JPH0770151A - 溶剤の組成物 - Google Patents

溶剤の組成物

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JPH0770151A
JPH0770151A JP5336283A JP33628393A JPH0770151A JP H0770151 A JPH0770151 A JP H0770151A JP 5336283 A JP5336283 A JP 5336283A JP 33628393 A JP33628393 A JP 33628393A JP H0770151 A JPH0770151 A JP H0770151A
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Akira Sekiya
章 関屋
Nobuhito Hoshi
星  信人
Tsutomu Kobayashi
勉 小林
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式Iで表され、且つ分子内に含まれ
るトリフルオロメチル基の数が5個以下である、フルオ
ロアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物の1種または
2種以上を含んでなる溶剤の組成物。一般式I 【化1】 【効果】 溶剤の組成物としての洗浄性が良好で、素材
特にプラスチックに悪影響を与えず、またオゾン層の破
壊を引き起こさない溶剤の組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フルオロアルコキシ基
を有する有機ケイ素化合物を含む溶剤の組成物、並びに
該有機ケイ素化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりハロゲン化炭化水素は、プラス
チックやゴム製品、電子部品等の洗浄用溶剤として知ら
れており、それらは塩素原子、または塩素原子とフッ素
原子を有する炭化水素群としての特徴を有している。こ
れらのハロゲン化炭化水素は、不燃性で、安定であっ
て、ワックスや油脂類を溶解することができることから
各種の産業分野に広く使用されている。
【0003】例えば前記塩素原子を有するものとしては
1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、
テトラクロロエチレンが、また塩素原子とフッ素原子を
有するもの(以下CFCと称す)としては、トリフルオ
ロトリクロロエタン(以下CFC113と称す)等が知
られており、特に後者のCFC113は低毒性で、しか
もプラスチックやゴム等の表面を侵食しないので広く用
いられている。しかしながら、このように優れた特徴を
有するハロゲン化炭化水素は、この構成元素の1つであ
る塩素原子が触媒となり、地球を取り巻くオゾン層を破
壊することが明らかになったことから、CFC113や
1,1,1−トリクロロエタンは全廃されることが国際
的に決められた。
【0004】このような問題に対処するためにはこれら
に代わる新しい洗浄溶剤の開発が不可欠であるが、例え
ば洗浄溶剤であるCFC113に代わる物質が具体的に
種々検討されているものの、未だ有効な代替物が見いだ
されていない状況にある。例えば米国特許第36682
33号によれば、ジメチルビス(ノナフルオロ−t−ブ
トキシ)シランが溶剤として有用であると記載されてい
る。しかしながら該化合物は分子内にトリフルオロメチ
ル基を6個も有するため、溶解性が著しく低下する。こ
の例ではさらに、該化合物の原料であり分解生成物でも
あるノナフルオロ−t−ブチルアルコールが極めて毒性
の強い化合物であり、該化合物を洗浄剤として用いた場
合には、作業者に害を及ぼす危険性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の状況
に鑑みてなされたものであり、CFC113等からなる
これまでの洗浄用溶剤がオゾン層の破壊を引き起こすと
いう欠点を解消し、洗浄作用に優れた新規な洗浄溶剤の
組成物を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
の現状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有
する有機ケイ素化合物、即ち酸素原子と隣接した炭素原
子上にフッ素原子を持たないフルオロアルコキシ基を有
する下記一般式Iの有機ケイ素化合物を含む組成物が、
分子中に塩素を含有しないのでオゾン層を破壊する恐れ
が全くなく、油脂類、塵埃等の洗浄効果に優れ、従来使
用されていたCFC113と同様の適度な溶解力を持つ
ので各種の汚れのみを選択的に溶解除去し、金属、プラ
スチック、エラストマー等からなる複合部品を侵さない
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。即ち、本
発明は下記一般式Iで表され、且つ分子内に含まれるト
リフルオロメチル基の数が5個以下である、フルオロア
ルコキシ基を有する有機ケイ素化合物の1種または2種
以上を含んでなる溶剤の組成物を提供するものである。
【0007】一般式I
【0008】
【化4】
【0009】本発明において提示される一般式I中で、
1,R2及びR3で表される、酸素原子と隣接した炭素
原子上にフッ素原子を持たない炭素原子数2〜8の直鎖
または分岐を有するフルオロアルキル基としては、例え
ば、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル
基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3−フルオロ
プロピル基、3,3−ジフルオロプロピル基、3,3,
3−トリフルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラ
フルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフル
オロプロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロイソプロピル基、1,1,3,3−テトラフルオロ
イソプロピル基、2−トリフルオロメチル−3,3,3
−トリフルオロプロピル基、2,2,3,4,4,4−
ヘキサフルオロブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル
基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチ
ル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフル
オロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,
6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル基等が挙げられ
る。これらの基のうち、フッ素原子が2個以上の、炭素
原子数2〜4の直鎖または分岐を有するフルオロアルキ
ル基が好ましく、特にフッ素原子が5個以上のフルオロ
アルキル基を有する化合物は加水分解しにくいのでさら
に好ましい。
【0010】また本発明においてR4及びR5のアルキル
基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、イソブチル基、2−ブチル基、t
−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オ
クチル基等が挙げられる。この中で、R4及びR5は、炭
素原子数1〜4の直鎖または分岐を有するアルキル基で
あることが、該有機ケイ素化合物が適当な沸点範囲にあ
るので好ましい。フルオロアルコキシ基を有する有機ケ
イ素化合物の中でもフルオロアルコキシ基の数が4個で
ある化合物、もしくは上記一般式Iで表わされるフルオ
ロアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物の中でも分子
内に含まれるトリフルオロメチル基の数が6個以上の化
合物は、洗浄剤として必要な特性である溶解性が乏しい
か、あるいは水分によって容易に分解して不揮発性の物
質を生成する。従って、分子内に含まれるトリフルオロ
メチル基の数は5個以下であることが必要で、4個以下
であることがより好ましい。
【0011】本発明の上記一般式Iで表され、且つ分子
内に含まれるトリフルオロメチル基の数が5個以下であ
る、フルオロアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物と
しては、具体的には、ジメチルビス(2,2,2−トリ
フルオロエトキシ)シラン、メチルトリス(2,2,2
−トリフルオロエトキシ)シラン、エチルトリス(2,
2,2−トリフルオロエトキシ)シラン、プロピルトリ
ス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン、ジエ
チルビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラ
ン、ジメチルビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ルオロイソプロポキシ)シラン、ジエチルビス(1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシ)
シラン、メチルトリス(2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロポキシ)シラン、ジメチルビス(1,1,3,3
−テトラフルオロプロポキシ)シラン、ジメチルビス
(2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブトキシ)
シラン、ジメチルビス(2,2,3,3,4,4,4−
ヘプタフルオロブトキシ)シラン、ジメチル(1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)(2,
2,2−トリフルオロエトキシ)シラン等が挙げられ
る。
【0012】特に、上記一般式Iで表わされる有機ケイ
素化合物の中でもR1が2,2,3,3,3−ペンタフ
ルオロプロピル基、1=2,m=n=0である有機ケイ
素化合物、またはR1が2,2,3,3,3−ペンタフ
ルオロプロピル基、1=3,m=n=s=0である有機
ケイ素化合物は文献未記載の新規化合物である。このよ
うな化合物の具体例としては、ジメチルビス(2,2,
3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ)シラン、メチ
ルトリス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポ
キシ)シラン、ジエチルビス(2,2,3,3,3−ペ
ンタフルオロプロポキシ)シラン、エチルトリス(2,
2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ)シラン、
エチルメチルビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオ
ロプロポキシ)シラン、プロピルトリス(2,2,3,
3,3−ペンタフルオロプロポキシ)シラン、ブチルト
リス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキ
シ)シラン等が挙げられる。
【0013】これらのフルオロアルコキシ基を有する有
機ケイ素化合物は、公知の方法により製造することがで
きる。例えば、含フッ素アルコール(例えば、ROH:
Rは前記R1,R2またはR3と同じ)をジクロロシラン
またはトリクロロシランと反応させるだけで極めて容易
に得られる(例えば、J.Polaら、Collec
t.Czech.Chem.Commun.、44巻、
750〜755ページ、1979年)。また、ジメチル
ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプ
ロポキシ)シランのようにジメチルシランとヘキサフル
オロアセトンとの光反応により合成する方法も知られて
いる(A.F.Janzenら、Can.J.Che
m.、43巻、3063〜3068ページ、1965
年)。
【0014】これらの化合物は、必要に応じてその他の
成分を更に添加混合することができる。例えば、炭化水
素化合物、アルコール化合物、エーテル化合物、ケトン
化合物、エステル化合物、有機窒素化合物、有機硫黄化
合物および有機ケイ素化合物からなる群から選ばれた1
種または2種以上を、一般式Iで表されるフルオロアル
コキシ基を有する有機ケイ素化合物の重量の1〜50%
を含有してもよい。該炭化水素化合物としては、具体的
にはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の脂肪族あるいは芳香
族炭化水素類が挙げられる。またアルコール化合物とし
ては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、ブタノール、カルビトール等が挙げられ
る。エーテル化合物としては、ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、
テトラヒドロフラン、モノグリム、ジグリム等が挙げら
れる。ケトン化合物としては、アセトン、メチルエチル
ケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロペン
タノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。エステル化
合物としては、カルボン酸エステル、例えばギ酸エステ
ル、酢酸エステル等が挙げられる。有機窒素化合物とし
ては、アセトニトリル、ニトロベンゼン、ジメチルホル
ムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。有機
硫黄化合物としては、ジメチルスルホキシド、スルホラ
ン等が挙げられる。有機ケイ素化合物としては、具体的
にはテトラメチルシラン、テトラエチルシラン、メトキ
シトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、ヘキ
サメチルジシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロ
キサン等が挙げられる。また、本発明の溶剤の組成物
は、必要により安定化剤を用いてもよい。該安定化剤と
しては、ニトロ化合物、不飽和炭化水素、エポキシ化合
物、フェノール化合物、アルケニルアミン、環状窒素化
合物、不飽和アルコール等が挙げられる。その他、各種
界面活性剤を添加してもよい。
【0015】本発明の組成物は、分子内にフッ素原子を
多く有する化合物を含むため不燃性もしくは難燃性であ
り、表面張力が小さいために浸透性に優れている上、蒸
発潜熱が小さいことから乾燥性にも優れ、従来のCFC
113と同程度の溶解力を有することから溶剤として好
適に用いることができる。溶剤としての具体的な用途
は、洗浄剤、水切り剤、ドライクリーニング用溶剤、塗
料用溶剤、抽出用溶剤等である。洗浄剤は、フラック
ス、グリース、油、ワックス、インキ等をガラス、セラ
ミックス、プラスチック、ゴム、金属製各種物品、特に
IC部品、電気機器、精密機械、光学レンズ等の表面か
ら取り除くために用いられる。また、水切り剤は前記物
品を水洗浄した後に、水を表面から取り除くために用い
られる。洗浄方法としては、手拭き、浸漬、スプレー、
揺動、超音波洗浄、蒸気洗浄等を採用すればよい。本発
明の上記有機ケイ素化合物を含む組成物は、洗浄性が良
好で、各種汚れのみを選択的に溶解し、素材、特にプラ
スチックに与える影響も少ない。また、塩素原子を持た
ないため、オゾン層の破壊問題を生じることはない。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。 実施例1 ジメチルビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプ
ロポキシ)シランの合成 2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール60
g(0.4モル)に、ジクロロジメチルシラン26g
(0.2モル)を0℃で滴下した。徐々に温度を上げ、
100℃で13時間、さらに140℃で2日間撹拌し
た。反応液を、精留管を付けて蒸留して標記化合物を得
た。生成物の構造はNMR、IRスペクトル、マススペ
クトルにより確認した。収量55.1g(収率77.4
%)。沸点140℃。
【0017】1H−NMRスペクトル;δ(CDC
3):0.24ppm(s,3H),4.10ppm
(t,J=12.9Hz,2H).スペクトルは図1に
示す。19 F−NMRスペクトル;δ(CDCl3):−83.
87ppm(s,3F),−125.93ppm(t,
J=12.9Hz,2F).スペクトルは図2に示す。 IRスペクトル;1270,1201,1148,11
00,1031,870,813cm-1.スペクトルは
図3に示す。 GC−MS(CI);(M+H)+357 実施例2 メチルトリス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプ
ロポキシ)シランの合成 2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール45
g(0.3モル)に、トリクロロメチルシラン15g
(0.1モル)を0℃で滴下した。室温で3時間撹拌し
た後、徐々に温度を上げ、140℃で13時間、さらに
180℃で2時間撹拌した。反応液を、精留管を付けて
蒸留して標記化合物を得た。生成物の構造はNMR、I
Rスペクトル、マススペクトルにより確認した。収量3
9.4g(収率80.4%)。沸点171℃。
【0018】1H−NMRスペクトル;δ(CDC
3):0.31ppm(s,1H),4.18ppm
(t,J=12.7Hz,2H).スペクトルは図4に
示す。19 F−NMRスペクトル;δ(CDCl3):−83.
61ppm(s,3F),−125.79ppm(t,
J=12.9Hz,2F).スペクトルは図5に示す。
【0019】IRスペクトル;1279,1206,1
148,1099,1033,870cm-1.スペクト
ルは図6に示す。 GC−MS(CI);(M+H)+491 参考例1 ジメチルビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シ
ランの合成 2,2,2−トリフルオロエタノール200g(2.0
モル)に、ジクロロジメチルシラン129g(1.0モ
ル)を0℃で1時間かけて滴下した。さらに室温で19
時間、50℃で6時間撹拌した後、1時間加熱還流し
た。反応液を、精留管を付けて蒸留して標記化合物を得
た。収量228g(収率89%)。沸点120.5〜1
21.5℃。
【0020】参考例2 メチルトリス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シ
ランの合成 2,2,2−トリフルオロエタノール305g(3.0
5モル)に、トリクロロメチルシラン149.5g
(1.0モル)を0℃で4時間かけて滴下した。さらに
室温で24時間撹拌した後、2時間加熱還流した。反応
液を、精留管を付けて蒸留して標記化合物を得た。収量
265g(収率78%)。沸点146.5〜147.5
℃。
【0021】実施例3〜9及び比較例1 SUS−304のテストピースを機械油(日本石油製C
Q−30)中に浸漬した後、本発明の種々の洗浄剤に5
分間浸漬した。目視によって、機械油の除去された程度
を観察した。結果を一括して表1に示した。なお、比較
のため、従来機械油の洗浄剤であるCFC113を溶剤
とした場合を併記した。
【0022】
【表1】
【0023】但し、表1中、○は肉眼で見える洗浄残り
がないことを示し、×は、肉眼で見える洗浄残りがある
ことを示す。 実施例10〜14及び比較例2〜3 各プラスチックのテストピースを、本発明の種々の洗浄
剤に45℃で1時間浸漬し、重量変化率は室温で2時間
放置後に、寸法変化率は取り出し直後に測定した。また
比較のため、CFC113、1,1,1−トリクロロエ
タンについても同様の試験を行った。結果はまとめて表
2に示した。
【0024】
【表2】
【0025】実施例15〜19及び比較例4〜5 本発明の種々の洗浄剤の有機ケイ素化合物を、水ととも
に室温で1時間、または80℃で4時間振とうし、GC
分析により分解の有無を測定した。また比較のため、フ
ルオロアルコキシ基の数が4個の化合物であるテトラキ
ス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン、及び
トリフルオロメチル基の数が6個の化合物物であるトリ
ス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロ
ポキシ)メチルシランについても同様の試験を行った。
結果はまとめて表3に示した。
【0026】
【表3】
【0027】実施例20〜24及び比較例6〜7 本発明の種々の洗浄剤の有機ケイ素化合物50重量部
と、n−ヘキサン50重量部またはカルビトール50重
量部を室温で混合し、溶解性を調べた。結果はまとめて
表4に示した。また比較のため、フルオロアルコキシ基
の数が4個の化合物であるテトラキス(2,2,3,
3,3−ペンタフルオロプロポキシ)シランについて同
様の試験を行ったが、n−ヘキサンとは2層分離し、溶
解性は低かった(比較例6)。またトリフルオロメチル
基の数が6個の化合物であるビス(ノナフルオロ−t−
ブトキシ)ジメチルシランについても同様の試験を行っ
たが、カルビトールとは2層分離し、溶解性は低かった
(比較例7)。
【0028】
【表4】
【0029】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明のフルオ
ロアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物を含む組成物
は、洗浄性が良好で、素材、特にプラスチックに影響を
与えず、さらに塩素原子を持たないため、オゾン層の破
壊問題を生じることはなく、従来のCFC系溶剤と同じ
使い方ができ、既存装置の大幅な変更を必要とせず、そ
のまま適用できるなど極めて価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られた化合物の1H−N
MRスペクトル図である。
【図2】本発明の実施例1で得られた化合物の19F−N
MRスペクトル図である。
【図3】本発明の実施例1で得られた化合物のIRスペ
クトル図である。
【図4】本発明の実施例2で得られた化合物の1−NM
Rスペクトルである。
【図5】本発明の実施例2で得られた化合物の19F−N
MRスペクトル図である。
【図6】本発明の実施例2で得られた化合物のIRスペ
クトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星 信人 東京都文京区本郷2−40−17 本郷若井ビ ル 財団法人 地球環境産業技術研究機構 内 (72)発明者 小林 勉 東京都文京区本郷2−40−17 本郷若井ビ ル 財団法人 地球環境産業技術研究機構 内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式Iで表され、且つ分子内に含
    まれるトリフルオロメチル基の数が5個以下である、フ
    ルオロアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物の1種ま
    たは2種以上を含んでなる溶剤の組成物。一般式I 【化1】
  2. 【請求項2】 R4及びR5が、同一または相異なる炭素
    原子数1〜4の直鎖または分岐を有するアルキル基であ
    る請求項1に記載の溶剤の組成物。
  3. 【請求項3】 前記溶剤に、さらに炭化水素化合物、ア
    ルコール化合物、エーテル化合物、ケトン化合物、エス
    テル化合物、有機窒素化合物、有機硫黄化合物および有
    機ケイ素化合物からなる群から選ばれた1種または2種
    以上を、一般式Iで表されるフルオロアルコキシ基を有
    する有機ケイ素化合物の重量の1〜50%を含有してな
    る請求項1〜2のいずれかに記載の溶剤の組成物。
  4. 【請求項4】 下記一般式Iにおいて、R1が2,2,
    3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1=2,m=
    n=0である有機ケイ素化合物。一般式I 【化2】
  5. 【請求項5】 下記一般式Iにおいて、R1が2,2,
    3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1=3,m=
    n=s=0である有機ケイ素化合物。一般式I 【化3】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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