JPH0770422B2 - 改善された油浸コンデンサ− - Google Patents
改善された油浸コンデンサ−Info
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- JPH0770422B2 JPH0770422B2 JP21865486A JP21865486A JPH0770422B2 JP H0770422 B2 JPH0770422 B2 JP H0770422B2 JP 21865486 A JP21865486 A JP 21865486A JP 21865486 A JP21865486 A JP 21865486A JP H0770422 B2 JPH0770422 B2 JP H0770422B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、改良された物性を有するエチルベンゼン製造
時に副生する副生留分を含浸してなる油浸コンデンサー
に関する。
時に副生する副生留分を含浸してなる油浸コンデンサー
に関する。
[従来技術とその問題点] ベンゼンにエチレンを、アルキル化触媒により導入して
エチルベンゼンを製造する際に、1,1−ジフェニルエタ
ンを含む重質な副生油が生成することは、例えば、特開
昭54−23088号公報により知られている。しかしなが
ら、同公報では、1,1−ジフェニルエタン(沸点270℃)
よりも高沸点である275〜420℃の温度範囲に沸点を有す
る副生油留分が電気絶縁油として有用であるとしてい
る。
エチルベンゼンを製造する際に、1,1−ジフェニルエタ
ンを含む重質な副生油が生成することは、例えば、特開
昭54−23088号公報により知られている。しかしなが
ら、同公報では、1,1−ジフェニルエタン(沸点270℃)
よりも高沸点である275〜420℃の温度範囲に沸点を有す
る副生油留分が電気絶縁油として有用であるとしてい
る。
本発明者らは、上記公報に記載された留分よりも低沸点
の留分を蒸留により回収し、ポリプロピレンを用いた油
浸コンデンサーに含浸するも、必ずしも優れた特性のコ
ンデンサーが得られないことを見出した。この理由は明
らかでないが、上記のエチルベンゼン製造時の副生油
は、副生物であることに起因して、1,1−ジフェニルエ
タンの他に必らず種々の分析不可能な化合物を含有して
いる。これらの分析不可能な化合物の種類およびその量
は一定せず、しかも、これらの化合物および1,1−ジフ
ェニルエタンは、互いに沸点が、近接または重複してい
る。すなわち、蒸留では純粋な1,1−ジフェニルエタン
を回収することは不可能である。
の留分を蒸留により回収し、ポリプロピレンを用いた油
浸コンデンサーに含浸するも、必ずしも優れた特性のコ
ンデンサーが得られないことを見出した。この理由は明
らかでないが、上記のエチルベンゼン製造時の副生油
は、副生物であることに起因して、1,1−ジフェニルエ
タンの他に必らず種々の分析不可能な化合物を含有して
いる。これらの分析不可能な化合物の種類およびその量
は一定せず、しかも、これらの化合物および1,1−ジフ
ェニルエタンは、互いに沸点が、近接または重複してい
る。すなわち、蒸留では純粋な1,1−ジフェニルエタン
を回収することは不可能である。
更に、蒸留によりある沸点の留分を回収する場合、その
留分の沸点は、留出の温度をもって示される。しかる
に、実際には蒸留の条件、例えば、蒸留装置の理論段
数、還流比、ボトム温度などの塔内温度分布、留出量な
どの諸蒸留因子により、たとえ留出温度、すなわち留分
の沸点が同一であっても、その留分中に含まれる成分の
種類および量は大幅に変わり得るものである。
留分の沸点は、留出の温度をもって示される。しかる
に、実際には蒸留の条件、例えば、蒸留装置の理論段
数、還流比、ボトム温度などの塔内温度分布、留出量な
どの諸蒸留因子により、たとえ留出温度、すなわち留分
の沸点が同一であっても、その留分中に含まれる成分の
種類および量は大幅に変わり得るものである。
このような事情に鑑み、本発明の目的は、エチルベンゼ
ン製造時に副生する特定の副生油留分を含浸してなる特
性が改善された油浸コンデンサーを提供することにあ
る。
ン製造時に副生する特定の副生油留分を含浸してなる特
性が改善された油浸コンデンサーを提供することにあ
る。
[発明の構成] すなわち、本発明は、アルキル化触媒により、ベンゼン
をエチレンでアルキル化することによりエチルベンゼン
を製造する際に副生する重質な副生油から、C13NMR法で
測定したスペクトルの化学シフトとしての、120〜155pp
mにおける面積強度が、スペクトルの全面積強度(0〜1
55ppm)に対して80%以上の割合となるように、減圧下
に精密蒸留することにより回収した、留出温度が268〜2
75℃(常圧換算)の範囲にある留分を含浸してなる、誘
電体としてポリプロピレンフィルムを用いた油浸コンデ
ンサーに関するものである。
をエチレンでアルキル化することによりエチルベンゼン
を製造する際に副生する重質な副生油から、C13NMR法で
測定したスペクトルの化学シフトとしての、120〜155pp
mにおける面積強度が、スペクトルの全面積強度(0〜1
55ppm)に対して80%以上の割合となるように、減圧下
に精密蒸留することにより回収した、留出温度が268〜2
75℃(常圧換算)の範囲にある留分を含浸してなる、誘
電体としてポリプロピレンフィルムを用いた油浸コンデ
ンサーに関するものである。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
アルキル化触媒により、ベンゼンをエチレンによってア
ルキル化しエチルベンゼンを製造する方法は、スチレン
モノマーの原料の製造方法として工業的に大規模に実施
されている。本発明の副生油は、かかるエチルベンゼン
の製造時に副生する副生油から得られるものである。
ルキル化しエチルベンゼンを製造する方法は、スチレン
モノマーの原料の製造方法として工業的に大規模に実施
されている。本発明の副生油は、かかるエチルベンゼン
の製造時に副生する副生油から得られるものである。
更に詳しく説明すると、ベンゼンとエチレンとを反応さ
せるためには、通常の液相アルキル化法または気相アル
キル化法が用いられる。液相アルキル化法の場合には、
塩化アルミニウムなどのフリーデル・クラフツ触媒およ
び硫酸、p−トルエンスルホン酸、フッ化水素酸などの
ブレンステッド酸などが用いられ、気相アルキル化法で
は、合成ゼオライト、例えば、ZSM−5や、適宜の担体
に担持したリン酸などが用いられる。反応温度は、液相
アルキル化法では通常20〜175℃、気相アルキル化法で
は250〜450℃の範囲内で選択される。
せるためには、通常の液相アルキル化法または気相アル
キル化法が用いられる。液相アルキル化法の場合には、
塩化アルミニウムなどのフリーデル・クラフツ触媒およ
び硫酸、p−トルエンスルホン酸、フッ化水素酸などの
ブレンステッド酸などが用いられ、気相アルキル化法で
は、合成ゼオライト、例えば、ZSM−5や、適宜の担体
に担持したリン酸などが用いられる。反応温度は、液相
アルキル化法では通常20〜175℃、気相アルキル化法で
は250〜450℃の範囲内で選択される。
上記の反応により、未反応ベンゼン、目的物たるエチル
ベンゼン、ポリエチルベンゼンおよびより重質な副生油
からなるアルキル化生成物が得られる。このアルキル化
生成物について、必要に応じて常法に従い触媒を除去
し、中和、水洗を行なう。次に、未反応ベンゼン、エチ
ルベンゼン、ポリエチルベンゼンを留去することによ
り、本発明の方法に供する副生油が得られる。
ベンゼン、ポリエチルベンゼンおよびより重質な副生油
からなるアルキル化生成物が得られる。このアルキル化
生成物について、必要に応じて常法に従い触媒を除去
し、中和、水洗を行なう。次に、未反応ベンゼン、エチ
ルベンゼン、ポリエチルベンゼンを留去することによ
り、本発明の方法に供する副生油が得られる。
この副生油にはタール状物質等が含まれていること、お
よび後述の蒸留を容易にするために、あらかじめ減圧蒸
留により、粗蒸留を行ない、目的とする留分を含むより
広い温度範囲の留分を得る。これを更に後記の条件に従
い蒸留する。この粗蒸留により得られる留分は、目的と
する留分を含むものであれば特に限定されないが、例え
ば、留出温度は255〜420℃(常圧換算)の範囲から選択
される。
よび後述の蒸留を容易にするために、あらかじめ減圧蒸
留により、粗蒸留を行ない、目的とする留分を含むより
広い温度範囲の留分を得る。これを更に後記の条件に従
い蒸留する。この粗蒸留により得られる留分は、目的と
する留分を含むものであれば特に限定されないが、例え
ば、留出温度は255〜420℃(常圧換算)の範囲から選択
される。
上記副生油から、留出温度が268〜275℃(常圧換算)の
範囲にある留分を蒸留により回収する。
範囲にある留分を蒸留により回収する。
この蒸留は、得られた留分についてC13NMR法で測定した
スペクトルの、化学シフトとしての120〜155ppmにおけ
る面積強度が、スペクトルの全面積強度(0〜155ppm)
に対して80%以上の割合になるように、減圧下に精密蒸
留を行なうことが肝要である。
スペクトルの、化学シフトとしての120〜155ppmにおけ
る面積強度が、スペクトルの全面積強度(0〜155ppm)
に対して80%以上の割合になるように、減圧下に精密蒸
留を行なうことが肝要である。
上記のようにして蒸留して得た副生油留分を含浸した油
浸コンデンサーが優れた特性を有する理由は明らかでは
ない。しかしながら、前述の如くエチルベンゼン製造時
に副生する副生油中には、1,1−ジフェニルエタンと沸
点が近接しあるいは重複する分析不可能な化合物が共存
するが、C13NMR法による面積強度の割合を特定すること
により、これら分析不可能な化合物同士あるいは、これ
らと1,1−ジフェニルエタンとの相乗作用により、1,1−
ジフェニルエタンを単独で含浸させてなる油浸コンデン
サーと同等あるいはそれ以上の特性の優れた油浸コンデ
ンサーが得られるものと考えられる。
浸コンデンサーが優れた特性を有する理由は明らかでは
ない。しかしながら、前述の如くエチルベンゼン製造時
に副生する副生油中には、1,1−ジフェニルエタンと沸
点が近接しあるいは重複する分析不可能な化合物が共存
するが、C13NMR法による面積強度の割合を特定すること
により、これら分析不可能な化合物同士あるいは、これ
らと1,1−ジフェニルエタンとの相乗作用により、1,1−
ジフェニルエタンを単独で含浸させてなる油浸コンデン
サーと同等あるいはそれ以上の特性の優れた油浸コンデ
ンサーが得られるものと考えられる。
なお、前記C13NMR法による面積強度の割合の上限値は特
に限定されないが、副生油が蒸留のみでは完全に分離す
ることが不可能な多数の化合物を含有しているので、通
常は86%以下である。
に限定されないが、副生油が蒸留のみでは完全に分離す
ることが不可能な多数の化合物を含有しているので、通
常は86%以下である。
前記の如く、エチルベンゼンの副生油には、測定不可能
な種々の化合物が含まれている。これらの化合物の中に
は、より高温に加熱されると、重合、分解あるいは異性
化などの反応を起こすものがあり、また、副生油自体は
重質で沸点が高い。従って、副生油を蒸留する際には減
圧下で行なうことが必要であり、常圧蒸留では前記の面
積強度の割合が80%には到達せず、またたとえ到達した
としても極めて物性の劣るものしか得られない。減圧度
は200mmHg以下、好ましくは50mmHg以下であれば十分で
ある。必要以上に高度に減圧することは不経済である。
精密蒸留は連続式でもあるいは回分式もよく、また単塔
あるいは複数塔の精密蒸留装置で行なうことができる。
蒸留操作を支配する因子、例えば、蒸留塔の理論段数、
還流比、ボトム温度などの塔内温度分布、留出量、その
他の因子を適宜に調節し、前記条件に適合するように操
作を行なう。通常、理論段数は10段以上、好ましくは20
段以上の精密蒸留装置を用いることが必要である。
な種々の化合物が含まれている。これらの化合物の中に
は、より高温に加熱されると、重合、分解あるいは異性
化などの反応を起こすものがあり、また、副生油自体は
重質で沸点が高い。従って、副生油を蒸留する際には減
圧下で行なうことが必要であり、常圧蒸留では前記の面
積強度の割合が80%には到達せず、またたとえ到達した
としても極めて物性の劣るものしか得られない。減圧度
は200mmHg以下、好ましくは50mmHg以下であれば十分で
ある。必要以上に高度に減圧することは不経済である。
精密蒸留は連続式でもあるいは回分式もよく、また単塔
あるいは複数塔の精密蒸留装置で行なうことができる。
蒸留操作を支配する因子、例えば、蒸留塔の理論段数、
還流比、ボトム温度などの塔内温度分布、留出量、その
他の因子を適宜に調節し、前記条件に適合するように操
作を行なう。通常、理論段数は10段以上、好ましくは20
段以上の精密蒸留装置を用いることが必要である。
ここでC13NMR法による測定法を説明する。測定温度は通
常常温である。測定すべき試料としての留分は、濃度10
〜20容量%となるように測定溶媒である重水素化クロロ
ホルムに溶解させる。測定周波数は適宜変えられるが、
例えば、67.MHzである。得られたC13NMRスペクトルにお
いてテトラメチルシランを基準とした化学シフトが120
〜155ppmの間の面積強度を求めて、この値の、溶媒を除
く全スペクトル(0〜155ppm)の面積強度を合成した全
面積強度に対する割合(%)を求める。この値の小数点
以下1桁目は四捨五入する。測定の際は定量性を高める
ために、通常、核オーバーハウザー効果を消去したプロ
トン完全デカップリング法により測定する。
常常温である。測定すべき試料としての留分は、濃度10
〜20容量%となるように測定溶媒である重水素化クロロ
ホルムに溶解させる。測定周波数は適宜変えられるが、
例えば、67.MHzである。得られたC13NMRスペクトルにお
いてテトラメチルシランを基準とした化学シフトが120
〜155ppmの間の面積強度を求めて、この値の、溶媒を除
く全スペクトル(0〜155ppm)の面積強度を合成した全
面積強度に対する割合(%)を求める。この値の小数点
以下1桁目は四捨五入する。測定の際は定量性を高める
ために、通常、核オーバーハウザー効果を消去したプロ
トン完全デカップリング法により測定する。
上記の如くして得られた留分は、必要に応じて精製した
後、常法に従いコンデンサーに含浸する。
後、常法に従いコンデンサーに含浸する。
本発明のコンデンサーは、誘電体としてポリプロピレン
フィルムのみを用い、導電層としての金属箔、例えば、
アルミニウム箔と共に巻回されてなるものであり、コン
デンサー素子に前記のようにして得た副生油留分を含浸
することによって油浸コンデンサーを製造する。なお、
金属化ポリプロピレンフィルムを巻回してなる油浸コン
デンサーも本発明の油浸コンデンサーに包含される。
フィルムのみを用い、導電層としての金属箔、例えば、
アルミニウム箔と共に巻回されてなるものであり、コン
デンサー素子に前記のようにして得た副生油留分を含浸
することによって油浸コンデンサーを製造する。なお、
金属化ポリプロピレンフィルムを巻回してなる油浸コン
デンサーも本発明の油浸コンデンサーに包含される。
[発明の効果] 本発明において使用する前記副生油留分は、プラスチッ
クフィルム、特にポリプロピレンなどのポリオレフィン
フィルムを誘電体として用いる油浸コンデンサーに含浸
させた場合、コンデンサーを格段に小型化できるので極
めて経済的である。
クフィルム、特にポリプロピレンなどのポリオレフィン
フィルムを誘電体として用いる油浸コンデンサーに含浸
させた場合、コンデンサーを格段に小型化できるので極
めて経済的である。
以下に実施例により本発明を更に説明する。
[実施例] (ベンゼンのアルキル化) 塩化アルミニウム触媒を使用し、液相アルキル化法によ
り、ベンゼンをエチレンでアルキル化することによって
エチルベンゼンを製造する工程から、未反応ベンゼン4
3.0重量%、エチルベンゼン11.8重量%、ポリエチルベ
ンゼン18.3重量%およびより重質な副生油7.6重量%か
らなるアルキル化生成物を得た。蒸留によりアルキル化
生成物から、未反応ベンゼン、エチルベンゼンおよびポ
リエチルベンゼンを留去した。残留分である副生油は黒
色の粘性物であった。これを減圧下(10mmHg)で留出温
度範囲255〜420℃(常圧換算)の留分を回収した。
り、ベンゼンをエチレンでアルキル化することによって
エチルベンゼンを製造する工程から、未反応ベンゼン4
3.0重量%、エチルベンゼン11.8重量%、ポリエチルベ
ンゼン18.3重量%およびより重質な副生油7.6重量%か
らなるアルキル化生成物を得た。蒸留によりアルキル化
生成物から、未反応ベンゼン、エチルベンゼンおよびポ
リエチルベンゼンを留去した。残留分である副生油は黒
色の粘性物であった。これを減圧下(10mmHg)で留出温
度範囲255〜420℃(常圧換算)の留分を回収した。
回収した255〜420℃の留分(以下「回収留分」という)
から、次のようにして各留分を回収した。
から、次のようにして各留分を回収した。
(実施例) No.1留分 下記の精密蒸留塔のボトムに1600の回収留分を仕込
み、減圧度5〜15mmHgの範囲で精密蒸留することによ
り、留出温度範囲が268〜275℃(常圧換算)のNo.1留分
を得た。
み、減圧度5〜15mmHgの範囲で精密蒸留することによ
り、留出温度範囲が268〜275℃(常圧換算)のNo.1留分
を得た。
充填塔: 直径 400mm、高さ 10.4m 理論段数 25段 (比較例) No.2留分 下記の蒸留塔のボトムに1600の回収留分を仕込み、減
圧度250mmHg以上で蒸留することにより、留出温度範囲
が268〜275℃(常圧換算)のNo.2留分を得た。
圧度250mmHg以上で蒸留することにより、留出温度範囲
が268〜275℃(常圧換算)のNo.2留分を得た。
充填塔: 直径 400mm、高さ 4.0m 理論段数 5段 No.3留分 No.1留分と同一の蒸留装置を使用して、回収留分を同様
に蒸留することにより、留出温度範囲が275〜280℃(常
圧換算)のNo.3留分を得た。
に蒸留することにより、留出温度範囲が275〜280℃(常
圧換算)のNo.3留分を得た。
(C13NMR法による測定) 日本電子(株)製のGX−270型C13NMR測定装置により、
溶媒としての重水素化クロロホルムに各留分を濃度15%
で溶解し、室温で測定を行なった。
溶媒としての重水素化クロロホルムに各留分を濃度15%
で溶解し、室温で測定を行なった。
観測周波数: 67.8MHz なお、定量性を高めるために、核オーバーハウザー効果
を消去したプロトン完全デカップリング法により測定し
た。
を消去したプロトン完全デカップリング法により測定し
た。
C13NMRスペクトルにおいて、化学シフトが120〜155ppm
における面積強度の全面積強度(0〜155ppm)に対する
割合を各留分について求めた。その結果を表1に示す。
化学シフトはテトラメチルシランを基準とした。
における面積強度の全面積強度(0〜155ppm)に対する
割合を各留分について求めた。その結果を表1に示す。
化学シフトはテトラメチルシランを基準とした。
(ポリプロピレンフィルムとの適合性) 所定の形状に切断したポリプロピレンフィルム(厚み14
ミクロン)を、80℃で72時間各留分中に浸漬した後、フ
ィルムを取り出し、浸漬前後のフィルムの体積変化率
(%)を測定した。その結果を表1に示す。数値が小さ
いもの、すなわち体積変化率の小さいものほどフィルム
を膨潤させず寸法安定性が優れているので、ポリプロピ
レンフィルムとの適合性がよいということができる。
ミクロン)を、80℃で72時間各留分中に浸漬した後、フ
ィルムを取り出し、浸漬前後のフィルムの体積変化率
(%)を測定した。その結果を表1に示す。数値が小さ
いもの、すなわち体積変化率の小さいものほどフィルム
を膨潤させず寸法安定性が優れているので、ポリプロピ
レンフィルムとの適合性がよいということができる。
(コロナ開始電圧:CSVおよび コロナ消滅電圧:CEVの測定) 誘電体として厚み14ミクロンのポリプロピレンフィルム
を2枚重ねたものを使用し、電極としてアルミニウム箔
を常法に従って、巻回、積層することにより、油含浸用
のモデルコンデンサーを作成した。
を2枚重ねたものを使用し、電極としてアルミニウム箔
を常法に従って、巻回、積層することにより、油含浸用
のモデルコンデンサーを作成した。
このコンデンサーに、真空下で各留分を含浸させて、静
電容量0.4マイクロファラッドの油含浸コンデンサーを
作成した。
電容量0.4マイクロファラッドの油含浸コンデンサーを
作成した。
これらのコンデンサーの25℃におけるコロナ開始電圧お
よびコロナ消滅電圧を測定した。それらの結果を表1に
示す。
よびコロナ消滅電圧を測定した。それらの結果を表1に
示す。
(コンデンサーの寿命試験) 誘電体として厚み14ミクロンのポリプロピレンフィルム
を2枚重ねたものを使用し、電極としてアルミニウム箔
を常法に従って、巻回、積層することにより油含浸用の
モデルコンデンサーを作成した。
を2枚重ねたものを使用し、電極としてアルミニウム箔
を常法に従って、巻回、積層することにより油含浸用の
モデルコンデンサーを作成した。
このコンデンサーに、真空下で各留分を含浸させて、静
電容量0.4マイクロファラッドの油含浸コンデンサーを
作成した。
電容量0.4マイクロファラッドの油含浸コンデンサーを
作成した。
次にこれらのコンデンサーに25℃で所定の交流電圧を課
電して、そのコンデンサーが破壊するまでの時間を測定
することにより、コンデンサーの寿命を求めた。その場
合、電位傾度80V/μから48時間毎に10V/μの割合で電位
傾度を上昇させ、コンデンサーの壊れる数を調べた。最
初のコンデンサーの数はそれぞれ10個とした。その結果
を表2に示す。
電して、そのコンデンサーが破壊するまでの時間を測定
することにより、コンデンサーの寿命を求めた。その場
合、電位傾度80V/μから48時間毎に10V/μの割合で電位
傾度を上昇させ、コンデンサーの壊れる数を調べた。最
初のコンデンサーの数はそれぞれ10個とした。その結果
を表2に示す。
表1に示す結果から、本発明のコンデンサーに使用した
含浸油は、ポリプロピレンフィルムに対する膨潤率が小
さいことが解る。
含浸油は、ポリプロピレンフィルムに対する膨潤率が小
さいことが解る。
更に本発明の油浸コンデンサーは、コロナ放電特性が格
段に改良されていることも明らかである。
段に改良されていることも明らかである。
ここで、コンデンサーの設計については、電源投入時に
発生する高電圧により、しばしばコロナ放電が発生する
という理由から、むしろコロナ放電消滅電圧(CEV)の
値に従って設計されるのが通例である。そこで表1に示
すCEV値から、コンデンサーとして同一容量を有するコ
ンデンサーの体積を計算すると、CEVの2乗に比例する
ことになるので、次の通りである。なおNo.1留分を使用
したコンデンサーの体積を基準として、その値からの体
積増加分を(%)で示した。 留分No. 増加分 No.1留分 0% No.2留分 36% No.3留分 100% 回収留分 139% 上記の結果から明らかなように、同一容量にするために
は、比較例の油浸コンデンサーは格段に大きな容積のコ
ンデンサーとせざるを得ず、そのために要するオイル、
フィルム、電極などの材料費を加味すると、到底実用的
な油浸コンデンサーとならないことは明らかである。
発生する高電圧により、しばしばコロナ放電が発生する
という理由から、むしろコロナ放電消滅電圧(CEV)の
値に従って設計されるのが通例である。そこで表1に示
すCEV値から、コンデンサーとして同一容量を有するコ
ンデンサーの体積を計算すると、CEVの2乗に比例する
ことになるので、次の通りである。なおNo.1留分を使用
したコンデンサーの体積を基準として、その値からの体
積増加分を(%)で示した。 留分No. 増加分 No.1留分 0% No.2留分 36% No.3留分 100% 回収留分 139% 上記の結果から明らかなように、同一容量にするために
は、比較例の油浸コンデンサーは格段に大きな容積のコ
ンデンサーとせざるを得ず、そのために要するオイル、
フィルム、電極などの材料費を加味すると、到底実用的
な油浸コンデンサーとならないことは明らかである。
Claims (1)
- 【請求項1】アルキル化触媒により、ベンゼンをエチレ
ンによってアルキル化することによりエチルベンゼンを
製造する際に副生する重質副生油から、C13NMR法で測定
したスペクトルの化学シフトとしての120〜155ppmにお
ける面積強度が、スペクトルの全面積強度(0〜155pp
m)に対して80%以上の割合になるように、減圧下に精
密蒸留することにより回収された、留出温度が268〜275
℃(常圧換算)の範囲にある留分を含浸してなる、誘電
体としてポリプロピレンフィルムを用いた油浸コンデン
サー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21865486A JPH0770422B2 (ja) | 1986-09-17 | 1986-09-17 | 改善された油浸コンデンサ− |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21865486A JPH0770422B2 (ja) | 1986-09-17 | 1986-09-17 | 改善された油浸コンデンサ− |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6373609A JPS6373609A (ja) | 1988-04-04 |
JPH0770422B2 true JPH0770422B2 (ja) | 1995-07-31 |
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-
1986
- 1986-09-17 JP JP21865486A patent/JPH0770422B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPS6373609A (ja) | 1988-04-04 |
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