共鳴管における音波の振動状
態がシミュレートされるので、バンドパスフィルタ401
からは、実際の金管楽器によく似た楽音波形信号が出力
される。 また、第8図に示すように、前記楽音制御信号入力部10
0において、減算器162と乗算器166との間にも非線形テ
ーブル167を挿入するようにしてもよい。この非線形テ
ーブル167は、上記第1実施例の非線形テーブル156(第
1図及び第4図参照)と同様に、空気流速の飽和をシミ
ュレートするもので、第9図のような入出力特性に設定
されている。これにより、乗算器166の乗算結果に、よ
り正確な空気の流れが考慮されることになり、金管楽器
のマウスピースのシミュレートがより正確になって、前
記場合よりも実際の金管楽器に似た楽音信号の形成が可
能となる。 c.変形例 (1)上記第1実施例においては、口内圧力信号PRESと
信号ラインL2からの帰還信号とを減算器151で合成する
とともに、両非線形テーブル154,156の各出力を乗算器1
55で合成するようにし、また上記第2実施例において
は、口内圧力信号PRESと信号ラインL2からの帰還信号と
を加算器161及び減算器162でそれぞれ合成するととも
に、非線形テーブル165の出力と減算器162の出力とを乗
算器166で合成し、または両非線形テーブル165,167の各
出力を乗算器166で合成するようしたが、これらの合成
手段を構成する減算器151,162、加算器161及び乗算器15
5,166を、各入出力信号の正負の符号、同信号の表示方
法(リニア表示、対数表示及び指数表示)等を考慮する
ことにより、前記加算器を減算器で、前記減算器を加算
器で、前記加減算器を乗除算器で、前記乗算器を加算器
で構成するなど、各種演算器で構成することも可能であ
る。 (2)上記各実施例においては、非線形テーブル154,15
6,165,167は単一の非線形テーブルにより構成したが、
これらの各テーブル154,156,165,167をそれぞれ複数の
非線形テーブルの組み合わせにより構成してもよい。ま
た、前記非線形テーブル154,156,165,167に換えて、下
記のような級数演算により入力信号に対して所望の非線
形特性を付与するようにしてもよい。 a0+a1x+a2x2+・・・anxn ただし、前記式においては、非線形変換の入力信号値を
xとし、かつ各係数a1,a2・・・anは予め与えられる定
数又は楽音制御信号発生部30から与えられる変数とす
る。 (3)上記各実施例においては、加算器251,252,261,26
2により波形信号ループ部200を構成するようにしたが、
このループ回路中にさらに乗算器等の演算回路を付加し
て、波形信号ループ部200を種々に変形することも可能
である。 (4)上記各実施例においては、波形信号伝送部300の
ローパスフィルタ351,368の前段から波形信号をバンド
パスフィルタ401を介して出力するようにしたが、波形
信号は信号ラインL1,L2上を循環しながら進行するもの
であるので、波形信号の出力位置は前記箇所でなくても
信号ラインL1,L2上の任意の位置とすることができる。 (5)上記各実施例においては、サックス、クラリネッ
ト、金管楽器等の具体的な楽器音信号を形成する場合に
ついてのみ説明したが、従来にない新たな楽器音信号を
発生する楽音波形信号形成装置に上記本発明を適用する
こともできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例に係る楽音波形信号形成装
置を備えた電子楽器の全体ブロック図、第2図は管楽器
のマウスピース部の概略図、第3図及び第4図は第1図
の各非線形テーブルの入出力特性を示すグラフ、第5図
は本発明の第2実施例に係る楽音波形信号形成装置のブ
ロック図、第6図は第5図のローパスフィルタの周波数
−振幅特性グラフ、第7図は第5図の非線形テーブルの
入出力特性を示すグラフ、第8図は第5図の楽音制御信
号入力部の変形例を示すブロック図、第9図は第8図の
他の非線形テーブルの入出力特性を表すグラフである。 符号の説明 10……演奏情報発生部、20……音色情報発生部、30……
楽音制御信号発生部、100……楽音制御信号入力部、15
1,162……減算器、152,164……ローパスフィルタ、154,
156,165,167……非線形テーブル、155,166……乗算器、
161……加算器、200……波形信号ループ部、300……波
形信号伝送部、353,365……遅延回路。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波形信号の往路としての第1信号ライン
    と、波形信号の復路としての第2信号ラインと、 発音すべき楽音の楽音要素を制御するための楽音制御信
    号及び前記第2信号ラインからの波形信号を入力すると
    ともに該入力した両信号を合成しして前記第1信号ライ
    ンに出力する楽音制御信号入力部と、 前記第1信号ラインから入力された波形信号に所定の処
    理を施して前記第2信号ラインへ帰還することにより発
    音すべき楽音のピッチに対応した共振周波数を得る波形
    信号伝送部と を備えた楽音波形信号形成装置において、 前記楽音制御信号入力部を、 前記入力した楽音制御信号と波形信号とを合成する第1
    合成手段と、 前記第1合成手段にて合成された合成信号を入力して該
    入力した合成信号を非線形変換する非線形変換手段と、 前記非線形変換手段に直列に設けた所定の周波数特性を
    有するフィルタと、 前記非線形変換手段にて変換された合成信号と前記非線
    形変換手段を介さない第1合成手段からの合成信号とを
    合成して前記第1信号ラインに出力する第2合成手段と で構成したことを特徴とする楽音波形信号形成装置。
  2. 【請求項2】波形信号の往路としての第1信号ライン
    と、 波形信号の復路としての第2信号ラインと、 発音すべき楽音の楽音要素を制御するための楽音制御信
    号及び前記第2信号ラインからの波形信号を入力すると
    ともに該入力した両信号を合成して前記第1信号ライン
    に出力する楽音制御信号入力部と、 前記第1信号ラインから入力された波形信号に所定の処
    理を施して前記第2信号ラインへ帰還することにより発
    音すべき楽音のピッチに対応した共振周波数を得る波形
    信号伝送部と を備えた楽音波形信号形成装置において、 前記楽音制御信号入力部を、 前記入力した楽音制御信号と波形信号とをそれぞれ合成
    する第1及び第2合成手段と、 前記第1合成手段にて合成された合成信号を入力して該
    入力した合成信号を非線形変換する非線形変換手段と、 前記非線形変換手段に直列に設けた所定の周波数特性を
    有するフィルタと、 前記非線形変換手段にて変換された合成信号と前記第2
    合成手段にて合成された合成信号とを合成して前記第1
    信号ラインに出力する第3合成手段と で構成したことを特徴とする楽音波形信号形成装置。
  3. 【請求項3】前記フィルタを外部からの制御信号に応じ
    てその周波数特性が可変制御される可変フィルタで構成
    した前記請求項2に記載の楽音波形信号形成装置。
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