JPH0772122B2 - 毛髪調装用液及び毛髪調装方法 - Google Patents

毛髪調装用液及び毛髪調装方法

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JPH0772122B2
JPH0772122B2 JP16038286A JP16038286A JPH0772122B2 JP H0772122 B2 JPH0772122 B2 JP H0772122B2 JP 16038286 A JP16038286 A JP 16038286A JP 16038286 A JP16038286 A JP 16038286A JP H0772122 B2 JPH0772122 B2 JP H0772122B2
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    • A61Q5/04Preparations for permanent waving or straightening the hair

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、毛髪にパーマネントウェーブの形成処理或い
はくせ毛,巻毛等の縮毛矯正(本明細書中ではこれらの
処理を総称して「パーマネントウェーブ等の形成処理」
と言う)と染毛処理とを同時並行的に施術することを目
的とするものであり、パーマネントウェーブ液と金属性
染毛剤とを組み合わせてなる毛髪調装用液及びこれを用
いた毛髪調装方法に関する。
〔従来の技術〕
衣服,装身具,化粧等と並び、髪のおしゃれは現代的フ
ァッションの重要な要素である。髪のおしゃれとして、
従来より、パーマネントウェーブ等を形成したり染毛を
施したりすることが広く行われている。また、個性的な
ファッションを指向する人が増えるにつれて、パーマネ
ントウェーブ等の形成処理と染毛処理の両方を施術する
人の数も多くなってきている。
そこで、まず、パーマネントウェーブ等の形成処理につ
いて説明する。従来のパーマネントウェーブ液は、通
常、チオグリコール酸塩又はシステイン等の還元剤を主
成分とする第1液と、臭素酸塩類,過ホウ酸塩類、過酸
化水素水等の酸化剤を主成分とする第2液との組合せよ
りなるものである。
パーマネントウェーブ等を形成する方法には、大別する
と、加熱操作を必要とする加温式ウェーブ法と常温で施
術するコールド式ウェーブ法の二種類とがある。コール
ド式ウェーブ法によるパーマネントウェーブ等の形成手
順を説明すると、おおよそ次の通りである。
始めに、ロッドに巻くなどして毛髪を所望ウェーブ形状
に整形し、これに前記第1液を塗布して所要時間放置す
る。或いは、前記第1液を塗布しながら毛髪をロッドに
巻く。第1液中の還元剤は、ケラチン側鎖のシスチン結
合を切断して毛髪から復元力を取り去る。こうして可塑
性になった毛髪に水洗,リンス等を施した後、前記第2
液を塗布する。第2液中の酸化剤の作用により、切断さ
れたシスチン結合が再結合され、毛髪はウェーブ等が形
成された新たな状態に固定される。こうして所望形状の
パーマネントウェーブ等が形成されたならば、髪からロ
ッドを外し、水洗,リンス,乾燥等を行う。
加温式ウェーブ法は、上述のコールド式ウェーブ法にお
いて、ロッドに巻かれた毛髪に第1液を塗布した後、適
度にに加熱して化学反応を促進させるという方法であ
る。加温式ウェーブ法は、コールド式に比べて還元剤,
酸化剤等の主剤の含量が少なくて済むが、加熱するため
の加温装置が必要である。
次に、染毛法について説明する。染毛法を大きく分類す
ると、一時染毛法と、シャンプーによっても色落ちしな
い永久染毛法とに分類される。
一時染毛法は、カラー・スプレー,カラー・クレヨン,
カラー・リンス等の顔料を基剤に配合した染毛剤によっ
て、一時的に毛髪表面を被覆する方法である。従って、
シャンプー等で簡単に色落ちし、染毛効果を失うという
欠点があった。
そこで、堅牢な染毛効果を得ようとする場合には植物性
染毛剤,酸化染毛剤,金属染毛剤等を使用する永久染毛
法に依ることになる。
植物性染毛剤は、主として、ヘンナの葉を煮詰めた液又
は乾燥粉末を熱湯で練った液にクエン酸等を加えて酸化
溶液としたものである。この植物性染毛剤は色調が赤色
系であるため、施術対象が一部の者に限定され、あまり
実用的ではない。
現在、多彩な色調を得られる永久染毛剤として広く使用
されているのは、酸化染毛剤と金属性染毛剤である。酸
化染毛剤は、パラフェニレンジアミン,パラトルエンジ
アミン等の芳香族ジアミノ化合物を主成分とする第1液
と、過酸化水素等の酸化剤を主成分とする第2液とから
なる。上記第1液には、色調に変化を与える修正剤とし
てアミン類,ポリフェノール類等が添加され、その他
に、アンモニア等が加えられてアルカリ性に調整され
る。第1液を毛髪に塗布した後、続いて第2液を塗布す
ると、第2液中の過酸化水素等の酸化剤が第1液中のア
ルカリによって急速に分解され酸素を発生させる。第1
液中の芳香族ジアミノ化合物及び修正剤は、この酸素に
より酸化されて酸化染料を形成しつつ毛髪内部に浸透す
る。同時に、毛髪のメラニン色素は発生期の酸素によっ
て酸化分解される。このように、酸化染料の生成による
ケラチンの染着反応とメラニン色素の酸化分解による脱
色反応とが並行して起こることにより、毛髪を様々な色
調に染色する。
一方、金属性染毛剤とは、鉄又は銅等の金属塩を主成分
とする金属塩液と、前記金属塩と呈色反応する発色液と
からなる二液式(又は毛髪の前処理剤等を加えた三液
式)の薬剤である。発色液には、主として水酸基を有す
る化合物が用いられる。前記金属塩液を毛髪に塗布する
と、鉄等の金属分子はケラチンと結合して毛髪の表面に
定着する。次いで、前記発色液を塗布すると、定着した
金属との間で呈色反応が生じ、毛髪を所定の色調に染毛
する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
現在、美容院,理容院等で髪にパーマネントウェーブ等
の形成処理と永久染毛処理の両方を施術する場合には、
それぞれの処理を順次別々に行うのが一般的である。つ
まり、毛髪にパーマネントウェーブ等を形成した後に染
毛処理を施す、又は染毛処理を施した後にパーマネント
ウェーブ等を形成する。従って、いずれの順序で施術す
るとしても、かなりの手間と時間とを要するものであ
り、大変不経済であった。
また、永久染毛法に広く使用されている酸化染毛剤は、
多くの問題点を抱えている。その第一は、アレルギー反
応を起こすことである。酸化染毛剤の主成分である芳香
族ジアミノ化合物は、香粧品に使用されている化合物中
で最も感作性の高いアレルゲンであり、そのため、酸化
染毛剤を反復使用すると、高率でアレルギー性皮膚炎が
発生することが知られている。このアレルギー性皮膚炎
の発症は、染毛の被施術者ばかりでなく、施術を担当し
た美容師にも多く観察されており、大きな問題となって
いる。その上、酸化染毛剤中の芳香族ジアミノ化合物
は、サルファ剤,麻酔剤等に含まれているパラフェニレ
ンジアミン,パラトルエンジアミン等と構造が類似して
いるので、アレルギー反応の経験者はサルファ剤,麻酔
剤等の使用によって交叉反応を起こすことも明らかにさ
れている。
その他、酸化染毛剤の第1液は強アルカリ性であるため
皮膚に対して一次刺激性を有する。染毛反応は強アルカ
リ性の下に進行する酸化反応が主体であるため毛髪の損
傷が著しい。シスチン結合が切断されるためパーマネン
トウェーブが掛りにくくなる。更に、紫外線,酸性シャ
ンプー,酸性リンスによって褪色する等の問題点もあ
る。
金属性染毛法は、金属とケラチンとの結合が強固である
ため染毛効果が堅牢であり、人体に対して一次刺激性も
感作性もないので酸化染毛剤のようなアレルギー反応を
起こすことはない。しかし、パーマネントウェーブ等の
形成処理と金属染毛処理とを同時に施そうとする場合
や、金属染毛処理が既になされた毛髪にパーマネントウ
ェーブ等の形成処理を施そうとする場合には、パーマネ
ントウェーブの強度が弱まると同時に染毛効率も悪くな
るという欠点があった。これは、金属染毛剤中の金属塩
とパーマネントウェーブ液中の還元剤とが反応し合う結
果、還元剤の還元力が低下してパーマネントウェーブの
強度が弱まると同時に、金属塩と発色剤との呈色反応が
阻害されて染毛効率が悪くなるためである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者は、安全で且つ永久性の高いパーマネントウェ
ーブ等の形成処理と、多様な色調が得られ且つ堅牢性に
優れた染毛処理とを同時並行的に施術することを目的と
して鋭意工夫を重ねた。その結果、以下に説明する毛髪
調装用液及びこれを用いた毛髪調装方法を発明するに至
った。
本発明に係る毛髪調装用液とは、 A.金属封鎖作用を有するフェノール性水酸基若しくはこ
れに類する水酸基を有する化合物,エノール型水酸基若
しくはこれに類する水酸基を有する化合物,カルボキシ
ル基を有する化合物,又はこれらの誘導体を少なくとも
一種類以上含有する水酸基類剤と、チオグリコール酸塩
類又はシステインのメルカプト化合物類からなる還元剤
とを主成分とする前処理液 B.鉄又は銅の金属塩を主成分とする金属塩液 C.鉄又は銅の金属塩と呈色反応するフェノール性水酸基
若しくはこれに類する水酸基を有する化合物,エノール
型水酸基若しくはこれに類する水酸基を有する化合物,
カルボキシル基を有する化合物,又はこれらの誘導体を
少なくとも一種類以上含有する水酸基類剤を主成分とす
る染毛促進液 D.鉄又は銅の金属塩と呈色反応するフェノール性水酸基
若しくはこれに類する水酸基を有する化合物,エノール
型水酸基若しくはこれに類する水酸基を有する化合物,
カルボキシル基を有する化合物,又はこれらの誘導体を
少なくとも一種類以上含有する水酸基類剤と、臭素酸塩
類,過ホウ酸塩類又は過酸化水素水からなる酸化剤とを
主成分とする酸化発色液 の四液を組み合わせてなるものである。
上記前処理液において、チオグリコール酸塩類とは、チ
オグリコール酸,チオグリコール酸アンモニウム,チオ
グリコール酸ナトリウム,チオグリコール酸カリウム等
を言う。
また、前処理液,染毛促進液,酸化発色液及び所望によ
り金属塩液に配合されるフェノール性水酸基,エノール
型水酸基若しくはこれに類する水酸基又はカルボキシル
基を有する化合物又はこれらの誘導体を少なくとも一種
類以上含有する水酸基類剤(以下、単に「水酸基類剤」
と言う)とは、没食子酸、没食子酸プロピル等の没食子
酸エステル類、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム,サ
リチル酸カリウム等のサリチル酸塩類、サリチル酸メチ
ル,サリチル酸フェニル等のサリチル酸エステル類、タ
ンニン酸及びそのエステル類、レゾルシン、酢酸レゾル
シン、ピロガロール、カテコール、ヒドロキノン、ヘマ
テイン,ハマメリス水、ノニル酸バニリド、2−ヒドロ
キシ−5−ニトロ−2′,4′−ジアミノアゾベンゼン−
5′−スルホン酸ナトリウム、フェノール,ニトロフェ
ノール,オルトアミノフェノール,メタアミノフェノー
ル,硫酸メタアミノフェノール,硫酸パラアミノフェノ
ール,硫酸パラメチルアミノフェノール,硫酸オルトア
ミノフェノール,パラクロルフェノール,2−アミノ−4
−ニトロフェノール,2−アミノ−5−ニトロフェノー
ル,3,3′−イミノジフェノール,硫酸2−アミノ−5−
ニトロフェノール,塩酸2,4−ジアミノフェノール,パ
ラアミノフェノール,パラメチルアミノフェノール,オ
ルトフェニルフェノール等のフェノール類、塩酸ピリド
キシン、ヘキサクロロフェン、ヒノキチオール、クレゾ
ール,5−アミノオルトクレゾール,硫酸5−アミノオル
トクレゾール,クロルクレゾール等のクレゾール類、ク
ロルキシレノール、1−アミノ−4−メチルアミノアン
トラキノン、ピクラミン酸ナトリウム、1,4−ジアミノ
アントラキノン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、α−
ナフトール、オイゲノール、イソオイゲノール、バニリ
ン、パラフェノールスルホン酸亜塩、2−(2−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アセ
ト酢酸エチル等のアセト酢酸エステル類、アスコルビン
酸、グルコン酸及びこの塩類、安息香酸,安息香酸ナト
リウム,安息香酸デナトリウム等の安息香酸塩類、安息
香酸アミル,安息香酸イソブチル,安息香酸パントテニ
ルエステル,安息香酸ショ糖エステル等の安息香酸エス
テル類、パラアミノ安息香酸,パラアミノ安息香酸エチ
ル,パラアミノ安息香酸グリセリル等のパラアミノ安息
香酸エステル類、並びにこれらの誘導体等を指す。な
お、前処理液には上記のもののほか、エデト酸二ナトリ
ウム・エデト酸三ナトリウム・エデト酸四ナトリウム二
水塩・エデト酸四ナトリウム四水塩等のEDTA類を用いる
ことができる。
上記金属塩液における鉄又は銅の金属塩とは、硫酸第一
鉄,塩化第二鉄,四三酸化鉄,三二酸化鉄,黄酸化鉄等
の鉄化合物類、及び酢酸銅,硫酸銅,グリシン銅等の銅
化合物類を言う。
上記酸化発色液の臭素酸塩類,過ホウ酸塩類とは、臭素
酸カリウム,臭素酸ナトリウム等の臭素酸塩類、過ホウ
酸ナトリウム等の過ホウ酸塩類である。
なお、多様な色調を得るため、水酸基類剤の成分又は配
合量を、前処理液,染毛促進液及び酸化発色液でそれぞ
れ変更することが可能である。さらに、より微妙な色合
に染め分けるため、金属塩液に水酸基類剤を配合するこ
ともできる。
次に、本発明に係る毛髪調装方法を説明する。これは、
上記の毛髪調装用液を用いて、以下に列挙した前処理工
程,金属塗着工程,染毛促進工程,酸化発色工程の四工
程を行うことを特徴とするものである。
a.前処理液を毛髪に塗布する前処理工程 b.金属塩液を毛髪に塗布する金属塗着工程 c.染毛促進液を毛髪に塗布する染毛促進工程 d.酸化発色液を毛髪に塗布する酸化発色工程 通常、前処理工程を行うのと同時に、毛髪をロッドに巻
きつけて所望形状に整形するが、前処理液の塗布は、毛
髪をロッドに巻きつける前でも巻きつけてロール状にし
た後でもよく、或いは塗布しながら巻きつけてもよい。
前処理工程のあと所要時間放置する。その後、所望によ
り、毛髪の整形状態を保持したまま水洗するなどして毛
髪表面に残存する前処理液を除去する。この水洗は省略
することも可能である。
次の金属塗着工程を行って所要時間放置した後、水洗す
るなどして毛髪表面及び頭皮表面に残存している金属塩
液を除去する。次いで、染毛促進工程を行い、引き続き
酸化発色工程を施す。
以上の四工程を行って所要時間放置した後、毛髪の整形
保持状態を解除し、洗髪,乾燥等の適宜処理を施せば、
所望パーマネントウェーブ形状の形成処理と旋毛処理と
が施術された毛髪を得ることが出来る。
本発明に係る毛髪調装方法は、上記工程の順序を適宜変
更することができる。例えば、前処理工程の次に染毛促
進工程を行い、次いで金属塗着工程を行い、その後に酸
化発色工程を行う方法も可能であり、或いは、前処理工
程の次に染毛促進工程を行い、次いで酸化発色工程を行
い、その後に金属塗着工程を行う方法も可能である。
なお、上記金属塗着工程後の水洗に替えて、スポンジ等
により毛髪表面に残存する剰余の薬剤を吸い取る或いは
拭き取る等の方法を用いてもよい。
〔作用〕
前処理液中の還元剤は、毛髪中のシスチン結合を切断す
る。従って、前処理工程において、毛髪は所望形状に整
形保持された状態で可塑性にされる。同じく配合した水
酸基類剤については後述する。
金属塩液に含まれる鉄又は銅の金属分子は毛髪のケラチ
ンと強固に結合する。毛髪は前処理工程で還元剤の作用
を受けて膨潤化しているので、金属塗着工程を施すと、
金属分子は毛髪の全体にわたって内部まで浸透して定着
する。
ところで、金属塩液は、前処理工程で毛髪に塗布した還
元剤の還元反応を停止させる作用をも有している。従っ
て、前処理工程のあと、一般には毛髪を水洗するのが望
ましいが、本発明方法によれば、水洗を省略しても、シ
スチンの切断を必要以上に進行させることがない。勿
論、水洗を行っても、何ら処理に支障をきたすものでは
ない。
染毛促進液中の水酸基類剤は前記金属分子との間で結合
反応を生じる。従って、染毛促進工程を施すことによ
り、毛髪全体に定着している金属分子に水酸基類剤が結
合し、両者の結合体が毛髪内部に形成される。
酸化発色工程において使用する酸化発色液中の酸化剤
は、前処理液により切断されたシスチン結合を再結合す
る作用を有している。一方、酸化発色液中の水酸基類剤
は、染毛効果の増大作用を有している。この作用機序を
以下に説明する。前述の染毛促進工程において毛髪内部
に生成された水酸基類剤と金属分子との結合体は、有色
の分子(色素分子)を形成する。この色素分子は、酸化
剤の存在下において、酸化発色液中の水酸基類剤と重合
反応を進行させ、分子を成長させる。このとき金属塩は
上記重合反応に触媒的に関与するものと思われる。この
ように、酸化発色工程において色素分子を一様に成長さ
せることによって、むら無く且つ色濃く毛髪全体を染め
上げる。
なお、水酸基類剤の種類によっては、酸化剤の存在下に
おいて、分子間で重合反応を起こし易い。そこで、水酸
基類剤と酸化剤との混合は、酸化発色工程を行う直前に
行うことが望ましい。
ところで、色むらがなく、しかも色濃く堅牢に染め上げ
るためには、毛髪全体にわたって一様に水酸基類剤の重
合反応が進行することが必要である。ところが、本発明
の如く、染毛処理と同時にパーマネントウェーブを形成
しようとする場合には、毛髪はロッド等に巻かれてロー
ル状にされる。このとき、ロール中心部が染色不良とな
る可能性がある。というのは、酸化発色液が毛髪に塗布
された後、ロール中心部まで浸透するのには時間がかか
るからである。特に、ロール中心部に巻き込まれている
毛先はロッドペーパー等の間に挟み込まれていることが
多いから、より浸透が困難である。もし仮に、染毛促進
工程を省略したとすると、酸化発色液中の水酸基類剤と
金属分子との結合反応及び水酸基類剤どうしの重合反応
がロール外周部でのみ起こることになり、ロール中心部
が染色不良となる。また、水酸基類剤の種類によって
は、酸化剤の存在下で重合反応が非常に速く進むため、
金属分子と結合して毛髪に定着する前に互いに重合する
ことがあり、この反応によって染毛の堅牢性が損なわれ
ることもありうる。
あるいは、染色促進工程を行ったとしても、水酸基類剤
を配合しない酸化発色液を使用した場合には、水酸基類
剤の重合反応が十分に進行せず、色素分子の成長が不十
分となるので、染色の濃度に欠けることになる。
しかし、本発明においては、予め染毛促進工程で毛髪全
体に水酸基類剤を行きわたらせてこれを定着させ、次の
酸化発色工程で水酸基類剤を供給して重合反応が毛髪全
体で進行させる。従って、染色むらが生じることがな
く、色濃く堅牢な染め上がりが得られる。なお、この酸
化重合反応は、特に、芳香族化合物において顕著に生ず
る。
次に、前処理液に配合した水酸基類剤の作用を説明す
る。前述したように、金属性染毛処理を施した毛髪中の
鉄又は銅の金属分子は、還元剤のシスチン切断力を弱め
て、パーマネントウェーブの形成を阻害する。ところ
で、水酸基又はカルボキシル基を有する化合物類の多く
は、鉄又は銅の金属が還元剤と反応するのを防止する金
属封鎖剤の作用を有している。そこで、水酸基類剤を前
処理液に配合することにより、還元剤の還元力が毛髪中
の金属分子に阻害されるのを防止することができる。従
って、予め金属性染毛剤によって染められた毛髪に対し
ても、所望のパーマネントウェーブ形状を形成すること
ができる。むしろ、前処理液に配合した水酸基類剤が還
元力を有しているので、シスチン結合の切断作用が助勢
され、確実にパーマネントウェーブを形成できる。な
お、前処理液に配合する水酸基類剤は、上述した金属封
鎖作用を有していればよく、必ずしも金属塩と呈色反応
を生じなくてもよい。
〔実施例〕 本発明に係る毛髪調装方法によって、毛髪にパーマネン
トウェーブの形成処理と染毛処理とを同時並行的に施術
する実施例を以下に説明する。
前処理工程,金属塗着工程,染毛促進工程,酸化発色工
程の順に処理を行う場合には、次のようにして行う。
まず、ロッドに巻いた頭髪に前処理液を塗布するか、又
は前処理液を頭髪に塗布しながらロッドに巻く。或い
は、前処理液を塗布し終えてから毛髪をロッドに巻いて
もよい。塗布方法は、スプレーやスポイトを用いる方法
のほか、根元に前処理液を塗布し、これを櫛で梳くよう
にして毛先の方へ拡げる方法も採用できる。その後10〜
20分間放置する。この放置時間中に、処理を促進させる
ため、必要に応じて前処理液をスポイト等により再度毛
髪に塗布してもよい。所要時間の経過後、所望により毛
髪を水洗する。但し、この水洗は省略可能である。次
に、金属塩液をロッドに巻かれた頭髪に万遍なく塗布
し、約5〜10分間放置して鉄又は銅の金属を毛髪内に浸
透させる。その後、水洗して毛髪表面及び頭皮表面に残
存する金属塩液を除去する。引き続いて染毛促進液を塗
布した後、適宜時間放置し又は放置せずにそのまま酸化
発色液を塗布する。これを5〜15分間放置した後ロッド
を外して毛髪の整形状態を解除し、水洗,乾燥等を行
う。このようにして、所要時間がロッドを巻く時間(約
20分)を含め約1時間余りでパーマネントウェーブの形
成と染毛の同時処理が完了する。
上記処理時間は、被施術者の毛髪の状態、所望するパー
マネントウェーブの形状やウェーブ度、染毛程度等に応
じて適宜変更することができる。また、各工程におい
て、赤外線(又は遠赤外線)照射を併用すれば、反応を
促進させて染色の堅牢性を向上させると共に、処理時間
の短縮を図ることができる。
なお、前処理工程後,金属塗着工程後及び染毛促進工程
後の各放置時間中、施術者の頭髪にヘアーキャップを被
せておくことにより、前処理液,金属塩液,染毛促進液
を塗布した後、これらの薬液中の有効成分が蒸発した
り、空気中の酸素と触れて酸化したりするのを阻止する
ことができる。また、前処理液や金属塩液を塗布した後
の水洗に代えて、スポンジ等による剰余の薬液の吸取操
作又は拭取操作を行ってもよい。
ところで、金属塩液の塗布によって金属分子が頭皮表面
に付着すると、後述の工程によって頭皮も染色される。
頭皮の染着を避けるために、金属塗着工程後に水洗し
て、頭皮に付着している残余の金属塩液を除去すること
が望ましい。あるいは、水酸基類剤としてクエン酸,EDT
A等を1%配合した水溶液を、水洗直前にスポイト等で
頭皮に塗布しておけば、頭皮の染着防止に対して非常に
優れた効果を発揮する。クエン酸,EDTA等の金属封鎖作
用は強固であるので、頭皮への塗布後、これらを直ちに
水洗いしても、十分な染着防止効果を得ることができ
る。
なお、上記の工程順序による毛髪調装方法に代えて、前
処理工程,染毛促進工程,金属塗着工程,酸化発色工程
の順で処理することもできる。この場合には、金属塗着
工程後と酸化発色工程後に水洗をすればよく、他の工程
後の水洗は省略することができる。また、前処理工程,
染毛促進工程,酸化発色工程,金属塗着工程の順で処理
する場合には、最後の金属塗着工程後にだけ水洗をすれ
ばよく、他の工程間の水洗は省略できるので、処理時間
の短縮を図ることができる。
更に、予め金属性染毛処理が施された毛髪を処理する場
合、染毛促進液を省略すると共に、水酸基類剤を配合し
ない酸化水酸基類剤を使用することにより、若干、色薄
く染上げることができる。また、前回に用いられたもの
とは異なる種類の金属塩や水酸基類剤を使用することに
より、色調の変更が容易に行える。
なお、本発明方法は、既に金属性染毛処理が施されてい
る毛髪を施術対象とするのは勿論であるが、染毛未処理
の毛髪に対してパーマネントウェーブ形成と染毛とを同
時に施す場合にも有用であることは言うまでもない。
〔試験〕
以下に、本発明により得られる毛髪のウェーブ度,ウェ
ーブ保持性,色調,褪色性及び予め金属性染毛処理が施
された毛髪に対する二回目のパーマネントウェーブ形成
力等の試験結果を、表1乃至表6に示す。
試験毛には、洗剤にて洗浄した約1000本の白熊の毛を一
束として用いた。
次に試験方法を説明する。まず、前処理液をスポイトで
万遍なく塗布しながら、毛髪をロッドに巻きつける。使
用したロッドの寸法は、直径12mm,長さ88mmであり、巻
きつけ方法は美容院等で通常行われている方法に準じた
(第1図参照)。即ち、毛束の先を二つ折にしたロッド
ペーパーの間に挟み(同図(a))、毛先からロッドを
中心にしてロッドペーパーと一緒に根元の方へ巻き込む
(同図(b)〜(c))。巻き終えてロール状になった
ら、毛が巻き戻らないように、長手方向に輪ゴムを架け
渡す(同図(d))。
上記のロール状にされた毛束を20分間放置した後、金属
塩液をスポイトを用いて塗布する。これを10分間放置し
た後30秒間水洗する。次に、染毛促進液を塗布し、5分
間放置後、酸化発色液を同様に同様に塗布する。10分間
放置後、毛束をロッドより取り外し、30秒間水洗し、綿
布上で乾燥させる。なお、本試験では、前処理液,金属
塩液,染毛促進後の各薬液の塗布後、試験毛をラップで
包んで、処理の促進を図った。
また、試験に用いた毛髪調装用液は全て精製水で調整さ
れた水溶液であり、各液の調整用基剤は、主として次の
組成に依るものを用いた。(単位は重量%である) 酸化発色工程で使用する水酸基類剤と酸化剤とは互いに
反応し易いので、毛髪に塗布する直前に混合して使用す
ることが望ましい。この試験においては、水酸基類剤2
に対して酸化剤1の割合で混合したものを酸化発色液と
して用いた(但し、表4の試番17−3,表5−2の試番19
−1及び表6−1,2は、水酸基類剤と酸化剤とを1対1
の割合で混合したものを用いた)。
試験毛のパーマネントウェーブの形成度合を判定する指
標として、ウェーブ度とウェーブ保持性とを、試験毛一
本ずつについて測定した。後掲の各表におけるウェーブ
度は次式により求めたものである。
但し、 X:ロッドの周面の周長さ (本実施例では、12mm×3.14=37.7mm) Y:ウェーブの1ピッチの長さ(第2図参照) また、ウェーブ保持性は、上記処理を施した毛束を洗剤
液(0.5%ラウリル硫酸トリエタノールアミン水溶液)
に1分間浸した後、精製水の入ったビーカー10個に順に
漬けて洗浄し、ハンドドライヤーにて乾燥させる、とい
う処理を5回繰り返し(但し、5回目はハンドドライヤ
ーを用いずに綿布上で風乾させる)、前記式中のYの値
を測定して当該処理の前後におけるウェーブ度を求め、
次式により算出したものである。
上記ウェーブ保持性試験は、日常生活において普通行う
洗髪等を連続して5回繰り返すのにも匹敵する、毛髪に
対してかなり苛酷な試験である。
色調の判定は、最初の毛髪処理が施された毛束につい
て、5人の判定者により500W昼光色スポットライト下で
視覚評価を行ったものである。
褪色性は、前記ウェーブ保持性試験の洗剤処理を行った
毛束について上記色調判定と同様の視覚評価を行い、洗
剤処理前の毛束と比較して褪色の有無を判定したもので
ある。
(a) 試験1(表1−1〜3) 試験1は、本発明により、毛髪にパーマネントウェーブ
の形成処理と染毛処理とを同時並行的に施術できること
を実証すると共に、各液の成分や配合量を変更すること
により、様々な色調,ウェーブ度を持った毛髪が得られ
ることを確かめたものである。
表1−1は、前処理液,染毛促進液,酸化発色液のそれ
ぞれに同種の水酸基類剤を配合した毛髪調装用液を用い
る方法において、前記水酸基類剤の種類を変えた試験の
結果を示すものである。同様に、表1−2は、染毛促進
液及び酸化発色液に配合する水酸基類剤の組成及び配合
量を変えた試験の結果、表1−3は、各液の組成及び配
合量を様々に変更した試験の結果を示すものである。各
試験における毛髪処理に要した時間は約45分であった。
なお、対照例として、前処理液に水酸基類剤を配合しな
い毛髪調装用液を用いて処理を行ったもの(C−1)、
染毛促進液及び酸化発色液の水酸基類剤を省略した毛髪
調装用液を用いて処理を行ったもの(C−2)、金属塩
液の金属塩及び染毛促進液及び酸化発色液の水酸基類別
を省略した毛髪調装用液を用いて処理を行ったもの(C
−3)を挙げた。
表1−1からわかるように、前処理液及び染毛促進液に
配合する水酸基類剤の種類を変えることにより、多様な
色調を得ることができる。表に掲げた水酸基類別のう
ち、没色子酸プロピル,レゾルシン,カテコール,塩酸
ピリドキシン,ヒノキチオール,L−アスコルビン酸はフ
ェノール性水酸基又はこれに類する水酸基を有する化合
物であり、アセト酢酸エチルはエノール型水酸基を有す
る化合物であり、パラアミノ安息香酸エチル,安息香酸
はカルボキシル基を有する化合物である。なお、サリチ
ル酸はフェノール性水酸基とカルボキシル基の両方を有
する化合物である。
また、表1−2及び表1−3に示すように、染毛促進液
及び酸化発色液に配合する水酸基類剤の組成及び配合量
を変えることによって、更に、還元剤や金属塩や酸化剤
を種々変更することによって、多彩な色調を獲得するこ
とができる。なお、前記表1−3中試番3−4は金属塩
として塩化第二鉄を用いた試験であるが、塩化第二鉄は
硫酸第一鉄に比べて毛髪への浸透性がやや劣るので、染
着性を高めるため、濃度を大きめにすると共に前処理工
程後の水洗を省略することが望ましい。
試番1−1のものと対照例C−1のものとを比検してわ
かるように、本発明の実施例はウェーブ度及びウェーブ
保持性において優れている。これは、前処理液に配合し
た水酸基類剤の作用によるものであって、還元剤のシス
チン結合切断作用を助勢していることがわかる。
(b) 試験2(表2−1〜4) 試験2は、予め金属性染毛処理が施されて毛髪中に金属
が残存しているときにも、本発明の実施によって高いウ
ェーブ度を得ることができ、ウェーブ保持性も低下しな
いことを示したものである。
試験方法は、毛束をロッドに巻かない直毛状態のまま
で、前掲の試番6−1の薬液組成を用いて処理を行い風
乾したものを試験毛とし、これをロッドに巻いて二回目
の処理を行い、ウェーブ度,ウェーブ保持性,色調,褪
色性を判定した。次掲の表2には、二回目の処理条件を
示してある。
なお対照例C−4は、試番6−1の組成において前処理
液中の水酸基類剤を省略したものによって二度の処理を
行ったものであり、対照例C−5は、試番6−1の組成
において前処理液の水酸基類剤と金属塩液とを省略した
もので一回目の処理を行った後C−4と同じ組成の薬液
で二回目の所を行ったものである。つまり、C−4は二
回目の処理時に金属が毛髪に残存している場合、C−5
は毛髪に金属が残存していない場合の試験結果である。
表2−1の対照例C−4とC−5との比較から明らかな
ように、二回眼の処理時に金属塩が存在すると(C−
4)、金属塩が存在しないとき(C−5)と比べて、そ
のウェーブ度が非常に低くなり(13.4%→8.5%)、ウ
ェーブ保持性は全く失われる(4.5%→0%)。これに
対して、本発明によれば、予め金属性染毛処理が施され
ていても、前処理液に配合する水酸基類剤の濃度を適当
に選べば、遥かに優れたウェーブ度、ウェーブ保持性を
得ることができる。
上記の効果は、主として前処理液に配合される水酸基類
剤の作用によるものである。従って、表2−1及び2に
示すように、水酸基類剤の種類及び配合比率を変えるこ
とにより、毛髪のウェーブ度及びウェーブ保持性に様々
な変化を与えることが可能である。
表2−3は、当該試験において、金属塩を銅塩に変えた
結果を、また、表2−4は還元剤を低濃度にした場合の
結果をそれぞれ示している。表2−3,4からわかるよう
に、還元剤の濃度を低くしても、金属塩の種類を変えて
も、前処理液中に水酸基類剤を含まない場合(対照例C
−6及びC−7)と比べて、ウェーブ度及びウェーブ保
持性における著しい向上が見られる。
ところで、試番13−1〜3の試験で用いた前処理液は、
配合されたサリチル酸の影響で酸性になっている。一般
に、前処理液のpHが酸性側であるとウェーブ度が低下す
ることが知られている。そこで、試番14−1〜3におい
て示した如く、トリエタノールアミンによりpHをアルカ
リ性側に調整すれば、本発明の効果を一層高めることが
できることが明らかである。
(c) 試験3(表3) 試験3は、自然毛(普通の黒髪)に対して本発明を実施
したものである。次掲の表3に示す通り自然毛にもパー
マネントウェーブ等の形成処理と染毛処理とを同時に施
すことができる。
(d) 試験4(表4) 試験4は、染毛促進液の水酸基類剤の成分と、酸化発色
液の水酸基類剤の成分とを異にした毛髪調装用液を用い
たものである。前述の試験1〜3では、染毛促進液と酸
化発色液とに同一成分の水酸基類剤を配合した毛髪調装
用液を用いていた。これを、表4に示す如く、染毛促進
液と酸化発色液とで水酸基類剤の成分を変えることによ
り、微妙な色調を毛髪に付与することができる。なお、
当該試験における酸化発色液の水酸基類剤は、エタノー
ル58%水溶液を基剤として調整したものを使用した。
(e) 試験5(表5−1〜2) 試験5は、本発明に係る別態様の毛髪調装方法によって
試験を行ったものである。表5−1は、前処理工程,染
毛促進工程,金属塗着工程,酸化発色工程の順に処理を
行った試験の結果を示すものであり、表5−2は、前処
理工程,染毛促進工程,酸化発色工程,金属塗着工程の
順に処理を行った試験の結果を示すものである。これら
の表から明らかなように、本発明方法は、工程順序を適
宜変更することが可能である。
(f) 試験6(表6−1,2) 試験6は、金属塩液にも水酸基類剤を配合した毛髪調装
用液を用いた試験である。この試験は、水酸基類剤の配
合量を変えた金属塩液と、同様に水酸基類剤の配合量を
変えた染毛促進液とを用意し、これらを組合せて処理を
行ったものである。表6−1,2に示すように、三種類の
金属塩液と三種類の染毛促進液とを組み合わせた場合に
は、九種類の異なる色調及び風合いを付与した毛髪が得
られる。要するに、幾種類かの金属塩液と染毛促進液と
を用意することにより、染め上がりやウェーブ状態を多
様に変化させることができる。
当該試験において、金属塩液にL−アスコルビン酸とグ
リシンとを添加した主たる目的は、両者の緩衝作用によ
ってのpHを調整し金属塩液が強酸性になるのを防止する
こと、金属塩液が酸化されるのを防止すること、及び染
め上がりの色調を調整することの三つである。
なお、この試験に用いた金属塩液は、次に示す組成の基
剤を用いて調整したものである。
ノニオン系界面活性剤 10% プロピレングリコール 10% エタノール 40% また、染毛促進液及び酸化発色液の水酸基類剤はエタノ
ール58%溶液を基剤にして調整したものを用いた。
本発明は、前掲の表に示したように、高いウェーブ度,
ウェーブ保持性,多様な色調,耐褪色性を毛髪に与える
ことができるが、それ以外に、前処理液及び染毛促進液
に配合する水酸基又はカルボキシル基を有する化合物類
の種類に応じて、種々の付加効果を発揮する。例えば、
ヒノキチオールは養毛作用を有し、塩酸ピリドキシンは
整肌作用を、レゾルシンは殺菌作用を、パラフェノール
スルホン酸亜塩は収斂作用を、さらに没食子酸プロピル
は酸化防止作用をそれぞれ有する。従って、これらを適
宜配合することにより、品質の安定化,種々の薬理作用
等を、毛髪調装用液に付与することができる。
また、前処理液のアルカリ性を強くするとパーマネント
ウェーブをより強固にすることができ、金属塩液、染毛
促進液のpHを弱酸性に調整しておけば、穏和な条件下で
施術することができる。
なお、本発明方法は、パーマネントウェーブを形成する
ばかりでなく、くせ毛,巻毛等の縮毛矯正(いわゆるス
トレート・パーマ)を行う場合にも実施することができ
る。この場合には、前処理液を塗布しながら毛髪をプレ
ート上に伸展して固定し、同様の処理を行えばよい。
また、パーマネントウェーブ等の形成はコールド式ウェ
ーブ法によっても、加温式ウェーブ法によってもよい。
更に、毛髪をロッドに巻く等の機械的操作を省いても、
染毛に関与する化学反応が影響されることはないから、
パーマネントウェーブ等の形成を行わずに染毛だけを施
すことにも応用可能である。
〔発明の効果〕
本発明による効果を以下に述べる。
パーマネントウェーブの形成処理或いは縮毛矯正等
の所望形状の形成処理と染毛処理とを同時並行的に行う
ことができる。従って、従来、別々に順次行っていたた
め、非常な手間と時間とを要していたパーマネントウェ
ーブ等の形成処理と染毛処理とを、遥かに短縮された時
間内で簡単に施術することができる。
前処理液に配合した水酸基類剤は、毛髪中に残存す
る金属塩をマスキングして前処理液中の還元剤と反応す
るのを阻止し、シスチン結合切断反応が正常に進行させ
る。つまり、予め金属性染毛処理が施された毛髪に対し
ても、確実にパーマネントウェーブ等を形成させる。従
って、本発明を用いれば、何回でも繰り返してパーマネ
ントウェーブ等の形成処理と染毛処理とを同時並行的に
施術することができる。
染毛促進液の水酸基類剤と酸化発色液の水酸基類剤
の相乗作用により、水酸基類剤の重合体と金属分子との
結合体よりなる色素分子が、毛髪に全体にわたって強固
に定着すると共に、酸化重合反応の進行による色素分子
の成長が毛髪全体で一様に生じる。従って、ロッドに巻
かれてロール状となった毛髪に対しても、ロール内部ま
でむら無く、しかも色濃く染め上げることができる。
染毛剤として金属性染毛剤を用いたので、堅牢で永
久性の高い染毛処理を施すことができ、しかも、人体に
対しても感作性も一次刺激性も無く、安全性に優れる。
毛髪調装用液の組成を変更することにより、豊富な
色調を得ることができ、白髪染ばかりでなく、金髪、赤
毛、栗毛等は勿論、黒髪にも染毛処理を施すことが可能
である。また、ウェーブ度の変更も自在であるから、髪
のおしゃれに対する多様な要望を満足させることができ
る。
以上を要するに、本発明は実用的価値の極めて大なる毛
髪調装用液及び毛髪調装方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(d)は、試験毛をロッドに巻く手順を
示す図面、第2図は、試験毛においてウェーブ度を測定
する個所を示す図面である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記に列挙するAの前処理液,Bの金属塩
    液,Cの染毛促進液及びDの酸化発色液を組み合わせて成
    ることを特徴とする毛髪調装用液。 A.金属封鎖作用を有するフェノール性水酸基若しくはこ
    れに類する水酸基を有する化合物,エノール型水酸基若
    しくはこれに類する水酸基を有する化合物,カルボキシ
    ル基を有する化合物,又はこれらの誘導体を少なくとも
    一種類以上含有する水酸基類剤と、チオグリコール酸塩
    類又はシステインのメルカプト化合物類からなる還元剤
    とを主成分とする前処理液 B.鉄又は銅の金属塩を主成分とする金属塩液 C.鉄又は銅の金属塩と呈色反応するフェノール性水酸基
    若しくはこれに類する水酸基を有する化合物,エノール
    型水酸基若しくはこれに類する水酸基を有する化合物,
    カルボキシル基を有する化合物,又はこれらの誘導体を
    少なくとも一種類以上含有する水酸基類剤を主成分とす
    る染毛促進液 D.鉄又は銅の金属塩と呈色反応するフェノール性水酸基
    若しくはこれに類する水酸基を有する化合物,エノール
    型水酸基若しくはこれに類する水酸基を有する化合物,
    カルボキシル基を有する化合物,又はこれらの誘導体を
    少なくとも一種類以上含有する水酸基類剤と、臭素酸塩
    類,過ホウ酸塩類又は過酸化水素水からなる酸化剤とを
    主成分とする酸化発色液
  2. 【請求項2】水酸基類剤の組成又は配合量が、前処理液
    と染毛促進液とで異なっている特許請求の範囲第1項記
    載の毛髪調装用液。
  3. 【請求項3】水酸基類剤の組成又は配合量が、染毛促進
    液と酸化発色液とで異なっている特許請求の範囲第1項
    記又は第2項記載の毛髪調装用液。
  4. 【請求項4】鉄又は銅の金属塩と呈色反応する水酸基類
    剤を金属塩液に配合した特許請求の範囲第1項乃至第3
    項のいずれかに記載の毛髪調装用液。
  5. 【請求項5】水酸基類剤の組成又は配合量が、金属塩液
    と染毛促進液とで異なっている特許請求の範囲第4項記
    載の毛髪調装用液。
  6. 【請求項6】毛髪にパーマネントウェーブ等の形成処理
    と染毛処理とを同時並行的に施す毛髪調装方法であっ
    て、下記に列挙するaの前処理工程,bの金属塗着工程,c
    の染毛促進工程及びdの酸化発色工程を行うことを特徴
    とする毛髪調装方法。 a.金属封鎖作用を有するフェノール性水酸基若しくはこ
    れに類する水酸基を有する化合物,エノール型水酸基若
    しくはこれに類する水酸基を有する化合物,カルボキシ
    ル基を有する化合物,又はこれらの誘導体を少なくとも
    一種類以上含有する水酸基類剤と、チオグリコール酸塩
    類又はシステインのメルカプト化合物類からなる還元剤
    とを主成分とする前処理液を、毛髪に塗布する前処理工
    程 b.鉄又は銅の金属塩を主成分とする金属塩液を毛髪に塗
    布する金属塗着工程 c.鉄又は銅の金属塩と呈色反応するフェノール性水酸基
    若しくはこれに類する水酸基を有する化合物,エノール
    型水酸基若しくはこれに類する水酸基を有する化合物,
    カルボキシル基を有する化合物,又はこれらの誘導体を
    少なくとも一種類以上含有する水酸基類剤を主成分とす
    る染毛促進液を毛髪に塗布する染毛促進工程 d.鉄又は銅の金属塩と呈色反応するフェノール性水酸基
    若しくはこれに類する水酸基を有する化合物,エノール
    型水酸基若しくはこれに類する水酸基を有する化合物,
    カルボキシル基を有する化合物,又はこれらの誘導体を
    少なくとも一種類以上含有する水酸基類剤と、臭素酸塩
    類,過ホウ酸塩類又は過酸化水素水からなる酸化剤とを
    主成分とする酸化発色液を、毛髪に塗布する酸化発色工
  7. 【請求項7】前記aの前処理工程の次に前記cの染毛促
    進工程を行い、次いで前記bの金属塗着工程を行い、そ
    の後に前記dの酸化発色工程を行うことを特徴とする特
    許請求の範囲第6項記載の毛髪調装方法。
  8. 【請求項8】前記aの前処理工程の次に前記cの染毛促
    進工程を行い、次いで前記dの酸化発色工程を行い、そ
    の後に前記bの金属塗着工程を行うことを特徴とする特
    許請求の範囲第6項記載の毛髪調装方法。
  9. 【請求項9】水酸基類剤の組成又は配合量が、前処理液
    と染毛促進液とで異なっている特許請求の範囲第6項乃
    至第8項のいずれかに記載の毛髪調装方法。
  10. 【請求項10】水酸基類剤の組成又は配合量が、染毛促
    進液と酸化発色液とで異なっている特許請求の範囲第6
    項乃至第9項のいずれかに記載の毛髪調装方法。
  11. 【請求項11】鉄又は銅の金属塩と呈色反応する水酸基
    類剤を金属塩液に配合した特許請求の範囲第6項乃至第
    10項のいずれかに記載の毛髪調装方法。
  12. 【請求項12】水酸基類剤の組成又は配合量が、金属塩
    液と染毛促進液とで異なっている特許請求の範囲第11項
    記載の毛髪調装方法。
  13. 【請求項13】毛髪を特定形状に成形せずに染毛処理を
    施す特許請求の範囲第6項乃至第12項のいずれかに記載
    の毛髪調装方法。
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