JPH077436B2 - マルチフィラメント糸条体の構成フィラメント本数を計数する装置 - Google Patents

マルチフィラメント糸条体の構成フィラメント本数を計数する装置

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JPH077436B2
JPH077436B2 JP1178542A JP17854289A JPH077436B2 JP H077436 B2 JPH077436 B2 JP H077436B2 JP 1178542 A JP1178542 A JP 1178542A JP 17854289 A JP17854289 A JP 17854289A JP H077436 B2 JPH077436 B2 JP H077436B2
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基二 谷口
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鐘紡株式会社
カネボウエンジニアリング株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は複数のフィラメントより構成されるマルチフィ
ラメント糸条体の構成フィラメント本数を計数する装置
に関するものである。
〔従来の技術〕
マルチフィラメント糸条体の構成フィラメント本数を計
数する方法として、従来より実用化されているものに次
の方法がある。
作業者がマルチフィラメント糸条体を白墨等の物体
で摩擦し、マルチフィラメント糸条体の夫々のフィラメ
ントを帯電させ、同極性の帯電々荷によって生ずるクー
ロン力によって夫々のフィラメントが相反発してこれを
分繊せしめ、それを黒いビロード布を貼付けた板に吹付
け、これを目視計数することにより構成本数を検知す
る。
本発明者等が先に発明した特公昭52−28909号公報
記載の方法で、円形断面形状を有する合繊マルチフィラ
メント糸を整列台に引き揃え、これに光を照射すると、
フィラメントを透過した光が円形断面形状を有するフィ
ラメントの集光作用によって集められ、帯状の輝線が生
じるので、これを光学的、電子的に計数することにより
構成本数を検知する。
前記の方法は、作業員の手作業と目視によるため非能
率であるとともに、フィラメント全部が完全に分繊しな
い場合もあって、正常なフィラメント本数を有するマル
チフィラメント糸条体サンプルを不正常な本数(過不足
あり)として計数することが多く、又その逆に本体に不
正常な本数(過不足あり)のサンプルを正常なものとし
て見述してしまう確率も高く信頼性に乏しかった。
これを改善しようとして本発明者等が先に発明した特公
昭52−28909号公報記載の前記の方法は、発明した当
時、フィラメントが円形断面である合繊糸が主として生
産されていてこれに適した方法であった。しかし、近年
合成繊維産業の技術の進展と、それに伴う高級化、高付
加価値化によって、夫々のフィラメント断面が三角形・
星形・六角形の円形断面形状ではない、いわゆる異形断
面糸の生産比率が高まってきており、この特公昭52−28
909号公報記載の方法が円形断面形状のフィラメントの
集光作用に基いて光学的、電子的にフィラメント本数を
計数していることから、この発明方法を用いた装置で
は、これらの異断面形状のフルチフィラメント糸条体の
構成フィラメント本数を計数することが出来なかった。
このため異形断面マルチフィラメント糸条体に対して
は、非能率、不正確ながら再び元の手作業と目視計数に
よる方法に依存せざるを得なくなっている。
そこで本発明者らはかかる異形断面のマルチフィラメン
ト糸条体であってもその構成本数を自動的に計数し得る
方法及び装置を既に特願昭63−289790号において提案し
ている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで当該特願昭63−289790号における発明は、マル
チフィラメント糸条体に張力を作用させた状態で該マル
チフィラメント糸条体を整列台に圧接し整列せしめた
後、前記マルチフィラメント糸条体に生じた引張り歪を
維持し、前記マルチフィラメント糸条体の構成フィラメ
ントを遂次切断し、その時に生ずるマルチフィラメント
糸条体の張力の段階的下降状態を計測することにより構
成フィラメント本数を決定するというものであるので、
当該構成フィラメント本数を正確に計数するにはマルチ
フィラメント糸条体の構成フィラメントを厳密な意味で
一層に整列させる必要があるが、圧接力により整列せし
める当該発明においては、異形断面マルチフィラメント
糸条体を一層に整列せしめるのに断面形状に応じた相応
の時間を要した。
本発明はかかる背景のもと発明者らの継続的な研究によ
りなされたものであり、異形断面マルチフィラメント糸
条体であってもその構成フィラメントを短時間のうちに
確実に一層に整列せしめることができ且つ、自動的にそ
の構成本数を計数することができる装置の提供を目的と
する。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成する為の本発明は、マルチフィラメント
糸条体の構成フィラメント本数を計数する際に用いる装
置であって、上部表面でマルチフィラメント糸条体を摩
擦して分繊する摩擦ローラを備えた分繊装置と、所要間
隔を介して設けられマルチフィラメント糸条体をニップ
する1組の把持部と、該両把持部の中間に位置し前記マ
ルチフィラメント糸条体を適宜張力下で圧接しながら整
列させる整列台と、該整列台の近傍に設けられマルチフ
ィラメント糸条体の構成フィラメントを遂次切断する切
断手段と、前記マルチフィラメント糸条体の切断に伴う
張力下降状態を計測する張力センサと、該張力センサが
計測した張力の段階的下降状態を示すデータにより構成
フィラメント本数を決定するデータ処理部とを備えた計
数装置とから構成されていることを特徴とするものであ
る。
〔作用〕
まず、第1図(a)の破線で示す位置にてマルチフィラ
メント糸条体(M)を第1図(c)のごとく分繊装置
(P)の摩擦ローラ(52)の表面に接触させて摩擦する
と、マルチフィラメント糸条体(M)を構成するそれぞ
れの単糸フィラメントに同極性の静電気が帯電し、これ
により当初集束性を有していたマルチフィラメント糸条
体(M)の単糸フィラメントが第3図に示す如く、相互
間隔が開いた状態に分繊される。ついで、第1図(a)
にて実線に示す如くマルチフィラメント糸条体(M)を
計数装置(Q)側へ移し糸条体の両端を把持部(1)及
び(1′)にて把持し、その後把持部(1)及び
(1′)を下降させ、第1図(b)に示す如くマルチフ
ィラメント糸条体(M)を整列台(2)にマルチフィラ
メント糸条体(M)自身の張力でもって圧接すると、静
電気が帯電し、分繊した状態の単糸フィラメント(F)
は相互反発力を維持したまま第4図に示すように容易に
一層に配列される。この状態で張力センサ(4)にてマ
ルチフィラメント糸条体(M)の張力を計測しつつ、フ
ィラメント列の片側より第2図の整列台上のフィラメン
ト接触部拡大平面図に示す刃物(3)、又はこの刃物
(3)に代る高温加熱物を接触させるか、或いはレーザ
ー光線をフィラメントに照射しこれを遂次切断すると、
第5図に示す如く、マルチフィラメント糸条体(M)に
生じていた張力が単糸フィラメント(F)の切断ととも
に段階的に下降する現象が計測される。即ち、これは弾
性体に一定の引張り荷重を加えるとその荷重に応じた引
張り歪を生じるという一般的な法則を踏え、マルチフィ
ラメント糸条体に所定の引張り荷重を加えて歪を生じさ
せた場合、マルチフィラメント糸条体に作用する張力が
マルチフィラメント糸条体を構成する構成フィラメント
の本数に比例することによるものである。
この張力の段階的下降状態の測定結果は、従来引張試験
機によってマルチフィラメント糸条体を破断した場合、
或いは前記引張試験機による破断に到る前に刃物又は高
温加熱物を接触させて強制的にフィラメントを切断する
ことにより張力が下降する場合よりも均等な時間間隔で
フィラメント糸条体の張力の下降状態が計測され得る。
因みに引張試験機による破断、或いは引張試験機による
破断の前に刃物又は高温加熱物を接触させて強制的にフ
ィラメントを切断することにより張力が下降する場合に
は、引張センサを高い応答速度のものとしても、多数の
糸がいくつかのブロックとなって一括して切断すること
による張力の一括下降現象が計測されるのみで、本発明
装置の如く、一本一本のフィラメントが順次切断される
ことによる張力の段階的下降現象は認められない。
このように本発明装置を適用した場合第5図にその一例
を示す如く、極めて明確にマルチフィラメント糸条体の
張力の段階的下降現象が生ずるので、これによってマル
チフィラメント糸条体を構成するフィラメント本数を容
易に計数することができる。
〔実施例〕
まず、本発明の一実施例装置について、その一例を第1
図(a),(b),(c)にもとづいて説明する。即
ち、本実施例装置は、マルチフィラメント糸条体(M)
の構成フィラメント本数を計数する際に用いる装置であ
って、積極回転する回転駆動体(50),(51)と、該回
転駆動体(50),(51)に外接して着脱可能に設けられ
上部表面でマルチフィラメント糸条体(M)を摩擦して
分繊する摩擦ローラ(52)と、該摩擦ローラ(52)の下
方にあって前記摩擦ローラ(52)の下部表面と接するよ
うに設けられた接触体(53)とを備えた分繊装置(P)
と、所要間隔を介して設けられマルチフィラメント糸条
体(M)をニップする1組の把持部(1),(1′)
と、該両把持部(1),(1′)の中間に位置し前記マ
ルチフィラメント糸条体(M)を適宜張力下で圧接しな
がら整列させる整列台(2)と、該整列台(2)の近傍
に設けられマルチフィラメント糸条体(M)の構成フィ
ラメントを遂次切断する切断手段(3)と、前記マルチ
フィラメント糸条体(M)の切断に伴う張力下降状態を
計測する張力センサ(4)と、該張力センサ(4)が計
測した張力の段階的下降状態を示すデータより構成フィ
ラメント本数を決定するデータ処理部(5)とを備えた
計数装置(Q)とから構成されるものである。
本実施例においてマルチフィラメント糸条体(M)は、
第1図(a)に示す如く、把持部(1),(1′)にて
ニップする前に、分繊装置(P)にてマルチフィラメン
ト糸条体(M)を破線上で左右方向に移動させつつ摩擦
ローラ(52)に軽く接触させ、摩擦ローラ(52)との間
で摩擦して単糸フィラメントに分繊するという内容の前
処理を行う。
第1図(C)は分繊装置(P)の構成を示す説明図(一
部省略横断面図)、第12図はカバー(54)を取り外した
同装置の平面図である。
第12図に示す如く、摩擦ローラ(52)の端部(521),
(522)は軟鋼又は鉄合金等の強磁性材料で構成されて
いて、同じく強磁性材料で製作されている段付円盤(50
1),(502),(511),(512)にて支持されている。
また、この段付円盤(501),(502),(511),(51
2)の中心部は夫々強磁性材料からなる回転軸(504),
(514)に固着されており、回転軸(504),(514)は
軸受(505),(506),(515),(516)で回転可能に
保持されるとともに減速機付のモータ(60)とタイミン
グベルト式伝動装置(61),(62)によって駆動され、
同じ方向に同じ速度で回転するようになっている。ま
た、回転軸(504),(514)は夫々本装置に固設された
環状のソレノイドコイル(503),(513)を貫通してお
り、ソレノイドコイル(503),(513)が通電されると
図中(第12図)の矢印の方向をN極として励磁される。
このように構成されているため、この吸着手段としての
ソレノイドコイル(503),(513)に通電しつつモータ
(60)を回転させると、摩擦ローラ(52)の端部(52
1),(522)は夫々接触支持してりう段付円盤(50
1),(502),(511),(512)に磁力によって適度に
吸着され回転する。また、段付円盤(501),(502),
〔(511),(512)〕は第12図に示すごとく段が付いて
おり、それぞれ下段側(つまり若干径が小さい側)を内
側に向けて配設しているので、摩擦ローラ(52)はその
端部(521),(522)をとおして上記段付円盤(50
1),(502),〔(511),(512)〕の上段側(径が大
きい側)の内側面に規則され、回転時に縦方向(回転軸
方向)にずれたり、飛び出したりすることがない。
このような段付円盤(501),(502),〔(511),(5
12)〕及び回転軸(504),〔(514)〕より構成される
回転駆動体(50),〔(51)〕の作用によって摩擦ロー
ラ(52)は回転するので、マルチフィラメント糸条体
(M)を摩擦ローラ(52)の中央部(520)に軽く接触
させて摩擦させると、マルチフィラメント糸条体(M)
はその表面に付着していた帯電防止、或いはフィラメン
ト集束性向上のための油剤が摩擦ローラ(52)の表面に
転移するとともに、摩擦ローラ(52)との摩擦によって
発生した同極性の静電気が夫々のフィラメントに帯電
し、これらによってマルチフィラメント糸条体(M)の
集束性を低減し、第1図(b)に示す計数装置(Q)で
行うフィラメント切断時の張力の段階的下降現象におい
て数本のフィラメントが同時に切断することが少くな
る。この同時切断の減少によって、後述する構成フィラ
メント本数計数の信頼性が向上する。
この分繊装置(P)の作用の一つである摩擦による静電
気の帯電をより効果的にするために摩擦ローラ(52)の
中央部(520)の材質は、アルミナ磁器、酸化チタン磁
器、マシナブルセラミック(雲母を含む磁器)等の各種
セラミック、若しくはポリエチレン、ポリプロピレン、
テフロン等の各種プラスチック材料、又は紙、羊毛フェ
ルト等の繊維素材の積層体で構成されるものをいくつか
用意し、マルチフィラメント糸条体(M)の種類に合わ
せて適宜選択(交換)する。この際の摩擦ローラ(52)
の交換を容易にするために、前述の磁器吸着駆動方式を
採用しており、ソレノイドコイル(503),(513)の通
電を止めると摩擦ローラ(52)の交換を簡単に行うこと
ができる。また、摩擦ローラ(52)は磁気的に比較的弱
い力で吸着しているので、万一指が摩擦ローラ(52)と
カバー(54)の間にはさまれても摩擦ローラ(52)が浮
き上って回転が止まるので、本方式は安全対策にもなっ
ている。
次に第1図(C)に示すごとく本実施例の分繊装置
(P)には、摩擦ローラ(52)の下方に接触体(53)が
設けられており、これがスプリング(53a)により摩擦
ローラ(52)の中央部(520)の下部表面に摺動可能に
軽く圧接されている。この接触体(53)はマルチフィラ
メント糸条体(M)より摩擦ローラ(52)の中央部(52
0)表面に転移した油剤をぬぐって除去するためと、マ
ルチフィラメント糸条体(M)より摩擦ローラ(52)の
中央部(520)表面への油剤の転移をより効果的にする
ためにその表面に油剤吸着能力の高い粉体の付与を行う
ものである。前者(油剤除去)の効果のみを期待する場
合は接触体(53)の材質として紙・布等の繊維素材の積
層体を用い、両者(油剤除去と粉体付与)の効果を期待
する場合は炭酸カルシューム、大理石、黒鉛等の粉体を
練り固め乾燥したものを用いる。これらのいずれを用い
るかは、計数するマルチフィラメント糸条体(M)の材
質とフィラメント数によって適宜選択し、前記摩擦ロー
ラ(52)の交換時に併せて接触体(53)の交換を行う。
このような分繊装置(P)にて前処理を施したマルチフ
ィラメント糸条体(M)を、第1図(a)の実線に示す
位置に移し、第6図に示す如くその両端を把持する。
先ず左側の可動アーム(6)の上部に設けられた下方糸
条ニップ部材(7)と右側の可動アーム(6′)の上部
に設けられた下方糸条ニップ(7′)にマルチフィラメ
ント糸条体(M)を軽く接触させる。つぎにマルチフィ
ラメント糸条体(M)を両手で引張りながら、第7図
(把持部(1)の側面図、把持部(1′)側は省略)に
示すように、左右両可動アーム(6),(6′)の上部
にある糸条把持装置(9),(9′)の作用端(19),
(19′)を下降させ、その作用端(19),(19′)の下
部にそれぞれ設けられた上方糸条ニップ部材(8),
(8′)と前記の下方糸条ニップ(7),(7′)とを
圧接させて、マルチフィラメント糸条体(M)を後に発
生させる張力によっても滑らないよう十分に把持する。
この際、マルチフィラメント糸条体(M)が合繊未延伸
糸の場合には、両手間で十分に張力を加えて、(初期状
態の長さよりも数倍に延伸し)通常の延伸糸に近い状態
まで延伸した後これを把持させる。
本実施例に用いた把持部(1)の一例の側面図を第7図
に示す。糸条把持装置(9)は支持軸(10)により可動
アーム(6)と結合し、前記支持軸(10)を支点として
動く。この支点に対して上方糸条ニップ部材(8)の反
対側にはU形スプリング(11)が取付けられていて、前
記上方糸条ニップ部材(8)を下側に押しつけるような
力が発生しているが、マルチフィラメント糸条体(M)
を装着するまでは可動ロッド(12)によりそれが押され
られていて、下方糸条ニップ部材(7)と上方糸条ニッ
プ部材(8)との間は開口している。尚下方糸条ニップ
部材(7)及び上方糸条ニップ部材(8)はマルチフィ
ラメント糸条体(M)を滑らぬように十分に把持するた
めに、摩擦が大で且つ弾性の大きいゴム状材質のもので
構成されている。このような状態でマルチフィラメント
糸条体(M)を両ニップ部材(7),(8)間に挿入し
た後、可動ロッド(12)を上に引き上げると、U形スプ
リング(11)の反力が上方糸条ニップ部材(8)を押し
下げ、下方糸条ニップ部材(7)の間にてマルチフィラ
メント糸条体(M)を把持する。
このようにしてマルチフィラメント糸条体(M)を左右
両可動アーム(6),(6′)間で把持した後、左右両
把持部(1),(1′)を、具体的には左右両可動アー
ム(6),(6′)を夫々降下させる。この状態を第1
図に示す。
つぎに、整列台(2)は、その断面形状が第8図に示し
たごとく左右非対称であり、切断手段としての刃物
(3)から遠い側、つまり本実施例では向って左側の曲
面(13)の曲率は大で、刃物(3)に近い側つまり向っ
て右側の曲面(14)の曲率は小としている。これは刃物
(3)によってフィラメントを切断する際、その切断位
置がマルチフィラメント糸条体(M)と整列台(2)と
が圧接している部分に近づけた方が、張力の段階的下降
状態をより確実に発現できるためである。
尚、整列台(2)の下部(振動発生部(20)という)に
は第9図に示す如く、超音波振動子(2b),(2c)が電
極(2d)を介して設けられていて、電極(2d)と整合台
(2)及びこれと電気的に同電位に接続されている端部
(2a)との間に高周波電圧を加え、これによって整列台
(2)が超音波振動するようになっている。
又、前記整列台(2)を振動させる方式においてその振
動周波数が可聴周波数の範囲を超えた超音波周波数(本
実施例では28KHzを採用)のものについて述べたが、こ
の整列台(2)の振動周波数は必ずしも超音波でなくて
もよく、マルチフィラメント糸条体(M)の張力の段階
的下降速度に十分応答し得るような周波数帯、即ち張力
センサ(4)の固有振動周波数(本実施例では約1KHzと
している)よりも若干高目の振動周波数(本実施例では
約1.5KHz以上)でも可能であり、その装置例を第13図
(a),(b)に示す。
第13図(a)は超音波振動を用いない場合の整列台
(2)の振動発生部(20)の側面図を示し(整列台
(2)の頂部は片持はり状のバーから構成されており、
以下これを整列台振動片(21)と称する)、この図Y1
Y2方向断面図を同図(b)に示す。第13図(a)におい
て整列台振動片(21)は磁芯(211)の右側に抑え金具
(212)とネジ(213)によって固定される。整列台振動
片(21)は図中のS1の範囲における断面は矩形であり、
S2の範囲においては第13図(b)に示す如く左部曲率が
大きく、右部曲率は小さいという第8図に示す整列台
(2)の頂部と同様の断面形状を有している。又、この
整列台振動片(21)は、その材質が磁性体で且つマルチ
フィラメント糸条体(M)との耐摩耗性の高い金属(例
えばタングステン鋼、クローム鋼、高炭素鋼)、或いは
これらの金属の表面を窒化チタン、炭化チタンなどで表
面をコーティングして製したものである。磁芯(211)
は、珪素鋼板の積層体或いはソフトフェライト(磁化特
性でのヒステリシスが小で交番磁界用の磁芯として用い
るフェライト、例えば鉄酸化物を主成分とし、それにマ
ンガンや亜鉛の化合物、或いはニッケルや亜鉛の化合物
を混じて焼成したフェライト)で製せられ、励磁コイル
(214)により励磁される。励磁コイル(214)は、第14
図に示す方法にて可変周波数発振器(216)の発振出力
を増幅器(218)で増幅し交流電流K1sinωtが供給さ
れ、この電流によって磁芯(211)、整列台振動片(2
1)及び空隙部(210)をループとする磁束φ=K2sinω
tの磁束を生ずる。空隙部(210)における磁芯(211)
と整列台振動片(21)間に生ずる吸引力は磁束φの2乗
に比例するので、この間の吸引力fは、 ここで とすれば となり交流電流の周波数の2倍で振動する吸引力を生ず
る。このため励磁コイル(214)に接続する交流電源の
周波数を整列台振動片(21)の固有振動数の1/2にする
ことによって整列台振動片(21)は共振し大きく振動す
る。
前記第14図の励磁回路は、励磁コイル(214)に与える
交流電流の原振周波数を可変周波数発振器(216)に内
蔵した可変抵抗器(217)を手動調整することにより、
整列台振動片(21)の固有振動数の1/2に同調して発振
させ、それを増幅器(218)にて電力増幅して励磁コイ
ル(214)に励磁電力を供給する方式である。
又、第15図に示す別の振動発生方式は、整列台振動片
(21)の振動する部分の一部(第13図(a)に示す如く
整列台振動片(21)を固定した部分に近い位置が、検出
する機械的歪が大きくて望ましい)に抵抗線歪ゲージ
(219)を貼りつけ、この抵抗線歪ゲージ(219)にて整
列台振動片(21)の偏位を検出し、これを増幅器(21
8)に入力して増幅し励磁コイル(214)に励磁電流を供
給しそれによる整列台振動片(21)の偏位が再び抵抗線
歪ゲージ(219)によって検出される方式であり、第15
図の点線に示す機械的フィードバックループ(215)を
含めると抵抗線歪ゲージ(219)→増幅器(218)→励磁
コイル(214)→抵抗線歪ゲージ(219)…の一連のルー
プが形成され、ループ自身の最もゲインの高い周波数即
ち整列台振動片(21)の固有振動周波数で発振を行うも
のである。
この場合、増幅器(218)の入力、出力の電気的位相関
係とその増幅率を適宜にすることが必要であり、例えば
位相関係は正の帰還がかかる方向、又増幅率は整列台振
動片(21)の固有振動周波数帯域において点線の機械的
フィードバックループ(215)を含めたループのトータ
ルゲインが1を若干上廻る程度とする。又、増幅器(21
8)の出力は直流的に又はの電圧を重畳し極性が反
転しないようにして整列台振動片(21)の固有振動数の
1倍で電気的発振を行なわせる。このようにした第15図
による励振方式で、整列台振動片(21)の固有振動数に
自動的に追尾して発振するので、整列台振動片(21)の
固有振動数が温度とか他の要因で変化しても常にそれに
追従した周波数で発振を継続し、整列台振動片(21)の
振動振幅を安定に保つことができる。
前記方法は磁気的吸収力を利用して整列台振動片(21)
を振動させる方法であるが、他の方法として第16図に示
す、電歪素子(220)にて振動力を与える方法もある。
この場合、チタン酸バリューム(BaTiO3)、チタン酸鉛
(PbTiO3)などのセラミクス体電歪素子で電圧を印加す
ることにより長さ方向に伸縮する特性の電歪素子(22
0)を、図の如く整列台振動片(21)の下側にエポキシ
樹脂系或いはフェノール樹脂系等の接着剤にて貼りつ
け、電歪素子(220)の両面電極に接続されたリード線
(221),(222)に第14図、及び第15図に示す増幅器
(218)の電力電圧を印加しこれによって電歪素子(22
0)が図の矢印の方向(水平方向)に伸縮し、整列台振
動片(21)が磁気的な方法による場合と同様に振動を継
続するのである。(ここで増幅器(218)の出力は、前
記の磁気的方法の場合には比較的低電圧で電流値の大き
いものであったが、電歪素子を用いたこの方法の場合
は、高電圧で小電流の出力のものとなる。又この電気的
出力の周波数は、電歪素子(220)を含めた整列台振動
片(21)の固有振動数と1:1に対応させるようにし
た。) この場合励振回路としては第14図、第15図に於ける励磁
コイル(214)を電歪素子(220)に置き換えた回路がそ
れぞれ適用可能であるが、電歪素子(220)自身の機械
的特性が温度の影響を受けて、整列台振動片(21)の固
有振動数(電歪素子(220)を含めた個有振動数)が変
化し易いので、常にこれを追尾して励振する第15図の方
式が適していた。
次に左右両可動アーム(6),(6′)を降下させてマ
ルチフィラメント糸条体(M)を整列台(2)に圧接さ
せる方法について述べる。この方法としてマルチフィラ
メント糸条体(M)の種類によって下記方法〜の内
の一つを予め選択し、それを左右両可動アーム(6),
(6′)を駆動するコントローラ(図示しない)に設定
する。
左右両可動アーム(6),(6′)を等しい速度で
降下させ、マルチフィラメント糸条体(M)の材質とト
ータルデニール値によって予め設定した張力(以下設定
張力と略す)に到達した時点で停止させる方法。
最初は左側の可動アーム(6)のみを先行して降下
開始させ、続いて右側の可動アーム(6′)の降下を開
始し、両可動アーム(6),(6′)を等しい速度で降
下させ、マルチフィラメント糸条体(M)が設定張力に
到達した時点で左右両可動アーム(6),(6′)をと
もに停止させる方法。
左右両可動アーム(6),(6′)を夫々異なる速
度で同時に降下開始させ、設定張力に到達した時点で左
右両可動アーム(6),(6′)ともに停止させる方
法。
上記,,又はの後、更に左側の可動アーム
(6)のみを微速にて降下続行させる方法。
この4つの方法〜の内、構成フィラメント本数が少
く、例えば10本以下のような場合には、前記の方法で
十分に1本ずつのフィラメント切断に対応する明確な張
力の段階的下降現象が得られるのでこれを選択する。し
かし構成フィラメント本数がそれ以上に多い場合は、前
記,又はの方法を試み、後述する計数信頼度が統計
的に高くなる方を選択する。
また、応力緩和(引張を保持した場合、張力が少しずつ
減少する現象)の大きい種類のマルチフィラメント糸条
体素材の場合には、前記,又はの方法を実施後に
更に左側の可動アーム(6)のみ微速にて降下させる前
記の方法を選択設定し、応力緩和による張力の現象を
少くする。
尚この場合、左側の可動アーム(6)のみ微速降下させ
るのは、張力センサ(4)近傍に位置する右側の可動ア
ーム(6′)を降下させると、該可動アーム(6′)の
駆動に用いているパルスモータ(図示しない)の振動が
張力センサ(4)に伝わり、正確な張力測定ができない
ので、この不具合を防止(回避)する為にとった方策で
ある。
次に、切断手段の一つである刃物(3)の駆動方法につ
いて述べる。
最初にマルチフィラメント糸条体(M)を第6図の状態
でセットする際、マルチフィラメント糸条体(M)が刃
物(3)に少しでも触れるとフィラメント切れを生ず
る。このため第6図の状態では刃物(3)を後部に引込
めてある。次にマルチフィラメント糸条体(M)を把持
して左右両可動アーム(6),(6′)を降下させ、第
1図の状態にして刃物(3)を前進させ構成単糸フィラ
メントを遂次切断させるのであるが、フィラメントを切
断させるとき刃物(3)の前進速度が速いと、フィラメ
ントはほぼ一斉に切断されてしまい、その張力変動は第
5図のように整然と1本1本の切断が判別し得るような
段階的下降状態とはならない。このため、刃物(3)の
駆動アームに光電センサ(共に図示しない)を取付け、
これによってマルチフィラメント糸条体(M)を検出す
るようにし、刃物(3)をマルチフィラメント糸条体
(M)の少し前まで高速で接近させ、その後刃物(3)
の速度を微速に減じて刃物(3)とマルチフィラメント
糸条体(M)を接触させてフィラメントを遂次切断する
方法を採用している。このフィラメント切断時の刃物
(3)の速度として、本実施例では、0.02〜0.5mm/sec
を採用しており、刃物(3)の駆動にパルスモータ(図
示しない)を用いてマルチフィラメント糸条体(M)の
フィラメントが細く本数が多い場合には遅く、又フィラ
メントが太く本数が少ない場合には速く動くよう予め設
定している。
この刃物(3)は具体的には円形刃としており、その回
転手段(30)に関して第17図(a)及び同(b)をもと
に以下説明する。
第17図(a)は刃物(3)の周辺部の側面図であり、こ
の図のX1−X2部分断面図を第17図(b)に示す。ここ
で、刃物(3)は前後移動アーム(311)を貫通して回
転可能に設けられた取付軸(312)に取付られ、これを
介してA歯車(313)と連結している。このA歯車(31
3)には、B歯車(314)が噛み合っていて、B歯車(31
4)が回転すると刃物(3)も回転する。又B歯車(31
4)には同心状にC歯車(315)が連結しており、このC
歯車(315)には爪バネ(316)が接触している。この爪
バネ(316)は第17図(a)に示す構造にて、前後移動
アーム(311)に止め金具(317)により固定されてい
る。
このように構成しているので、第17図(a)において1
点鎖線で示す位置にて刃物(3)によりマルチフィラメ
ント糸条体(M)を切断後、前後移動アーム(311)が
後方向(図中矢印と反対方向)に移動し、最後部位置に
戻る少し前の位置で基板(318)上に設けられたロッド
(319)に爪バネ(316)の背部が接触し、これによって
爪バネ(316)は相対的に図中の矢印で示す方向に移動
し、爪バネ(316)の爪先部においてC歯車(315)を1
歯分反時計方向に歩進させた後、前後移動アーム(31
1)が最後部に到達し停止する。この動作によってA歯
車(313)とともに刃物(3)は下記角度θ度時計方向
に回転する。
このため次回に前後移動アーム(311)が前進して刃物
(3)でマルチフィラメント糸条体(M)を切断する際
には、前回とは別の位置で刃物(3)とマルチフィラメ
ント糸条体(M)が接触し、マルチフィラメント糸条体
(M)を常に芯しい刃先(作用位置)で鋭く切断するこ
とができる。このようにして前後移動アーム(311)が
前後進する都度、刃物(3)がθ度回転する。この際、
A歯車(313)、B歯車(314)、C歯車(315)の歯数
をそれぞれ別々の素数値(本実施例ではA歯車(313)
は31歯、B歯車(314)は29歯、C歯車(315)は37歯)
にすると、刃物(3)が1回転しても切断作用位置は元
に戻らない。より具体的に説明すると、本実施例では前
記回転角θは次のようになり、 これにより刃物(3)が360度・1回転するための前後
移動アーム(311)の往復回数N1を算出すると次の如く
なる。
この結果、N1の値に0.5517…の端数を生じ、刃物(3)
が360度・1回転しても最初の位置とは異なる位置に戻
る。このため前記N1が整数値となって最初の位置に戻る
ためには、前記N1値の分数の分母即ちB歯車(314)の
歯数である29という数だけ刃物(3)が回転したとき再
び最初の位置に戻ることになる。このリセットするまで
の前後移動アーム(311)の往復回数Nrst値を求める
と、 となり刃物(3)は全周360度に亘る作用面を1147に区
分した位置でマルチフィラメント糸条体(M)と接触し
これを切断する。
この結果、刃物(3)はそのほぼ全周を平均して用いて
マルチフィラメント糸条体(M)を切断するので、毎回
固定的に刃物(3)の一部のみを用いてマルチフィラメ
ント糸条体(M)を切断する場合に比べて刃物(3)の
寿命を著しく長くすることができた。
又、この方法に付加し、刃物(3)に酸化チタン、炭化
チタン等の硬度の高い物質をコーティングすることによ
り、更に一層その寿命を長く保つことができる。
次に、フィラメント切断時のマルチフィラメント糸条体
(M)の張力の段階的下降状態よりフィラメント本数を
計数する方法について述べる。
フィラメント切断時の張力の段階的下降状態は第10図の
ブロック図に示す順序にて処理される。即ち、張力セン
サ(4)でマルチフィラメント糸条体(M)の張力を検
出した後、張力計アンプ(15)にてその検出信号を増幅
し、それをA/D変換器(16)にてアナログ信号からデジ
タル信号に変換してマイクロコンピュータ(17)に入力
する。マイクロコンピュータ(17)では後述するアルゴ
リズムにより、その信号変化を演算処理して、マルチフ
ィラメント糸条体(M)を構成するフィラメント本数を
算出し、その結果を表示装置(18)に出力する。ここで
(15)から(18)までをデータ処理部(5)という。
通常マルチフィラメント糸条体(M)が合成繊維(ナイ
ロン或はポリエステル繊維)であって、トータルデニー
ル値が70d、フィラメント本数が20本以下のように、太
くて本数が少ない場合には、フィラメント切断時の張力
の段階的下降状態(時間変化)は第5図に示すごとくな
る。この場合、1本1本のフィラメント切断が明確に識
別できるので、単にその段落数(段数)をカウントする
だけでフィラメント本数が正確に計数し得る。しかしマ
ルチフィラメント糸条体(M)を構成するフィラメント
が前記場合よりも細くて本数が多くなると、フィラメン
ト切断時のマルチフィラメント糸条体(M)の張力下降
の時間変化が第11図の如くなり、この図の(a),
(b)の部分のようにフィラメントが近似的に数本同時
に切断したと推測される張力の段落変化を生ずる。この
場合にはその段落数を計数してもマルチフィラメント糸
条体(M)の構成フィラメント本数とは一致しない。こ
のため、このような張力の段落変化が生ずる場合も、先
の第5図の如くフィラメントの1本1本に対応する張力
の段落変化が確実に生ずる場合も併せ、全ての場合につ
いて次の計算アルゴリズムにより張力の段階的下降(時
間変化)を基に構成フィラメント本数をマイクロコンピ
ュータを用いて計算している。
第11図に示す張力段落y1,y2……ynを例に、その計算ア
ルゴリズムを以下に説明する。
I.段落数列y1,y2……ynの平均値(第1次平均値と称
す)を求める。即ちは次の式で表わされる。
II.次に求まった第1次平均値に対してその50〜150%
の範囲、即ち0.5〜1.5の範囲にあるものを先の数列
y1,y2……ynより抽出し、これをY1,Y2……Ym数列とし、
その平均値(第2次平均値と称する)を求める。即ち
は次の式で表わされる。
このようにすることによって、第2次平均値はy1,y2
……ynの張力段落数列の中より、2本或はそれ以上のフ
ィラメントが同時に切断した場合の張力段数と張力計ア
ンプ(15)のノイズによる影響を受けた張力段落の両者
を除いたものの平均値となる。
III.この第2次平均値を基準に、段落数列y1,y2……y
nの各項について夫々の数が、に対して(0倍以上0.5
倍未満)、(0.5倍以上1.5倍未満)、(1.5倍以上2.5倍
未満)、(2.5倍以上3.5倍未満)、(3.5倍以上)、の
どの範囲に含まれるかを判定し、(0倍以上0.5倍未
満)のものは累計メモリーM0に、(0.5倍以上1.5倍未
満)のものは累計メモリーM1に、(1.5倍以上2.5倍未
満)のものは累計メモリーM2に、(2.5倍以上3.5倍未
満)のものは累計メモリーM3に、(3.5倍以上)は累計
メモリーM4に、それぞれの判定カウント数を累計する。
IV.前記累計メモリー(M0〜M4)値を基に次の式にて構
成フィラメント本数Nを算出し、これを表示装置(18)
に表示する。
N=0.5×(M0値)+(M1値)+2×(M2値 )+3×(M3値) このNの計算においてM0値が0でない場合は、先行した
1本の段落の途中で別の1本が急速に段落したときに生
じる現象を含めるもので、これによって生じた0.5の端
数は切り捨てる。又、累計メモリーM4値が0でない場合
は、この度の測定をエラーとしフィラメント本数Nの計
算を行なわずエラー表示のみを行う。
V.次に上記フィラメント本数Nの表示と併せ、そのN値
の信頼度のチェックを下記の如く行い、それを表示装置
(18)に表示する。
(i) N=(M1値)、即ち全ての張力段落がの(0.
5倍以上1.5倍未満)の範囲にあるときは、これはフィラ
メント1本毎に張力段落を生じた場合であり、信頼度が
一番高く〔A〕を表示する。
(ii) (M0値)=0、(M1値)≠0、 (M2値)≠0、(M3値)=0で且つ、2×(M2値)<0.
4×N の場合、即ち先行1本の段落の途中で別の1本の急速段
落現象がなく、又フィラメント3本の同時切断もなく、
且つ2本同時切断が全体のフィラメント本数に対して40
%以下の場合には〔A〕に次ぐ信頼度として〔B〕を表
示する。
(iii) 上記(i),(ii)以外は、それらより信頼
度が劣るので信頼度として〔C〕を表示する。
このようにして算出表示された構成フィラメント本数値
Nは、その信頼度値が〔A〕、又は〔B〕の場合、その
計数値の信頼性(正確度)が高いものとして評価し得
る。信頼度〔C〕の場合は、その計数値の信頼性(正確
度)が低いので再度測定することが望ましい。又信頼度
〔C〕が多く出るようになった場合には、装置の劣化
(主として刃物の劣化であるが、その他駆動部の劣化の
場合もある)の指標ともなるので、装置をメインテナン
スすることが必要とされる。
本実施例においては整列台(2)に振動を与え、整列台
(2)の近傍の位置にてマルチフィラメント糸条体
(M)に刃物(3)を接触させており、整列台(2)の
振動がマルチフィラメント糸条体(M)に伝わり、これ
によって刃物(3)の相対速度が大となってフィラメン
トの切断がより効果的に行なわれたのである。
このことにより、整列台(2)に振動を与えず、刃物
(3)を振動させても同じ効果が得られる。また、刃物
を振動することに代えて刃物を円形薄板とし、これを高
速回転させても同じ効果が得られる。
更に、フィラメントを切断する方法として、マルチフィ
ラメント糸条体(M)の種類が高温にて熔融する材質の
場合は、刃物の代りに切断手段を高温に加熱した物体と
してもよく、また非接触のフィラメント切断方法として
レーザー光線でも可能である。また、これらの方法と振
動方式とを併用してもより一層の効果が得られる。
フィラメントを切断する位置も、切断に用いる装置によ
っては、必ずしも整列台(2)の近傍であることは必要
ではなく、その他の位置、例えばレーザー光線の場合
は、整列台(2)とマルチフィラメント糸条体(M)と
が接触している位置でも可能である。
尚、マルチフィラメント糸条体(M)の把持装置の一例
として第7図の方式を示したが、必ずしもこれであるこ
とは必要ではなく、通常の糸条体引張試験機、或は強伸
度試験機と称されている装置で用いられている、圧縮空
気と空気アクチエータを用いる方式でもこれに代え得
る。
〔発明の効果〕
本発明によれば、円形断面マルチフィラメント糸条体は
勿論、従来の装置では計数することができなかった異形
断面マルチフィラメント糸条体、或は断面が円形であっ
ても表面があばた状になっている湿式紡糸にて得られた
アクリルのマルチフィラメント糸条体等、光学的方法に
よっては構成フィラメント本数の計数できないマルチフ
ィラメント糸条体の構成フィラメント本数の計数が可能
になった。
また本発明によれば上記した種々のマルチフィラメント
糸条体の構成フィラメント本数が正確且つ速やかに自動
計数し得るので、フィラメント検査工程の作業能率が向
上し大幅な省力(省人)化が図れる。
更に、本発明装置の一部である分繊装置により計数前の
マルチフィラメント糸条体を摩擦し、その結果生じた静
電気により単糸フィラメント単位に分繊させるので、容
易にマルチフィラメント糸条体を一層に配列させること
ができる。従って、フィラメント本数の計数値がより信
頼性の高いものとなる。
特に今後異形断面糸の生産比率の高まるナイロン、ポリ
エステルのフィラメント糸を生産する業界にあっては、
フィラメント本数が異なる糸条を繊編工程により前に確
率高く抽出排除することによって織編物の不良品を低減
出来るので、本発明装置は、有用な品質管理・生産管理
用計測器となり得る。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b),(c)は本発明を実施する装置
の一例を示す説明図で、同(a)は全体構成を示す平面
図、同(b)は計数装置の説明図、同(c)は分繊装置
の説明図、第2図は整列台上のフィラメント接触部の拡
大平面図、第3図はマルチフィラメント糸条体の横断面
図、第4図は単糸フィラメントの整列状態を示す説明
図、第5図は単糸フィラメントを遂次切断したときの糸
条体の張力の段階的下降状態を計測したチャート、第6
図はマルチフィラメント糸条体を把持部に載置した状態
を示す説明図、第7図は同把持部の側面図、第8図は整
列台のフィラメント接触部の拡大横断面図、第9図は整
列台の下部に設けた振動発生部の説明図、第10図はデー
タ処理部のシステムブロック図、第11図は単糸フィラメ
ントが複数本同時に切断したパターンを含む糸条体の張
力下降チャート、第12図は分繊装置のカバーを取り外し
た状態の平面図、第13図(a),(b)は別の実施例の
整列台の振動発生部の説明図で、同(a)はその側面
図、同(b)はそのY1−Y2方向断面図、第14図は第13図
に対応する振動発生方式のブロック図、第15図は別の振
動発生方式のブロック図、第16図はその他の振動発生方
式の説明図、第17図(a),(b)は円形刃の回転手段
の説明図であり、同(a)はその構成を示す側面図、同
(b)は同じくそのX1−X2部分の側面図である。 (F)……単糸フィラメント、 (M)……マルチフィラメント糸条体、 (P)……分繊装置、(Q)……計数装置、 (1),(1′)……把持部、(2)……整列台、 (3)……刃物(切断手段)、(4)……張力センサ、 (5)……データ処理部、(6),(6′)……可動ア
ーム、 (7),(7′)……下方糸条ニップ部材、 (8),(8′)……上方糸条ニップ部材、 (9),(9′)……糸条把持装置、(10)……支持
軸、 (11)……U形スプリング、(12)……可動ロッド、 (13),(14)……曲面、(15)……張力計アンプ、 (16)……A/D変換器、 (17)……マイクロコンピュータ、 (18)……表示装置、(19),(19′)……作用端、 (20)……振動発生部、(2a)……端部、 (2b),(2c)……超音波振動子、(2d)……電極、 (21)……整列台振動片、(210)……空隙部、 (211)……磁芯、(212)……抑え金具、 (213)……ネジ、(214)……励磁コイル、 (215)……機械的フィードバックループ、 (216)……可変周波数発振器、 (217)……可変抵抗器、(218)……増幅器、 (219)……抵抗線歪ゲージ、(220)……電歪素子、 (221),(222)……リード線、(30)……回転手段、 (311)……前後移動アーム、(312)……取付軸、 (313)……A歯車、(314)……B歯車、 (315)……C歯車、(316)……爪バネ、 (317)……止め金具、(318)……基板、 (319)……ロッド、 (50),(51)……回転駆動体、(52)……摩擦ロー
ラ、 (53)……接触体、(53a)……スプリング、 (54)……カバー、(60)……モータ、 (61),(62)……タイミングベルト式伝動装置、 (501),(502),(511),(512)……段付円盤、 (503),(513)……ソレノイドコイル(吸着手段)、 (504),(514)……回転軸、 (505),(506),(515),(516)……軸受、 (520)……(摩擦ローラの)中央部、 (521),(522)……(摩擦ローラの)端部。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マルチフィラメント糸条体の構成フィラメ
    ント本数を計数する際に用いる装置であって、上部表面
    でマルチフィラメント糸条体を摩擦して分繊する摩擦ロ
    ーラを備えた分繊装置と、 所要間隔を介して設けられマルチフィラメント糸条体を
    ニップする1組の把持部と、該両把持部の中間に位置し
    前記マルチフィラメント糸条体を適宜張力下で圧接しな
    がら整列させる整列台と、該整列台の近傍に設けられマ
    ルチフィラメント糸条体の構成フィラメントを遂次切断
    する切断手段と、前記マルチフィラメント糸条体の切断
    に伴う張力下降状態を計測する張力センサと、該張力セ
    ンサが計測した張力の段階的下降状態を示すデータより
    構成フィラメント本数を決定するデータ処理部とを備え
    た計数装置と から構成されることを特徴とするマルチフィラメント糸
    条体の構成フィラメント本数を計数する装置。
  2. 【請求項2】前記分繊装置の摩擦ローラの下方に接触体
    を設け、前記摩擦ローラの下部表面に摺動接触させるよ
    うに構成した請求項(1)記載のマルチフィラメント糸
    条体の構成フィラメント本数を計数する装置。
  3. 【請求項3】前記分繊装置に積極回転する回転駆動体を
    設け、前記摩擦ローラに外接して回転を伝えるように構
    成した請求項(1)又は(2)記載のマルチフィラメン
    ト糸条体の構成フィラメント本数を計数する装置。
  4. 【請求項4】前記回転駆動体が外接する摩擦ローラを磁
    力にて吸着しながら回転を伝える吸着手段を有したもの
    である請求項(3)記載のマルチフィラメント糸条体の
    構成フィラメント本数を計数する装置。
  5. 【請求項5】前記計数装置の切断手段が刃物である請求
    項(1)ないし(4)のいずれか一項に記載のマルチフ
    ィラメント糸条体の構成フィラメント本数を計数する装
    置。
  6. 【請求項6】前記計数装置の整列台に張力センサの固有
    振動周波数以上の振動を付与する振動発生部を設け、整
    列台上のマルチフィラメント糸条体に振動を与えた状態
    で前記刃物を接触させるように構成した請求項(5)記
    載のマルチフィラメント糸条体の構成フィラメント本数
    を計測する装置。
  7. 【請求項7】前記刃物の取付台に張力センサの固有振動
    周波数以上の振動を付与する振動発生部を設け、刃物に
    振動を付与するように構成した請求項(5)又は(6)
    記載のマルチフィラメント糸条体の構成フィラメント本
    数を計数する装置。
  8. 【請求項8】前記刃物を円形刃とし、マルチフィラメン
    ト糸条体を切断する作用位置を適宜間隔にて移動させる
    円形刃の回転手段を備えた請求項(5)ないし(7)の
    いずれか一項に記載のマルチフィラメント糸条体の構成
    フィラメント本数を計数する装置。
  9. 【請求項9】前記計数装置の切断手段がレーザー光線で
    ある請求項(1)ないし(4)のいずれか一項に記載の
    マルチフィラメント糸条体の構成フィラメント本数を計
    数する装置。
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JP1178542A Expired - Lifetime JPH077436B2 (ja) 1988-11-16 1989-07-10 マルチフィラメント糸条体の構成フィラメント本数を計数する装置

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