JPH0771715B2 - 対向型走間プレス装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、生産能率の向上を可能ならしめた対向型走間
プレス装置に関するものである。

［従来の技術］ 鋼片を成形する鋼片成形装置の一つとして対向型プレス
装置が知られている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、従来の対向型プレス装置は走間式ではな
いため、鋼片を圧下する金型は、鋼片の長手方向へ移動
することなく近接、離反動を単に繰返すようになってい
る。このため、圧下後の鋼片の位置は別途設けた送り装
置を駆動することによって変える必要があり、鋼片の送
り、停止を頻繁に繰返さなければならないため、送り装
置に大きな加減速が加わって機械寿命が短縮されると共
に作業能率が悪いという問題があった。

本発明は上述の実情に鑑み、機械寿命を長期化させると
共に生産能率を著しく向上させた対向型走間プレス装置
を提供することを目的としてなしたものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、鋼片の幅方向両側部に、偏心部を有する縦向
きのクランク軸を回転自在に配設し、該クランク軸の前
記偏心部に、鋼片幅方向へ向けて水平配置したコネクテ
ィングロッドを嵌合してコネクティングロッドユニット
を構成し、該コネクティングロッドユニットの先端に、
鋼片の幅方向側部に対向するよう金型が取付けられたス
ライドを連結し、前記鋼片の幅方向両側部に、鋼片の長
手方向へ往復移動し得るよう走行ガイドブロックを配設
し、該走行カイドブロックに前記スライドを鋼片の幅方
向側部に対し近接、離反し得るよう装着したものであ
る。

［作用］ クランク軸が回転するとコネクティングロッドユニット
は鋼片幅方向へ往復動するため、スライド及び金型も鋼
片幅方向へ往復動し、又、スライド及び金型は、走行ガ
イドブロットと共に鋼片長手方向へも往復動する。

このため、金型は、平面的に見て楕円軌道を描きつつ鋼
片の圧下が行われる。

この際、鋼片と金型は同期して移動しつつ鋼片の圧下が
行われるため、生産能率が向上し、又送り装置の頻繁な
起動、停止を行わなくともよいため機械寿命も長期化す
る。

［実 施 例］ 以下、本発明の実施例を添付図面を参照しつつ説明す
る。

第１図〜第５図は本発明の一実施例である。

鋼片１の両側に鋼片１を挾むようにしてハウジング２を
左右対称に立設し、ハウジング２の鋼片１長手方向前後
部に、左右のハウジング２を接続するよう鋼片１の幅方
向へ延び且つ正面から見ると額縁形状のハウジング３を
配設し、ハウジング2,3を鋼片１の幅方向へ延びるタイ
ボルト４及びナット５により締結して一体構造とする。

ハウジング２の上下部に形成した軸受収納部に第３図に
拡大して示すように軸受６を嵌合し、該軸受６に、縦向
きのクランク軸７を回転自在に支持せしめ、該クランク
軸７の上部をハウジング２の上部に形成した孔から上方
へ突出させてその上端にギア８を固着し、鋼片１の左右
両側所要位置に配設した電動機９の出力軸9aを、ベベル
ギア10,11及びピニオン12を備え且つハウジング2,3の左
右両側上面に搭載された減速機13の水平軸13aに接続
し、ピニオン12を前記ギア８に噛合し、左右の減速機13
の水平軸13aを左右の２本のクランク軸７が同期して回
転するようエコライザ軸14により連結する。

クランク軸７の軸受６に嵌合されている部分に対してｅ
だけ偏心している偏心部7aに、鋼片１側へ延びるコネク
ティングロッド15を軸受39を介して嵌合せしめ、該コネ
クティングロッド15の鋼片１側先端中空部に、ウォーム
17によって回転駆動し得るようにしたウォームホイール
16を第４図に拡大して示すように嵌合すると共にウォー
ムホイール16と一体形成されたナット18を嵌合せしめ、
スクリュー軸19をウォームホイール16中空部に嵌入する
と共に、スクリュー軸19の雄ねじ部をナット18の雌ねじ
部に螺着する。

ウォームホイール16を押えるようにコネクティングロッ
ド15の先端にリテーナ40を取付け、該リテーナ40のスク
リュー軸19が貫通する部分に図示してないキー41を取付
け、該キー41をスクリュー軸19のキー溝19aに摺動自在
に嵌合し、ウォーム17を駆動することによりウォームホ
イール16及びナット18が一体的に回転し、ナット18の回
転によりスクリュー軸19がキー41に案内されつつ軸線方
向へ直線的に進退動し、鋼片１に対して近接、離反し得
るようになっている。

前記ハウジング３のウインド部3aに、鋼片１の長手方向
へ延びる案内部材20を設け、該案内部材20に鋼片１の長
手方向へ往復移動し得るようにした走行ガイドブロック
21を嵌合せしめ、走行ガイドブロック21に、案内部材20
の側面に当接し走行ガイドブロック21の移動により転動
し得るようにした竪型の案内ローラ22を取付け、鋼片１
の長手方向に対し前後に位置する２つのハウジング３の
うち何れかのハウジング３に、第２図に示すようにブラ
ケット23を突設せしめ、該ブラケット23に軸線が鋼片１
の長手方向へ延びる送り用シリンダ24を配設し、該送り
用シリンダ24のピストンロッド24a先端を前記走行ガイ
ドブロック21に連結する。

走行ガイドブロック21に鋼片１の幅方向へ貫通する中空
部を設け、該中空部に鋼片１の幅方向へ摺動し得るよう
にしたスライド25を嵌合せしめ、該スライド25に鋼片１
を圧下成形するための金型26を着脱可能に装着し、スラ
イド25に前記スクリュー軸19側へ向って開口した中空部
を設け、該中空部に圧下成形時の衝撃を受けるための矩
形板状の圧力受板27及び外形が立方体状に形成され且つ
一面に半球状の孔が形成された球面座28を圧力受板27と
球面座28が面接触するよう嵌合せしめ、前記スクリュー
軸19の先端に一体的に固着した球状の球面圧力受け29を
スライド25に取付けた球面座28の半球状の孔に回動自在
に嵌合せしめ、鋼片１の圧下成形時に金型26に作用する
反力をスライド25、圧力受板27、球面座28、球面圧力受
け29、スクリュー軸19、ナット18、コネクティングロッ
ド15、軸受39、クランク軸７を介して軸受６に伝え、軸
受６により前記反力を支持し得るようになっている。而
して、コネクティングロッド15、ナット18、スクリュー
軸19、球面圧力受け29によりコネクティングロッドユニ
ット43が形成されている。（第４図参照）。

なお、球面圧力受け29を球状とし、球面座28の半球状の
孔に球面圧力受け29を摺動自在に嵌合させたのは、クラ
ンク軸７の偏心部7aにより、コネクティングロッド15が
鋼片１に対し進退動し、平面的に見て斜めになった場合
でも、スライド25を円滑に鋼片１に対し進退動させるた
めである。

ハウジング３の上下部に、平面形状が略Ｈ形状をし（第
２図参照）正面から見ると下方若しくは上方へ突出する
ガイド部30a,30b（第１図参照）を備えたフレーム30,31
を前後のハウジング３を跨ぐように装着し、該フレーム
30,31の上下面に縦型の押えロール用シリンダ32,33を台
43,44を介し取付け、該押えロール用シリンダ32,33のピ
ストンロッド32a,33a先端に、ガイド部30a,30bを通って
下方及び上方へ昇降自在に延びるロッド状のブラケット
34,35を連結し、該ブラケット34,35の下端及び上端に、
鋼片１を上下から押えるための水平な上下押えロール3
6,37を回転自在に支持せしめる。

なお、図中38は球面圧力受け29が球面座28から抜けない
よう押えるリテーナ、42は走行ガイドブロック21とスラ
イド25との間に介在するライナである。

上記構成であるから、圧下成形時にはウォーム17を駆動
してウォームホイール16を回転させる。そうると、ウォ
ームホイール16によってナット18が回転させられ、ナッ
ト18にはスクリュー軸19が螺着されているため、ナット
18の回転によりスクリュー軸19は鋼片１の幅方向へ進退
動し、このため、スライド25が走行ガイドブロック21に
対して摺動し、左右の金型26,26間の間隙が鋼片１の幅
寸法に対応した所定の間隙に調整される。又押えロール
用シリンダ32,33が作動されて上押えロール36が下降
し、下押えロール37が上昇して上下押えロール36,37の
間隙が調整される。

金型26,26間の間隙が調整され、鋼片１が上下押えロー
ル36,37によって押えられたら、電動機９を駆動すると
共に送り用シリンダ24を作動させ、さらに図示してない
送り装置を駆動して鋼片１を移動させる。そうすると、
減速機13のピニオン12を介してギア８が回転し、ギア８
の回転によりクランク軸７が回転し、クランク軸７の回
転により偏心部7aに嵌合されたコネクティングロッド15
が鋼片１に対して近接、離反する往復運動を行ない、従
って、コネクティングロッドユニット43が鋼片１に対し
て近接、離反する往復運動を行い、又同時に流体圧シリ
ンダ24により走行ガイドブロック21が鋼片１の長手方向
へ往復動する。このため、金型26は平面的に見ると第５
図に示すような楕円軌跡ａを描きつつ鋼片１の送り速度
と同期して回動し、鋼片１は移動しつつ、圧下成形され
る。

送り装置による鋼片１の送り速度は金型26の鋼片１移動
方向速度と同期させる必要があるが、金型26は鋼片１の
送り方向へ往復動できるため、いったん送り装置が駆動
されたら当該鋼片１全体の圧下が終了するまでは送り装
置を停止させる必要がない。このため、送り装置の起
動、停止が頻繁に行われることはなく、機械寿命が長期
化する。又金型26は圧下成形時鋼片１を挾持するから、
特別な送り装置は設けず、金型26により鋼片１を引張り
移動させるようにすることもできる。

上述のように、鋼片１を移動させつつ圧下成形すれば、
生産能率は飛躍的に向上すると共に急激な鋼片の送り、
停止の繰返しがないため機械に無理が生じず、安定した
プレスが可能となる。

なお、本発明の実施例では、走行ガイドブロックの移動
は流体圧シリンダによる直動式の場合について説明した
が、直動式の他に電動機によってレバー機構を駆動する
方式としても実施し得ること、走行ガイドブロックを停
止させて圧下成形することも可能であること、その他、
本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得る
こと、等は勿論である。

［発明の効果］ 本発明の対向型走間プレス装置によれば、鋼片と金型を
同期させて移動させつつ圧下成型ができるため、生産能
率が著しく向上し、又送り装置の頻繁な起動、停止が不
要となるため、機械寿命が長期化するという優れた効果
を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の対向型走間プレス装置の一実施例を示
し、中心線から右側は表面構造を表わし中心線から左側
は内部構造を表わす正面図であり、第２図のＩ−Ｉ方向
矢視図、第２図は第１図のII−II方向矢視図、第３図は
第１図のIII−III方向拡大矢視図、第４図は本発明の対
向型走間プレス装置におけるコネクティングロッドから
金型に至る部分の拡大縦断面図、第５図は本発明の対向
型走間プレス装置により圧下成形を行う場合の金型の移
動軌跡の平面図である。 図中、１は鋼片、７はクランク軸、15はコネクティング
ロッド、21は走行ガイドブロック、25はスライド、26は
金型、43はコネクティングロッドユニットを示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】鋼片の幅方向両側部に、偏心部を有する縦
   向きのクランク軸を回転自在に配設し、該クランク軸の
   前記偏心部に、鋼片幅方向へ向けて水平配置したコネク
   ティングロッドを嵌合してコネクティングロッドユニッ
   トを構成し、該コネクティングロッドユニットの先端
   に、鋼片の幅方向側部に対向するよう金型が取付けられ
   たスライドを連結し、前記鋼片の幅方向両側部に、鋼片
   の長手方向へ往復移動し得るよう走行ガイドブロックを
   配設し、該走行カイドブロックに前記スライドを鋼片の
   幅方向側部に対し近接、離反し得るよう装着したことを
   特徴とする対向型走間プレス装置。