JPH0770821A - 織物用高収縮ポリエステル系繊維 - Google Patents

織物用高収縮ポリエステル系繊維

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JPH0770821A
JPH0770821A JP5222532A JP22253293A JPH0770821A JP H0770821 A JPH0770821 A JP H0770821A JP 5222532 A JP5222532 A JP 5222532A JP 22253293 A JP22253293 A JP 22253293A JP H0770821 A JPH0770821 A JP H0770821A
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JP
Japan
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fiber
woven fabric
polyester
yarn
polyester fiber
Prior art date
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Pending
Application number
JP5222532A
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English (en)
Inventor
Masumi Goto
真澄 後藤
Tsutomu Chiyajima
勉 茶島
Toshio Yamahata
寿夫 山畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 紡糸直接延伸法によって得られたポリエステ
ル系繊維でありながら、従来の紡糸別延伸で得られる繊
維を用いた長繊維織物と同等の加工条件で同等の風合い
を得ることのできる織物用のポリエステル系繊維を提供
する。 【構成】 エチレンテレフタレート系ポリエステルを溶
融紡糸し、紡出糸条を引取りローラーで引取った後、一
旦捲取ることなく少なくとも延伸、熱処理のいずれかの
手段を経て捲き取ったポリエステル系繊維であり、繊維
の固有粘度が0.65以下で、熱収縮応力の開始温度が
65℃以下にして応力のピークが0.35g/d以上と
高く、沸水収縮率が12%以上と高い点に特徴がある織
物用ポリエステル繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル系繊維、
さらには熱収縮応力が高く、混繊糸の高収縮繊維等に用
いられる織物用高収縮ポリエステル繊維に関する。
【0002】更に詳しくは、紡糸直接延伸法(スピンド
ロー:SPD)によって得られたポリエステル系繊維で
ありながら従来の紡糸別延伸で得られる繊維を用いた長
繊維織物と同等の加工条件で同等の風合いを得ることの
できる織物用のポリエステル繊維に関するものである。
【0003】
【従来の技術】ポリエステル系繊維は、その特性を生か
し衣料用途の他幅広く活用されている。特に、近年の新
合繊ブームに支えられてその生産量は、今もって増加し
ている。一方で、生産性、労働力不足からの省力化、自
動化のために、従来の紡糸、延伸の2工程方式から、紡
糸後一旦捲取ることなく延伸する生産方式への転換が盛
んにおこなわれている。(スピンドロー方式)この方式
は、ゴム補強用繊維をはじめとする魚網、ミシン糸、ロ
ープ、ホース等の産業資材用分野のみならず、衣料用分
野にも拡大されている。一方、直接紡糸延伸法は、生産
性の向上をはかるのが目的であるために、最近では捲取
りの最終速度が6000m/min以上の高速にまで至
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高速化
にともない、熱セット時間の確保、捲取り技術の高難度
化等の問題が発生し、従来公知の捲取条件をそのまま採
用すれば、特に従来の紡糸、延伸二工程で得られた糸
(パーン糸)に比べて品質的に差が大きい問題が、後工
程で発生している。例えば、経糸に使用した場合、パー
ン糸に比べ製品の膨らみが不足し、薄く手持ち感の乏し
い織物にしか仕上がらないなどの風合い面での差などが
挙げられる。この発明は上述した高速化に伴う糸品質低
下の問題点を解決したものであり、優れた風合いを持っ
たポリエステル系長繊維織物を、紡糸後一旦捲取ること
なく延伸する生産方式で提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、原糸特性
と風合いの差について鋭意検討した結果、原糸の収縮特
性の差が風合い差の主因であり、これを直接紡糸延伸法
で得た繊維であっても、特定の構造を持ち、しかも特定
の収縮挙動を持った繊維であれば従来の2工程で得られ
た繊維と同等の加工条件でも同等の風合いを持つ長繊維
織物が得られることを見いだし本発明に至った。
【0006】上記課題を解決するための手段、即ち本発
明は、主たる繰返し単位がエチレンテレフタレートであ
るポリエステルを溶融紡糸し、紡出糸条を引取りローラ
ーで引取った後、一旦捲取ることなく少なくとも延伸、
熱処理のいずれかの手段を経て捲取ったポリエステル系
繊維であり、下記 〜 の特性を満足することを特徴と
する織物用高収縮ポリエステル系繊維である。 (1) 繊維の固有粘度〔η〕0.65以下 (2) 繊維の熱収縮応力の開始温度 65℃以下 (3) 繊維の熱収縮応力のピーク応力 σmax
0.35g/d 以上 (4) 繊維の沸水収縮率 SHW 12%以上 (5) 繊維の熱収縮率特性値 RSH16 3%以上
【0007】ここで、熱収縮率特性値RSH16とは、
繊維を10%リラックスのもとで150℃×5秒の熱処
理を施した後の160℃乾熱収縮率を示す。
【0008】本発明でいうポリエステル系繊維とは、全
構成単位の少なくとも80%以上がエチレンテレフタレ
ートであるポリエステルであり、特にテレフタル酸また
はその機能的誘導体とエチレングリコールまたはエチレ
ンオキサイドとから製造されるポリエステルテレフタレ
ートを主なる対象とするが、酸成分としてテレフタル酸
またはその機能的誘導体のほかに20モル%未満、好ま
しくは10モル%未満のイソフタル酸、アジピン酸、セ
バチン酸、アゼライン酸、ナフタール酸、P−オキシ安
息香酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、ビス(P−カ
ルボキシフェノキシ)エタン、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、3,5−ジ(カルボメトキシ)ベンゼンスル
ホン酸塩またはそれらの機能的誘導体を加えるか、もし
くはグリコール成分として、エチレングリコールの他ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−
ブタジオール、1,4−ヒロキシメチルシクロヘキサン
等の2価アルコールを加えた共重合体であってもよい。
また、例えば難燃性を付与するための芳香族ポリホスホ
ネートを加えた共重合体であってもよい。
【0009】本発明のポリエステル系繊維は、従来の二
工程で得られた糸(パーン糸)と同等以上の織物品質を
得るためには、固有粘度〔η〕が0.65以下であるこ
とが好ましい。
【0010】本発明のポリエステル系繊維は、繊維の熱
収縮応力のピーク応力σmaxが0.35g/d以上が必
要である。ここで熱収縮応力のピーク応力σmaxが
0.35g/d 未満の場合にあっては織物にした場合の特
徴である巾入れ(丈入れとも言う)による風合いを得る
ことが出来ず、手持ち感の乏しい織物となってしまうの
で好ましくない。
【0011】本発明のポリエステル系繊維は熱収縮応力
の開始温度が65℃以下であることが、目的とする織物
の風合を得る上で好ましい。ここで65℃を越える場合
にあっては、織物としたときに収織のバランスが悪くな
り、風合いが劣るので好ましくない。
【0012】本発明のポリエステル繊維は、繊維の沸水
収縮率は12%以上が必要である。12%未満では、織
物の丈、巾入れ特にリラックス工程等の最初に丈、巾入
れが必要な工程での縮みが不足し、風合いの乏しい織物
となってしまう。
【0013】本発明のポリエステル繊維は、繊維の熱収
縮率特性値(RSH16)が3%以上であることが、必
要である。通常、織物を仕上げていくには、例えば、リ
ラックス→プレセット→減量→染色→仕上げといった工
程を通過するが、最終の丈、巾とするために各工程でコ
ントロールする必要がある。これは、シワ等の工程での
トラブルを防止するためである。繊維の熱収縮率特性値
(RSH16)は工程通過時の挙動を適正化するための
メジャーであり、この値が3%未満であれば、最終の
丈、巾入れが不十分となり、風合いの乏しい織物となっ
てしまうので好ましくない。
【0014】次に、本発明繊維の製造方法の一例につい
て述べる。本発明の繊維の製造にあたっては、先ず、溶
融されたポリマーを紡糸口金から吐出し冷却、固化され
た糸条を油剤付与し引取りローラで引取る。この際に油
剤付与後引取りローラまでの間に油剤のマイグレーショ
ンをよくするために、実質的に交絡の付与されないイン
ターレースを設置することも可能である。引取られた糸
条は、捲取られることなく延伸され、熱セットされる。
更に、この糸条の配向を緩和させることなく糸温度をガ
ラス転移温度以下に冷却した後張力をコントロールして
捲取る。
【0015】かかる製糸工程において、本発明の織物に
もちいる繊維を得るには、以下に示す方法を採用するこ
とが大切である。すなわち、冷却、固化された糸条を油
剤付与し引取りローラで引取る際の速度は繊維の熱収縮
率特性値(RSH16)に大きく影響を与えるので、繊
維の熱収縮率特性値(RSH16)を3%以上とする速
度にする必要がある。特に限定するものではないが、紡
糸中の結晶化(配向結晶化)が発生するまでの速度が望
ましい。好ましくは、引取り速度は3500m/min
以下、更に好ましくは2800m/min以下が良い。
【0016】この糸条を延伸するには、延伸前の糸条に
熱を付与することが望ましく特に限定するものではない
が、ガラス転移温度以上であることが染むら、品位の点
から必要であり、好ましくは、70℃〜100℃の間で
銘柄により適正温度と設定すべである。70℃未満で
は、延伸点が固定されがたく、また100℃を越えると
ローラ上での糸揺れが大きくなり染むら、品位の悪化だ
げでなく、糸切れの増加にもつながり好ましくない。
【0017】次に、加熱された糸条を延伸し、熱セット
を施す。延伸は、必要な強伸度を得るために調整され、
更に、必要な収縮挙動を得るために調整される。特に、
熱セットは温度だけでなく、時間も重要なポイントであ
り、特に限定するものではないが、0.01〜0.1秒
付与することが好ましい。この時間未満では染むら等の
品位が悪くなるので好ましくない。
【0018】熱セットされた糸条を配向緩和させること
なく糸温度をガラス転移点以下にすることが、高熱収縮
応力を得るために必須である。特に限定するものではな
いが、例えば、熱セットローラの後に、更に加熱ローラ
を設置し、両ローラの速度を同一とし、設置ローラの温
度をガラス転移点以下の温度に設定することにより糸条
の温度をガラス転移点以下の温度する。ここで、設置ロ
ーラを設置しない場合、あるいは、ガラス転移点以上の
温度では、捲取りの際に、パッケージの形状の調整のた
めに張力を下げて捲取る必要があるために、配向緩和が
著しくなり高熱収縮応力の繊維を得られなくなる。
【0019】
【実施例】以下に、実施例をあげて本発明を詳述する。
なお、本発明の評価における測定値は以下の方法で測定
した。
【0020】(固有粘度)フェノール/テトラクロロエ
タン 60/40の混合溶液を用い30℃で測定する。
【0021】(収縮応力)収縮応力とは、以下の測定方
法で測定される、温度〜収縮応力のカーブの中で、最も
高い応力値(ピーク応力)を言い、以下の測定方法で測
定される。熱応力測定機(例えば、SII製TMA/S
S100)とこれに連動した記録装置を用いて測定す
る。測定する試料は全デニールが75〜125dの範囲
に入るように引き揃えチャック間が2cmの長さになる
ように両端を挟み込み熱応力測定機にセットする。試料
にデニールあたり1/30gの初荷重を掛け定長に保ち
ながら室温〜300℃まで昇温速度20℃/分で昇温す
る。この際に発生する応力を記録し、最大応力点(ピー
ク応力)を読み取る。また、応力発生始める温度を開始
時間として読み取る。
【0022】 (沸水収縮率:SHW)JIS−L10
13に準じて測定する。
【0023】(熱収縮率特性値:RSH16)繊維を延
撚機等を用いて、10%リラックスのもとで150℃×
5秒熱処理を施した後、160℃乾熱下での乾熱下での
乾熱収縮率をJIS−1013に準じて測定する。
【0024】実施例1〜6,比較例1〜7 固有粘度(η)が0.635のポリエチレンテレフタレ
ートを紡糸温度280℃で押出し、表1に示す条件を用
いて30d/18fの完成糸を得た。得られた糸の物性
を表2に示す。ここで用いたローラのレイアウトを図1
および図2に示す。尚表1に示したローラーのレイアウ
トの欄の番号1は図1を示し、番号2は図2を示す。次
に、得られた繊維と30d/18fの低収縮糸を混繊
し、500T/mの撚りを加えた後、糊付け、整経し経
糸とした。緯糸に75d/72fの強撚糸を用い生機と
し、120℃の湿熱下でのリラックス、190℃の乾熱
下でのプレセット、減量染色を経た後に、仕上げ加工し
て織物を得た。この織物の緯糸密度、風合いを表2に示
す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】かくして得られた本発のスピンドロー方式
で得られた糸(SPD糸)は、熱セット時間の確保等の
理由から通常最終ローラは加熱ローラであり、しかも、
その温度は他のローラに比べて最も高く設定されてい
る。一方、捲取りの観点からは、捲取り速度を考慮し
て、比較的低テンションで捲取られる。このため、通常
は、捲取り速度を最終ローラの速度より遅くしてテンシ
ョンをコントロールしている。実質的に、最終ローラで
リラックスを受けることになり、非晶部の配向が緩和さ
れていた。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、高い熱収縮応力を有す
る繊維が得られると共に、後加工工程での収縮特性をコ
ントロールすることにより、スピンドロー方式でも、従
来の2工程で得られた繊維と同一の工程条件でも優れた
風合いを持つ織物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いたローラのレイアウトを
示す図である。
【図2】本発明の実施例に用いたローラのレイアウトを
示す図である。
【符号の説明】
1はノズル、2はGR1、3はGR2、4はGR3を示
す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる繰返し単位がエチレンテレフタレ
    ートであるポリエステルを溶融紡糸し、紡出糸条を引取
    りローラーで引取った後、一旦捲取ることなく少なくと
    も延伸、熱処理のいずれかの手段を経て捲き取ったポリ
    エステル系繊維であり、下記(1)〜(5)の特性を満
    足することを特徴とする織物用高収縮ポリエステル系繊
    維。 (1) 繊維の固有粘度〔η〕0.65以下 (2) 繊維の熱収縮応力の開始温度 65℃以下 (3) 繊維の熱収縮応力のピーク応力 σmax
    0.35g/d 以上 (4) 繊維の沸水収縮率 SHW 12%以上 (5) 繊維の熱収縮率特性値 RSH16 3%以上
JP5222532A 1993-09-07 1993-09-07 織物用高収縮ポリエステル系繊維 Pending JPH0770821A (ja)

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