JPH0772151B2 - ホルムアルデヒド標準ガスの安定化方法 - Google Patents

ホルムアルデヒド標準ガスの安定化方法

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JPH0772151B2
JPH0772151B2 JP20109586A JP20109586A JPH0772151B2 JP H0772151 B2 JPH0772151 B2 JP H0772151B2 JP 20109586 A JP20109586 A JP 20109586A JP 20109586 A JP20109586 A JP 20109586A JP H0772151 B2 JPH0772151 B2 JP H0772151B2
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formaldehyde
gas
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辰夫 大谷
幸一 中川
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) メタノールは天然ガス、石炭、木材など種々の原料から
製造できる安価な液体燃料であるから、液化天然ガスと
同様に、硫黄や窒素分を含まないクリーンエネルギーと
してその需要増が期待されいる。このメタノールは、火
力発電における脱石油推進の観点からの電力用燃料とし
て、また自動車エンジン用のメタノール混合ガソリン等
の分野での使用が開始されている。しかし、メタノール
を燃料とした燃焼では有害なアルデヒド、主としてホル
ムアルデヒドが生成して大気中に排出される。ホルムア
ルデヒドは人体への毒性が強い化合物であるため、日本
産業衛生学会ではその許容濃度2ppmを勧告値として採用
している。それ故排気ガス中のホルムアルデヒド量を測
定して常に許容濃度以下であることをチェックすること
が公害防止上極めて重要である。
本発明は、ガスの状態では重合し易い性質のため、その
安定化が非常に困難とされていたホルムアルデヒドを長
時間安定した状態の標準ガスとして提供するものであ
り、この標準ガスを排気ガス中に含まれる微量ホルムア
ルデヒドの測定に校正用ガスとして用いれば、連続かつ
迅速な測定が可能となる。
(従来の技術) 排気ガス中のホルムアルデヒドの定量分析法としては、
発色反応を利用してそれらの吸光度を測定する方法、ガ
スクロマトグラフによる機器分析などがあり、これらの
測定機器の校正用ガスとしては、通常ホルマリン水溶液
を水で所定濃度に希釈したものが採用されている。
このホルマリン水溶液を用いる湿式校正においては、そ
の都度基準液の調製のために種々繁雑な操作が必要とな
る。一方、ホルムアルデヒドの分離,精製に関するもの
は既にいくつかの文献があり、その方法は通常ホルマリ
ン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等を出発物質
とし、加熱等の手段により、ホルムアルデヒドガスを吸
着剤、イオン交換樹脂等により不純物である蟻酸、メタ
ノール、水を除去し、純粋なホルムアルデヒドガスを得
るもので、例えば特公昭56−28892には、ポーラス型イ
オン交換樹脂を充填した精密塔に粗製ホルムアルデヒド
ガスを加圧、加温下、特定の流速で通過させて精製する
方法、また特開昭52−89570にはホルムアルデヒドと水
を含む混合物を展開塔に送って気相で吸脱着を行なう
際、吸着剤として陽イオンが主としてカリウムイオンか
らなる合成ゼオライトA型を使用する方法が示されてい
る。
(発明が解決しようとする問題点) これら分離、精製したホルムアルデヒドガスは化学的に
不安定であり、かつ微量不純物がホルムアルデヒドの連
鎖移動剤として作用し、容易に重合を起こし、パラホル
ムアルデヒドが生成する。その結果、ホルムアルデヒド
の濃度が低下するので、長時間濃度変化のない安定した
状態で保存することが必要な標準ガスとして使用するこ
とができない。また、ゼオライトモレキュラシーブ、ア
ルミナ等の脱水剤を用いて精製した場合、ホルムアルデ
ヒドとこれら脱水剤が吸着を起こし、脱水塔出口におけ
るホルムアルデヒド濃度が大巾に低下する欠点がある。
(問題を解決するための手段) 本発明者らは、長時間保存しても実質的に濃度変化の起
らないホルムアルデヒド標準ガスの効率的製造法につい
て鋭意検討した結果、粗ホルムアルデヒドを五酸化リ
ン、塩化カルシウム等の無機脱水剤と接触させてガス中
に共存する水分をできるだけ減量し、このガスを高純度
窒素ガスで特定濃度に希釈して耐圧容器に一定圧力下に
保存することにより、安定したホルムアルデヒド標準ガ
スが得られることを知り、本発明に到達した。
本発明の要旨は、粗ホルムアルデヒドガスを気相で無機
脱水剤と接触させて水分を50ppm以下に保持し、このホ
ルムアルデヒドガスを加圧下高純度窒素により10〜500p
pmの濃度に希釈することを特徴とするホルムアルデヒド
標準ガスの安定化方法である。
本発明では粗ホルムアルデヒドガスを脱水剤として五酸
化リン、塩化カルシウム等の無機化合物を用いて水分を
除去する。水分は50ppm以下にする必要があり、水分が
これ以上の含有量になると、ホルムアルデヒドガスは経
時的に濃度低下を起こし標準ガスとしての品質が保持で
きない。
脱水にゼオライトモレキュラシーブ、アルミナ等の脱水
剤を使用した場合、粗ホルムアルデヒドガス中のホルム
アルデヒドとこれら脱水剤が反応吸着し、脱水塔出口の
ホルムアルデヒド濃度は大巾に低下し、所望のホルムア
ルデヒドが得られないので、本発明では上記五酸化リン
または塩化カルシウムを脱水剤として用いて粗ホルムア
ルデヒド中の水分を脱水して含水量を50ppm以下にす
る。精製されたホルムアルデヒドガスは予め真空吸引等
によって洗浄された耐圧容器、例えばステンレス製ボン
ベに導入し、高純度窒素を希釈ガスとしてホルムアルデ
ヒドを10〜500ppmの濃度に調製する。
標準ガスを収納する耐圧容器はマンガン綱、ステンレ
ス、ガラス等ホルムアルデヒドと反応しない材質であれ
ばいずれも使用することができる。
耐圧容器にホルムアルデヒドガスを導入後、高純度窒素
で希釈、ミキシングし、経時毎にホルムアルデヒドの濃
度を測定したところ、3〜5ヶ月間後もホルムアルデヒ
ドの濃度変化は認められなかった。
(実施例) 以下実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例−1 純度92%粒状パラホルムアルデヒド(製鉄化学製)100g
を内径60mm 1オートクレーブに仕込み、十分窒素置換
したのち窒素ガスを吹き込み粗ホルムアルデヒドガスを
発生させた。このガスを無水五酸化リン25gを入れた内
径12mmの吸着脱水塔へ導入して脱水した。出口のガスは
ホルムアルデヒド濃度500ppm、水はカールフィッシャー
で分析したところ50ppm以下であった。このガスをマン
ガン鋼の10耐圧ボンベに導入し、高純度窒素(99.999
%)で圧力11kg/cm2Gまで圧入した。このボンベをミキ
シングした後、経時毎にホルムアルデヒド濃度を測定し
たところ最初は40ppmであり、5月ヶ後においても40ppm
であった。
比較例−1 実施例と同様の方法で粗ホルムアルデヒドガスを発生さ
せ吸着脱水塔を経由せずにガスを得た。これを1オー
トクレーブに導入し、ホルムアルデヒドの濃度を500ppm
に保った。この時水分は100ppm存在した。10日後にはホ
ルムアルデヒド濃度は100ppm迄低下した。
実施例−2 実施例−1と同様の方法で粗ホルムアルデヒドガスを発
生させ、このガスを気相で塩化カルシウム(無水塩)25
gを入れた内径12mmの吸着脱水塔へ導入して脱水させ
た。出口ガスはホルムアルデヒド濃度500ppm、水はカー
ルフィッシーで分析したところ、50ppm以下であった。
このガスをステンレス製10のボンベに導入し、高純度
窒素で7kg/cm2Gまで圧入した。このボンベをミキシング
後、ホルムアムデヒド濃度を測定したところ60ppmであ
った。その後室温で放置し、3ヶ月後には60ppmであっ
た。
実施例−3 実施例−2と同様の方法で精製ホルムアルデヒドを得て
内面をニッケルメッキ処理したマンガン鋼ボンベに3kg/
cm2Gまで高純度窒素を圧入した。ミキシングしたあとの
ホルムアルデヒド濃度は130ppmであり、3ヶ月後は120p
pmであった。
実施例−4 実施例−2と同様の方法で、精製ホルムアルデヒドを得
て、ステンレス製10ボンベに、50kg/cm2Gまで高純度
窒素を圧入した。ミキシングしたあとのホルムアルデヒ
ド濃度は10ppmであり3ヶ月経過後も10ppmであった。
実施例−5 実施例−2と同様の方法ではあるが、パラホルム塔の温
度を50℃として精製ホルムアルデヒドを得た。この時、
出口ガスのホルムアルデヒド濃度は1300ppmであり、水
は50ppm以下であった。このガスを内面をニッケルメッ
キ処理したマンガン鋼ボンベに導入し、高純度窒素で2k
g/cm2Gまで圧入し、ミキシングのあとホルムアルデヒド
濃度は450ppmであり3ヶ月後に430ppmであった。
(発明の効果) ホルムアルデヒドは非常に重合し易い化合物であるた
め、ガス状で安定性が悪く、従って一定の濃度に保存す
ることは困難であるとされていたが、本発明のホルムア
ルデヒド標準ガスは3〜5ヶ月間保存しても実質的に濃
度変化は起こらず安定であるため、メタノールを燃料に
用いて燃焼した場合の各種排気ガス中のホルムアルデヒ
ドの測定に際して校正ガスとして有利に使用することが
できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粗ホルムアルデヒドガスを気相で無機脱水
    剤と接触させて水分を50ppm以下に保持し、このホルム
    アルデヒドガスを加圧下高純度窒素により10〜500ppmの
    濃度に希釈することを特徴とするホルムアルデヒド標準
    ガスの安定化方法。
  2. 【請求項2】無機脱水剤が五酸化リンである特許請求の
    範囲(1)載の方法。
  3. 【請求項3】無機脱水剤が塩化カルシウムである特許請
    求の範囲(1)記載の方法。
JP20109586A 1986-08-26 1986-08-26 ホルムアルデヒド標準ガスの安定化方法 Expired - Lifetime JPH0772151B2 (ja)

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CN1975415B (zh) * 2002-05-29 2010-09-22 液体空气乔治洛德方法利用和研究的具有监督和管理委员会的有限公司 含酸性气体和基质气体的制品的制备方法

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