JPH0769768A - 固形有機廃棄物の堆肥化方法及びその装置 - Google Patents

固形有機廃棄物の堆肥化方法及びその装置

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JPH0769768A
JPH0769768A JP21276293A JP21276293A JPH0769768A JP H0769768 A JPH0769768 A JP H0769768A JP 21276293 A JP21276293 A JP 21276293A JP 21276293 A JP21276293 A JP 21276293A JP H0769768 A JPH0769768 A JP H0769768A
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JP
Japan
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fermentation
organic waste
solid organic
tank
drain
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JP21276293A
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Masahiko Ishida
昌彦 石田
Setsuo Saito
節雄 斉藤
Yasuhiro Shindo
泰広 進藤
Shoichi Kitahata
正一 北畠
Usaburo Yamaguchi
卯三郎 山口
Masae Kawashima
正栄 川島
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/40Bio-organic fraction processing; Production of fertilisers from the organic fraction of waste or refuse

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Fertilizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塵芥等の固形有機廃棄物の好気発酵による堆
肥化において、発酵が終了するまで好気性微生物に適し
た湿度になるように発酵槽内の発酵物の含水率を均一に
維持して熟成度の高いコンポストを高速で得る。 【構成】 発酵排気bを除湿して得られるドレインdを
加湿用槽20に収容し、そこで系外から導入する外気a
と気液接触させることにより得られる加湿外気を発酵槽
10内の発酵物に給気して発酵後期の乾燥の進行による
発酵阻害を回避して発酵速度と分解率を向上する。 【効果】 乾燥による発酵阻害を回避できるため、従来
よりも熟成度の高いコンポストを短期間で得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固形有機廃棄物の堆肥化
方法及びその装置に関し、特に発酵物の含水率を堆肥化
の終了時まで適切に維持することにより高い分解率で発
酵し熟成度の高い良質の堆肥(コンポスト)を得る方法
及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、塵芥、食品加工廃棄物、農林畜産
廃棄物並びに下水汚泥等に代表される有機廃棄物を堆肥
いわゆるコンポストに転換して有機質肥料として再利用
しようとする動きが活発化し始めている。このようなコ
ンポストが有機肥料として有効に用いられるためには、
原料である塵芥などの中に存在する澱粉、蛋白、脂肪な
どの易分解成分が分解、すなわち有機物全量の少なくと
も20wt%以上が炭酸ガスと水とに分解し、残りが土
壌中で安定なフミン質に転換することが必要となる。好
ましくは、有機物の30〜40wt%を揮散させれば、
きわめて良質な肥料となる。
【0003】しかしながら堆肥化は好気性微生物による
発酵のため分解反応は緩慢であり、良質な堆肥を得るた
めには通常少なくとも10日以上の滞留時間を必要とす
ることから、より短時間でより良質の堆肥を得るための
提案が従来多くなされてきており、例えば米国特許明細
書第3,385,687 号のようにコンベア上に薄く積層されて
移動する裁断された厨芥に対して、該裁断された厨芥の
一部を燃焼して得られる熱風を供給するようにしたも
の、欧州特許公開公報第94,094号のように、カゴ状内に
堆積するもの、特開平1-275488号公報のように水分60
〜80%に調整した発酵原料を攪拌機構のついた発酵槽
に投入し、高温土壌菌を加えて攪拌しつつ短時間で70
〜85℃に昇温し、その温度を維持しつつさらに攪拌す
るようにしたもの、などがある。
【0004】上記のような提案による堆肥化の方法及び
装置によれば発酵速度は加速されるが、通常その加速は
発酵の初期の段階に限られる。その理由は、給気あるい
は給気と攪拌による気固接触が増すとともに乾燥も進行
し、発酵の後半は発酵が緩慢になることによる。特に高
温菌による高温発酵を目的として発酵床を加熱すること
が行われるが、この場合に発酵の後半においては乾燥が
過度に進行し発酵が実質上進行しなくなる場合も生じて
いる。このため発酵が不完全となり、分解率の低いすな
わち熟成度の低い堆肥になりやすい。図1は発酵槽内の
発酵物の含水率と分解率の経時変化の一例を示すもので
あり、従来の発酵法による場合には鎖線で示すように発
酵の時間経過とともに乾燥が進行して含水率が40%を
切ると発酵が阻害され分解率は20wt%強にとどまっ
ている。
【0005】上記のような不都合を解決する方法とし
て、特開昭58-135193 号公報のように堆肥原料より蒸発
した水分を凝縮水として回収し、その水分を堆肥原料中
に散水することにより、堆肥原料の水分含有率を微生物
の好気性発酵に充分なだけに保つようにしたものが知ら
れており、また、別目的ではあるが特開昭52-21169号公
報のように、発酵分解過程において滲出する汚水を発酵
分解している生ゴミに振りかけるようにしたものなどが
知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、発酵床内
に適量の水分を補給することにより、発酵過程の後半に
おいても前半に準ずる活性で発酵が進行して、分解率が
向上し熟成度の高い堆肥を得ることが可能となるものと
予測される。本発明者らは発酵過程において発酵床に散
水することにより水分を補給し高熟成度の堆肥を得る実
験と研究を繰り返し行った。その過程において、発酵物
の水分含有率を微生物の好気性発酵に充分なだけに保つ
ように給水量を見極めかつ発酵物全体を目標とする水分
含水率に維持することはかなりの困難さを伴うことを知
った。
【0007】すなわち、一定の面積を持つ発酵槽内の発
酵物の表面に均一な密度で散水すること自体困難であ
り、散水量に不均一が生じ易く、例え均一に散水できた
としても発酵物である粉砕厨芥の表面状態は一様でなく
凹凸や疎密があることから、供給された水が内部に浸透
する過程で不均一な供給状態となり結果として発酵物の
水分含有率は一定とならないことを知った。
【0008】さらに、湿度の不足した発酵床に適度な湿
潤度になるよう散水しても、散水直後は発酵物粒子間に
間隙が保った床であったものが、発酵の進行に伴い膨潤
しかつ部分的な液化状態を呈して間隙が減少し通気性が
損なわれることを知った。それにより好気発酵が阻害さ
れてしまい熟成度の高い堆肥は得られなかった。また、
スケールの大きい場合及び給水量が不足の場合は含水率
に大きな分布ができ、泥状塊になる部分と乾燥したまま
の部分とが形成され易いことも知った。一旦、泥状化す
ると、床内に酸素が浸透できなくなり好気性菌による好
気発酵が停止すると同時に嫌気性菌による嫌気発酵が起
こり有機酸生成による酸性化と悪臭発生をまねき、もは
や良質の堆肥に転換できなかった。
【0009】本発明は、発酵が終了するまで好気性微生
物に適した湿度となるよう発酵槽内の発酵物に給水する
ようにした従来の堆肥化法が有していた上記のような不
都合を解消することを目的としており、より具体的に
は、発酵が終了するまで発酵物の含水率分布をほぼ等し
い状態に維持することができ、かつ全体として等しい通
気性が得られることから、熟成度の高い均質な堆肥を高
速で得ることのできる固形有機廃棄物の堆肥化方法及び
その装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決しかつ目的を達成するために、固形有機廃棄物の
堆肥化についてさらに多くの実験と研究を行った。その
過程において、発酵槽から排出される発酵排気は臭気を
含むと同時にほぼ飽和に近い湿気を含んでいることを知
るとともに、発酵中に発酵槽内に導入する外気を好まし
くは飽和状態近くになるまで加湿してから種菌と混合し
た粉砕塵芥と接触させることにより、不都合な乾燥によ
る発酵阻害や散水による発酵物の酸素欠乏を起こすこと
なく発酵を持続させること、さらに、発酵排気に含まれ
る前記水分量は発酵物に乾燥による発酵阻害を生じさせ
ないのに充分な量であることを見い出し本発明に到達し
た。
【0011】すなわち、本発明は、塵芥等に代表される
固形有機廃棄物を堆肥化する際、好ましくは発酵排気を
除湿して得られるドレインと外気とを気液接触させて得
られる加湿外気を発酵系に給気することを特徴とする。
発酵の方法は特に限定されるものではなく、従来公知の
攪拌発酵と堆積発酵の両者に適用可能である。適用でき
る有機固形廃棄物としては、塵芥、下水汚泥、農林畜産
廃棄物等、これまで堆肥化に用いられてきたものがすべ
て含まれる。均質かつ高速発酵の目的から原料である有
機固形廃棄物は発酵槽に投入される前に平均粒度20m
m以下程度になるように粉砕される。菌及び給気との接
触の効率とハンドリングの点から10mm前後の粒度が
特に適している。
【0012】原料含水率に特に制限はないが、固形状態
を保つことができかつ発酵に必要な範囲、すなわち40
〜75wt%の範囲内であることが好ましい。40%以
下の含水率の場合には菌の生理的活動が阻害される恐れ
があり、75%以上になると空気の入り込める粒子間の
間隙を形成するのが困難となる。外気と気液接触させて
加湿外気を得るための加湿源は任意であるが、発酵排気
を除湿して得られるドレインにより加湿外気を得ること
は特に好ましい態様であり、それにより装置としての使
用及び配置の自由度が向上する。加湿方法についても特
に制限はなく、導入外気をドレイン中に通気してもよ
く、導入外気をドレイン液面に積極的に接触させてもよ
く、導入外気をドレインを噴霧状にした中を通過させる
ことにより加湿してもよい。加湿の場は培養槽内であっ
ても培養槽外に別途設けてもよい。
【0013】発酵排気からドレインを得るためのトラッ
プは過度に冷却する必要はなく、発酵温度に近い温度で
回収し、そのままで導入外気の加湿に利用する方がエネ
ルギー利用の点から有利である。ドレインの加湿機構へ
の移送も特に制限はなく、例えば、ドレイントラップを
加湿機構よりも高い水準に保ち、重力により自然流下さ
せるようにしてもよい。ただし、外気の導入中は発酵槽
内が陽圧になるためドレインの流下移送が妨げられる恐
れがある。このため、ドレイントラップと加湿機構間の
配管をS字状に屈曲させて液封部分を設けることにより
逆流を防ぐようにすることは効果的である。
【0014】
【作用】本発明による固形有機廃棄物の堆肥化方法及び
その装置によれば、発酵に必要な水分の供給は、発酵槽
の上部からの散水によってではなく、好ましくは発酵排
気から回収されるドレインによって導入外気を飽和近く
まで加湿し、該加湿された外気を粉砕された発酵物の下
方から供給することにより行われる。それにより、発酵
槽の床面全体に均一に必要な水分を供給することが可能
となり、発酵物全体としてほぼ等しい含水率を維持する
ことができる。それにより、発酵後期における過乾燥あ
るいは部分乾燥は生じることは阻止され、均一かつ高速
の堆肥化が実現する。図1に示したデータを得たと同じ
装置に対して本発明による加湿方法を適用して実験を行
ったところ、図1に実線で示すような結果が得られた。
すなわち、発酵排気から回収されるドレインによって飽
和近くまで加湿した導入外気を発酵槽の下部から連続的
に供給することにより、発酵中の含水率は60wt%前
後に保持され、それにより分解率は40wt%に達し完
熟した堆肥が得られた。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説
明する。 〔実施例1〕図2は、本発明による固形有機廃棄物の堆
肥化方法を実施するための装置の一実施例であり、発酵
槽内に加湿機構を内蔵する例である。
【0016】発酵槽10はそれ自体知られた縦型筒状の
堆積式発酵槽であり、槽本体11と上方蓋12とからな
り、上方蓋12は開閉蓋13を持つ。槽本体11及び上
方蓋12の内壁にはヒータ14が設けられ、かつ槽本体
11の下方部位にはメッシュ状の支持板15を水平に配
置される。槽本体11の底部には適宜の大きさの加湿用
槽20が設けられ、該加湿用槽20の底部には外気に連
通した配管P1 に接続した散気ノズル21が位置してい
る。
【0017】槽本体11の上方部位には開口16が設け
られ、該開口16は配管P2 を介して槽本体11外に設
けられるドレイントラップ30の上方部に連通してい
る。ドレイントラップ30の上方部位には水平管31が
設けられ、該水平管31はドレイントラップ30内で下
方に屈曲し開口端32を形成する一方、他方端は一部に
S字部分PS を持つ配管P3 を介して前記加湿用槽20
に連通している。配管P 3 の先端には浮き弁22が取り
付けられる。また、この例においてドレイントラップ3
0は加湿用槽20の位置よりも上位に設けられる。
【0018】40は脱臭槽の一例としての生物脱臭槽で
あり、その底部に位置する散気ノズル41は配管P4
介して前記ドレイントラップ30の上端部に連通してお
り、また、槽40の中間部位から延出する配管P5 は前
記ドレイントラップ30の上方位置に連通している。生
物脱臭槽40の内部には活性汚泥フロックを懸濁した水
42が入っており、また仕切り板43により区分けされ
一部に汚泥の沈降分離部分44が形成される。生物脱臭
槽40の上方は配管P6 により大気に解放しており、ま
た前記沈降分離部分44にも配管P7 が設けられ外部に
連通している。
【0019】この装置により固形有機廃棄物を堆肥化す
るには次のようにして行う。まず、堆積式発酵槽10の
開閉蓋13を開いて、図示しない破砕機により平均粒度
20mm以下程度に細断された厨芥などの発酵物と種菌
との混合物Gを堆積式発酵槽10内に投入して堆積す
る。次いで、外気aを配管P1 により槽内に導入する。
導入された外気は高い含水率の堆積物G1 を通過しつつ
酸素を消費した後、高湿度の発酵排気bとして開口16
から配管P2 を通ってドレイントラップ30に導かれ
る。ドレイントラップ30に流入した発酵排気bは冷却
されてドレインdを生じる。ドレインを失った排気は配
管P4 により生物脱臭槽40に導入れる。
【0020】ドレイントラップ30内でドレインdの水
面が上昇し水平管31のレベルを越えると、ドレインd
は水平管31の前記開口端32の水準に降下するまでサ
イフォン作用によりS字部分PS 及び配管P3 、浮き弁
22を経て加湿用槽20に導かれる。加湿用槽10内の
ドレインdのレベルは浮き弁22により制御される。な
お、配管P3 は上下に屈曲したS字部分PS を有するこ
とにより液封構造を構成している。
【0021】上記のようにして発酵の進行により発酵槽
10の底部に設けた加湿用槽20にはドレインdが蓄積
されていく。配管P1 を介して散気ノズル21から放出
される外気aは蓄積されたドレインd内を気泡a' 状態
で通過することにより、ほぼ飽和状態にまで加湿され、
前記のように発酵槽内の発酵物内を通過する。導入外気
の吸湿によりドレインdは消費され浮き弁22は移動し
ていき、設定水準より低下した段階でドレイントラップ
30内のドレインdが加湿槽20内に流下し、再度設定
水準に上昇した時点でドレインdの流れが停止する。前
記のように配管P3 は液封部(S字部分PS )を有して
いるため、導入外気aの通気により発酵槽10内が陽圧
になってもドレインdの流下は可能である。前記加湿用
槽20で消費するドレイン量以上のドレインがドレイン
トラップ30内に生成する場合には配管P5 を介して生
物脱臭槽40に余剰ドレインとして排出される。
【0022】ドレインを失った排気はドレイントラップ
30から配管P4 を通り生物脱臭槽40の下方部位に設
けた散気ノズル41から散気b’される。生物脱臭槽4
0内には前記のように活性汚泥フロックを懸濁した水4
2が入っており、ドレイン除去排気中の臭気が微生物の
分解作用により分解脱臭され、脱臭排気は配管P6 から
系外に排出する。前記のように生物脱臭槽40には仕切
り板43により汚泥の沈降分離部分44を設けてあり、
ドレイン除去排気中から湿度がさらに除去された分だけ
処理ドレイン配管P7 から30として系外に排出され
る。
【0023】上記の記載から明らかなように、この実施
例による堆肥化装置を用いて固形有機廃棄物を堆肥化す
る場合には、少なくとも発酵の後期においては導入され
る外部空気aは常にドレインdを収容した加湿用槽20
内を通過しほぼ飽和状態まで加湿された状態で、粉砕さ
れた厨芥などの発酵物G1 中に進入する。それにより、
発酵が終了するまで好気性微生物に適した湿度となるよ
う発酵槽内の発酵物を維持することが可能となり、また
従来の上方から散水する場合のように発酵の進行に伴い
膨潤しかつ部分的な液化状態を呈して間隙が減少し通気
性が損なわれることもないことから、熟成度の高い均質
な堆肥を容易にかつ高速で得ることができる。
【0024】さらに装置としても、発酵排気に含有され
る水分をドレイントラップにより回収してそれを加湿用
の水分として利用するものであり、外部から給水用の配
管を別途付設することを要しない。従って、外食産業な
どのように使用場所が限定れさることの多い場合におい
ても、この堆肥化装置は容易に適宜の位置に配置するこ
とが可能となる。
【0025】〔実施例2〕すでに記したように、本発明
による固形有機廃棄物の堆肥化方法及びその装置におい
て発酵排気を除湿して得られるドレインによって導入外
気を加湿するための具体的方法は任意である。図3は導
入外気を加湿する他の方法を示す実施例であり、この例
においては、実施例1の場合のように発酵槽10の底部
に特別の加湿用槽10を設けずに、発酵槽10の底部そ
のものをドレインdの収容部として利用している。な
お、図3に示す装置の他の構成は図2に示したものと同
じであり同じ符号を付すことにより説明は省略する。
【0026】この実施例においては、発酵槽10の内部
は高温状態にありかつ貯留されるドレインdの表面積が
広くなることから、導入外気をドレイン中で気泡として
通過させなくとも、導入外気は必要な加湿を受けること
ができる。この実施例において、外気導入用の配管P1
の噴出口を貯留されているドレイン表面に向けて配置す
ることにより、導入外気はドレイン表面に吹き付けられ
る状態を形成することができ、加湿がより確実となる。
【0027】〔実施例3〕本発明による固形有機廃棄物
の堆肥化方法及びその装置において発酵の方法は特に限
定されないことはすでに述べた。実施例1及び実施例2
は従来公知の堆積発酵に本発明を適用したものであった
が、次に、本発明をいわゆる攪拌発酵に適用する場合に
ついて図4を参照しつつ説明する。
【0028】この例において、図示される発酵槽50は
それ自体知られた機械攪拌式の発酵槽である。発酵槽5
0は全体として横型筒状であり、その内部にモータ51
により回転する回転軸52が支持されている。該回転軸
52には複数枚の攪拌翼53が取り付けてある。また、
発酵槽50の周壁には図1の実施例の場合と同様にヒー
タ57が取り付けられると共に、内部には所定間隔で複
数枚の仕切り板54・・が配置される。さらに、発酵槽
50の上流側には開閉蓋58を持つ投入口59が設けら
れ、下流側には開閉蓋を持つ取り出し口60が設けら
る。そして、該取り出し口60の下部には堆肥収容用ホ
ッパー61が配置される。
【0029】発酵槽50の下流側の側壁上部には開口6
2が形成され、該開口は配管P2aを介してドレイントラ
ップ70の上方部位に連通している。該ドレイントラッ
プ70の下端部はポンプ71及び配管P3aを介して、発
酵槽50の外部に位置する加湿用槽80の内部に連通し
ており、該配管P3aの加湿用槽80との接続部には適宜
のアトマイザ81が取り付けられる。前記加湿用槽80
の下端部には外気aに連通した配管P1aが取り付けられ
ており、上方端には発酵槽55の内部に連通する配管P
8 が取り付けられている。
【0030】前記ドレイントラップ70の上方部位はポ
ンプ73、配管P4a及び配管P4aの先端に取り付けたノ
ズル74を介して生物脱臭槽90の内部に連通してい
る。この生物脱臭槽90は特に限定されないが例示とし
ていわゆるスクラバ式生物脱臭槽を示している。この脱
臭槽90は内部に瀘床91を有し、該瀘床91の下部に
活性汚泥懸濁水92が収容されている。該活性汚泥懸濁
水92は配管P9 及びポンプ93を介して瀘床91の上
方に移送されノズル94から散水される。また、前記し
た配管P4aの先端に設けたノズル74は瀘床91の直下
に配置される。さらに、生物脱臭槽90の上方は配管P
6aにより大気に解放しており、また沈降分離して得られ
る処理水の排出のための配管P7aも設けられている。
【0031】この装置により固形有機廃棄物を堆肥化す
るには次のようにして行う。まず、図2の実施例の場合
と同様に粉砕された塵芥Gを投入口59から蓋58で開
けて投入する。槽内に投入された発酵物Gは、槽中に形
成した仕切り板54及びモータ51により回転する回転
軸52に付けた翼53の作用により所定の攪拌を受け
る。発酵物Gは攪拌により図において左方に移動する過
程で発酵し完熟堆肥G1aに転換する。生成された堆肥は
図示のように取り出し口60からホッパー61に取り出
される。
【0032】発酵の過程において、外気aは配管P1a
ら加湿用槽80に導入され、さらに配管P8 を介して発
酵槽50内に導入される。通常の発酵槽の場合と同様に
導入された外気は高湿度の発酵排気bとして開口62か
ら配管P2aを通ってドレイントラップ70に導かれそこ
でドレインを遊離する。ドレインを失った排気はポンプ
73により吸引され配管P4aを介してスクラバ式生物脱
臭槽90に送られる。生物脱臭槽90内での作用は図2
に示した脱臭槽での作用と実質的に同様であるので省略
する。
【0033】ドレイントラップ70内のドレインdはポ
ンプ71により配管P3aを経て加湿用槽80に導かれ、
アトマイザ81によりドレインの霧ddとして吹き込ま
れる。配管P1aから導入される外気aは該ドレインの霧
ddと接触することにより加湿され、発酵槽50内に供
給される。上記の説明から、この実施例による堆肥化装
置を用いて固形有機廃棄物を堆肥化する場合にも、前記
の他の実施例の場合と同様に、少なくとも発酵の後期に
おいては導入される外部空気は常にほぼ飽和状態まで加
湿され、その加湿された空気が粉砕された厨芥などの発
酵物中に進入することが理解されよう。従って、この実
施例の装置においても、同様に熟成度の高い均質な堆肥
を容易にかつ高速で得ることができる。
【0034】さらに、この実施例においては、ドレイン
トラップ70からのドレインdの引き出しをポンプ71
により行うようにしているので、ドレイントラップ70
と加湿用槽80との位置関係に特に制限はなく、任意に
配置することができる。以上の説明は本発明による固形
有機廃棄物の堆肥化方法及びその装置の幾つかの実施例
についての説明にすぎず、他に多くの変形例が存在す
る。例えば、発酵槽が固定式であるか攪拌式であるか
と、導入外気の加湿用槽が該発酵槽の内部に配置するか
外部に配置するか、あるいは導入外気を発酵排気から得
られたドレインによりどのような手法により加湿する
か、排気の脱臭はどのようにして行うか、などは相互に
無関係であり、任意の組み合わせが可能である。
【0035】また、上記の説明では、導入外気の加湿源
として発酵排気のドレインを用いることを前提とした
が、特に図示しないが、配置環境が許す場合には外部の
水源を加湿源として併用して用いてもよくまたそれを単
独の水源として用いてもよいものである。
【0036】
【発明の効果】本発明による固形有機廃棄物の堆肥化方
法及びその装置によれば、発酵に必要な水分の供給は、
発酵槽の上部からの散水によってではなく、発酵排気か
ら回収されるドレインによって飽和近くまで加湿された
外気を粉砕された発酵物の下方から供給することにより
行われる。それにより、発酵槽の床面全体に均一に必要
な水分を供給することが可能となり、発酵物全体として
ほぼ等しい含水率を維持することができ、発酵後期にお
ける過乾燥あるいは部分乾燥は生じることは阻止され、
均一かつ高速の堆肥化が実現する。
【0037】なお、本発明による方法及び装置の好まし
い態様によれば、運転に際して特別に外部からの給水源
や給水配管などを必要とせず、装置の設置及び使用の自
由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による発酵方法と従来例による発酵方法
における発酵物含水率と分解率の違いを示す図。
【図2】本発明による固形有機廃棄物の堆肥化装置の一
実施例を示す図。
【図3】本発明による固形有機廃棄物の堆肥化装置の他
の実施例を示す図。
【図4】本発明による固形有機廃棄物の堆肥化装置のさ
らに他の実施例を示す図。
【符号の説明】
a…導入外気、b…発酵排気、d…ドレイン、G、G1
…固形有機廃棄物、10…発酵槽、20…加湿用槽、3
0…ドレイントラップ、40…生物脱臭槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北畠 正一 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所リビング機器事業部内 (72)発明者 山口 卯三郎 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所リビング機器事業部内 (72)発明者 川島 正栄 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所リビング機器事業部内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形有機廃棄物の堆肥化方法において、
    発酵系へ供給する外気を発酵排気を除湿して得られるド
    レインと気液接触させることによりあらかじめ加湿した
    状態で発酵系への給気とすることを特徴とする固形有機
    廃棄物の堆肥化方法。
  2. 【請求項2】 発酵方法を静置堆積もしくは攪拌混合下
    で好気的に行うことを特徴とする請求項1記載の固形有
    機廃棄物の堆肥化方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも、固形有機廃棄物の発酵槽
    と、該発酵槽の固形有機廃棄物に加湿外気を供給するた
    めの外気加湿用槽と、発酵槽からの発酵排気からドレイ
    ンをトラップするドレイントラップと、該トラップされ
    たドレインを前記外気加湿用槽に供給する供給手段とか
    ら構成されることを特徴とする固形有機廃棄物の堆肥化
    システム。
  4. 【請求項4】 前記外気加湿用槽が発酵槽の内底部に設
    けられていることを特徴とする請求項3記載の固形有機
    廃棄物の堆肥化システム。
  5. 【請求項5】 前記外気加湿用槽が発酵槽の底壁部に設
    けられていることを特徴とする請求項4記載の固形有機
    廃棄物の堆肥化システム。
  6. 【請求項6】 前記外気加湿用槽が発酵槽の外部に設け
    られており、加湿された外気は配管を介して発酵槽の内
    底部に供給されるようになっていることを特徴とする請
    求項3記載の固形有機廃棄物の堆肥化システム。
  7. 【請求項7】 前記外気加湿用槽がドレインを貯留し、
    外気がドレイン中に通過することにより気液接触するこ
    とを特徴とする固形有機廃棄物の堆肥化システム。
  8. 【請求項8】 前記発酵槽が静置堆積床であることを特
    徴とする請求項4記載の固形有機廃棄物の堆肥化システ
    ム。
  9. 【請求項9】 前記発酵槽が攪拌混合床であることを特
    徴とする請求項4記載の固形有機廃棄物の堆肥化システ
    ム。
  10. 【請求項10】 固形有機廃棄物の堆肥化方法におい
    て、発酵系へ供給する外気をあらかじめ加湿した状態で
    発酵系への給気とすることを特徴とする固形有機廃棄物
    の堆肥化方法。
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