JPH0773809B2 - 鼓形ウォーム用ピニオン形研削工具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は鼓形ウォーム研削工具に関するものである。

（従来技術及び問題点） 従来、鼓形ウォーム素材13の研削は第６図に示す如く、
工具ヘッド11に取付けられた平面或いは円錐面等の研削
面を有する円形砥石（図では円錐工具12）を工具ヘッド
11の軸を中心にモータ10により回転駆動させながら、か
つ鼓形ウォーム素材13を加工して作られるウォームホブ
により切削される予定のホイールの軸O₂を中心に一定角
度θ内で揺動運動させることにより行われている。この
方法では工具ヘッド11の動きは揺動軌道線の両端で速度
０となり、研削能率が悪くなる。

又多条ウォームでは割り出しの必要があり、さらにウォ
ームのサイズ、減速比が変わると第７図に示すようなウ
ォーム軸とホイール軸との中心間距離ｅのセット、工具
円錐面の頂点O₃の位置a,bのセット、xy平面に対する工
具傾き角δ（ウォームねじの切削に使用した切削工具の
傾き角δと同一の角である）のセット等工具セッティン
グのために多くの段取時間を必要とする。

（発明の目的） この発明は前記従来技術の問題点を解決するために案出
されたもので、ウォーム歯研工程における加工能率の向
上を目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） ピニオン形カッター取付台の外周に、該取付台の軸に対
してウォームねじの切削に使用した切削工具の傾き角と
同一の角δを持つスリット溝を設け、該スリット溝に、
円形砥石を用いて前記ウォームねじを研削した場合に、
該円形砥石の研削面と該ウォームねじのねじ面との接触
線が表れる該円形砥石の一部分と同形の砥石又はその一
部を切刃としたシェービングカッターを固定した。

（発明の実施例） 以下発明の実施例を図面第１図〜第４図に基いて説明す
る。第１図は本発明の鼓形ウォーム用ピニオン形研削工
具の平面図を示し、１はピニオン形カッター取付台、２
は該取付台１に取付けられたカッターである。取付台１
の軸心は鼓形ウォーム素材13を加工して作られるウォー
ムホブにより切削される予定のホイールの軸心と一致す
るよう設けられている。このカッター２は断面が楔状を
したカッター固定具３により、スリット溝５内に取付け
られる。スリット溝５はカッター取付台１の軸心Ｌ−Ｌ
に対して角δ（＝カッター傾き角）をもって、該取付台
１の外周に設けられている。角δは鼓形ウォーム素材13
の進み角に対応するねじ切削工具の傾き角と等しくなる
ように設定されている。４はカッター固定具３をスリッ
ト溝５内に固定する締付ボルトである。

第４図に示されるように、円形砥石６でウォーム素材13
を研削する場合、円形砥石６をウォーム素材13の進み角
等を考慮してウォーム素材13のねじ面に対して揺動運動
させながら研削を行うのであるが、円形砥石６の実際に
使用する範囲（ウォーム素材13のねじ面と円形砥石６の
研削面が接触する範囲）は限られている。そこで本発明
の前記カッター２は円形砥石６をウォーム素材13の進み
角に対応して揺動運動させたときに円形砥石６上にウォ
ームとの接触線７が現れる範囲、即ち第４図で軸ｙの上
下にＳ宛計2S分の範囲を切り出し、カッターとしたもの
で、円形砥石６の一部と同一である。

この様なカッター２をカッター取付台１の周囲に１ケ以
上複数個設ける。

この様にしてできた組立鼓形ウォーム用ピニオン形研削
工具はサイズ、減速比毎に固有のものとなる。

尚、第１図〜第３図に示すカッター２は、円形砥石６の
一部分をカッターとしたものであるが、第５図の様に、
円形砥石６の一部分を複数個に分割した微小な切刃9,
9′・・・をカッター台８上にいくつも有した、いわゆ
るシェービングカッターに置き換えてもよい。

以下ウォーム研削作業手順について説明する。

１）組立ピニオン形研削工具を図示しないホブ盤テーブ
ル中心にセットする。

２）ホブ軸の所にねじ切り後焼入れしたウォーム素材13
をセットする。

３）中心距離ｅを合せる。

４）取付台１とウォーム素材13との芯高を合せる。

５）減速比（組立ピニオン形研削工具とウォーム素材13
との回転速度比）を合せる。

６）加工条件をセットし、研削作業を開始する。

かくしてこの組立ピニオン形研削工具はウォーム素材13
とカッター間の相対すべりにより順調に研削が行われ
る。

（効果） １）この工具を使用することにより、従来の研削段取時
間を大巾に減らすことができる。

２）この工具軸回りの一方向連続回転によりウォームね
じ面の研削を行うため、正味加工時間が大巾に短縮され
る。

３）又多段ねじの場合の割り出し作業も全く不要とな
り、総加工時間の短縮には著しいものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す鼓形ウォーム用ピニオ
ン形研削工具の平面図。 第２図は第１図のII矢視図。 第３図は第２図のIII−III断面図。 第４図は砥石上のウォームとの接触線を示す。 第５図は本発明の鼓形ウォーム用ピニオン形研削工具の
カッター切刃。 第６図は従来のウォーム研削方法を示す。 第７図は従来の研削砥石の位置を示す。 図において； １……ピニオン形カッター取付台 ２……カッター ３……カッター固定具、４……締付ボルト ５……スリット溝、６……砥石 ７……接触線、８……カッター台 9,9′……（円形砥石６の一部分を複数に分割した）微
小な切刃 10……モータ、11……工具ヘッド 12……円錐工具、13……鼓形ウォーム素材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ピニオン形カッター取付台（１）の外周
   に、該取付台（１）の軸に対してウォームねじの切削に
   使用した切削工具の傾き角（δ）と同一の角（δ）を持
   つスリット溝（５）を設け、該スリット溝（５）に、円
   形砥石を用いて前記ウォームねじを研削した場合に、該
   円形砥石の研削面と該ウォームねじのねじ面との接触線
   （７）が表れる円形砥石の一部分と同形の砥石又は該円
   形砥石の一部分を複数個に分割した微小切刃（9,9′）
   をカッター台（８）上に取付けたシェービングカッター
   を固定したことを特徴とする鼓形ウォーム用ピニオン形
   研削工具。