JPH0772294B2 - 高強度高延性伸線の製造方法 - Google Patents

高強度高延性伸線の製造方法

Info

Publication number
JPH0772294B2
JPH0772294B2 JP19102585A JP19102585A JPH0772294B2 JP H0772294 B2 JPH0772294 B2 JP H0772294B2 JP 19102585 A JP19102585 A JP 19102585A JP 19102585 A JP19102585 A JP 19102585A JP H0772294 B2 JPH0772294 B2 JP H0772294B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
less
producing
low
wire rod
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP19102585A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6250408A (ja
Inventor
登明 柚鳥
正昭 勝亦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP19102585A priority Critical patent/JPH0772294B2/ja
Publication of JPS6250408A publication Critical patent/JPS6250408A/ja
Publication of JPH0772294B2 publication Critical patent/JPH0772294B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D9/00Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
    • C21D9/52Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for wires; for strips ; for rods of unlimited length
    • C21D9/525Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for wires; for strips ; for rods of unlimited length for wire, for rods

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高強度高延性伸線の製造方法に関し、詳しく
は、所定の複合組織を有する冷間伸線性にすぐれた線材
から冷間伸線によつて伸線を製造する方法において、伸
線による延性劣化を回復すると共に、捻回値や疲労特性
にすぐれた高強度高延性伸線を製造する方法に関する。
(従来の技術) 径数mm乃至径数十μm径に伸線された鋼線は、この径に
応じて、PCワイヤー、各種スプリング用ワイヤー、ロー
プワイヤ、ビードワイヤ、タイヤコード用ワイヤ、高圧
ホース用ワイヤ、スイツチングワイヤー、コロナワイヤ
ー、ドツトプリンタ用ワイヤー等、種々の用途に用いら
れている。なかでも、極細鋼線は、従来は、通常、高炭
素鋼5.5mm径圧延線材から中途に数度のパテンテイング
処理を行なつて、伸線加工ごとに伸線材の靭性が低下す
るのを防止しつつ、数次にわたる冷間伸線加工によつて
製造されているので、多くの製造工程数を必要とすると
共に、製造費用が高くならざるを得ない。ここに、伸線
加工におけるダイス減面率は、通常、15%以上である。
他方、純鉄や低炭素フエライト・パーライト鋼線材によ
れば、強加工による極細線への伸線自体は可能である
が、伸線加工による強度の上昇が少ないので、最終製品
としての極細線における強度が低い。即ち、95〜99%強
加工伸線の場合でも、その強度は70〜130kgf/mm2であ
り、170kgf/mm2以上の強度を達成することはできない。
また、加工率99%以上の伸線加工によつても、強度は19
0kgf/mm2以下である。
また、熱処理によつて焼入れ、焼戻しした焼戻しマルテ
ンサイト組織を有する線材が知られている。しかし、か
かる線材は、焼入れままでは良好な加工性を得ることが
できないので、焼戻し処理して線材の強度を大幅に低下
させて、加工性を得るものであり、従つて、高強度高延
性鋼線を得ることができない。他方、焼入れままでは、
伸線前処理としての酸洗工程において、表面割れが発生
しやすく、延性自体も不足することが免れない。
(発明の目的) 本発明者らは、従来のフエライト・パーライト線材、パ
ーライト線材及び焼戻しマルテンサイト線材に代えて、
高強度高延性線材を得るべく、鋭意研究した結果、所定
の化学成分を有すると共に、一部残留オーステナイトを
含有していてもよい針状のベイナイト、マルテンサイト
又はこれらの混合組織からなる微細な低温変態生成相が
フエライト相中に均一に分散されてなる複合組織を有す
る線材がすぐれた強加工性を有することを見出し、更に
かかる線材の冷間伸線について研究した結果、上記冷間
伸線の途中で、又は冷間伸線後に所定の軽加工を施す
か、又は所定の曲げ及び曲げ戻し加工を施すことによつ
て、伸線によつて劣化した延性を回復すると共に、捻回
値にもすぐれた高強度高延性伸線を得ることができるこ
とを見出した。更に、上記処理に加えて、冷間伸線後に
伸線をその金属組織の再結晶温度以下の温度に加熱し、
冷却する低温熱処理を施すことによつて、一層、延性が
改善された伸線を得ることができることを見出して、本
発明に至つたものである。
従つて、本発明は、一般的には、冷間伸線による伸線の
製造方法を提供することを目的とし、特に、冷間伸線に
よつて高強度高延性の伸線を製造する方法を提供するこ
とを目的とする。
(発明の構成) 本発明による高強度高延性伸線の製造方法の第1は、重
量%で C 0.4%以下、 Si 2%以下、及び Mn 2.5%以下、 を含む鋼を線材に圧延した後、又はこの線材を再加熱し
た後、冷却して、一部残留オーステナイトを含有してい
てもよいマルテンサイト、ベイナイト又はこれらの混合
組織からなる低温変態生成相がフエライト相中に体積分
率10〜95%の範囲にて均一に分散されてなる複合組織を
有する線材を冷間伸線して伸線を製造する方法におい
て、冷間伸線途中又は冷間伸線後に減面率10%以下にて
軽加工を施すことを特徴とする。
また、本発明による高強度高延性伸線の製造方法の第2
は、重量%で C 0.4%以下、 Si 2%以下、及び Mn 2.5%以下、 を含む鋼を線材に圧延した後、又はこの線材を再加熱し
た後、冷却して、一部残留オーステナイトを含有してい
てもよいマルテンサイト、ベイナイト又はこれらの混合
組織からなる低温変態生成相がフエライト相中に体積分
率10〜95%の範囲にて均一に分散されてなる複合組織を
有する線材を冷間伸線して伸線を製造する方法におい
て、冷間伸線途中又は冷間伸線後に曲げ及び曲げ戻し加
工を施すことを特徴とする。
特に、本発明の方法においては、線材の金属組織におけ
る低温変態生成相が針状を主体とする組織であることが
好ましく、また、鋼中のC量(重量%)/低温変態生成
相の体積分率(%)が0.005以下であることが好まし
い。
先ず、本発明の方法において用いる線材の化学成分につ
いて説明する。
Cは、鋼片からの熱間圧延線材に所要の強度を与えるた
めに、又は熱間圧延線材を熱処理して所定の複合組織を
有する線材とすると共に、所要の強度を線材に与えるた
めに添加されるが、0.4%を越えて過多に添加されると
きは、前記低温変態生成相(以下、単に第2相というこ
とがある。)の延性が劣化するようになるので、添加量
の上限を0.4%とする。好ましくは、Cの添加量は、0.0
1〜0.30%の範囲である。
Siは、フエライト相の強化元素として有効であるが、2
%を越えて過多に添加するときは、変態温度を著しく高
温側にずらせ、また、線材の表面の脱炭を起こしやすく
するので、添加量は2%を上限とし、好ましくは1.5%
とする。
Mnは、線材を強化すると共に、第2相の焼入れ性を高
め、また、その形態を好ましくは針状化するために添加
されるが、2.5%を越えて過多に添加しても、これら効
果が飽和するので、Mnの添加量の上限は2.5%とする。
他方、添加量が余りに少ないときは、上記効果に乏しい
ので、Mnは好ましくは0.3%以上添加される。
本発明においては、線材の金属組織を微細化するため
に、Nb、V及びTiから選ばれる少なくとも1種の元素を
更に添加することができる。この組織の微細化のために
は、いずれの元素についても0.005%以上の添加を必要
とするが、しかし、過多に添加してもその効果が飽和
し、また、経済的にも不利であるので、その上限は、Nb
については0.2%、V及びTiについてはそれぞれ0.3%と
する。
更に、本発明における線材に不可避的に含まれる元素又
は含まれてもよい元素について説明する。
Sは線材中のMnS量を少なくするために、0.005%以下と
するのがよく、これにより線材の延性が向上する。
Pは粒界偏析の著しい元素であるので、その含有量を0.
01%以下とするのが好ましい。
Nは固溶状態で存在すると、最も時効しやすい元素であ
る。従つて、加工中に時効して加工性を阻害し、或いは
加工後にも時効して、伸線により得られる極細線の延性
を劣化させるので、0.004%以下とするのが好ましい。
Alは酸化物系介在物を形成し、この酸化物系介在物は変
形し難いために、線材の加工性を阻害する場合があり、
線材を伸線する間にこの介在物を起点として破断が生じ
やすい。従つて、Alの含有量は、通常、0.01%以下とす
るのが好ましい。特に望ましくは、0.004%以下とす
る。
また、線材におけるSi/Al比が大きくなるとき、シリケ
ート系介在物が増大し、特に、Al量が少ないときには、
急激にシリケート系介在物が増大して、線材の伸線性を
劣化させるのみならず、伸線して得られる伸線材の疲労
特性が劣化する。従つて、本発明においては、好ましく
はSi/Al比を400以下、特に好ましくは250以下とする。
更に、本発明によれば、Si/Mn比を0.7以下とすることが
好ましい。Si/Mn比が0.7を越えるときは、介在物の組成
や形態等が変化し、介在物の分散や分布が原因となつ
て、線材の伸線性を劣化させることがあるからである。
一方、CaやCe等の希土類元素を添加することによつて、
MnS介在物の形状を調整することも好ましい。
また、前記したNb、V及びTiを含めて、Al等を添加する
ことにより、固溶CやNを固定することもできる。更
に、本発明による伸線の用途に応じて、用いる線材には
Cr、Cu及び/又はMoをそれぞれ1.0%以下、Niを6%以
下、Al及び/又はPをそれぞれ0.1%以下、Bを0.02%
以下適宜に添加することもできる。
本発明による第1の方法は、上記した化学成分を含み、
且つ、一部残留オーステナイトを含有していてもよいマ
ルテンサイト、ベイナイト又はこれらの混合組織からな
る低温変態生成相がフエライト相中に体積分率10〜95%
の範囲にて均一に分散されてなる複合組織を有する線材
を冷間伸線して伸線を製造する方法において、冷間伸線
途中又は冷間伸線後に減面率10%以下にて軽加工を施す
ものである。
上記のような混合組織を有する線材を得るためには、次
の方法によることができる。
その第1は、上記鋼片を線材に圧延工程中に上記複合組
織とする方法であつて、鋼片を制御圧延するか、又は熱
間圧延した後に加速冷却する。この場合の冷却速度は5
℃/秒以上とすることが好ましい。これよりも小さい冷
却速度では、通常のフエライト・パーライト組織となる
からである。
第2の方法は、圧延線材を改めて熱処理する方法であ
り、鋼をAc1点以上に加熱した後に調整冷却する。
次に、本発明の方法においては、線材における上記低温
変態生成相の体積分率を10〜95%、好ましくは20〜90%
の範囲とする。低温変態生成相の体積分率が10%よりも
少ないときは、得られる線材が強度に劣り、他方、95%
を越えるときは、高強度が得られるものの、加工性に劣
るからである。
更に、本発明の方法においては、得られる線材の金属組
織において、鋼の有するC量(重量%)/低温変態生成
相の体積分率(%)が0.005以下であるのが好ましい。
即ち、鋼の含有するC量に対して、第2相量の下限が規
定されることが好ましい。上記値が0.005を越えるとき
は、第2相自体の延性が低下することがあるからであ
る。従来の方法では、フエライト・オーステナイト域へ
の加熱後、冷却時に残留オーステナイトにおけるCの濃
縮を促進させ、硬質第2相を少量均一に分散させるの
で、高強度線材を得ることができない。
特に、本発明の方法においては、線材の金属組織におけ
る前記低温変態生成相が主として針状であつて、且つ、
フエライト相中に均一に分散分布されていることが好ま
しい。かかる複合組織を有する線材は、例えば、前記し
た化学成分を有する鋼片から前記のようにして、複合組
織を有する線材を得た後、この線材をAc1〜Ac3温度域に
加熱して、オーステナイト化を進行させ、次いで、この
ようにして得た線材を平均冷却速度40〜150℃/秒にて
常温乃至500℃まで冷却することによつて得ることがで
きる。
上記のように、従来のフエライト・パーライト組織に代
えて、残留オーステナイトを含有していてもよいマルテ
ンサイト、ベイナイト又はこれらの混合組織からなる線
材を得た後、この線材をAc1〜Ac3域に加熱し、冷却する
ことにより、主として極めて微細な針状の低温変態生成
相がフエライト相中に均一に分散された複合組織を有す
る線材を得ることができる。
また、本発明による第2の方法は、上記した所定の複合
組織を有する線材を伸線後に繰返し曲げ及び曲げ戻し加
工するものである。
更に、本発明においては、上記のように、伸線途中にお
いて、又は伸線後に軽加工を施し、又は曲げ及び曲げ戻
し加工を施した伸線をその金属組織の再結晶温度以下の
温度に加熱し冷却する熱処理を施すことによつて、伸線
の延性を一層向上させることができる。即ち、ここに、
上記熱処理は、伸線加工方向に伸長したフエライトとマ
ルテンサイトの2相が形成する組織フローを破壊しない
程度の温度及び時間にて加熱することを意味し、加熱温
度は、加熱時間にもよるが、通常、200〜700℃の範囲で
あり、好ましくは250〜500℃の範囲である。
一般に、線材は、伸線加工によつて、組織中の各相が加
工方向に伸長して、所謂組織フローを形成し、また、ミ
クロ的には各相内に転位等による下部組織が生じ、これ
らの変化に伴つて伸線材の強度が上昇する。本発明の方
法によれば、伸線後にこの組織フローを破壊しない程度
に加熱することによつて、下部組織が一部回復すると共
に、C、N等の元素の微細析出が各相内に起こるので、
伸線の延性や捻回値が改善されるのであろう。
尚、従来、加工限界近くまで加工した伸線を再結晶温度
以上に加熱し、加工組織を消却させて、加工前の状態に
戻し、再度、加工する方法が知られている。しかし、こ
の場合の加熱処理は、所謂焼鈍処理であり、他方、本発
明の方法における熱処理は、再結晶温度以下への加熱で
あるので、従来の焼鈍処理とは異なる。本発明の方法に
おいて、熱処理温度を再結晶温度以上とするときは、熱
処理後の強度が大幅に低下する。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、以上のように、本来、高強度高
延性である線材を伸線する途中において、又は伸線した
後に、この伸線に所定の条件にて軽加工を施し、又は曲
げ及び曲げ戻し加工を施すので、伸線によつて劣化した
延性を回復して、伸び及び絞りにすぐれた伸線を得るこ
とができると共に、更に、捻回値や疲労特性が改善され
た伸線を得ることができる。
(実施例) 以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこ
れら実施例によつて何ら限定されるものではない。
実施例1 第1表に示す化学組成を有する符号A及びBの鋼片を径
5.5mmの線材に圧延した後、焼入れして、マルテンサイ
ト主体の組織からなる線材を得た。次いで、これら線材
をいずれも800℃のフエラ イト・オーステナイト2相域に再加熱した後、線材Aに
ついては平均冷却速度80℃/秒で調整冷却し、Bについ
ては、平均冷却速度200℃/秒以上にて水冷した。これ
ら再加熱処理線材の金属組織も、第1表に示すように、
線材Aは微細な針状マルテンサイトが体積分率20%にて
フエライト中に均一に分散された組織を有し、線材Bは
少量の塊状マルテンサイトを含む針状マルテンサイトが
体積分率23%にてフエライト中に均一に分散された組織
を有して、共に伸線加工性にすぐれる線材である。
次に、これら線材を酸洗した後、ダイス減面率20〜27
%、ダイス角8〜16゜、伸線速度30〜250m/分にて連続
高速伸線して、0.95mm径伸線を得た。ここに、上記線材
A及びBについて、伸線ままの伸線をそれぞれA0及びB0
とし、伸線の最終ダイスの減面率を3%とする軽加工を
行なつたものをそれぞれA1及びB1とし、また、伸線後の
0.95mm径伸線を350℃の温度にて1分間低温熱処理した
ものをそれぞれA2及びB2とした、更に、伸線後に軽加工
したA1及びB1に上記低温熱処理をして、これらをA3及び
B3とした。このようにして得たそれぞれの伸線の特性を
第2表に示す。
上記水冷線材Bは、0.95mm径伸線B0に伸線する際に延性
が劣化するが、しかし、かかる伸線B0も、伸線B1にみら
れるように、伸線後に軽加工を付加することによつて、
破断絞りが回復することが第2表に示すそれぞれの伸線
特性から明らかである。
更に、上記水冷線材Bを伸線後に低温熱処理することに
よつて、伸線B2にみられるように、破断絞りが一層改善
されることが第2表に示すそれぞれの伸線特性から明ら
かである。
次に、伸線A0は破断絞りにすぐれるものの、伸びが低
い。伸線の最終ダイスの減面率を3%とする軽加工のみ
を施して得た伸線A1は伸びが回復し、伸び、捻回値も良
好となつている。即ち、伸線A1にみられるように、伸線
後の軽加工によつて伸びが回復することが明らかであ
る。更に、軽加工と低温熱処理との組み合わせによる伸
線A3は、伸びが良好であると共に、捻回値が大幅に改善
されている。
線材Aの伸線後に加工率を変えて軽加工したもの、及び
伸線後に加工率を変えて軽加工し、更に低温熱処理(42
0℃で2分間)したものについての特性を図面に示す。
軽加工による伸びの回復が認められ、その加工率が約10
%以下で効果が顕著である。また、軽加工と低温熱処理
の組合わせにより、伸びの回復と捻回値の改善が顕著で
あることがこの図より明らかである。
次に、線材Aの伸線材及び伸線、軽加工した0.95mm径伸
線をそれぞれ酸、アルカリ電解洗浄し、次にブラスメツ
キを施した後、疲労特性を調査した。第3表にはメツキ
処理直後の特性及び低温熱処理後の特性を示す。伸線ま
まの材料ではメツキ処理時の酸アタツクによる延性劣化
が認められる。一方、伸線、軽加工材料ではこのような
延性劣化は生じない。疲労性強度については、伸線、軽
加工材を低温熱処理したものが極めてすぐれた疲労強度
を有している。
従来技術において、パーライト組織を有するピアノ線材
の伸線を用途に応じて応力除去焼鈍することもある。こ
の場合には、破断絞り等の延性がわずかに改善されるこ
ともある。しかしがなら、上記したように、本発明の方
法による軽加工と低温熱処理の組合わせによつて、ま
た、複合組織線材に特有的に、伸線の捻回値や疲労特性
が大幅に改善されることが明らかである。
【図面の簡単な説明】 図面は、伸線後の伸線に軽加工のみを施し、又は軽加工
と低温熱処理とを組み合わせて施して得られる伸線の特
性を軽加工度に対して示すグラフである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で C 0.4%以下、 Si 2%以下、及び Mn 2.5%以下、 を含む鋼を線材に圧延した後、又はこの線材を再加熱し
    た後、冷却して、一部残留オーステナイトを含有してい
    てもよいマルテンサイト、ベイナイト又はこれらの混合
    組織からなる低温変態生成相がフエライト相中に体積分
    率10〜95%の範囲にて均一に分散されてなる複合組織を
    有する線材を冷間伸線して伸線を製造する方法におい
    て、冷間伸線途中又は冷間伸線後に減面率10%以下にて
    軽加工を施すことを特徴とする高強度高延性伸線の製造
    方法。
  2. 【請求項2】低温変態生成相が主として針状であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の高強度高延性
    伸線の製造方法。
  3. 【請求項3】重量%で C 0.4%以下、 Si 2%以下、及び Mn 2.5%以下、 を含む鋼を線材に圧延した後、又はこの線材を再加熱し
    た後、冷却して、一部残留オーステナイトを含有してい
    てもよいマルテンサイト、ベイナイト又はこれらの混合
    組織からなる低温変態生成相がフエライト相中に体積分
    率10〜95%の範囲にて均一に分散されてなる複合組織を
    有する線材を冷間伸線して伸線を製造する方法におい
    て、冷間伸線途中又は冷間伸線後に曲げ及び曲げ戻し加
    工を施すことを特徴とする高強度高延性伸線の製造方
    法。
  4. 【請求項4】低温変態生成相が主として針状であること
    を特徴とする特許請求の範囲第3項記載の高強度高延性
    伸線の製造方法。
  5. 【請求項5】重量%で C 0.4%以下、 Si 2%以下、及び Mn 2.5%以下、 を含む鋼を線材に圧延した後、又はこの線材を再加熱し
    た後、冷却して、一部残留オーステナイトを含有してい
    てもよいマルテンサイト、ベイナイト又はこれらの混合
    組織からなる低温変態生成相がフエライト相中に体積分
    率10〜95%の範囲にて均一に分散されてなる複合組織を
    有する線材を冷間伸線して伸線を製造する方法におい
    て、冷間伸線途中又は冷間伸線後に減面率10%以下にて
    軽加工を施し、更に、伸線後に線材の金属組織の再結晶
    温度以下の温度に加熱し、冷却する低温熱処理を施すこ
    とを特徴とする高強度高延性伸線の製造方法。
  6. 【請求項6】低温変態生成相が主として針状であること
    を特徴とする特許請求の範囲第5項記載の高強度高延性
    伸線の製造方法。
  7. 【請求項7】重量%で C 0.4%以下、 Si 2%以下、及び Mn 2.5%以下、 を含む鋼を線材に圧延した後、又はこの線材を再加熱し
    た後、冷却して、一部残留オーステナイトを含有してい
    てもよいマルテンサイト、ベイナイト又はこれらの混合
    組織からなる低温変態生成相がフエライト相中に体積分
    率10〜95%の範囲にて均一に分散されてなる複合組織を
    有する線材を冷間伸線して伸線を製造する方法におい
    て、冷間伸線途中又は冷間伸線後に曲げ及び曲げ戻し加
    工を施し、更に、伸線後に線材の金属組織の再結晶温度
    以下の温度に加熱し、冷却する低温熱処理を施すことを
    特徴とする高強度高延性伸線の製造方法。
  8. 【請求項8】低温変態生成相が主として針状であること
    を特徴とする特許請求の範囲第7項記載の高強度高延性
    伸線の製造方法。
JP19102585A 1985-08-29 1985-08-29 高強度高延性伸線の製造方法 Expired - Lifetime JPH0772294B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19102585A JPH0772294B2 (ja) 1985-08-29 1985-08-29 高強度高延性伸線の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19102585A JPH0772294B2 (ja) 1985-08-29 1985-08-29 高強度高延性伸線の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6250408A JPS6250408A (ja) 1987-03-05
JPH0772294B2 true JPH0772294B2 (ja) 1995-08-02

Family

ID=16267640

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19102585A Expired - Lifetime JPH0772294B2 (ja) 1985-08-29 1985-08-29 高強度高延性伸線の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0772294B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5124113B2 (ja) * 2006-08-04 2013-01-23 株式会社ブリヂストン 金属線材の延性回復方法
JP5500886B2 (ja) * 2009-07-02 2014-05-21 朝日インテック株式会社 釣糸、釣糸とスピニングリールと釣竿との組立体、釣糸と天上糸とハナカン回り糸と釣竿との組立体、及び釣糸の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6250408A (ja) 1987-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0058016B1 (en) Process for producing steel wire or rods of high ductility and strength
JP3246210B2 (ja) 高強度高靭性溶融めっき鋼線およびその製造方法
JP3536684B2 (ja) 伸線加工性に優れた鋼線材
JP3153618B2 (ja) 過共析鋼線材の製造方法
JP2001131697A (ja) 鋼線材、鋼線及びそれらの製造方法
JP2833004B2 (ja) 微細粒パーライト鋼材
JP3176226B2 (ja) 高強度高靭性溶融めっき鋼線の製造方法
JPH0772294B2 (ja) 高強度高延性伸線の製造方法
JPH0115563B2 (ja)
JPH0759738B2 (ja) 均一伸びの優れた超高張力pc鋼線或は鋼棒およびその製造方法
JPH07179994A (ja) 高強度高靭延性過共析鋼線及びその製法
JP3769399B2 (ja) 冷間加工性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼線の安価製造方法
JP3300932B2 (ja) 高張力鋼線の製造方法
JPH07115062B2 (ja) ブラスメッキ極細鋼線の製造方法
JPH05295436A (ja) 過共析鋼線材の製造方法
JP3250247B2 (ja) 伸線用高炭素鋼線材の製造方法
JP2000063987A (ja) 伸線加工性に優れた高炭素鋼線材
JPH09202921A (ja) 冷間鍛造用ワイヤーの製造方法
JPH0673502A (ja) 伸線加工性に優れた高炭素鋼線材または鋼線およびその製造方法
JPH0717944B2 (ja) バネ特性のすぐれたベイナイト鋼板の製造法
JPS6220820A (ja) 高強度高延性鋼帯の製造方法
KR100435460B1 (ko) 스틸코드용 강선의 제조방법
KR100328038B1 (ko) 고강도강선의제조방법
JPH06104864B2 (ja) 靭性のすぐれた非調質ボルト用鋼材の製造方法
JPH06306483A (ja) 冷間伸線性に優れた高強度鋼線材の製造方法