JPH0773332A - 画像認識装置及び方法 - Google Patents

画像認識装置及び方法

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JPH0773332A
JPH0773332A JP4164388A JP16438892A JPH0773332A JP H0773332 A JPH0773332 A JP H0773332A JP 4164388 A JP4164388 A JP 4164388A JP 16438892 A JP16438892 A JP 16438892A JP H0773332 A JPH0773332 A JP H0773332A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、従来の画像処理技術におい
ては不得意であった物体(あるいは領域)の認識を人間
の初期視知覚を模倣した放射投影法を用いることによっ
て、高速に実現することができる画像認識装置及び方法
を提供するものである。 【構成】 放射投影法は、本質的には物体の大きさ・形
状には依存しない放射状フレームと放射状フレームへの
物体の特徴の投影ならびにその投影を用いた物体の境界
の判断から構成される。この方法を用いることによっ
て、画像中の様々な形状・大きさの物体を高速にかつ正
確に検出することが可能であり、さらに、検出した物体
のおおまかな形状並びに大きさを瞬時に判断することが
可能となる。なお、本発明にはこの放射投影法を材料中
の欠陥及び割れの認識に応用する方法と放射投影法を用
いての高速に物体を捕捉するための装置を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的には画像認識装
置及び方法に関し、更に具体的には、従来の画像処理技
術においては不得意であった物体(或いは領域)の認識
を人間の初期視知覚を模倣した放射投影法を用いること
によって、高速に実現することができる画像認識装置及
び方法に関する。
【0002】放射投影法は、本質的には物体の大きさ・
形状には依存しない放射状フレームと放射状フレームへ
の物体の特徴の投影ならびその投影を用いた物体の境界
の判断から構成される。この方法を用いることによっ
て、画像中の様々な形状・大きさの物体を高速にかつ正
確に検出することが可能であり、さらに、検出した物体
のおおまかな形状並びに大きさを瞬時に判断することが
可能となる。なお、本発明にはこの放射投影法を材料中
の欠陥及び割れの認識に応用する方法と放射投影法を用
いての高速に物体を捕捉するための装置を含む。
【0003】
【従来の技術】画像中の物体或いは領域を認識する方
法、更に具体的に材料中の欠陥及び割れを高速に認識す
る方法には従来以下の技術がある。
【0004】(1)欠陥領域の抽出に対する従来技術 従来技術の説明として、画像処理技術を用いた材料の表
面或いは内部に存在するきずとか割れといった欠陥の自
動抽出を取り上げる。通常、これらの欠陥を含む画像に
は背景が存在し、欠陥の大きさは大小様々でありその形
状も様々である。濃淡画像 (白黒) においては欠陥の部
分は周囲と異なった色合いを示し (例えば、黒っぽい領
域とか細長い黒っぽい線のように表現される) 、視覚で
は容易に識別することができる。しかしながら、従来の
画像処理技術では欠陥の大きさが様々であるためこのよ
うな欠陥を直接認識することは非常に困難である。後述
する溶接部のX線透過写真からの欠陥部の認識を例にと
ると、従来技術は図24乃至図26のようにまとめられる。
このような従来技術は、輿水大和、村上和人による文
献, "溶接部画像処理システム",目視検査の自動化技術
調査委員会編:“画像処理による目視検査の自動化事例
集",新技術コミュニケーションズ,(1991.3),pp.22-32に
開示されている通りである。図24において画像メモリに
入力された原画像に対して次のような処理が順に行われ
る。
【0005】(a)雑音除去/平滑化処理:ノイズを多
く含むような画像に対しては、次の強調処理を行う前に
必ず行う処理であるが、目視でも微妙な濃淡の変化とし
か見えないような微小な割れ等は、この処理によってそ
の後の検出ができなくなる恐れがある。
【0006】(b)強調処理:主な強調処理は図26に示
すような2次元の空間フィルタを利用している。検出対
象の画像的特徴をなるべく考慮した種々の空間フィルタ
が1つ以上組み合わされて用いられているが、オペレー
タの大きさは演算時間と効果の点から制限されている。
通常は、3×3から5×5程度の大きさのものがハード
ウェアとして実現されているため主に用いられるが、検
出対象の大きさが定まらない欠陥のような対象に対して
は、オペレータの最適な選択は不可能である。一方、図
25のように画像の濃度断面形状の特徴を利用した強調処
理もあるが、検出対象の大きさの変化には対応しにくい
こと、また、滑らかな曲線を作成するのにかなりの演算
時間を要すること (最小自乗法などを用いる場合) など
の本質的な問題点が存在する。
【0007】(c)欠陥候補領域の抽出 (閾値) :上記
(b)の強調処理は本質的には検出対象の全体的な形状
をとらえているのではないので、欠陥候補領域の抽出の
感度を上げると(閾値を変えることによって実現す
る)、欠陥でない健全部も多く抽出されてしまう恐れが
ある。逆に、感度を下げると抽出できない欠陥が増加
し、欠陥検査としては使用できない。
【0008】(d)特徴量の計算:上記(c)で抽出さ
れた欠陥候補領域には多くの健全部が含まれる恐れがあ
るため、欠陥部と健全部との違いを表すための特徴量の
計算が必要である。また、後述する溶接部の欠陥では欠
陥の種類が様々あるため、欠陥部と健全部との識別には
多くの特徴量の計算が必要となる。
【0009】以上のように、大きさと形状が不定である
欠陥に対しては、従来技術は、非常に非力である。そし
て、その非力をカバーするために、後述の溶接部の欠陥
のような対象によっては、欠陥候補領域の抽出後の処理
が非常に複雑かつ膨大となりエキスパートシステムを構
築しなければ対処できないのが現状である。この点につ
いては、例えば以下の2つの文献に開示されている通り
である。即ち、加藤雄平, 奥村孝章, 糸賀興右, 原田鉄
造, 杉本幸治, 道場康二, 井内貞夫:“放射線透過写真
の自動合否判定システムの開発 (第1報) 画像処理によ
る欠陥像の抽出",非破壊検査,vol.41,No.4,(1992.4),p
p.186/195. 及び加藤雄平, 奥村孝章, 糸賀興右, 原田
鉄造, 杉本幸治, 道場康二, 川野征士郎:“放射線透過
写真の自動合否判定システムの開発 (第2報) 溶接欠陥
の種類識別機能の開発",非破壊検査,vol.41,No.4,(199
2.4),pp.196/206. である。
【0010】(2)視覚機能の一部を模倣した関心領域
の高速な認識法 関心 (欠陥) 領域を画像中から効率よく高速に認識する
ために、観測に用いる空間分解能を変化させ、最初は粗
く観察し、関心領域の疑いのある領域を次第に詳細に観
察しようとする、人間の視覚機能の一部を模倣した方法
として、ピラミッド法、4分木法と呼ばれる階層的手法
が古くから提案されている。この点については、例え
ば、河野嗣男編:“先端産業における表面欠陥検査法",
アイピーシー,(1989.12),pp.57/90.に開示されている通
りである。しかしながら、欠陥の大きさは様々であると
ともに、割れなどを含む微小な欠陥は画像中では微妙な
色合いとして表現されることが多いため、粗く観察する
時点で見落としてしまう恐れがある。従って、この手法
は欠陥検査には不向きである。
【0011】(3)物体の大きさと形状の認識 2値の図形画像に対する特徴量の計算は、通常の画像処
理装置のソフトウェアに付随しており、周囲長、面積、
最大径、最小径、重心など様々な計算が行える。しかし
ながら、その図形がどのような形状をしているのか、例
えば、丸っぽいとか四角っぽいとかのような視覚では容
易に表現することができても同じことを行わせようとす
ると、従来手法では非常に大変な計算を必要とする。例
えば、その図形形状が、丸とか四角とかを判断しようと
すると輪郭に対して、直線を当てはめ輪郭が4本の直線
で構成されれば4角形と判断したり、Hough 変換により
輪郭要素を一端、別空間に投影してそこでの特徴量を用
いてその形状が丸とかを判断している。この点について
は、例えば以下の文献に開示されている通りである。即
ち、村上和人, 輿水大和:" 画像特徴抽出のためのHoug
h 変換プログラムライブラリ",日本非破壊検査協会第6
回産業における画像センシング技術シンポジウム,(199
1.7),pp.131/136. である。画像中の物体或いは領域を
認識するための画像認識装置の従来技術としては以下の
ものがある。
【0012】高速に物体を捕捉するための装置。 現在、基本的な画像処理演算 (画像間の論理演算、各種
空間フィルタ演算) は専用のLSIを用いて高速に実行
されるため、2値画像に変換してからのパターン・マッ
チングによる物体の認識は高速に行えるようになってき
ている。この点については以下の文献に開示されてい
る。即ち、目視検査の自動化技術調査委員会編:“画像
処理による目視検査の自動化事例集",新技術コミュニケ
ーションズ,(1991.3) である。また、特徴のある部分の
濃淡画像を対象画像と直接比較して物体を認識する手法
としてパターン・マッチングがあり、そのための比較演
算 (正規化相関係数の計算) を専用のLSIで高速に行
うことができるようになり、限定された環境において高
速に物体を捕捉することが可能となっている。この点に
ついては以下の文献に開示されている。即ち、水谷栄
二:“グレースケールパターンマッチングを用いたFA
用画像処理装置とその応用例",新技術コミュニケーショ
ンズ,No.141,(1991.8),pp.141/152.である。しかしなが
ら、いずれの装置も上記(2)で説明したように、対象
物の大きさと形状が不定の場合には高速に物体を捕捉す
る事は不可能である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の画像
処理技術においては不得意であった物体 (或いは領域)
の認識を人間の初期視知覚を模倣した放射投影法を用い
ることによって、高速に実現することを目的としてい
る。さらに、具体的な対象とし、材料中の欠陥および割
れの高速な抽出を実現することも目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】(1)物体或いは領域を認識する方法。 従来の画像処理技術においては不得意であった物体 (或
いは領域) の認識に対して、人間の初期視知覚を模倣し
た“放射投影法" を用いる。すなわち、物体を初期視知
覚のように形状に対しては、単に丸っぽいとか細長いと
かのように、色合い (白黒の濃淡を含む) に対しては、
黒っぽいとか、ぼんやりしているとかのような視覚的な
表現に置き換え、その表現を放射投影法で用いる“放射
状フレーム" (図3参照)に幾何学的に反映させ、物体
の特徴をその放射状フレームに投影し、その投影により
物体の境界を判断させることによって物体を認識する。
放射状フレームはその大きさ・形状は自由に変えられる
ため認識しようとする物体の大きさ・形状には本質的に
は依存しない認識を行うことができる。
【0015】(2)上記(1)の方法を用いて材料中の
欠陥及び割れを高速で認識する方法。 放射投影法を材料中の欠陥および割れに応用する。欠陥
及び割れはそれらの外形形状は複雑であっても、画像上
では必ず周囲の健全部よりも濃度の低い (或いは高い)
領域として表現されるので、この特徴を放射状フレーム
に反映させる。また、割れはその長さに比して幅が非常
に狭いため画像上では、画素単位での微妙な色合いを呈
するため検出が難しいものとされているが、それが有す
る強い方向性 (割れの向き) を放射状フレームに反映す
ることによって視覚と同レベル或いはそれ以上で認識を
行う。
【0016】(3)上記の(1)の方法を用いて高速に
物体を捕捉するための装置。 上記(1)の方法をプログラム化するとともに、認識の
ための計算を一部、ハード化し、画像入力系から一体の
画像認識装置とすることによって、極めて高速な物体の
認識を行う。
【0017】従って、本発明の構成は以下に示す通りで
ある。即ち、本発明は、画像入力系を構成する画像認識
対象物及びカメラと、制御用コンピュータと、画像出力
用モニタと、画像認識処理装置とから構成され、該画像
認識処理装置は、画像フレームメモリ或いは画像認識用
演算チップを含み、該画像フレームメモリ或いは画像認
識用演算チップを含む画像認識処理装置と制御用コンピ
ュータと画像出力用モニタは、本質的には物体の大きさ
・形状には依存しない放射状フレームを用いて画像中の
物体或いは領域を認識する画像認識プログラムにより制
御され、画像認識用演算チップにおいて画像認識のため
の演算を一部ハード化するとともに、画像入力系から一
体化構成された画像認識装置としての構成を有する。
【0018】或いはまた、本発明は、本質的には物体の
大きさ・形状には依存しない放射状フレームを用いて画
像中の物体或いは領域を認識する画像認識方法であっ
て、(i) 放射状フレームを選択するステップと、
(ii) 該放射状フレームへ物体の方向性を含む形状、
色合いの特徴を投影するステップと、(iii) その投影
を用いて物体の境界を判断するステップと、から構成さ
れ、物体の大きさ・形状には本質的には依存しない認識
を行なうことを特徴とする画像認識方法としての構成を
有する。
【0019】或いはまた、本発明は、前記放射状フレー
ムは、同心を持つ曲線群からなる放射状フレームもしく
は、フレーム中心から放射状に伸びる直線群からなる放
射状フレームもしくは、前記曲線群からなる放射状フレ
ーム及び直線群からなる放射状フレームを組み合わせた
放射状フレームであることを特徴とする画像認識方法と
しての構成を有する。
【0020】或いはまた、本発明は、前記放射状フレー
ムを選択するステップ(i)において、物体或いは領域
の形状に方向性がない場合には、同心円或いは同心の正
方形を選択し、方向性を有する長細い形状の場合には、
長軸方向が一致する同心の矩形或いは同心の楕円形状を
選択し、同心曲線の大きさは、想定される物体或いは領
域の最小と最大の大きさが対応するように最小と最大の
同心曲線を選択し、同心曲線の数と間隔は、最初は物体
或いは領域のおおよその大きさがわかる程度に選択し、
放射状の直線については、その位置・数については認識
すべき物体の形状と物体の背景とのコントラストを考慮
して選択し、同心曲線と放射状直線によって区分された
各曲線への物体の特徴の投影によって、物体の境界が存
在するかどうかを判断し、物体のおおまかな形状の認識
を行うことを特徴とする画像認識方法としての構成を有
する。
【0021】或いはまた、本発明は、前記放射状フレー
ムへ物体の方向性を含む形状、色合いの特徴を投影する
ステップ(ii)において、物体の境界は、同心円もしく
は放射状直線で区分された曲線領域間の濃度の比較によ
って把握し、領域の比較に当たっては、区分された曲線
上の特徴量として、その部分の平均の濃度を用いて、特
徴量を曲線上の代表値として表す、投影するスップを含
むことを特徴とする画像認識方法としての構成を有す
る。
【0022】或いはまた、本発明は、前記物体の境界を
判断するステップ(iii)において、境界領域に対して適
当な濃度で2値化を行い、物体或いは領域全体を2値の
図形画像として抽出し、抽出された図形画像の重心に放
射状フレームの中心を重ね、各放射状直線と図形画像が
交差している領域rijを探し、該領域rijが全て同じ隣
合う同心曲線に挟まれた領域ならばその形状はほぼ放射
状フレームの同心曲線と同じであると認識し、大きさも
同心曲線の間隔の精度で同時に認識することを特徴とす
る画像認識方法としての構成を有する。
【0023】或いはまた、本発明は、放射状フレームに
おいて同心曲線に同一の幅もしくは順次増加する幅を持
たせ統計効果を利用して明瞭でない物体或いは領域を認
識することを特徴とする画像認識方法としての構成を有
する。
【0024】或いはまた、本発明は、前記画像中の物体
或いは領域が材料中の欠陥及び割れであることを特徴と
する画像認識方法としての構成を有する。
【0025】或いはまた、本発明は、前記材料中の欠陥
及び割れは、鋼溶接部のブローホール、スラグ差込み、
融合不良、溶込み不足、熱間割れ、横割れ等の溶接欠陥
を含むことを特徴とする画像認識方法としての構成を有
する。
【0026】或いはまた、本発明は、放射状フレームの
選択において、欠陥の形状に対応して同心曲線を選択す
るとともに、複数のフレームを同時に選択可能とし、立
体形状の欠陥に対しては円或いは正方形を選択し、割れ
などの平面状の欠陥で特に方向性が強い熱間割れなどに
対しては細長の楕円或いは矩形を選択することを特徴と
する画像認識方法としての構成を有する。
【0027】
【作用】カメラ等で入力された画像について、本画像認
識装置を用いて次のような認識処理を行う。
【0028】1)検出したい物体について、最初に、その
外形を円っぽいとか四角っぽいとか細長っぽいとかのよ
うに大まかな区別を行い、物体に方向性が存在するなら
ば、それも考慮した放射状フレームを選択する。
【0029】2)物体を認識するために区分された放射状
フレームの各領域の内側と外側で濃度の比較を行うこと
によって物体の境界の判断を行う。境界ではない場合に
は順次放射状フレームを拡大し、予め想定した最大のフ
レームでも境界が見つからない場合には、その中には物
体が存在しないとして、次の座標に移動し、同じことを
繰り返す。
【0030】3)物体の境界をすべて捕捉した領域につい
て、必要が有ればその境界領域を画素単位で表示すると
ともに、そのおおまかな大きさと形状を表示・認識す
る。
【0031】
【発明の概要】次項目の実施例で説明する内容の概要を
以下に示す。最初に、高速に物体或いは領域を捕捉する
ための装置について説明を行っている。
【0032】次に、放射投影法で用いられる放射状フレ
ームの選択の方法とそれによる物体或いは領域の境界の
認識の方法を簡単に説明した後、境界認識の定式化を行
って、さらに、実際の物体の或いは領域の認識方法、物
体或いは領域の大きさと形状を認識する方法、明瞭でな
い物体或いは領域の認識について説明を行っている。
【0033】最後に、材料中の欠陥及び割れを高速に認
識する方法を鋼板の突合わせ溶接部のX線透過写真フィ
ルムからの画像を用いて説明を行っている。具体的に
は、検出対象の説明と画像の入力方法、欠陥検出のアル
ゴリズム、そして、従来手法では非常に検出が困難であ
った割れに対する認識方法を説明している。
【0034】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の詳細を具体
的に説明する。
【0035】(1)高速に物体或いは領域を捕捉するための装置 図1は本発明の実施例としての画像認識装置の模式的構
成図を示す。図1において、1は現象フィルム, 2はI
TVカメラ,3は透過光照明ボックス, 4は制御用パソ
コン, 5は画像出力用モニタ, 6は画像フレームメモリ
或いは画像認識用演算チップ等を含む画像認識処理装置
である。
【0036】図1は本発明の実施例であり、認識対象物
としては現像フィルム上の物体或いは領域を想定してい
る。より一般的には、1〜3の構成要素は認識対象物と
カメラのみでもよいであろう。画像認識処理装置6とは
制御用コンピュータ4及び画像出力用モニタ5とともに
認識対象物の形状・色合い等を放射状フレームを用いて
認識する画像認識プログラムを実行する構成要素であ
る。このために、画像認識用演算チップを含み、画像認
識のための演算を一部ハード化するように構成してもよ
い。
【0037】(2)画像中の物体或いは領域を認識する方法 図2乃至図9を参照して本発明の画像中の物体或いは領
域を認識する方法について説明する。
【0038】人間はある画像を見たとき、容易に明るさ
の違いによって領域を区別し、明るさの変化する境界を
見つけることができる。また、人間は回転や拡大縮小し
た図形を容易に認識することができる。このような人間
の初期視知覚の特徴を利用した物体の認識方法を実現す
る手段として、本発明の一つである図4に示す放射状フ
レームを利用した放射投影法を用いる。放射状フレーム
は図2の同心を持つ曲線群と図3のフレームの中心から
放射状にのびる直線群からなる2重構造をもつ。同心の
曲線群としては図2乃至図4のような円形群の他、正方
形群、矩形群、楕円群のような様々な曲線が利用でき
る。一方、放射状の直線群は物体の境界を判断したり、
おおよその形状を認識したりするのに用いる。しかしな
がら、放射状フレームは常に2重構造である必要はな
く、認識する物体或いは問題によっては同心の曲線群の
み或いは直線群のみで構成されてもよい。
【0039】このような放射状フレームを利用した放射
投影法を用いて任意の形状・大きさの物体或いは領域を
認識する方法を図5を用いて説明する。
【0040】(a)放射状フレームの選択 認識すべき物体或いは領域の大きさと形状 (方向性を含
む) によって、放射状フレームを選択する。物体或いは
領域のおおよその形状が丸っぽい場合、或いは形状は丸
っぽくはないが、方向性がない場合には、同心円或いは
同心の正方形を選択する。なお、正方形を用いる理由は
フレーム上での座標の計算が円より容易なためである。
方向性を有する長細い形状ならば長軸方向が一致する矩
形或いは楕円形状を選択する。同心曲線の大きさは、想
定される物体或いは領域の最小と最大の大きさが対応す
るように最小と最大の同心曲線を選択する。同心曲線の
数と間隔は、最初は物体或いは領域のおおよその大きさ
がわかる程度に選択する。
【0041】放射状の直線については、その位置・数に
ついては認識すべき物体の形状と物体の背景とのコント
ラストを考慮して選択する。これは、同心曲線と放射状
直線によって区分された各曲線への物体の特徴の投影に
よって、物体の境界が存在するかどうかの判断を行うた
めと、物体のおおまかな形状の認識を行うためである。
【0042】(b)物体或いは領域の境界の認識 多くの場合、人間が物体 (或いは領域) を認識する際に
は、その境界の内側と外側での明るさの違いを利用して
いる。同じことを図5の放射状フレームを用いて行うこ
とにする。今、最内側の同心円k1が認識しようとする
物体の中に存在し、物体の平均的な明るさ (濃度) が周
囲よりも低い場合を考える。物体の境界は、同心円と放
射状直線で区分された曲線領域間の濃度の比較によっ
て、とらえることが可能である。例えば、円弧aa',b
b',cc',dd' 上の濃度の平均を順に内側のものと比
較すると、境界XX' が円弧cc' とdd' の間に存在
することを認識できる。また、直線oaおよびoa' と
円弧bb' 、直線abおよびa' b' と円弧cc’、直
線bcおよびb’c’と円弧dd’を比較することによ
っても境界XX' を認識することができる。なお、領域
の比較に当たっては、区分された曲線上の特徴量とし
て、その部分の平均の濃度を用いているが、このような
特徴量を曲線上の代表値として表すことを" 投影" と呼
んでいる。
【0043】(c)境界認識の定式化 以上の説明に一般性を持たせるために、任意の放射状フ
レームへの投影を次のように一般化する。
【0044】最初に、放射状フレームのi番目の同心曲
線、放射状直線を次のように表す。 ki (i=1,...,c) and ri (i=1,...,s) cとsはそれぞれ同心曲線と放射状直線の本数である。
【0045】次に、i番目の同心曲線kiにおいて、2
本の放射状直線rjとrj+1で区分されるセクション
(同心曲線が円ならば円弧) をkij、i番目の放射状
直線riにおいて、2つの同心曲線kjとkj+1で区
分されるセクションをrijとして表す。このとき、同
心曲線kiおよびその区分されたセクションkij上へ
の平均濃度の投影をそれぞれPi、Pijとして表す。
また、rij上への平均濃度の投影をRijとして表
す。
【0046】通常の境界認識 PijとPi' j、PijとPi' 、PijとRji'
およびRj+1, i'(ただし、i' <i) の比較、或い
はこれらを線形に組み合わせたもの同士の比較によって
通常の物体或いは領域の境界を認識する。
【0047】画像中にノイズ或いは濃度のゆらぎがな
い場合の境界認識 P1と放射状フレームの各画素の濃度と直接比較によっ
ても境界の認識は可能である。
【0048】(d)物体或いは領域の認識 上記(c)の方法によって、境界を認識することができ
るが、物体或いは領域全体を認識する場合には、与えら
れる問題によって、様々な投影の比較方法がある。例え
ば、任意の大きさの物体或いは領域から特定の大きさの
物体或いは領域だけを抽出するだけならば、P1とPc
のみの比較で十分である。また、任意形状の物体或いは
領域に対しては、P1とPij (i>1) との比較が必
要である。これらの比較方法を用いて、物体全体を認識
する場合の条件式としては、例えば、濃度の低い物体或
いは領域が同心円k4の内部に存在するための条件式と
して、 P1<P4, j j=1... 8 (図5参照) 或いは、次のような条件式を問題に応じて設定すること
ができる。 ΣRi, 3/8<P4, j、Rj, 3<P4, j (j
=1,...8)
【0049】(e)物体或いは領域の大きさと形状を認識する方法 次に、図6及び図7を参照して、物体或いは領域の大き
さと形状を認識する方法について説明する。上記(2)
の方法で物体或いは領域を認識する。境界領域に対して
適当な濃度で2値化を行うと、物体或いは領域全体を2
値の図形画像として抽出することができる。抽出された
図形画像の重心に放射状フレームの中心を重ね、各放射
状直線と図形画像が交差している領域rijを探す。そ
の領域が全て同じ隣合う同心曲線に挟まれた領域なら
ば、その形状はほぼ放射状フレームの同心曲線と同じで
あると認識できるとともに、大きさも同心曲線の間隔の
精度であるが同時に認識することができる。
【0050】例えば、図6では交差領域はk1とk2の
間に2本の放射状直線r3とr7が、k2とk3の間に
4本の直線が入っていることから、図形の形状が横長で
あることが容易に認識できる。また、図7では、すべて
の放射状直線が同一の領域に入っていることから円っぽ
い形状であることが認識できる。
【0051】(f)明瞭でない物体或いは領域の認識 次に、図8及び図9を参照して、明瞭でない物体或いは
領域の認識について説明する。物体或いは領域を視覚で
は明瞭には認識できない場合としては、次の2つのこと
が考えられる。1つは、物体或いは領域自体のコントラ
ストが低い場合或いはノイズを多く含む場合で、視覚的
には、ぼやけている、うっすらしているとかのように表
現される場合である。他方は、物体或いは領域の中心は
はっきりしているが境界に向かうにつれて急激にコント
ラストが低下する場合である。
【0052】このような場合に対しては放射状フレーム
は極めて効果的に構築することができる。すなわち、図
8及び図9のように同心曲線に幅を持たせ投影すること
によって、統計効果が生じ、物体或いは領域の認識が容
易となる。全体的にコントラストが低い場合には、図8
のように同心曲線に幅を持たせ、中心から境界に向かう
につれてコントラストが低下する場合には図9のように
幅を順次増加させる。
【0053】また、放射状フレームの形は変えないで、
領域判断の線形結合を利用すればノイズの影響を減少さ
せることができる。
【0054】このように、放射投影法は形状と色合いに
対してのあいまいな視覚表現を容易に実現することが可
能である。
【0055】(3)材料中の欠陥及び割れを高速に認識する方法 次に図1、図10乃至図23および表1及び表2を参照して
本発明の材料中の欠陥及び割れを高速に認識する方法を
実際に応用した例に基づいて説明する。
【0056】
【表1】 ※JIS Z3104 (鋼溶接部の放射線透過試験方法
及び透過写真の等級分類方法 3. 透過写真の等級分類
方法 3. 2欠陥の分類より抜粋)
【0057】
【表2】
【0058】(a)検出対象と画像入力方法 図1、図10乃至図16および表1乃至表2を用いて検出対
象と画像入力方法について説明する。
【0059】対象とした材料中の欠陥及び割れは、鋼板
の突合わせ溶接部の内部に生じた欠陥である。鋼溶接部
の放射線透過試験による非破壊検査については、JIS
のZ3104に規定されており、この規定に沿って採取
されたX線透過写真フィルムの外観を図10に示す。図10
の2本の溶接境界線に挟まれた部分が溶接部であり、画
像の入力は、図1に示すように透過光照明ボックスの上
に現像フィルムを置いて、図10に示すように溶接境界線
をまたぐ4角の枠領域 (溶接線直角方向に512画素、
溶接線方向に480画素、濃度諧調256で入力。な
お、1画素の大きさは63.5μm角で最近のOA用の複写
機の解像度400DPIに対応している)をITVカメ
ラを通して、画像認識装置内の画像フレームメモリにス
トアすることによって行われる。
【0060】欠陥を含む画像の一例を図11乃至図16に示
す。それぞれ、写真の左側が入力した原画像である。図
中、縦方向が溶接線方向であり、明るい帯状の領域が溶
接部である。欠陥は明るい帯状の中に周囲より明るさの
低い領域として観察される。なお、図12及び図13に見え
る大きな曲線状の線は欠陥位置を明示するために検査員
がフィルム上に鉛筆で記入した線である。それぞれの写
真の右側は後述する方法で、欠陥部分のみを抽出した解
析結果であり、欠陥部分のみを白く (濃度階調255)
表示している。
【0061】鋼溶接部の欠陥の種類は表1に示すように
前述のJIS Z3104の中に規定されており、立体
形状の第1種および第2種の欠陥と平面状の欠陥である
第3種の欠陥がある。この内、第3種の欠陥は破壊に直
接結びつく恐れがある致命的な欠陥で、検査での見落と
しは許されない欠陥である。溶接欠陥の種類はその発生
原因によって様々あるが、主な欠陥は表2に示す欠陥で
あり、ブローホールとスラグ巻込み以外は、サイズが小
さければ従来手法では検出が非常に困難となる欠陥であ
る。
【0062】(b)欠陥検出のアルゴリズム 図17乃至図18を用いて欠陥検出のアルゴリズムを説明す
る。尚、プログラムリストの一例とフローチャート図を
添付の付属書類にまとめましたので、プログラム例とし
て参照下さい。
【0063】図17は上記(2)で説明した放射投影法を
用いて欠陥検出を行う場合のフローチャートである。欠
陥検出に特有な点についてのみ補足を加えて欠陥検出の
アルゴリズムを説明する。
【0064】画像入力
【0065】パラメータの選択 ・放射状フレームの選択 欠陥の形状に対応して、同心曲線の種類を選択する。複
数のフレームを同時に使用することも可能であるため、
前述の立体形状の欠陥に対しては、円或いは正方形を選
択し、割れなどの平面状の欠陥で特に方向性が強い熱間
割れなどに対しては、後述する図19乃至図23に見られる
ような細長の楕円或いは矩形を選択する。放射状直線の
数は欠陥の形状を認識する必要は無いので、あまり多く
は必要ではない。 ・フレームサイズの選択 検査基準と目視検査で検出できる大きさを考慮して選択
する。 ・投影値の領域判断条件 ・探索間隔 ・検出領域の欠陥部分の2値化条件
【0066】探索座標の指定 図18のように、欠陥検出の処理が通常は左上から横方向
に探索間隔ずつ移動し、右端まで終わったら再び探索間
隔分下がった左端から行われるように、座標の指定を行
う。しかしながら、探索の途中で既に欠陥の領域指定が
行われている所は、再び探索を行う必要がないので、そ
の座標を外すような処理を行うとより効率のよい欠陥検
出が行える。
【0067】領域判断 欠陥の中央部の濃度が最も低いという性質を利用すれ
ば、領域判断の比較は最内側の同心曲線k1の投影P1
との比較、すなわち、 P1+Th<Pij (j=1,...,s) となる領域kijが、欠陥の外側の領域であると判断す
ることができる。ここで、Thは領域判断のときの閾値
である。
【0068】欠陥部分の表示 上記の処理で、欠陥領域の外側の同心曲線および欠陥
の放射状フレーム上での存在する場所が求まるのでそれ
らの表示が可能である。しかしながら、欠陥の境界を緻
密に表示する場合には、境界の外側の領域kijとその
内側ki−1,jの間の領域での適当な2値化処理が必
要である。例えば、溶接欠陥に対しては、欠陥の外側同
心曲線kiの内側の濃度の最小値gmin を基準として、
各画素(x,y) の濃度値g(x,y) が、 gmin +Th>g(x,y) を満足する画素を欠陥領域の画素として、図11乃至図16
の写真の右のように欠陥抽出結果を表示している。
【0069】(c)割れの認識 図19乃至図21および図22乃至23を用いて割れの認識につ
いて説明する。割れは平面状の欠陥であるためX線の照
射方向に対して平行な位置にあると、写真フィルム上で
は極めて細い線として、また、コントラストの低い像と
して現れるため、目視によってもその検出には熟練を要
する。しかしながら、放射投影法では次のような様々な
工夫を行うことによって、そのような割れを検出するこ
とが可能である。
【0070】割れの画像上での特徴 割れは全体としては平面状であるが、微細に観察すると
起伏のある3次元状の形状をしているため、写真フィル
ム上でも長さ方向に微妙に濃度と幅が変化している。画
像上では、図19乃至図21のように特定の濃度レベルで2
値化を行うとすると途切れ途切れの画像となる場合があ
る。しかしながら、割れは強い方向性があるのが普通で
ある。溶接部では溶接線方向に対して、平行に現れる縦
割れ (主に熱間割れ) と直交する横割れが主として発生
する。横割れは同心曲線として円或いは正方形を用いて
容易に検出することができるが、縦割れはそれらの同心
曲線では検出できない場合があった。そこで、縦割れに
対しては、図19乃至図23に示すような縦長の同心曲線を
用いることによって、認識が可能となる。
【0071】割れ認識のための放射投影法 図19乃至図21および図22乃至図23を用いて割れを認識す
る幾つかの放射投影法を説明する。図19及び図20は同心
曲線の形を縦長の矩形および楕円に変えた方法で、投影
および領域判断の方法は(2)で説明した方法と同じで
ある。図21では、同心曲線k1以外は、上下の辺が無く
(上下の辺上への投影を行わない) 、放射状直線上への
投影は行なわない。投影はk1内への投影P1と各左右
辺への投影である。領域判断の比較は、領域を挟み込む
ような形、P1とaa' の投影Paa' およびbb' の
投影Pbb',P1とcc' の投影Pcc' およびdd'
の投影Pdd', . . .のように行われる。
【0072】図22では、単純な放射状フレームの1つ
で、比較の基準として3本の放射状直線 (aof, bo
e, cod) への投影を用いて、 Pij= (i=1,..., c;j=1, 2, 3, 4) > Paof
or Pboe or Pcod を満足するならば、kijは割れ領域の外であると判断
する。割れ方向に多少の傾きがあっても割れの検出が可
能である。
【0073】図23では、割れの幅がω以上の割れを検出
する場合で、 Pij>P1 (i=2,..., c;j=1, 2,3,
4) を満足すれば、割れ領域の外であると判断する。
【0074】(d)欠陥の検出結果 本手法を用いて溶接部の欠陥を検出した結果の一例を図
11乃至図16を用いて説明する。いずれの欠陥に対しても
良好に検出が行えているので、問題点のみを指摘してお
く。
【0075】図11では、欠陥の検出は十分良好である
が、目視では本手法で検出した以外の欠陥についても認
識できる。これは、目視では明瞭な欠陥の延長上として
不明瞭な欠陥をとらえているためであり、その部分しか
存在しなければ、目視でも見落としてしまうものと思わ
れる。
【0076】図14では、目視では非常に見にくい対象で
あるが、極めてよく検出されている。
【0077】図15では、目視以上に微細な割れをとらえ
ている。一方、図16では、欠陥領域の判断を厳しくして
(Thの値を大きくする)、検出感度を下げた場合であ
る。閾値によって検出結果はかなり異なるが、閾値を小
さくし、検出感度を上げても割れ以外の部分についての
過検出がほとんど生じていないことに注意する。
【0078】
【発明の効果】本発明は叙上の如く構成されるので、本
発明の画像認識装置及び方法によれば、本質的には物体
の大きさ・形状には依存しない放射状フレームと放射状
フレームへの物体の方向性を含む形状・色合いの特徴の
投影ならびにその投影を用いた物体の境界の判断を行う
ことから、画像中の様々な形状・大きさの物体を高速に
かつ正確に検出することができる。また、検出した物体
のおおまかな形状及び大きさを瞬時に判断することがで
きる。放射状フレームはその大きさ・形状は自由に変え
られるため認識しようとする物体の大きさ・形状には本
質的には依存しない認識を行うことができる。更に具体
的には下記の分野で有効である。
【0079】非破壊試験による表面欠陥および内部欠
陥の検出を行う分野 非破壊試験としては外観試験、放射線透過試験、超音波
探傷試験、磁粉探傷試験、浸透探傷試験があり、従来そ
れらの試験により欠陥の認識を行う際、欠陥の大きさと
形状の記述があいまいなために検査員の目視による判断
が必要な分野において本発明を適用すると有効である。
【0080】その他の、具体例としては、(a)半導体ウェハの汚れの検出 ベヤウェハの段階から各半導体加工段階におけるウェハ
表面の汚れの検出を行う分野において、本発明を適用す
ると有効である。
【0081】(b)薄物の表面汚れ及び表面きずの検査 製造過程で特に高速な検査と欠陥の識別が要求される分
野において本発明を適用すると有効である。
【0082】画像を用いた医療診断の分野 具体例としては、医療X線透過写真フィルムからの異常
部位の抽出があり、目視では見逃しやすいようなコント
ラストの低い異常部位の抽出が要求されている分野にお
いて本発明を適用すると有効であるという特徴がある。
【0083】監視作業の分野 具体例としては、空港における昼夜の航空機の離着陸の
航路の監視、道路上での通行車両の交通量監視、鉄道ホ
ーム上での人間の落下等の異常の監視、種々の目視によ
る警戒業務、漂流者の捜索作業、等の分野において、本
発明を適用すると有効であるという特徴がある。
【0084】物体の選別の分野 物体のおおまかな大きさと形状の高速な認識を利用した
物体或いは部品の選別を行う分野において、本発明を適
用すると有効であるという特徴がある。
【0085】なお、本発明は叙上の実施例に限定される
ものではなく、明細書及び図面の記載から当業者が想定
するすべての変更実施例を包摂するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としての画像認識装置
【図2】同心を持つ曲線群からなる放射状フレームの構
成図
【図3】フレーム中心からの放射状に伸びる直線群から
なる放射状フレームの構成図
【図4】図2と図3とを組み合わせた放射状フレームの
構成図
【図5】放射状フレームによる物体の境界を認識する方
【図6】捕捉した物体の形状と大きさを認識する方法
(楕円形状の場合)
【図7】捕捉した物体の形状と大きさを認識する方法
(円形状の場合)
【図8】コントラストの小さい物体或いはノイズを含む
物体を認識するときの放射状フレームの構成 (一定幅の
場合)
【図9】コントラストの小さい物体或いはノイズを含む
物体を認識するときの放射状フレームの構成 (幅を順次
増加させた場合)
【図10】溶接部X線フィルムの外観と入力画像の大きさ
【図11】溶接部の内部欠陥を含む入力画像と検出結果
(その1)(ブローホール)
【図12】溶接部の内部欠陥を含む入力画像と検出結果
(その2)(スラグ巻込み)
【図13】溶接部の内部欠陥を含む入力画像と検出結果
(その3)(横割れ)
【図14】溶接部の内部欠陥を含む入力画像と検出結果
(その4)(熱間割れ)
【図15】溶接部の内部欠陥を含む入力画像と検出結果
(その5)(熱間割れ)
【図16】溶接部の内部欠陥を含む入力画像と検出結果
(その6)(検出感度が低い場合)
【図17】溶接部の欠陥検出に用いたフローチャート
【図18】検出のためのフレームの移動方法
【図19】割れ検出用フレーム (同心曲線の形を縦長の矩
形とする場合)
【図20】割れ検出用フレーム (同心曲線の形を楕円とす
る場合)
【図21】割れ検出用フレーム (同心曲線k1以外は上下
の辺がなく、k1内への投影P1と各辺への投影を行う
例)
【図22】割れ検出用特殊フレーム (3本の放射状直線を
用いる例)
【図23】割れ検出用特殊フレーム (割れの幅がω以上の
割れを検出する場合)
【図24】従来手法での欠陥抽出の画像処理手法 (フロー
チャート)
【図25】従来手法での欠陥抽出の画像処理手法 (輝度
値)
【図26】従来手法での欠陥抽出の画像処理手法 (オペレ
ータ)
【符号の説明】
1 現像フィルム 2 ITVカメラ 3 透過光照明ボックス 4 制御用パソコン 5 画像出力用モニタ 6 画像認識処理装置
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的には画像認識装
置及び方法に関し、更に具体的には、従来の画像処理技
術においては不得意であった物体(或いは領域)の認識
を人間の初期視知覚を模倣した放射投影法を用いること
によって、高速に実現することができる画像認識装置及
び方法に関する。
【0002】放射投影法は、本質的には物体の大きさ・
形状には依存しない放射状フレームと放射状フレームへ
の物体の特徴の投影ならびその投影を用いた物体の境界
の判断から構成される。この方法を用いることによっ
て、画像中の様々な形状・大きさの物体を高速にかつ正
確に検出することが可能であり、さらに、検出した物体
のおおまかな形状並びに大きさを瞬時に判断することが
可能となる。なお、本発明にはこの放射投影法を材料中
の欠陥及び割れの認識に応用する方法と放射投影法を用
いての高速に物体を捕捉するための装置を含む。
【0003】
【従来の技術】画像中の物体或いは領域を認識する方
法、更に具体的に材料中の欠陥及び割れを高速に認識す
る方法には従来以下の技術がある。
【0004】(1)欠陥領域の抽出に対する従来技術 従来技術の説明として、画像処理技術を用いた材料の表
面或いは内部に存在するきずとか割れといった欠陥の自
動抽出を取り上げる。通常、これらの欠陥を含む画像に
は背景が存在し、欠陥の大きさは大小様々でありその形
状も様々である。濃淡画像 (白黒) においては欠陥の部
分は周囲と異なった色合いを示し (例えば、黒っぽい領
域とか細長い黒っぽい線のように表現される) 、視覚で
は容易に識別することができる。しかしながら、従来の
画像処理技術では欠陥の大きさが様々であるためこのよ
うな欠陥を直接認識することは非常に困難である。後述
する溶接部のX線透過写真からの欠陥部の認識を例にと
ると、従来技術は図24乃至図26のようにまとめられる。
このような従来技術は、輿水大和、村上和人による文
献, "溶接部画像処理システム",目視検査の自動化技術
調査委員会編:“画像処理による目視検査の自動化事例
集",新技術コミュニケーションズ,(1991.3),pp.22-32に
開示されている通りである。図24において画像メモリに
入力された原画像に対して次のような処理が順に行われ
る。
【0005】(a)雑音除去/平滑化処理:ノイズを多
く含むような画像に対しては、次の強調処理を行う前に
必ず行う処理であるが、目視でも微妙な濃淡の変化とし
か見えないような微小な割れ等は、この処理によってそ
の後の検出ができなくなる恐れがある。
【0006】(b)強調処理:主な強調処理は図26に示
すような2次元の空間フィルタを利用している。検出対
象の画像的特徴をなるべく考慮した種々の空間フィルタ
が1つ以上組み合わされて用いられているが、オペレー
タの大きさは演算時間と効果の点から制限されている。
通常は、3×3から5×5程度の大きさのものがハード
ウェアとして実現されているため主に用いられるが、検
出対象の大きさが定まらない欠陥のような対象に対して
は、オペレータの最適な選択は不可能である。一方、図
25のように画像の濃度断面形状の特徴を利用した強調処
理もあるが、検出対象の大きさの変化には対応しにくい
こと、また、滑らかな曲線を作成するのにかなりの演算
時間を要すること (最小自乗法などを用いる場合) など
の本質的な問題点が存在する。
【0007】(c)欠陥候補領域の抽出 (閾値) :上記
(b)の強調処理は本質的には検出対象の全体的な形状
をとらえているのではないので、欠陥候補領域の抽出の
感度を上げると(閾値を変えることによって実現す
る)、欠陥でない健全部も多く抽出されてしまう恐れが
ある。逆に、感度を下げると抽出できない欠陥が増加
し、欠陥検査としては使用できない。
【0008】(d)特徴量の計算:上記(c)で抽出さ
れた欠陥候補領域には多くの健全部が含まれる恐れがあ
るため、欠陥部と健全部との違いを表すための特徴量の
計算が必要である。また、後述する溶接部の欠陥では欠
陥の種類が様々あるため、欠陥部と健全部との識別には
多くの特徴量の計算が必要となる。
【0009】以上のように、大きさと形状が不定である
欠陥に対しては、従来技術は、非常に非力である。そし
て、その非力をカバーするために、後述の溶接部の欠陥
のような対象によっては、欠陥候補領域の抽出後の処理
が非常に複雑かつ膨大となりエキスパートシステムを構
築しなければ対処できないのが現状である。この点につ
いては、例えば以下の2つの文献に開示されている通り
である。即ち、加藤雄平, 奥村孝章, 糸賀興右, 原田鉄
造, 杉本幸治, 道場康二, 井内貞夫:“放射線透過写真
の自動合否判定システムの開発 (第1報) 画像処理によ
る欠陥像の抽出",非破壊検査,vol.41,No.4,(1992.4),p
p.186/195. 及び加藤雄平, 奥村孝章, 糸賀興右, 原田
鉄造, 杉本幸治, 道場康二, 川野征士郎:“放射線透過
写真の自動合否判定システムの開発 (第2報) 溶接欠陥
の種類識別機能の開発",非破壊検査,vol.41,No.4,(199
2.4),pp.196/206. である。
【0010】(2)視覚機能の一部を模倣した関心領域
の高速な認識法 関心 (欠陥) 領域を画像中から効率よく高速に認識する
ために、観測に用いる空間分解能を変化させ、最初は粗
く観察し、関心領域の疑いのある領域を次第に詳細に観
察しようとする、人間の視覚機能の一部を模倣した方法
として、ピラミッド法、4分木法と呼ばれる階層的手法
が古くから提案されている。この点については、例え
ば、河野嗣男編:“先端産業における表面欠陥検査法",
アイピーシー,(1989.12),pp.57/90.に開示されている通
りである。しかしながら、欠陥の大きさは様々であると
ともに、割れなどを含む微小な欠陥は画像中では微妙な
色合いとして表現されることが多いため、粗く観察する
時点で見落としてしまう恐れがある。従って、この手法
は欠陥検査には不向きである。
【0011】(3)物体の大きさと形状の認識 2値の図形画像に対する特徴量の計算は、通常の画像処
理装置のソフトウェアに付随しており、周囲長、面積、
最大径、最小径、重心など様々な計算が行える。しかし
ながら、その図形がどのような形状をしているのか、例
えば、丸っぽいとか四角っぽいとかのような視覚では容
易に表現することができても同じことを行わせようとす
ると、従来手法では非常に大変な計算を必要とする。例
えば、その図形形状が、丸とか四角とかを判断しようと
すると輪郭に対して、直線を当てはめ輪郭が4本の直線
で構成されれば4角形と判断したり、Hough 変換により
輪郭要素を一端、別空間に投影してそこでの特徴量を用
いてその形状が丸とかを判断している。この点について
は、例えば以下の文献に開示されている通りである。即
ち、村上和人, 輿水大和:" 画像特徴抽出のためのHoug
h 変換プログラムライブラリ",日本非破壊検査協会第6
回産業における画像センシング技術シンポジウム,(199
1.7),pp.131/136. である。画像中の物体或いは領域を
認識するための画像認識装置の従来技術としては以下の
ものがある。
【0012】高速に物体を捕捉するための装置。 現在、基本的な画像処理演算 (画像間の論理演算、各種
空間フィルタ演算) は専用のLSIを用いて高速に実行
されるため、2値画像に変換してからのパターン・マッ
チングによる物体の認識は高速に行えるようになってき
ている。この点については以下の文献に開示されてい
る。即ち、目視検査の自動化技術調査委員会編:“画像
処理による目視検査の自動化事例集",新技術コミュニケ
ーションズ,(1991.3) である。また、特徴のある部分の
濃淡画像を対象画像と直接比較して物体を認識する手法
としてパターン・マッチングがあり、そのための比較演
算 (正規化相関係数の計算) を専用のLSIで高速に行
うことができるようになり、限定された環境において高
速に物体を捕捉することが可能となっている。この点に
ついては以下の文献に開示されている。即ち、水谷栄
二:“グレースケールパターンマッチングを用いたFA
用画像処理装置とその応用例",新技術コミュニケーショ
ンズ,No.141,(1991.8),pp.141/152.である。しかしなが
ら、いずれの装置も上記(2)で説明したように、対象
物の大きさと形状が不定の場合には高速に物体を捕捉す
る事は不可能である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の画像
処理技術においては不得意であった物体 (或いは領域)
の認識を人間の初期視知覚を模倣した放射投影法を用い
ることによって、高速に実現する画像認識装置及び方法
を提供することを目的としている。さらに、具体的な対
象とし、材料中の欠陥および割れの高速な抽出を実現す
ること、更に具体的には例えば金属材料の溶接部の欠陥
検出等に適用できる画像認識装置及び方法を提供するこ
とを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】(1)物体或いは領域を認識する方法。 従来の画像処理技術においては不得意であった物体 (或
いは領域) の認識に対して、人間の初期視知覚を模倣し
た“放射投影法" を用いる。すなわち、物体を初期視知
覚のように形状に対しては、単に丸っぽいとか細長いと
かのように、色合い (白黒の濃淡を含む) に対しては、
黒っぽいとか、ぼんやりしているとかのような視覚的な
表現に置き換え、その表現を放射投影法で用いる“放射
状フレーム" (図3参照)に幾何学的に反映させ、物体
の特徴をその放射状フレームに投影し、その投影により
物体の境界を判断させることによって物体を認識する。
放射状フレームはその大きさ・形状は自由に変えられる
ため認識しようとする物体の大きさ・形状には本質的に
は依存しない認識を行うことができる。
【0015】(2)上記(1)の方法を用いて材料中の
欠陥及び割れを高速で認識する方法。 放射投影法を材料中の欠陥および割れに応用する。欠陥
及び割れはそれらの外形形状は複雑であっても、画像上
では必ず周囲の健全部よりも濃度の低い (或いは高い)
領域として表現されるので、この特徴を放射状フレーム
に反映させる。また、割れはその長さに比して幅が非常
に狭いため画像上では、画素単位での微妙な色合いを呈
するため検出が難しいものとされているが、それが有す
る強い方向性 (割れの向き) を放射状フレームに反映す
ることによって視覚と同レベル或いはそれ以上で認識を
行う。
【0016】(3)上記の(1)の方法を用いて高速に
物体を捕捉するための装置。 上記(1)の方法をプログラム化する画像認識装置であ
る。認識のための計算を一部、ハード化してもよい。
像入力系から一体の画像認識装置とすることによって、
極めて高速な物体の認識を行うことができる。
【0017】従って、本発明の構成は以下に示す通りで
ある。即ち、本発明は、画像入力系を構成する画像認識
対象物及びカメラと、制御用コンピュータと、画像出力
用モニタと、画像認識処理装置とから構成され、該画像
認識処理装置と制御用コンピュータと画像出力用モニタ
は、本質的には物体の大きさ・形状には依存しない放射
状フレームを用いて画像中の物体或いは領域を認識する
画像認識プログラムにより制御されることを特徴とする
画像認識装置としての構成を有する。
【0018】 或いはまた、 画像入力系を構成する画像認
識対象物及びカメラと、制御用コンピュータと、画像出
力用モニタと、画像認識処理装置とから構成され、該画
像認識処理装置は、画像フレームメモリ或いは画像認識
用演算チップを含み、該画像フレームメモリ或いは画像
認識用演算チップを含む画像認識処理装置と制御用コン
ピュータと画像出力用モニタは、本質的には物体の大き
さ・形状には依存しない放射状フレームを用いて画像中
の物体或いは領域を認識する画像認識プログラムにより
制御され、画像認識用演算チップにおいて画像認識のた
めの演算を一部ハード化するとともに、画像入力系から
一体化構成された画像認識装置としての構成を有する。
【0019】 或いはまた、本発明は、本質的には物体の
大きさ・形状には依存しない放射状フレームを用いて画
像中の物体或いは領域を認識する画像認識方法であっ
て、(i) 放射状フレームを選択するステップと、
(ii) 該放射状フレームへ物体の方向性を含む形状、
色合いの特徴を投影するステップと、(iii) その投影
を用いて物体の境界を判断するステップと、から構成さ
れ、物体の大きさ・形状には本質的には依存しない認識
を行なうことを特徴とする画像認識方法としての構成を
有する。
【0020】 或いはまた、本発明は、前記放射状フレー
ムは、同心を持つ曲線群からなる放射状フレームもしく
は、フレーム中心から放射状に伸びる直線群からなる放
射状フレームもしくは、前記曲線群からなる放射状フレ
ーム及び直線群からなる放射状フレームを組み合わせた
放射状フレームであることを特徴とする画像認識方法と
しての構成を有する。
【0021】 或いはまた、本発明は、前記放射状フレー
ムを選択するステップ(i)において、物体或いは領域
の形状に方向性がない場合には、同心円或いは同心の正
方形を選択し、方向性を有する長細い形状の場合には、
長軸方向が一致する同心の矩形或いは同心の楕円形状を
選択し、同心曲線の大きさは、想定される物体或いは領
域の最小と最大の大きさが対応するように最小と最大の
同心曲線を選択し、同心曲線の数と間隔は、最初は物体
或いは領域のおおよその大きさがわかる程度に選択し、
放射状の直線については、その位置・数については認識
すべき物体の形状と物体の背景とのコントラストを考慮
して選択し、同心曲線と放射状直線によって区分された
各曲線への物体の特徴の投影によって、物体の境界が存
在するかどうかを判断し、物体のおおまかな形状の認識
を行うことを特徴とする画像認識方法としての構成を有
する。
【0022】 或いはまた、本発明は、前記放射状フレー
ムへ物体の方向性を含む形状、色合いの特徴を投影する
ステップ(ii)において、物体の境界は、同心円もしく
は放射状直線で区分された曲線領域間の濃度の比較によ
って把握し、領域の比較に当たっては、区分された曲線
上の特徴量として、その部分の平均の濃度を用いて、特
徴量を曲線上の代表値として表す、投影するスップを含
むことを特徴とする画像認識方法としての構成を有す
る。
【0023】 或いはまた、本発明は、前記物体の境界を
判断するステップ(iii)において、境界領域に対して適
当な濃度で2値化を行い、物体或いは領域全体を2値の
図形画像として抽出し、抽出された図形画像の重心に放
射状フレームの中心を重ね、各放射状直線と図形画像が
交差している領域rijを探し、該領域rijが全て同じ隣
合う同心曲線に挟まれた領域ならばその形状はほぼ放射
状フレームの同心曲線と同じであると認識し、大きさも
同心曲線の間隔の精度で同時に認識することを特徴とす
る画像認識方法としての構成を有する。
【0024】 或いはまた、本発明は、放射状フレームに
おいて同心曲線に同一の幅もしくは順次増加する幅を持
たせ統計効果を利用して明瞭でない物体或いは領域を認
識することを特徴とする画像認識方法としての構成を有
する。
【0025】 或いはまた、本発明は、前記画像中の物体
或いは領域が材料中の欠陥及び割れであることを特徴と
する画像認識方法としての構成を有する。
【0026】 或いはまた、本発明は、前記材料中の欠陥
及び割れは、鋼溶接部のブローホール、スラグ差込み、
融合不良、溶込み不足、熱間割れ、横割れ等の溶接欠陥
を含むことを特徴とする画像認識方法としての構成を有
する。
【0027】 或いはまた、本発明は、放射状フレームの
選択において、欠陥の形状に対応して同心曲線を選択す
るとともに、複数のフレームを同時に選択可能とし、立
体形状の欠陥に対しては円或いは正方形を選択し、割れ
などの平面状の欠陥で特に方向性が強い熱間割れなどに
対しては細長の楕円或いは矩形を選択することを特徴と
する画像認識方法としての構成を有する。
【0028】
【作用】カメラ等で入力された画像について、本画像認
識装置を用いて次のような認識処理を行う。
【0029】 1)検出したい物体について、最初に、その
外形を円っぽいとか四角っぽいとか細長っぽいとかのよ
うに大まかな区別を行い、物体に方向性が存在するなら
ば、それも考慮した放射状フレームを選択する。
【0030】 2)物体を認識するために区分された放射状
フレームの各領域の内側と外側で濃度の比較を行うこと
によって物体の境界の判断を行う。境界ではない場合に
は順次放射状フレームを拡大し、予め想定した最大のフ
レームでも境界が見つからない場合には、その中には物
体が存在しないとして、次の座標に移動し、同じことを
繰り返す。
【0031】 3)物体の境界をすべて捕捉した領域につい
て、必要が有ればその境界領域を画素単位で表示すると
ともに、そのおおまかな大きさと形状を表示・認識す
る。
【0032】
【発明の概要】次項目の実施例で説明する内容の概要を
以下に示す。最初に、高速に物体或いは領域を捕捉する
ための装置について説明を行っている。
【0033】 次に、放射投影法で用いられる放射状フレ
ームの選択の方法とそれによる物体或いは領域の境界の
認識の方法を簡単に説明した後、境界認識の定式化を行
って、さらに、実際の物体の或いは領域の認識方法、物
体或いは領域の大きさと形状を認識する方法、明瞭でな
い物体或いは領域の認識について説明を行っている。
【0034】 最後に、材料中の欠陥及び割れを高速に認
識する方法を鋼板の突合わせ溶接部のX線透過写真フィ
ルムからの画像を用いて説明を行っている。具体的に
は、検出対象の説明と画像の入力方法、欠陥検出のアル
ゴリズム、そして、従来手法では非常に検出が困難であ
った割れに対する認識方法を説明している。
【0035】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の詳細を具体
的に説明する。
【0036】 (1)高速に物体或いは領域を捕捉するための装置 図1は本発明の実施例としての画像認識装置の模式的構
成図を示す。図1において、1は現象フィルム, 2はI
TVカメラ,3は透過光照明ボックス, 4は制御用パソ
コン, 5は画像出力用モニタ, 6は画像フレームメモリ
或いは画像認識用演算チップ等を含む画像認識処理装置
である。
【0037】 図1は本発明の実施例であり、認識対象物
としては現像フィルム上の物体或いは領域を想定してい
る。より一般的には、1〜3の構成要素は認識対象物と
カメラのみでもよいであろう。画像認識処理装置6とは
制御用コンピュータ4及び画像出力用モニタ5とともに
認識対象物の形状・色合い等を放射状フレームを用いて
認識する画像認識プログラムを実行する構成要素であ
る。このために、画像認識用演算チップを含み、画像認
識のための演算を一部ハード化するように構成してもよ
い。
【0038】 (2)画像中の物体或いは領域を認識する方法 図2乃至図9を参照して本発明の画像中の物体或いは領
域を認識する方法について説明する。
【0039】 人間はある画像を見たとき、容易に明るさ
の違いによって領域を区別し、明るさの変化する境界を
見つけることができる。また、人間は回転や拡大縮小し
た図形を容易に認識することができる。このような人間
の初期視知覚の特徴を利用した物体の認識方法を実現す
る手段として、本発明の一つである図4に示す放射状フ
レームを利用した放射投影法を用いる。放射状フレーム
は図2の同心を持つ曲線群と図3のフレームの中心から
放射状にのびる直線群からなる2重構造をもつ。同心の
曲線群としては図2乃至図4のような円形群の他、正方
形群、矩形群、楕円群のような様々な曲線が利用でき
る。一方、放射状の直線群は物体の境界を判断したり、
おおよその形状を認識したりするのに用いる。しかしな
がら、放射状フレームは常に2重構造である必要はな
く、認識する物体或いは問題によっては同心の曲線群の
み或いは直線群のみで構成されてもよい。
【0040】 このような放射状フレームを利用した放射
投影法を用いて任意の形状・大きさの物体或いは領域を
認識する方法を図5を用いて説明する。
【0041】 (a)放射状フレームの選択 認識すべき物体或いは領域の大きさと形状 (方向性を含
む) によって、放射状フレームを選択する。物体或いは
領域のおおよその形状が丸っぽい場合、或いは形状は丸
っぽくはないが、方向性がない場合には、同心円或いは
同心の正方形を選択する。なお、正方形を用いる理由は
フレーム上での座標の計算が円より容易なためである。
方向性を有する長細い形状ならば長軸方向が一致する矩
形或いは楕円形状を選択する。同心曲線の大きさは、想
定される物体或いは領域の最小と最大の大きさが対応す
るように最小と最大の同心曲線を選択する。同心曲線の
数と間隔は、最初は物体或いは領域のおおよその大きさ
がわかる程度に選択する。
【0042】 放射状の直線については、その位置・数に
ついては認識すべき物体の形状と物体の背景とのコント
ラストを考慮して選択する。これは、同心曲線と放射状
直線によって区分された各曲線への物体の特徴の投影に
よって、物体の境界が存在するかどうかの判断を行うた
めと、物体のおおまかな形状の認識を行うためである。
【0043】 (b)物体或いは領域の境界の認識 多くの場合、人間が物体 (或いは領域) を認識する際に
は、その境界の内側と外側での明るさの違いを利用して
いる。同じことを図5の放射状フレームを用いて行うこ
とにする。今、最内側の同心円k1が認識しようとする
物体の中に存在し、物体の平均的な明るさ (濃度) が周
囲よりも低い場合を考える。物体の境界は、同心円と放
射状直線で区分された曲線領域間の濃度の比較によっ
て、とらえることが可能である。例えば、円弧aa',b
b',cc',dd' 上の濃度の平均を順に内側のものと比
較すると、境界XX' が円弧cc' とdd' の間に存在
することを認識できる。また、直線oaおよびoa' と
円弧bb' 、直線abおよびa' b' と円弧cc’、直
線bcおよびb’c’と円弧dd’を比較することによ
っても境界XX' を認識することができる。なお、領域
の比較に当たっては、区分された曲線上の特徴量とし
て、その部分の平均の濃度を用いているが、このような
特徴量を曲線上の代表値として表すことを" 投影" と呼
んでいる。
【0044】 (c)境界認識の定式化 以上の説明に一般性を持たせるために、任意の放射状フ
レームへの投影を次のように一般化する。
【0045】 最初に、放射状フレームのi番目の同心曲
線、放射状直線を次のように表す。 ki (i=1,...,c) and ri (i=1,...,s) cとsはそれぞれ同心曲線と放射状直線の本数である。
【0046】 次に、i番目の同心曲線kiにおいて、2
本の放射状直線rjとrj+1で区分されるセクション
(同心曲線が円ならば円弧) をkij、i番目の放射状
直線riにおいて、2つの同心曲線kjとkj+1で区
分されるセクションをrijとして表す。このとき、同
心曲線kiおよびその区分されたセクションkij上へ
の平均濃度の投影をそれぞれPi、Pijとして表す。
また、rij上への平均濃度の投影をRijとして表
す。
【0047】 通常の境界認識 PijとPi' j、PijとPi' 、PijとRji'
およびRj+1, i'(ただし、i' <i) の比較、或い
はこれらを線形に組み合わせたもの同士の比較によって
通常の物体或いは領域の境界を認識する。
【0048】 画像中にノイズ或いは濃度のゆらぎがな
い場合の境界認識 P1と放射状フレームの各画素の濃度と直接比較によっ
ても境界の認識は可能である。
【0049】 (d)物体或いは領域の認識 上記(c)の方法によって、境界を認識することができ
るが、物体或いは領域全体を認識する場合には、与えら
れる問題によって、様々な投影の比較方法がある。例え
ば、任意の大きさの物体或いは領域から特定の大きさの
物体或いは領域だけを抽出するだけならば、P1とPc
のみの比較で十分である。また、任意形状の物体或いは
領域に対しては、P1とPij (i>1) との比較が必
要である。これらの比較方法を用いて、物体全体を認識
する場合の条件式としては、例えば、濃度の低い物体或
いは領域が同心円k4の内部に存在するための条件式と
して、 P1<P4, j j=1... 8 (図5参照) 或いは、次のような条件式を問題に応じて設定すること
ができる。 ΣRi, 3/8<P4, j、Rj, 3<P4, j (j
=1,...8)
【0050】 (e)物体或いは領域の大きさと形状を認識する方法 次に、図6及び図7を参照して、物体或いは領域の大き
さと形状を認識する方法について説明する。上記(2)
の方法で物体或いは領域を認識する。境界領域に対して
適当な濃度で2値化を行うと、物体或いは領域全体を2
値の図形画像として抽出することができる。抽出された
図形画像の重心に放射状フレームの中心を重ね、各放射
状直線と図形画像が交差している領域rijを探す。そ
の領域が全て同じ隣合う同心曲線に挟まれた領域なら
ば、その形状はほぼ放射状フレームの同心曲線と同じで
あると認識できるとともに、大きさも同心曲線の間隔の
精度であるが同時に認識することができる。
【0051】 例えば、図6では交差領域はk1とk2の
間に2本の放射状直線r3とr7が、k2とk3の間に
4本の直線が入っていることから、図形の形状が横長で
あることが容易に認識できる。また、図7では、すべて
の放射状直線が同一の領域に入っていることから円っぽ
い形状であることが認識できる。
【0052】 (f)明瞭でない物体或いは領域の認識 次に、図8及び図9を参照して、明瞭でない物体或いは
領域の認識について説明する。物体或いは領域を視覚で
は明瞭には認識できない場合としては、次の2つのこと
が考えられる。1つは、物体或いは領域自体のコントラ
ストが低い場合或いはノイズを多く含む場合で、視覚的
には、ぼやけている、うっすらしているとかのように表
現される場合である。他方は、物体或いは領域の中心は
はっきりしているが境界に向かうにつれて急激にコント
ラストが低下する場合である。
【0053】 このような場合に対しては放射状フレーム
は極めて効果的に構築することができる。すなわち、図
8及び図9のように同心曲線に幅を持たせ投影すること
によって、統計効果が生じ、物体或いは領域の認識が容
易となる。全体的にコントラストが低い場合には、図8
のように同心曲線に幅を持たせ、中心から境界に向かう
につれてコントラストが低下する場合には図9のように
幅を順次増加させる。
【0054】 また、放射状フレームの形は変えないで、
領域判断の線形結合を利用すればノイズの影響を減少さ
せることができる。
【0055】 このように、放射投影法は形状と色合いに
対してのあいまいな視覚表現を容易に実現することが可
能である。
【0056】 (3)材料中の欠陥及び割れを高速に認識する方法 次に図1、図10乃至図23および表1及び表2を参照して
本発明の材料中の欠陥及び割れを高速に認識する方法を
実際に応用した例に基づいて説明する。
【0057】
【表1】 ※JIS Z3104 (鋼溶接部の放射線透過試験方法
及び透過写真の等級分類方法 3. 透過写真の等級分類
方法 3. 2欠陥の分類より抜粋)
【0058】
【表2】
【0059】 (a)検出対象と画像入力方法 図1、図10乃至図16および表1乃至表2を用いて検出対
象と画像入力方法について説明する。
【0060】 対象とした材料中の欠陥及び割れは、鋼板
の突合わせ溶接部の内部に生じた欠陥である。鋼溶接部
の放射線透過試験による非破壊検査については、JIS
のZ3104に規定されており、この規定に沿って採取
されたX線透過写真フィルムの外観を図10に示す。図10
の2本の溶接境界線に挟まれた部分が溶接部であり、画
像の入力は、図1に示すように透過光照明ボックスの上
に現像フィルムを置いて、図10に示すように溶接境界線
をまたぐ4角の枠領域 (溶接線直角方向に512画素、
溶接線方向に480画素、濃度諧調256で入力。な
お、1画素の大きさは63.5μm角で最近のOA用の複写
機の解像度400DPIに対応している)をITVカメ
ラを通して、画像認識装置内の画像フレームメモリにス
トアすることによって行われる。
【0061】 欠陥を含む画像の一例を図11乃至図16に示
す。それぞれ、写真の左側が入力した原画像である。図
中、縦方向が溶接線方向であり、明るい帯状の領域が溶
接部である。欠陥は明るい帯状の中に周囲より明るさの
低い領域として観察される。なお、図12及び図13に見え
る大きな曲線状の線は欠陥位置を明示するために検査員
がフィルム上に鉛筆で記入した線である。それぞれの写
真の右側は後述する方法で、欠陥部分のみを抽出した解
析結果であり、欠陥部分のみを白く (濃度階調255)
表示している。
【0062】 鋼溶接部の欠陥の種類は表1に示すように
前述のJIS Z3104の中に規定されており、立体
形状の第1種および第2種の欠陥と平面状の欠陥である
第3種の欠陥がある。この内、第3種の欠陥は破壊に直
接結びつく恐れがある致命的な欠陥で、検査での見落と
しは許されない欠陥である。溶接欠陥の種類はその発生
原因によって様々あるが、主な欠陥は表2に示す欠陥で
あり、ブローホールとスラグ巻込み以外は、サイズが小
さければ従来手法では検出が非常に困難となる欠陥であ
る。
【0063】 (b)欠陥検出のアルゴリズム 図17乃至図18を用いて欠陥検出のアルゴリズムを説明す
る。尚、プログラムリストの一例とフローチャート図を
添付の付属書類にまとめましたので、プログラム例とし
て参照下さい。
【0064】 図17は上記(2)で説明した放射投影法を
用いて欠陥検出を行う場合のフローチャートである。欠
陥検出に特有な点についてのみ補足を加えて欠陥検出の
アルゴリズムを説明する。
【0065】画像入力
【0066】パラメータの選択 ・放射状フレームの選択 欠陥の形状に対応して、同心曲線の種類を選択する。複
数のフレームを同時に使用することも可能であるため、
前述の立体形状の欠陥に対しては、円或いは正方形を選
択し、割れなどの平面状の欠陥で特に方向性が強い熱間
割れなどに対しては、後述する図19乃至図23に見られる
ような細長の楕円或いは矩形を選択する。放射状直線の
数は欠陥の形状を認識する必要は無いので、あまり多く
は必要ではない。 ・フレームサイズの選択 検査基準と目視検査で検出できる大きさを考慮して選択
する。 ・投影値の領域判断条件 ・探索間隔 ・検出領域の欠陥部分の2値化条件
【0067】探索座標の指定 図18のように、欠陥検出の処理が通常は左上から横方向
に探索間隔ずつ移動し、右端まで終わったら再び探索間
隔分下がった左端から行われるように、座標の指定を行
う。しかしながら、探索の途中で既に欠陥の領域指定が
行われている所は、再び探索を行う必要がないので、そ
の座標を外すような処理を行うとより効率のよい欠陥検
出が行える。
【0068】領域判断 欠陥の中央部の濃度が最も低いという性質を利用すれ
ば、領域判断の比較は最内側の同心曲線k1の投影P1
との比較、すなわち、 P1+Th<Pij (j=1,...,s) となる領域kijが、欠陥の外側の領域であると判断す
ることができる。ここで、Thは領域判断のときの閾値
である。
【0069】欠陥部分の表示 上記の処理で、欠陥領域の外側の同心曲線および欠陥
の放射状フレーム上での存在する場所が求まるのでそれ
らの表示が可能である。しかしながら、欠陥の境界を緻
密に表示する場合には、境界の外側の領域kijとその
内側ki−1,jの間の領域での適当な2値化処理が必
要である。例えば、溶接欠陥に対しては、欠陥の外側同
心曲線kiの内側の濃度の最小値gmin を基準として、
各画素(x,y) の濃度値g(x,y) が、 gmin +Th>g(x,y) を満足する画素を欠陥領域の画素として、図11乃至図16
の写真の右のように欠陥抽出結果を表示している。
【0070】(c)割れの認識 図19乃至図21および図22乃至23を用いて割れの認識につ
いて説明する。割れは平面状の欠陥であるためX線の照
射方向に対して平行な位置にあると、写真フィルム上で
は極めて細い線として、また、コントラストの低い像と
して現れるため、目視によってもその検出には熟練を要
する。しかしながら、放射投影法では次のような様々な
工夫を行うことによって、そのような割れを検出するこ
とが可能である。
【0071】割れの画像上での特徴 割れは全体としては平面状であるが、微細に観察すると
起伏のある3次元状の形状をしているため、写真フィル
ム上でも長さ方向に微妙に濃度と幅が変化している。画
像上では、図19乃至図21のように特定の濃度レベルで2
値化を行うとすると途切れ途切れの画像となる場合があ
る。しかしながら、割れは強い方向性があるのが普通で
ある。溶接部では溶接線方向に対して、平行に現れる縦
割れ (主に熱間割れ) と直交する横割れが主として発生
する。横割れは同心曲線として円或いは正方形を用いて
容易に検出することができるが、縦割れはそれらの同心
曲線では検出できない場合があった。そこで、縦割れに
対しては、図19乃至図23に示すような縦長の同心曲線を
用いることによって、認識が可能となる。
【0072】割れ認識のための放射投影法 図19乃至図21および図22乃至図23を用いて割れを認識す
る幾つかの放射投影法を説明する。図19及び図20は同心
曲線の形を縦長の矩形および楕円に変えた方法で、投影
および領域判断の方法は(2)で説明した方法と同じで
ある。図21では、同心曲線k1以外は、上下の辺が無く
(上下の辺上への投影を行わない) 、放射状直線上への
投影は行なわない。投影はk1内への投影P1と各左右
辺への投影である。領域判断の比較は、領域を挟み込む
ような形、P1とaa' の投影Paa' およびbb' の
投影Pbb',P1とcc' の投影Pcc' およびdd'
の投影Pdd', . . .のように行われる。
【0073】 図22では、単純な放射状フレームの1つ
で、比較の基準として3本の放射状直線 (aof, bo
e, cod) への投影を用いて、 Pij= (i=1,..., c;j=1, 2, 3, 4) > Paof
or Pboe or Pcod を満足するならば、kijは割れ領域の外であると判断
する。割れ方向に多少の傾きがあっても割れの検出が可
能である。
【0074】 図23では、割れの幅がω以上の割れを検出
する場合で、 Pij>P1 (i=2,..., c;j=1, 2,3,
4) を満足すれば、割れ領域の外であると判断する。
【0075】 (d)欠陥の検出結果 本手法を用いて溶接部の欠陥を検出した結果の一例を図
11乃至図16を用いて説明する。いずれの欠陥に対しても
良好に検出が行えているので、問題点のみを指摘してお
く。
【0076】 図11では、欠陥の検出は十分良好である
が、目視では本手法で検出した以外の欠陥についても認
識できる。これは、目視では明瞭な欠陥の延長上として
不明瞭な欠陥をとらえているためであり、その部分しか
存在しなければ、目視でも見落としてしまうものと思わ
れる。
【0077】 図14では、目視では非常に見にくい対象で
あるが、極めてよく検出されている。
【0078】 図15では、目視以上に微細な割れをとらえ
ている。一方、図16では、欠陥領域の判断を厳しくして
(Thの値を大きくする)、検出感度を下げた場合であ
る。閾値によって検出結果はかなり異なるが、閾値を小
さくし、検出感度を上げても割れ以外の部分についての
過検出がほとんど生じていないことに注意する。
【0079】
【発明の効果】本発明は叙上の如く構成されるので、本
発明の画像認識装置及び方法によれば、本質的には物体
の大きさ・形状には依存しない放射状フレームと放射状
フレームへの物体の方向性を含む形状・色合いの特徴の
投影ならびにその投影を用いた物体の境界の判断を行う
ことから、画像中の様々な形状・大きさの物体を高速に
かつ正確に検出することができる。また、検出した物体
のおおまかな形状及び大きさを瞬時に判断することがで
きる。放射状フレームはその大きさ・形状は自由に変え
られるため認識しようとする物体の大きさ・形状には本
質的には依存しない認識を行うことができる。更に具体
的には下記の分野で有効である。
【0080】非破壊試験による表面欠陥および内部欠
陥の検出を行う分野 非破壊試験としては外観試験、放射線透過試験、超音波
探傷試験、磁粉探傷試験、浸透探傷試験があり、従来そ
れらの試験により欠陥の認識を行う際、欠陥の大きさと
形状の記述があいまいなために検査員の目視による判断
が必要な分野において本発明を適用すると有効である。
【0081】 その他の、具体例としては、(a)半導体ウェハの汚れの検出 ベヤウェハの段階から各半導体加工段階におけるウェハ
表面の汚れの検出を行う分野において、本発明を適用す
ると有効である。
【0082】(b)薄物の表面汚れ及び表面きずの検査 製造過程で特に高速な検査と欠陥の識別が要求される分
野において本発明を適用すると有効である。
【0083】画像を用いた医療診断の分野 具体例としては、医療X線透過写真フィルムからの異常
部位の抽出があり、目視では見逃しやすいようなコント
ラストの低い異常部位の抽出が要求されている分野にお
いて本発明を適用すると有効であるという特徴がある。
【0084】監視作業の分野 具体例としては、空港における昼夜の航空機の離着陸の
航路の監視、道路上での通行車両の交通量監視、鉄道ホ
ーム上での人間の落下等の異常の監視、種々の目視によ
る警戒業務、漂流者の捜索作業、等の分野において、本
発明を適用すると有効であるという特徴がある。
【0085】物体の選別の分野 物体のおおまかな大きさと形状の高速な認識を利用した
物体或いは部品の選別を行う分野において、本発明を適
用すると有効であるという特徴がある。
【0086】 なお、本発明は叙上の実施例に限定される
ものではなく、明細書及び図面の記載から当業者が想定
するすべての変更実施例を包摂するものである。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月1日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としての画像認識装置
【図2】同心を持つ曲線群からなる放射状フレームの構
成図
【図3】フレーム中心からの放射状に伸びる直線群から
なる放射状フレームの構成図
【図4】図2と図3とを組み合わせた放射状フレームの
構成図
【図5】放射状フレームによる物体の境界を認識する方
【図6】捕捉した物体の形状と大きさを認識する方法
(楕円形状の場合)
【図7】捕捉した物体の形状と大きさを認識する方法
(円形状の場合)
【図8】コントラストの小さい物体或いはノイズを含む
物体を認識するときの放射状フレームの構成 (一定幅の
場合)
【図9】コントラストの小さい物体或いはノイズを含む
物体を認識するときの放射状フレームの構成 (幅を順次
増加させた場合)
【図10】溶接部X線フィルムの外観と入力画像の大きさ
【図11】溶接部の内部欠陥を含むX線写真(左側:原画
像 右側:検出結果) (その1)(ブローホール)
【図12】溶接部の内部欠陥を含むX線写真(左側:原画
像 右側:検出結果) (その2)(スラグ巻込み)
【図13】溶接部の内部欠陥を含むX線写真(左側:原画
像 右側:検出結果) (その3)(横割れ)
【図14】溶接部の内部欠陥を含むX線写真(左側:原画
像 右側:検出結果) (その4)(熱間割れ)
【図15】溶接部の内部欠陥を含むX線写真(左側:原画
像 右側:検出結果) (その5)(熱間割れ)
【図16】溶接部の内部欠陥を含むX線写真(図15と同
じ原画像に対して検出感度を低くした場合の検出結果)
(その6)
【図17】溶接部の欠陥検出に用いたフローチャート
【図18】検出のためのフレームの移動方法
【図19】割れ検出用フレーム (同心曲線の形を縦長の矩
形とする場合)
【図20】割れ検出用フレーム (同心曲線の形を楕円とす
る場合)
【図21】割れ検出用フレーム (同心曲線k1以外は上下
の辺がなく、k1内への投影P1と各辺への投影を行う
例)
【図22】割れ検出用特殊フレーム (3本の放射状直線を
用いる例)
【図23】割れ検出用特殊フレーム (割れの幅がω以上の
割れを検出する場合)
【図24】従来手法での欠陥抽出の画像処理手法 (フロー
チャート)
【図25】従来手法での欠陥抽出の画像処理手法 (輝度
値)
【図26】従来手法での欠陥抽出の画像処理手法 (オペレ
ータ)
【符号の説明】 1 現像フィルム 2 ITVカメラ 3 透過光照明ボックス 4 制御用パソコン 5 画像出力用モニタ 6 画像認識処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06T 7/00 (72)発明者 石井 明 東京都調布市布田2丁目31番地6 大島マ ンション3−A

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像入力系を構成する画像認識対象物及
    びカメラと、 制御用コンピュータと、 画像出力用モニタと、 画像認識処理装置とから構成され、 該画像認識処理装置は、 画像フレームメモリ或いは画像認識用演算チップを含
    み、 該画像フレームメモリ或いは画像認識用演算チップを含
    む画像認識処理装置と制御用コンピュータと画像出力用
    モニタは、本質的には物体の大きさ・形状には依存しな
    い放射状フレームを用いて画像中の物体或いは領域を認
    識する画像認識プログラムにより制御され、画像認識用
    演算チップにおいて画像認識のための演算を一部ハード
    化するとともに、 画像入力系から一体化構成された画像認識装置。
  2. 【請求項2】 本質的には物体の大きさ・形状には依存
    しない放射状フレームを用いて画像中の物体或いは領域
    を認識する画像認識方法であって、(i) 放射状フレ
    ームを選択するステップと、(ii) 該放射状フレーム
    へ物体の方向性を含む形状、色合いの特徴を投影するス
    テップと、(iii) その投影を用いて物体の境界を判断
    するステップと、から構成され、 物体の大きさ・形状には本質的には依存しない認識を行
    なうことを特徴とする画像認識方法。
  3. 【請求項3】 前記放射状フレームは、同心を持つ曲線
    群からなる放射状フレームもしくは、フレーム中心から
    放射状に伸びる直線群からなる放射状フレームもしく
    は、前記曲線群からなる放射状フレーム及び直線群から
    なる放射状フレームを組み合わせた放射状フレームであ
    ることを特徴とする請求項2記載の画像認識方法。
  4. 【請求項4】 前記放射状フレームを選択するステップ
    (i)において、 物体或いは領域の形状に方向性がない場合には、同心円
    或いは同心の正方形を選択し、 方向性を有する長細い形状の場合には、 長軸方向が一致する同心の矩形或いは同心の楕円形状を
    選択し、 同心曲線の大きさは、想定される物体或いは領域の最小
    と最大の大きさが対応するように最小と最大の同心曲線
    を選択し、 同心曲線の数と間隔は、最初は物体或いは領域のおおよ
    その大きさがわかる程度に選択し、 放射状の直線については、その位置・数については認識
    すべき物体の形状と物体の背景とのコントラストを考慮
    して選択し、同心曲線と放射状直線によって区分された
    各曲線への物体の特徴の投影によって、物体の境界が存
    在するかどうかを判断し、物体のおおまかな形状の認識
    を行うことを特徴とする請求項2記載の画像認識方法。
  5. 【請求項5】 前記放射状フレームへ物体の方向性を含
    む形状、色合いの特徴を投影するステップ(ii)におい
    て、 物体の境界は、同心円もしくは放射状直線で区分された
    曲線領域間の濃度の比較によって把握し、 領域の比較に当たっては、区分された曲線上の特徴量と
    して、その部分の平均の濃度を用いて、特徴量を曲線上
    の代表値として表す、投影するスップを含むことを特徴
    とする請求項2記載の画像認識方法。
  6. 【請求項6】 前記物体の境界を判断するステップ(ii
    i)において、境界領域に対して適当な濃度で2値化を行
    い、物体或いは領域全体を2値の図形画像として抽出
    し、抽出された図形画像の重心に放射状フレームの中心
    を重ね、各放射状直線と図形画像が交差している領域r
    ijを探し、 該領域rijが全て同じ隣合う同心曲線に挟まれた領域な
    らばその形状はほぼ放射状フレームの同心曲線と同じで
    あると認識し、大きさも同心曲線の間隔の精度で同時に
    認識することを特徴とする、請求項2記載の画像認識方
    法。
  7. 【請求項7】 放射状フレームにおいて同心曲線に同一
    の幅もしくは順次増加する幅を持たせ統計効果を利用し
    て明瞭でない物体或いは領域を認識することを特徴とす
    る請求項2記載の画像認識方法。
  8. 【請求項8】 前記画像中の物体或いは領域が材料中の
    欠陥及び割れであることを特徴とする請求項2乃至7の
    内、いずれか1項記載の画像認識方法。
  9. 【請求項9】 前記材料中の欠陥及び割れは、鋼溶接部
    のブローホール、スラグ巻込み、融合不良、溶込み不
    足、熱間割れ、横割れ等の溶接欠陥を含むことを特徴と
    する請求項8記載の画像認識方法。
  10. 【請求項10】 放射状フレームの選択において、 欠陥の形状に対応して同心曲線を選択するとともに、複
    数のフレームを同時に選択可能とし、立体形状の欠陥に
    対しては円或いは正方形を選択し、 割れなどの平面状の欠陥で特に方向性が強い熱間割れな
    どに対しては細長の楕円或いは矩形を選択することを特
    徴とする請求項8もしくは9の内、いずれか1項記載の
    画像認識方法。
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