JPH0771718A - 加圧流動床燃焼ボイラシステム - Google Patents

加圧流動床燃焼ボイラシステム

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JPH0771718A
JPH0771718A JP21970893A JP21970893A JPH0771718A JP H0771718 A JPH0771718 A JP H0771718A JP 21970893 A JP21970893 A JP 21970893A JP 21970893 A JP21970893 A JP 21970893A JP H0771718 A JPH0771718 A JP H0771718A
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dust remover
gas
filter
louver
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JP21970893A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Oda
紀之 織田
Akira Toriyama
彰 鳥山
Katsumi Azuma
勝美 東
Yasushi Maeno
裕史 前野
Tetsuya Kunitaka
哲也 国高
Junichi Iritani
淳一 入谷
Hideki Goto
秀樹 後藤
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Electric Power Development Co Ltd
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Electric Power Development Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】未燃焼成分を含む多量の塵が過渡的にボイラか
ら排出されてもセラミックスフィルタが熱損傷すること
なく安定して使用できる、設備コストの低減が可能な加
圧流動床燃焼ボイラシステムを提供する。 【構成】加圧流動床燃焼ボイラ90とセラミックスフィ
ルタ付き除塵装置1の間の前段にサイクロン除塵器でな
く、ルーバ除塵器24を設け、さらに、エゼクタとガス
通路などからなるブローダウン手段を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排出される燃焼ガス中
に含まれるSOX やNOX が少なく、高効率であること
から、次世代の石炭を燃料とする火力発電プラント用と
して期待を集めている、加圧流動床燃焼ボイラシステム
に関する。
【0002】
【従来の技術】加圧流動床燃焼ボイラシステムを用いる
石炭火力発電プラントでは、流動床中に石灰石やドロマ
イトを投入するとともに、燃焼が比較的低い温度で行わ
れるので、SOX が硫黄化合物として固定されて除去さ
れるとともに、NOX の排出が少なく、発電をボイラで
作られる水蒸気で駆動される蒸気タービンと、除塵され
た加圧燃焼ガスで駆動されるガスタービンの両方で行う
ので高効率であるという特徴がある。このため、先進国
の間で実用化を目指した加圧流動床燃焼ボイラシステム
による発電プラントの開発に大きな努力が注がれてい
る。
【0003】加圧流動床燃焼ボイラシステムによる発電
プラントに石炭燃焼ガスの塵を除く除塵装置が必要な理
由は、加圧燃焼ガスでガスタービンを駆動するとき、ガ
スタービンの羽根が石炭の灰などの塵で摩耗しないよう
にするためである。図9は、この従来指向されている加
圧流動床燃焼ボイラシステムによる発電プラントの一例
を示す構成図である。
【0004】図9において、90は加圧流動床燃焼ボイ
ラ、100はボイラ本体101、サイクロン除塵器10
2、103およびベッド材貯蔵容器104を収容する圧
力容器、110は燃焼ガス管、120はガスタービン、
130は排熱ボイラ、140はバグフィルタ、150は
煙突である。
【0005】現在実用化されている流動接触分解装置
(FCC)や従来指向されている加圧流動床燃焼ボイラ
システムによる発電プラントにおいて、専らサイクロン
除塵器が採用されているのは、ガスタービンの羽根が短
時間で摩耗しないレベルにまで高温ガスの除塵ができる
実用性のある除塵手段が、従来サイクロン除塵器の他に
見当らなかったからである。すなわち、サイクロン除塵
器には構造が簡単であって耐熱設計が容易であり、除塵
効率も高いという長所がある。
【0006】この従来指向されている発電プラントで
は、例えばサイクロンのみで除塵した加圧燃焼ガスを、
耐摩耗性を高めたガスタービンに導いており、さらにガ
スタービンから排出される燃焼ガスが環境基準を満たす
ように、温度が低下した燃焼ガスをバグフィルタや電気
集塵器で除塵する構成となっている。
【0007】しかし、ボイラが過渡的な状態にある場合
など、未燃焼成分を含む多量の塵が排出されることがあ
る。このとき、サイクロン除塵器で塵の排出口が閉塞す
る(ブリッジ)現象が起きやすく、多量の塵がサイクロ
ン除塵器をオーバーフローして高濃度(設計値の10〜
30倍)の塵を含む燃焼ガスがガスタービンに流入する
ことがあり、ガスタービンの羽根が短時間に摩耗する危
険性が高い。
【0008】このため、改良された発電プラントとし
て、図10に示されたような、サイクロン除塵器を前段
の除塵に使用し、サイクロン除塵器の下流に除塵効率の
優れたセラミックスフィルタ付き除塵装置を設けてガス
タービンの羽根の摩耗を回避する構成が指向されてい
る。同図において、1はセラミックスフィルタ付き除塵
装置であり、このプラントではセラミックスフィルタ付
き除塵装置の除塵効率が良好なので、図9のバグフィル
タ140は不要となる。
【0009】発電プラントにも使用可能な大型のセラミ
ックスフィルタ付き除塵装置としては、米国特許490
4287や5094673などに提案のある、片端が閉
じ片端が開口したフィルタ管を配設した、いわゆるキャ
ンドル型除塵装置がある。また、特公昭63−4056
7、特公平2−22689、特公平2−22690、特
公平3−24251、特公平3−56086、特公平5
−50324、特開昭62−279821、特開昭63
−229116、特開平4−326916などには、両
端が開口した複数のフィルタ管を備え、フィルタ管の内
側に含塵ガスの流路を有する、図10中に概略図で示さ
れたチューブ型除塵装置が提案されている。また、特開
平2−198606や米国特許5078760には、ク
ロスフロー型のフィルタユニットを配設したクロスフロ
ー型除塵装置が提案されている。
【0010】セラミックスフィルタ付き除塵装置がキャ
ンドル型除塵装置である場合、この型の除塵装置ではフ
ィルタ管が収容されている除塵室内の含塵ガスの流路断
面積が相対的に大きいため、フィルタ管が配置されてい
る除塵室内の全域で含塵ガスの流れを常時確保するのが
難しく、含塵ガスの流れが停滞する箇所でフィルタ管の
表面に塵が多量に堆積する傾向がある。このため、前段
の除塵器で塵の大部分を除去する必要があり、除塵効率
がよいサイクロン除塵器を前段に使用する構成が選ばれ
ている。
【0011】セラミックスフィルタ付き除塵装置を前段
のサイクロン除塵器の下流に取り付けた加圧流動床燃焼
ボイラシステムには、過渡的状態が起きたときの信頼性
が乏しいことである。すなわち、未燃焼成分を含む多量
の塵がサイクロン除塵器に到来したとき、サイクロン除
塵器では、除塵されるはずの塵が塵排出口を一時的に閉
塞してオーバーフローを起こしやすく、この場合、全く
除塵されていない高濃度の塵を含む燃焼ガスがそのまま
セラミックスフィルタ付き除塵装置に流入する問題のあ
ることが分かった。
【0012】このとき、未燃焼成分を含む多量の塵がセ
ラミックスフィルタの表面、特に塵が堆積しやすいガス
流速が遅い部分にあるセラミックスフィルタの表面に堆
積し、未燃焼成分を含む塵がセラミックスフィルタ上で
発火燃焼するトラブルがしばしば起きる。この燃焼が急
速に起きてセラミックスフィルタが急加熱され、セラミ
ックスフィルタが許容する熱衝撃の限度を超えると、セ
ラミックスフィルタに亀裂が発生する。また、この燃焼
がさらに激しいと、セラミックスフィルタが溶損する場
合もある。
【0013】このような過渡的状態は、例えば、加圧流
動床燃焼ボイラ内のガス温度が600℃以下であるとき
に急速に燃焼負荷を増加する操作を行うと起き、酸素濃
度が高いにもかかわらず、煤を始めとする大量の未燃焼
成分が(ある場合には塵の30重量%に及ぶ)排出さ
れ、燃焼ガス中には1000ppmを超える一酸化炭素
が検出されることもある。
【0014】また、ボイラの運転初期に、ボイラの燃料
を油から石炭に切り替える操作を行う場合にも、ボイラ
内の温度が800℃程度の高温になっていても、石炭ス
ラリーの水分量や石炭の炭種によってサイクロン除塵器
中で遅れ燃焼を起こすことがあり、セラミックスフィル
タ付き除塵装置に導入される含塵ガスの温度が突然20
0〜500℃上昇してセラミックスフィルタを熱損傷す
ることがある。
【0015】また、緊急遮断時や燃焼用空気分散板の穴
を確保するための空気の吹き込み操作などにより、大量
の空気がボイラ内に吹き込まれると、ボイラ内の未燃焼
成分がそのままボイラから大量に吹き出されてサイクロ
ン除塵器をオーバーフローし、未燃焼成分が燃焼しなが
らセラミックスフィルタ付き除塵装置に到達することも
ある。
【0016】また、サイクロン除塵器の内部では、下部
の細く絞られた部分で含塵ガスが高速で旋回する構成と
なっており、この部分で未燃焼成分とガス中の酸素との
間の反応が促進されるため、サイクロン除塵器中でも発
火燃焼が起き、燃焼ガスの温度が急上昇してサイクロン
除塵器の内部を溶損する。また、この高温となった燃焼
ガスがセラミックスフィルタ付き除塵装置に流入すれ
ば、セラミックスフィルタを熱損傷することもある。
【0017】セラミックスフィルタが熱損傷すれば、セ
ラミックスフィルタの破片がガスタービンの羽根を直撃
したり、送り込まれる塵でガスタービンの羽根が摩耗
し、短時間で消耗することになるので、これらのトラブ
ルはいずれも発電プラントにとって致命的なものであ
る。これらの過渡的現象は、大抵一時的であり、かつ閉
鎖系で起きているため、その実態を捕らえがたく、従来
セラミックスフィルタの破損がその脆さによるとされて
いたが、本発明者らはシミュレーション計算によってこ
れらの現象の存在と、熱損傷によりフィルタ管の破損が
起きるのを確認した。
【0018】このような変動のある高温の含塵燃焼ガス
にセラミックスフィルタ付き除塵装置が対応できるよう
にするには、セラミックスフィルタ付き除塵装置の処理
容量を大きくするとともに、温度の急上昇を阻止する手
段を取り付け、逆洗再生を頻繁に行う他、セラミックス
フィルタ上に多量の未燃焼成分を含む塵が堆積しないよ
うに工夫する必要がある。すなわち、サイクロン除塵器
がなくても対応が可能なフレキシビリティのある除塵装
置とする必要がある。しかしながら、そのために必要な
コストは決して小さくない。
【0019】また、もう一つの大きな問題は、高い除塵
効率を達成するために複数段のサイクロン除塵器が加圧
流動床燃焼ボイラと同じ圧力容器中に収容されていて、
サイクロン除塵器を収容している分だけ圧力容器の内容
積が大きくなっており、加圧流動床燃焼ボイラシステム
の設置に必要なコストが嵩むことである。加圧状態にあ
る含塵ガスを除塵するサイクロン除塵器を圧力容器から
取り出したとしても、サイクロン除塵器自体をコストが
嵩む圧力容器とする必要があり、サイクロン除塵器の表
面から逃げる熱損失が増加するので問題は解決されな
い。
【0020】セラミックスフィルタ付き除塵装置におい
て、セラミックスフィルタ上に多量の未燃焼成分を含む
塵が堆積しないようにするには、除塵装置の塵を集める
ホッパ部から含塵ガスの一部分を抜き出し、除塵装置の
除塵室中の含塵ガスの流れが下向きとなるように除塵装
置を構成し、逆洗でセラミックスフィルタから剥離され
た塵の層を速やかにホッパ部へ移すようにする手段が有
効である。このような構成としたセラミックスフィルタ
付き除塵装置は、例えば特公平3−24251に提案さ
れている。
【0021】特公平3−24251に提案されているチ
ューブ型除塵装置では、除塵装置中の除塵室内における
含塵ガスの流路断面積が相対的に小さく、除塵室内の含
塵ガスの流れが基本的に下向流となっており、ホッパ部
から含塵ガスを抜き出さない場合には、含塵ガスがフィ
ルタ管3を下降しつつ濾過されるので、フィルタ管の下
端付近で含塵ガスの流速がほぼゼロとなるはずである。
【0022】しかし、プラントの上流部における変動に
つれて時々刻々変動しているガス入口室内の含塵ガスの
圧力(最大70mm水柱程度の差がある)と速度の分布
に影響され、不可避的にフィルタ管内の含塵ガスの流速
に顕著な差が生じる。このため、あるフィルタ管の下端
付近では含塵ガスの下向きの流速がゼロになり、あるフ
ィルタ管の下端付近では逆に上昇流になることもある。
【0023】チューブ型除塵装置では、除塵室内の含塵
ガスの流路断面積が相対的に小さいので、比較的少量の
含塵ガスをホッパ部から抜き出すブローダウンを行え
ば、フィルタ管の下端付近において含塵ガスの下向きの
流速を確保でき、これによりフィルタ管の下端近傍の内
表面に堆積している塵の量を少なくでき、セラミックス
フィルタの逆洗再生の頻度を減らしたり、除塵装置が高
い除塵能力を維持できるという効果が得られる。
【0024】フィルタ管の表面に堆積している塵の量が
少なければ、例え塵中に未燃焼成分が10%程度含まれ
ていて燃焼することがあっても、通常はフィルタ管が熱
損傷するほどの燃焼熱は発生しない。しかし、チューブ
型除塵装置であっても、過渡的に排出される多量の未燃
焼成分を含む塵が導入されると、含塵ガスの下向きの流
速が最も小さいフィルタ管の下端付近内面に塵が多量に
堆積して発火燃焼し、フィルタ管が熱損傷することにな
る。
【0025】含塵ガスをホッパ部からブローダウンする
場合、抜き出した含塵ガスは、特公平3−24251に
提案されているように、セラミックスフィルタ付き除塵
装置の上流部に戻してやるのが好ましいが、加圧された
高温の含塵ガスを還流し得るブロワーやファンの入手は
困難であり、例え入手できたとしても相当のコストが必
要である。
【0026】本発明者らは、先に特開昭62−2798
21において、溶鉱炉の排ガスの除塵を目的とし、セラ
ミックスフィルタ付き除塵装置にコンパクトなルーバ除
塵器を前段の除塵用に組み合わせた除塵装置を提案して
いる。
【0027】ルーバ除塵器は、複数の配列された翼で囲
まれた空間内に含塵ガスを導入し、含塵ガスの流れ方向
を翼によって強制的に変え、粒径の大きい塵や比重の大
きい塵を導入される含塵ガスの流れ方向に慣性により移
動させ、もしくは翼に衝突させて運動エネルギーを消滅
させ、重力により塵を分離する除塵器であるので、除塵
効率はそれほど高くない(平均粒径20μmのフライア
ッシュの場合で除塵効率は10〜20%)。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術における上述の問題点を解決し、例え過渡的に未燃
焼成分を含む多量の塵がボイラから排出されることがあ
っても、燃焼ガス系に設けられているセラミックスフィ
ルタ付き除塵装置のセラミックスフィルタが熱損傷する
などのトラブルなく安定して運転を継続できる、設備費
の低減が可能な加圧流動床燃焼ボイラシステムを提供す
ることにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
達成すべくなされたものであり、本発明の流動床燃焼ボ
イラ装置は、ボイラの燃焼ガス系にセラミックスフィル
タ付き除塵装置を備えた加圧流動床燃焼ボイラシステム
であって、ボイラとセラミックスフィルタ付き除塵装置
の間の前段除塵器としてルーバ除塵器が設けられている
ことを特徴とする。
【0030】本発明の加圧流動床燃焼ボイラシステムで
は、ルーバ除塵器がセラミックスフィルタ付き除塵装置
の前段に設けられているので、未燃焼成分を含む多量の
塵がボイラから排出される過渡的状態においてサイクロ
ン除塵器のようにオーバーフローすることなく、ルーバ
除塵器が確実に除塵機能を保つので、セラミックスフィ
ルタ付き除塵装置に流入する塵の量が常に低減される。
【0031】すなわち、ルーバ除塵器では、塵が排出口
に到達するまでの飛行時間が短く、過渡的に塵が大量に
飛来することがあっても、比較的比重の大きい塵(加圧
流動床燃焼ボイラではいずれも可燃性である)や粗い塵
が確実に分離され、サイクロン除塵器のように塵の排出
口が塵でブリッジングしてオーバーフローしないので除
塵機能が確保される。また、ルーバ除塵器は含塵ガスの
処理容量の割りに大きさがコンパクトである。
【0032】特開昭62−279821に提案されてい
るルーバ除塵器をセラミックスフィルタ付き除塵装置と
同じ圧力容器中に組み込んだ構成の除塵装置では、ルー
バ除塵器のルーバ翼をセラミックスフィルタ付き除塵装
置の上部に配置したガス入口室内に多角錐状に設け、塵
排出管を下方に伸ばし、その出口をセラミックスフィル
タ付き除塵装置の塵を集めるホッパ部に設けている。ル
ーバ除塵器内の含塵ガスの流れを、このように概ね鉛直
とすることにより、ルーバ除塵器で塵が慣性の他に重力
の助けを借りて効率よく分離され、排出管を経て下方の
ホッパ部などに確実に移される。
【0033】また、過渡的状態においてルーバ除塵器で
除去される塵は、比較的粒径が大きく、未燃焼成分を多
く含む塵であるので、セラミックスフィルタ付き除塵装
置に送り込まれる塵中には燃え尽きた不燃性の灰の粒子
の割合が多く、セラミックスフィルタ上に堆積する塵は
不燃性の塵が多い燃えにくいものとなり、着火燃焼する
ことがあっても激しい燃焼が起きなくなり、セラミック
スフィルタの熱損傷が起きにくい。
【0034】また、ルーバ除塵器のルーバ翼は蓄熱器と
しても機能し、ボイラから送り出される燃焼ガスの温度
が急上昇する場合には、燃焼ガスから一時的に熱を奪っ
てその温度上昇を緩和し、セラミックスフィルタに到達
する含塵ガスの温度の上昇速度を遅くする。この機能が
加えられて、セラミッククスフィルタの熱損傷がさらに
確実に回避される。
【0035】さらに、例えば圧力が約15kg/cm2
で温度が約850℃のガスを閉じ込める圧力容器の設備
費はその内容積と概ね比例関係にある。また、ルーバ除
塵器を80%以下の除塵効率となるように設計すれば、
同じ除塵効率を有するサイクロン除塵器と比べ格段にコ
ンパクトにできる。
【0036】従って、コンパクトになる分前段の除塵器
を収容する空間が節減され、ボイラを収容する圧力容器
内、あるいはセラミックスフィルタ付き除塵装置の圧力
容器内、あるいは専用の圧力容器内のいずれにルーバ除
塵器を収容する場合にも圧力容器の内容積を顕著に小さ
くできる。
【0037】この前段除塵器の種類の変更による圧力容
器の内容積の節減効果は顕著であり、例えば定格容量が
350MWの発電プラントに使用される加圧流動床燃焼
ボイラシステムの場合、前段除塵器にサイクロン除塵器
を採用し、ボイラと同じ圧力容器中に収容すると、圧力
容器の寸法が外径18m×高さ40mであるのに対し、
サイクロン除塵器を取り除くと凡そ外径18m×高さ3
0mとすることができ、圧力容器の内容積で約2500
3 の節減になる。圧力容器のコストは、その直径に大
きく影響されるので、ボイラを収容する圧力容器の直径
を小さくできれば、設備費のコストはさらに顕著に低減
される。
【0038】ルーバ除塵器をセラミックスフィルタ付き
除塵装置と同じ圧力容器に収容する場合の圧力容器の容
積の増加はせいぜい380m3 である。この、圧力容器
の内容積を小さくして節減される費用は、このプラント
に必要なルーバ除塵器を付けたセラミックスフィルタ付
き除塵装置の設置費より大きい。
【0039】また、通常ボイラを収容している圧力容器
が圧縮空気の空気溜めとして使用されているので、圧力
容器の容量が小さくなれば燃料供給量に対する圧縮空気
供給量の追随性が向上する。これらの効果により、発電
プラント全体の設置費が節減でき、発電プラントの実用
価値はそれだけ増加する。
【0040】ルーバ除塵器は、ボイラと同じ圧力容器中
に収納することも可能であり、この場合にも同様のコス
ト節減効果が得られる。ルーバ除塵器では、好ましくは
ルーバ除塵器の翼の間の流路断面積が、内側(上流側)
より外側(下流側)に向かって大きくなるように構成す
る。この場合、翼の間でガス流速が漸減し、ガスの有す
る動圧が再度静圧に変換される(ディフューザ効果とい
う)ので、ルーバ除塵器による含塵ガスの圧力損失を最
小にすることができる。
【0041】また、このようなルーバ除塵器を採用する
と、セラミックスフィルタ付き除塵装置のガス入口室内
の含塵ガスの静圧と動圧の分布が均一化し、ガス入口室
内やセラミックスフィルタが収容されている除塵室内の
含塵ガスの流れに渦流や上昇流をもたらすような乱れを
引き起こしにくくなるという効果が得られる。
【0042】さらに、ルーバ除塵器の翼の間のガス流速
の大きい箇所をエゼクタの一部として利用することもで
きる。すなわち、翼の間のガス流速の大きい部分は静圧
の低い部分であるので、ホッパ部からガス通路に吸い込
んだ含塵ガスを、翼の間の静圧の低い部分に吐き出すよ
うにすれば、ブローダウン手段を構成できる。
【0043】例えば、ルーバ除塵器のルーバ翼群の外形
を円錐状に構成することができ、このときルーバ除塵器
のルーバ翼の間のガス通路は必然的に末広がりとなるの
でディフューザを形成するのに都合がよい。さらに、複
数のガス通路を形成する複数のパイプをルーバ翼群に貫
通させ、各ルーバ翼を支持すると同時に、パイプによっ
てガス流路が狭められて流速が大きく、静圧が最小とな
るルーバ翼の間の位置にあるパイプの表面に吸入口を設
ければエゼクタが形成できる。このような構成のルーバ
除塵器とエゼクタが組み込まれたセラミックスフィルタ
付き除塵装置は、スペースを無駄なく合理的に利用して
いて性能も優れているので、特に好ましいものである。
【0044】セラミックスフィルタ付き除塵装置は、前
述のキャンドル型除塵装置、チューブ型除塵装置、クロ
スフロー型除塵器のいずれであってもよいが、コンパク
トで設置面積が少なくでき、除塵室内の含塵ガスの流れ
が下向流とされていて、フィルタ管に捕集された塵をホ
ッパ部に集めるのに都合がよく、除塵室内の含塵ガスの
流路断面積が小さいのでブローダウン効果の利きがよい
チューブ型除塵装置を採用するのが特に好ましい。
【0045】また、チューブ型除塵装置の長所を取り入
れて改良した、単数または複数の除塵ユニットを上下方
向、あるいは横方向に配置して圧力容器内に収容し、除
塵室内の含塵ガスの流れを下向流になるようにしたキャ
ンドル型除塵器を本装置に採用したものも本発明の好ま
しい構成の装置である。
【0046】本発明の他の好ましい加圧流動床燃焼ボイ
ラシステムでは、セラミックスフィルタ付き除塵装置の
塵を集めるホッパ部から、含塵ガスの一部を抜き出すブ
ローダウン手段が設けられている。
【0047】ルーバ除塵器で除塵された含塵ガス中の塵
には、細かい塵が多い。従って、セラミックスフィルタ
付き除塵装置では主に細かい塵を除塵することになる。
細かい塵は、セラミックスフィルタ付き除塵装置の除塵
室内の含塵ガスの流れが停滞する箇所のフィルタ表面に
厚く堆積しやすい傾向があり、塵がフィルタ表面に厚く
堆積すると、フィルタの通気圧損が大きくなってフィル
タの濾過能力が低下し、堆積した塵が発火燃焼しやすい
状態になる。
【0048】このようなセラミックスフィルタ付き除塵
装置で、塵を集めるホッパ部から含塵ガスの一部を抜き
出すブローダウンを行えば、除塵室内で含塵ガスが停滞
する箇所をなくすことができ、除塵室内で含塵ガスが常
に下向に流れるようにして含塵ガスがホッパ部内で乱れ
た流れを生じるのを防げる他、逆洗によってフィルタか
ら離脱され、ガス中に浮遊せしめられた塵をホッパ部へ
速やかに移すことができる。ブローダウンする含塵ガス
の量は、例えば、セラミックスフィルタ付き除塵装置に
導入される含塵ガスの2〜25%とされる。
【0049】これにより、セラミックスフィルタの表面
に堆積する塵の厚さを小さくでき、あるいはセラミック
スフィルタの逆洗再生の頻度を少なくでき、セラミック
フィルタ付き除塵器の高い濾過能力を維持できるととも
に、フィルタ上に堆積した塵が発火燃焼してセラミック
スフィルタが熱損傷する危険性を排除できるなどの効果
が得られる。以下の説明では、これらの効果を総称して
ブローダウン効果という。
【0050】ブローダウン手段には、抜き出した含塵ガ
スを除塵してプラントの下流に送る方法、除塵して廃棄
する方法、そのまま上流に還流する方法などがある。抜
き出した含塵ガスを除塵するには、別の小容量の除塵器
に導入する必要がある。第1段のセラミックスフィルタ
付き除塵装置の処理容量が大きい場合には、複数の小容
量の除塵器を直列に接続してブローダウンすればよい。
【0051】この場合、下流段の除塵器から抜き出す含
塵ガスの量は僅かとなるので、そのまま廃棄処分しても
エネルギーの損失は僅かである。この構成では、含塵ガ
ス自体の保有する圧力により、下流段の除塵器に含塵ガ
スの一部を送るようにすればよい。下流段の小容量の除
塵器にはセラミックスフィルタ付き除塵装置の他、サイ
クロン除塵器を使用することもできる。
【0052】また、高温の加圧された含塵ガスを還流す
るのに使用できる適当なブロワーやファンが入手できれ
ば、ブロワーやファンとガス通路を組み合わせたブロー
ダウン手段により、あるいは圧縮空気によるエゼクタと
ガス通路を組み合わせたブローダウン手段によりセラミ
ックスフィルタ付き除塵装置のガス導入口付近に含塵ガ
スを還流するのも好ましい構成である。
【0053】高温高圧の含塵ガスを還流するブロワーは
調達するのが容易でないので、また圧縮空気によるエゼ
クタでは圧縮空気の消費量が多くなるので、本発明の他
の好ましい加圧流動床燃焼ボイラシステムでは、セラミ
ックスフィルタ付き除塵装置に導入される含塵ガスが保
有するエネルギーの一部を利用するエゼクタとガス通路
をブローダウン手段として使用し、塵を集めるホッパ部
から抜き出した含塵ガスをガス通路の一端から吸い込
み、ガス通路の他端からセラミックスフィルタ付き除塵
装置のガス導入口付近に還流する構成とされている。
【0054】この場合、含塵ガスを還流するためにエゼ
クタで消費される含塵ガスのエネルギーは比較的僅かで
済み、エゼクタは構造が簡単なので耐熱構造とすること
も容易であり、高温高圧のガスを送るのにも都合がよ
い。エゼクタとガス通路からなるブローダウン手段は、
セラミックスフィルタ付き除塵装置の容量があまり大き
くないときは一系統だけでよいが、大容量の除塵器の場
合には複数のガス通路と、エゼクタ(両者の数は一致し
なくてもよい)を設け、除塵室内の含塵ガスの流れを均
等化するようにガス通路の吸い込み口を複数配置するの
が好ましい。
【0055】また、エゼクタとガス通路を、いずれもセ
ラミックスフィルタ付き除塵装置が収容されている圧力
容器中に設ければ、ガス通路の長さを短くできるのでエ
ゼクタで消費される含塵ガスのエネルギーをより少なく
でき、ガス通路に保温を施す必要がなく、ガス通路を圧
力配管とする必要がないという好ましい効果が得られ
る。
【0056】有効なブローダウン効果を得るのにブロー
ダウンすべき好ましい含塵ガスの量は、セラミックスフ
ィルタ付き除塵装置の種類によって異なる。例えば、セ
ラミックスフィルタが両端が開口したフィルタ管であ
り、各フィルタ管が概ね鉛直に配設され、含塵ガスがフ
ィルタ管内を下向きに流れるように構成された、除塵室
中の含塵ガスの流路断面積が小さいチューブ型除塵装置
では、フィルタ管の下端におけるホッパ部への含塵ガス
の流速を0.5m/秒以上、さらには1m/秒以上2m
/秒以下程度とするのが好ましい。
【0057】この場合、通常チューブ型除塵装置に導入
される含塵ガスの2〜15%、より好ましくは3〜10
%をブローダウンすれば、塵がフィルタ管の下端近傍に
厚く堆積するのを顕著に減らすことができ、フィルタ管
の熱損傷が回避される十分なブローダウン効果が得られ
る。しかし、余り多くの含塵ガスをホッパ部から抜き出
すことは、エゼクタで含塵ガスの保有するエネルギーを
多く消費することになり好ましくない。
【0058】チューブ型除塵装置の場合、ホッパ部とエ
ゼクタを連通するガス通路は、耐熱金属製としてもよい
が、チューブ型除塵装置の場合には、好ましくは除塵室
内を通過する部分をフィルタ管とする。この場合、ホッ
パ部から吸い込まれる含塵ガスの内40〜60%がフィ
ルタ管で濾過されて清浄ガス側空間に流入するので、エ
ゼクタが吸入する含塵ガスの量を少なくでき、ホッパ部
における含塵ガスの吸入量を実質的に増加せしめること
ができる。
【0059】他方、キャンドル型除塵装置やクロスフロ
ー型除塵器では、除塵室中の含塵ガスの流路断面積が相
対的に大きいので、有効なブローダウン効果を得るに
は、より多くの含塵ガスを抜き出す必要があり、ブロー
ダウンすべき好ましい含塵ガスの量は導入される含塵ガ
スの量の10〜25%と多くする必要がある。しかし、
本発明の導入される含塵ガスの有するエネルギーの一部
を利用するエゼクタを使用したブローダウン手段によれ
ば、このように比較的多量の含塵ガスの還流にも容易に
対応できる。
【0060】本発明の他の好ましい加圧流動床燃焼ボイ
ラシステムでは、ルーバ除塵器で捕集された塵をボイラ
に還流する手段が設けられている。ボイラから排出され
る塵中には2〜10%の未燃焼成分が含まれている。こ
の中には未燃焼状態の石炭やコークスなどの塵が多く含
まれているので、燃料として有効利用できれば発電プラ
ントの熱効率が向上し、廃棄処分する塵の量を少なくで
きる。
【0061】また、粒の大きい塵の中には、脱硫剤であ
るドロマイトや石灰石も未反応の状態で相当量含まれて
おり、これらをボイラに還流すれば、脱硫剤の使用量も
節減できる。この構成の加圧流動床燃焼ボイラシステム
は、未燃焼成分を含む塵の排出が多いバブリングベッド
型の加圧流動床燃焼ボイラシステムの熱効率を向上せし
めるのに好適である。
【0062】塵をボイラに還流する手段には、例えば、
高温と圧力に耐える配管でルーバ除塵器の塵排出口と流
動床ボイラを接続し、スクリュウフィーダや圧縮空気に
より送り込む構成が採用できる。この還流の構造は簡単
なので、通常の塵の処理系統と比べて故障の頻度が少な
いく、信頼性の確保にも有効である。ルーバ除塵器で捕
集した未燃焼成分を含む粗い塵をボイラに還流する構成
では、例えばルーバ除塵器の塵排出管をさらに下方に伸
ばし、排出管の先端をボイラに接続した配管と接続すれ
ばよい。
【0063】また、ルーバ除塵器とガス通路を、セラミ
ックスフィルタ付き除塵装置と同じ圧力容器中に設ける
ことにより、装置全体をよりコンパクトにまとめること
ができ、高温の含塵ガスの熱エネルギーが発散される装
置の表面積を少なくでき、設備費を節減できる。
【0064】エゼクタをブローダウン手段の一部とし、
セラミックスフィルタ付き除塵装置にルーバ除塵器を組
み合わせる場合、エゼクタをルーバ除塵器の上流に配置
するとエゼクタのノズルが含塵ガス中に含まれている粗
い塵の粒子によって短時間に摩耗するので、エゼクタは
ルーバ除塵器の下流側に配置するのが好ましい。
【0065】エゼクタをブローダウン手段の一部として
使用し、セラミックスフィルタ付き除塵装置にルーバ除
塵器を組み合わせる場合、エゼクタをルーバ除塵器の上
流に配置するとエゼクタのノズルが含塵ガス中に含まれ
ている粗い塵の粒子によって短時間に摩耗することにな
るので、エゼクタはルーバ除塵器の下流側に配置するの
が好ましい。
【0066】本発明は、バブリングベッド型加圧流動床
ボイラ燃焼システムの他に、循環加圧流動床燃焼ボイラ
システムにも好ましく適用でき、後者の場合には流動灰
循環用のサイクロン除塵器をルーバ除塵器としてもよ
い。
【0067】
【実施例】以下、本発明の加圧流動床燃焼ボイラシステ
ムを実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら
の実施例によってなんら限定されるものではない。
【0068】図1は、発電プラントの一部となる本発明
によるバブリングベッド型の加圧流動床燃焼ボイラシス
テムの一例の概要を示す系統図である。図1において、
1はルーバ除塵器24が同一の圧力容器内に収容された
セラミックスフィルタ付き除塵装置、3は両端が開口し
たフィルタ管、6はガス入口室、7はホッパ部、41は
ルーバ除塵器の塵排出管、90はバブリングベッド型の
加圧流動床燃焼ボイラ、100はボイラ本体101とベ
ッド材貯蔵容器104を収容する圧力容器、110は燃
焼ガス管、111はルーバ除塵器で捕集した塵をボイラ
本体101に戻す配管である。
【0069】図1において、ボイラ本体101から排出
された塵を含む高温の燃焼ガスは、燃焼ガス管110を
通ってセラミックスフィルタ付き除塵装置1と同じ圧力
容器内に設けられたルーバ除塵器24に流入する。ルー
バ除塵器24に下向きに流入した含塵ガスは、ルーバ翼
26で反転し、含塵ガス中の比較的粗い塵が慣性と重力
によって分離され塵排出管41に送られる。
【0070】ルーバ翼26の間に流入した含塵ガスは、
ルーバ翼26の隙間がディフューザ構造とされている
と、流路断面積の増加とともに速度が落ちて静圧を回復
し、ルーバ除塵器による圧力損失を小さく抑えることが
できる。この場合、セラミックスフィルタ付き除塵装置
1のガス入口室6内に流入した含塵ガスの静圧分布が均
等化されるので、各フィルタ管3に含塵ガスが均等に分
配される。
【0071】各フィルタ管3に分配された含塵ガスは、
濾過されて清浄ガス出口12からプラントの下流系に送
られ、塵は、ホッパ部7に集められて塵排出口42から
取り出される。
【0072】この実施例では、ルーバ除塵器24で捕集
された比較的粗い未燃焼成分を多く含む塵が、塵排出管
41、塵排出口40および配管111を経てボイラ本体
101に戻され、燃料として利用されるので、ボイラの
燃料効率が向上し、プラントから排出される塵の量が減
る。また、粗い塵の中に脱硫剤である石灰石やドロマイ
トが未反応の状態で含まれていることが多いので、粗い
塵を還流することによってこれらを有効に利用し、その
使用量を節減できる。
【0073】図1に示すバブリングベッド型の加圧流動
床燃焼ボイラシステムでは、ルーバ除塵器で捕集した塵
をベッド材貯蔵容器104に戻してベッド材として使用
し、負荷に応じてボイラ本体101に送り込むようにし
てもよい。また、セラミックスフィルタ付き除塵装置1
とルーバ除塵器24の両方で捕集した塵をボイラ本体1
01に還流する構成とすれば、塵あるいは灰の処理をボ
イラ本体101下部のみで行えば済むので、加圧流動床
燃焼ボイラシステムの運転が簡素化される。
【0074】図2は本発明による加圧流動床燃焼ボイラ
システムに組み込まれる他のセラミックスフィルタ付き
除塵装置の一例を示す縦断面図である。図2では、セラ
ミックスフィルタ付き除塵装置1を収容する圧力容器2
の内部にルーバ除塵器24と、エゼクタ17とガス通路
13からなるブローダウン手段が収容されており、エゼ
クタ24のノズル18はルーバ除塵器24の下流に配置
されている。また、図3は図2のエゼクタ部分(S部
分)の拡大断面図であり、図4は図2のA−A位置の断
面図である。
【0075】これらの図において、4は圧力容器の内側
に設けられた断熱材、5a、5b、5c、5dはそれぞ
れ各フィルタ管を支持するとともに、圧力容器の内部を
水平に仕切る管板、9a、9b、9cはそれぞれ上段、
中段、下段の清浄ガス室(フィルタ管3と清浄ガス室9
a、9b、9cを合わせた空間が除塵室となる)、10
はガス導入口、40は塵排出管41の塵排出口、42は
ホッパ部7の塵排出口である。
【0076】また、11a、11b、11cはそれぞれ
上段、中段、下段の清浄ガス室9a、9b、9cに逆洗
用のガスを吹き込むエゼクタを兼ねた清浄ガス出口管、
12は清浄ガス出口、14a、14b、14cはそれぞ
れの清浄ガス出口管に圧縮ガス(好ましくは圧縮空気)
を噴出する逆洗ノズル、15はフィルタ管3の下端部に
取り付けられたスカート、16はガス通路13がホッパ
部7に開口している吸込み口、17はノズル18とディ
フューザ21からなるエゼクタ、27、28はルーバ除
塵器24から流れ出るガスをエゼクタ17に送る仕切
り、26はルーバ翼、30はルーバ翼26の間に設けら
れた案内翼である。
【0077】また、19はディフューザ21の入口部、
20はガス通路13を経てホッパ部7の含塵ガスを吸入
する吸入口である。ルーバ翼26から流れ出る塵の多く
が除去された含塵ガスは、エゼクタ17のノズル18で
増速されて低い静圧を形成し、流路断面積が最も小さく
静圧の低いディフューザ21の入口部19に設けられた
吸入口20から、ホッパ部7の含塵ガスを吸入し、次い
でディフューザ21で流速を静圧に変換して元の静圧近
くまで回復する。
【0078】この例では、図4から分かるように、ガス
通路13が8系統設けられ、各ガス通路にそれぞれエゼ
クタ17が取り付けられている。従って、ホッパ部7に
開口した8箇所の吸込み口16からまんべんなく含塵ガ
スが吸入されるので、各フィルタ管3内に含塵ガスの下
向流が確保され、かつ各フィルタ管3の下端から流れ出
る含塵ガスの流速のバラツキが小さくなる。
【0079】ディフューザ21の入口部19と出口部と
の間に300〜1000mm水柱の静圧差を設けるよう
にすると、チューブ型除塵装置の場合、適用されるプラ
ントの種類によって差はあるが、チューブ型除塵装置に
導入される含塵ガスの7〜15%の還流が可能となる。
ディフューザ21で1000mm水柱程度の静圧を回復
させることは容易なので、除塵室内の含塵ガスの流路断
面積が小さいチューブ型除塵装置では十分なブローダウ
ン効果を得ることも容易である。
【0080】ブローダウン効果により、すべてのフィル
タ管3の下端付近において含塵ガスの下向流を確保でき
れば、各フィルタ管3の下端付近に塵が異常に厚く堆積
したり、堆積した未燃焼成分を含む塵が発火燃焼する現
象を防ぐことができ、安定して高い除塵性能を維持する
ことができる。
【0081】この例では、ガス通路13が除塵室を通過
する部分のガス通路13aにフィルタ管を使用してお
り、13a以外の部分のガス通路13とルーバ翼26等
の材料に、セリウムなどの稀土類元素が添加されたオー
ステナイト系耐熱金属を使用しているが、コーディエラ
イト系、炭化珪素系もしくは窒素珪素系セラミックスを
使用することもできる。また、耐熱金属からなるガス通
路13はエゼクタ17およびルーバ除塵器24を支える
支柱を兼ねている。
【0082】また、耐熱金属管からなるガス通路13と
圧力容器2などとの間の熱膨張の差異により生じる変位
を吸収できるように、ガス導入口10はガイド管23が
ラビリンスシール22を介してルーバ除塵器24と接続
されている。
【0083】この例では、ガス通路13が除塵室内を通
過する部分がフィルタ管13aとされているので、ガス
通路13aでも含塵ガスの濾過が行われる。従って、エ
ゼクタに吸入される含塵ガスの量が少なくても、ホッパ
部7に開口しているガス通路13の下端の吸込み口16
から吸い込まれる含塵ガスの量が多いので、フィルタ管
3からホッパ部7へ流入する含塵ガスの量は多く、ブロ
ーダウン効果を得るのに必要な流量を容易に確保でき
る。また、ガス通路13aの部分にもフィルタ機能が付
与されていることにより、同じ処理容量のチューブ型除
塵装置をよりコンパクトに構成できる。
【0084】この構成の場合、ノズル18を強く絞って
大きい静圧差を得る必要はないので、エゼクタによるガ
スの圧力損失をより小さくでき、さらに、ノズル18で
絞られた部分のガス流速があまり大きくならないので、
ノズル18の塵による摩耗が軽減される。
【0085】加圧流動床燃焼ボイラから排出される含塵
ガスを直接ルーバ除塵器24に導入する場合、加圧流動
床燃焼ボイラの種類によって差はあるが、例えばルーバ
除塵器24における圧力損失を700mm水柱とすれ
ば、75〜85%の除塵効率が得られる。
【0086】この構成の装置では、ルーバ除塵器24と
エゼクタ17を経てチューブ型除塵装置1のガス入口室
6に流入した含塵ガスは、各フィルタ管3に分配されて
各フィルタ管3の内表面で濾過され、清浄ガスとなって
清浄ガス室9a、9b、9cに流入する。各清浄ガス室
に集められた清浄ガスは、対応する清浄ガス出口管11
a、11b、11cを経て清浄ガス出口12からプラン
トの下流系に送られる。
【0087】ホッパ部7からブローダウン手段によって
抜き出される含塵ガス量に相当する量の含塵ガスが、各
フィルタ管3の下端に取り付けられたスカート15の下
端から、ホッパ部7に流入する。ガス入口室6内の静圧
分布が均等で各フィルタ管の通気圧損にバラツキがなけ
れば、含塵ガスは各フィルタ管3の下端から同一の流速
で流入するはずである。
【0088】しかし、各フィルタ管3に流入する含塵ガ
スの量にはバラツキがあり、ホッパ部7内にも含塵ガス
の乱れた流れが生じるので、フィルタ管3から流れ出し
た塵を多く含む含塵ガスがそのままガス通路13の吸込
み口16に吸い込まれないようにスカート15が設けら
れている。スカート15はホッパ部に堆積した塵を巻き
上げない範囲で長くしておくのが好ましい。
【0089】ホッパ部7内における含塵ガスの流れを考
慮すると、スカート15の先端とガス通路13の吸込み
口16との間の鉛直方向の距離は、好ましくは100m
m以上、より好ましくは200mm以上とする。
【0090】含塵ガスの中の塵が各フィルタ管3の内面
に厚く堆積すると、ガス入口室6と清浄ガス室9a、9
b、9cの間の差圧が増加してチューブ型除塵装置1の
濾過能力が低下する。このため、自動的に適当な時間間
隔を置いて各清浄ガス室9a、9b、9cに順次逆洗ガ
スを吹き込み、対応する清浄ガス室内にある各フィルタ
管3を逆洗再生して堆積している塵を離脱させる。離脱
された塵を、重力と含塵ガスの流れによりホッパ部に集
め、フィルタ管の通気圧損を低く維持しながらチューブ
型除塵装置の運転を継続する。
【0091】フィルタの逆洗再生は、逆洗ノズル14
a、14b、14cに接続された図示されていない高速
で作動する制御弁を開閉し、圧縮ガス(好ましくは圧縮
空気、他にプロセスガス、蒸気等も使用できる)を各逆
洗ノズルから交互に噴出させ、対応する清浄ガス室内の
圧力を含塵ガス側の圧力より高くして逆洗ガスをフィル
タ管の外側から内側に向けて逆流させ、フィルタ管3内
に堆積している塵を離脱せしめることにより行われる。
制御弁の開弁時間は、好ましくは0.1〜0.5秒間
(全閉から全開、全閉に要する時間)とする。
【0092】逆洗を効果的に遂行するには、全閉から全
開に要する時間と、全開状態の保持時間が重要であり、
全閉から全開に要する時間が長いとフィルタ管の内外の
圧力差(以下逆洗差圧という)が十分に大きくならな
い。また、全開状態の保持時間が短いと、逆洗時のフィ
ルタ管内外の差圧の立ち上がりが不十分となり、フィル
タ管の再生が不完全になる。
【0093】逆洗による再生が不十分であると、フィル
タ管の通気圧損が徐々に増加し、セラミックスフィルタ
付き除塵装置の除塵能力が徐々に低下する。逆洗は、制
御弁の形式、大きさ、圧縮空気の圧力、圧縮空気配管の
太さ、逆洗を行うフィルタ管の有効濾過面積とフィルタ
管の外側の死容積(清浄ガス室の容積)によって最適の
条件が選ばれる。
【0094】各清浄ガス室9a、9b、9cに逆洗ガス
を吹き込む逆洗間隔は、例えば15分間毎に9a、9
b、9cの清浄ガス室の順にそれぞれ60秒以下の間隔
で行ってもよく、あるいは5分間隔で9a、9b、9c
の順に行ってもよい。逆洗によってフィルタ管3から離
脱せしめられた塵は、望ましくは含塵ガスを還流するこ
とによりもたらされるフィルタ管3内を流れる含塵ガス
の下向流と重力によって速やかにホッパ部に移し、再び
フィルタ管3の内面に堆積しないようにする。
【0095】図5は、本発明の加圧流動床燃焼ボイラシ
ステムに組み込まれるセラミックスフィルタ付き除塵装
置の他の一例を示す縦断面図である。すなわち、図5は
セラミックスフィルタ付き除塵装置にキャンドル型除塵
装置31を採用し、キャンドル型除塵装置31にルーバ
除塵器24とエゼクタ17を組み合わせた例であり、図
6は図5のB−B位置の断面図である。図5にはプラン
トの上流系が示されていないが、上流系にサイクロン除
塵器は設けられていない。
【0096】両図において、36は片端が閉じたフィル
タ管、37は清浄ガスヘッダ38の上側に複数のフィル
タ管36が概ね鉛直に取り付けられた除塵ユニット、5
0はエゼクタ17、ルーバ除塵器24、塵排出管41お
よびガス通路13を懸下する吊具である。先の例で既に
説明した部分と同じ機能を有する部分には先の例と同じ
符号が付してあり、その説明は省略する(以下同じ)。
【0097】このキャンドル型除塵装置31と組み合わ
されたルーバ除塵器の構造は、実質的に図3に示された
ものと同一である。キャンドル型除塵装置では、含塵ガ
スはフィルタ管36の外側を流れ、含塵ガスはフィルタ
管36により濾過され、フィルタ管36の内側に入って
清浄ガスとなり、清浄ガスヘッダ38に集められる。こ
の例では、図6から分かるように、除塵ユニット37が
水平方向に2個配列され、それぞれの清浄ガスヘッダ3
8に続く清浄ガス出口12から清浄ガスがプラントの下
流に送られる。
【0098】また、図1の実施例と同じく、この例にお
いても塵を含む燃焼ガスはガス導入口10、ガイド管2
3を通って、ルーバ除塵器24に流入し、各ルーバ翼2
6のある箇所で方向を反転し、ガス中の未燃焼成分を多
く含む比較的粗い塵が慣性によって、あるいはルーバ翼
26に当たって重力によって分離され、分離された大部
分の塵は塵排出管41へと送られる。
【0099】ボイラ本体から排出される含塵ガスを直接
ルーバ除塵器24に導入する場合、例えば、ルーバ除塵
器24の圧力損失を700mm水柱とすれば、75〜8
5%の除塵効率が得られるので、残りの15〜25%の
塵をキャンドル型除塵装置で除塵することになる。
【0100】75〜85%の塵が除かれた含塵ガスは、
ルーバ翼26の間を通ってエゼクタ17(図6から分か
るように2個ある)に送られ、各エゼクタ17のノズル
18で増速されてディフューザ21の入口で最も低い静
圧となる。この低い静圧の部分に開口しているガス通路
13の吸入口20から、ホッパ部7の含塵ガスを吸い込
むように構成されている。
【0101】ルーバ除塵器の除塵効率は加圧流動床燃焼
ボイラが過渡的な状態にあってボイラ本体から未燃焼成
分を含む多量の塵が排出されることがあっても維持され
るので、キャンドル型除塵装置で除塵すべき塵の量が常
にキャンドル型除塵装置31の除塵能力以下に抑えら
れ、捕集する塵中に含まれる未燃焼成分の割合が少ない
ので、フィルタ管36上に堆積する塵は燃えにくく、激
しく燃焼することがないので、フィルタ管36が熱損傷
を受けにくい。
【0102】エゼクタ17のディフューザ21では、増
速された含塵ガスの動圧が再び静圧に変換され、その静
圧が例えば1000mm水柱分大きくなり、キャンドル
型除塵装置31の除塵室に流入してフィルタ管36によ
り除塵される。この含塵ガスの差圧が、吸込み口16と
ガス通路13を経てホッパ部7から含塵ガスの一部分を
吸い込む駆動力として利用される。
【0103】この1000mm水柱という大きさの差圧
は、ブローダウン効果を得るために還流を必要とする含
塵ガスの量がチューブ型除塵装置より多いキャンドル型
除塵装置であっても、ブローダウン効果を得るのに十分
な大きさの差圧である。従って、本発明にキャンドル型
除塵装置を採用した構成においても、エゼクタとガス通
路によるブローダウン手段は有用である。
【0104】エゼクタを利用するブローダウン手段を備
えたキャンドル型除塵装置31では、フィルタ管36の
表面付近に下向きの含塵ガス流が常に確保されることに
なり、除塵室内に含塵ガス流が停滞する箇所がないの
で、逆洗でフィルタ管36から離脱された塵が、下向き
の含塵ガス流と重力によって速やかにホッパ部7に移さ
れ、フィルタ管36の上に厚く堆積することがない。
【0105】キャンドル型除塵装置31の逆洗再生は、
各除塵ユニット37毎に前述の図2の実施例と同様にし
て行われるが、その詳細な説明を省略する。
【0106】かくして、キャンドル型除塵装置31を組
み込んだ加圧流動床燃焼ボイラシステムにおいても、上
流のサイクロン除塵器をルーバ除塵器24で置き換えて
安定した除塵機能を発揮することができ、未燃焼成分を
含む塵がボイラ本体から多量に排出される過渡的状態に
あっても、トラブルなく除塵を継続でき、サイクロン除
塵器を省略した分、圧力容器の容積を小さくして設備費
を節減できる。
【0107】図5、6に示された例では、フィルタ管3
6の上端が閉じていて下端が清浄ガスヘッダ38に保持
されているが、フィルタ管36の下端が閉じていて上端
が清浄ガスヘッダ38に保持されているキャンドル型除
塵装置も存在し、本発明の加圧流動床燃焼ボイラシステ
ムには、このようなフィルタ管36が逆向きに配置され
たキャンドル型除塵装置を採用してもよい。
【0108】図7は、本発明による加圧流動床燃焼ボイ
ラシステムによる発電プラントの他の一例の概要を示す
系統図であり、セラミックスフィルタ付き除塵装置1の
上流にサイクロン除塵器が設けられていないので、圧力
容器100はこの分直径と内容積が小さくなっている。
また、ブローダウン手段として、セラミックスフィルタ
付き除塵装置1の塵を集めるホッパ部7に開口するガス
抜き管73とこのガス抜き管73に接続された小容量の
セラミックスフィルタ付き除塵装置1bが採用されてい
る。
【0109】図7の例では、セラミックスフィルタ付き
除塵装置1はいずれもチューブ型除塵装置1とされ、ボ
イラ本体101から排出される塵を含む燃焼ガスは、燃
焼ガス管110を通って、先ずチューブ型除塵装置1と
同じ圧力容器2内に組み込まれたルーバ除塵器24に流
入する。
【0110】ルーバ除塵器24で大部分の塵が除塵され
た含塵ガスの大部分は、チューブ型除塵装置1でさらに
除塵され、清浄ガスとなって清浄ガス出口12から配管
61を経てガスタービン120があるプラントの下流系
に送られる。
【0111】含塵ガスの一部、例えば9%は、チューブ
型除塵装置1のホッパ部7に接続されたガス抜き管73
から抜き出され、小容量のチューブ型除塵装置1bに送
られて除塵され、清浄ガスとなって清浄ガス出口12b
から同じく配管61を経てガスタービン120に送られ
る。
【0112】ルーバ除塵器24で捕集された大部分の塵
は塵排出管41を経て塵排出口40から系外に取り出さ
れる。この塵の中に未燃焼成分が多く含まれる場合に
は、配管77によりベッド材貯蔵容器104またはボイ
ラ本体101の流動床に送り込んで再燃焼させ、燃料効
率を高めるてやるのが好ましい。
【0113】また、チューブ型除塵装置1のフィルタ管
3上に堆積した塵は、逆洗によっててフィルタ管3から
離脱され、ブローダウンによる含塵ガスの流れと重力に
よってホッパ部7に集められ、塵排出口42から系外に
取り出される。図7の70は圧縮空気のタンク、71は
逆洗に使用される圧縮空気の制御弁、74は圧縮空気の
配管である。
【0114】小容量のチューブ型除塵装置1bにおいて
もブローダウン効果を得るため、そのホッパ部7bか
ら、第1段の除塵装置と同様にチューブ型除塵装置1b
に流入した含塵ガスの9%を抜き出すとすると、抜き出
されるガスの量はチューブ型除塵装置1に流入したガス
の0.81%になる。
【0115】チューブ型除塵装置1bでフィルタ管3b
に捕集され、ホッパ部7bに集められた塵は、塵排出口
42bから系外に取り出される。ホッパ部7bからガス
抜き管73bにより抜き出された含塵ガスは、この例で
は、空気エゼクタ75に送られ、圧縮空気配管74から
供給される圧縮空気によって与圧され、配管76により
チューブ型除塵装置1のガス入口室6に送り込まれる。
【0116】ガス抜き管73bから取り出された含塵ガ
スに含まれる塵の量が少ない場合、この含塵ガスを配管
78により配管61に合流させ、ガスタービン120に
送って発電に使用することも可能である。
【0117】この例の加圧流動床燃焼ボイラシステムに
おいても、図2と図5に示された例と同様に、加圧流動
床燃焼ボイラが過渡的状態にあって未燃焼成分を含む多
量の塵がチューブ型除塵装置1のガス導入口10に送ら
れてきても、フィルタ管が熱損傷するなどのトラブルな
く安定して運転でき、システムの設備費用についても節
減できるという効果が得られる。
【0118】図8は、図1の本発明による加圧流動床燃
焼ボイラシステムに組み込まれるセラミックスフィルタ
付き除塵装置の他の一例を示す縦断面図である。このセ
ラミックスフィルタ付き除塵装置1にはチューブ型除塵
装置が採用され、同装置内の圧力容器内には、ルーバ型
除塵器24、小容量のセラミックスフィルタ付き除塵装
置1bが収容されている。
【0119】つまり、この例のチューブ型除塵装置で
は、一部分のフィルタ管3が小容量のチューブ型除塵装
置1bのフィルタ管3bとして使用されている。図示さ
れていない加圧流動床燃焼ボイラから排出された高温の
含塵ガスは、図1の例と同様にガス導入口10から導入
され、先ずルーバ除塵器24に流入して除塵される。
【0120】ルーバ除塵器24で塵の多くが除塵された
含塵ガスは、ガス入口室6で分配されてフィルタ管3に
流入して濾過され、大部分が清浄ガスとなって清浄ガス
室9a、9b、9cに集められ、対応する清浄ガス出口
管11a、11b、11cと清浄ガス出口12から、図
示されてていないガスタービンが設けられたプラントの
下流系に送られる。
【0121】フィルタ管3の下端に取り付けられたスカ
ート15からホッパ部7に流入した一部の含塵ガス、例
えばガス導入口10から導入された含塵ガスの7%は、
フィルタ管3と平行に除塵室中に設けられた上昇管13
bに吸い込まれて除塵室内を上昇し、反転室45で向き
を下に変えて小容量の除塵器1bのフィルタ管3bに流
入して濾過され、清浄ガスとなって清浄ガス室9a、9
b、9cに入り、フィルタ管3により濾過された清浄ガ
スと合流する。
【0122】この例では、上昇管13bを耐熱金属製と
してあるが、上昇管13bにフィルタ管を使用すれば、
この部分でも含塵ガスの濾過がなされ、チューブ型除塵
装置をよりコンパクトに構成することができる。フィル
タ管3bの下端にはホッパ部7とは仕切られたホッパ部
7bとされており、ホッパ部7bには集めた塵を取り出
す排出口42bと、ホッパ部7bから含塵ガスを抜き出
すガス抜き管73bが取り付けられている。
【0123】ガス抜き管73bから抜き出される含塵ガ
スは、例えば、図7の例と同様に処理すればよい。ルー
バ除塵器24で分離された比較的粗くて未燃焼成分を多
く含む塵は、図1の例と同じく、塵排出口40からボイ
ラ本体またはベッド材貯蔵容器に戻し、燃料などの節減
を図り、処理する灰の量を減らすのが好ましい。
【0124】フィルタ管3、3bの表面に堆積した塵
は、図示されていない制御装置により自動的に設定され
た間隔で各清浄ガス室9a、9b、9cについて順に逆
洗を行い、フィルタ管3、3bの表面から離脱させてホ
ッパ部へ移し、フィルタ管3、3bを再生してその通気
圧損を低く保って除塵装置の除塵能力を確保する。ま
た、離脱した塵は重力とガス流によってホッパ部7に集
められる。
【0125】この例では、チューブ型除塵装置1、1b
の逆洗再生は、制御弁71a、71b、71cを順次短
時間開いて圧縮空気タンク70に貯めてある圧縮空気を
逆洗ノズル14a、14b、14cから噴出させ、清浄
ガス室9a、9b、9cに逆洗ガスを順次吹き込むこと
により、フィルタ管3、3bを同時に分け隔てなく行う
ので、逆洗に必要な圧縮ガスの制御弁の数を少なくで
き、これらの制御系を含め、逆洗系統を簡素化できる。
【0126】この例によれば、未燃焼成分を含む多量の
塵が除塵装置に導入されても、フィルタ管3、3bの熱
損傷が回避できるとともに、必要とされる圧力容器の数
と容積を少なくでき、両方のチューブ型除塵装置の間の
配管の全長を短くできるなどにより、圧力容器や配管の
表面から発散する熱エネルギーの量を減らすことがで
き、設備のコストも低減できる。
【0127】
【発明の効果】本発明による加圧流動床燃焼ボイラシス
テムとガスタービンを組み合わせた発電プラントでは、
加圧流動床燃焼ボイラから過渡的に未燃焼成分を含む多
量の塵が排出されてセラミックスフィルタ付き除塵装置
に到来することがあっても、前段のルーバ除塵器が、サ
イクロン除塵器のように塵をそのまま下流にオーバーフ
ローすることなく所定の除塵機能を保持し、未燃焼成分
を多く含む塵を優先的に除塵する。
【0128】このため、セラミックスフィルタ付き除塵
装置に流入する含塵ガス中の塵濃度が極端に増加するこ
とがなく、セラミックスフィルタに捕集される塵が燃え
にくいものとなっているので、セラミックスフィルタ上
に堆積した塵は燃えにくく、燃えても激しい燃焼を起こ
さないので、セラミックスフィルタが熱損傷してプラン
トに致命的なトラブルをもたらすことがない。
【0129】また、サイクロン除塵器の設置を省略した
ので、これらを収容するのに必要な大きいスペースを圧
力容器中に確保する必要がなく、使用する圧力容器の外
径や内容積を小さくでき、このために節減できる費用は
顕著に大きく、この分発電プラントの設備費を安くでき
る。
【0130】さらに、セラミックスフィルタ付き除塵装
置にエゼクタとガス通路などからなるブローダウン手段
を設けて除塵室中に含塵ガスの下向流を確保することに
より、セラミックスフィルタ上に堆積する塵の量を少な
くできる。このため、セラミックスフィルタ付き除塵装
置の高い濾過能力を保持できる他、未燃焼成分を含む塵
がセラミックスフィルタ上に堆積して発火したり、燃焼
してセラミックスフィルタが熱損傷する危険性を排除で
き、加圧流動床燃焼ボイラシステムの信頼性がさらに向
上する。
【0131】特に、ブローダウン手段にエゼクタとガス
通路を使用し、セラミックスフィルタ付き除塵装置をチ
ューブ型除塵装置とし、ホッパ部から抜き出した含塵ガ
スをチューブ型除塵装置のガス導入口付近に還流するよ
うにした構成では、加圧流動床燃焼ボイラシステムの圧
力容器をさらにコンパクト化でき、配管の全長を短くで
きるので、システムを構成する装置の表面から逃げる熱
エネルギーの量とシステムの設備コストをさらに低減で
きる。
【0132】また、ルーバ除塵器で捕集した未燃焼成分
を多く含む塵を加圧流動床燃焼ボイラに戻して燃やすこ
とにより、燃料効率が向上し、廃棄処分しなければなら
ない塵の量を少なくできる。従って、設備コストが安
く、環境面、効率面で優れた石炭利用技術の本格的な実
用化時期を早めると期待され、そのエネルギー産業にお
ける利用価値は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加圧流動床燃焼ボイラシステムの一例
の概要を示す系統図
【図2】本発明の加圧流動床燃焼ボイラシステムに使用
されるセラミックスフィルタ付き除塵装置の他の一例を
示す縦断面図
【図3】図2の”S”部分の拡大断面図
【図4】図2のA−A断面図
【図5】本発明の加圧流動床燃焼ボイラシステムに使用
されるセラミックスフィルタ付き除塵装置の他の一例を
示す縦断面図
【図6】図5のB−B断面図
【図7】本発明の加圧流動床燃焼ボイラシステムの他の
一例による発電プラントの概要を示す系統図
【図8】本発明の加圧流動床燃焼ボイラシステムに使用
されるセラミックスフィルタ付き除塵装置の他の一例を
示す縦断面図
【図9】従来の加圧流動床燃焼ボイラシステムのよる発
電プラントの一例の概要を示す系統図
【図10】従来の加圧流動床燃焼ボイラシステムによる
発電プラントの他の一例の概要を示す系統図
【符号の説明】
1:セラミックスフィルタ付き除塵装置(チューブ型除
塵装置、キャンドル型除塵装置) 1b:小容量のセラミックスフィルタ付き除塵装置 2、100:圧力容器 3、3b、36:フィルタ管(セラミックスフィルタ) 4:断熱材 5a、5b、5c、5d:管板 6:ガス入口室 7、7b:ホッパ部 9a、9b、9c:清浄ガス室 10:ガス導入口 11a、11b、11c:清浄ガス出口管 12、12b:清浄ガス出口 13:ガス通路 13a:フィルタ管を使用するガス通路 13b:上昇管 14a、14b、14c:逆洗ノズル 15:スカート 16:吸込み口 17:エゼクタ 18:ノズル 19:ディフューザの入口部 20:吸入口 21:ディフューザ 22:ラビリンスシール 23:ガイド管 24:ルーバ除塵器 26:ルーバ翼 27、28:仕切り 30:案内翼 31:キャンドル型除塵装置 37:除塵ユニット 38:清浄ガスヘッダ 40、42、42b:塵排出口 41:塵排出管 50:吊具 61:清浄ガス配管 70:圧縮空気タンク 71:制御弁 73、73b:ガス抜き管 74:圧縮空気配管 75:空気エゼクタ 76、77、78:配管 100:加圧流動床燃焼ボイラ 101:ボイラ本体 102、103:サイクロン除塵器 104:ベッド材貯蔵容器 110:燃焼ガス管 111:配管 120:ガスタービン 130:排熱ボイラ 140:バグフィルタ 150:煙突
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 勝美 神奈川県川崎市幸区塚越3丁目474番2号 旭硝子株式会社玉川分室内 (72)発明者 前野 裕史 神奈川県川崎市幸区塚越3丁目474番2号 旭硝子株式会社玉川分室内 (72)発明者 国高 哲也 東京都世田谷区新町1−31−4−204 (72)発明者 入谷 淳一 神奈川県茅ケ崎市茅ケ崎1−7−4−503 (72)発明者 後藤 秀樹 東京都調布市富士見町4−19−1−102

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼ガス系にセラミックスフィルタ付き除
    塵装置を備えた加圧流動床燃焼ボイラシステムであっ
    て、ボイラとセラミックスフィルタ付き除塵装置の間の
    前段除塵器としてルーバ除塵器が設けられていることを
    特徴とする加圧流動床燃焼ボイラシステム。
  2. 【請求項2】セラミックスフィルタ付き除塵装置の塵を
    集めるホッパ部から含塵ガスの一部を抜き出すブローダ
    ウン手段が設けられている請求項1に記載の加圧流動床
    燃焼ボイラシステム。
  3. 【請求項3】ルーバ除塵器で捕集された塵をボイラに還
    流する手段が設けられている請求項1または2に記載の
    加圧流動床燃焼ボイラシステム。
  4. 【請求項4】セラミックスフィルタ付き除塵装置とルー
    バ除塵器が同一圧力容器内に収容されている請求項1〜
    3のいずれか1つに記載の加圧流動床燃焼ボイラシステ
    ム。
  5. 【請求項5】セラミックスフィルタ付き除塵装置の塵を
    集めるホッパ部から含塵ガスの一部を抜き出すブローダ
    ウン手段がエゼクタとガス通路からなり、除塵装置に導
    入される含塵ガスが保有するエネルギーの一部をエゼク
    タで利用し、ホッパ部の含塵ガスの一部をエゼクタに接
    続されたガス通路から吸い込んでガス通路の他端から除
    塵装置のガス導入口付近へ還流するように構成されてい
    る請求項2〜4のいずれか1つに記載の加圧流動床燃焼
    ボイラシステム。
  6. 【請求項6】ルーバ除塵器、エゼクタおよびガス通路
    が、セラミックスフィルタ付き除塵装置と同一圧力容器
    内に収容されている請求項5に記載の加圧流動床燃焼ボ
    イラシステム。
  7. 【請求項7】ルーバ除塵器のルーバ翼群の外形が概ね円
    錐状に形成され、各ルーバ翼の間にディフューザが形成
    されているとともにルーバ翼群がガス通路を兼ねた複数
    のパイプによって貫通かつ支持され、各ルーバ翼の間の
    パイプによってガス流路が狭められた箇所のパイプの表
    面に含塵ガスの吸入口が形成されてエゼクタとされてい
    る請求項5または6に記載の加圧流動床燃焼ボイラシス
    テム。
  8. 【請求項8】ブローダウン手段が、セラミックスフィル
    タ付き除塵装置の塵を集めるホッパ部に開口するガス抜
    き管とガス抜き管に接続された小容量のセラミックスフ
    ィルタ付き除塵装置とで構成されている請求項2に記載
    の加圧流動床燃焼ボイラシステム。
  9. 【請求項9】ルーバ除塵器内の含塵ガスの流れが、概ね
    鉛直な下向きとされている請求項1〜8のいずれか1つ
    に記載の加圧流動床燃焼ボイラシステム。
  10. 【請求項10】セラミックスフィルタ付き除塵装置のセ
    ラミックスフィルタが、両端が開口した複数のフィルタ
    管であり、各フィルタ管が概ね鉛直に配設され、含塵ガ
    スがフィルタ管内を下向きに流れるように構成されてい
    る請求項1〜9のいずれか1つに記載の加圧流動床燃焼
    ボイラシステム。
  11. 【請求項11】セラミックスフィルタ付き除塵装置のセ
    ラミックスフィルタが、片端が閉じ片単が開口した複数
    のフィルタ管であり、各フィルタ管が清浄ガスヘッダに
    概ね鉛直に接続固定され、除塵装置の各フィルタ管が配
    設された除塵室内を含塵ガスが上方から下方に流れるよ
    うに構成されている請求項1〜9のいずれか1つに記載
    の加圧流動床燃焼ボイラシステム。
JP21970893A 1993-09-03 1993-09-03 加圧流動床燃焼ボイラシステム Pending JPH0771718A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003053738A (ja) * 2001-08-10 2003-02-26 Tlv Co Ltd 蒸気加硫装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003053738A (ja) * 2001-08-10 2003-02-26 Tlv Co Ltd 蒸気加硫装置
JP4624606B2 (ja) * 2001-08-10 2011-02-02 株式会社テイエルブイ 蒸気加硫装置

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