JPH0769887A - ペネム化合物含有固形組成物、その製造法および剤 - Google Patents
ペネム化合物含有固形組成物、その製造法および剤Info
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- JPH0769887A JPH0769887A JP6102507A JP10250794A JPH0769887A JP H0769887 A JPH0769887 A JP H0769887A JP 6102507 A JP6102507 A JP 6102507A JP 10250794 A JP10250794 A JP 10250794A JP H0769887 A JPH0769887 A JP H0769887A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】安定なペネム化合物含有固形組成物の開発。
【構成】ペネム化合物とシクロデキストリン類および/
またはデキストリン類とを含有する固形組成物、その製
造法およびその経口用抗菌製剤。
またはデキストリン類とを含有する固形組成物、その製
造法およびその経口用抗菌製剤。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペネム化合物とシクロ
デキストリンを含有する安定な固形組成物、その製造法
および剤に関する。
デキストリンを含有する安定な固形組成物、その製造法
および剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ペネム化合物は、優れた抗菌作用を有す
る化合物として、例えば特開昭51-73191、同52-71460、
同53-137951、同54-88291、同54-119486、同56-11578
8、同55-136288、同58-8085、同58-105992、同58-11648
7、同60-222486、同62-61984、同62-263183、同60-5898
8、同61-207387、同63-162694などに記載されている。
そして、ペネム化合物(例えば(+)−(5R,6S)
−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−
ピリジル)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ
[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸(以
下「化合物A」と略称する)など)の脂溶性エステル
は、経口投与により速やかに消化管から吸収され、吸収
後直ちに生体内酵素により2位カルボキシル基のエステ
ルが分解され、対応する遊離カルボン酸(例えば化合物
Aなど)が生成してメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(M
RSA)を含むグラム陽性菌およびグラム陰性菌に対し
て強い抗菌活性を示すと考えられる。一方、プロスタグ
ランディン類、バルビツール酸誘導体、非ステロイド性
抗炎症剤、例えばセファロスポリン、ペニシリンなどの
抗生物質などは、シクロデキストリン類と混合すると、
通常包接複合体を形成して水溶性、安定性、消化管吸収
性などが改善されると報告されている(例えば「化学工
業」1982年,第710頁、特開昭60-233012、特開昭62-307
13、特開昭62-149628、特開平1-268637、特開平1-29062
9、特開平3―93732、EP-B-94157など)。
る化合物として、例えば特開昭51-73191、同52-71460、
同53-137951、同54-88291、同54-119486、同56-11578
8、同55-136288、同58-8085、同58-105992、同58-11648
7、同60-222486、同62-61984、同62-263183、同60-5898
8、同61-207387、同63-162694などに記載されている。
そして、ペネム化合物(例えば(+)−(5R,6S)
−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−
ピリジル)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ
[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸(以
下「化合物A」と略称する)など)の脂溶性エステル
は、経口投与により速やかに消化管から吸収され、吸収
後直ちに生体内酵素により2位カルボキシル基のエステ
ルが分解され、対応する遊離カルボン酸(例えば化合物
Aなど)が生成してメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(M
RSA)を含むグラム陽性菌およびグラム陰性菌に対し
て強い抗菌活性を示すと考えられる。一方、プロスタグ
ランディン類、バルビツール酸誘導体、非ステロイド性
抗炎症剤、例えばセファロスポリン、ペニシリンなどの
抗生物質などは、シクロデキストリン類と混合すると、
通常包接複合体を形成して水溶性、安定性、消化管吸収
性などが改善されると報告されている(例えば「化学工
業」1982年,第710頁、特開昭60-233012、特開昭62-307
13、特開昭62-149628、特開平1-268637、特開平1-29062
9、特開平3―93732、EP-B-94157など)。
【0003】しかしながら、ペネム化合物とシクロデキ
ストリン類またはデキストリン類との組合せについて
は、具体的な報告例は見当たらない。また、抗生物質
は、シクロデキストリン類またはデキストリン類と包接
複合体を必ずしも形成するとは限らず、シクロデキスト
リン類の触媒作用により分解されることも報告されてい
る(例えば「シクロデキストリンの化学」1979年,第72
〜75頁など)が、抗生物質の一種であるペネム化合物が
シクロデキストリン類またはデキストリン類と包接複合
体を形成するのか否か、形成しない場合分解されるのか
否かについては、全く知られていない。まして、ペネム
化合物とシクロデキストリン類またはデキストリン類と
の組合せに基づく効果については、従来予測すらされて
いない。
ストリン類またはデキストリン類との組合せについて
は、具体的な報告例は見当たらない。また、抗生物質
は、シクロデキストリン類またはデキストリン類と包接
複合体を必ずしも形成するとは限らず、シクロデキスト
リン類の触媒作用により分解されることも報告されてい
る(例えば「シクロデキストリンの化学」1979年,第72
〜75頁など)が、抗生物質の一種であるペネム化合物が
シクロデキストリン類またはデキストリン類と包接複合
体を形成するのか否か、形成しない場合分解されるのか
否かについては、全く知られていない。まして、ペネム
化合物とシクロデキストリン類またはデキストリン類と
の組合せに基づく効果については、従来予測すらされて
いない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ペネム化合物特にエス
テル体は、固形抗菌剤として製品化する場合に要求され
る製剤の性質、例えば水溶性、安定性、消化管吸収性な
どにおいて十分に満足できるものではない。従って、製
品として十分満足できる優れた製剤特性を有するペネム
化合物含有固形組成物の開発が求められていた。
テル体は、固形抗菌剤として製品化する場合に要求され
る製剤の性質、例えば水溶性、安定性、消化管吸収性な
どにおいて十分に満足できるものではない。従って、製
品として十分満足できる優れた製剤特性を有するペネム
化合物含有固形組成物の開発が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく種々、鋭意検討を重ねた結果、ペネム化合
物とシクロデキストリン類および/またはデキストリン
類とを初めて組合せて混合、成形したところ、予想外に
も包接複合体の形成の有無にかかわらず、ペネム化合物
の分解が起こらないで、製品化に適した安定性などの優
れた製剤特性を有する固形組成物が得られること、特に
ペネム化合物が6位にヒドロキシ低級アルキル基を有し
かつ2位カルボキシル基のエステル体(例えば低級アル
カノイルオキシ低級アルキルエステル体など)である場
合には包接複合体を形成しないで安定性などの製剤特性
が優れた固形組成物が得られることを見出し、これらに
基づいて本発明を完成するに至った。
を解決すべく種々、鋭意検討を重ねた結果、ペネム化合
物とシクロデキストリン類および/またはデキストリン
類とを初めて組合せて混合、成形したところ、予想外に
も包接複合体の形成の有無にかかわらず、ペネム化合物
の分解が起こらないで、製品化に適した安定性などの優
れた製剤特性を有する固形組成物が得られること、特に
ペネム化合物が6位にヒドロキシ低級アルキル基を有し
かつ2位カルボキシル基のエステル体(例えば低級アル
カノイルオキシ低級アルキルエステル体など)である場
合には包接複合体を形成しないで安定性などの製剤特性
が優れた固形組成物が得られることを見出し、これらに
基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、(1)ペネム化合物とシ
クロデキストリン類および/またはデキストリン類とを
含有する固形組成物、(2)経口用である第(1)項記
載の固形組成物、(3)ペネム化合物が式
クロデキストリン類および/またはデキストリン類とを
含有する固形組成物、(2)経口用である第(1)項記
載の固形組成物、(3)ペネム化合物が式
【化2】 [式中、R1は保護されていてもよいヒドロキシル基で
置換された低級アルキル基、R2はエステル化されてい
てもよいカルボキシル基、R3は置換されていてもよい
ピリジル基を示す]で表される化合物またはその塩であ
る第(1)項記載の固形組成物、(4)R2がエステル
化されたカルボキシル基である第(3)項記載の固形組
成物、(5)R2が低級アルカノイルオキシ低級アルキ
ル基でエステル化されたカルボキシル基である第(3)
項記載の固形組成物、(6)ペネム化合物が(+)−
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−3−(3−ピリジル)−7−オキソ−4−チア−
1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2
−カルボン酸の脂溶性エステルである第(1)項記載の
固形組成物、(7)シクロデキストリン類がシクロデキ
ストリンである第(1)項記載の固形組成物、(8)デ
キストリン類が平均重合度5ないし70のデキストリン
またはその誘導体である第(1)項記載の固形組成物、
(9)ペネム化合物1重量部に対しシクロデキストリン
類0.02ないし10重量部を含有する第(1)項記載
の固形組成物、(10)ペネム化合物1重量部に対しシ
クロデキストリン類0.4ないし10重量部を含有する
第(1)項記載の固形組成物、(11)ペネム化合物と
シクロデキストリン類および/またはデキストリン類と
を混合、成形することを特徴とする固形組成物の製造方
法および(12)第(1)項記載の固形組成物を含む経
口用抗菌製剤に関するものである。
置換された低級アルキル基、R2はエステル化されてい
てもよいカルボキシル基、R3は置換されていてもよい
ピリジル基を示す]で表される化合物またはその塩であ
る第(1)項記載の固形組成物、(4)R2がエステル
化されたカルボキシル基である第(3)項記載の固形組
成物、(5)R2が低級アルカノイルオキシ低級アルキ
ル基でエステル化されたカルボキシル基である第(3)
項記載の固形組成物、(6)ペネム化合物が(+)−
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−3−(3−ピリジル)−7−オキソ−4−チア−
1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2
−カルボン酸の脂溶性エステルである第(1)項記載の
固形組成物、(7)シクロデキストリン類がシクロデキ
ストリンである第(1)項記載の固形組成物、(8)デ
キストリン類が平均重合度5ないし70のデキストリン
またはその誘導体である第(1)項記載の固形組成物、
(9)ペネム化合物1重量部に対しシクロデキストリン
類0.02ないし10重量部を含有する第(1)項記載
の固形組成物、(10)ペネム化合物1重量部に対しシ
クロデキストリン類0.4ないし10重量部を含有する
第(1)項記載の固形組成物、(11)ペネム化合物と
シクロデキストリン類および/またはデキストリン類と
を混合、成形することを特徴とする固形組成物の製造方
法および(12)第(1)項記載の固形組成物を含む経
口用抗菌製剤に関するものである。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において用いられるペネム化合物は、ペネム骨格を
有する化合物であればよく、目的が達成される限り特に
限定されない。ペネム化合物として既に知られているも
のなどは、シクロデキストリン類またはデキストリン類
と包接複合体を形成するか否かにかかわらず、本発明で
用いることができる。例えば、式
発明において用いられるペネム化合物は、ペネム骨格を
有する化合物であればよく、目的が達成される限り特に
限定されない。ペネム化合物として既に知られているも
のなどは、シクロデキストリン類またはデキストリン類
と包接複合体を形成するか否かにかかわらず、本発明で
用いることができる。例えば、式
【化3】 [式中、R4およびR5は同一かまたは異なる有機基、R
6は水素またはカルボキシル基の保護基を示す]で表さ
れる化合物またはその塩などがペネム化合物として用い
られる。R4およびR5で示される有機基としては、例え
ば(i)アシル基、(ii)エステル化されていてもよい
カルボキシル基、(iii)式−(CH2)n−Q−T[n
は0または1ないし10の整数、Qは結合手、2価の飽
和または不飽和の脂肪族基、酸素または硫黄原子、−S
O−または
6は水素またはカルボキシル基の保護基を示す]で表さ
れる化合物またはその塩などがペネム化合物として用い
られる。R4およびR5で示される有機基としては、例え
ば(i)アシル基、(ii)エステル化されていてもよい
カルボキシル基、(iii)式−(CH2)n−Q−T[n
は0または1ないし10の整数、Qは結合手、2価の飽
和または不飽和の脂肪族基、酸素または硫黄原子、−S
O−または
【化4】 およびTは(a)分枝状または直鎖状の飽和または不飽
和の脂肪族炭化水素基、(b)芳香族基、(c)脂環式
基または(d)複素環基を示し、各々の置換分(a)、
(b)、(c)および(d)はさらに置換されていても
よい]で表される基などが用いられる。
和の脂肪族炭化水素基、(b)芳香族基、(c)脂環式
基または(d)複素環基を示し、各々の置換分(a)、
(b)、(c)および(d)はさらに置換されていても
よい]で表される基などが用いられる。
【0008】ここにおいてR4またはR5で示されるアシ
ル基としては、例えばC1-6アルカノイル(例えばアセ
チル、プロピオニルなど)、またはベンゾイルなどが用
いられる。R4またはR5で示されるエステル化されても
よいカルボキシル基としては、例えばカルボキシル基の
他、C1-6アルコキシ−カルボニル基(例えばメトキシ
カルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシ
カルボニルなど)、または通常ペプチド化学で使用され
る、例えばトリニトロエチル、ベンジル、ニトロベンジ
ル、ベンズヒドリル、アセトキシメチル、ビバロイルオ
キシメチル、トリメチルシリルその他であってもよいカ
ルボキシル保護基で保護されたカルボキシル基などが用
いられる。Qで示される2価の飽和または不飽和の脂肪
族基としては、例えばメチレン、エチリデンなどが用い
られる。Raで示される直鎖状アルキルとしては、例え
ばメチル、エチルなどが用いられる。Tで示される分枝
状または直鎖状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基
としては、例えばメチル、エチルなどのC1-6アルキ
ル、例えばエチニル、プロペニルなどのC1-6アルケニ
ルなどが用いられる。Tで示される芳香族基は、単核ま
たは多核であってもよく、例えばフェニル、ナフチルな
どのC6-10アリール基、好ましくは例えばフェニルなど
が用いられる。Tで示される脂環式基としては、例えば
C5-7シクロアルキル(例えばシクロヘキシル、シクロ
ペンチルなど)、C5-7シクロアルケニル(例えばシク
ロヘキセニル、シクロペンテニルなど)などの単環状脂
肪族基などが用いられる。
ル基としては、例えばC1-6アルカノイル(例えばアセ
チル、プロピオニルなど)、またはベンゾイルなどが用
いられる。R4またはR5で示されるエステル化されても
よいカルボキシル基としては、例えばカルボキシル基の
他、C1-6アルコキシ−カルボニル基(例えばメトキシ
カルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシ
カルボニルなど)、または通常ペプチド化学で使用され
る、例えばトリニトロエチル、ベンジル、ニトロベンジ
ル、ベンズヒドリル、アセトキシメチル、ビバロイルオ
キシメチル、トリメチルシリルその他であってもよいカ
ルボキシル保護基で保護されたカルボキシル基などが用
いられる。Qで示される2価の飽和または不飽和の脂肪
族基としては、例えばメチレン、エチリデンなどが用い
られる。Raで示される直鎖状アルキルとしては、例え
ばメチル、エチルなどが用いられる。Tで示される分枝
状または直鎖状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基
としては、例えばメチル、エチルなどのC1-6アルキ
ル、例えばエチニル、プロペニルなどのC1-6アルケニ
ルなどが用いられる。Tで示される芳香族基は、単核ま
たは多核であってもよく、例えばフェニル、ナフチルな
どのC6-10アリール基、好ましくは例えばフェニルなど
が用いられる。Tで示される脂環式基としては、例えば
C5-7シクロアルキル(例えばシクロヘキシル、シクロ
ペンチルなど)、C5-7シクロアルケニル(例えばシク
ロヘキセニル、シクロペンテニルなど)などの単環状脂
肪族基などが用いられる。
【0009】Tで示される複素環基としては、例えばフ
リル、チエニル、ピリジル、テトラゾリル、チアジアゾ
リル、トリアゾリル、ピリダニジル、トリアジニルなど
の炭素原子以外にN、OおよびSから選ばれたヘテロ原
子を1ないし4個有する5または6員の単環式複素基ま
たはそれら縮合複素環基(例えばテトラゾロ−ピリダニ
ジル、トリアゾロ−ピリダニジルなど)などが用いられ
る。このようなTで示される分枝状または直鎖状の飽和
または不飽和の脂肪族炭化水素基、芳香族基、脂環式
基、複素環基は、置換基を1ないし4個有していてもよ
く、このような置換基としては、例えば2−ピリジル、
3−ピリジルなどが用いられる。このようなピリジル基
は1ないし4個の置換基で置換されていてもよく、用い
られる置換基としては、例えばヒドロキシ、低級アルコ
キシ(例えばメトキシ、エトキシなどのC1-4アルコキ
シなど)、アミノ−低級アルコキシ(例えばアミノメト
キシ、アミノエトキシなどのアミノ−C1-4アルコキシ
など)、低級アルカノイルオキシ(例えばアセトキシ、
プロパノイルオキシなどのC1-4アルカノイルオキシな
ど)、ハロゲン(例えば塩素、臭素など)、メルカプ
ト、低級アルキルチオ(例えばチオメチル、チオエチル
などのC1-4アルキルチオなど)、アミノ−低級アルキ
ルチオ(例えばアミノチオメチル、アミノチオエチルな
どのアミノ−C1-4アルキルチオなど)、フェニルチ
オ、低級アルキル(例えばメチル、エチルなどのC1-4
アルキルなど)、ヒドロキシ−低級アルキル(例えばヒ
ドロキシメチル、ヒドロキシエチルなどのヒドロキシ−
C1-4アルキルなど)、低級アルカノイルオキシ−低級
アルキル(例えばアセトキシメチル、プロパノイルオキ
シメチルなどのC1-4アルカノイルオキシ−C1-4アルキ
ルなど)、カルボキシ−低級アルキル(例えばカルボキ
シメチル、カルボキシエチルなどのカルボキシ−C1-4
アルキルなど)、低級アルコキシカルボニル−低級アル
キル(例えばメトキシカルボニルメチル、エトキシカル
ボニルエチルなどのC1-4アルコキシカルボニル−C1-4
アルキルなど)、シアノ−もしくはアミノ−置換低級ア
ルコキシカルボニル−低級アルキル(例えばアミノメト
キシメチル、シアノメトキシメチルなどのシアノ−もし
くはアミノ−C1-4アルコキシカルボニル−C1-4アルキ
ルなど)、カルバモイル−低級アルキル(例えばカルバ
モイルメチル、カルバモイルエチルなどのカルバモイル
−C1-4アルキルなど)、カルバモイルオキシ−低級ア
ルキル(例えばカルバモイルオキシメチル、カルバモイ
ルオキシエチルなどのカルバモイルオキシ−C1-4アル
キルなど)、シアノ−低級アルキル(例えばシアノメチ
ル、シアノエチルなどのシアノ−C1-4アルキルな
ど)、ハロゲノ低級アルキル(例えば塩化メチル、臭化
エチルなどのハロゲノC1-4アルキルなど)、アミノ−
低級アルキル(例えばアミノメチル、アミノエチルなど
のアミノ−C1-4アルキルなど)、低級アルキルアミノ
−低級アルキル(例えばメチルアミノエチル、エチルア
ミノプロピルなどのC1-4アルキルアミノ−C1-4アルキ
ルなど)、ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル(例
えばジメチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピルな
どのジ−C1-4アルキルアミノ−C1-4アルキルなど)、
低級アルカノイルアミノ−低級アルキル(例えばプロパ
ノイルアミノエチルなどのC1-4アルカノイルアミノ−
C1-4アルキルなど)、アミノ−カルボキシ−低級アル
キル(例えばアミノカルボキシメチルなどのアミノ−カ
ルボキシ−C1-4アルキルなど)、スルホ−低級アルキ
ル(例えばスルホメチル、スルホエチルなどのスルホ−
C1-4アルキルなど)、低級アルキル−アミノ(例えば
メチルアミノ、エチルアミノなどのC1-4アルキル−ア
ミノなど)、ジ−低級アルキル−アミノ(例えばジメチ
ルアミノ、ジエチルアミノなどのジ−C1-4アルキル−
アミノなど)、低級アルカノイルアミノ(例えばプロパ
ノイルアミノなどのC1-4アルカノイルアミノなど)、
カルボキシ、低級アルコキシカルボニル(例えばメトキ
シカルボニルなどのC1-4アルコキシカルボニルな
ど)、シアノ−もしくはアミノ−置換低級アルコキシカ
ルボニル(例えばシアノメトキシカルボニル、アミノエ
トキシカルボニルなどのシアノ−もしくはアミノ−C
1-4アルコキシカルボニルなど)、カルバモイル、シア
ノ、スルホン酸、スルフォモイル、オキシド、フェニル
(場合によっては、例えばメチル、エチルなどの低級ア
ルキル、例えばメトキシ、エトキシなどの低級アルコキ
シ、例えば塩素、臭素などのハロゲンなどにより1ない
し4個置換されていてもよい)などがある。
リル、チエニル、ピリジル、テトラゾリル、チアジアゾ
リル、トリアゾリル、ピリダニジル、トリアジニルなど
の炭素原子以外にN、OおよびSから選ばれたヘテロ原
子を1ないし4個有する5または6員の単環式複素基ま
たはそれら縮合複素環基(例えばテトラゾロ−ピリダニ
ジル、トリアゾロ−ピリダニジルなど)などが用いられ
る。このようなTで示される分枝状または直鎖状の飽和
または不飽和の脂肪族炭化水素基、芳香族基、脂環式
基、複素環基は、置換基を1ないし4個有していてもよ
く、このような置換基としては、例えば2−ピリジル、
3−ピリジルなどが用いられる。このようなピリジル基
は1ないし4個の置換基で置換されていてもよく、用い
られる置換基としては、例えばヒドロキシ、低級アルコ
キシ(例えばメトキシ、エトキシなどのC1-4アルコキ
シなど)、アミノ−低級アルコキシ(例えばアミノメト
キシ、アミノエトキシなどのアミノ−C1-4アルコキシ
など)、低級アルカノイルオキシ(例えばアセトキシ、
プロパノイルオキシなどのC1-4アルカノイルオキシな
ど)、ハロゲン(例えば塩素、臭素など)、メルカプ
ト、低級アルキルチオ(例えばチオメチル、チオエチル
などのC1-4アルキルチオなど)、アミノ−低級アルキ
ルチオ(例えばアミノチオメチル、アミノチオエチルな
どのアミノ−C1-4アルキルチオなど)、フェニルチ
オ、低級アルキル(例えばメチル、エチルなどのC1-4
アルキルなど)、ヒドロキシ−低級アルキル(例えばヒ
ドロキシメチル、ヒドロキシエチルなどのヒドロキシ−
C1-4アルキルなど)、低級アルカノイルオキシ−低級
アルキル(例えばアセトキシメチル、プロパノイルオキ
シメチルなどのC1-4アルカノイルオキシ−C1-4アルキ
ルなど)、カルボキシ−低級アルキル(例えばカルボキ
シメチル、カルボキシエチルなどのカルボキシ−C1-4
アルキルなど)、低級アルコキシカルボニル−低級アル
キル(例えばメトキシカルボニルメチル、エトキシカル
ボニルエチルなどのC1-4アルコキシカルボニル−C1-4
アルキルなど)、シアノ−もしくはアミノ−置換低級ア
ルコキシカルボニル−低級アルキル(例えばアミノメト
キシメチル、シアノメトキシメチルなどのシアノ−もし
くはアミノ−C1-4アルコキシカルボニル−C1-4アルキ
ルなど)、カルバモイル−低級アルキル(例えばカルバ
モイルメチル、カルバモイルエチルなどのカルバモイル
−C1-4アルキルなど)、カルバモイルオキシ−低級ア
ルキル(例えばカルバモイルオキシメチル、カルバモイ
ルオキシエチルなどのカルバモイルオキシ−C1-4アル
キルなど)、シアノ−低級アルキル(例えばシアノメチ
ル、シアノエチルなどのシアノ−C1-4アルキルな
ど)、ハロゲノ低級アルキル(例えば塩化メチル、臭化
エチルなどのハロゲノC1-4アルキルなど)、アミノ−
低級アルキル(例えばアミノメチル、アミノエチルなど
のアミノ−C1-4アルキルなど)、低級アルキルアミノ
−低級アルキル(例えばメチルアミノエチル、エチルア
ミノプロピルなどのC1-4アルキルアミノ−C1-4アルキ
ルなど)、ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル(例
えばジメチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピルな
どのジ−C1-4アルキルアミノ−C1-4アルキルなど)、
低級アルカノイルアミノ−低級アルキル(例えばプロパ
ノイルアミノエチルなどのC1-4アルカノイルアミノ−
C1-4アルキルなど)、アミノ−カルボキシ−低級アル
キル(例えばアミノカルボキシメチルなどのアミノ−カ
ルボキシ−C1-4アルキルなど)、スルホ−低級アルキ
ル(例えばスルホメチル、スルホエチルなどのスルホ−
C1-4アルキルなど)、低級アルキル−アミノ(例えば
メチルアミノ、エチルアミノなどのC1-4アルキル−ア
ミノなど)、ジ−低級アルキル−アミノ(例えばジメチ
ルアミノ、ジエチルアミノなどのジ−C1-4アルキル−
アミノなど)、低級アルカノイルアミノ(例えばプロパ
ノイルアミノなどのC1-4アルカノイルアミノなど)、
カルボキシ、低級アルコキシカルボニル(例えばメトキ
シカルボニルなどのC1-4アルコキシカルボニルな
ど)、シアノ−もしくはアミノ−置換低級アルコキシカ
ルボニル(例えばシアノメトキシカルボニル、アミノエ
トキシカルボニルなどのシアノ−もしくはアミノ−C
1-4アルコキシカルボニルなど)、カルバモイル、シア
ノ、スルホン酸、スルフォモイル、オキシド、フェニル
(場合によっては、例えばメチル、エチルなどの低級ア
ルキル、例えばメトキシ、エトキシなどの低級アルコキ
シ、例えば塩素、臭素などのハロゲンなどにより1ない
し4個置換されていてもよい)などがある。
【0010】R6で示されるカルボキシル基の保護基と
しては、例えば還元、殊に水素添加分解、光分解、溶剤
分解、特に酸性加水分解、または殊に中性または塩基性
の加水分解によるかまたは生理学的条件下に容易に分解
するエステル化カルボキシル基を形成する基である。例
えばハロゲンで置換されていてもよい低級アルキル基
(例えばメチル、エチル、tert−ブチル、トリクロ
ルエチルなどのハロゲンで置換されていてもよいC1-6
アルキル)、ニトロなどで置換されていてもよいアラル
キル基(例えばベンジル、o−またはp−ニトロベンジ
ルなど)、アリ−ルオキシ−アルキル基(例えばフェノ
キシ−メチル、フェノキシ−エチルなどのアリ−ルオキ
シ−C1-6アルキル、例えばα−メチル−α−フェノキ
シメチル、α−エチル−α−フェノキシメチル、α,α
−ジメチル−α−フェノキシメチルなどのα−C1-6ア
ルキル−α−フェノキシ−メチルなど)、アリール(例
えばフェニル、ナフチルなどのC6-14アリールなど)、
ベンズヒドリル、o−ニトロベンズヒドリル、低級(C
1-6)アルカノイルオキシ−低級(C1-6)アルキル(例
えばアセトキシメチル、プロパノイルオキシメチル、ピ
バロイルオキシメチルなど)、ヘキセチル、フタリジ
ル、シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチル、シ
クロペンチルオキシカルボニルオキシエチル、メチルブ
チロニルラクト、アセトニル、トリメチルシリルまたは
ジメチル−tert−ブチルシリルなどが用いられる。
しては、例えば還元、殊に水素添加分解、光分解、溶剤
分解、特に酸性加水分解、または殊に中性または塩基性
の加水分解によるかまたは生理学的条件下に容易に分解
するエステル化カルボキシル基を形成する基である。例
えばハロゲンで置換されていてもよい低級アルキル基
(例えばメチル、エチル、tert−ブチル、トリクロ
ルエチルなどのハロゲンで置換されていてもよいC1-6
アルキル)、ニトロなどで置換されていてもよいアラル
キル基(例えばベンジル、o−またはp−ニトロベンジ
ルなど)、アリ−ルオキシ−アルキル基(例えばフェノ
キシ−メチル、フェノキシ−エチルなどのアリ−ルオキ
シ−C1-6アルキル、例えばα−メチル−α−フェノキ
シメチル、α−エチル−α−フェノキシメチル、α,α
−ジメチル−α−フェノキシメチルなどのα−C1-6ア
ルキル−α−フェノキシ−メチルなど)、アリール(例
えばフェニル、ナフチルなどのC6-14アリールなど)、
ベンズヒドリル、o−ニトロベンズヒドリル、低級(C
1-6)アルカノイルオキシ−低級(C1-6)アルキル(例
えばアセトキシメチル、プロパノイルオキシメチル、ピ
バロイルオキシメチルなど)、ヘキセチル、フタリジ
ル、シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチル、シ
クロペンチルオキシカルボニルオキシエチル、メチルブ
チロニルラクト、アセトニル、トリメチルシリルまたは
ジメチル−tert−ブチルシリルなどが用いられる。
【0011】このようなペネム化合物[II]またはその
塩の好ましい例としては、例えば化合物[I]またはそ
の塩の他、式
塩の好ましい例としては、例えば化合物[I]またはそ
の塩の他、式
【化5】 [式中、R7は水素またはアリール基、−A−は酸素ま
たはメチレン基を表し、−B−はメチレン基、エチレン
基またはカルボニル基を示す]で表される化合物または
その塩、
たはメチレン基を表し、−B−はメチレン基、エチレン
基またはカルボニル基を示す]で表される化合物または
その塩、
【化6】 [式中、R7は前記と同意義、Dは酸素原子1個または
2個を環内に有する5または6員環の飽和複素環基を示
す]で表される化合物またはその塩などがある。上記式
中、R7で示されるアリール基としては、例えばフェニ
ル、トリル、キシリル、ビフェニル、ナフチル、アント
リル、フェナントリルなどが用いられる。
2個を環内に有する5または6員環の飽和複素環基を示
す]で表される化合物またはその塩などがある。上記式
中、R7で示されるアリール基としては、例えばフェニ
ル、トリル、キシリル、ビフェニル、ナフチル、アント
リル、フェナントリルなどが用いられる。
【化7】 などが用いられる。Dで示される飽和複素環基として
は、例えば
は、例えば
【化8】 などが用いられる。特に好ましいペネム化合物[II]ま
たはその塩の例としては、式[I]で表される化合物ま
たはその塩などがある。
たはその塩の例としては、式[I]で表される化合物ま
たはその塩などがある。
【0012】式[I]中、R1は保護されていてもよい
ヒドロキシル基で置換された低級アルキル基を示す。R
1で示される低級アルキル基としては、例えばメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルなどの炭素数
1ないし6のアルキル基などが用いられ、好ましくは例
えばエチルなどの炭素数1ないし4のアルキル基などが
用いられる。ヒドロキシル基の保護基としては、例えば
メチル、エチルなどが用いられる。R1の好ましい例は
ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチルなどである。
R2はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示
す。R2で示されるカルボキシル基のエステルとして
は、薬理学的に許容されるカルボキシル基のエステルで
あればよく、例えば抗生物質などで用いられる脂溶性エ
ステルなどが用いられる。具体的には、目的が達成され
る範囲では限定されることなく、例えばアセトキシメチ
ルエステル、プロパノイルオキシメチルエステル、ピバ
ロイルオキシメチルエステルなどの低級(C1-6)アル
カノイルオキシ−低級(C1-6)アルキルエステル、ヘ
キセチルエステル、フタリジルエステル、シクロペンチ
ルオキシカルボニルオキシメチルエステル、シクロペン
チルオキシカルボニルオキシエチルエステル、メチルブ
チロニルラクトエステルなどである。R2の好ましい例
は、アセトキシメチルエステルなどである。
ヒドロキシル基で置換された低級アルキル基を示す。R
1で示される低級アルキル基としては、例えばメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルなどの炭素数
1ないし6のアルキル基などが用いられ、好ましくは例
えばエチルなどの炭素数1ないし4のアルキル基などが
用いられる。ヒドロキシル基の保護基としては、例えば
メチル、エチルなどが用いられる。R1の好ましい例は
ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチルなどである。
R2はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示
す。R2で示されるカルボキシル基のエステルとして
は、薬理学的に許容されるカルボキシル基のエステルで
あればよく、例えば抗生物質などで用いられる脂溶性エ
ステルなどが用いられる。具体的には、目的が達成され
る範囲では限定されることなく、例えばアセトキシメチ
ルエステル、プロパノイルオキシメチルエステル、ピバ
ロイルオキシメチルエステルなどの低級(C1-6)アル
カノイルオキシ−低級(C1-6)アルキルエステル、ヘ
キセチルエステル、フタリジルエステル、シクロペンチ
ルオキシカルボニルオキシメチルエステル、シクロペン
チルオキシカルボニルオキシエチルエステル、メチルブ
チロニルラクトエステルなどである。R2の好ましい例
は、アセトキシメチルエステルなどである。
【0013】R3は、置換されていてもよいピリジル基
を示す。R3で示されるピリジル基としては、例えば2
−ピリジル、3−ピリジルなどが用いられる。このよう
なピリジル基は1ないし4個の置換基で置換されていて
もよく、用いられる置換基としては、例えばヒドロキ
シ、低級アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシなどの
C1-4アルコキシなど)、アミノ−低級アルコキシ(例
えばアミノメトキシ、アミノエトキシなどのアミノ−C
1-4アルコキシなど)、低級アルカノイルオキシ(例え
ばアセトキシ、プロパノイルオキシなどのC1-4アルカ
ノイルオキシなど)、ハロゲン(例えば塩素、臭素な
ど)、メルカプト、低級アルキルチオ(例えばチオメチ
ル、チオエチルなどのC1-4アルキルチオなど)、低級
アルキル(例えばメチル、エチルなどのC1-4アルキル
など)、ヒドロキシ−低級アルキル(例えばヒドロキシ
メチル、ヒドロキシエチルなどのヒドロキシ−C1-4ア
ルキルなど)、ハロゲノ低級アルキル(例えば塩化メチ
ル、臭化エチルなどのハロゲノC1-4アルキルなど)、
アミノ−低級アルキル(例えばアミノメチル、アミノエ
チルなどのアミノ−C1-4アルキルなど)、低級アルキ
ル−アミノ(例えばメチルアミノ、エチルアミノなどの
C1-4アルキル−アミノなど)、ジ−低級アルキル−ア
ミノ(例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノなどのジ
−C1-4アルキル−アミノなど)、低級アルカノイルア
ミノ(例えばプロパノイルアミノなどのC1-4アルカノ
イルアミノなど)、カルボキシ、低級アルコキシカルボ
ニル(例えばメトキシカルボニルなどのC1-4アルコキ
シカルボニルなど)、カルバモイルなどがある。R3の
好ましい例は、3−ピリジルなどである。
を示す。R3で示されるピリジル基としては、例えば2
−ピリジル、3−ピリジルなどが用いられる。このよう
なピリジル基は1ないし4個の置換基で置換されていて
もよく、用いられる置換基としては、例えばヒドロキ
シ、低級アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシなどの
C1-4アルコキシなど)、アミノ−低級アルコキシ(例
えばアミノメトキシ、アミノエトキシなどのアミノ−C
1-4アルコキシなど)、低級アルカノイルオキシ(例え
ばアセトキシ、プロパノイルオキシなどのC1-4アルカ
ノイルオキシなど)、ハロゲン(例えば塩素、臭素な
ど)、メルカプト、低級アルキルチオ(例えばチオメチ
ル、チオエチルなどのC1-4アルキルチオなど)、低級
アルキル(例えばメチル、エチルなどのC1-4アルキル
など)、ヒドロキシ−低級アルキル(例えばヒドロキシ
メチル、ヒドロキシエチルなどのヒドロキシ−C1-4ア
ルキルなど)、ハロゲノ低級アルキル(例えば塩化メチ
ル、臭化エチルなどのハロゲノC1-4アルキルなど)、
アミノ−低級アルキル(例えばアミノメチル、アミノエ
チルなどのアミノ−C1-4アルキルなど)、低級アルキ
ル−アミノ(例えばメチルアミノ、エチルアミノなどの
C1-4アルキル−アミノなど)、ジ−低級アルキル−ア
ミノ(例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノなどのジ
−C1-4アルキル−アミノなど)、低級アルカノイルア
ミノ(例えばプロパノイルアミノなどのC1-4アルカノ
イルアミノなど)、カルボキシ、低級アルコキシカルボ
ニル(例えばメトキシカルボニルなどのC1-4アルコキ
シカルボニルなど)、カルバモイルなどがある。R3の
好ましい例は、3−ピリジルなどである。
【0014】また、このようなペネム化合物[I]、
[II]、[IIa]、[IIb]の塩は、医療として許容さ
れる非毒性塩であるのが好ましい。このような塩として
は、例えば、ペネム化合物中に存在する酸性基、例えば
カルボキシル基などで形成される塩であって、そして特
に金属塩またはアンモニウム塩、例えばアルカリ金属塩
またはアルカリ土類金属塩(例えばナトリウム、カリウ
ム、マグネシウム、カルシウム塩など)、並びにアンモ
ニアまたは適当な有機アミンとのアンモニウム塩、例え
ば低級アルキルアミン(例えばトリエチルアミンな
ど)、ヒドロキシ−低級アルキルアミン(例えば2−ヒ
ドロキシエチルアミン、ビス−(2−ヒドロキシエチ
ル)−アミン、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−ア
ミンまたは2−アミノ−1,3−ジヒドロキシ−メチル
プロ(“Tris”)など)、カルボン酸の塩基性脂肪
族エステル(例えばアミノ安息香酸2−ジエチルアミノ
エチルエステルなど)、環状アミン(例えば1−エチル
ピペリジン、シクロアルキルアミンなど)、塩基性アミ
ノ酸(例えばリジンなど)、N,N−ジベンジルエチレ
ンジアミン、ジベンジルアミンまたはN−ベンジル−β
−フェネチルアミンなどとの塩が用いられる。さらに、
例えばアミノ基などの塩基性塩を有するペネム化合物は
酸付加塩、例えば無機塩(例えば塩酸、硫酸、リン酸な
ど)との酸付加塩、または適当な有機カルボン酸もしく
はスルホン酸(例えば酢酸、コハク酸、フマル酸、マレ
イン酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、リ
ンゴ酸、アスコルビン酸、メタンスルホン酸、4−トル
エンスルホン酸など)との酸付加塩を形成することがで
きる。酸性基および塩基性基を有するペネム化合物は内
部塩の形態、すなわち二重イオンの形態で存在すること
もできる。
[II]、[IIa]、[IIb]の塩は、医療として許容さ
れる非毒性塩であるのが好ましい。このような塩として
は、例えば、ペネム化合物中に存在する酸性基、例えば
カルボキシル基などで形成される塩であって、そして特
に金属塩またはアンモニウム塩、例えばアルカリ金属塩
またはアルカリ土類金属塩(例えばナトリウム、カリウ
ム、マグネシウム、カルシウム塩など)、並びにアンモ
ニアまたは適当な有機アミンとのアンモニウム塩、例え
ば低級アルキルアミン(例えばトリエチルアミンな
ど)、ヒドロキシ−低級アルキルアミン(例えば2−ヒ
ドロキシエチルアミン、ビス−(2−ヒドロキシエチ
ル)−アミン、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−ア
ミンまたは2−アミノ−1,3−ジヒドロキシ−メチル
プロ(“Tris”)など)、カルボン酸の塩基性脂肪
族エステル(例えばアミノ安息香酸2−ジエチルアミノ
エチルエステルなど)、環状アミン(例えば1−エチル
ピペリジン、シクロアルキルアミンなど)、塩基性アミ
ノ酸(例えばリジンなど)、N,N−ジベンジルエチレ
ンジアミン、ジベンジルアミンまたはN−ベンジル−β
−フェネチルアミンなどとの塩が用いられる。さらに、
例えばアミノ基などの塩基性塩を有するペネム化合物は
酸付加塩、例えば無機塩(例えば塩酸、硫酸、リン酸な
ど)との酸付加塩、または適当な有機カルボン酸もしく
はスルホン酸(例えば酢酸、コハク酸、フマル酸、マレ
イン酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、リ
ンゴ酸、アスコルビン酸、メタンスルホン酸、4−トル
エンスルホン酸など)との酸付加塩を形成することがで
きる。酸性基および塩基性基を有するペネム化合物は内
部塩の形態、すなわち二重イオンの形態で存在すること
もできる。
【0015】本発明において、R2が低級アルカノイル
オキシ低級アルキル基でエステル化されたカルボキシル
基であるペネム化合物[I]またはその塩を用いた場合
には、シクロデキストリン類またはデキストリン類と包
接複合体を形成しないが、ペネム骨格の分解は起こらな
いと考えられ、製剤特性、特に安定性などの優れた経口
用固形組成物が得られる。このようなペネム化合物の好
ましい例としては、(+)−(5R,6S)−6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−ピリジ
ル)−7−オキソ−4−チア−1−アゼビシクロ[3.
2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の脂溶性エ
ステルなどが用いられ、具体的には、例えば(+)−
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−3−(3−ピリジル)−7−オキソ−4−チア−
1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2
−カルボン酸 アセトキシメチルエステル、(+)−
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−3−(3−ピリジル)−7−オキソ−4−チア−
1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2
−カルボン酸 ヘキセチルエステル、(+)−(5R,
6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−3−
(3−ピリジル)−7−オキソ−4−チア−1−アザビ
シクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン
酸 ピバロイルオキシメチルエステル、(+)−(5
R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−
3−(3−ピリジル)−7−オキソ−4−チア−1−ア
ザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カル
ボン酸 フタリジルエステル、(+)−(5R,6S)
−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−
ピリジル)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ
[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸 シ
クロペンチルオキシカルボニルオキシメチルエステル、
(+)−(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキ
シエチル]−3−(3−ピリジル)−7−オキソ−4−
チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エ
ン−2−カルボン酸 シクロペンチルオキシカルボニル
オキシエチルエステル、(+)−(5R,6S)−6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−ピリジ
ル)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ[3.
2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸 メチルブ
チロニルラクトエステルなどがある。これらの具体例の
中において、特に(+)−(5R,6S)−6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−ピリジ
ル)−7−オキソ−4−チア−1−アゼビシクロ[3.
2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸 アセトキ
シメチルエステルなどが好結果を与える。
オキシ低級アルキル基でエステル化されたカルボキシル
基であるペネム化合物[I]またはその塩を用いた場合
には、シクロデキストリン類またはデキストリン類と包
接複合体を形成しないが、ペネム骨格の分解は起こらな
いと考えられ、製剤特性、特に安定性などの優れた経口
用固形組成物が得られる。このようなペネム化合物の好
ましい例としては、(+)−(5R,6S)−6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−ピリジ
ル)−7−オキソ−4−チア−1−アゼビシクロ[3.
2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の脂溶性エ
ステルなどが用いられ、具体的には、例えば(+)−
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−3−(3−ピリジル)−7−オキソ−4−チア−
1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2
−カルボン酸 アセトキシメチルエステル、(+)−
(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−3−(3−ピリジル)−7−オキソ−4−チア−
1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2
−カルボン酸 ヘキセチルエステル、(+)−(5R,
6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−3−
(3−ピリジル)−7−オキソ−4−チア−1−アザビ
シクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン
酸 ピバロイルオキシメチルエステル、(+)−(5
R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−
3−(3−ピリジル)−7−オキソ−4−チア−1−ア
ザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カル
ボン酸 フタリジルエステル、(+)−(5R,6S)
−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−
ピリジル)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ
[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸 シ
クロペンチルオキシカルボニルオキシメチルエステル、
(+)−(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキ
シエチル]−3−(3−ピリジル)−7−オキソ−4−
チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エ
ン−2−カルボン酸 シクロペンチルオキシカルボニル
オキシエチルエステル、(+)−(5R,6S)−6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−ピリジ
ル)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ[3.
2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸 メチルブ
チロニルラクトエステルなどがある。これらの具体例の
中において、特に(+)−(5R,6S)−6−
[(R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−ピリジ
ル)−7−オキソ−4−チア−1−アゼビシクロ[3.
2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸 アセトキ
シメチルエステルなどが好結果を与える。
【0016】その他のペネム化合物の好ましい具体例と
しては、例えば(+)−(5R,6S)−6−[(R)
−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−テトラヒドロフ
ラニル)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ
[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸 ア
リルエステル、(+)−(5R,6S)−6−[(R)
−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−カルバモイルオ
キシメチル)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシク
ロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸
アセトキシメチルエステル、(+)−(5R,6S)−
6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−カ
ルバモイルオキシメチル)−7−オキソ−4−チア−1
−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−
カルボン酸 アリルエステルなどがある。上記のペネム
化合物は、通常1種が用いられるが、必要により2種以
上を混合して用いてもよい。ペネム化合物の固形組成物
中の含有割合は、0.5ないし90重量%、好ましくは
2.5ないし85重量%、より好ましくは5ないし80
重量%である。
しては、例えば(+)−(5R,6S)−6−[(R)
−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−テトラヒドロフ
ラニル)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ
[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸 ア
リルエステル、(+)−(5R,6S)−6−[(R)
−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−カルバモイルオ
キシメチル)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシク
ロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸
アセトキシメチルエステル、(+)−(5R,6S)−
6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−カ
ルバモイルオキシメチル)−7−オキソ−4−チア−1
−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−
カルボン酸 アリルエステルなどがある。上記のペネム
化合物は、通常1種が用いられるが、必要により2種以
上を混合して用いてもよい。ペネム化合物の固形組成物
中の含有割合は、0.5ないし90重量%、好ましくは
2.5ないし85重量%、より好ましくは5ないし80
重量%である。
【0017】本発明で用いられるシクロデキストリン類
は、例えば式
は、例えば式
【化9】 [式中、xは6ないし12の整数、R8、R9およびR10
は個々の繰り返し単位中で同一または異なって、それぞ
れ水素、アルキル基、モノヒドロキシアルキル基、ジヒ
ドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基あるいは糖
残基を示す。]で表される化合物などがある。より具体
的にはα−シクロデキストリン(x=6)、β−シクロ
デキストリン(x=7)、γ−シクロデキストリン(x
=8)、δ−シクロデキストリン(x=9)またはそれ
らの水酸基のエーテル誘導体、低級アルキル化またはヒ
ドロキシ低級アルキル化シクロデキストリン(例えばメ
チル、エチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル
化シクロデキストリンなど)、分岐シクロデキストリン
(例えばグルコシル、マルトシルなど)、架橋シクロデ
キストリン、硫酸化シクロデキストリンなどである。さ
らに、R8、R9、R10で示されるアルキル基としては、
例えばメチル、エチル、プロピルなどのC1-4アルキル
基が、モノヒドロキシアルキル基としては、例えばヒド
ロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ
プロピルなどのモノヒドロキシ−C1-4アルキル基が、
ジヒドロアルキル基としては、例えばジヒドロキシメチ
ル、2,2−ジヒドロキシエチル、ジヒドロキシプロピ
ルなどのジヒドロキシ−C1-4アルキル基が、カルボキ
シアルキル基としては、例えばカルボキシメチル、2−
カルボキシエチルなどのカルボキシ−C1-4アルキル基
が、糖残基としてはグルコシル基、マルトシル基、バノ
シル基などが用いられる。好ましいシクロデキストリン
類としては、例えばα−,β−,またはγ−シクロデキ
ストリンなどのシクロデキストリンなどであり、特にβ
−シクロデキストリンなどが汎用される。このようなシ
クロデキストリン類は、1種または2種以上の混合物と
して用いられる。その使用割合は、ペネム化合物1重量
に対してシクロデキストリン類0.005ないし50重
量、好ましくは0.02ないし10重量、より好ましく
は0.4ないし10重量である。
は個々の繰り返し単位中で同一または異なって、それぞ
れ水素、アルキル基、モノヒドロキシアルキル基、ジヒ
ドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基あるいは糖
残基を示す。]で表される化合物などがある。より具体
的にはα−シクロデキストリン(x=6)、β−シクロ
デキストリン(x=7)、γ−シクロデキストリン(x
=8)、δ−シクロデキストリン(x=9)またはそれ
らの水酸基のエーテル誘導体、低級アルキル化またはヒ
ドロキシ低級アルキル化シクロデキストリン(例えばメ
チル、エチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル
化シクロデキストリンなど)、分岐シクロデキストリン
(例えばグルコシル、マルトシルなど)、架橋シクロデ
キストリン、硫酸化シクロデキストリンなどである。さ
らに、R8、R9、R10で示されるアルキル基としては、
例えばメチル、エチル、プロピルなどのC1-4アルキル
基が、モノヒドロキシアルキル基としては、例えばヒド
ロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ
プロピルなどのモノヒドロキシ−C1-4アルキル基が、
ジヒドロアルキル基としては、例えばジヒドロキシメチ
ル、2,2−ジヒドロキシエチル、ジヒドロキシプロピ
ルなどのジヒドロキシ−C1-4アルキル基が、カルボキ
シアルキル基としては、例えばカルボキシメチル、2−
カルボキシエチルなどのカルボキシ−C1-4アルキル基
が、糖残基としてはグルコシル基、マルトシル基、バノ
シル基などが用いられる。好ましいシクロデキストリン
類としては、例えばα−,β−,またはγ−シクロデキ
ストリンなどのシクロデキストリンなどであり、特にβ
−シクロデキストリンなどが汎用される。このようなシ
クロデキストリン類は、1種または2種以上の混合物と
して用いられる。その使用割合は、ペネム化合物1重量
に対してシクロデキストリン類0.005ないし50重
量、好ましくは0.02ないし10重量、より好ましく
は0.4ないし10重量である。
【0018】また、デキストリン類としては、例えばア
ミロペクチンからなるデンプン類をα−アミラーゼによ
り加水分解して得られるものなどが用いられ、具体的に
は平均重合度5ないし70のデキストリン、その誘導体
例えば硫酸化デキストリンなどが用いられる。好ましい
デキストリン類としては、例えばアクロデキストリンな
どが用いられる。このようなデキストリン類は、1種ま
たは2種以上の混合物として用いられる。その使用割合
は、ペネム化合物1重量に対してデキストリン類0.0
1ないし50重量、好ましくは0.02ないし20重
量、より好ましくは0.05ないし10重量である。さ
らに、本発明においては、上記のシクロデキストリン類
とデキストリン類との混合物を用いてもよく、この場合
には例えばβ−シクロデキストリンとアクロデキストリ
ンとの混合物、β−シクロデキストリンとマルトデキス
トリンとの混合物などが用いられる。混合割合は、シク
ロデキストリン類1重量に対してデキストリン類0.0
1ないし100重量、好ましくは0.05ないし50重
量、より好ましくは0.1ないし10重量である。シク
ロデキストリン類とデキストリン類の混合物を使用する
場合の使用量は、ペネム化合物に対して重量比で0.0
1ないし50倍量であるが、好ましくは0.02ないし
20倍量、より好ましくは0.05ないし10倍量であ
る。
ミロペクチンからなるデンプン類をα−アミラーゼによ
り加水分解して得られるものなどが用いられ、具体的に
は平均重合度5ないし70のデキストリン、その誘導体
例えば硫酸化デキストリンなどが用いられる。好ましい
デキストリン類としては、例えばアクロデキストリンな
どが用いられる。このようなデキストリン類は、1種ま
たは2種以上の混合物として用いられる。その使用割合
は、ペネム化合物1重量に対してデキストリン類0.0
1ないし50重量、好ましくは0.02ないし20重
量、より好ましくは0.05ないし10重量である。さ
らに、本発明においては、上記のシクロデキストリン類
とデキストリン類との混合物を用いてもよく、この場合
には例えばβ−シクロデキストリンとアクロデキストリ
ンとの混合物、β−シクロデキストリンとマルトデキス
トリンとの混合物などが用いられる。混合割合は、シク
ロデキストリン類1重量に対してデキストリン類0.0
1ないし100重量、好ましくは0.05ないし50重
量、より好ましくは0.1ないし10重量である。シク
ロデキストリン類とデキストリン類の混合物を使用する
場合の使用量は、ペネム化合物に対して重量比で0.0
1ないし50倍量であるが、好ましくは0.02ないし
20倍量、より好ましくは0.05ないし10倍量であ
る。
【0019】本発明の固形組成物は、例えばペネム化合
物とシクロデキストリン類および/またはデキストリン
類とを混合、成形することにより製造することができ
る。ペネム化合物とシクロデキストリン類および/また
はデキストリン類との混合は、常法に従って行うことが
でき、公知の慣用手段例えばV型混合機などを用いて行
うことができる。ペネム化合物とシクロデキストリン類
および/またはデキストリン類との混合は、当初より各
成分の使用量の総てを一度に用いて混合してもよいが、
各成分を徐々に添加しながら混合することもできる。混
合時間、混合温度などの混合条件は、用いられる混合手
段によって異なるが、通常混合時間は0.1ないし3
0、好ましくは0.2ないし20分間であり、混合温度
は10ないし40、好ましくは15ないし30°Cであ
る。成形は、例えば錠剤機などにより行うことができ
る。本発明固形組成物には、上記のペネム化合物とシク
ロデキストリン類および/またはデキストリン類の他、
さらに賦形剤(例えば軽質無水ケイ酸、乳糖、ショ糖、
ブドウ糖、でんぷん、結晶セルロース、マンニット、リ
ン酸水素カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、三ケイ
酸マグネシウムなど)、溶解補助剤(例えばHCO−6
0、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、ト
リスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールア
ミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなど)、崩
壊剤(例えばでんぷん、カルボキシメチルスターチ、ヒ
ドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカ
ルボキシメチルセルロースナトリウム、低置換度ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、粉末セルロース、炭酸
カルシウムなど)、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネ
シウム、精製タルク、ステアリン酸、ステアリン酸カル
シウム、ショ糖脂肪酸エステルなど)、結合剤(例えば
でんぷん、α化でんぷん、低置換度ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、粉末セルロース、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロー
ス、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、トラガン
ト、精製ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドンなど)などの公知の固形製剤において通常使
用される添加剤を適宜、適量加えることもできる。例え
ば錠剤を製する場合は、まずペネム化合物とシクロデキ
ストリン類および/またはデキストリン類に賦形剤また
は必要に応じて粉末状の結合剤、崩壊剤を加えて圧縮用
粉粒体の混合物を作り、これに滑沢剤を加えて錠剤機
(スラッグ用)に供給し、100ないし1500kg/
cm2の圧力で圧縮して、直径10ないし20mmの大
きな錠剤(スラッグ錠剤)とする。その際の使用割合
は、ペネム化合物1重量に対して賦形剤0.1ないし2
0重量、好ましくは0.2ないし1.5重量、結合剤
0.001ないし0.2重量、好ましくは0.005な
いし0.1重量、崩壊剤0.001ないし0.3重量、
好ましくは0.005ないし0.2重量、滑沢剤0.0
005ないし0.15重量、好ましくは0.001ない
し0.1重量である。次にこれを適当な粒度に粉砕調粒
した粉粒体(スラッグ顆粒)に、滑沢剤あるいは必要に
応じて、さらに崩壊剤を加えて再び通常の錠剤機で一定
の形状に圧縮する。その際の使用割合は、ペネム化合物
1重量に対して崩壊剤0.001ないし0.2重量、好
ましくは0.01ないし0.15重量、滑沢剤0.00
05ないし0.15重量、好ましくは0.001ないし
0.1重量である。
物とシクロデキストリン類および/またはデキストリン
類とを混合、成形することにより製造することができ
る。ペネム化合物とシクロデキストリン類および/また
はデキストリン類との混合は、常法に従って行うことが
でき、公知の慣用手段例えばV型混合機などを用いて行
うことができる。ペネム化合物とシクロデキストリン類
および/またはデキストリン類との混合は、当初より各
成分の使用量の総てを一度に用いて混合してもよいが、
各成分を徐々に添加しながら混合することもできる。混
合時間、混合温度などの混合条件は、用いられる混合手
段によって異なるが、通常混合時間は0.1ないし3
0、好ましくは0.2ないし20分間であり、混合温度
は10ないし40、好ましくは15ないし30°Cであ
る。成形は、例えば錠剤機などにより行うことができ
る。本発明固形組成物には、上記のペネム化合物とシク
ロデキストリン類および/またはデキストリン類の他、
さらに賦形剤(例えば軽質無水ケイ酸、乳糖、ショ糖、
ブドウ糖、でんぷん、結晶セルロース、マンニット、リ
ン酸水素カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、三ケイ
酸マグネシウムなど)、溶解補助剤(例えばHCO−6
0、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、ト
リスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールア
ミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなど)、崩
壊剤(例えばでんぷん、カルボキシメチルスターチ、ヒ
ドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカ
ルボキシメチルセルロースナトリウム、低置換度ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、粉末セルロース、炭酸
カルシウムなど)、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネ
シウム、精製タルク、ステアリン酸、ステアリン酸カル
シウム、ショ糖脂肪酸エステルなど)、結合剤(例えば
でんぷん、α化でんぷん、低置換度ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、粉末セルロース、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロー
ス、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、トラガン
ト、精製ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドンなど)などの公知の固形製剤において通常使
用される添加剤を適宜、適量加えることもできる。例え
ば錠剤を製する場合は、まずペネム化合物とシクロデキ
ストリン類および/またはデキストリン類に賦形剤また
は必要に応じて粉末状の結合剤、崩壊剤を加えて圧縮用
粉粒体の混合物を作り、これに滑沢剤を加えて錠剤機
(スラッグ用)に供給し、100ないし1500kg/
cm2の圧力で圧縮して、直径10ないし20mmの大
きな錠剤(スラッグ錠剤)とする。その際の使用割合
は、ペネム化合物1重量に対して賦形剤0.1ないし2
0重量、好ましくは0.2ないし1.5重量、結合剤
0.001ないし0.2重量、好ましくは0.005な
いし0.1重量、崩壊剤0.001ないし0.3重量、
好ましくは0.005ないし0.2重量、滑沢剤0.0
005ないし0.15重量、好ましくは0.001ない
し0.1重量である。次にこれを適当な粒度に粉砕調粒
した粉粒体(スラッグ顆粒)に、滑沢剤あるいは必要に
応じて、さらに崩壊剤を加えて再び通常の錠剤機で一定
の形状に圧縮する。その際の使用割合は、ペネム化合物
1重量に対して崩壊剤0.001ないし0.2重量、好
ましくは0.01ないし0.15重量、滑沢剤0.00
05ないし0.15重量、好ましくは0.001ないし
0.1重量である。
【0020】また、本発明の固形組成物は必要により矯
味などによる服用感の向上、あるいは安定性の向上など
の目的でシュガーコーティングあるいはフィルムコーテ
ィングを施されていてもよい。このコーティングは、ペ
ネム化合物とシクロデキストリン類および/またはデキ
ストリン類とを混合し固形化したものを常法に従ってコ
ーティングすることにより製造される。ここにおけるコ
ーティング層は、例えば炭酸カルシウム、ショ糖、アス
パラテーム、リン酸カルシウム、タルク、アラビアゴ
ム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ア
ミノアルキルメタアクリレート類、メタアクリル酸コポ
リマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、酸
化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、食用色素など
のコーティング一般に用いられる添加物を含有していて
もよい。本発明の固形組成物は、常法により、例えば粉
剤、錠剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤、丸剤、散剤、
坐剤、トローチ剤などに成形されることができる。この
ようにして得られる固形組成物を用いて、必要に応じて
他の医薬成分、添加物、溶媒などと共に、常法に従って
例えばパップ剤、懸濁剤、軟膏剤、硬膏剤、注射剤、リ
ニメント剤、ローション剤などに製剤化して使用するこ
ともできる。特に本発明の固形組成物は、例えば経口投
与剤として通常知られている剤形、例えば錠剤、顆粒
剤、細粒剤、カプセル剤、丸剤、散剤などに成形して用
いるのが好ましい。
味などによる服用感の向上、あるいは安定性の向上など
の目的でシュガーコーティングあるいはフィルムコーテ
ィングを施されていてもよい。このコーティングは、ペ
ネム化合物とシクロデキストリン類および/またはデキ
ストリン類とを混合し固形化したものを常法に従ってコ
ーティングすることにより製造される。ここにおけるコ
ーティング層は、例えば炭酸カルシウム、ショ糖、アス
パラテーム、リン酸カルシウム、タルク、アラビアゴ
ム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ア
ミノアルキルメタアクリレート類、メタアクリル酸コポ
リマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、酸
化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、食用色素など
のコーティング一般に用いられる添加物を含有していて
もよい。本発明の固形組成物は、常法により、例えば粉
剤、錠剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤、丸剤、散剤、
坐剤、トローチ剤などに成形されることができる。この
ようにして得られる固形組成物を用いて、必要に応じて
他の医薬成分、添加物、溶媒などと共に、常法に従って
例えばパップ剤、懸濁剤、軟膏剤、硬膏剤、注射剤、リ
ニメント剤、ローション剤などに製剤化して使用するこ
ともできる。特に本発明の固形組成物は、例えば経口投
与剤として通常知られている剤形、例えば錠剤、顆粒
剤、細粒剤、カプセル剤、丸剤、散剤などに成形して用
いるのが好ましい。
【0021】
【作用】かくして本発明では、ペネム化合物とシクロデ
キストリン類および/またはデキストリン類とを混合、
成形することにより、優れた製剤特性、例えば安定性、
水溶性、消化管吸収性、バイオアベイラビリティなどの
向上、例えば苦味、悪臭、局所刺激性などの軽減、例え
ば放出制御などを有する固形組成物が得られる。このよ
うにして得られた固形組成物は、ペネム化合物を含む従
来の固形組成物と同様にして用いることができる。特
に、本発明の固形組成物が経口用抗菌製剤として得られ
ている場合は、室温で長期間保存しても品質にほとんど
変化なく安定であり、有効成分の体内吸収も良いなどの
製品として優れた性質を有しているので、哺乳動物(例
えばヒト、イヌ、ウサギ、ラット、サル、ネコ、モルモ
ット、マウス、ウマ、ウシ、ヒツジなど)の安全な感染
症治療薬として用いることができ、成人の感染症に対し
ては、1日当たり有効成分のペネム化合物の量5ないし
2000mg、好ましくは30ないし500mgになる
ように1ないし3回に分けて経口投与する。
キストリン類および/またはデキストリン類とを混合、
成形することにより、優れた製剤特性、例えば安定性、
水溶性、消化管吸収性、バイオアベイラビリティなどの
向上、例えば苦味、悪臭、局所刺激性などの軽減、例え
ば放出制御などを有する固形組成物が得られる。このよ
うにして得られた固形組成物は、ペネム化合物を含む従
来の固形組成物と同様にして用いることができる。特
に、本発明の固形組成物が経口用抗菌製剤として得られ
ている場合は、室温で長期間保存しても品質にほとんど
変化なく安定であり、有効成分の体内吸収も良いなどの
製品として優れた性質を有しているので、哺乳動物(例
えばヒト、イヌ、ウサギ、ラット、サル、ネコ、モルモ
ット、マウス、ウマ、ウシ、ヒツジなど)の安全な感染
症治療薬として用いることができ、成人の感染症に対し
ては、1日当たり有効成分のペネム化合物の量5ないし
2000mg、好ましくは30ないし500mgになる
ように1ないし3回に分けて経口投与する。
【0022】試験例1 本発明の固形製剤が優れた安定性を示すことを、代表的
な安定性試験で明らかにする。 試験錠剤:下記の実施例、対照例で得られる次の錠剤、
コーティング粒を試験に用いた。
な安定性試験で明らかにする。 試験錠剤:下記の実施例、対照例で得られる次の錠剤、
コーティング粒を試験に用いた。
【表1】 試験方法:内容量約10mlのガラス瓶に錠剤5錠また
はコ−ティング粒約1gを入れ、金属キャップを施し、
40℃で8または16週間、または50℃で2または4
週間保存後、化合物B含量を液体クロマトグラフィ−で
測定し、初期含量に対する残存率(%)を求めた。試験
結果は次の表に示す。
はコ−ティング粒約1gを入れ、金属キャップを施し、
40℃で8または16週間、または50℃で2または4
週間保存後、化合物B含量を液体クロマトグラフィ−で
測定し、初期含量に対する残存率(%)を求めた。試験
結果は次の表に示す。
【表2】 この表より、本発明の錠剤およびコーティング粒の安定
性は、通常の方法で得られる対応する製剤に比し良好で
あることは明らかである。
性は、通常の方法で得られる対応する製剤に比し良好で
あることは明らかである。
【0023】試験例2 本発明の固形製剤が経口投与により速やかに生体内に吸
収され、抗菌活性を示すことを下記の試験方法で明らか
にする。 試験方法:下記の実施例で得られる次の錠剤100mg
を、ビーグル犬(平均年齢2.5才雄、平均体重10k
g)6頭の各々に経口投与した。投与後0.5、1、
1.5、2、4、6時間に前肢より静脈採血し、化合物
Bの主代謝物である化合物Bの血中濃度を液体クロマト
グラフィーを用いて測定した。試験結果を次の表に示
す。表中Cmaxは最高血中濃度値、Tmaxは最高血中濃度
到達時間、AUCは血中濃度−時間曲線下面積を示す。 試験結果
収され、抗菌活性を示すことを下記の試験方法で明らか
にする。 試験方法:下記の実施例で得られる次の錠剤100mg
を、ビーグル犬(平均年齢2.5才雄、平均体重10k
g)6頭の各々に経口投与した。投与後0.5、1、
1.5、2、4、6時間に前肢より静脈採血し、化合物
Bの主代謝物である化合物Bの血中濃度を液体クロマト
グラフィーを用いて測定した。試験結果を次の表に示
す。表中Cmaxは最高血中濃度値、Tmaxは最高血中濃度
到達時間、AUCは血中濃度−時間曲線下面積を示す。 試験結果
【表3】 この表より、本発明の錠剤は経口投与により速やかに生
体内に吸収されることは明らかであり、吸収後、化合物
Bの代謝物である化合物Aは抗菌活性を示すと考えられ
る。
体内に吸収されることは明らかであり、吸収後、化合物
Bの代謝物である化合物Aは抗菌活性を示すと考えられ
る。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて本発明をさら
に具体的に説明するが、これらは本発明を限定するもの
ではない。 実施例1 (+)−(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキ
シエチル]−3−(3−ピリジル)−7−オキソ−4−
チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エ
ン−2−カルボン酸アセトキシメチルエステル(以下
「化合物B」と略称する)532.8g、結晶セルロ−
ス69.2g、α−シクロデキストリン160.0g、
軽質無水ケイ酸2.0g、ステアリン酸マグネシウム
8.0gを均一に混合し、得られた混合物を、錠剤機
(HT−18A、畑製作所製)で直径10.0mm、普
通面の杵を用い、圧力300kg/杵で打錠し、1錠当
り300ないし350mgの錠剤741gを得た。この
錠剤をパワーミル(P−3型、昭和化学機械工作所製)
を用い直径2.0mmパンチングスクリーンで篩過し顆
粒とした。この顆粒694.8gとクロスカルメロース
ナトリウム(アクジゾルR、旭化成)21.6g、軽質
無水ケイ酸0.72g、ステアリン酸マグネシウム2.
88gを均一に混合した。この混合物を、錠剤機で直径
8.0mm、2段Rの杵を用い、圧力1.5トン/cm2
で打錠し、錠剤3150錠を得た。得られた錠剤1錠当
りの組成は下記に示すものであった。
に具体的に説明するが、これらは本発明を限定するもの
ではない。 実施例1 (+)−(5R,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキ
シエチル]−3−(3−ピリジル)−7−オキソ−4−
チア−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エ
ン−2−カルボン酸アセトキシメチルエステル(以下
「化合物B」と略称する)532.8g、結晶セルロ−
ス69.2g、α−シクロデキストリン160.0g、
軽質無水ケイ酸2.0g、ステアリン酸マグネシウム
8.0gを均一に混合し、得られた混合物を、錠剤機
(HT−18A、畑製作所製)で直径10.0mm、普
通面の杵を用い、圧力300kg/杵で打錠し、1錠当
り300ないし350mgの錠剤741gを得た。この
錠剤をパワーミル(P−3型、昭和化学機械工作所製)
を用い直径2.0mmパンチングスクリーンで篩過し顆
粒とした。この顆粒694.8gとクロスカルメロース
ナトリウム(アクジゾルR、旭化成)21.6g、軽質
無水ケイ酸0.72g、ステアリン酸マグネシウム2.
88gを均一に混合した。この混合物を、錠剤機で直径
8.0mm、2段Rの杵を用い、圧力1.5トン/cm2
で打錠し、錠剤3150錠を得た。得られた錠剤1錠当
りの組成は下記に示すものであった。
【0025】実施例2 実施例1に記載の方法において、α−シクロデキストリ
ン160gの代りにβ−シクロデキストリン160gを
用いて、実施例1と同様にして1錠当り下記の組成を有
する錠剤2900錠を得た。 実施例3 実施例1に記載の方法において、α−シクロデキストリ
ン160gの代りにβ−シクロデキストリン80g、結
晶セルロース80gを用いて、実施例1と同様にして1
錠当り下記の組成を有する錠剤3050錠を得た。
ン160gの代りにβ−シクロデキストリン160gを
用いて、実施例1と同様にして1錠当り下記の組成を有
する錠剤2900錠を得た。 実施例3 実施例1に記載の方法において、α−シクロデキストリ
ン160gの代りにβ−シクロデキストリン80g、結
晶セルロース80gを用いて、実施例1と同様にして1
錠当り下記の組成を有する錠剤3050錠を得た。
【0026】実施例4 実施例1に記載の方法において、α−シクロデキストリ
ン160gの代りにデキストリン160gを用いて、実
施例1と同様にして1錠当り下記の組成を有する錠剤3
000錠を得た。 実施例5 実施例1に記載の方法において、α−シクロデキストリ
ン160gの代りにβ−シクロデキストリン80gおよ
びデキストリン80gを用いて、実施例1と同様にして
1錠当り下記の組成を有する錠剤2950錠を得た。
ン160gの代りにデキストリン160gを用いて、実
施例1と同様にして1錠当り下記の組成を有する錠剤3
000錠を得た。 実施例5 実施例1に記載の方法において、α−シクロデキストリ
ン160gの代りにβ−シクロデキストリン80gおよ
びデキストリン80gを用いて、実施例1と同様にして
1錠当り下記の組成を有する錠剤2950錠を得た。
【0027】実施例6 TC−5(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、信越
化学製)67.32gおよびマクロゴール6000(三
洋化成製)13.5gを蒸留水1000gと30分間攪
拌して、溶解させた。一方、酸化チタン9gおよび黄色
三二酸化鉄0.18gを蒸留水620g中に、ホモディ
スパー(L型、特殊機化製)を用いて、2kg/cm2
の圧力で、30分間分散し、先の溶解液を加えフィルム
コーティング液とした。フィルムコーティング機(HI-C
OATER 30型、フロイント産業製)を用いて、錠剤温度約
41℃、注液速度約2g/分でフィルムコ−ティング液
を実施例3の錠剤700gにスプレーし、1錠当り9m
gの皮膜形成を行い、コーティング錠を得た。得られた
コーティング錠1錠当りのコーティング層の組成は、下
記に示すものであった。 コ−ティング層 TC−5 6.372mg マクロゴール6000 1.35mg 酸化チタン 0.90mg 黄色三二酸化鉄 0.018mg (蒸留水 162mg) 計 200mg
化学製)67.32gおよびマクロゴール6000(三
洋化成製)13.5gを蒸留水1000gと30分間攪
拌して、溶解させた。一方、酸化チタン9gおよび黄色
三二酸化鉄0.18gを蒸留水620g中に、ホモディ
スパー(L型、特殊機化製)を用いて、2kg/cm2
の圧力で、30分間分散し、先の溶解液を加えフィルム
コーティング液とした。フィルムコーティング機(HI-C
OATER 30型、フロイント産業製)を用いて、錠剤温度約
41℃、注液速度約2g/分でフィルムコ−ティング液
を実施例3の錠剤700gにスプレーし、1錠当り9m
gの皮膜形成を行い、コーティング錠を得た。得られた
コーティング錠1錠当りのコーティング層の組成は、下
記に示すものであった。 コ−ティング層 TC−5 6.372mg マクロゴール6000 1.35mg 酸化チタン 0.90mg 黄色三二酸化鉄 0.018mg (蒸留水 162mg) 計 200mg
【0028】実施例7 遠心流動造粒機(CF−160、フロイント産業製)の
ローター内にグラニュウ糖SR(塩水港精糖製)150
gを投入し、2%HPC−L(ヒドロキシプロピルセル
ロース)エチルアルコール溶液を2g/分でスプレー
し、あわせて予め混合した粉末(化合物B125g、β
−シクロデキストリン40gおよび粉砕グラニュウ糖5
9.6g)を撒布し、化合物Bを含有した下記組成の化
合物B粒353gを得た。この化合物B粒280gを流
動造粒機(FD−3SN、パウレック社製)を用い、4
0℃の送風温度で5%TC−5水溶液560g、引き続
き5.5% オイドラギット・マクロゴール6000の
エチルアルコール溶液(オイドラギット L100、樋
口商会:マクロゴール6000=10:1(重量比))
を2g/分でスプレーコーティングし、下記に示す組成
の化合物Bコーティング粒352gを得た。
ローター内にグラニュウ糖SR(塩水港精糖製)150
gを投入し、2%HPC−L(ヒドロキシプロピルセル
ロース)エチルアルコール溶液を2g/分でスプレー
し、あわせて予め混合した粉末(化合物B125g、β
−シクロデキストリン40gおよび粉砕グラニュウ糖5
9.6g)を撒布し、化合物Bを含有した下記組成の化
合物B粒353gを得た。この化合物B粒280gを流
動造粒機(FD−3SN、パウレック社製)を用い、4
0℃の送風温度で5%TC−5水溶液560g、引き続
き5.5% オイドラギット・マクロゴール6000の
エチルアルコール溶液(オイドラギット L100、樋
口商会:マクロゴール6000=10:1(重量比))
を2g/分でスプレーコーティングし、下記に示す組成
の化合物Bコーティング粒352gを得た。
【0029】実施例8 実施例1に記載の方法において、α−シクロデキストリ
ン160gの代わりにβ−シクロデキストリン40g、
結晶セルロース120gを用いて、実施例1と同様にし
て1錠当たり下記の組成を有する錠剤2800錠を得
た。 実施例9 実施例1に記載の方法において、α−シクロデキストリ
ン160gの代わりにβ−シクロデキストリン20g、
結晶セルロース140gを用いて、実施例1と同様にし
て1錠当たり下記の組成を有する錠剤2950錠を得
た。
ン160gの代わりにβ−シクロデキストリン40g、
結晶セルロース120gを用いて、実施例1と同様にし
て1錠当たり下記の組成を有する錠剤2800錠を得
た。 実施例9 実施例1に記載の方法において、α−シクロデキストリ
ン160gの代わりにβ−シクロデキストリン20g、
結晶セルロース140gを用いて、実施例1と同様にし
て1錠当たり下記の組成を有する錠剤2950錠を得
た。
【0030】対照例1 実施例1に記載の方法において、α−シクロデキストリ
ン160gの代りに結晶セルロースを用いて、実施例1
と同様にして1錠当り下記の組成を有する錠剤2850
錠を得た。 対照例2 実施例7に記載の方法において、β−シクロデキストリ
ン40gの代りに粉砕グラニュウ糖を用いて、実施例7
と同様にして下記の組成を有するコーティング粒344
gを得た。
ン160gの代りに結晶セルロースを用いて、実施例1
と同様にして1錠当り下記の組成を有する錠剤2850
錠を得た。 対照例2 実施例7に記載の方法において、β−シクロデキストリ
ン40gの代りに粉砕グラニュウ糖を用いて、実施例7
と同様にして下記の組成を有するコーティング粒344
gを得た。
【0031】
【発明の効果】本発明のペネム化合物含有固形組成物お
よびその経口用抗菌製剤は、室温で長期間保存しても品
質にほとんど変化がなく安定であるなどの優れた製剤特
性を有しているので、従来にはなかった新しいペネム化
合物を含む感染症治療薬を提供することができる。
よびその経口用抗菌製剤は、室温で長期間保存しても品
質にほとんど変化がなく安定であるなどの優れた製剤特
性を有しているので、従来にはなかった新しいペネム化
合物を含む感染症治療薬を提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 31/43 ADZ (72)発明者 柏原 俊夫 大阪府吹田市千里山松が丘3丁目5番706 号
Claims (12)
- 【請求項1】ペネム化合物とシクロデキストリン類およ
び/またはデキストリン類とを含有する固形組成物。 - 【請求項2】経口用である請求項1記載の固形組成物。
- 【請求項3】ペネム化合物が式 【化1】 [式中、R1は保護されていてもよいヒドロキシル基で
置換された低級アルキル基、R2はエステル化されてい
てもよいカルボキシル基、R3は置換されていてもよい
ピリジル基を示す]で表される化合物またはその塩であ
る請求項1記載の固形組成物。 - 【請求項4】R2がエステル化されたカルボキシル基で
ある請求項3記載の固形組成物。 - 【請求項5】R2が低級アルカノイルオキシ低級アルキ
ル基でエステル化されたカルボキシル基である請求項3
記載の固形組成物。 - 【請求項6】ペネム化合物が(+)−(5R,6S)−
6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−ピ
リジル)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ
[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の脂
溶性エステルである請求項1記載の固形組成物。 - 【請求項7】シクロデキストリン類がシクロデキストリ
ンである請求項1記載の固形組成物。 - 【請求項8】デキストリン類が平均重合度5ないし70
のデキストリンまたはその誘導体である請求項1記載の
固形組成物。 - 【請求項9】ペネム化合物1重量部に対しシクロデキス
トリン類0.02ないし10重量部を含有する請求項1
記載の固形組成物。 - 【請求項10】ペネム化合物1重量部に対しシクロデキ
ストリン類0.4ないし10重量部を含有する請求項1
記載の固形組成物。 - 【請求項11】ペネム化合物とシクロデキストリン類お
よび/またはデキストリン類とを混合、成形することを
特徴とする固形組成物の製造方法。 - 【請求項12】請求項1記載の固形組成物を含む経口用
抗菌製剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6102507A JPH0769887A (ja) | 1993-07-09 | 1994-05-17 | ペネム化合物含有固形組成物、その製造法および剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-170693 | 1993-07-09 | ||
JP17069393 | 1993-07-09 | ||
JP6102507A JPH0769887A (ja) | 1993-07-09 | 1994-05-17 | ペネム化合物含有固形組成物、その製造法および剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0769887A true JPH0769887A (ja) | 1995-03-14 |
Family
ID=26443226
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6102507A Withdrawn JPH0769887A (ja) | 1993-07-09 | 1994-05-17 | ペネム化合物含有固形組成物、その製造法および剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0769887A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001021175A1 (en) * | 1999-09-17 | 2001-03-29 | Suntory Limited | Antibacterial medicinal compositions |
US6566504B2 (en) | 1996-04-19 | 2003-05-20 | Alpha Therapeutic Corporation | Process for viral inactivation of lyophilized blood proteins |
WO2003072140A1 (fr) * | 2002-02-27 | 2003-09-04 | Eisai Co., Ltd. | Preparations moulees par compression presentant des proprietes de desintegration rapide |
JP2011520889A (ja) * | 2008-05-15 | 2011-07-21 | バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド | 安定な医薬製剤 |
JP2021104983A (ja) * | 2019-12-27 | 2021-07-26 | ライオン株式会社 | 錠剤及びコーティング錠 |
-
1994
- 1994-05-17 JP JP6102507A patent/JPH0769887A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6566504B2 (en) | 1996-04-19 | 2003-05-20 | Alpha Therapeutic Corporation | Process for viral inactivation of lyophilized blood proteins |
WO2001021175A1 (en) * | 1999-09-17 | 2001-03-29 | Suntory Limited | Antibacterial medicinal compositions |
US6531508B1 (en) | 1999-09-17 | 2003-03-11 | Suntory Limited | Antibacterial medicinal compositions |
WO2003072140A1 (fr) * | 2002-02-27 | 2003-09-04 | Eisai Co., Ltd. | Preparations moulees par compression presentant des proprietes de desintegration rapide |
JP2011520889A (ja) * | 2008-05-15 | 2011-07-21 | バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド | 安定な医薬製剤 |
JP2021104983A (ja) * | 2019-12-27 | 2021-07-26 | ライオン株式会社 | 錠剤及びコーティング錠 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010731 |