JPH0769632A - 赤外線カットオフ粉末 - Google Patents
赤外線カットオフ粉末Info
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- JPH0769632A JPH0769632A JP5260248A JP26024893A JPH0769632A JP H0769632 A JPH0769632 A JP H0769632A JP 5260248 A JP5260248 A JP 5260248A JP 26024893 A JP26024893 A JP 26024893A JP H0769632 A JPH0769632 A JP H0769632A
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Abstract
囲内のある波長以上の赤外線を全面的に90%以上カット
オフする機能を有する、赤外線カットオフ効果に優れた
ITO粉末 【構成】 ITO粉末の色調をxy色度図上でx値 0.2
20〜0.295 に対してy値0.235〜0.325 、結晶の格子定
数を10.110〜10.160Åに制御する。かかるITO粉末
は、加圧不活性ガス雰囲気中での加熱処理により得られ
る。 【効果】 この粉末を分散させた塗料からガラス上に透
明膜が形成でき、太陽光の赤外線カットオフにより冷房
効率や保温効率が改善される。
Description
長側から赤外線をカットオフすることができる粉末に関
する。より具体的には、1000 nm 以下、特に 700〜900
nmの範囲内のある波長から長波長側の赤外線を90%以上
カットオフする錫ドープ酸化インジウム粉末に関する。
2 μm以下であると、塗料中に分散させて透明膜を形成
することができ、得られた透明膜に優れた赤外線カット
オフ効果を付与することができる。
は、近年多発しているカードや金券等の偽造に対する防
止手段として、あるいは冷暖房効率の改善に効果の高い
赤外線反射膜として利用することができる。特にハウジ
ングの一般窓、サンルームの屋根材、壁材、あるいは自
動車のガラス等に適用した場合、夏期の太陽光の赤外線
カットオフ効果により大幅な冷房用電力節減効果を発揮
し、また冬期は室内の保温効果の高い透明膜として利用
できる。
あって、赤外領域の光に対しては反射性である赤外線カ
ットオフ機能を有する透明膜として従来より知られてい
るのは、(a) ITO (錫ドープ酸化インジウム) の薄膜
を物理蒸着、化学蒸着、またはスパッタリングによって
ガラス基板上に形成したもの、(b) フタロシアニン系、
アントラキノン系、ナフトキノン系、シアニン系、ナフ
タロシアニン系、高分子縮合アゾ系、ピロール系等の有
機色素型の近赤外吸収剤か、またはジチオール系、メル
カプトナフトール系などの有機金属錯塩を、有機溶媒と
有機バインダーとを用いてインク化して基板に塗工する
か、或いは樹脂に練り込んでフィルム化し、基板上にラ
ミネートしたものなどである。
高い雰囲気制御が必要な装置を使用しなければならない
ため、コスト高になるばかりか、膜の大きさ、形状にも
限りがある。しかも、量産性が悪く、汎用性に乏しい等
の問題もある。
るものの、可視領域の光の透過率が低く、暗褐色から暗
青色の濃厚な着色を有している上、多くは 690〜1000 n
m 程度の限られた近赤外領域の赤外線吸収であるため、
例えばハウジングの一般窓、サンルームの屋根材、壁材
等へ利用した場合には、窓やガラスを通した室内外の視
認性が悪く、色調から受ける美観性にも劣る上、室内の
冷暖房効果も不十分である等の問題点がある。
より低波長側から赤外線をカットオフすることができ、
可視光に対しては優れた透明性を示す膜を形成すること
ができる、赤外線カットオフ機能を有する無機粉末を提
供することである。
下の赤外領域内またはその近傍のある波長から長波長側
の赤外線を全面的に90%以上カットオフする錫ドープ酸
化インジウム粉末を提供することである。
酸化インジウム (ITO) が可視光に対して透明であ
り、かつ赤外線反射性を示すことに着目し、塗料化によ
り優れた赤外線カットオフ効果を持つ透明膜を形成でき
るITO粉末を得るべく検討を重ねた。
塩を含む水溶液をアルカリと反応させてInとSnの水酸化
物を共沈させ、この共沈物を原料として、これを大気中
で加熱焼成して酸化物に変換させることにより製造され
る。こうして従来法により製造されたITO粉末のスペ
クトル特性を調べたところ、例えば、図1に比較例2と
して示すように、可視領域での透過性に優れ、透明性は
良好であるが、赤外線カットオフ効果は、1000 nm 超、
たいていは1200 nm 以上の波長領域の赤外線しかカット
オフせず、1200 nm 以下、特に1000 nm 以下の領域の赤
外線のカットオフ効果が欠如ないし不足していることが
判明した。
トオフ機能を持たせるようにさらに検討した結果、IT
O粉末の原料を加圧不活性ガス中で焼成するか、或いは
大気中での焼成により得られたITO粉末を加圧不活性
ガス中で熱処理すると、1000nm 以下、好ましくは 700
〜900 nmの範囲内のある波長から長波長側の赤外線を90
%以上カットオフするITO粉末が得られることを見出
した。このようなITO粉末の特性を調べたところ、粉
末の色調はxy色度図上でx値 0.220〜0.295、y値 0.
235〜0.325 の範囲内であり、かつ結晶の格子定数が10.
110〜10.160Åの範囲内にあることがわかった。
であり、その要旨とするところは、xy色度図上でx値
0.220〜0.295 、y値 0.235〜0.325 の色調を有し、格
子定数が10.110〜10.160Åであり、赤外領域またはその
近傍の最低カットオフ波長が1000 nm 以下であることを
特徴とする、赤外線カットオフ機能を有するITO粉末
である。
繰り返し最小単位の大きさと形を規定する結晶学的定数
であり、ここではその1辺の長さ (Å) を意味する。ま
た、最低カットオフ波長とは、赤外領域またはその近傍
(600 nm以上) において光のカットオフ率が少なくとも
90%となる最低の波長を意味する。これは、光透過スペ
クトルにおいて、長波長側方向に光透過率が10%以下と
なる波長領域における最低波長に相当する。好ましく
は、本発明のITO粉末は、最低カットオフ波長が 700
〜900 nmの範囲内にあるが、それよりいくらか長波長側
(900〜1000 nm)または低波長側(600〜700 nm) にあって
もよい。
m以下であると、この粉末を塗料化して膜を形成した時
に、可視光の透明性に優れた赤外線カットオフ膜が得ら
れる。従って、本発明のITO粉末の平均粒子径は0.2
μm以下、特に0.1 μm以下であることが好ましい。た
だし、透明性をさほど要求されない用途に用いる場合
(例、屋根材や壁材の赤外線反射膜) には、ITO粉末
の粒子径はこれより大きくてもよい。本発明のITO粉
末のSnの組成比は、Sn/(Sn+In)のモル比で0.01〜0.15、
特に0.04〜0.12の範囲内が好ましい。
オフ効果は、上記範囲内のxy値と格子定数の値の中
で、x値、y値が共に小さいほど良く、特にy値の値が
大きくなると効果が急激に低下する。xy色度の範囲が
上記条件を満足していても、格子定数の値が上記条件か
ら外れると、従来のITO粉末と同程度のせいぜい1000
nm より長波長の赤外線カットオフ効果しか得られな
い。
の発生やキャリア電子濃度に依存し、格子定数は主にド
ープ剤の含有量、酸素欠陥などによる結晶の歪みに依存
するので、製造条件を変化させることによりこれらの値
をある程度調整できる。
るように、加圧不活性ガス雰囲気中での焼成または熱処
理を特徴とする方法により製造することができる。もち
ろん、ITO粉末の製造方法は下記の方法に限定される
ものではなく、上記範囲内のxy色度値と格子定数を有
する限り、任意の方法で製造されたITO粉末を本発明
において使用することができる。
すればよい。例えば、Sn/(Sn+In)のモル比が好ましくは
0.01〜0.15、特に0.02〜0.12となる割合でInとSnの水溶
性化合物 (例、塩化物、硝酸塩など) を水に溶解させた
水溶液を、アルカリ水溶液 (例、アルカリ金属またはア
ンモニウムの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩などの水溶
液) と反応させて、各水溶性化合物を加水分解し、In−
Sn共沈水酸化物を析出させる。この時点で可及的に微細
な沈殿が析出するように、一方の水溶液を他方の水溶液
に攪拌下に滴下しながら反応を進めることが好ましい。
酸化物をそのまま、或いはこれを加熱乾燥して水分を除
去した無水の混合水酸化物、または脱水をさらに進め
て、少なくとも部分的に酸化物とした混合 (水) 酸化物
を原料として用いる。この時の加熱温度は、乾燥だけで
あれば200 ℃以下、特に150 ℃以下でよいが、酸化物に
変換するのであれば、より高温 (例、 200〜900 ℃) で
加熱することができる。得られた原料を、酸素を遮断し
た加圧不活性ガス雰囲気中で、完全に酸化物になるまで
焼成すると、本発明のITO粉末が得られる。或いは、
原料を従来と同様に、例えば大気中で焼成してITO粉
末を得た後、この粉末を加圧不活性ガス雰囲気中で熱処
理することによっても、本発明の上記xy色度値と格子
定数を有するITO粉末を得ることができる。
熱処理と総称する) 時の不活性ガス雰囲気は、アルゴ
ン、ヘリウムなどの希ガス、窒素ガス、およびこれらの
混合ガスのいずれでもよい。不活性ガス雰囲気の圧力条
件は、室温下における全圧で2kgf/cm2 以上、特に5〜
60 kgf/cm2の範囲内が好ましい。
オフ効果は従来のITO粉末と同程度であり、その改善
はほとんど得られないが、加熱処理温度が800 ℃を超え
るような高温の場合には、不活性ガス雰囲気の圧力が常
圧であっても、本発明の範囲内のxy色度、格子定数お
よび赤外線カットオフ機能を有するITO粉末が得られ
ることがある。圧力を60 kgf/cm2を超えて高くしても、
それ以上の効果の改善がわずかであるので、実用上はこ
れ以上の加圧は必要ない。不活性ガス雰囲気中の酸素分
圧は0.2 kgf/cm2 (150 Torr)以下、特に0.02 kgf/cm2
(15 Torr)以下に制限することが好ましい。
囲内、好ましくは 400〜800 ℃の範囲内が効果的であ
る。処理温度が 350℃以下であると、微粒子化の効果は
高いが、赤外線カットオフ効果の改善はほとんど得られ
ない。一方、1000℃以上では粒子径が著しく成長してし
まうため、塗膜の透明性が要求される分野に使用する場
合には好ましくない。また、加熱処理時間については、
原料またはITO粉末に均一な加熱処理が達成されれば
よく、その仕込量や温度によっても異なるが、一般には
1〜4時間の範囲内である。昇温、降温速度は特に制限
されない。
る本発明のITO粉末は、前述したように、各種の透明
皮膜形成成分と共に塗料化することにより、ガラスなど
の基板上に赤外線反射性の透明膜を形成するのに用いる
ことができる。また、樹脂に練り込んでフィルム化する
ことにより、赤外線反射性透明フィルムを得ることもで
きる。得られた透明膜またはフィルムは、従来より低波
長側から赤外線をカットオフすることができるので、赤
外線カットオフ効果が高く、従って冷暖房効率改善等の
実用上効果も高い。
TO粉末は、例えば、窓ガラス、サンルーフ、光ファイ
バー、プリペイドカード、サンバイザー、PET(ポリ
エチレンテレフタレート)ボトル、包装用フィルム、メ
ガネなどの製品に適用して、製品に赤外線反射効果を付
与することができる。
を皮膜形成成分と共に塗料化し、この塗料を適当な塗布
手段(例、塗装、スプレー、浸漬など)でガラスに塗布
し、ITO粉末を含有する透明膜をガラス上に形成する
ことができる。或いは、適当な軟質透明樹脂フィルム
(例、PETフィルム)中にITO粉末を練り込みによ
り混入させて得たITO含有樹脂フィルムを窓ガラスに
張りつけるという手法で適用することもできる。こうし
て窓ガラスの表面に設けたITO粉末を含有する透明膜
またはフィルムにより、太陽光線の赤外線を広い波長範
囲で反射することができ、室内の冷暖房効率が著しく改
善される。
TO粉末を含有する透明塗料をプリペイドカードの所定
部分に塗布しておく。このプリペイドカードに赤外線を
照射し、反射光の有無を検査することにより偽造か否か
を判別することができる。
イザー、PETボトル、包装用フィルム、メガネについ
ても、上記の窓ガラスと同様に、ITO粉末を塗料化し
て製品表面に赤外線反射効果を有するITO含有透明膜
を形成することができる。これらの製品の素材がプラス
チックスである場合には、塗布手段ではなく、素材のプ
ラスチックス中にITO粉末を練り込みにより直接混入
することにより、製品に赤外線反射効果を付与すること
もできる。さらに、サンルーフのようにフィルムの張り
付けが可能な場合には、窓ガラスについて述べたよう
に、ITO粉末を練り込んだ透明フィルムを製品に張り
つけることによっても、製品に赤外線反射性を付与でき
る。
るプラスチックスの種類は特に制限されず、汎用樹脂か
ら、高強度樹脂(エンジニアリングプラスチックス)、
耐候性樹脂、耐熱性樹脂等の機能性樹脂までを含む各種
の樹脂が使用可能である。従って、樹脂種は製品の種類
に応じて適当に選択すればよい。例えば、サンルーフや
サンバイザーにはアクリル樹脂およびメタクリル樹脂と
いった透明性が特に高い樹脂が、光ファイバーにはメタ
クリル樹脂が、またメガネレンズとしてはメタクリル樹
脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ジエチレングリ
コールビスアリルカーボネート、ポリ−4−メチルペン
テン−1などが使用される。
れる他の用途にも本発明のITO粉末を適用することが
できる。例えば、貯蔵庫のガラスもしくはプラスチック
製透明壁面にITO粉末を含有する透明膜またはフィル
ムを形成するか、或いは壁面材料中にITO粉末を練り
込んでおくと、庫外表面の結露や庫内の温度上昇を防止
できる。また、貯蔵庫の壁面が不透明であっても、IT
O粉末含有膜またはフィルムを形成しておくと、外部か
ら赤外線を遮断して庫内の温度上昇とそれによる貯蔵物
品の変質を防止できる。
は、ハウス内の保温効果により植物の成長が促進される
という効果が得られる。この場合には、ITO粉末は、
塗布、練り込み、或いはガラスの場合にはITO粉末含
有フィルムの張り付けといった手段で適用することがで
きる。
布団などの繊維製品に塗布またはスプレーにより適用し
て、繊維表面にITO粉末を含有する膜を形成すること
もできる。合成繊維の場合には、繊維自体の中にITO
粉末を練り込んでもよい。それにより、人体から輻射さ
れる遠赤外線が繊維から反射するようになるので、保温
性が高まる。
ンなどの覗き窓に対しても、ガラス窓と同様の手法でI
TO粉末を適用することができる。但し、皮膜形成また
はフィルム形成に用いる樹脂としては、耐熱性樹脂
(例、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポ
リフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエ
ーテルエーテルケトン等)を使用することが好ましい。
は、ガラスヒータの周囲にガラス窓と同様にITO粉末
を含有する皮膜またはフィルムを形成することにより、
電気抵抗体から放射される熱が効率よく反射して、暖房
効果が高まる。この場合も、皮膜形成成分としては耐熱
性樹脂の使用が好ましい。
リーンといった化粧品に本発明のITO粉末を混入する
こともできる。それにより近赤外線の反射効果が高ま
る。近赤外線、特に 2.5〜3 μmの波長域は水の吸収領
域であるため、その反射効果が高まると、水分蒸発に伴
う深いしわの発生の防止に効果がある。
以上の機能をより効果的に発揮することができる。
が、本発明は実施例のみに限定されるものでない。な
お、実施例中、%は特に指定しない限り重量%である。
60%SnC14 水溶液 22.92g (Sn金属6.27g含有) との混
合水溶液を、NH4HCO3 3000g/12 L の水溶液中に、70℃
の加温下で攪拌しながら滴下し、最終pH8.5 にしてIn
−Sn共沈水酸化物を析出させた。次に、静置して沈殿を
沈降させた後、上澄み液を除去し、イオン交換水を加え
て静置・沈降と上澄み液除去の操作を6回 (水の添加量
は1回につき10 L) 繰り返すことにより、沈殿を十分に
水洗した後、吸引濾過により沈殿を濾別して、含水水酸
化物の沈殿を得た。こうして得た、全金属中のSn含有量
が1モル%の共沈含水水酸化物を、含水原料(A) とす
る。
用量を、(B) 58.1g、(C) 119.2 g、(D) 183.9 g、
(E) 252 g、(F) 323 g、および(G) 453.5 gに増やし
て、Sn含有量がモル%でそれぞれ2.5 %、5%、7.5
%、10%、12.5%、および15%の含水原料(B) 〜(G) を
得た。
次の表1に示すように大気中での加熱により乾燥ないし
脱水して出発原料を調製した後、この調製原料を大気中
または窒素ガス雰囲気中において表2に示す条件で3時
間加熱処理して、ITO粉末を得た。
の加熱および常圧窒素ガス中での加熱は、内径85 mm 、
長さ1000 mm の透明石英管を使用した管状炉を用いて、
原料250 gを長さ250 mmの半割石英ボートに入れて加熱
することにより行った。
、長さ700 mmのインコロイ800 製チューブを使用した
密閉加圧管状炉によって、原料150 gを長さ250 mmの半
割石英ボートに入れて加熱することにより行った。
比表面積 (BET)の測定値から、次の粒子径式: a (μm) =6/ (ρ×B) [a:平均粒子径、ρ:真比重、B:比表面積(m2/g)]に
基づいて算出した。このようにして比表面積から求めた
粒子径は透過式電子顕微鏡から直接観察した粒子径とほ
ぼ一致することが確認されている。BET 法による比表面
積は、マイクロトラック社製のベータソーブ自動表面積
計4200型を用いて測定した。
びxy色度は、積分球付き自記分光光度計U-4000型 (日
立製作所社製) で測定し、格子定数はモノクロメーター
付き自動X線回折装置MO3X (マックサイエンス社製) を
使用して、高純度シリコン単結晶(99.9999%) で補正
し、(k, h, l) 面指数に対するピークから面間隔を自動
検索して、最小自乗法によりコンピュータ計算で求め
た。
た。また、代表的な実施例および比較例のITO粉末の
光透過スペクトルを図1に示した。
xy色度図上のx値 0.220〜0.295、y値 0.2
35〜0.325 、格子定数10.110〜10.160の条件を満たす
実施例のITO粉末は、いずれも900 nmでは90%以上の
赤外線カットオフ率を示す、優れた赤外カットオフ機能
を有している。また、これらの実施例のITO粉末の最
低カットオフ波長は、実施例8を除いて 700〜900 nmの
範囲内にあり、実施例8のITO粉末の最低カットオフ
波長は695 nmであった。
は本発明の範囲内であるが、格子定数が小さすぎ、比較
例3および4は格子定数は本発明の範囲内であるがxy
値が範囲外であり、比較例2および5は、xy値と格子
定数のいずれも本発明の範囲を外れていた。これらの比
較例ではいずれも、1000 nm においても赤外線カットオ
フ率が約50%もしくはそれ以下であり、1000 nm 以下の
領域における赤外線カットオフ効果が著しく劣ってい
た。
ば、ITO粉末を、xy色度図上でx値0.220〜0.295
、y値 0.235〜0.325 、格子定数10.110〜10.160に制
御することによって、従来にはない1000 nm 以下、好ま
しくは 700〜900 nmの範囲内のある波長以上の赤外線を
全面的に90%以上カットオフする機能を有する、赤外線
カットオフ効果に優れたITO粉末が得られる。
一般窓、サンルームの屋根材、壁材、さらには自動車の
ガラス等に塗布すると、ITO粉末の平均一次粒子径が
0.2μm以下であれば、着色がほとんどない透明な膜が
形成される。この透明膜は、その赤外線カットオフ効果
により夏期の太陽光の赤外線をほぼ完全に反射させ、冷
房等の電力の大幅な節減に役立つ。また、冬期は室内の
保温効果の改善にも役立つ。また、この透明膜は赤外線
の照射により検出することができるので、カード等の偽
造防止手段としても利用することができる。
スペクトルである。
Claims (2)
- 【請求項1】 xy色度図上でx値 0.220〜0.295 、y
値 0.235〜0.325 の色調を有し、格子定数が10.110〜1
0.160Åであり、赤外領域またはその近傍の最低カット
オフ波長が1000 nm 以下であることを特徴とする、赤外
線カットオフ機能を有する錫ドープ酸化インジウム粉
末。 - 【請求項2】 平均一次粒子径が0.2 μm以下の請求項
1記載の粉末。
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