JPH0773118A - 遅延時間補償装置 - Google Patents

遅延時間補償装置

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JPH0773118A
JPH0773118A JP5218891A JP21889193A JPH0773118A JP H0773118 A JPH0773118 A JP H0773118A JP 5218891 A JP5218891 A JP 5218891A JP 21889193 A JP21889193 A JP 21889193A JP H0773118 A JPH0773118 A JP H0773118A
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JP
Japan
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delay
transmission
delay time
signal
transmission line
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Application number
JP5218891A
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English (en)
Inventor
Yukio Kamaya
幸男 釜谷
Tetsuro Itakura
哲朗 板倉
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 信号スキューによる位相ズレを自動的に吸収
し、さらに位相ズレの時間的な変化にも追従でき、LS
I内から基板間までシステム全体で統一的に採用できる
遅延時間補償装置を提供すること。 【構成】 本発明の遅延時間補償装置は、伝送信号が伝
送路中を伝送される伝送遅延時間を測定する伝送遅延時
間測定手段4と、この測定結果に応じて、前記伝送信号
が前記伝送路を通過するのに要する時間を調整するため
の遅延時間を決定し、この遅延時間に対応する制御信号
を出力する制御手段5と、この制御信号に応じて、ある
定まった遅延時間経過した後に前記伝送信号を前記伝送
路に出力する可変遅延手段2とを備えたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、伝送経路上に発生する
伝送遅延時間による信号スキューの違いを補正する遅延
時間補償装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通信、情報分野においてはその扱う情報
量の増大とともに、装置に要求されるスループットおよ
び遅延時間短縮の要求はますます大きくなってゆく。ま
た、各種サービスの付加も重要な要求である。これらを
考えると、装置は高速、かつ複雑なものになってくる。
この場合、装置全体の実装は大きな課題の一つである。
【0003】例えば、同期式の装置全体を複数基板上に
実現する場合を考えると、基板間の同期回路が必要とな
る。図36には、ある領域Aから信号(例えば、クロッ
ク)を別の領域B,C,…,Zに転送する状況を示して
いる。領域Aからの各領域への距離は一般には異なって
いるので、各領域までの信号遅延時間の差すなわちクロ
ックスキューは各々、τB ,τC ,…,τZ となって一
般的には異なっている。したがって、各領域B,C,
…,Zでのクロックの位相を揃えるには、各クロックス
キューτB ,τC ,…,τZ の最大値に対する残りの遅
延時間の差を遅延線で実現する方法などが実際には使わ
れている。
【0004】しかるに、この方法では各遅延時間(スキ
ュー)を実測あるいは計算等で求めておいて、それに応
じた遅延線を用意する必要がある。これは個別領域の数
が増加すると作業は困難である。さらに、この遅延線が
長くなると、管理上あるいはスペース上、不都合であ
る。また、環境の変化に伴うスキューの変動に対して
は、遅延線、システムのすべてを同一環境に設置する
か、さもなくば、再度、測定、調整が必要である。これ
らは、手間と設備(環境)の設定に対して維持管理費用
の増大を招く。
【0005】一方、最近、プロセッサーやメモリー素子
の高速、高スループット化など、LSI内での高スルー
プットが実現されてきており、さらにはLSI間の高速
化をねらったマルチ・チップ・モジュール(MCM)の
技術、あるいは基板間でのスループット向上をねらった
高密度同軸パッケージ技術なども現れてきている。この
ように、いろいろなレベルで高速伝送技術が要求されて
おり、スキューの対策は各レベルで常に現れる。たとえ
ば、素子の微細化が進めば、素子自体は小面積になり、
単位遅延時間は小さくなるが、その分配線遅延の影響が
占める割合は大きくなってクロック信号のような広い範
囲への信号分配においてはスキューは大きな問題となる
であろう。このようなミクロな領域でのスキューの測定
は、上記したような測定器による方法では極めて困難で
あろう。
【0006】それゆえ、LSI内のスキューの測定およ
び補償の機構はLSI内に配備されるのが望ましい。同
様に、LSI間、基板間など各レベル毎でこのような機
構が求められてくるであろう。このような多様なレベル
でのスキュー対策に一貫性のある方法があると都合がよ
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来、
1つの領域からの他の領域へ信号を伝送する場合に、他
の領域の受信端での信号の位相を保証する手段とし用い
ていた遅延線では、それが長くなると、管理上あるいは
スペース上、不都合であるという問題点、あるいは個別
領域の数が増加すると遅延の長さの調整作業が困難にな
ってくるという問題点、さらには、環境の変化に伴うス
キューの変動に対する保証には困難性があり、維持管理
費用の増大をも招くという問題点があった。
【0008】また、微細化された素子においては、上記
したような方法では、伝送遅延時間の把握自体が困難に
なってくるという問題点があった。本発明は、上記問題
点に鑑みてなされたものであり、信号スキューによる位
相ズレを自動的に吸収し、さらに位相ズレの時間的な変
化にも追従でき、LSI内から基板間までシステム全体
で統一的に採用できる遅延時間補償装置を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の遅延時間補償装置は、伝送信号が伝送路中
を伝送される伝送遅延時間を測定する伝送遅延時間測定
手段と、この測定結果に応じて、前記伝送信号が前記伝
送路を通過するのに要する時間を調整するための遅延時
間を決定し、この遅延時間に対応する制御信号を出力す
る制御手段と、この制御信号に応じて、ある定まった遅
延時間経過した後に前記伝送信号を前記伝送路に出力す
る可変遅延手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】ここで、前記遅延時間補償装置には、前記
伝送遅延時間測定手段の特性および前記可変遅延手段の
特性の校正をする校正手段をさらに備えても良い。ま
た、送信側に、送信側から受信側への送信用伝送路遅延
と受信側から送信側への帰還用伝送路遅延の和を検出す
る第1の伝送遅延時間測定手段を設け、受信側に、それ
ら伝送路遅延の差を検出する第2の伝送遅延時間測定手
段を設け、前記和および差から前記送信用伝送路遅延を
求めるように構成しても良い。
【0011】また、前記伝送遅延時間測定手段は、複数
の所定の周波数を用いて伝送路遅延を測定するように構
成しても良い。さらに、1つの信号を1つの領域から複
数の領域に伝える場合、複数の領域から1つの領域へそ
れぞれ信号を伝える場合、信号を双方向的に伝える場合
など、信号の伝わる経路が複数ある場合は、前記遅延時
間補償装置を各領域あるいは各伝送路に対応して設ける
のが好ましい。この場合、前記制御手段は、共有化する
ことが可能である。
【0012】
【作用】本発明の遅延時間補償装置では、前記伝送遅延
時間測定手段は、前記伝送路の伝送遅延時間を測定す
る。前記制御手段は、所望の時間、例えば一定の値から
この伝送遅延時間を引いたものを前記所定の遅延時間と
して決定し、対応する前記制御信号を前記可変遅延手段
に与える。前記可変遅延手段は、この制御信号に応答し
て、入力した信号に前記所定の遅延時間を付与して出力
する。
【0013】前記可変遅延手段に入力した前記信号は、
前記可変遅延手段および前記伝送路を通過して受信側に
伝わるのに、(前記所定の遅延時間)+(伝送遅延時
間)なる時間を要する。例えば前記一定の値から前記伝
送遅延時間を引いたものを前記所定の遅延時間として決
定した場合、前記信号が受信側に伝わるのに要する時間
は、 {(前記所定の遅延時間)−(伝送遅延時間)}+(伝
送遅延時間) から、あらかじめ設定した前記所定の遅延時間となる。
【0014】従って、本発明によれば、信号が伝送路を
伝わる時間を、すなわち受信端での信号の位相を、当該
伝送路の遅延時間には依存しない一定の値に設定するこ
とができる。
【0015】また、前記遅延時間補償装置を各領域ある
いは各伝送路に対応して設けた場合、各遅延時間補償装
置は関連する伝送路の遅延時間をそれぞれ保証する。従
って、各遅延時間補償装置の各々の可変遅手段の遅延時
間を適宜調整することによって、各伝送路の遅延時間に
かかわらず、信号が各伝送路を伝わるのに要する時間を
すべて同一にすることが可能となる。すなわち、伝送遅
延による信号の位相ズレを自動的に補償し、各領域の信
号の位相を揃えて、伝送路長などの違いによるスキュー
を吸収することが可能となる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の各実施
例について説明する。 [第1の実施例]図1には、本発明の第1の実施例を示
す。この実施例は、図中の領域Aの信号を領域Bに伝送
する場合についての一例であり、当該伝送における伝送
遅延を測定し、その結果に基づいて領域A内で当該信号
に所定の遅延を与えることによって、実際の伝送遅延時
間が所望の値になるように調整するものである。なお、
本実施例の構成は、後述する他の実施例の基本となるも
のである。まず、図1に示す実施例の構成について説明
する。本実施例の遅延時間補償装置は、可変遅延部2、
位相差検出部4、プロセッサ5、メモリ6、切り替えス
イッチ15を備えるものである。また、図1のように領
域Aから領域Bへの信号用の伝送路7の他に、伝送遅延
を検出するために用いる伝送路7´を設けてある。な
お、伝送路は、具体的には配線あるいはケーブルであ
り、この点は後述する各実施例についても同様である・
図1において、切り替えスイッチ15は適宜切り替えて
用いる。この切り替えスイッチ15がα側に設定された
場合は、信号は信号源1を発して、切り替えスイッチ1
4、端点9、当該切り替えスイッチ15、総延長dの伝
送路7を通過して領域Bの端点8に伝送される。一方、
β側に切り替えられた場合は、信号は信号源1を発し
て、切り替えスイッチ14、端点9、前記可変遅延部
2、スイッチ15、伝送路7を通過する。
【0017】上記経路で図中の領域Aの信号を領域Bに
伝送する場合、信号源1の端点9での位相と受信端点8
の位相との間には位相ズレが生じ、その量はスイッチ1
5の状態によって異なる。スイッチ15がα側の場合
は、スイッチ15の遅延と伝送路7の遅延τの和に相当
する位相ズレが生じ、一方、スイッチ15がβ側の場合
は、可変遅延部2の遅延、スイッチ15の遅延、および
伝送路7の遅延τの和に相当する位相ズレが生じる。可
変遅延部2による遅延時間は、後述する制御信号Vc に
よって0からR[秒]まで変化できるとし、Rは前記伝
送路遅延τよりも十分大きく設定できるとする。
【0018】次に、上記構成において伝送路遅延τを実
測するための手順を示す。まず、スイッチ15はα側に
設定し、可変遅延部2では初期遅延時間として“0”を
設定するものとする。可変遅延部2の出力は、位相差検
出部4の一方の入力に入る。一方、受信端点8の信号は
そのまま伝送路7と同じ材質、同じ長さの伝送路7′を
通って位相差検出部4のもう一方の入力に入る。位相差
検出部4の2つの入力の位相差に応じた出力Vo はシス
テム全体の制御を司るプロセッサ5に入る。プロセッサ
5では可変遅延部2への制御信号Vc を変えていってV
o が0になるVc をみつけると、その時の可変遅延部2
の遅延が伝送路の遅延τの2倍になっている。
【0019】次に、スイッチ15をβにする。そして、
プロセッサ5は可変遅延部2が遅延時間τinit−τを発
生するように制御信号Vc を可変遅延部2に与える。な
お、τinit(>0)は伝送遅延τよりも大きく設定して
おく。これにより、信号源1の端点9での位相に対し
て、受信端点8での信号位相は伝送路遅延τに依存せ
ず、一定の設定遅延τinitに応じた位相差になる。
【0020】なお、信号源としては伝送遅延測定用の信
号源1′を使用しても良い。また、1回測定した遅延量
をメモリ6に蓄えて置いて、このメモリ6の内容を可変
遅延部2の制御信号として用いても良い。ただし、信号
源1′、切り替えスイッチ14、メモリ6を省くことは
自由であり、この点に関しては後述する他の実施例につ
いても同様である。
【0021】ここで、図36のように、領域Aの信号源
からの信号をB以外の領域へも伝送する場合、受信端点
での位相は伝送路の遅延の違いに応じて異なる。本発明
はそのような場合に適用することが可能であり、伝送し
たい領域ごとに可変遅延部2および位相差検出部4を設
け、各可変遅延部2の遅延量を対応する伝送路遅延に応
じて加減することによって、すべての受信端点での位相
を揃えることが可能となる。すなわち、遅延線の挿入な
どのような伝送路の物理的な遅延そのものに変更を加え
ることなく、各領域への伝送遅延に基づくスキューを大
幅に削減できるわけである。
【0022】続いて、上記のような位相差検出部4と可
変遅延部2の基本的動作をさらに詳しく説明する。ま
ず、可変遅延部2の制御入力Vc と遅延量の特性の同定
について説明する。上記特性を求めるために、ここでは
位相検出部4の入力信号の位相差あるいは遅延時間差Δ
τと出力値Vo とは比例関係にあることが分かっている
ものとする。可変遅延部2の校正を行うために、スイッ
チ15はα側に設定する。このとき、プロセッサ5は制
御信号Vc を少しずつ変化させながら、位相差検出部4
の出力Vo をモニタしてゆく。その様子を図2の(a)
に示す。
【0023】ここで可変遅延部2の初期遅延を“0”
(このときVc =0)としている。図中のA点で示され
るように、Vc =0のときには位相差検出部4の出力は
伝送遅延τの往復分2τに相当する遅延の差がVt とな
って現れていると考えられる。次に、Vc を0から徐々
に大きくしてゆくと可変遅延部2の遅延時間がそれにつ
れて大きくなって、位相差としては小さくなってゆく。
そして、可変遅延部2の遅延時間が2τと等しくなった
ところ(このときVc =Vx )で、位相差は0となる
(B点)。さらにVc を大きくすると、可変遅延部2の
遅延が伝送路遅延を越える状態になり、このときのVo
は負の状態に対応する。
【0024】このようにして、プロセッサ5は図2
(a)のような関係を得ることができる。このグラフ
は、Vc に対する2τ−{可変遅延部2の遅延時間}の
関係を示しているから、A点を原点にして、さらに、V
c 軸で折り返せば、図2(b)に示すように、{可変遅
延部2の遅延時間}を制御入力Vc の関数としてうるこ
とができる。ここで、Vc =Vx に対応する遅延時間を
2τとみなす。なお、最大可変遅延時間はRであるか
ら、 0<2・τ<R (1) が成り立っていなければならない。
【0025】プロセッサ5はさらに、図2(b)から図
3(a)に示すその逆関数を得ることができる。これに
より、プロセッサは可変遅延部2に必要な遅延時間を生
成するための制御信号値Vc を知ることができる。それ
ゆえ、図2(b)で知った2τの半分すなわちτよりも
大きいτinitを設定して、上述したようにτinit−τな
る遅延時間を可変遅延部2に出力させるべく、制御信号
Vc を発生することができる。
【0026】そこで、スイッチ15をβの状態にしてそ
のVc 値を制御信号として可変遅延部2に与えれば、端
点9−端点8間の遅延時間差は伝送遅延τに関わらず、
τinitとなる。
【0027】なお、ここで可変遅延部2の初期値として
Vc =0のとき遅延0が実現できるとしていたが、これ
は必ずしも本質的ではない。なぜなら、Vc =0のとき
の遅延時間を知りたい場合、Vc =0としたまま、スイ
ッチ15をα,βで切り替えてみれば、そこでの位相差
検出部4の出力Vo の差が可変遅延部2の遅延時間に相
当するから、この分をオフセットとして図3を構成しな
おすのは容易であるからである。また、図3(a)のよ
うに制御信号Vc の変域もここでは0からVomax とし
ているが、これも一般的な場合にそのまま拡張できる。
一般的には、図3(b)に示したような特性を可変遅延
部2に与えることで適用できる。この図に示すように可
変遅延部2の特性で必要なことは、 i)単調性(単調増加、単調減少) ii)|dmax −dmin |>τ かつ dmin <2τ<dmax (2) の2点である。ここで、dmax,dminは、それぞ
れ可変遅延部2の最大遅延時間、最小遅延時間である。
【0028】また、条件(1)が成立していることさえ
保証されれば、上記の手続きの中には、伝送遅延時間τ
を絶対単位系(すなわち時間)で測定する必要はない。
あくまでも、図2(a),(b)、および図3(a)で
の座標軸上の相対関係(すなわち関連する他の物理量)
でτを補償できる。
【0029】ここに、図2および図3(a)の関数、あ
るいは制御信号値Vc などをメモリ6に記憶させておけ
ば、以降は必要に応じてこのメモリ6から情報を取り出
すことによりプロセッサ5から可変遅延部2を制御する
こともできる。
【0030】次に、前記位相差検出部4について説明す
る。上記したように、可変遅延部2の校正において基準
となるものの一つは位相差検出部4の線形性であった。
ここでは、特にこの線形性について説明する。図4に
は、図1のスイッチ15がα状態にある場合、すなわ
ち、可変遅延部2の校正を行う場合を示している。ここ
で、位相差検出部4は、位相差検出器13、ループフィ
ルタ14、および増幅器15を備える。位相差検出器1
3は掛け算器などであり、ループフィルタ14は高周波
成分を削除するローパスフィルタである。また、増幅器
15は位相差検出部4全体の利得Aを代表させたもので
ある。
【0031】まず、入力信号の波形が完全な方形波であ
る場合について説明する。図5には位相差検出器13の
2つの入力波形と出力波形の関係を示した。入力はとも
に完全に同じ周波数を持つ。それらの周期はTとする。
2つの入力信号の遅延差をτ0 とすると、出力は2つの
入力の異なる部分に比例したデューティ比が得られるか
ら、ループフィルタ14の出力から得られるDC成分
も、上記遅延差τ0 に比例した出力が得られる。つま
り、遅延差τ0 と位相差検出部4の出力とは、図7
(a)に示すような関係になる。
【0032】一方、正弦波入力の場合は次のようにな
る。すなわち、正弦波はクロック波形がなまった形の近
似とみなすこともできるので、この場合は図6に示すよ
うに、 cos(ωc ・t)・cos(ωc ・t−φ) =(1/2)・{cos(φ)−cos(2・ωc ・t−φ)} (ただし、φ=ωc ・τ) となるから、DC成分はcos(φ)に比例する。つま
り、φが小さいときでもφの1次ではなくむしろ2次関
数である。この関係は、図7(b)に示すようになる。
結局、上記の位相差検出部4が線形であるとは波形が方
形波に近いときに近似できる関係である。
【0033】次に、上記近似ができない一般的な場合に
おいて、位相差検出部4の特性を知る方法について述べ
る。ここでは、基準として可変遅延部2の特性を既知と
して位相差検出部4の校正をクロック波形の影響も含め
て行う。この場合は図4に示した構成で、プロセッサ5
は可変遅延部2の制御信号Vc を変えながら、位相差検
出部4の出力Vo をモニタしてゆく。ここで、可変遅延
部2の制御信号Vc と遅延時間dの関係が図8(a)の
ようであるとする。
【0034】プロセッサ5はこの可変遅延部2の特性を
知っているから、図8(b)に示したような可変遅延部
2の遅延dに対する位相差検出部4の出力Vo の関係を
得る。ここで、掛け算器による位相差検出器13ではそ
の出力が位相差に対して偶の関係があるから、Vo の導
関数が“0”となる遅延時間dが2τを与える。次に、
図8(b)の曲線をd軸の負の方向に2τずらせば、図
(c)に示すような位相差検出部4における入力信号の
遅延時間差d´に対する出力信号Vo の関係が得られ
る。
【0035】なお、入力クロックは2つの入力信号の遅
延時間差を測定するに充分なほど低周波であるのが好ま
しい。すなわち、図9に示すように、伝送路遅延差Δτ
はT/2以下でなければならない。
【0036】ところで、図1と等価な構成として図10
が考えられる。ここでは、同じ特性を有する2つのの可
変遅延部21 ,22 を用い、その代わりにスイッチ15
を削除したものである。上記のスイッチ状態αは、可変
遅延部22 を使うときに対応し(このとき可変遅延部2
1 の遅延時間は“0”)、スイッチ状態βは可変遅延部
1 を使うときに対応する(このとき可変遅延部22
遅延時間は“0”)。この場合の動作については明らか
であるので、詳細な説明は省略する。
【0037】このように、必要に応じてスイッチ15を
α状態にして可変遅延部2の校正を行っておけば、後は
β状態で使うので、後述する各実施例の説明では、スイ
ッチ15をα側に設定する状態を省略して、β状態につ
いてのみ示すこととし、スイッチ15も省略するものと
する。すなわち、以降、図11の構成を基本として用い
る。また、後述する各実施例の説明では、校正に関する
説明も省略する。 [第2の実施例]次に、本発明の第2の実施例に係る遅
延時間補償装置について説明する。図12には、第1の
実施例の信号位相差補償装置を領域Aから、領域B,C
の2カ所に信号を分配する場合に適用する例を示してい
る。すなわち、本実施例は、図1あるいは図11に示す
構成を2系統分備えるものである。
【0038】本実施例の遅延時間補償装置は、プロセッ
サ5、可変遅延部201,202(VD,VD´)、位
相差検出部401,402(φ,φ´)、メモリ6、レ
ジスタ16,16′を備える。ここに、領域Bに対する
第1の位相補償系統は、プロセッサ5、メモリ6、レジ
スタ16、クロック1、スイッチ14、可変遅延部20
1、位相差検出部401、伝送路701,701′から
なり、一方、領域Cに対する第2の位相補償系統は、プ
ロセッサ5、メモリ6、レジスタ16´、クロック1、
スイッチ14,可変遅延部202、位相差検出部40
2、伝送路702,702′からなる。
【0039】なお、レジスタ16,16′は各系統での
伝送路遅延τ,τ′を補償するための前記制御信号Vc
を記憶しておくためのものである。また、本実施例で
は、プロセッサ5は制御信号CLで系統を選択した上
で、前記制御信号Vc を出力する。
【0040】ここに、上記の領域Bおよび領域Cの各々
に対する個々の系統に関する構成および動作は、第1の
実施例で詳細に説明した図1の遅延時間補償装置と同様
であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0041】上記構成において、第1の位相補償系統を
用いて領域Bへの伝送路701の伝送路遅延τB を測定
するとともに、第2の位相補償系統を用いて領域Cへの
伝送路702の伝送路遅延τC を測定する。次に、プロ
セッサ5は、可変遅延部201が遅延時間τinit−τB
を発生するように所定の制御信号Vc を可変遅延部20
1に与え、可変遅延部202が遅延時間τinit−τC
発生するように所定の制御信号Vc を可変遅延部202
に与える。ただし、遅延時間τinitの値は、τB および
τC の大きいほうに、適当なマージンを加えた値にする
と望ましい。
【0042】これにより、領域Bにおける受信端点80
1および領域Cにおける受信端点802での信号位相
は、各伝送路701,702の伝送路遅延τB ,τC
依存せず、一定の設定遅延τinitに応じた同一の位相に
なる。
【0043】本発明は、信号を3領域以上に分配する場
合も同様に適用できる。なお、レジスタ16,16′を
省いて、プロセッサ5が制御信号Vc を保持するように
構成しても良い。 [第3の実施例]次に、本発明の第3の実施例に係る遅
延時間補償装置について説明する。図1に示す第1の実
施例では、伝送路7および伝送路7′での遅延時間がほ
ぼ等しいと場合における受信領域での位相補償を行うも
のであったが、本実施例は2つの伝送路7,7′の遅延
時間が等しくない場合にも適用できるように構成したも
のである。
【0044】図13には、各伝送路7,7´の各々の伝
送路遅延を測定するための構成の一例を示す。ここで、
クロック信号は、伝送路7,7′を通り、伝送路遅延は
それぞれτ,τ′であるとする。
【0045】本実施例は図1の実施例とほぼ同様の構成
を有するが、本実施例の図1の実施例に対する相違点
は、受信領域Bにも位相差検出部43を設けるととも
に、各領域に双方向バッファ12,12′、スイッチ1
7,18を設けた点である。バッファ12,12′、お
よびスイッチ17,18の切り替えは、プロセッサ5か
らのSEL信号によって行う。領域Bのバッファ1
2′、およびスイッチ18には、伝送路10を用いて上
記SEL信号を伝える。ここで、信号源1´を用いる場
合の切り替えスイッチ14は省略してある。
【0046】本実施例では、位相差検出部が2系統ある
ので、前述したような可変遅延部2との校正は、2つの
位相差検出部4,43について行う。以下、この構成で
上記伝送路遅延τ,τ′を求める手順について説明す
る。
【0047】まず、SEL信号により、図14のように
系を構成する。すなわち、可変遅延部2から出力された
クロックは、そのまま位相差検出部4の一方の入力に入
るとともに、伝送路7を通って送られてきたクロックは
スイッチ18で位相差検出部43を介さずに直接伝送路
7′を通って位相差検出部4の他方の入力に入る。この
場合、位相差検出部4の出力Vo は“τ+τ′”に相当
する遅延を示している。つまり、図14は“τ+τ′”
を測定する構成である。
【0048】次に、SEL信号を切り替えて、図15の
ような構成にする。ここでは可変遅延部2の出力を2つ
に分岐して一方を伝送路7を介して受信側の位相差検出
部43の一方の入力に入れ、他方を伝送路7′を介して
位相差検出部43の他方の入力に入れる。このとき、伝
送路10´から得られる位相差検出部43の出力Vo″
は、“τ−τ′”を示している。
【0049】このようにして、“τ+τ′”と“τ−
τ′”が得られたことによって、これらからτ,τ′を
求めることができる。伝送路7の伝送路遅延τが得られ
たら、プロセッサ5は、可変遅延部2が遅延時間τinit
−τを発生するように所定の制御信号Vc を与える。こ
れにより、領域Bにおける受信端点8での信号位相は、
伝送路7の伝送路遅延τに依存せず、一定の設定遅延τ
initに応じた位相差になる。
【0050】このように、本実施例によれば、送信側か
ら受信側への送信用伝送路と受信側から送信側への帰還
用伝送路の各伝送路遅延が互いに異なった場合の伝送遅
延補償が可能となる。
【0051】なお、伝送遅延補償についての動作は、第
1の実施例において説明した通りであるので、ここでの
詳細な説明は省略する。ここに、図14の構成は同時に
前述したような可変遅延部2と位相差検出部4との校正
のための構成でもあり、また、図15の構成は位相差検
出部43の校正にも用いる。
【0052】次に、この構成を用いて2系統を接続した
実施例を、図16に示す。この場合、領域Aから領域
B,Cに信号を分配する構成を示す。領域Bに対する第
1の位相補償系統は、プロセッサ5、メモリ6、クロッ
ク1、可変遅延部2、位相差検出部4,43、伝送路
7,7′,10,10′、双方向バッファ12,1
2″、切り替えスイッチ17,18からなる。
【0053】また、領域Cに対する第2の位相補償系統
は、プロセッサ5、メモリ6、クロック1、可変遅延部
200、位相差検出部400,4300、伝送路70
0,700′,1000,1000′、双方向バッファ
1200,1200″、切り替えスイッチ1700,1
800からなる。
【0054】図16の構成における種々動作について
は、本実施例で述べたことと、第2の実施例で説明した
ことから明らかであるので、ここでの詳細な説明は省略
する。本実施例によって、領域Aから領域B,Cに信号
を分配する構成において、領域B,Cの各々に関して、
送信側から受信側への送信用伝送路と受信側から送信側
への帰還用伝送路の各伝送路遅延が互いに異なった場合
でも、伝送遅延補償を行うことが可能である。
【0055】これにより、領域Bの受信端点8および領
域Cの受信端点800での信号位相は、各伝送路7,7
00の伝送路遅延に依存せず、一定の設定遅延τinit
応じた同一の位相になる。 [実施例4]次に、本発明の第4の実施例に係る遅延時
間補償装置について説明する。本実施例は、上記第3の
実施例を領域B内の2カ所に信号を分配する場合に適用
したものであり、その構成を図17に示す。
【0056】ここでは、領域Bにおいて信号を分配する
のではなく、領域Aから信号を分配するものとする。こ
の場合、校正操作は可変遅延部2,2′の両方について
行う。
【0057】図17において、信号源1(あるいは信号
源1′)からの信号の経路には、端点9で分岐して可変
遅延部2、伝送路7を介して端点8に至る経路と、可変
遅延部2′、伝送路7″を介して端点8′に至る経路の
2つがある。ここで、伝送路7,7″の遅延時間はそれ
ぞれτ,τ″であり、信号の帰還経路となる伝送路7′
の遅延時間はτ′であるとする。
【0058】受信端点8,8′での位相を揃えるための
手順を、以下に示す。上記の3つの遅延時間を求めるた
めには3つの独立な式が必要である。そこで、まず、S
EL信号により各切り替えスイッチ31〜34を切り替
えるとともに、各双方向性バッファ12,12″の方向
を選択して、図18に示すように可変遅延部2の出力を
そのまま位相差検出部4に与える経路と、可変遅延部2
の出力を伝送路7から領域Bへ伝え、領域Bで折り返し
て伝送路7′を介して位相差検出部4に与える経路を構
成する。そして、この位相差検出部4で位相差を検出す
ると、これにより“τ+τ′”が得られる。
【0059】次に、図19のように、可変遅延部2の出
力を伝送路7と伝送路7′とに分岐し、各々の信号を位
相差検出部43に与える系にする。そして、位相差を検
出すると、“τ−τ′”が得られる。
【0060】さらに、図20のように可変遅延部2′の
出力を伝送路7″,7′を介して位相差検出部4に入力
するとその出力からは、“τ″+τ′”が求められる。
以上より、τ,τ′,τ″を求めることができる。
【0061】ここでは、“τ+τ′”,“τ−τ′”,
および“τ″+τ′”の3式の値を求めたが、他にも独
立な3つの式の組にはいくつか考えられ、同様にτ,
τ′,τ″を求めることが可能である。
【0062】こうして、τ,τ″が分かったら、図17
に示す16,16′のレジスタに各可変制御信号Vc を
蓄えておくことができる。したがって、本実施例によれ
ば、受信端点8,8′での信号の位相を揃えることがで
きる。
【0063】なお、伝送遅延補償についての動作は、第
1の実施例において説明した通りであるので、ここでの
詳細な説明は省略する。 [第5の実施例]次に、本発明の第5の実施例に係る遅
延時間補償装置について説明する。
【0064】前述した各実施例では、領域Aから領域
B,あるいは領域Aから領域B,Cなどへの一方向性の
通信に本発明を適用した例であるが、本実施例は、領域
Aと領域Bとの間の双方向性通信の場合に適用したもの
である。つまり、図21のように、領域Aおよび領域B
が、送信側になったり、受信側になったりするものであ
る。
【0065】本実施例では、信号は伝送路7を通ってや
りとりされるとする。ここでは、伝送路7の両端に双方
向性バッファS5,S5′を設け、SEL信号により通
信できる方向を選択するものとする。
【0066】領域Aからの信号は、入力i1 からスイッ
チS1を通過し、可変遅延部2、スイッチS2、バッフ
ァS5、伝送路7、領域B側のバッファS5′、スイッ
チS2′を介して、領域Bの出力O1 に出力される。逆
に、領域Bからの信号はB側の入力i2 から入って、可
変遅延部2″を通過し、スイッチ2′を通って、バッフ
ァS5′、伝送路7、バッファS5、スイッチS2を介
して領域O2 から出てゆく。このとき、伝送路7あるい
はさらにその両端のバッファS5,S5′まで加えた遅
延時間をAからB方向でτ1、BからA方向でτ2とす
る。
【0067】これらτ1,τ2によらず、領域Aの端点
9と領域Bの端点8での位相を同一にし、領域Bの端点
9″と領域Aの端点8″での位相を同一にするには、τ
1,τ2を測定する必要がある。そこで、伝送路7の遅
延時間を両方の領域から測定する。そのための基本構成
としては、両方の領域に位相差検出部4,43を設け、
伝送路7′を介してクロック信号を帰還させる。この伝
送路7′のAからB方向の遅延がτ1′、BからA方向
の遅延がτ2′とする。
【0068】結局、τ1,τ2,τ1′,τ2′が未知
数となるので、これら4つの未知数を知るには4つの独
立した式が必要である。領域A,Bの双方に用意したプ
ロセッサ5,5´が系の状態を制御しながら伝送路遅延
を測定する。以下、さらに詳細にその動作、および制御
の様子を述べる。
【0069】まず、SEL信号により各切り替えスイッ
チS1〜S4,S1´〜S4´を切り替えるとともに、
各双方向性バッファS5,S5´,S6〜S6´の方向
を選択して、図22のように、“τ1+τ2′”を求め
るための構成にする。領域Aからのクロック入力1′は
スイッチS1を通って可変遅延部2を介してスイッチS
2、バッファ5伝送路7、バッファS5′、スイッチS
3′バッファS6′伝送路7′バッファ6、スイッチS
4を介して位相差検出部4に入る。ここで、可変遅延部
2からの信号との遅延差を検出できる。この遅延差は
“τ1+τ2′”に相当する。
【0070】図23には、“τ1−τ1′”を求める構
成を示す。まず、図22と同様に、i1 からの信号は伝
送路7を通過し、スイッチS3′で位相差検出部43に
入る。また、可変遅延部2からの信号は分岐してスイッ
チS4を介してバッファS6、伝送路7′、バッファS
6′スイッチS4′を介して位相差検出部43の他方の
入力に入る。ここで位相差検出部43はτ1−τ1′を
検出する。
【0071】図22,23ではプロセッサ5,5′がと
もに同じ処理を行ってもよいし、どちらか一方が計算処
理を行って、その結果を他方に伝えても良い。一方で行
う場合には、どちらかが、マスタになって他方をMOD
E信号により制御する。MODE信号線は情報のやりと
りにも使って良い。
【0072】図24では逆に、Bからの信号i2 を用い
て図22に示す系における検出動作と同じことを行う。
これにより、“τ2+τ1′”が知れる。図25では、
同様にして、“τ1−τ2′”が知れる。
【0073】図24,25でもプロセッサは一連の処理
を双方で行っても良いし、一方で行って、他方に結果を
知らせても良い。以上のように、図22,23,24,
25に示した構成からプロセッサは“τ1+τ2”,
“τ1−τ1′”,“τ2+τ1′”,および“τ1−
τ2′”の4つの独立な式の値を知ることができるで、
これらから、τ1,τ1′,τ2,τ2′を知ることが
できる。
【0074】このようにして得られたτ1およびτ2を
用いて前述したように可変遅延部2の遅延時間を調整す
ることにより、双方向通信の場合でも位相差を伝送遅延
にかかわらず一定にすることができる。
【0075】続いて、切り替えスイッチの構成について
述べる。例えば、図21においては、S1,S3,S4
などのような切り替えスイッチが設けられており、その
切り替え状態はやや複雑であるが、基本的には双方向性
のクロスポイントスイッチで実現することができる。
【0076】例えば、図26(a)には、4入力4出力
のクロスポイントスイッチのモデルが示されている。例
えば、入力ポート3から、出力ポート2への接続は、ス
イッチS32を介して行われる。入出力ポートが同じとい
うことはないから、対角成分ではスイッチはない。この
構成のスイッチは入出力ポートが空いていれば必ず接続
できるので、任意の1対1結合は実現できる。
【0077】クロスポイントでのスイッチ要素は図25
(b)のような一つのアナログスイッチ100で実現さ
れてもよい。この場合は、図25(c)に示すような変
換装置101を設け、プロセッサからの切り替え制御信
号SELに応じて、12個のクロスポイントスイッチS
21〜S43(Sii、i=1,2,3,4は除く)の対応す
るものを導通させるための制御信号を出力させるように
構成すれば良い。
【0078】また、クロスポイントのスイッチ構成とし
て、図26(d)のような2つのスイッチ102,10
3の直列結合を採用しても良い。この場合は、2次元的
にスイッチを指定できるから、図26(e)のSEL変
換器104としては縦方向(V)の何番目、横方向
(H)の何番目という指定ができるという利点がある。
スイッチサイズが大きくなった場合は、図26(d)の
ようなスイッチ構成が適当である。
【0079】次に、前述した図4に示す位相差検出部4
は、位相差検出部13、ループフィルタ14、増幅器1
5から構成されるとしたが、さらに詳しい位相差検出部
13の構成例について図27に示す。
【0080】図27(a)のように2入力信号の位相差
検出部13では、まず、その積を計算する必要がある。
そこには、例えば、図27(b)に示すように排他的論
理和120を用いる。
【0081】ループフィルタ14としては、RCの1次
の遅延フィルタを用いる。位相差検出部13としては、
図27(c)のように、セットリセットフリップフロッ
プ121を用いることもできる。
【0082】次に、図28には、可変遅延回路の構成例
を示す。図28(a)は、ゲート140を多段結合し、
電源電圧VC を遅延制御信号として用いる例である。一
般的には、電源電圧をあげると遅延時間は小さくなり、
下げると大きくなる。図28(b)ではゲート141の
通過段数を選択回路142で切り替えて遅延時間を制御
する例である。ここでの一段のゲートは図28(c)の
ようにインバータ回路144段接続して構成される。
【0083】図29は、双方向性のバッファの例であ
る。図29(a)は、制御信号Cによってゲートを活性
化、不活性化できるゲート回路145である。たとえ
ば、CMOS素子を用いて図29(b)のような構成が
できる。ここでは、Cが低論理では活性化、高論理では
不活性化する。このゲート回路145を用いると、図2
9(c)に示すような双方向性のバッファは、図29
(d)のような構成で実現できる。 [第6の実施例]次に、本発明の第6の実施例に係る遅
延時間補償装置について説明する。第1の実施例(図1
参照)の説明においては、当該装置の校正あるいは伝送
遅延τの測定の際には、実際の信号とは別に周波数が1
/(2・τ)以下のクロックを用いる必要があることを
図9を用いて述べた。実際には、当初伝送遅延時間は不
明であるから、まず、充分低周波数のクロックを使っ
て、伝送遅延τの目安をつけることも効果的である。
【0084】そして、その結果から1/(4・τ)の周
波数で再度測定を行うと、図7(b)から分かるように
正弦波の入力に対しては位相差検出部の入出力特性の感
度が最も高くなり、精度の高い遅延時間測定が可能とな
る。
【0085】これには、図30に示すように、プロセッ
サが測定用クロック源1′の発信周波数を制御して、低
周波での測定結果から、位相差検出の感度の高い周波数
で再測定するように構成すれば良い。 [第7の実施例]次に、本発明の第7の実施例に係る遅
延時間補償装置について説明する。
【0086】前述した各実施例では一つの信号源から複
数の領域への同期配分について述べてきたが、本実施例
は複数の信号源から一つの受信領域への同期伝搬を行う
場合に適用したものである。つまり、図31に示すよう
に、領域Aの信号源I1と領域Bの信号源I2の信号
を、領域Cの出力O3 ,O4 に位相を揃えるように転送
する場合である。この場合も、本発明を用いて所望の同
期合わせを行うことが可能である。
【0087】ここでも、伝送路7,7′のそれぞれの遅
延時間τ,τ′を測定することが必要である。図31の
例では、プロセッサ5を受信側に1機、可変遅延部2,
2′を送信側へおのおの1機づつ設けてある。
【0088】ここで、求めるべきパラメータはτ,
τ′,τo ,τo ′の4つであるから、4つの独立した
方程式が必要である。以下、その4つの式を求める手順
を示す。まず、SEL信号(図示せず)により各切り替
えスイッチ35,36,37,37´,38,38´を
切り替えるとともに、各双方向性バッファ121〜12
8の方向を選択して、図32のように、“τ+τo ”を
求めるための構成にする。領域Cにある遅延時間測定用
信号源1′からのクロック信号は一方はそのまま位相差
検出部4″に入力し、他方は双方向性バッファ123、
伝送路7、バッファ121、スイッチ18、バッファ1
22、伝送路701、バッファ124を通過して位相差
検出部4″に入力する。ここで位相差検出部4″は“τ
+τo ”に相当する位相差を検出する。
【0089】次に、“τ−τo ”を求める構成を図33
に示す。ここでは、クロック信号1′をスイッチ19を
介して2分して、一方は伝送路7を介して位相差検出部
4へ、他方は伝送路701を介して位相差検出部4へ入
力する。位相差検出部4は“τ−τo ”に相当する位相
差を検出する。こうして、領域A,C間の伝送路遅延
τ,τo が求められる。
【0090】同様に、領域B,C間の伝送路遅延τ′,
τo ′も、図34の構成で“τ′+τo ′”が、図35
の構成で位相差検出部4´によって“τ′−τo ′”が
分かるので求められる。
【0091】こうして、プロセッサ5が伝送路7,7′
に応じた遅延時間制御信号を可変遅延部2,2′に通知
して出力O1 ,O1 に所望の位相同期を実現できる。な
お、ここでは、プロセッサを受信側に設けているが、こ
れは送信側でもよい。また、スイッチ、バッファの切り
換え制御信号線が必要であるが、図が煩雑になること
と、自明であることから省略した。また、本発明は上述
した各実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸
脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0092】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明では、伝
送遅延時間測定手段が伝送路の伝送遅延時間を測定し、
この測定結果から制御手段が遅延時間の補償量を決定
し、これに応答して、前記可変遅延手段が、入力した信
号に前記補償量に相当する遅延時間を付与して伝送路に
出力するようにした。
【0093】従って、本発明によれば、伝送路を介して
伝送する際に生じる伝送遅延を自動的に補償して、信号
が伝送路を伝わる時間を、すなわち受信端での信号の位
相を伝送路遅延には依存しない一定の値にすることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例
【図2】位相差検出装置と可変遅延装置の校正のための
グラフ
【図3】位相差検出装置と可変遅延装置の校正のための
グラフ
【図4】本発明で可変遅延装置と位相差検出装置との校
正のための構成を示す図
【図5】位相差検出装置の入出力関係を示す図
【図6】位相差検出装置の入出力関係を示す他の図
【図7】かけ算器の2入力の位相差と出力のDC成分の
関係を示す図
【図8】可変遅延装置と位相差検出装置の入出力関係を
示す図
【図9】可変遅延装置の出力と伝送路通過後の波形の位
相関係を示す図
【図10】本発明の別の構成を示す図
【図11】本発明で可変遅延装置と位相差検出装置との
校正を終えて伝送路遅延を補償するときの構成を示す図
【図12】本発明の第2の実施例
【図13】本発明の第3の実施例
【図14】図13に示した実施例の動作を示す図
【図15】図13の示した実施例の動作を示す図
【図16】本発明の第3の実施例の変形例
【図17】本発明の第4の実施例
【図18】図17で示した実施例の動作を説明する図
【図19】図17で示した実施例の動作を説明する図
【図20】図17で示した実施例の動作を説明する図
【図21】本発明の第5の実施例
【図22】図21で示した実施例の動作を説明する図
【図23】図21で示した実施例の動作を説明する図
【図24】図21で示した実施例の動作を説明する図
【図25】図21で示した実施例の動作を説明する図
【図26】本発明の構成で用いるクロスポイントスイッ
チの構成例を示す図
【図27】本発明の構成で用いる位相差検部の構成例を
示す図
【図28】本発明の構成で用いる可変遅延部の構成例を
示す図
【図29】本発明の構成で用いるバッファ回路の構成例
を示す図
【図30】本発明の第6の実施例
【図31】本発明の第7の実施例
【図32】図31で示した実施例の動作を説明する図
【図33】図31で示した実施例の動作を説明する図
【図34】図31で示した実施例の動作を説明する図
【図35】図31で示した実施例の動作を説明する図
【図36】信号を分配するときの各伝送路の伝送遅延を
表す図
【符号の説明】
1…信号源 1´…伝送遅延測定用信号源 2,2'',21 ,22 ,200,201,202…可変
遅延部 4,4´,4'',43´,400,401,402,4
03,4300…位相差検出部 5,5´…プロセッサ 6,6´…メモリ 7,7′,701,701′,702,702′…伝送
路 8,8″,9,9″,800,801,802…端点 10,10′,1000,1000′,1001,10
01′,1002…制御信号線 12,12″,121〜128,1200,120
0″,S5,S5´,S6,S6´…双方向性バッファ 16,16′…レジスタ 14,15,17,18,18′,19,19′,31
〜38,37´,38´,1700,1800,S1〜
S4,S1´〜S4´…切り替えスイッチ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】伝送信号が伝送路中を伝送される伝送遅延
    時間を測定する伝送遅延時間測定手段と、 この測定結果に応じて、前記伝送信号が前記伝送路を通
    過するのに要する時間を調整するための遅延時間を決定
    し、この遅延時間に対応する制御信号を出力する制御手
    段と、 この制御信号に応じて、ある定まった遅延時間経過した
    後に前記伝送信号を前記伝送路に出力する可変遅延手段
    とを備えたことを特徴とする遅延時間補償装置。
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