JPH0772441B2 - 高層建築物に於けるごみ排出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、高層建築物に於けるごみ排出装置に関する
ものであり、特に高層建築物の各階にごみ投入設備を設
けて、例えば該階の一日分のごみ量を貯留できるように
し、之を各階を貫いて設けた昇降路内を昇降するごみ移
送ケージとを組合せ、各家庭内等で発生したごみを投棄
者が速やかに排出できるようにした高層建築物に於ける
ごみ排出装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来、此種高層建築物に於けるごみ処理方式として特開
昭59-149201号公開公報記載のものが知られている。而
して、該公報記載のものは、エレベータシヤフト内に、
ごみ受口と排出口とを備えた昇降可能なごみ収集ケージ
を設置し、該ごみ収集ケージの昇降により高層階からの
ごみを運搬、投棄するものである。又、ごみ収集ケージ
には、ごみの重量を測定する重量センサー及びレベルを
検出するレベルセンサーが設置されており、ごみ収集ケ
ージ内のごみ量が所定以上の重量或はレベルに達したと
き、前記ごみ収集ケージを自動的に下降させて下部に設
置されているごみ貯留装置に排出するように構成されて
いる。

［発明が解決しようとする課題］ 上記従来の方式によつてごみを処理する場合は、ごみ投
棄者がごみを投棄するたびにごみ収集ケージを呼ぶため
のボタン操作をしなければならない。更に、該ボタン操
作を為してからごみ収集ケージが当該階まで到着するま
での待時間等があつて、ごみを現実に投棄するのに相当
の時間を要し、更に、該待時間は各階に於ける投棄者が
同時に重複したときには一層増大する。

そこで、上記欠陥に鑑み、例えば各階の家庭内にて発生
したごみを投棄する場合、投棄者が前記待時間を要せ
ず、迅速且つ、確実に投棄でき、更に各階に於て投棄さ
れた前記ごみを速やかに排出できるようにするために解
決せらるべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明
は該課題を解決することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この発明は上記目的を達成せんとして提案せられたもの
であり、高層建築物の各階を貫いて設けられた昇降路内
を昇降可能に収容されたごみ移送ケージと、該ごみ移送
ケージを昇降せさる駆動手段及び該駆動手段を作動させ
る制御部とを設けた高層建築物のごみ排出装置に於て、
前記高層建築物の各階の昇降路内の壁面に設けた接続具
に充分なごみ収容能力を有するごみ投入設備が着脱自在
に固定され、更に前記ごみ移送ケージ内部には前記ごみ
投入設備の着脱装置が前後移動自在に配設されると共
に、前記ごみ投入設備の底部に開閉自在に設けられた下
部開放扉の下面を支承するストツパー装置を備え、制御
部からの呼出し信号により、前記ごみ移送ケージが該当
階に到着したとき、前記着脱装置が前進して該当階のご
み投入設備を着装せしめる手段と、前記ごみ投入設備を
着装した姿勢にて該着脱装置を後退せしめて該ごみ移送
ケージを下降せしめる手段と、前記下降したごみ移送ケ
ージ内の前記ごみ投入設備を前進せしめて下部開放扉を
開放せしめる手段と、前記開放した下部開放扉を閉塞し
乍ら該空のごみ投入設備を再度後退せしめて該ごみ移送
ケージを前記の該当階に到達せしめ、更に、該ごみ投入
設備を前進せしめて該当階の接続具に前記前進したごみ
投入設備を着装せしめると同時に前記ごみ移送ケージに
設けた着脱装置を該ごみ投入設備より離脱せしめて該ご
み移送ケージを下降させ、所定位置で呼び出し信号ある
まで待機するようにした制御手段とを設けたことを特徴
とする高層建築物に於けるごみ排出装置を提供せんとす
るものである。

［作用］ 各階の各家庭等にて発生したごみは、ごみ移送ケージの
昇降路内の壁面に設置された接続具に装着され、且つ、
充分なごみ収容能力を有するごみ投入設備内に随時投棄
できる。従って、前記昇降路内を昇降するごみ移送ケー
ジの呼び動作を必要とせず、同一個所に於て数人の投棄
者が重複する場合の外は、ごみ投棄のための待時間は全
く要しない。そこで、異つた階層に於て投棄者が重複し
ても前記待時間は全くない。更に、前記ごみ投入設備の
ごみ収容能力は、例えば当該階層全般に於て発生する一
日分のごみ量を収容できるように構成されているので、
ごみ投棄者は何時でも前記待時間なしに速やかにごみの
投棄を為すことが可能となる。

斯くして、例えば該ごみ投入設備に所定のごみ量が投入
されたとき、或は投入扉の開閉回数が所定回数に達した
ときは、制御部からの操作指令によつて下部に待機して
いるごみ移送ケージが当該階に到達する。そして、該ご
み移送ケージに設けた着脱装置が前進して前記ごみ投入
設備を着装する。更に、該階の接続具から該ごみ投入設
備を離脱せしめて、該ごみ投入設備をごみ移送ケージ内
の後部に後退せしめ、そして、該昇降路内の下部のごみ
排棄部位まで下降させる。そこで、前記ごみ投入設備を
前進せしめて下部開放扉を開放し、ごみ投入設備内に収
容されているごみを排棄する。

斯くして、ごみ排棄が終了した空のごみ投入設備は、再
び後退する。このとき、前記下部開放扉は閉塞され、そ
して、該ごみ移送ケージが前記の該当階まで上昇し、更
に、着脱装置が前進してごみ投入設備を当該階の昇降路
内壁に設けられた接続具に着装せしめると共に、前記着
脱装置をごみ投入設備より離脱せしめて後退し、そし
て、該ごみ移送ケージは下降して、所定位置にて次の呼
び出し信号があるまで待機することになるのである。

斯くして、各階に設けられているごみ投入設備は、当該
ごみ投入設備からのごみ排棄が行われていない限り常時
ごみを投入できる状態におかれており、且つ、前記ごみ
移送ケージの操作もごみ投棄者の存在とは無関係に行わ
れるので、該ごみ投棄者は随時迅速にごみ投入設備にご
みを投棄できる。

［実施例］ 以下、本発明の一実施例を別紙添付図面に従って詳述す
る。尚、説明の都合上、従来公知に属する技術事項も同
時に説明する。第１図（ａ）は本発明の全体機構の概略
を解説するための一部切欠縦断面図であるが、同図に於
て（１）は各階を貫く昇降路である。該昇降路（１）内
には昇降可能にごみ移送ケージ（２）が配備されてい
る。そして、該ごみ移送ケージ（２）はワイヤロープ
（3a）の一端部に懸吊され、そして、該ワイヤロープ
（3a）の他側部は前記昇降路（１）の上部に設けられた
昇降装置用機械室（４）内に配設され、モータ（図示せ
ず）の駆動にて正逆転するプーリ（3b）に巻装され、そ
の下端部バランサー（3c）を固設し、前記ワイヤロープ
（3a）、プーリ（3b）及びバランサー（3c）並びに前記
モータ（図示せず）にて前記ごみ移送ケージ（２）を昇
降させるための昇降装置を構成している。更に、前記昇
降装置用機械室（４）内には前記ごみ移送ケージ（２）
の昇降動作等の操作指令を出力するための昇降装置用制
御盤（５）が配備されている。

又、各階には前記昇降路（１）の壁面（1a）を開孔して
ごみ取入口（1b）とし、そして、該壁面（1a）の内側面
にごみ投入設備（６）が夫々配備されている。

又、前記昇降路（１）の下部近傍にごみ貯留装置（７）
が備えられ、更に、ごみ貯留装置（７）には前記ごみ移
送ケージ（２）内のごみを第１図（ｂ）に示すごみ振分
け装置（８）を介して可燃ごみと不燃ごみとに振分けら
れて投入されるように構成されている。

而して、該ごみ振分け装置（８）には、曜日、時間別に
設定された方向に操作される切替ダンパー（９）と該切
替ダンパー（９）を駆動させるためのモーター（10）と
が内蔵されている。従って、例えば月曜日並びに金曜日
は不燃ごみの投棄曜日と定めたり、或は午後５時以降を
前記不燃ごみの投棄時間と定めることにより、前記モー
ター（10）の作動により切替ダンパー（９）を回動し
て、不燃ごみ側のごみ貯留装置（７）に投入できるよう
にする。

次に、前記各階の壁面（1a）に設けられたごみ取入口
（1b）の開閉扉（11）について説明する。第２図（ａ）
（ｂ）に於て、前記壁面（1a）に設けたごみ取入口（1
b）の一側に開閉扉（11）を枢着（11a）（11a）して開
閉自在に形成する。該開閉扉（11）の前面中心部にハン
ドル（12）が設けられ、その軸（12a）は該開閉扉（1
1）の中心部を貫通し、そして、その裏面に於てストツ
パー片（13）を固設する。更に、該ストツパー片（13）
はその先端部を前記ごみ取入口（1b）に設けた係止溝
（1c）に係合自在に設けられている。即ち、前記ハンド
ル（12）の回動動作にて該ストツパー片（13）を回動し
て該係止溝（1c）より離脱せしめ、そして、該ハンドル
（12）を手前に引くことにより開閉扉（11）を回動して
ごみ取入口（1b）を開放し、更に、開放した該開閉扉
（11）を押圧して該ごみ取入口（1b）を閉塞し、そし
て、ハンドル（12）を回動してストツパー片（13）を係
止溝（1c）に係止してロツクするのである。

尚、該開閉扉（11）の上方部の壁面（1a）には投入表示
灯（14）を備え、ごみの投入可能の有無を表示するもの
とする。更に、該開閉扉（11）は上記一実施例に限定せ
られるべきではない。

次に、ごみ投入設備（６）について第３図（ａ）〜
（ｈ）に従って説明する。該ごみ投入設備（６）は箱型
に形成され、その上部一側には前記壁面（1a）に開口さ
れたごみ取入口（1b）に対面してごみ投入設備側のごみ
投入口（6a）が閉穿され、該ごみ投入口（6a）には開閉
自在の内部扉（6b）が枢着されている。

又、該ごみ投入設備（６）の底部には下部開放扉（6c）
の後部が該ごみ投入設備（６）の側板（6d）の下端部に
枢着され、その自重によつて開放できるように構成され
ている。又、該下部開放扉（6c）の上面には投入される
ごみの衝撃を緩和するためのエアークツシヨン（6e）が
接合されている。更に、該下部開放扉（6c）の底面両側
部を支承するためのストツパー装置（15）が該ごみ投入
設備（６）の側板（6d）に設けられている。而して、該
ストツパー装置（15）は前記下部開放扉（6c）側並びに
両側面を開放したコ字状のブラケツト（15a）を前記ご
み投入設備（６）の下部両側の側板（6d）の夫々の側方
に突設し、そして、該ブラケツト（15a）内にピン（15
b）にて略く字状のアーム（15c）の中心部を枢着し、更
に、該アーム（15c）の後端部（Ｍ）にはストツパー片
（15d）を嵌挿し、該ストツパー片（15d）はスプリング
（15e）にて下部開放扉（6c）の下面側に突出するよう
に付勢されている。勿論、該ストツパー片（15d）の背
端部は前記アーム（15c）に受止められて該ストツパー
片（15d）がアーム（15c）より離脱しないように構成さ
れている。更に、該アーム（15c）は前記ピン（15b）を
回動中心とし、且つ、スプリング（15f）にて前記スト
ッパー片（15d）が前記下部開放扉（6c）側に付勢され
ている。

又、ごみ移送ケージ（２）が下降してごみ排棄部位に到
達し、更にその中のごみ投入設備（６）が前進して昇降
路（１）内の壁面（1a）に突設したケリコ（16）に前記
アーム（15c）の前端部（Ｎ）即ち、第３図（ｆ）に於
ては右側面が当接して該アーム（15c）がピン（15b）を
回動中心とし、スプリング（15f）の付勢に打勝って反
時計方向に回動するように構成されている。このとき、
該アーム（15c）の後端部（Ｍ）は回動し、ここに嵌挿
されているストツパー片（15d）は下部開放扉（6c）の
支承を脱する。然るときは、該下部開放扉（6c）は自重
にてその枢着部を介して下回し、該ごみ投入設備（６）
内のごみを前記ごみ振り分け装置（８）内に排棄する。

尚、（17）は位置決めピンである。

又、該ごみ投入設備（６）の前面の上下両側部には壁面
（1a）に面してブラケツト（18）（18），（18）（18）
が側方へ突設され、該ブラケツト（18）（18），（18）
（18）に夫々ケース状に形成された接続片（19）（1
9），（19）（19）が固設されている。更に、之等ブラ
ケツト（18）並びに接続片（19）の中央部位には夫々縦
長の遊隙（20）が開穿され、前記昇降路（１）内の各階
の壁面（1a）の内側面に突設された接続具（21）を該縦
長の遊隙（20）に嵌挿し、そして、該遊隙（20）の上端
面に該接続具（21）を支承させてごみ投入設備（６）を
各階の昇降路（１）の壁面（1a）に着装せしめるように
構成されている。而して、前記接続具（21）は軸（21
a）を前記壁面（1a）に固定してその先端部を昇降路
（１）内に突出せしめると共に、該軸（21a）の該突出
部上面中央部位に切欠部（21b）を設け、更に、この切
欠部（21b）に係合せられるストツパー（22）を前記接
続片（19）の遊隙（20）の上面にスプリング（23）の付
勢により出没自在に設けている。而も、該ストツパー
（22）は第３図（ｈ）に示すように右側をアール状に斜
欠し、その左側を垂設してある。

更に、このストツパー（22）に対応して前記軸（21a）
の切欠部（21b）も同図に於て左側を垂設し、右側をア
ール状に斜欠してある。斯くして、ごみ投入設備（６）
が前進し、該ストツパー（22）が軸（21a）の上面をス
ライドし乍ら該切欠部（21b）に嵌入し、そして、スプ
リング（23）の付勢により前記ストツパー（22）と切欠
部（21b）との係合は強固となり、斯くして、ごみ投入
設備（６）が各階の昇降路（１）の内壁面（1a）に夫々
固定するように構成されている。

又、該ごみ投入設備（６）の有効ごみ貯留量は概ね、各
階に於て一日発生するごみ量に相当するものとする。但
し、之に限定せられるべきではない。又、該ごみ投入設
備（６）には前記内部扉（6b）又は開閉扉（12）の開閉
回数を積算するカウンター（図示せず）及び投棄された
ごみのレベルを測定するレベルセンター（図示せず）が
設けられるを可とする。

次に、ごみ移送ケージ（２）について第４図（ａ）〜
（ｆ）に従って説明する。該ごみ移送ケージ（２）は平
面視コ字形且つ側面視方形に形成されたフレーム（2a）
によつて枠組される。更に、該ごみ移送ケージ（２）の
上下左右側方には夫々ガイドローラ（24）（24）…が取
付けられ、昇降路（１）内の縦方向に夫々設けられたガ
イドレール（図示せず）面を転動できるように構成され
ている。而して、該ごみ移送ケージ（２）は平面視コ字
状に形成されているが、その開放面が各階のフロアー方
向に面しており、且つ、前記ごみ投入設備（６）の巾方
向の長さより大巾に形成されると共に、前後方向に於て
は前記ごみ投入設備（６）の前後方向の長さの約２倍以
上に形成されている。そこで、該ごみ投入設備（６）は
ごみ移送ケージ内に入り込んで着装でき、且つ、前後方
向に移動して該ごみ投入設備（６）を前記接続具（21）
に着装して壁面（1a）に固定し、或は該ごみ投入設備
（６）が前記ごみ移送ケージ（２）内を後方に移動する
ことによつて、該ごみ移送ケージ（２）は該ごみ投入設
備（６）を収納着装した儘、昇降路（１）内を上下動で
きるように構成されている。

而して、該ごみ移送ケージ（２）の左右前後の前記フレ
ーム（2a）（2a），（2a）（2a）間の上下の同一位置に
ネジ軸（25）（25），（25）（25）が平行に架設してあ
る。更に、該ネジ軸（25）には夫々着脱装置（26）（2
6），（26）（26）が螺合され、該ネジ軸（25）の正逆
回動に基いて該着脱装置（26）が夫々同時に前方又は後
方に移動できるように構成されている。

而して、該ネジ軸（25）は夫々フレーム（2a）に取付け
られたモーター（27）（27），（27）（27）にギヤーボ
ツクス（28）（28），（28）（28）を介して連結されて
いる。

又、前記着脱装置（26）は、側面視略コ字形のケース状
に形成され、その縦片（26a）の内側中心部に前記ネジ
軸に噛合する螺片（26b）を固設し、該螺片（26b）を介
して該着脱装置（26）が前後に移動できるように構成さ
れる。又、各着脱装置（26）内側面は夫々モーター（2
9）（29），（29）（29）が取付けられ、そして、該着
脱装置（26）の天板（26c）に設けた孔（26d）から上面
に出没自在に構成された軸（26e）をそのネジ部（26f）
及びウオーム（26g）等を介して前記モーター（29）に
連結れさている。従って、前記軸（26e）は該モーター
（29）の正逆転に基いて前記天板（26c）の孔（26d）の
上面に出没自在に形成されている。更に、之等左右の着
脱装置（26）（26），（26）（26）は第４図（ｂ）に図
示されているように相互に連結材（30）（30）にて連結
されている。又、同図に於て、該ごみ移送ケージ（２）
の左右下端部のフレーム（2a）（2a）間に下部開放扉
（6c）の閉塞用のローラー（32）が架設されており、前
述せる如く下部開放扉（6c）が開放され、そして、之を
閉塞せんとする際は、ごみ投入設備（６）がごみ移送ケ
ージ（２）内を後退するとき、下部開放扉（6c）の下面
が該ローラー（32）の上面に乗り上げられ乍ら水平とな
つてごみ投入設備（６）の下面を閉塞し、そして、前記
ストツパー片（15d）が該下部開放扉（6c）の下面を支
承するようになるのである。

更に、前記着脱装置（26）の前記軸（26e）を嵌合せし
めてごみ投入設備（６）をごみ移送ケージ（２）に収納
着装するために、前記着脱装置（26）がネジ軸（25）の
正転によつて前進して停止した位置の直上位置のごみ投
入設備（６）の両側面に、プレート（31）（31），（3
1）（31）を夫々側方へ突設して、之等を夫々前記着脱
装置（26）の天板（26c）と対接できるようにすると共
に、該プレート（31）には夫々孔（31a）（31a），（31
a）（31a）を開穿して前記天板（26c）の孔（26d）と対
峙せしめ、そして、之等の孔（26d）（31a）に夫々前記
軸（26e）が嵌挿されて該着脱装置（26）にごみ投入設
備（６）を着装固定できるように構成されている。勿
論、嵌挿された前記軸（26e）はモーター（29）の逆転
によつて前記プレート（31）の孔（31a）より脱し、双
方の着装状態を解脱せしめるのである。

又、前記制御盤（５）には、一定時間にごみ移送ケージ
（２）を昇降させ、ごみ投入設備（６）内に貯留したご
みを移送できるようにしたタイマー（図示せず）が内蔵
されている。但し、前述せる通り、ごみ投入設備（６）
内に所定量のごみが貯留されたとき、或は開閉扉（11）
等の開閉動作が所定回数に達したときは、前記タイマー
による操作に優先して行われるを可とする。

本発明の一実施例は上述せる如き構成に係るから、先
ず、前記制御盤（５）に組込まれているタイマーにより
設定時間になれば各階毎に正しくごみ移送ケージ（２）
が昇降して各階のごみ投入設備（６）内を該ごみ移送ケ
ージ（２）に着装せしめ、そして、該ごみ移送ケージ
（２）が降下して下部のごみ貯留装置（７）へごみを投
棄するものである。更に、上記タイマーによる設定時間
にも拘らず、ごみ投入設備（６）に設けたレベルセンサ
ーによる測定値が所定以上のごみ量に達した場合、或は
開閉扉（11）の開閉回数がカウンターによる計測により
所定以上の回数に達した場合は、該当階を優先して前述
の処理操作を行わしめるのである。

そこで、本装置の作動の手順を第５図乃至第10図に従っ
て説明する。先ず、第10図に示す如く、ごみ投棄者は、
ごみ投入設備（６）の前面の投入表示灯（14）を見て、
ごみ投棄可能状態であれば開閉扉（11）を開く。そし
て、ごみ投入設備（６）内にごみを投入して貯留できる
ようになっている。而して、ごみ投棄者はごみを投棄し
た後は前記開閉扉（11）を閉塞する。（或は自動的に施
錠されるようにするを可とする。）更に、前記ごみ投入
設備（６）をごみ移送ケージ（２）へ着装する手順を第
５図（ａ）〜（ｅ）に従って説明する。先ず、ごみ移送
ケージ（２）は制御盤（５）からの信号により所定階に
呼び出される。そして、該ごみ移送ケージ（２）が所定
階に到着すれば、モーター（27）の正転によりネジ軸
（25）が回転し、該ネジ軸（25）に噛合している着脱装
置（26）をごみ投入設備（６）側に移動せしめる。そし
て、該着脱装置（26）が停止した位置の上面にプレート
（31）が突出しているので、該着脱装置（26）に設けて
あるモーター（29）により軸（26e）を上昇させて前記
プレート（31）の孔（31a）に嵌挿させ、そして、該着
脱装置（26）にごみ投入設備（６）を着装固定せしめる
のである。その後、ごみ移送ケージ（２）を僅かに上昇
させれば、壁面（1a）に固定されている軸（21a）の切
欠部（21b）からごみ投入設備（６）に設けられている
接続片（19）のストツパー（22）が離脱する。そこで、
前記ネジ軸（25）を逆回させることにより、ごみ投入設
備（６）は着脱装置（26）に着装固定した儘ごみ移送ケ
ージ（２）内を後方へ移動させる。

次に第６図に示す如く、ごみ移送ケージ（２）を昇降路
（１）内のごみ排棄位置まで降下させる。次に第７図及
び第10図に示す如く、ごみ投入設備（６）を固定してい
る着脱装置（26）を前方へ移動せしめ、そして、該ごみ
投入設備（６）を前進せしめる。このとき、該ごみ投入
設備（６）にアーム（15c）の前端面（Ｎ）が昇降路
（１）の壁面（1a）に設けたケリコ（16）に当接して回
動し、ごみ投入設備（６）の下部開放扉（6c）の底面を
支承しているストツパー（15d）が回動してその支承状
態を脱する。そこで、該下部開放扉（6c）は開放され、
ごみ投入設備（６）内のごみを下部のごみ振り分け装置
（８）内へ投棄するのである。

斯くして、空になつた前記ごみ投入設備（６）は第８図
に示す如くごみ移送ケージ（２）内を後退する。このと
き、下部開放扉（6c）は閉塞用のローラー（32）によつ
て閉じられ、そして、ストツパー（15d）も元の位置に
復帰して該下部開放扉（6c）を支承する。

次に第９図（ａ）に示す如く、前記ごみ投入設備（６）
が固定されていた該当階まで該ごみ移送ケージ（２）は
上昇する。このとき、該ごみ移送ケージ（２）内に固定
されている前記ごみ投入設備（６）は後方へ移動してい
るため、各階に固定されている夫々のごみ投入設備
（６）（６）…に衝突するようなことはない。（之は前
記下降時も同様である。） 斯くして、該ごみ移送ケージ（２）が該当階まで到達し
たときは、第９図（ｂ）に示す如く該ごみ投入設備
（６）を前進させ、壁面（1a）に固着してある接続具
（21）に該ごみ投入設備（６）のストツパー（22）を嵌
合せしめて固定し、そして、第９図（ｃ）に示す如く着
脱装置（26）をごみ投入設備（６）より離脱せしめる。
斯くして、第９図（ｄ）に示す如く該着脱装置（26）を
後退させ、そして、昇降路（１）内の下部の所定位置で
次の呼び出し信号があるまで待機するのである。

尚、この発明は、この発明の精神を逸脱しない限り種々
の改変を為す事ができ、そして、この発明が該改変せら
れたものに及ぶことは当然である。

［発明の効果］ この発明は上記一実施例に詳述せる如く、ごみ投棄者
は、ごみを投棄するためにごみ移送ケージを押ボタン等
にて呼ぶ必要がなく、随時ごみ投入設備内に投棄でき
る。よつて、ごみ移送ケージが到着するまでごみ投棄を
待つ必要がなく、更に、該ごみ投入設備には充分なる貯
留能力を保持せしめてあるので、ごみ投棄者が重複して
も前記待時間は大幅に削減（待時間が零の場合もあ
る。）でき、且つ、ごみ排出動作はすべて自動的に行わ
れる為、該ごみ処理が極めて効果的に為され、投棄者に
一層の便宜を与えるものである。

【図面の簡単な説明】 図は本発明の一実施例を示し、第１図（ａ）は本装置全
体を解説するための一部切欠縦断面図、同図（ｂ）はご
み貯留装置の一部切欠背面図、第２図（ａ）はは開閉扉
の正面図、同図（ｂ）は同縦断平面図、第３図（ａ）は
ごみ投入設備の平面図、同図（ｂ）は同正面図、同図
（ｃ）及び（ｄ）は同側面図、同図（ｅ）は下部開放扉
のストツパー装置の縦断正面図、同図（ｆ）は同横断平
面図、同図（ｇ）は接続具部位の背面図、同図（ｈ）は
同縦断側面図、第４図（ａ）はごみ移送ケージの斜面
図、同図（ｂ）は同枠組のフレームを省略したときの平
面図、同図（ｃ）は該ごみ移送ケージの正面図、同図
（ｄ）は同側面図、同図（ｅ）は着脱装置の側面図、同
図（ｆ）は同正面図、第５図（ａ）（ｂ）（ｃ）（ｄ）
（ｅ）及び第６図、第７図、第８図、第９図（ａ）
（ｂ）（ｃ）（ｄ）（ｅ）は夫々ごみ投入設備とごみ移
送ケージとの関係を示す状態図であつて、第５図（ａ）
はごみ移送ケージの上昇移動状態を示す縦断側面図、同
図（ｂ）は着脱装置をごみ投入設備にスライドした状態
の縦断側面図、同図（ｃ）はごみ投入設備を着脱装置に
固定した状態を示す縦断側面図、同図（ｄ）はごみ移送
ケージを僅かに上昇せしめた状態を示す縦断側面図、同
図（ｅ）はごみ投入設備をごみ移送ケージ内の後方へス
ライドさせた状態を示す縦断側面図、第６図はごみ移送
ケージの降下状態を示す縦断側面図、第７図はごみ移送
ケージからごみを投棄する状態を示す縦断側面図、第８
図はごみ移送ケージの上昇時を示す縦断側面図、第９図
（ａ）は空のごみ投入設備を着装したごみ移送ケージが
所定階へ到達した状態を示す縦断側面図、同図（ｂ）は
ごみ投入設備をスライドさせ壁面に固定させた状態を示
す縦断側面図、同図（ｃ）は着脱装置の固定解除状態を
示す縦断側面図、同図（ｄ）は着脱装置を後方へスライ
ドした状態を示す縦断側面図、同図（ｅ）はごみ移送ケ
ージを下部の所定位置へ移動させた状態を示す縦断側面
図、第10図はごみの投棄状態を示す縦断側面図である。 （１）……昇降路、（２）……ごみ移送ケージ （３）……昇降装置、（５）……制御盤 （６）……ごみ投入設備、（6c）……下部開放扉 （15）……ストツパー装置、（21）……接続具 （26）……着脱装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 秀行 愛知県豊川市諏訪３―115 (72)発明者 酒井 幸雄 愛知県宝飯郡小坂井町大字篠東字西宮46― 14

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】高層建築物の各階を貫いて設けられた昇降
   路内を昇降可能に収容されたごみ移送ケージと、該ごみ
   移送ケージを昇降させる駆動手段及び該駆動手段を作動
   させる制御部とを設けた高層建築物のごみ排出装置に於
   て、 前記高層建築物の各階の昇降路内の壁面に設けた接続具
   に充分なごみ収容能力を有するごみ投入設備が着脱自在
   に固定され、更に前記ごみ移送ケージ内部には前記ごみ
   投入設備の着脱装置が前後移動自在に配設されると共
   に、前記ごみ投入設備の底部に開閉自在に設けられた下
   部開放扉の下面を支承するストツパー装置を備え、 制御部からの呼出し信号により、前記ごみ移送ケージが
   該当階に到着したとき、前記着脱装置が前進して該当階
   のごみ投入設備を着装せしめる手段と、 前記ごみ投入設備を着装した姿勢にて該着脱装置を後退
   せしめて該ごみ移送ケージを下降せしめる手段と、 前記下降したごみ移送ケージ内の前記ごみ投入設備を前
   進せしめて下部開放扉を開放せしめる手段と、 前記開放した下部開放扉を閉塞し乍ら該空のごみ投入設
   備を再度後退せしめて該ごみ移送ケージを前記の該当階
   に到達せしめ、更に、該ごみ投入設備を前進せしめて該
   当階の接続具に前記前進したごみ投入設備を着装せしめ
   ると同時に前記ごみ移送ケージに設けた着脱装置を該ご
   み投入設備より離脱せしめて該ごみ移送ケージを下降さ
   せ、所定位置で呼び出し信号あるまで待機するようにし
   た制御手段 とを設けたことを特徴とする高層建築物に於けるごみ排
   出装置。