JPH0772066A - 高純度物質中微粒子散乱光検出装置及び分散式ファブリ・ペロー型分光装置並びに平行平面鏡の製造方法及び波長安定化装置 - Google Patents

高純度物質中微粒子散乱光検出装置及び分散式ファブリ・ペロー型分光装置並びに平行平面鏡の製造方法及び波長安定化装置

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JPH0772066A
JPH0772066A JP6071640A JP7164094A JPH0772066A JP H0772066 A JPH0772066 A JP H0772066A JP 6071640 A JP6071640 A JP 6071640A JP 7164094 A JP7164094 A JP 7164094A JP H0772066 A JPH0772066 A JP H0772066A
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Shinichi Ito
進一 伊藤
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  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Spectrometry And Color Measurement (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】どのような波長の散乱光もカットすることなく
同時に全波長領域をカバーしてスペクトル分析ができる
分散法の特長を活かし、測定精度が悪かった分散法の欠
点を解消し、測定時間を短縮できる分散式ブリルアン散
乱測定装置及び高純度液中超微粒子の1個1個の存在と
粒径を検出できる装置の提供。 【構成】平行平面鏡8、結像用光学系6,10、結像面
にほぼ合致して受光面が分割され形成され、位置間の実
長さ関係を示す番地を有する画素からなる受光面分割体
11、単位時間の微粒子移動距離を代入してブラウン運
動に関するアインシュタインの関係式から粒径を求める
計算回路とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分散式ブリルアン・レ
ーリー・ラーマン散乱測定装置などの分散式ファブリ・
ペロー型分光装置及び高純度被測定試料中の不純物の個
数・粒径を測定するための高純度物質中微粒子散乱光検
出装置並びにファブリ・ペロー型分光のために用いるエ
タロン板(平行平面鏡)の製造方法及び波長安定化装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】透明または半透明の物質に当たって散乱
する光は、物質中に自然に存在する音響フォノン、音響
マグノン、第2音波などによりドップラー効果を受け
て、ブリルアン散乱光となる。ブリルアン散乱光を適当
な光学系を通して分光させると部分環状の干渉縞ができ
る。このような干渉縞からブリルアン散乱光のスペクト
ルがわかり、物質の性質、たとえば、物質の弾性率がわ
かる。
【0003】ブリルアン散乱測定装置は、このような原
理を用いて、音響フォノンなどが本質的に関係している
誘電体、磁性体、液体、超流動体、超格子、構造相転移
結晶などの研究の推進に寄与してきた。特に、1mm立
方以下の試料を非接触で測定するのに適しているので、
大きな試料を作成することが困難な場合には、ブリルア
ン散乱法は、ほとんど唯一の弾性率測定法である。ま
た、非接触性の測定方法であるので、超低温、高温、超
高圧下などの測定方法としても適切である。
【0004】ブリルアン散乱測定方法には、2方法が知
られている。1つは分散法で、もう1つは掃引法であ
る。数十年以前のブリルアン散乱測定方法は、ほとんど
が、分散法であった。分散法は、測定試料の3次元領域
に単色光を照射し、その領域からの散乱光をファブリペ
ロー干渉計の分光素子である平行平面鏡(エタロン板)
で分光し、環状または部分環状の干渉縞(以下、単に干
渉縞という)を写真乾板に結像させ、その干渉縞の動径
方向の分布から散乱光のスペクトル分析を行うものであ
った。
【0005】このような分散法は、特定点以外の点から
の(全ての)散乱光をカットすることはないので、同時
に全波長領域をカバーしてスペクトル収集ができる。し
かし、写真乾板の感度が低いので、干渉縞の記録に時間
がかかり、現像、計測にも時間を要した。その上、干渉
縞の線幅、干渉縞のスペクトル強度に関する測定精度が
低い。このため、この方法は、現在、全く用いられてい
ない。
【0006】その後、光電子増倍管などの発明が分散法
から掃引法に転じさせた。掃引法は測定試料の1点から
散乱する散乱光をファブリペロー干渉計の分光素子であ
る平行平面鏡に入射させる。その平行平面鏡の光学的間
隔(屈折率と幾何学的間隔の積)を変えて時間的に透過
帯を掃引(走査)する。適当な光学系で1点に結像させ
た測定試料の1点からの散乱光のスペクトル収集を前記
掃引により行う。
【0007】このような掃引法は、感度が高い光電子増
倍管を用いて測定できるため、スペクトルの線幅、スペ
クトル強度の測定精度が前記分散法に比べて格段に向上
している。また、ブリルアン・シフトについても分散法
に比べてかなり測定精度が向上している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の掃
引法においては、対向する平行平面鏡間の光学的間隔が
変わらない限りその光学的間隔により定められる特定波
長の散乱光しか捕らえることができない。そこで、スペ
クトル全体を得るためには、必要な帯域にわたって波長
を掃引する。このため、1回の測定時間は掃引時間だけ
かかる。光電子増倍管に各単位時間に届く光量は微量で
あるので、このような掃引はかなりゆっくり行わねばな
らないので、掃引時間としてはかなりの時間を要するこ
とになる。1回の測定に何時間も要するものもある。こ
のような訳で、特にダイナミックスの研究は不可能であ
る。
【0009】さらに、次の問題がある。全波長領域につ
いて短時間のスペクトル分析を可能にしたとしても、測
定試料中に不純物が混入していると、観測されるスペク
トルには不純物により散乱されるレーリー散乱光のスペ
クトルが畳み込まれているので、得られたスペクトルは
被測定試料の物性を正しく知ることができない。そこ
で、同じ検出装置で不純物の検出ができるかどうかが問
題になる。
【0010】この問題を具体的に検討してみる。たとえ
ば、純粋製造分野でこの問題が重要視されている。純水
の必要度は生物学の分野で桁外れに高い。しかし、最も
急がれている分野は、半導体製造の分野である。装置本
体だけで1100億円といわれる加速器が目下、播磨
(兵庫県)のテクノポリスで建設中である。これの1つ
の大きい目的は、次世代半導体製造に欠くことができな
いX線レーザーの取り出しである。播磨の加速器による
X線レーザー発生装置は、次世代半導体のメーカーの焦
眉の的になっている。
【0011】一挙に3桁(画素としては100万倍)も
上がる密度の半導体回路の製造工程中の洗浄工程で用い
る水などの液体からは、従来に較べて1000分の1の
大きさの微粒子が取り除かれていなければならない。こ
のような小さい粒子が取り除かれた水が供給されないな
らば播磨の装置はこの分野では無用の長物になり、新し
い半導体の製造は宇宙空間でしかできない。当面は、
0.05ミクロン以下、欲をいえば0.01ミクロンの
粒子1個1個の存在を検出することが緊要の課題であ
る。
【0012】ゴミの除去は、フィルターなどで可能であ
る。しかし、除去されたかどうかは、ゴミの検出手段に
より確認しなければならない。ゴミが除去されていて
も、洗浄工程で使用される超純粋中に無塵室中のゴミが
水の強力な表面張力により吸引されてしまう。空気中の
ゴミの検出でなく使用時の超純粋中のゴミの検出が管理
工程中に組み込まれなければならない。このような分野
における粒子の有効な検出には、もっぱら光散乱法が利
用されている。
【0013】光散乱は、ミー散乱、ミー散乱の極限とし
てのレーリー散乱、ブリルアン散乱、ラマン散乱が知ら
れている。従来の微粒子検出法は、ミー散乱を用いたも
のである。これは、いわゆるチンダル現象(障子の穴か
ら入って来る1条の光が見える日常的な現象)を利用し
たものである。使用するレーザーは、この分野における
色々な制約から、HeーNe・レーザーが用いられる
(制約とは、寿命・波長の安定性、パワーの安定性、価
格、サイズなど)。
【0014】ミー散乱理論を利用する従来のゴミ検出方
法では、ゴミの粒子径が0.1ミクロン程度まで小さく
なると、ゴミ1個1個の存在と個数を検出することは不
可能になってくる。0.1ミクロン以下の大きさのゴミ
1個に関する散乱光の検出はは、レーリー散乱理論によ
る。ところで、レーリー散乱光の強度は、粒子直径の6
乗に比例するために、新たな難問が生じる。ゴミの直径
が10分の1になると、散乱光強度は、100万分の1
になる(参考文献*1)。ゴミの直径が0.1ミクロン
程度になりゴミの数が少なくなると、次の2つの点
a.、b.で問題が生じる。
【0015】a.ゴミから散乱される散乱光の強度が極
端に低くなる。散乱光子の個数は毎秒数10個程度にな
る(通常用いられているパワーのレーザーでは、現在の
最高感度の検出器でも実質上検出不能である。)。
【0016】b.前記a.の問題点を克服するためレー
ザーパワーを上げたとしても、測定領域全体の水そのも
のが散乱させる光(ブリルアン散乱光、レーリー散乱
光、ラマン散乱光)の強度が、その測定領域中に単数個
なしは数個のゴミとしての微粒子から散乱される散乱光
の強度より強くなり、全散乱光強度から微粒子散乱光強
度を分離することは、確率的にしかできなくなる。
【0017】その理由は、散乱光強度が極端に弱い場合
の分離方法である光子数比較は、光子が本質的に持つ統
計的「ゆらぎ」を含む光子数比較になることを避けられ
ないからである。このように、水とゴミの区別ができな
いので、検出不能に陥る(従来、0.1ミクロンの検出
を可能とするミー散乱利用の装置が市販されている。こ
れは、ゴミ1個を検出することができるものではない。
多くのゴミから散乱される光をレンズで集光して測定し
た全光量と標準化された微粒子からの散乱光量との比較
から、ゴミの粒径と個数とを統計的にかつ経験則的に割
り出したものであり、粒子径と粒子数の関係に一意性が
なく、測定装置としては一般性がなく、信頼性は全くな
い)。
【0018】この発明は上述のような技術的背景のもと
になされたものである。
【0019】この発明の目的は、どのような波長の散乱
光もカットすることなく同時に全波長領域をカバーして
スペクトル分析ができる分散法の特長を活かし、測定精
度が悪かった分散法の欠点を解消し、測定時間を格段に
短縮できる分散式ファブリ・ペロー型分光装置を提供す
ることにある。
【0020】また、この発明の目的は、分散式ファブリ
・ペロー型分光装置に用いる平行平面鏡の平面度を向上
させ、より一層測定時間を短縮できる平行平面鏡の製造
方法を提供することにある。
【0021】また、この発明の目的は、液中微粒子1個
1個の存在を検出できる高純度液中微粒子散乱光検出装
置を提供することにある。
【0022】また、この発明の目的は、測定領域の液中
微粒子1個1個の存在を検出して同領域内の全個数を検
出するとともに光量または散乱光子数から粒径を計算に
より検出できる高純度物質中微粒子散乱光検出装置を提
供することにある。
【0023】また、この発明の目的は、測定領域の液中
微粒子1個1個の存在を検出して同領域内の全個数を検
出するとともに測定した微粒子のブラウン運動速度から
粒径を計算により検出できる高純度物質中微粒子散乱光
検出装置を提供することにある。
【0024】また、この発明の目的は、発振系内でレー
ザーを集光できるレーザー発振装置を用いた高純度物質
中微粒子散乱光検出装置を提供することにある。
【0025】また、この発明の目的は、レーザー照射す
る液体特に水に対流を生じさせない高純度物質中微粒子
散乱光検出装置、または一般的に液体特に水に対流を生
じさせない対流防止方法を提供することにある。
【0026】また、この発明の目的は、発振波長の超高
性能の安定化を可能とする波長安定化レーザーを提供す
ることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】次に、本発明の課題を解
決するための手段を記載するが、1つまたはいくつかの
実施例に対応させて本発明の構成要素に括弧つきで参照
番号をつけたのは、本発明と実施例の構成要素間の対応
関係を分かりやすく参照するためであり、本発明を実施
例に限定するためではない。
【0028】第1発明の分散式ファブリ・ペロー型分光
装置は、透過型平行平面鏡(8)を含み、入射レーザ光
(1)が測定試料に当り散乱する1部の散乱領域を結像
させる結像用光学系(6,10)と、前記結像用光学系
(6,10)の結像面にほぼ合致して受光面が分割され
形成される受光面分割体(11)とからなり、前記受光
面分割体(11)は、受光量を個別に検出するための多
数の画素からなり、前記画素は互いの位置間の実長さ関
係を示す番地を有していることを特徴としている。
【0029】また、第2発明の分散式ファブリ・ペロー
型分光装置は、第1発明において、前記散乱領域の結像
位置の近傍に、m次、(m−L)次(mは大きい整数、
Lは小さい整数)のレーリー散乱光の干渉縞像を覆うが
ブリルアン散乱光の干渉縞像を覆わない空間フィルター
(5)が設けられていることを特徴としている。
【0030】また、第3発明の平行平面鏡の製造方法
は、基板(28)の面を多数の領域に分け、前記領域毎
に基板(28)の面上の複数点を通る平面からの平均的
ずれの値を前記各領域毎に測定する工程と、マスク(2
6)に多数の透過口(27)を開ける工程と、真空蒸着
容器(20)内に前記測定ずみ基板(28)と平滑材
(23)が溶融されて放射される放射口(24)との間
に前記マスク(26)が位置するように、前記測定ずみ
基板(28)とマスク(26)を配置しセットする工程
と、前記マスク(26)の透過口を通して前記放射口
(24)から放射される前記平滑材(23)を前記基板
(23)に蒸着する工程とからなり、前記透過口(2
7)の径は、各透過口(27)の位置、前記放射口(2
4)と前記マスク(26)との間の距離、前記マスク
(26)と前記基板(28)との間の距離を定数とし、
前記透過口(27)の径を変数として計算により求めた
前記基板(28)の前記各領域の蒸着量を前記基板(2
8)の各領域毎の前記平均的ずれの値に対応する値に等
置した連立方程式から求められる値であることを特徴と
している。
【0031】また、第4発明の平行平面鏡の製造方法
は、第3発明において、前記マスク(26)を前記基板
(28)の前記領域と同じに分け、前記マスク(26)
の領域の中心部に単一の透過口(27)を開け、この透
過口(27)の径が前記連立方程式から求められる値で
あることを特徴としている。
【0032】また、第5発明の平行平面鏡の製造方法
は、第3発明において、前記マスクを前記基板の前記領
域と同じに分け、前記マスクの領域に複数の透過口を開
け、この透過口の径を同一とし、各領域の透過口の数が
前記連立方程式から求められる値であることを特徴とし
ている。
【0033】また、第6発明の高純度物質中微粒子散乱
光検出装置は、透過型平行平面鏡(8)を含み、入射レ
ーザ光(1)が測定試料に当り散乱する1部の散乱領域
を結像させる結像用光学系(6,10)と、前記結像用
光学系(6,10)の光軸上に位置する受光面を備える
受光量検出装置からなり、透過型平行平面鏡(8)の光
路長を調整することにより透過型平行平面鏡(8)を透
過するブリルアン散乱光を透過型平行平面鏡(8)を透
過するレーリー散乱光から空間的に分離し、被測定試料
の液体からのレーリー散乱光と同一波長の微粒子からの
散乱光の光量を前記受光量検出装置より検出することを
特徴としている。
【0034】また、第7発明の高純度物質中微粒子散乱
光検出装置は、透過型平行平面鏡(8)を含み、入射レ
ーザ光(1)が測定試料に当り散乱する1部の散乱領域
を結像させる結像用光学系(6,10)と、前記結像用
光学系(6,10)の結像面にほぼ合致して受光面が分
割され形成される受光面分割体(11)とからなり、前
記受光面分割体(11)は、受光量を個別に検出するた
めの多数の画素からなり、前記画素は互いの位置間の実
長さ関係を示す番地を有し、大きい整数値mについて、 mλ=平行平面鏡(8)の光路差 λ:光源レーザーの波長 となるときの(m−0)次のレーリー散乱光受光円領域
の受光面分割体(11)に前記被測定試料である液体中
の微粒子の実像を形成させることを特徴としている。
【0035】また、第8発明の高純度物質中微粒子散乱
光検出装置は、透過型平行平面鏡(8)を含み、入射レ
ーザ光(1)が測定試料に当り散乱する1部の散乱領域
を結像させる結像用光学系(6,10)と、前記結像用
光学系(6,10)の結像面にほぼ合致して受光面が分
割され形成される受光面分割体(11)とからなり、前
記受光面分割体(11)は、受光量を個別に検出するた
めの多数の画素からなり、前記画素は互いの位置間の実
長さ関係を示す番地を有し、大きい整数値mについて、 mλ=平行平面鏡(8)の光路差 λ:光源レーザーの波長 となるときの(m−0)次のレーリー散乱光受光円領域
の受光面分割体(11)に前記被測定試料である液体中
の微粒子の実像を形成させ、前記散乱領域の水の温度を
レーザー照射時に摂氏3.98度またはこの近傍温度に
することを特徴としている。
【0036】また、第9発明の高純度物質中微粒子散乱
光検出装置は、第7発明または第8発明において、ブラ
ウン運動に関する次のアインシュタインの関係式、
【0037】
【数7】 T:微粒子を含む液体の絶対温度、 π:円周率、 k:ボルツマン常数、 η:粘性係数、 L:時間tの間に移動する微粒子の確率的移動距離 で表される確率的移動距離Lに、受光面分割体(11)
により計測した微粒子の移動距離を代入して微粒子の直
径aを算出することを特徴としている。
【0038】また、第10発明の高純度物質中微粒子散
乱光検出装置は、両端にブリュースター窓と反射ミラー
(32)とを備えるレーザー発振管(30)と、前記レ
ーザー発振管(31)の外部に設けられた反射ミラー
(36)と、前記レーザー発振管(31)の外部で反射
ミラー(32)と反射ミラー(36)との間に設けられ
共焦点を有する2体の集光用レンズ(40,41)と、
入射レーザ光(1)が測定試料に当り散乱するレーザー
散乱光を集光するための結像用光学系(6,10)と、
前記結像用光学系(6,10)の光軸上に位置する受光
面を備える受光量検出装置とからなることを特徴として
いる。
【0039】また、第11発明の波長安定化装置は、両
端にブリュースター窓と反射ミラーを備えるレーザー発
振管(31)と、前記レーザー発振管(31)の外部に
設けられ光軸方向に変位自在な反射ミラー(37)と、
発振レーザーの1部を透過させるファブリ・ペロー型平
行平面鏡(85)と、前記ファブリ・ペロー型平行平面
鏡(85)を透過したレーザー光の光量検出から透過率
を検出するための光量検出器(86)と、前記光量検出
器(86)により検出した光量の増減に応じて前記反射
ミラー(37)を光軸方向に変位させる反射ミラー変位
装置(84,91)とからなることを特徴としている。
【0040】
【作用】この発明の分散式ファブリ・ペロー型分光装置
は、平行平面鏡がブリルアン散乱光をレーリー散乱光な
どから分離する。分離された前波長の散乱光について全
波長領域をカバーしてスペクトルを同時に収集するとと
もに、受光量を個別に且つ同時に検出する。このような
検出は、多数の画素により収集する。単位画素により単
一波長の散乱光のみが検出される。
【0041】また、この発明の平行平面鏡の製造方法
は、計算によりもとめられた透過口を開けたマスクを通
して平滑材を基板に蒸着することにより基板を平滑化す
る。
【0042】また、この発明の高純度物質中微粒子散乱
光検出装置は、平行平面鏡がブリルアン散乱光をレーリ
ー散乱光などから空間的に分離する。液体からのレーリ
ー散乱光と微粒子からの全散乱光量を検出するが、比較
的に粒径が大きい場合は、全散乱光量を微粒子からのも
のとして微粒子の存在を検出する。この場合、光量と粒
子径の関係から粒径を計算により求めることができる。
【0043】また、この発明の高純度物質中微粒子散乱
光検出装置は、平行平面鏡がブリルアン散乱光をレーリ
ー散乱光などから空間的に分離する。このように空間的
に分離された各波長の散乱光は、画素に集光する。単位
画素には、単一波長の散乱光のみが収集される。また、
単位画素には、被測定試料の被測定領域の画素に対応す
る単位領域からの散乱光が収束して集光している。被測
定試料の液体の同一単位領域から散乱する液体からの散
乱光と微粒子からの散乱光が同一の単位画素に収束して
集光する。したがって、単位領域の液体からの散乱光量
が同一単位領域内の単一の微粒子からの散乱光量に比較
して少ない場合には、微粒子の個数が計測される。
【0044】また、この発明の高純度物質中微粒子散乱
光検出装置は、水の温度を密度最大点にして観測するの
で、水の対流が生じない。
【0045】また、この発明の高純度物質中微粒子散乱
光検出装置は、レーリー散乱光が集光する(m−0)次
成分の円領域において微粒子の運動を観測する。このよ
うな円領域の直径は、可視光レーザーでたとえば0.0
2ミクロンの微粒子を観測する場合、微粒子の直径に較
べて圧倒的に大きい。ブラウン運動する微粒子の単位時
間の移動距離(始点と終点を結ぶベクトルの大きさ)か
ら、アインシュタインの関係式により微粒子の粒径が計
算により求められる。
【0046】また、この発明の高純度物質中微粒子散乱
光検出装置は、発振系内で集光するレーザーを測定試料
に照射する。したがって、集光密度が高い。
【0047】また、この発明の波長安定化装置は、発振
波長が僅かに変わると発振レーザーが平行平面鏡を透過
する透過率が急激に変わる。透過率の変化に応じて発振
用ミラー間距離が変わり、発振波長は元の波長になる。
【0048】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 (分散式ファブリ・ペロー型分光装置の実施例1)図1
は、本発明の実施例1を構成する光学系を示す。用いる
レーザ光1は、YAGレーザ、Arレーザ、He−Ne
レーザなどである。YAGレーザを用いるときは、その
線幅を狭くするためのインジェクションシーダ(たとえ
ば、スペクトラフィジックス社製)を用いる。入射レー
ザ光1で透明容器2の中の測定試料3を照射する。
【0049】測定試料3のある立体的領域に当り散乱す
る散乱光の1部が結像用(集光用)レンズ4を通って結
像点領域P1に結像する。この結像点領域P1の近傍に
空間フィルタ5を置く。この空間フィルタ5は、迷光と
してのレーリー散乱光(この明細書において、ドップラ
ー効果を受けずに元の波長のまま測定試料3から散乱す
るレーザ光をいう)を除去するためのものである。
【0050】前記結像点領域P1からある距離離れた位
置に同じ距離の焦点距離を持った前段のレンズ6を同じ
光軸上に置く。レンズ6の前方に光軸に対して45度の
反射面を持ったプリズム7を置き、コーナキューブ9に
散乱光を向かわせる。コーナキューブ9とプリズム7と
の間に平行平面鏡8を介設する。コーナキューブ9は散
乱光を2回平行平面鏡8に通すためのものである。
【0051】平行平面鏡8は石英製で、前後面が平行に
形成され、その平行平面8aには、適当な透過率を持っ
た半透明反射膜が形成されている。平行平面8aは、光
軸に直交する面に対して僅かに傾いている。平行平面鏡
8を通った帰路の散乱光は、前記プリズム7のもう1つ
の面で反射し、ある焦点距離を持った後段のレンズ10
に入射する。レンズ6とレンズ10とで、入射レーザ光
1が測定試料3に当り散乱する散乱点を結像させる結像
用光学系を構成する。
【0052】レンズ10の焦点位置近傍に受光面分割体
11が置かれる。受光面分割体11の受光面はほぼ光軸
に直交している。したがって、前記結像用光学系(6,
10)の結像面にほぼ合致して受光面分割体11が置か
れている。受光面分割体11の受光面は矩形状に形成さ
れ、格子状に分割され多数の正方形状の画素の集合体で
ある。各画素ごとに個別に受光量を検出できる。受光量
を個別に同時に検出するための多数の画素からなる受光
面分割体11の画素としてCCD(電荷結合素子)が用
いられている。
【0053】受光面分割体11は、矩形状であり、長さ
は25mm程度あれば十分である。画素は1辺が25ミ
クロン程度でよい。その幅は1mm以上は必要である。
入射レーザ・ビームの径を大きくするにつれ幅も大きく
する。したがって、25mm平方の正方形のものを用い
れば色々の場合に間に合う。受光面分割体11を形成す
る画素は1辺が25ミクロン程度の正方形状のものでよ
い。したがって、画素の行数は40程度以上は必要であ
る。
【0054】画素の列数は1000程度でよい。画素毎
に番地がつけられ、中心列の番地を零とする。2次元C
CDでは中心行の番地も零とする。中心列から互いに反
対方向(動径方向)に同じ列数進んだ2つの画素の列番
は同じでよい。受光面分割体11の幅が大きい場合は行
番も付ける。受光面分割体11の幅が小さい場合は行番
は付けなくてよい。なぜなら、受光面分割体11に重な
る部分の干渉縞はまっすぐなものとして十分に近似でき
るからである。
【0055】分割された各受光面に達した散乱光の光量
は、電流または電圧に変換され、光量と電流または電圧
とは関数関係たとえば比例関係にある。たとえば、光量
に比例した電気信号が、各受光面の固有の番地に1対1
の対応で取り出される。このように1対1の対応で取り
出して電気信号を出力することができる素子がCCDを
組み込んだ状態で市販されている。このように1対1の
対応で取り出された電気信号は、受光面分割体11の全
面に結像した像の写像としてパソコンに連結されたブラ
ウン管12上に表示される。また、番地も出力される。
【0056】また、前記のように1対1の対応で受光面
分割体11から取り出された電気信号は、スイッチ回路
13を介して、他の表示装置14に表示される。あるい
は、このような電気信号は、スイッチ回路13を介し
て、図示しない記憶装置たとえばフロッピーディスクに
記憶される。スイッチ回路13は、任意に設定できる時
間内に受光面分割体11で集めた光量の全てに相当する
電気信号を瞬時に出力できる回路機能と前記時間内に受
光面分割体11で集めた光量の全てを消去できる回路機
能を有している。
【0057】前記表示装置14は、たとえば、横軸を振
動数とし、縦軸を光量とするグラフを表示する。この場
合は、表示装置14とスイッチ回路13との間に、番地
を振動数に変換する関数を計算するための後述する番地
・振動数変換器15が介設される。
【0058】前記構成で、結像用レンズ4は、入射レー
ザ光1が測定試料3に当り散乱する散乱点を空間フィル
タ5の近傍に一旦結像させることによりレーリー散乱光
を除去して検出能力を高めるためのものであるが、この
ような結像用レンズ4と空間フィルタ5とは省略してよ
い。この場合は、透明容器2を前記点P1の近傍に置
く。
【0059】次に、前記実施例1の動作を説明する。測
定試料3中の点でありレンズ4の焦点R1で散乱する散
乱レーザ光は、点R1から円錐状にひろがりレンズ4に
入射し、レンズ4の焦点P1に結像する。説明の便宜の
ため、空間フィルタ5がないものとする。このように焦
点P1に結像した散乱レーザ光はレンズ6により平行化
される。このように平行化された散乱レーザ光はプリズ
ム7で反射され平行平面鏡8に入射する。
【0060】図2は、平行平面鏡8に入射する光線と平
行平面鏡8から出る光線のよく知られている多光束干渉
を解説するための断面図である。平行平面鏡8の屈折率
をn、平行平面鏡8の厚さをh、平行平面鏡8内での屈
折角をレーリー散乱光についてr0、ブルリアン散乱光
についてrbとする。遠方の点Aから発した光線が平行
平面鏡8に点Bで入射し平行平面鏡8の中の点C,Dで
反射し点Eで平行平面鏡8から抜け出るとする。点Cで
抜け出る光線に点Eから下した垂線の足を点Fとする。
点Cから抜け出る光線と点Cから抜け出る光線との光路
差は、屈折率・(線分CDE−線分CF)で、これをレ
ーリー散乱光についてL0、ブルリアン散乱光について
Lbで表すと、よく知られているように、次式 L0=2hncos(r0) (1) Lb=2hncos(rb) (2) で示される。多光束干渉した光線は、次の条件式(3,
4)を満たすときに、平行平面鏡8を全透過する。
【0061】 L0=mW0 (3) Lb=mWb (4) ここで、W0は光源レーザ光の真空中の波長、Wbはブル
リアン散乱光の真空中の波長、mは平行平面鏡8に入り
出て行く散乱光の最短光路上にある波の数で整数であ
る。したがって、レーザ光と平行平面鏡8を特定し、装
置系を固定すればmの値は定まり、mが最大値のときの
散乱光をm次の散乱光、mが最大値より1だけ小さい散
乱光を(m−1)次の散乱光という。
【0062】この明細書で一般に、mが最大値よりLだ
け小さい散乱光を(m−L)次の散乱光という。この最
大値mは、h=2mm、n=1.5、W0=0.6ミク
ロン、θ=0としたとき、m=10000である。もし
レンズ6の焦点位置が点P1に完全に一致しているな
ら、角度θは零であるので、点R1から発した散乱光
は、前記式(2)を満たすときに、コーナキューブ9で
反射し、レンズ10を通って、受光面分割体11上の1
点に結像する。このような像は、ブラウン管12上に点
として表示される。いま、このような点状の像が、レー
リー散乱光のものであるとする。点R1から発した散乱
光のうちでドップラー効果を受けた成分、即ち、ブリル
アン成分は、前記条件を満たしていないので、レーリー
散乱光の結像位置にはブリルアン散乱光の干渉像は生じ
ない。
【0063】点R1から等距離にあり点R1を通り光軸
に直交する面上にある光源としての円または部分環R
2,R3を図4または図5に示す。図4は入射レーザ光
束の径が大きい場合を示し、図5は入射レーザ光束の径
が小さい場合を示している。光源としての円または部分
環R2,R3を便宜上入射レーザ光束の中心断面上に描
いている。光源としての円または部分環R2,R3上の
任意の点から発する散乱光のうちレーリー成分は、前式
(2)を満たすので、図6または図7に示すように、干
渉縞の像R2’,R3’として受光面分割体11上に結
像する。
【0064】光源としての点R1、円または部分環R
2,R3の間にある光源としての円または部分環R4,
R5,R6、R7,R8上の任意の点から発する散乱光
のうちレーリー成分は、前記条件式(4)を満たさない
ので、干渉像は受光面分割体11上に結像しないが、光
源としての円または部分環R4,R5,R6、R7,R
8上の任意の点から発する散乱光のうちブリルアン成分
は、この成分のうち前記条件式(4)を満たすので、図
6または図7に示すように、干渉縞の像R4’,R
5’、R6’,R7’,R8’として、受光面分割体1
1上に結像する。
【0065】図7において、干渉縞R1’,R2’〜R
8’は同時に生じる。干渉縞の中心に一致する画素から
個別につけられた番地(列)の各画素までの距離は実測
されている。たとえば、番地が1000であれば、中心
からこの番地までの距離は、1000x25ミクロン
で、25mmである。各部分環の像はその部分環に固有
の波長を持ったレーザ散乱光の結像である。
【0066】結像環の中心から各番地の画素までの距離
をD/2、ブリルアン散乱光の振動数をNb、光源のレ
ーザの振動数(レーリー散乱光の振動数)をN0とし、
ブリルアン線の干渉縞の直径をD(Nb、m)、次数が
Lだけ小さいブリルアン線の干渉縞の直径をD(Nb、
m−L)、レーリー線の干渉縞の直径をD(N0、
m)、次数がLだけ小さいレーリー線の干渉縞の直径を
D(N0、m−L)とすると、隣合うレーリー線の間隔
は、次式(5)から計算される。
【0067】
【数1】 ここで、 f:レンズ10の焦点距離 n:平行平面鏡の屈折率 また、レーリー線とブリルアン線の間隔は、次式(6,
7)から計算される。
【0068】
【数2】 式(6,7)は、ブリルアン線の干渉縞ががレーリー線
の干渉縞の両側に対称に現れることに対応している。こ
のように、線間隔は次数に関係しない量である。これよ
り,ブリルアンシフトは,次式(8)から計算される。
【0069】
【数3】 ここで、Fsはフリースペクトルレインジで、次式で与
えられる。
【0070】
【数4】 測定試料中の音速vと振動数Nb,N0との関係は次式
(9)から計算される。
【0071】
【数5】 ここで、 c:真空中の光速度 S:散乱角度 n’:測定試料の屈折率 次に、上記実施例の実験結果を説明する。受光面分割体
11として容易に入手できる一般市販のもの、光源とし
てHe−Neレーザ、平行平面鏡8として従来の掃引式
ブリルアン散乱測定装置に用いられている掃引式ファブ
リ・ペロー干渉計の分光素子である2枚のミラー間を調
整後に固定したもの(面平行度100分の1波長)、測
定試料としてベンゼンを用いた。
【0072】前記式(5,6)により番地を振動数に変
換し、振動数と強度との関係を表示装置14のブラウン
管面に表示し、また、それを紙面に出力して図8に示す
結果をえた。また、従来の掃引法により図8に示す結果
と同等の結果をうるように別に従来の掃引法による実験
を行った。測定試料に対するレーザ照射時間を比較する
と、本発明の分散法は従来の掃引法に対して40分の1
であった。
【0073】図9は、空間フィルタ5の実施例を示して
いる。この空間フィルタ5は長方形領域に分布している
図5に示す光源R1,R2,R3からのレイリー散乱光
を遮断するためのものである。これらの光源R1,R
2,R3はレンズ4により拡大されて点P1を通る焦面
に結像する。その像に重なるように5本のピン17a,
17b,17c,17d,17eを支持台18に立てて
置く。ピン17aはm次の、ピン17b,cは(m−
1)次の、ピン17d,eは(m−2)次のレイリー散
乱光を遮断する。
【0074】これらのピン17a,17b,17c,1
7d,17eを支持台18上で変位可能に、また、他の
ピンと交換可能に支持することができる。このように支
持すると、表示装置12のブラウン管面を見ながら各ピ
ン17a,17b,17c,17d,17eを順次に動
かして1つずつレイリー線を消去することができる。な
お、隣合うピン間の幅は、ブラウン管面上に生ずる干渉
縞の間隔を測定して得られる測定値と光学系の係数値と
から、即ち、式(5)から式(10)までの式にしたが
って計算により求めることができる。
【0075】また、各ピン17a,17b,17c,1
7d,17eの必要な太さも同様に計算により求めるこ
とができる。適切な太さのピンを用いることにより各ピ
ンに接近したブリルアン散乱光の像を遮断しないように
する。ブリルアン散乱光の像を遮断していないこともブ
ラウン管面をみていればわかり、その判断はすぐにでき
る。ピンの形状は、直線、直線に近いもの、円弧状のも
のなど、すなわち、m次、(m−1)次、(m−2)
次、・・・の干渉像に合致して干渉像を覆い隠す各種の
ピンを用意しておくと便利である。
【0076】前記空間フィルター5は、前段のレンズ6
の前方においたが、前記散乱領域の結像位置の近傍に、
m次、(m−L)次のレーリー散乱光の干渉縞像を僅か
に覆うようにおけばよく、受光面分割体11の直前に置
いてもよい。 (測定装置の実施例2)上記実施例で用いたレンズ6は
必ずしも必要でない。図10はレンズ6を省略した場合
の実施例2を示している。平行平面鏡8は試料容器2と
レンズ10との間に置かれる。結像位置に受光面分割体
11が置かれる点は実施例1と同様である。
【0077】(平行平面鏡の製作法の実施例)図11は
平行平面鏡8の平行度を向上させる製造方法を実施する
ための製造装置を示している。真空容器20は真空ポン
プ21により真空化される。真空容器20の下部に抵抗
加熱で加熱される皿22が置かれている。皿22上で平
行平面鏡8と同じ材質の平滑材23、たとえば、石英が
溶融されている。皿22の中央部の上方で円形のシャッ
ター付き開口24が開けられた遮断板25が設けられて
いる。遮断板25の上方にマスク26が水平に配置され
ている。
【0078】このマスク26は、仮想的に多数の領域に
分割されている。たとえば、互いに外接し合う同一半径
の円に仮想的に分割されている。それらの各仮想的領域
の中心に円形の透過孔27が点在するように開けられて
いる。幾つかの仮想的領域には透過孔27は開けられて
いない。各透過孔27の半径はまちまちであり、各透過
孔27の半径は次のように求められる。
【0079】1枚の円形の基板28(たとえば石英製)
の両面を研磨する。その片面を前記分割と同様に分割し
各領域毎に平行度を測定する。研磨するときに基板を支
持した3点の所の領域を基準位置としこの3点を含む平
面を基準面とする。この基準面に対して各領域の平均の
ずれを測定する。図12は前記基準位置を零で表示し前
記ずれの価を正負の数値で表示したものである。その数
値の単位は1000分の1波長である。このような測定
方法は、参考文献*3に詳しい。「超精密光学平面度の
測定」(光学、第10巻第6号)に詳しく記載されてい
る。
【0080】各領域の偏差に基づいて、前記マスク26
の透過孔27の径を計算する。一番小さい値を零基準と
しずれを負の値に直し、ずれ量即ち窪み量を等間隔でた
とえば零段階から19段階までの20段階に分ける。図
13に示すように、各領域の段階数に比例する径の透過
孔27を各領域の中心に開ける。このような透過孔27
を開けたマスク26を真空容器20の中の所定位置にセ
ットし、マスク26に対して定められる位置に前記のよ
うに平行度を測定した基板28をセットする。
【0081】次に、開口24のシャッターを所定時間開
き平滑材23を基板28に蒸着する。開口23からのマ
スク26の距離、マスク26と基板28の間の間隔、開
口23の径を定数とし、透過孔27の径を全て未知数と
し、平滑材23の溶融温度を一定にしておいて、基板2
8の各領域に積層される平滑材23の量を幾何光学的に
計算しその値を右辺に置き、左辺に前記測定結果から必
要とされる積層量を等置すると、未知数の数に等しい数
の方程式ができる。このような連立方程式を解けば各透
過孔27の径を求めることができる。
【0082】1次方程式で近似できるように定数を選べ
ば計算が速くなる。前記実施例は、マスク26の各領域
に1個の透過孔を開けるものであるが、マスク26を基
板の前記領域と同じに分け、マスク26の各領域に同じ
径の孔を孔数を可変して開け、孔数を前記連立方程式に
よりもとめることによっても平滑化を行うことができ
る。
【0083】このように基板28の平滑化を行なって製
作した平行平面鏡8は、任意に選んだ領域がブリルアン
散乱測定の精度を向上させる平行度を有している。した
がって、図1に示すような平行平面鏡8に散乱光を2回
通す2パス式測定を容易に実現できる。掃引法で2パス
式測定を行う場合は、2ヶ所での高度な平行度制御が必
要であるので装置コストが高い。しかし、本発明方法で
製作した平行平面鏡8を用いて分散法で測定すると、平
行平面鏡8は無調整でどの場所でも必要な平行度がでて
いるので、従来法で必要であった制御が不要である。
【0084】また、本発明方法で製作した平行平面鏡8
を用いると容易にマルチパスを無制御で実現できる。と
ころで、測定値のコントラスト(ブリルアン散乱のスペ
クトル分析において、コントラストは隣合うレーリー・
スペクトル間の谷間の光量の値−−装置関数の最小値−
−とレーリー・スペクトルの光量の値−−装置関数の最
大値−−との比)は、ワンパスのコントラストをK(通
常300程度)とすると、nパス式で測定するとき、n
パス時のコントラストはKのn乗で表される値になるの
で、容易に飛躍的にコントラストを向上させることがで
きる。
【0085】ところで、ブリルアン散乱光に対して数十
万倍の強度を持つレーリー散乱光の迷光が装置媒体で散
乱して測定部に入り込んでくる。このように迷光が入っ
てくると、折角コントラストを向上させるnパス方式を
採用しても仕方がない。このように桁外れにコントラス
トを向上させようとするときに、上述した空間フィルタ
ー5が決定的に重要な意義を持つ。
【0086】(高純度物質中微粒子散乱光検出装置の実
施例) −CCDとファブリ・ペロー共振器型平行平面鏡の両方
を用いる場合 図14は、CCDとファブリ・ペロー共振器型平行平面
鏡の両方を用いた場合の高純度物質中微粒子散乱光検出
装置の実施例を示している。レーザー発振装置30とし
て、単一周波数安定化アルゴンガスレーザー(後述)ま
たはHe−Neガスレーザーを用いる。発振管31はガ
ラス製の管であり、一端は内面に誘電体多層膜が蒸着さ
れた100%反射ミラー32で閉じられている。発振管
31の他端は、ブリュスター角を持つようにレーザー発
振系光軸Lに対して斜めに設けられたブリュスター窓3
3により閉じられている。
【0087】反射ミラー32とブリュスター窓33とで
閉じられた発振管31内にアルゴンガスが封入されてい
る。発振管31内には一対の電極34,34が封入さ
れ、一対の電極34,34間は交流電源35により外部
で接続されている。発振管31のレーザー発振系光軸L
に直交する内面に誘電体多層膜が蒸着された100%反
射ミラー36が、図示しない手段により発振管31に一
体的に固定され設けられている。
【0088】発振管31と反射ミラー36との間にレー
ザー発振系光軸Lに直交する両面を備えた発振誘導用ミ
ラー37が、図示しない手段により発振管31に一体的
に固定され設けられている。発振誘導用ミラー37の面
に誘電体多層膜38が蒸着されている。誘電体多層膜3
8は反射率が50%になるように形成されている。この
ため、ブリュスター窓33と反射ミラー36の間にある
発振誘導用ミラー37に両側から入射するレーザービー
ム39をそれぞれに50%透過させる。
【0089】反射ミラー36と発振誘導用ミラー37と
の間に一対の発振レーザー集光用凸レンズ40,41が
レーザー発振系光軸L上に発振管31と一体に固定され
設けられている。一対の発振レーザー集光用凸レンズ4
0,41の焦点距離は等しい。一対の発振レーザー集光
用凸レンズ40,41により30ミクロン立方の微少領
域にレーザーを集光することができる。
【0090】一対の発振レーザー集光用凸レンズ40,
41の共焦点位置即ち一対の発振レーザー集光用凸レン
ズ40,41の中間点位置に中心位置が位置するサイフ
ォン式光学セル42が配置されている。サイフォン式光
学セル42は、図15に示すように、直方体上のセル本
体43と流入管44と吐出管45とから構成されてい
る。セル本体43は、上下壁、両側壁46の4面のガラ
ス壁とレーザー発振系光軸Lに直交する前後壁47とに
より形成されている。このようなガラス壁特に両側壁4
6及び前後壁47は、透過性に勝れた光学ガラスたとえ
ば石英系ガラスによりつくられている。
【0091】セル本体43は、流入管44の流入口48
と吐出管45の吐出口49を除いて閉じられている。流
入管44の流入口48は、セル本体43の上壁に開けら
れた開口である。吐出管45の吐出口49は流入口48
より低位にあり、セル本体43の下壁に近接している。
吐出管45のセル外の端部は図示しない排水路の鉛直上
方位置で開放されている。前記一対の発振レーザー集光
用凸レンズ40,41の共焦点位置50が、セル本体4
3の前後壁47間の中間で両側壁46の一方の壁に近接
した位置に位置づけられ、かつ、吐出管45の吐出口4
7の少し鉛直上方位置に位置づけられるように、セル本
体43の設置位置が定められている。
【0092】サイフォン式光学セル42内の前記共焦点
位置50を通りレーザー発振系光軸Lに直交する線を観
測系光軸Kとする凸レンズ6,10が図示しない検出装
置本体に固定され設けられているが、位置調整は可能で
ある。凸レンズ6の焦点位置は、前記共焦点位置50に
一致するか共焦点位置50の近傍にある。両レンズ6,
10の間にファブリ・ペロー共振器型平行平面鏡を構成
する2枚の平行平面鏡51が固定され設けられている。
【0093】2枚の平行平面鏡51は、互いに対向する
各面に透過型反射膜が蒸着形成されている。2枚の平行
平面鏡51を用いるファブリ・ペロー型平行平面鏡は、
分散式ファブリ・ペロー型分光装置の実施例で用いた1
枚形式の平行平面鏡8に換えてもよい。この高純度物質
中微粒子散乱光検出装置の実施例では、それほど(10
0分の1波長も)平行度を必要としないので、ファブリ
・ペロー共振器型平行平面鏡として30分の1波長程度
の2枚の平行平面鏡51を用いることにより、コストダ
ウンを図ることができる。
【0094】多光束干渉計として用いるこの平行平面鏡
は、2枚の平行平面鏡51の間にガスたとえば空気を封
入する形式である。2枚の平行平面鏡51の間の気圧を
調整することにより、2枚の平行平面鏡51の間の光学
的距離を変えることができる。レーザーの1波長程度の
光学的距離の変更のために調整される封入空気の気圧は
ほとんど大気圧に近い気圧であるため、調整後の気圧は
数年間は調整しないで済む。
【0095】このようなファブリ・ペロー共振器型平行
平面鏡は、この実施例では、後述するように、ブリルア
ン散乱光を除くためのフィルタとして用いられる。この
ようなフィルタの機能をもつためには、レーザー光また
はレーリー散乱光がレンズ6を透過した後平行平面鏡5
1に垂直に入射して透過する必要がある(この場合、平
行平面鏡51に垂直に入射するブリルアン散乱光は透過
しない。)。その条件は、平行平面鏡51が1波長の整
数倍(m倍)の光路差を持つことである。
【0096】なお、結像用レンズ4と空間フィルタ5と
を凸レンズ6とサイフォン式光学セル42との間に直列
に挿入して、いわゆる迷光(この光学系外のレーザー
光)としてのレーリー散乱光を取り除き、かつ、サイフ
ォン式光学セル42内の共焦点位置50の近傍から散乱
光が発する光源を拡大して空間フィルター5のピンホー
ル内に結像させる点は、前記実施例と同様である。
【0097】レンズ10の焦点位置に中心位置が一致す
る位置またはその近傍位置に格子状配列の画素を持った
光検出器である受光面分割体11が固定され設けられて
いる。受光面分割体11は、光軸方向に位置調整自在で
ある。受光面分割体11としては、CCDを用いるのが
ベストである。両凸レンズ6,10の焦点距離は異なっ
ており、共焦点位置50の被写体は、拡大されて受光面
分割体11の面上に実像として映像化される。
【0098】図16は、平行平面鏡51間の光学的距離
の調整次第により第0次(正しくはm−0次)のレーリ
ー散乱光成分が集光する円の一部を含む大きさの正方形
受光領域60の受光面分割体11を示している。光軸が
中心を通るこのような受光領域60は、受光面分割体1
1の中心部にある。受光面分割体11の正方形画素とし
て各種大きさのものが市販されているが、計算の便宜の
ため1辺10ミクロンの画素のものを使用することにす
る。
【0099】図16に示すように、受光領域60の1辺
を300ミクロンとする。このような受光領域60は縦
横にそれぞれに30分割された900画素を有してい
る。原点画素を00番地とし、直交座標を受光領域60
に設定する。上方及び右方へプラス14番地を取り、左
方及び下方へ15番地を取る。サイフォン式光学セル4
2の中の1辺30ミクロンの散乱領域から散乱光が発す
る光源が結像用レンズ4を含む拡大光学系により10倍
に拡大されて受光領域の全面に結像する。1画素の走査
周期は、0.1秒に設定する。
【0100】測定対象の微粒子の大きさとして、直径
0.1ミクロン以下に想定する(0.1ミクロン以上の
微粒子の測定を行う場合は、拡大率を高める。10倍に
拡大される微粒子の実像は直径が最大で1ミクロン(た
だし、実際にはレンズの収差のため数ミクロンになる)
であるので、1個の微粒子の実像は、高い確率で10ミ
クロン平方の単位画素内にある。
【0101】図17は、微粒子移動距離・速度検出回路
61を示している。受光領域の各画素に連続接続されて
いるレジスターを含む番地情報出力回路62の出力端子
63から0.1秒毎に1回の番地情報付電気信号64の
出力が可能である。受光領域60のある特定の画素に一
定以上の個数の光子たとえば20数個以上の光子が到達
すると、その画素の番地を含む1回目の番地情報付電気
信号64が出力される。番地情報付電気信号64は番地
情報記憶回路65に入力され、1回目の番地情報付電気
信号64は、番地情報記憶回路65で番地(M1,N1)
として記憶される。
【0102】この0.1秒に必ず1回出る信号64の電
圧部分は、時間積算カウンタ66に入力され、時間積算
カウンタ66により零に足し加えられて積算値は1とな
る。0.2秒後に、受光領域60の同一または他の画素
に一定以上の個数の光子たとえば20数個以上の光子が
到達すると2回目の番地情報付電気信号64が出力され
る。番地情報付電気信号64は番地情報記憶回路65に
入力され、2回目の番地情報付電気信号64は、番地情
報記憶回路65で番地(M2,N2)として記憶される。
【0103】この信号の電圧部分は、時間積算カウンタ
66に入力され、時間積算カウンタ66により前回積算
値の1に1が足し加えられて積算値は2となる。同様に
S回目の信号により、番地情報記憶回路65で(Ms,
Ns)として記憶される。同様に1秒後に、10回目の
番地情報付電気信号64が出力される。番地情報付電気
信号64は番地情報記憶回路65に入力され、10回目
の番地情報付電気信号64は、番地情報記憶回路65で
(M10,N10)として記憶される。この信号の電圧部分
は、時間積算カウンタ66に入力され、時間積算カウン
タ66により前回積算値の9に1が足し加えられて積算
値は10となる。移動距離計算回路67は、時間積算カ
ウンタ66により1が積算される度にあるいは積算値が
10に達すると、次式の計算を行う。
【0104】
【数6】 式(11)のLは、光点が1秒間に移動する平均距離を
表している。このような平均化は1例である。初めと1
秒後の光点の現実の移動距離を1秒間の平均移動距離と
してもよいし、その他の平均化方法によってもよい。
【0105】受光領域60に2つの光点が現れると、番
地情報出力回路62から同時に2つの番地情報付電気信
号64、64aが出力される。両信号64,64aはA
ND回路68に入力され、AND回路68の出力電圧6
9が、パソコン70を介して番地情報記憶回路65及び
時間積算カウンタ66に入力され、番地情報記憶回路6
5及び時間積算カウンタ66はリセットされる。
【0106】番地情報付電気信号64は番地情報記憶回
路65を介して、番地情報付電気信号64aは直接にパ
ソコン70に入力される。パソコン70の表示画面に
は、受光領域60と同形の碁盤目が表示される。番地情
報付電気信号64、64aの番地に対応する碁盤目は、
1つが赤色で他の1つが緑色で塗りつぶされる。また、
表示画面に前記計算結果の平均移動距離(または平均速
度Va)も表示されるほかに、微粒子の直径値aも1秒
ごとにリアルタイムで表示される。直径値aは、精度の
高い値が1905年発表のブラウン運動の理論により平
均移動距離から求められることが知られている。直径a
は、次のアインシュタインの関係式から求められる。
【0107】
【数7】この式中、Tは微粒子を含むセル42内の液体
である水の絶対温度、πは円周率、kはボルツマン常
数、ηは粘性係数ηで、変数であるLは時間tの間に移
動する微粒子の確率的移動距離(時刻零の時の地点と時
刻tの時の地点との間の距離)である。 (高純度物質中微粒子散乱光検出装置の実施例の動作)
次に、CCDと平行平面鏡51の両方を用いている前記
実施例の動作を作用・原理とともに説明する。電極32
間に交流電源35を印加すると、発振管31内のアルゴ
ンガスが励起され反射ミラー32と発振誘導用ミラー3
7とが形成する共振器において、レーザー発振が起こり
始める。誘導放出された単色光の50%が発振誘導用ミ
ラー37を透過して反射ミラー36に向かい、反射ミラ
ー36で100%反射される。反射ミラー36で反射し
た単色光は、その50%が発振誘導用ミラー37で反射
されるが、残りの50%は発振誘導用ミラー37を透過
して反射ミラー32に向かう。
【0108】さらに誘導放出の確率が高くなり、瞬間的
にレーザー発振の定常状態が得られる。この方法は、日
本科学エンジニアリング社の特許で実用に供されてい
る。この発明では、このような外部共振系内にさらにレ
ンズ41,42が挿入されている(このレンズ41,4
2の挿入はこの出願の出願人による工夫である。)。一
対の発振レーザー集光用凸レンズ40,41を透過する
レーザーとして、0.1ワットの定常発振状態のレーザ
ーを用いる。
【0109】一対の発振レーザー集光用凸レンズ40,
41の共焦点位置50を含む30ミクロン立方の領域
に、直径1mmの0.1ワットレーザービームが集光す
る。この領域の断面には、単位面積当たり約100ワッ
トのエネルギーが通過する。この領域すなわちこの領域
にある微粒子がレーザーを散乱させる散乱領域からほぼ
円錐体を形成して散乱される散乱光は、レンズ4により
空間フィルター5のピンホール内で結像する。このよう
な実像が10倍に拡大されて凸レンズ6,レンズ10に
より受光面分割体11の面に再結像する。
【0110】平行平面鏡51は全ての次数のブリルアン
散乱光をカットしている。したがって、受光面分割体1
1に到達する散乱光は、レーリー散乱光とラマン散乱光
だけである。ラマン散乱光は、水からのレーリー散乱光
に較べてきわめて微弱であることが知られている(たと
えば、参考文献*4)。
【0111】今、散乱領域に1個のゴミGが入って来た
ものとする。このゴミGから散乱される散乱光すなわち
レーリー散乱光は、受光面分割体11面上でG’で示す
位置たとえば原点画素に結像する。被測定領域のレーリ
ー光に関して第0次の散乱領域である中心部の水から散
乱される第0次のレーリー散乱光は、CCD上に点線の
円Cで囲まれる領域内に結像する。この円Cは重大な意
味を持つので、図16に示すCCDの1部の上に円Cを
転記している。円Cの中の領域をTで示す。
【0112】後述する計算によると、円Cの内部は全て
第0次のレーリー散乱光が到着する領域である。この領
域にある限り、像G’は、常にあり消えることがない。
この領域Tの画素を細かく利用する。ブラウン運動をす
るゴミの移動距離が計算される。アインシュタインのブ
ラウン運動の理論により示された理論式にゴミの移動距
離を代入することにより、ゴミの粒径が即座に計算さ
れ、粒径がリアルタイム(1秒間隔)でブラウン管上に
表示される。
【0113】このように表示されるゴミの粒子の粒径は
どこまで小さいものが検出されるか、具体例により説明
する。前述したように、被測定領域の30ミクロン平方
の断面積を10000ワットのレーザーが通過する。測
定時間として、1秒とする。また、400万円程度で容
易に入手できる電子冷却型CCDは、1画素あたり20
数個の光子数で1カウントできる性能がある。
【0114】1画素にくるゴミからのレーリー散乱光が
20数個ほどになる粒子径は、詳しくは、文献(*1)
で示される通りであるが、要約すると次のように求めら
れる。被測定領域に対してレンズ4が張る立体角をΩ、
レンズ4の焦点距離をL、レンズ4の直径をDとする
と、
【0115】
【数8】 この立体角Ωに対応する散乱断面積σは、微粒子に対し
ては、被測定試料に入射するレーザービームとレンズ4
の光軸との角度θを90度とすると、
【0116】
【数9】 ここで、nは水の屈折率(=1.33)、Δnは 粒子と水との相対屈折率=(微粒子の屈折率)/(水の屈折率) =1+Δn (15) で表される(ただし、水と粒子の屈折率差が小さい場
合)。また、式(14)で、aは微粒子の直径、λはレ
ーザーの光源としての波長(6328オングストロー
ム)である。入射レーザー光が単位時間(1秒)に単位
面積(1平方cm)を通過する光子数をNとすると、微
粒子から散乱されてレンズ4に入射する光子数Nは、単
位時間当たり、 Np=σN (16) である。レーザーのパワーPと光子数Nの関係は、次式
で表される。
【0117】
【数10】 ここでdはレーザービームを集光した等価球の直径、h
はプランク常数、cは光速度である。400万円程度で
容易に入手できる電子冷却型CCDは、1画素あたり2
0数個の光子数で1カウントできる性能がある。式(1
6)で示される光子数Npが0.1秒間に20数個にな
るような微粒子直径は、微粒子の屈折率を1.5、水の
屈折率を1.33として計算すると、0.02ミクロン
である。
【0118】このような粒子径の微粒子の観測を行う場
合に、微粒子以外の物質すなわち水からの散乱光の強度
を知っておく必要がある。ラマン散乱光の強度は、前述
の通り、水からのレーリー散乱光の強度に較べて桁外れ
に小さい。CCDの画素に来るレーリー散乱光の単位面
積当たりの強度は、ゴミ粒子からのレーリー散乱光の結
像点領域の単位面積当たりの強度に較べて、粒子径が
0.02ミクロンのような超微粒の場合でも、きわめて
小さい。画素1個について、純水からのレーリー散乱光
とゴミからのレーリー散乱光との相対比は、きわめて小
さい。
【0119】次に、残された最後の検討課題は、このよ
うな0.02ミクロンの超微粒子が1秒間にブラウン運
動する範囲が、被測定対象領域の前記300ミクロン平
方の範囲に含まれているかどうかである。既述の通り、
点光源近似の塵から散乱されるレーリー散乱光がCCD
受光面に結像する点光源像の追跡を可能とする受光領域
は、塵の点光源像の強度よりもはるかに強度が小さい
(面密度比較で)水分子からの回折散乱光が結像するレ
ーリー散乱受光領域である。
【0120】この受光領域は、中央の円領域または複数
の同心リングとして現れる。複数の同心リングに現れる
点光源像、たとえば、あるリング上に現れた点光源像と
他のリング上に時間差をもって現れた点光源との間の履
歴は、仮にこれら点光源像が同一の塵の結像であったと
しても判定困難である。しかし、塵からの点光源像が、
ある範囲の連続した領域内に現れる1固の点光源は、C
CDの画素の単位が小さければ、1固の粒子の像として
同定できる。
【0121】平行平面鏡51の光路長を調整することに
より、ブリルアン散乱光でなくレーリー散乱光の受光領
域をリング状でなく中心部の円内領域にすることができ
る。この円内領域がブラウン運動を観察できる領域であ
れば、本発明を実施できる。このような受光領域に対応
する被測定領域が、被測定試料に照射されるレーザ集光
領域内に作りだされる。被測定領域内のレーリー散乱光
源の内の中心部の半径は、次式で表される透過率Tと下
記定義の角度θとの関係から求めることができる。
【0122】
【数11】 ここで、Tが透過率である。この式中、nは空気の屈折
率、Rはファブリ・ペロー平行平面鏡の反射率、λは光
源レーザーの波長、n・dは10000・λ(m=10
000の場合)とした平行平面鏡の光路長の設定値、θ
(ラジアン)は被測定試料の前に置かれた対物レンズ4
の中心から見た被測定領域内の任意の点と対物レンズ4
の光軸との間の角度(光軸上にある被測定領域内の点の
まわりにあり光軸に直交する平面上のリング上の任意の
点と対物レンズ4の中心を結ぶ線と光軸との間の角度、
すなわち、平行平面鏡51に入射する散乱光と光学系の
光軸とがなす角)である。
【0123】図18は、前記式(18)を縦軸を透過率
Tとし横軸を変数θとして表したグラフである(反射率
Rとして80%の場合を選んだ)。適当な透過率のレベ
ルでのラジアン角θは、約0.0013ラジアンであ
る。したがって、利用有効領域の直径Dは、 D=0.0013・2・(対物レンズ4の焦点距離) である。対物レンズ4の焦点距離の現実的な値として5
0mmを選ぶと、 D=0.13mm=130ミクロン となる。反射率Rの値を高めると、前記ラジアン角θは
小さくなる。図19は、n・d=10000・λ、λ=
632.8nm(He−Neレーザー使用の場合)、反
射率80%の場合について、被測定散乱領域の平面から
散乱されるレーリー成分レーザー光の透過率を前記角度
θで表される円・リング上でどうなるかを計算により求
め表示したコンピュータ・グラフィック図である。白い
所の透過率が高く暗い所の透過率が低くなるようにグラ
フィック化した。中心の最も白い円領域が、第0次(正
確にはm−0次)レーリー散乱領域である。明白に明る
い円の直径を示すラジアン角は、約0.0025であ
る。
【0124】このような、第0次レーリー散乱光の円領
域は、被測定領域として考えた30ミクロンに較べて十
分に大きい。したがって、設定した被測定領域のすべて
を、前記円C内に結像するブリルアン散乱光が発生せず
円C内に結像するレーリー散乱光だけが発生する領域と
することができる。なお、この領域の水から発生するレ
ーリー散乱光のうち単位画素に集光する光量は、ゴミか
らのそれに較べてきわめて少ないことは前述の通りであ
る。このように、ゴミのみをブラウン管面に表示でき
る。
【0125】直径0.02ミクロンの超微粒子の1秒間
の移動距離は、式(12)から、摂氏20度で、11.
4ミクロンと算出される(ただし、この長さは3次元的
に移動する粒子の移動距離であるので2次元CCD面上
では、この長さに(2/3)の平方根をかけた値とな
る)。逆に、式(12)から算出される長さが11.4
ミクロンであれば、この観測値から、ゴミの粒径は0.
02ミクロンであることがわかる。参考までに算出して
おくと、粒径2ミクロンで1秒間の移動距離は、1.1
4ミクロン、粒径0.2ミクロンで1秒間の移動距離は
3.60ミクロン、粒径0.1ミクロンで1秒間の移動
距離は5.10ミクロンである。
【0126】直径0.02ミクロンの超微粒子が1秒間
に原点から運動する平均範囲は、10倍に拡大されて原
点の画素に対して半径114ミクロンの円領域C”内に
ある確率が高い。ゴミの実像はこの範囲内の一辺10ミ
クロンの1画素にある。したがって、被測定領域を10
倍に拡大して映写するCCD画面を300ミクロン程度
にとっておけば、原点画素から半径数ミクロン程度の範
囲に現れた微粒子の実像の1秒間の運動を追跡すること
ができる。この1秒間を10に分割して0.1秒間ごと
に実像の運動を追跡できることはすでに証明した通りで
ある。 −CCDを用いるが平行平面鏡51を用いない場合− 純水からの散乱光は、レーリー散乱光とブリルアン散乱
光とラマン散乱光である。ラマン散乱光のスペクトル
は、レーリー散乱光、ブリルアン散乱光のスペクトルか
らはるかにずれているので、狭帯域干渉フィルタにより
ラマン散乱光は容易に取り除くことができる。ゴミの粒
子径が比較的に大きい場合は、ゴミの実像も大きくな
る。小さく分割されたCCDの画素1つにゴミ1個の像
が形成される。 ゴミ1個の像が形成される1画素にく
る被測定領域の水からのブリルアン散乱光は、それほど
大きくはない。ゴミと同じ場所の水(ゴミの周囲の極く
薄い層の水)からのレーリー散乱光の強度は、幸運にも
ゴミからのレーリー散乱光に較べてきわめて小さい(*
2)。したがって、ゴミの粒子径が比較的に大きい場合
は、平行平面鏡を用いないで、ゴミ1個1個の存在と個
数を検出できる。 −CCDを用いないが平行平面鏡51を用いる場合− CCDを用いずに従来通り光電子増倍管を用いる。CC
Dを用いないので、光電子増倍管の受光部に来る全ての
散乱光が区別されずに計数される。ブリルアン散乱光
は、平行平面鏡により除去される。ラマン散乱光につい
ては、前記の通りである。前記参考資料(*2)で説明
されているように、ゴミからのレーリー散乱光の方が、
被測定領域の全レーリー散乱光よりも多いのでゴミの存
在を検出できる。しかし、ゴミの個数は検出できない。
【0127】(波長安定化手段及び安定化制御方法)ア
ルゴンレーザー発振装置は、高出力のものが容易に得ら
れるが、波長が不安定であるため、第0次レーリー散乱
光が結像する前記円領域Cの直径、透過率が変動し、こ
のため微粒子の直径が小さくなると高精度の散乱光検出
が困難になる。ここで提供する波長安定化レーザー発振
装置は、図14に示したアルゴンレーザーを改良して波
長安定化を目的にした波長安定化手段を備えている。
【0128】図20に示す波長安定化レーザー発振装置
は、両端にブリュースター窓と反射ミラーを備える発振
管の外部に単複数の反射ミラーを設け、単複数の反射ミ
ラーの少なくとも1つのミラーを光軸方向に変位自在と
し、発振レーザーの1部をファブリ・ペロー型平行平面
鏡を透過させ、透過したレーザー光の光量検出から透過
率を検出し、透過率の正負の変化に対応して前記変位自
在な反射ミラーの正負の変位を起こさせることにより、
発振波長を一定に維持し安定化したものである。
【0129】次に波長安定化レーザー発振装置の実施例
を図20により説明する。図14と図20で共通に用い
る参照番号は同一機能またはほぼ同一の機能を持った各
部材を示す。発振管31はガラス製の管であり、一端は
内面に誘電体多層膜が蒸着された100%反射ミラー3
2で閉じられている。発振管31の他端は、ブリュスタ
ー角を持つようにレーザー発振系光軸Lに対して斜めに
設けられたブリュスター窓33により閉じられている。
【0130】反射ミラー32とブリュスター窓33とで
閉じられた発振管31内にアルゴンガスが封入されてい
る。発振管31内には一対の電極34,34が封入さ
れ、一対の電極34,34間は交流電源35により外部
で接続されている。発振管31のレーザー発振系光軸L
に直交する内面に誘電体多層膜が蒸着された100%反
射ミラー36が、図示しない手段により発振管31に一
体的に固定され設けられている。発振管31と反射ミラ
ー36との間にレーザー発振系光軸Lに直交する両面を
備えた発振誘導用反射ミラー37が、図示しない手段に
より発振管31に一体的に固定され設けられている。
【0131】発振誘導用反射ミラー37の面に誘電体多
層膜38が蒸着されている。誘電体多層膜38は反射率
が50%になるように形成されている。このため、ブリ
ュスター窓33と反射ミラー36の間にある発振誘導用
反射ミラー37に両側から入射するレーザービーム39
をそれぞれに50%透過させる。反射ミラー36と発振
誘導用反射ミラー37との間に一対の発振レーザー集光
用凸レンズ40,41がレーザー発振系光軸L上に発振
管31と一体に固定され設けられている。一対の発振レ
ーザー集光用凸レンズ40,41の焦点距離は等しい。
一対の発振レーザー集光用凸レンズ40,41により3
0ミクロン立方の微少領域にレーザーを集光することが
できる。
【0132】一対の発振レーザー集光用凸レンズ40,
41の共焦点位置即ち一対の発振レーザー集光用凸レン
ズ40,41の中間点位置に中心位置が位置するサイフ
ォン式光学セル42が配置されている。サイフォン式光
学セル42は、図15に示す既述のものが用いられてい
る。
【0133】発振誘導用反射ミラー37(または反射ミ
ラー36)は、図14のものと異なり、スライダー81
に保持されている。スライダー81は、案内部材82に
案内され光軸方向に変位することができる。レーザー発
振管と1体に伸縮棒取付部材83が設けられている。複
数の伸縮棒84の各一端が伸縮棒取付部材83に取り付
けられている。複数の伸縮棒84の各他端が、前記スラ
イダー81に取付けられている。
【0134】反射ミラー32と反射ミラー36とで形成
される共振系または帰還反射系の系外で反射ミラー32
から反射ミラー36に向かう方向に波長制御用ファブリ
・ペロー型平行平面鏡85が設けられている。波長制御
用ファブリ・ペロー型平行平面鏡85を透過したレーザ
ーの光量(強度)は、光量検出計86により計測され
る。光量検出計86は、検出光量に対応するたとえば比
例する電圧信号87を出力する。
【0135】電圧信号87は、電圧の増減を判断する光
量変化対応2値化信号発生回路88に入力される。光量
変化対応2値化信号発生回路88は、光量検出計86の
検出光量が増大すると”2”の信号を発生させ、その検
出光量が減少すると”1”の信号を発生させる。このよ
うな2値化信号は、定電圧定電流電源90に入力され
る。定電圧定電流電源90から電力を供給され発熱する
複数の電熱コイル91が、前記伸縮棒84に巻かれてい
る。伸縮棒84と電熱コイル91とで、反射ミラー変位
装置が構成されている。平行平面鏡85と光量検出計8
6と光量変化対応2値化信号発生回路88と定電圧定電
流電源90とで、波長安定化装置の波長安定化制御装置
を構成している。
【0136】定電圧定電流電源90は、信号”1”を受
けると定電力を電熱コイル91に供給し、信号”2”を
受けると電熱コイル91への電力供給を中断する。ま
た、定電圧定電流電源90は、初期状況形成用始動スイ
ッチを備え、このスイッチが入ると、電熱コイル91へ
の電力を供給することができる。
【0137】次に、前記装置系を用いた波長安定化制御
方法について説明する。電極34,34間に電圧をかけ
ると、図14に示した装置系と同様にレーザー発振が起
こる。しばらく発振状態を続けて全装置系の温度が平衡
化するのを待ってもよいが、このような平衡化には時間
がかかるので、定電圧定電流電源90の前記初期状況形
成用始動スイッチを入れる。このスイッチを作動させ、
電熱コイル91に電力を供給し、電熱コイル91により
温度が上昇する伸縮棒84を十分に伸ばす。
【0138】伸縮棒84の伸びにより反射ミラー32と
反射ミラー37との間の距離が僅かに変わり、両ミラー
間の距離が整数倍になる波長のレーザーの発振状況にな
る。図21は、発振レーザー振動数とこのような状況の
ある瞬間のレーザー振動数νと波長制御用ファブリ・ペ
ロー型平行平面鏡85の透過率Tとの一般的関係を示し
ている。横軸は振動数νを縦軸は透過率Tを示してい
る。
【0139】伸縮棒84が伸びて行く前記状況は、透過
率曲線上にあり時々刻々変わる透過率を示す点が、左方
へ移動する状況に対応する。図21に(ロ)で示す点線
より(イ)で示す点線の方に向かって透過率を示す点が
移動するときには、レーザーが波長制御用ファブリ・ペ
ロー型平行平面鏡85を透過する透過率が上昇する。こ
の上昇は、光量検出計86の検出光量の増大により確認
できる。
【0140】したがって、電熱コイル91に電力を供給
している状況での光量検出計86の検出光量の増大は、
現在の透過率が図21に透過率曲線上にたとえば黒丸で
示す位置にあることがわかる。このような状況が確認さ
れると、前記初期状況形成用始動スイッチを切る。この
切断は簡単な回路で自動化することができる。
【0141】初期状況形成用始動スイッチが切れたの
で、伸縮棒91の温度は下がり始め、発振レーザーの振
動数は上がり始める。このように振動数が上がり始める
と、光量検出計86の検出光量は減少し始める。光量検
出計86は、検出光量に比例する電圧信号87即ち減少
する電圧信号87を出力する。このような電圧信号87
が光量変化対応2値化信号発生回路88に入力され、光
量変化対応2値化信号発生回路88は、”1”の信号を
発生させ、このような2値化信号”1”が定電圧定電流
電源90に入力される。定電圧定電流電源90から定電
力が電熱コイル91に供給され、再び伸縮棒91が伸び
始め、発振レーザーの波長が長くなる。逆に発振レーザ
ーの波長が長くなれば短くなるように電熱コイルへ電力
が供給される。
【0142】このように、きわめて僅かな波長のずれに
対してきわめて敏感に変化する透過率の正負の検出を可
能とするファブリ・ペロー型平行平面鏡85を使用した
ので、波長安定化手段を簡単に構成することができ、か
つ、きわめて精度が高い波長安定化制御を容易に行うこ
とができる。
【0143】(微粒子検出時の液体対流対策)本発明に
よると、0.1ミクロン以下の1個の超微粒子について
粒径を測定できるが、前述したように1秒間の移動距離
が11.4ミクロン程度に小さくなる直径0.02ミク
ロンの粒子は、高密度にレーザー照射を受ける液体の局
所的熱膨張による対流に乗って移動するであろう。この
問題を解決するために、図15に示す焦点位置であるレ
ーザー集光点50の温度を摂氏3.98度に維持する。
この温度は、定出力レーザーが集光しているレーザー集
光点50の温度である。
【0144】流入管44から光学セル42に供給する水
の温度と光学セル42の周囲の環境温度を制御すること
により、レーザー集光点50の温度を摂氏3.98度に
維持することができる。水素結合による水分子の会合の
ため擬結晶構造(氷の結晶構造が部分的に残っている)
をとっている水は、他の液体と異なり色々な点で異常で
ある。
【0145】このような水は、前記温度で密度が最大に
なる性質を持っている。この温度における膨張率の変化
率は、零である。したがって、この温度が僅かに変動し
ても、密度の変化はきわめて小さいので、レーザー集光
領域に働く沈降力、浮力は実質上零にすることができ
る。このため、レーザー照射は対流発生原因にはならな
い。
【0146】(その他の実施例)本発明は、上記実施例
に限られることはなく、本発明の趣旨の範囲内で、設計
変更が行われる。たとえば、パルスレーザを用いること
により1瞬(100ナノ秒以下)の測定が可能になる。
この場合は、過渡現象、相転移現象の研究が可能にな
る。微粒子検出のためにアルゴンレーザーを用いたが、
ヘリューム・ネオンレーザーと切り換え式に用いてもよ
い。ときどきアルゴンレーザーを用いてときどきに径が
小さい微粒子を計測するようにすることができる。
【0147】また、実施例はブリルアン散乱に限定して
示したが、本発明はブリルアン散乱に限られるのではな
くレーリー散乱、ラーマン散乱にも適用される。さら
に、散乱現象だけでなくなく非散乱現象にも適用され
る。従って、本発明は、たとえば、単一周波数レーザの
周波数変動の動的検出、励起光源の波長に極めて接近し
たルミネッセンスの検出、重い分子の回転スペクトルの
検出にも適用される。
【0148】また、本発明の平行平面鏡を2体組み合わ
せて固定式タンデム型ファブリ・ぺロー干渉計を実現で
きる。また、微粒子・超微粒子の検出は、石英系統の空
中のゴミに限られず有機物質たとえば生きた細菌・ビー
ルスに対しても行われる。また、液体は、水に限られず
各種有機溶媒の場合がある。
【0149】また、波長安定化レーザー発振装置を用い
て、分散式ブリルアン散乱測定装置、高純度物質中微粒
子散乱光検出装置を構成することができる。共焦点レン
ズを用いた発振系内集光レーザーを試料に照射して、分
散式ブリルアン散乱測定装置、高純度物質中微粒子散乱
光検出装置を構成することができる。
【0150】また、実施例は単一粒子に主眼をおいて説
明されたが、直径が異なる複数粒子について、統計処理
による平均個数または平均粒径の測定が可能である。ま
た、波長安定化装置で伸縮棒の伸縮制御を2値化信号で
行ったが、連続的制御たとえば透過率の変化率に比例す
る電力を電熱コイルに供給することができる。電熱コイ
ルに変えて透過率変化率に比例する電圧により変形する
ピエゾ素子を使用して高精度の波長安定化をすることが
できる。
【0151】
【発明の効果】この発明の分散式ブリルアン散乱測定装
置によれば、次の効果が奏される。
【0152】分散法の特長を活かすことができるので、
分散法の欠点を解消し、高精度を維持しながら測定時間
を格段に短縮できる。また、この発明によると、測定に
熟練を要しないので、本発明は過渡現象、相転移現象を
取り扱う次世代の研究に寄与する。
【0153】また、この発明の平行平面鏡の製造方法に
よれば、平行度が向上するので、明るい分光器を提供で
き、その結果一層測定時間を短縮できる。
【0154】また、この発明の高純度物質中微粒子散乱
光検出装置によると、微粒子1個単位の存在の検出と単
一粒子の直径の測定が可能になった。また、超微粒子の
1個単位の存在の検出以外に単一超微粒子の直径の測定
が可能になった。
【0155】また、この発明の高純度物質中微粒子散乱
光検出装置によると、試料中のレーザー集光密度が高い
ので、小さい直径の微粒子を検出できる。また、試料中
のレーザー集光密度を高くしたために生じる溶媒の水
は、特定温度からのわずかの変動によっては対流が起き
ずあるいは起きてもわずかであるから、液中粒子のブラ
ウン運動の検出が容易である。
【0156】また、この発明の波長安定化装置による
と、きわめて僅かな波長のずれに対してきわめて敏感に
変化する透過率の正負の検出を可能とするファブリ・ペ
ロー型平行平面鏡85を使用したので、波長安定化装置
を簡単に構成することができ、かつ、きわめて精度が高
い波長安定化制御を容易に行うことができる。なお、こ
のような波長安定化装置を用いると、シャープなブリル
アン散乱光の分離ができるとともに、微粒子の存在検
出、その直径検出の精度が向上する。 参考文献(*1):伊藤進一、東京工芸大学工学部紀
要,Vol.9 No.11986、「光散乱の光子数
分布と液体内単一微粒子の検出条件」 参考文献(*2):H.Z. Cummins and K.W. Cammon, Jo
urnal of Chemical Physics, Vol.44 参考文献(*3):伊藤進一「超精密光学平面度の測
定」,光学,第10巻第6号 参考文献(*4):日本物理学会誌、Vol.48,No.10,O
ctober, 1933
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の分散式ブリルアン散乱測定装
置の実施例1の光学系を示す正面図である。
【図2】図2は、平行平面鏡8における多光束干渉を解
説する説明図である。
【図3】図3は、散乱光源と結像との関係の光学的作図
を説明する説明図である。
【図4】図4は、入射レーザ光束内の散乱光源を示す側
面図である。
【図5】図5は、他の入射レーザ光束内の散乱光源を示
す側面図である。
【図6】図6は、干渉像と受光面分割体11の位置関係
を示す側面図である。
【図7】図7は、他の干渉像と受光面分割体11の位置
関係を示す側面図である。
【図8】図8は、本発明による測定結果を示すグラフで
ある。
【図9】図9は空間フィルターの実施例を示す側面図で
ある。
【図10】図10は、本発明の分散式ブリルアン散乱測
定装置の実施例2の光学系を示す正面図である。
【図11】図11は、本発明の平行平面鏡8の製造方法
の実施例を示す正面図である。
【図12】図12は、平行平面鏡8の基板の平行度を示
すデータ図である。
【図13】図13は、マスク26を示す平面図である。
【図14】図14は、この発明の高純度物質中微粒子散
乱光検出装置の実施例の光学系を示す1部断面付き平面
図である。
【図15】図15は、光学セルを示す射軸投影図であ
る。
【図16】図16は、本発明にCCD上のレイリー散乱
光受光領域を示す側面図である。
【図17】図17は波長安定化制御装置を示す回路図で
ある。
【図18】図18は、式(18)のグラフである。
【図19】図19は、式(18)の透過率Tを黒白ドッ
ト数密度の濃淡で表した側面図である。
【図20】図20は、本発明の波長安定化装置の実施例
を示す1部断面付き正面図である。
【図21】図21は、透過率と発振波長の関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1…入射レーザ光 6…レンズ(結像用光学系) 8,51…透過型平行平面鏡 10…レンズ(結像用光学系) 11…受光面分割体 17a,17b,17c,17d,17e…ピン 23…平滑材 24…放射口 26…マスク 27…透過口 28…基板 30…レーザー発振装置 31…発振管 32,36,37…反射ミラー 40,41…集光用凸レンズ 84…伸縮棒(反射ミラー変位装置) 85…ファブリ・ペロー型平行平面鏡 86…光量検出器 91…電熱コイル(反射ミラー変位装置)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透過型平行平面鏡(8)を含み、入射レー
    ザ光(1)が測定試料に当り散乱する1部の散乱領域を
    結像させる結像用光学系(6,10)と、 前記結像用光学系(6,10)の結像面にほぼ合致して
    受光面が分割され形成される受光面分割体(11)とか
    らなり、 前記受光面分割体(11)は、受光量を個別に検出する
    ための多数の画素からなり、 前記画素は互いの位置間の実長さ関係を示す番地を有し
    ていることを特徴とする分散式ファブリ・ペロー型分光
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記散乱領域の結像位置の近傍に、m次、(m−L)次
    (mは大きい整数,Lは小さい整数)のレーリー散乱光
    の干渉縞像を覆うがブリルアン散乱光の干渉縞像を覆わ
    ない空間フィルター(5)が設けられていることを特徴
    とする分散式ファブリ・ペロー型分光装置。
  3. 【請求項3】基板(28)の面を多数の領域に分け、前
    記領域毎に基板(28)の面上の複数点を通る平面から
    の平均的ずれの値を前記各領域毎に測定する工程と、 マスク(26)に多数の透過口(27)を開ける工程
    と、 真空蒸着容器(20)内に前記測定ずみ基板(28)と
    平滑材(23)が溶融されて放射される放射口(24)
    との間に前記マスク(26)が位置するように、前記測
    定ずみ基板(28)とマスク(26)を配置しセットす
    る工程と、 前記マスク(26)の透過口を通して前記放射口(2
    4)から放射される前記平滑材(23)を前記基板(2
    3)に蒸着する工程とからなり、 前記透過口(27)の径は、各透過口(27)の位置、
    前記放射口(24)と前記マスク(26)との間の距
    離、前記マスク(26)と前記基板(28)との間の距
    離を定数とし、前記透過口(27)の径を変数として計
    算により求めた前記基板(28)の前記各領域の蒸着量
    を前記基板(28)の各領域毎の前記平均的ずれの値に
    対応する値に等置した連立方程式から求められる値であ
    ることを特徴とする平行平面鏡の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3において、 前記マスク(26)を前記基板(28)の前記領域と同
    じに分け、前記マスク(26)の領域の中心部に単一の
    透過口(27)を開け、この透過口(27)の径が前記
    連立方程式から求められる値であることを特徴とする平
    行平面鏡の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項3において、 前記マスクを前記基板の前記領域と同じに分け、前記マ
    スクの領域に複数の透過口を開け、この透過口の径を同
    一とし、各領域の透過口の数が前記連立方程式から求め
    られる値であることを特徴とする平行平面鏡の製造方
    法。
  6. 【請求項6】透過型平行平面鏡(8)を含み、入射レー
    ザ光(1)が測定試料に当り散乱する1部の散乱領域を
    結像させる結像用光学系(6,10)と、 前記結像用光学系(6,10)の光軸上に位置する受光
    面を備える受光量検出装置からなり、 透過型平行平面鏡(8)の光路長を調整することにより
    透過型平行平面鏡(8)を透過するブリルアン散乱光を
    透過型平行平面鏡(8)を透過するレーリー散乱光から
    空間的に分離し、被測定試料の液体からのレーリー散乱
    光と同一波長の微粒子からの散乱光の光量を前記受光量
    検出装置より検出することを特徴とする高純度物質中微
    粒子散乱光検出装置。
  7. 【請求項7】透過型平行平面鏡(8)を含み、入射レー
    ザ光(1)が測定試料に当り散乱する1部の散乱領域を
    結像させる結像用光学系(6,10)と、 前記結像用光学系(6,10)の結像面にほぼ合致して
    受光面が分割され形成される受光面分割体(11)とか
    らなり、 前記受光面分割体(11)は、受光量を個別に検出する
    ための多数の画素からなり、 前記画素は互いの位置間の実長さ関係を示す番地を有
    し、 大きい整数値mについて、 mλ=平行平面鏡(8)の光路差 λ:光源レーザーの波長 となるときの(m−0)次のレーリー散乱光受光円領域
    の受光面分割体(11)に前記被測定試料である液体中
    の微粒子の実像を形成させることを特徴とする高純度物
    質中微粒子散乱光検出装置。
  8. 【請求項8】透過型平行平面鏡(8)を含み、入射レー
    ザ光(1)が測定試料に当り散乱する1部の散乱領域を
    結像させる結像用光学系(6,10)と、 前記結像用光学系(6,10)の結像面にほぼ合致して
    受光面が分割され形成される受光面分割体(11)とか
    らなり、 前記受光面分割体(11)は、受光量を個別に検出する
    ための多数の画素からなり、 前記画素は互いの位置間の実長さ関係を示す番地を有
    し、 大きい整数値mについて、 mλ=平行平面鏡(8)の光路差 λ:光源レーザーの波長 となるときの(m−0)次のレーリー散乱光受光円領域
    の受光面分割体(11)に前記被測定試料である液体中
    の微粒子の実像を形成させ、 前記散乱領域をレーザー照射時に摂氏3.98度または
    この近傍温度にすることを特徴とする高純度物質中微粒
    子散乱光検出装置。
  9. 【請求項9】請求項7または請求項8において、 ブラウン運動に関する次のアインシュタインの関係式、 【数7】 T:微粒子を含む液体の絶対温度、 π:円周率、 k:ボルツマン常数、 η:粘性係数、 L:時間tの間に移動する微粒子の確率的移動距離 で表される確率的移動距離Lに、受光面分割体(11)
    により計測した微粒子の移動距離を代入して微粒子の直
    径aを算出することを特徴とする高純度物質中微粒子散
    乱光検出装置。
  10. 【請求項10】両端にブリュースター窓と反射ミラー
    (32)とを備えるレーザー発振管(31)と、 前記レーザー発振管(31)の外部に設けられた反射ミ
    ラー(36)と、 前記レーザー発振管(31)の外部で反射ミラー(3
    2)と反射ミラー(36)との間に設けられ共焦点を有
    する2体の集光用レンズ(40,41)と、 入射レーザ光(1)が測定試料に当り散乱するレーザー
    散乱光を集光するための結像用光学系(6,10)と、 前記結像用光学系(6,10)の光軸上に位置する受光
    面を備える受光量検出装置とからなる高純度物質中微粒
    子散乱光検出装置。
  11. 【請求項11】両端にブリュースター窓と反射ミラーを
    備えるレーザー発振管(31)と、 前記レーザー発振管(31)の外部に設けられ光軸方向
    に変位自在な反射ミラー(37)と、 発振レーザーの1部を透過させるファブリ・ペロー型平
    行平面鏡(85)と、 前記ファブリ・ペロー型平行平面鏡(85)を透過した
    レーザー光の光量検出から透過率を検出するための光量
    検出器(86)と、 前記光量検出器(86)により検出した光量の増減に応
    じて前記反射ミラー(37)を光軸方向に変位させる反
    射ミラー変位装置(84,91)とからなることを特徴
    とする波長安定化装置。
JP6071640A 1993-03-17 1994-03-16 高純度物質中微粒子散乱光検出装置及び分散式ファブリ・ペロー型分光装置並びに平行平面鏡の製造方法及び波長安定化装置 Pending JPH0772066A (ja)

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