JPH0773724B2 - 複合ロールの製造方法 - Google Patents

複合ロールの製造方法

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JPH0773724B2
JPH0773724B2 JP1153776A JP15377689A JPH0773724B2 JP H0773724 B2 JPH0773724 B2 JP H0773724B2 JP 1153776 A JP1153776 A JP 1153776A JP 15377689 A JP15377689 A JP 15377689A JP H0773724 B2 JPH0773724 B2 JP H0773724B2
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    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B27/00Rolls, roll alloys or roll fabrication; Lubricating, cooling or heating rolls while in use

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は圧延用複合ロールや搬送用複合ローラを対象と
する圧延設備用回転体に関する。
(従来の技術および課題) 圧延用ロールには、第6図に示すように、強靱材から形
成された軸32に圧延用ロール材から形成されたスリーブ
33が焼ばめによって装着固定された複合ロール31があ
る。該ロール31を圧延に供する際に、圧延設備上の利用
などにより、ロール31の軸間距離や軸径に制約があるた
め、スリーブ33を十分厚く形成することができない場合
がある。スリーブ33が薄い場合には、スリーブ33の焼ば
め固定のための締付力を強くすることができないため、
ロール31に偏荷重が作用した際などに、スリーブ33が軸
方向に移動する、いわゆる、ずれが発生し易いという問
題がある。また、スリーブの破壊に至ることもある。
上述のスリーブのずれ発生の問題は、第6図と同様の構
造の搬送用複合ローラにおいても発生する。上記問題点
を解決するため、実開昭57−60758号公報に開示されて
いるように、スリーブとロール軸をろう材によりろう接
された複合ロールが提案されているが、強度に起因する
接合強度の向上の要求に十分応えているとはいえないの
が実情である。特に、胴長の長いロールにおいては、ろ
う材の被着・充填が不均一になるため接合強度が低下
し、未だ、ずれが発生し易いという問題が残されてい
る。
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたもので、スリー
ブが薄く、胴長の長い場合でも軸とスリーブの間にずれ
が発生し難い複合ロールの好適な製造方法を提供するこ
とを目的としている。
(課題を解決するための手段) 上述の目的を達成するために本発明は、芯材たる軸と外
層を形成するスリーブとから成る複合ロールの製造方法
において、前記軸の外周面と前記スリーブの内周面との
間にろう付箔を介在させて、軸とスリーブを組立てた後
加熱して、ろう付箔を溶融し、軸とスリーブとをろう付
する。又、胴長の長いロールの場合、軸とスリーブを組
立て、該組立体を起立状態において加熱して、ろう付箔
を溶融させ、スリーブの下端に設けたろう材流出防止手
段により溶融したろう材の流出を防止しつつ、スリーブ
の下端側から上端側へ向って順次冷却するのが好適であ
る。特に、テープ状のろう付箔を軸の外周面に巻付ける
のが良い。
(作 用) 本発明の複合ロールは、軸とスリーブとをろう付で接合
するので、該接合強度はスリーブの厚さによって影響さ
れることがなく、しかも極めて高い接合強度を容易に得
ることができる。このため、スリーブのずれや割損の発
生を防止することができる。
そして、上記軸とスリーブとのろう付に際しては、箔状
に形成されたろう材(すなわち、ろう付箔)を用いれ
ば、該ろう付箔は薄いうえ均一な厚さであるから、軸外
周面に巻きつけたり、貼り着けたりすることによって、
軸外周面にろう材を均一に被着することができる。この
ため、軸とスリーブと隙間にろう材を均一かつ十分に充
てんすることができる。さらに、ろう材の被着作業を極
めて簡単かつ迅速に行なうことができる。また、軸とス
リーブとの隙間を小さくすることができるので、ろう付
部分の接合強度をよりいっそう向上することができるう
え、急速な加熱によって短時間でろう材を溶融すること
ができる。
さらに、胴長の長い複合ロールの場合、スリーブの下端
にろう材流出防止手段を設ければ、前記防止手段がスリ
ーブの下端側となるように起立させた状態で加熱し、ろ
う材を溶融しても、ろう材の流出を防止することができ
る。このため、軸とスリーブとの隙間に溶融したろう材
を完全に充満させ、均一で健全なろう材層を軸方向に亘
り確実に形成することができる。
また、ろう付後、スリーブの下端側から上端側に向って
順次冷却すれば、軸とスリーブとの隙間に充満した溶融
状態のろう材の凝固(すなわち、ろう付)が、スリーブ
の下端側から上端側に向って順次進行するので、冷却に
際して、軸方向の歪の発生を防止することができる。
(実施例) 以下に本発明について説明する。
第1図は本発明の実施例に係る複合ロール1を示したも
ので、該ロール1は強靱材から形成された軸2に耐摩耗
材から形成されたスリーブ3が、ろう付されている。
本発明のろう付に使用するろう材は、既述の通り、圧延
設備用回転体の軸とスリーブとを接合するものであり、
該回転体の使用時に前記の軸とスリーブの間にすべりを
生じない程度の接合強度を備えたものであればよい。該
接合強度としては、ロール軸とスリーブとを焼ばめ固定
する際に、圧延に必要なトルク伝達のために通常必要と
される締付応力と同程度であればよい。
上述の接合強度を有するろう材としては、たとえば、銀
ろう、銅ろう、黄銅ろう、ニッケルろうなどの各種ろう
材や、Ni基、Co基、Al基などの合金材溶湯から急冷凝固
して得られる急冷凝固ろう材、または、急冷凝固によっ
てアモルファス化されたアモルファスろう材などを掲げ
ることができる。特に、Ni基合金から成るろう材は、比
較的低融点で溶融し、ろうの流動性が大きく、鋳鉄や鋼
との濡れ性も良いので、軸とスリーブとの狭い隙間に侵
入し易く、扱い易い。また、該Ni基合金は鉄に対する拡
散性が良いので、ろう材と軸およびスリーブ(母材)と
の境界部で十分な拡散接合が行なわれ、接合部において
引張強さとして130〜200MPa程度の高い接合強度が得ら
れるなどの特徴があり、本発明のろう材として好適であ
る。
また、本発明の圧延設備用回転体の圧延用または搬送用
スリーブを形成する高硬度の対摩耗材としては、たとえ
ば、第1表に示した耐摩耗材を掲げることができる。
一方、圧延設備用回転体の軸を形成する強靱材として
は、たとえば、機械構造用炭素鋼材やCr−Mo鋼材、Ni−
Cr−Mo鋼材などの高強度の構造用鋼材、あるいは、鋳鋼
材、黒鉛鋼材、ダクタイル鋳鉄材などを掲げることがで
きる。
上記複合ロール1のろう付方法としては、たとえば、軸
2とスリーブ3との隙間に溶融したろう材を侵入、充て
んする方法や、軸2外周面にペースト状のろう材を塗布
しておき、スリーブ3を挿入した後ろう付温度に加熱す
る方法、あるいは、軸2外周面にろう材を溶射してろう
材層を形成した後、スリーブ3を挿入してろう付温度に
加熱する方法などがあり、適宜の方法を選択することが
できる。
特に、既述のろう材を箔状に形成したろう付箔を軸外周
面に固定した後スリーブを挿入してろう付温度に加熱す
る方法は、軸とスリーブとの隙間にろう材を均一かつ十
分に充てんすることができる。また、軸へのろう材の被
着が簡単であるうえ、ろう付作業も短時間で行なうこと
ができるなどの利点があるので、ろう付方法としては好
適である。
前記ろう付箔としては、特に、急冷凝固ろう付箔やアモ
ルファスろう付箔が好ましい。これらろう付箔は、通
常、靱性を備えた均一で極めて薄い(25〜65μm程度)
箔であるから、軸外周面に被着し易い。また、軸とスリ
ーブとの隙間を小さくすることができるので、ろう付に
際して、溶融が速いだけでなく、ろう付部分の接合強度
を確保することができるなどの優れた特長を備えている
からである。ちなみに、Ni基金から成るアモルファスろ
う付箔は、上述の特長の他に、合金の種類が豊富で軸や
スリーブの材質に合わせて適切なろう付温度のものを選
択することができることに加えて、ろう材中の成分偏析
が少なく、溶融した後微細な結晶質のミクロ組織を形成
して軸とスリーブとを拡散接合によって強固に接合する
ので、本発明のろう付箔として好適である。尚、上記の
ろう付箔の選択において、たとえば、スリーブに既述の
高融点のハイス系材料を用いる場合には、比較的ろう付
温度の高いNi−Cr−Fe−Si−B系ろう付箔を使用する。
一方、融点の低い鋳鉄材料を用いる場合には、ろう付温
度の低いNi−Cr−P系またはNi−Pろう付箔を使用す
る。
以下に上述のろう付箔を用いた複合ロールの製造方法に
ついて説明する。
第2図は、上述のろう付箔7を外周面に被着した軸5に
スリーブ6を挿入して組み立た複合ロール組立体4を示
している。該組立体4を得るには、まず、ろう付箔7を
軸5外周面にらせん状に巻きつけた後、両端部7a,7aを
固定して軸に被着する。ろう付箔7を軸5に固定するに
は、たとえば、ろう付箔7の固定部分に電流を通じたり
トーチを使用するなどしてろうを加熱し、局部的にろう
付すればよい。尚、ろう付箔7の被着に際しては、隣接
する箔との間に隙間を生じないように軸外周面の所定部
分に被着することができればよく、らせん状に巻きつけ
るだけでなく、軸方向に平行に被着したり、周方向に平
行に巻きつけて被着してもよい。
次に、スリーブ6を上記軸5にろう付箔を介して隙間ば
めあるいは焼ばめによって締りばめして複合ロール組立
体4を得る。尚、後述するろう付の際には、接合面に圧
力が加えられた状態(締りばめ状態)で接合すると、後
述の流出防止用フランジを軸に設けなくても良好な接合
状態が得られるので、スリーブ6は焼ばめによって固定
するのが好ましい。
上記で組み立た複合ロール組立体4を加熱炉に装入し、
ろう付箔の種類に応じた適宜の雰囲気に保った状態で、
所定のろう付温度に昇熱して、ろう付箔を溶融すると共
に軸5およびスリーブ6とを接合(ろう付)する。その
後、冷却して、ろう付によって軸にスリーブが固定され
た複合ロールを得る。
尚、上述の複合ロールには、通常、ろう付後スリーブが
必要な硬度を備えるように熱処理が施されるが、スリー
ブの成分によってはろう付のための加熱後、そのまま急
冷して焼入処理を行ってもよい。
上述の複合ロール組立体4のろう付において、特に軸5
とスリーブ6とをすき間ばめをした際にろう付箔7を溶
融した場合に、スリーブ6端部の軸5との隙間から溶融
したろう材が流出し易いため、軸5とスリーブ6との隙
間をろう材で十分に満すことができず、ろう付をスリー
ブ内面の全面にわたって均一に行なうことができない問
題がある。
そこで、第3図乃至第4図に示すように、起立したロー
ルのスリーブの下端面に当接しかつ軸外周面に凸設した
フランジ部8(ろう材流出防止手段)を設け、溶融した
ろう材の流出を防止する。
該フランジ部8は、軸にスリーブを挿入した後、スリー
ブ端面に当接するようにフランジ部材を軸に挿入し、軸
外周面に溶接で固定して形成する。さらに、該フランジ
部8とスリーブ端面とを溶接により固定する。尚、前述
の軸とフランジ部材およびフランジ部8とスリーブ端面
との溶接は、溶融したろう材の流出防止のため、各々の
接合部分の全周にわたって溶接する。尚、前記フランジ
部は軸の成形加工時に軸外周面の所定の位置に軸と一体
的に形成してもよい。
そして、前記フランジン部がスリーブの下端側となる様
にロールを起立させた状態で加熱し、ろう付箔を溶融す
れば、溶融したろう材はフランジ部8によって流出が防
止されるので、軸とスリーブとの隙間を溶融したろう材
で満すことができる。従って、軸とスリーブとがスリー
ブ内面の全面にわたって均一にろう付される。
また、ろう付後の冷却が不均一な場合には、溶融したろ
う材の凝固が不均一となるため、接合後のロールに軸方
向の歪が残留することがある。この歪は、特に、胴長の
長い(即、スリーブの長い)ロールにおいて著しい。
そこで、既述の、起立した状態で加熱され、フランジ部
によって軸とスリーブの隙間に溶融したろう材が満され
た状態の組立体を、下端側から上端側に向って順次冷却
することによって、ろう材を下端側から上端側に向って
順次凝固して歪の発生を防止する。
第3図乃至第4図は上記冷却方法を示したものである。
第3図において、加熱炉9は炉底部が開口可能とされて
おり、該加熱炉の下部には図示省略した冷却ガス供給装
置から供給されたガスを噴出する冷却ガス噴出用ノズル
10が対向状に複数組かつ複数段となるよう配設されてい
る。一方、炉外の天井部分には、複合ロール組立体4の
軸5の一端部に固定された接続具11にフック等の吊り具
12を介して接続されると共に組立体4を昇降自在に吊持
ち状に支持する、図示省略の吊下装置が設置されてい
る。該装置により、前記組立体4を加熱炉9内で垂直に
支持した状態で加熱してろう材を溶融する。その後、炉
底部を開口し、該開口部から前記吊下装置によって前記
組立体4を徐々に炉外に降下させると共に前記冷却ガス
噴出用ノズル10からArやN2などの不活性ガスを炉外に出
た組立体4aに吹き付けて、スリーブの下端側から順次冷
却する。
また、第4図は、加熱炉13の内壁近傍位置に冷却ガス噴
出用ノズル16を垂直方向に多数備えたセラミックなどの
耐熱性部材から成る冷却ガス供給器15を炉内の対向する
位置に複数組配設した例を示している。尚、該供給器15
は炉外の図示省略した冷却ガス供給装置と接続されてい
る。該炉13において、複合ロール組立体4は軸の上、下
両端部を保持具14,14によって起立した状態に保持され
ており、この状態で加熱してろう材を溶融する。その
後、前記冷却ガス供給器15の下端の冷却ガス噴出用ノズ
ル16aから不活性ガスをスリーブ6に吹き付けて前記ス
リーブ6の下端部を冷却する。次に、前記噴出用ノズル
16aのひとつ上の冷却ガス噴出用ノズル16bから不活性ガ
スを吹き付けて、スリーブの前記操作で冷却した部分よ
り上側を冷却する。前述の様にして、順次、スリーブ6
の下端側から上端側へ向って不活性ガスを吹きつけると
共にスリーブ6を下側から順次冷却する。
尚、前記冷却ガス噴出用ノズルは、炉壁の対向する位置
に複数組、かつ、スリーブを順次冷却できるよう複数段
設けてもよい。
尚、本実施例ではスリーブが耐摩耗材から形成された複
合ロールについて述べたが、これに限るものではなく、
第5図に示す複合ロール17のように、スリーブが耐摩耗
材から成る外層20と強靱材から成る内層19とが鋳造によ
り溶着形成された複合スリーブ21を軸18に固定する場合
にも適用することができる。さらに、上記複合スリーブ
21は、前記外層20と内層19とをろう付によって接合した
ものでもよい。
また、本実施例では圧延用複合ロールについて述べた
が、本発明は第1図および第5図に示した実施例の複合
ロールと同様の構造の搬送用複合ローラについても適用
できるのはもちろんである。尚、ローラとして使用する
際には、スリーブは既述の高硬度の耐摩耗材の他、適宜
の耐摩耗材を使用することができる。
以下に具体的製造例について説明する。
第2表に示す組成を有するハイス系材料から外径43
5mmφ,内径315mmφ,胴長1450mmφの円筒状スリーブを
製作した。
軸材としてJIS SCM−4から成る鋼材を機械加工
し、スリーブ接合部の外径が315.3mmφの軸を製作し
た。
の軸のスリーブ接合部の外周面に第2図の如く、
第3表および第4表に示すNi基合金から成るアモルファ
スろう付箔を隙間なく巻きつけた後、箔の両端の一部を
加熱して軸に溶着固定した。
尚、前記ろう付箔は、厚さ40μm、幅50mmであった。
で得たスリーブを300℃に加熱後、で得たろう
付箔を外周面に被着した軸の、所定の位置に挿入して冷
却し、焼ばめによって軸に固定して複合ロール組立体を
得た。
で得た組立体の軸の一端側から流出防止用フラン
ジ部材を挿入し、スリーブの同端側端面に当接した状態
で前記フランジ部材を溶接により軸に固定して流出防止
用フランジ部を形成した。さらに、スリーブ端面と前記
フランジ部を溶接により固定した。前記溶接はいずれも
接合部分の全周にわたって行った。
の組立体を第4図に示した冷却ガス供給器を備え
た加熱炉に装入し、のフランジ部が下側となる様に起
立させた状態で支持した。
加熱炉内をN2ガス雰囲気とした後加熱し、1040℃で
4時間保持して軸とスリーブとをろう付によって拡散接
合した。
冷却に際しては第4図に示した如く、まず冷却ガス
供給器の下端の冷却ガス噴出用ノズルから低温のN2ガス
を噴出させ、順次上方のノズルからN2ガスを噴出させ
て、スリーブを下端側から順次冷却した。
上述の操作で得た複合ロールからろう付部分を含む
試料を採取し、接合強度を調査したところ、引張強さで
144〜185MPaであった。またスリーブの外周面全体にわ
たって超音波探傷試験を実施した結果、該スリーブは全
面積にわたり、軸と完全に接合していることが確認でき
た。尚、本発明の複合ロールは、圧延用複合ロールや搬
送用複合ローラなどの圧延設備用回転体に使用すること
ができる。
(発明の効果) 上述の通り本発明では、圧延設備用回転体の軸とスリー
ブとをろう付によって接合したので、軸とスリーブとの
接合強度はスリーブの厚さに影響されることがなく、極
めて高い接合強度を容易に得ることができる。このた
め、スリーブのずれや割損の発生を防止することができ
る。
また、軸とスリーブとのろう付に際しては、軸の外周面
とスリーブの内周面との間にろう付箔を介在させて、軸
とスリーブを組立てた後加熱して、ろう付箔を溶融する
と共に軸とスリーブとをろう付する。前記ろう付箔は薄
く均一な厚さであるから、軸外周面にろう材を均一に被
着することができる。このため、軸とスリーブとの隙間
にろう材を均一かつ十分に充てんすることができるの
で、両者の接合強度を向上することができる。また、軸
とスリーブとの隙間を小さくすることができるので、ろ
う付部分の接合強度をよりいっそう向上することができ
るうえ、急速な加熱によって短時間でろう材を溶融する
ことができる。従って、ろう付作業を短時間で行なうこ
とができ、生産性に優れている。
また、胴長の長い複合ロールにおいては、上記ろう付作
業の際に、スリーブの下端に設けたろう材流出防止手段
によって溶融したろう材の流出を防止しつつ軸にスリー
ブをろう付した後、前記スリーブの下端側から上端側へ
向って順次冷却すれば、軸とスリーブとの隙間に溶融し
たろう材を完全に充満させて均一で健全なろう材層を軸
方向にわたり確実に形成することができるので、接合強
度をよりいっそう向上することができる。また、溶融し
たろう材の不均一な凝固に起因する歪の発生も防止する
ことができる。従って、回転体の品質向上に資すること
ができる。更に、テープ状のろう付箔を軸の外周面に巻
付けて被着するため、ろう材の被着作業が極めて簡単か
つ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係る複合ロールの断面図、第
2図は軸外周面にろう付箔が被着された複合ロール組立
体を示す説明図、第3図は第2図の組立体のろう付およ
び冷却方法を示す説明図、第4図は第2図の組立体の他
の冷却方法を示す説明図、第5図は本発明の他の実施例
に係る複合ロールを示す断面図、第6図は従来の複合ロ
ールを示す断面図である。 1,17……複合ロール、2,5……軸、3,6……スリーブ、7
……ろう付箔、8……フランジ部、10,16……冷却ガス
噴出用ノズル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森川 長 兵庫県尼崎市西向島町64番地 久保田工株 式会社尼崎工場内 (72)発明者 前家 信朗 兵庫県尼崎市西向島町64番地 久保田工株 式会社尼崎工場内 (56)参考文献 特開 昭49−105749(JP,A) 特開 平3−18405(JP,A) 実開 昭57−60758(JP,U) 実開 平1−60701 (JP,U) 実開 昭57−65754(JP,U)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯材たる軸と外層を形成するスリーブとか
    らなる複合ロールの製造方法において、 前記軸(5)の外周面と前記スリーブ(6)の内周面と
    の間にろう付箔(7)を介在させて、軸(5)とスリー
    ブ(6)を組立てた後加熱して、前記ろう付箔(7)を
    溶融し、軸(5)とスリーブ(6)とをろう付すること
    を特徴とする複合ロールの製造方法。
  2. 【請求項2】芯材たる軸と外層を形成するスリーブとか
    らなる軸径に比して胴長の長い複合ロールの製造方法に
    おいて、 前記軸(5)の外周面と前記スリーブ(6)の内周面と
    の間にろう付箔(7)を介在させて、軸(5)とスリー
    ブ(6)を組立て、該組立体を起立状態において加熱し
    て、前記ろう付箔(7)を溶融させ、前記スリーブ
    (6)の下端に設けたろう材流出防止手段により溶融し
    たろう材の流出を防止しつつ、前記スリーブ(6)の下
    端側から上端側へ向って順次冷却することを特徴とする
    複合ロールの製造方法。
  3. 【請求項3】ろう付箔(7)はテープ状であり、軸
    (5)の外周面に巻付けられていることを特徴とする請
    求項(1)又は(2)に記載の複合ロールの製造方法。
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