JPH0768878B2 - 道路トンネルの換気制御装置 - Google Patents

道路トンネルの換気制御装置

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JPH0768878B2
JPH0768878B2 JP5823488A JP5823488A JPH0768878B2 JP H0768878 B2 JPH0768878 B2 JP H0768878B2 JP 5823488 A JP5823488 A JP 5823488A JP 5823488 A JP5823488 A JP 5823488A JP H0768878 B2 JPH0768878 B2 JP H0768878B2
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憲夫 長岡
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    • E21EARTH OR ROCK DRILLING; MINING
    • E21FSAFETY DEVICES, TRANSPORT, FILLING-UP, RESCUE, VENTILATION, OR DRAINING IN OR OF MINES OR TUNNELS
    • E21F1/00Ventilation of mines or tunnels; Distribution of ventilating currents
    • E21F1/003Ventilation of traffic tunnels

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は道路トンネルの換気制御装置に係り、特に電気
集塵機のジェットファンを運転換気機として有する道路
トンネルの換気制御装置に関する。
(従来の技術) 近年の高速道路網の整備に伴い、トンネル延長が3000m
以上にもなるような長大トンネルが相次いで建設されて
いる。
従来からトンネル延長の短いトンネルに対しては、交通
流と平行に換気風を流す縦流換気方式(一方の坑口から
他方の坑口へ換気風を流す方式)が採用されてきたが、
最近では長大トンネルにおいても縦流換気方式を採用す
ることが多くなって来ている。この方式は、車道以外に
送気用と排気用のダクトを余分に必要とする横流換気方
式に比べて、建設費を大幅に削減できるという利点があ
る。一方、上流側の汚染物質が下流側に移流拡散する分
布定数系のプロセスとなるため、換気制御が横流換気方
式の場合より難しくなる。
道路トンネルの換気制御では、煤煙濃度とCO濃度を一定
値以下に制御するのが一般的であり、縦流換気方式の長
大トンネルでは煤煙を除去するために電気集塵機を設置
することが多い。
第10図は縦流換気方式トンネルに対して従来の換気制御
で試みられて来たフィードバック制御の構成例を示して
いる。
この図において、トンネル1には、換気機として電気集
塵機2とジェットファン3(4台)が設置されている。
そして、電気集塵機2により煤煙が除去され、またジェ
ットファン3により車道風量が増減されて煤煙濃度とCO
濃度とがそれぞれ制御されている。
煤煙濃度は一般にVI値[%]として検出される。VI値は
透過率を表す値で、100[%]に近いほど透過率が良く
煤煙濃度は低いことを意味する。このVI値を検出するた
めに、トンネル内にはVI計4-1と4-2が、またCO濃度を検
出するために一酸化炭素濃度計(以下CO計と呼ぶ)がそ
れぞれ設置されている。この図のように西側坑口から東
側坑口の方向に換気が行われる場合、東側坑口近くで最
も濃度が悪化すると考えられるので、東側坑口近くには
必ずVI計とCO計が設置される。
VI計4-2の検出値を基に、VI計4-2設置地点のVI値が設定
された目標値近くになるように電気集塵機2の処理風量
を調整するために集塵機風量制御部6が設けられてい
る。この制御にはPID制御等が使われている。
また、電気集塵機2では制御できないVI計4-1設置地点
のVI値とVO計5設置地点のCO濃度を制御するためにジェ
ットファン台数制御部7が設けられている。このジェッ
トファン台数制御部7はジェットファン3の運転台数を
操作するだけであるからあまり細かい制御はできず、VI
値またはCO濃度がある設定された範囲から外れた時にジ
ェットファン運転台数を増減させる程度である。
ところで、電気集塵機2からVI計4-2までは一般に数百
m以上離れているので、電気集塵機2の風量を操作した
ことによるVI値の変化がVI計4-2で検出されるまでは数
分以上かかる。煤煙は車道風速と同程度の速度で下流に
移動すると考えられるので、例えば800[m]の距離が
あり車道風速が4[m/s]の時には3分20秒もかかって
しまう。従って集塵機風量制御部6は応答がどうしても
遅くなってしまい、急激な濃度悪化には対応できない。
このようにむだ時間の大きい制御対象に対しては予測制
御が有効であり、従来より交通量予測を行って換気制御
を行う方法が試みられて来たが、濃度制御の精度、安定
性および省エネに対する要望を満足する手段は未だ見出
されていないのが現状である。
(発明が解決しようとする課題) 従来の換気制御では、しばしば汚染濃度が許容値を越え
てしまったり、制御系が不安定でハンチングを起こすよ
うな問題があった。
また、濃度の変動幅が大きいために、濃度を許容値以下
に維持しようとすると、余裕を考えて余剰換気ぎみに換
気機を運転せざるをえず、必要以上に電力を消費すると
いう問題もあった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、
トンネル内の汚染濃度を許容値以下に安定に維持し、且
つ換気機で消費される電力を極力低く抑えることが可能
な道路トンネルの換気制御装置を提供することを目的と
する。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明では、交通量検出器
で検出された交通量データから長期の交通量を予測する
長期交通量予測手段と、前記交通量検出器で検出された
交通量データから短期の交通量を予測する短期交通量予
測手段と、前記長期交通量予測手段の予測値から運転換
気機の最適組合せを決定する換気機組合せ決定手段と、
前記短期交通量予測手段の予測値からトンネル内の汚染
発生量を算出する汚染発生量算出手段と、前記短期交通
量予測手段、汚染発生量算出手段および換気機組合せ決
定手段の各演算結果から前記運転換気機の総所要電力量
が最小となるように各運転換気機の基準風量を算出する
最適換気量配分手段と、トンネル内汚染濃度を検出して
この汚染濃度が制御目標域内に維持されるように前記運
転換気機の風量及び運転台数を補正する汚染濃度フィー
ドバック制御手段と、を具備することを特徴とするもの
である。
更に前記汚染濃度フィードバック制御手段の一つである
集塵機風量制御では、電気集塵機より下流側のVI計のみ
ならず上流側VI計の検出値も取り込んで、VI値が制御目
標域内に入るように電気集塵機の風量を調整している。
(作用) まず、長期交通量予測は、例えば30分〜60分周期程度で
実行され、30分〜60分先までの平均交通量を予測する。
これは、大まかな交通量の変化をとらえるためのもので
あり、予測結果は運転する換気機の組合せ決定に使用さ
れる。この組合せ決定を行うのが換気機組合せ決定手段
である。換気機の組合せを頻繁に切替えることは電動機
保護の点から好ましくないので、このように長期交通量
予測を行って組合せを決めるようにしている。
一方、短期交通量予測は、例えば5分〜10分周期程度で
実行され、5分〜10分先までの平均交通量を予測する。
そして汚染発生量算出手段により、この短期交通量予測
の結果に基づいてトンネル内の車による汚染発生量が算
出される。
次に、最適換気量配分手段では、換気機組合せ決定手段
で決められた組合せと短期交通量予測手段で予測された
交通量と汚染発生量算出手段で算出された汚染発生量を
基に、換気機で消費される電力が最小となるように各換
気機の基準風量を算出する。
以上の交通量予測から最適換気量配分までは一種のフィ
ードフォワード制御であり、予測される交通量に合わせ
て運転換気機の台数や換気風量を操作しようとするもの
である。フィードバック制御では濃度の悪化を検出して
から換気機の風量を増加させるが、上記の交通量予測に
基づいたフィードフォワード制御では濃度が悪化する前
に予め換気風量を増加させるのである。
しかし、交通量予測に基づくフィードフォワード制御に
は交通量予測誤差やプロセスモデルの誤差があるため、
その影響を補正する手段が必要である。また予測できな
い短時間の交通量変動や自然風変動等の外乱による濃度
変化を抑制する必要もある。そのための手段として次に
述べる汚染濃度フィードバック制御を設けている。
汚染濃度フィードバック制御手段では実際の汚染濃度を
検出し、汚染濃度が制御目標域内に入るように換気風量
の補正を行う。
汚染濃度フィードバック制御手段の一つに集塵機風量制
御がある。本発明による集塵機風量制御では、電気集塵
機より下流側VI計からのフィードバック制御だけでなく
電気集塵機より上流側VI計の検出値も使用する。
縦流換気方式の場合、上流側で濃度変動があればいずれ
その影響が下流側に現れる。下流側VI計からのフィード
バック制御だけの場合、上流側VI値が悪化しても下流側
VI計ではその悪化が検出されるまでは電気集塵機の風量
は補正されない。前述したように電気集塵機から下流側
VI計までは数百m以上離れているので、濃度悪化の検出
が非常に遅れてしまうのである。
そこで本発明では、電気集塵機より上流側の濃度変動が
電気集塵機より下流側に出来るだけ伝わらないように、
上流側VI計の検出値を用いて電気集塵機の風量を調整す
るようにした。例えば、上流側で濃度悪化が検出された
場合、下流側にその濃度悪化が伝わらないように電気集
塵機の風量を増加させてやるのである。
また上流側VI計からの制御では抑えられないVI値変動に
対しては下流側VI計からのフィードバック制御が働くこ
とになる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を図面によって説明する。
第1図は、本発明に係る一実施例の構成を示す機能ブロ
ック図であり、第2図は本発明が適用される縦流換気式
トンネルの概略構成図である。
まず、第2図により対象トンネルについて説明する。換
気方向は西側坑口から東側坑口の方向(図中、左から右
方向)で、交通方式も西側から東側への一方交通であ
る。換気機としては3台の電気集塵機16(16-1,16-2,16
-3)が、また3台のジェットファン17(17-1,17-2,17-
3)が各々設置されている。ここで電気集塵機は16-1〜1
6-3を第1集塵機〜第3集塵機と呼ぶことにする。
また、センサ群としては、西側坑口付近に1台の交通量
検出器8と、4台のVI計18(18-1〜18-4)と、東側坑口
付近に1台のCO計19と、2台の風向風速計20(20-1,20-
2)が設けられている。ここで、VI計18-1〜18-4を第1VI
計〜第4VI計、風向風速計20-1,20-2を第1風向風速計、
第2風向風速計と呼ぶことにする。各センサの検出値は
換気制御装置21にすべて入力され、この換気制御装置21
により電気集塵機16とジェットファン17に対して運転台
数制御が行われる。
この換気制御装置21は、マイクロコンピュータ等により
実現され、第1図に示すように、長期交通量予測手段9
と、短期交通量予測手段10と、換気機組合せ決定手段11
と、汚染発生量算出手段12と、最適換気量配分手段13
と、集塵機風量制御手段14と、ジェットファン台数制御
手段15の各制御機能が組み込まれている。
以下、上記各制御機能についてその詳細を順番に説明す
る。
(長期交通量予測) 長期交通量予測手段9は60分周期で実行され、交通量検
出器8で検出した過去の交通量データを基に60分先まで
の平均交通量を予測する。
予測式は下式の通りである。
長期交通量予測値=自己回復モデル+交通量予測基本値
……(1) 自己回帰モデル Δk+1=a1・ΔNk+a2・ΔNk-1+a3・ΔNk-2+a4・ΔN
k-3 ……(2) Δk+1:k+1回目に交通量が交通量予測基本値から外
れる量の予測値[台/h] ΔNk:k回目に実測交通量が交通量予測基本値から外れた
量[台/h] a1〜a4:係数 自己回帰モデルの係数a1〜a4は、カルマンフィルタを用
いてオンライン逐次推定により求められる(後述)。
(1)式による長期交通量予測の予測項目は次の2つで
ある。
・大型車台数長期予測値NlL[台/h] ・小 〃 〃 NsL[台/h] 交通量予測基本値は1日の平均的な交通量変化パターン
を示す値で、1時間平均値を24時間分持つが、更に平日
や休日によって交通量パターンが異なると思われるの
で、下記の4種類に別けて図示しないメモリ内に記憶し
ている。
平日(月〜金) 休日(日、祝祭日) 土曜 特異日 のパターンについては、パターン毎に指数平滑を
行って、基本値を更新する。
指数平滑は下式のように行う。
k=α・Nk+(1−α)・k-1 ……(3) Nk:k日目の1時間の実測交通量[台/h] k-1:k−1日目の指数平滑値(k日目の交通量予測基
本値)[台/h] k:k日目の指数平滑値(k+1日目の交通量予測基本値)
[台/h] α:平滑化定数(0≦α≦1) またの特異日については、日にちと交通量(大型車台
数、小型車台数)をオペレータより設定できるようにし
ている。
第3図は長期交通量予測の方法を示すグラフである。同
図の▲印が交通量予測基本値を、●印がその日の過去の
実測交通量を示している。tk時点において、自己回帰モ
デルにより次周期(tk+1)の交通量予測基本値からの偏
差ΔNk+1を予測している。
前述した自己回帰モデルの係数のカルマンフィルタによ
るオンライン逐次推定は下式によって行われる。
ΔNk-1:k−1回目に実測交通量が基本値から外れた量
[台/h] a1〜a4:自己回帰モデル(2)式の係数 λ=forgetting factor(0≦λ≦1) ここでTは転置を意味する。
の初期置は次のように設定する。
ΔN0:計算開始時点(k=0)のΔNの値 K≫1(例K=105) ……(12) (短期交通量予測) 短期交通量予測手段10は10分周期で実行され、交通量検
出器8で検出した過去の交通量データを基に10分先まで
の平均交通量を予測する。予測式は下式の通りである。
ここでは、前記長期交通量予測とは異なり、交通量予測
基本値は使用しない。
k+1=α・Nk+α・Nk-1+α・Nk-2+α・Nk
-3 ……(13) k+1:交通量予測値[台/h] Nk:k回目に実測した交通量[台/h] (10分間の積算値を時間交通量に直した値) α〜α4:係数 自己回帰モデルの係数α〜αは長期交通量予測と同
様に、カルマンフィルタを用いてオンライン逐次推定を
行う。
上記(13)式によって予測するのは下記の2項目であ
る。
・大型車台数短期予測値NlS[台/h] ・小 〃 〃 NsS[台/h] 更に本短期交通量予測では、(13)式で予測した値Nls,
NsSと長期交通量予測で予測した値NlL,NsLとの加重平均
をとって最終的な短期交通量予測値としている。この加
重平均は次のようにして計算する。
Nls←α・NlS+(1−α)・NlL ……(14) Nss←α・NsS+(1−α)・NsL (15) (0≦α≦1) ……(16) (換気機組合せ決定) 換気機組合せ決定手段11は前記長期交通量予測の予測結
果を基に、60分周期で運転する換気機16の組合せを決定
する。汚染発生量は交通量と大型車混入率に特に影響さ
れるので、ここでは第4図に示すように交通量と大型車
混入率をパラメータとする2次元のテーブルによって組
合せを決定するようにしている。
同図に示す交通量Nと大型車混入率Ptは下式で計算され
る値である。
N=NlL+NsL ……(17) Pt=NlL/(NlL+NsL) ……(18) NlL:大型車台数長期予測値[台/h] NsL:小 〃 〃 [台/h] 同図のテーブルの数値は組合せを示す番号であり、第5
図に示すように電気集塵機16の運転組合せと対応してい
る。また目標VI値VIref[%]は運用上変更する可能性
があるので、VIref≦40の場合と、40<VIref≦45の場合
と、45<VIref≦50の場合に対してそれぞれテーブルを
1枚ずつ持っている。
(汚染発生量算出) 汚染発生量算出手段12では、前記短期交通量予測の結果
を基に10分周期で煤煙発生量とCO発生量を算出する。
(1)煤煙発生量の計算 まず煤煙発生量の基本値を計算する。
μ=μ1 0・V1・Pd1+μ2 0・V2・(1−Pd1) ……(1
9) σ1 2=Pd1・{(σ1 0・V1+(μ1 0・V1
μ}+(1−Pd1)・{(σ2 0・V2+(μ2 2
・V2−μ} ……(20) μ=μ1 0・v1・Pd2+μ2 0・v2・(1−Pd2) ……(2
1) σ2 2=Pd2・{(σ1 0・v1+(μ1 0・v1
μ}+(1−Pd2)・{(σ・v2+μ2 0・v
2−μ} ……(22) V1,V2:大型ディーゼル車、大型ガソリン車の1台当りの
平均排気ガス量[m3/(台・km)] v1,v2:小型ディーゼル車、小型ガソリン車の1台当りの
平均排気ガス量[m3(台/・km)] Pd1,Pd2:大型車、小型車のディーゼル比率[−] μ1 01 0:ディーゼル車の煤煙濃度の平均値および標準
偏差[−] μ2 02 0:ガソリン車の煤煙濃度の平均値および標準偏
差[−] μ11:大型車の煤煙発生量の平均値および標準偏差
[m3/(台・km)] μ22:小型車の煤煙発生量の平均値および標準偏差
[m3/(台・km)] Pt:大型車混入率[−] 次に基本値に対する補正を行う。
CKVI:許容煤煙濃度[−] KVI:許容VI値[%] A:トンネル1km当りの容積[m3] μ0 VI:分散を考慮した煤煙発生量[m3/(台・km)] μVI=μ0 VI・KVIG・KVIH ……(26) μVI:勾配と標高により補正を加えた煤煙発生量[m3/
(台・km)] kVIG:勾配による煤煙発生量の補正係数[−] KVIH:標高による煤煙発生量の補正係数[−] 煤煙換気区間単位の煤煙発生量qVIiを計算する。
qVIi:第i煤煙換気区間の煤煙発生量[m3/s] N :交通量[台/h] l1 :第i煤煙換気区間距離[m] 煤煙換気区間は第6図に示すように4区間ある。同図に
おいてLがトンネル延長[m]でl1が第i煤煙換気区間
距離[m]である。煤煙換気区間は次のように分けられ
ている。
第1煤煙換気区間:西側坑口から第1集塵機 第2 〃 :第1集塵機から第2 〃 第3 〃 :第2集塵機から第3 〃 第4 〃 :第3集塵機から東側坑口 (2)CO発生量の計算 KCoG:勾配によるCO発生量の補正係数[−] KCoH:標高によるCO発生量の補正係数[−] μCo :勾配と標高による補正を加えたCO発生量[m3/
(台・km)] トンネル全体におけるCO発生量qCoは次式により計算さ
れる。
qCo:トンネル全体のCO発生量[m3/s] N:交通量[台/h] L:トンネル全長[m] (最適換気量配分) 最適換気量配分手段13では、換気機組合せ決定手段11で
決められた換気機の運転組合せと、短期交通量予測手段
10の予測値と、汚染発生量算出手段12で算出された汚染
発生量を基に10分周期で各電気集塵機16の基準風量とジ
ェットファン17の基準台数と基準車道風速と基準煤煙濃
度を算出する。その際、電気集塵機16とジェットファン
17で消費される電力が最小となるように非線形計画法を
使って計算を行う。
以下で使用する濃度関係の記号を第6図により説明す
る。第6図のグラフは煤煙とCOの定常的な濃度分布を示
すものである。煤煙は電気集塵機16で除去されるので、
上段のグラフに示す通り鋸波型の濃度分布となる。一方
COは電気集塵機16で除去できないため下段のグラフのよ
うに単調に増加する濃度分布となる。グラフ上に記入し
ている記号の意味は下記の通りである。
CVI0:トンネル外の煤煙濃度 [−] CVI1:第1集塵機入側の煤煙濃度 [−] CVI2: 〃 出側 〃 [−] CVI3:第2集塵機入側 〃 [−] CVI4: 〃 出側 〃 [−] CVI5:第3集塵機入側 〃 [−] CVI6: 〃 出側 〃 [−] CVI7:東側坑口(トンネル内)の〃 [−] CVI0:トンネル外のCO濃度 [−] CVI1:東側坑口(トンネル内)のCO濃度 [−] この最適換気量配分では、以下のように定式化した非線
形計画問題を解いて、各基準値を求めている。
(1)決定変数 x1:第1集塵機風量QC1 [m3/s] x2:第2集塵機風量QC2 [ 〃] x3:第3集塵機風量QC3 [ 〃] x4:車道風量Qr [ 〃] x5:運転ジェットファンNJF [ 〃] (2)目的関数 WC1=a0i+a1i・QCi+a2i・Q2 Ci+a3i・Q3 Ci……(31) WJF=一定 WCi:第i集塵機所要電力[KW] QCi: 〃 風量 [m3/s] a0i〜a3i:係数 WJF:ジェットファン所要電力[KW] (3)不等式制約条件 車道風量制約 g1=x4(x4−Qrmax)≦0 ……(32) Qrmax:車道風量上限[m3/s] 集塵機風量制約 g2=(x1−Qcmin1)・(x1−Qcmax1)≦0…(33)
g3=(x2−Qcmin2)・(x2−Qcmax2)≦0 ……(34) g4=(x3−Qcmin3)・(x3−Qcmax3)≦0 ……(35) Qcmini:第i集塵機風量下限[m3/s] Qcmaxi: 〃 上限[m3/s] 集塵機風量≦車道風量 g5=x1−x4≦0 ……(36) g6=x2−x4≦0 ……(37) g7=x3−x4≦0 ……(38) ジェットファン台数制約 g8=x5(x5−NJFmax)≦0 ……(39) NJFmax:ジェットファン設置台数[台] 煤煙濃度制約 g9=CVI1−CVIU≦0 ……(40) g10=CVI3−CVIU≦0 ……(41) g11=CVI5−CVIU≦0 ……(42) g12=CVI7−CVIU≦0 ……(43) CO濃度制約 g13=CCO1−CCOU≦0 ……(44) CVIU:煤煙濃度設定値(上限値)[−] CCOU:CO濃度設定値( 〃 )[ppm] 煤煙濃度CVIiとCO濃度CCO1は下式によって計算される。
qVIi:第i煤煙換気区間汚染発生量[m3/s] ηcdi:第i集塵機集塵効率[−] qCO :CO発生量[m3/s] (4)等式制約条件 圧力バランス ΔPr :通気抵抗 [mmAg] ΔPM :自然換気力 [〃 ] ΔPt :交通換気力 [〃 ] ΔPci:第i集塵機の昇圧力 [〃 ] ΔPJ :ジェットファン昇圧力 [〃 ] 上記(53)式における各圧力の計算式は下記の通りであ
る。
vr=Qr/Ar ……(55) ただし、 n:トンネル内存在台数[台] Ae:自動車等価抵抗面積[m2] Ae=Ael・Pt+Aes・(1−Pt) ……(59) N=Nls+NSS ……(60) Pt=Nls/N ……(61) 上記(54)式から(66)式までに使用した記号の意味は
下記の通り L :トンネル延長 [m] Dr:トンネル付表寸法 [m] Ar:車道断面積 [m2] vr:車道風速 [m/s] ρ:空気密度 [kgf・s2/m4] λ:トンネル壁面摩擦損失係数 [−] ζe:トンネル入口流入損失係数 [−] vn :自然風速 [m/s] vt :車速 [m/s] Ael:大型車等価抵抗面積 [m2] Aes:小型車等価抵抗面積 [m2] N :交通量 [台/h] Nls :大型車短期予測値 [台/h] NSS :小型車短期予測値 [台/h] Pt :大型車混入率 [−] Qci :電気集塵機i ノズル吹き出し風量[m3/sec]
vji : 〃 ノズル吹き出し速度 [m/sec]
βi : 〃 ノズル吹き出し角度 [deg] vjmaxi: 〃 定格運転時のノズル吹き出し速
度[m/sec] ……(63) viJF :ジェットファン吹き出し速度 [m/sec] Aj : 〃 吹き出し面積[m2] Qcmaxi:電気集塵機i 定格風量 [m3/sec] この最適換気量分配では以上のように定式化された非線
形計画問題を問いて、下記の基準値が求められる。
ci:第i集塵機基準風量 [m3/s] N JF:ジェットファン基準運転台数 [台] Vr:基準車道風速 [m/s] C VIi:基準煤煙濃度 [−] (集塵機風量制御) 集塵機風量制御手段14は最適換気量配分手段13の演算結
果とVI計18、風向風速計20の検出値を用いてVI値を目標
値近くに維持するために電気集塵機16の風量を調整す
る。
本実施例による集塵機風量制御は、電気集塵機16の上流
側と下流側の両方のVI計18-1,18-2を使って電気集塵機1
6の風量を操作することに特徴がある。
第7図に第1集塵機16-1に対する集塵機風量制御の構成
を示す。第7図において、VI値フィードバック制御手段
22-1は、VI計18-2により検出されたVI値と目標VI値VIre
fの偏差を基に第1集塵機16-1の補正風量ΔQCIBを演算
する。このVI値フィードバック制御にはPID制御を使用
しており、制御周期は5分程度にしている。また前記の
目標値VIrefは、最適換気量配分で算出された基準煤煙
濃度により、下式によって設定する。
VIref:目標VI値[%] C VI2:第2VI計設置地点の基準煤煙濃度[−] VI値フィードフォワード制御手段23-1は、第1VI計18-1
と風向風速計20-1,20-2の検出値を用いて、第1集塵機1
6-1の補正風量ΔQCIFを1分周期で演算する。尚、風向
風速計20は2台あるので、平均処理手段25により平均車
道風速が計算されている。
第8図は第1集塵機16-1近くの煤煙濃度分布を示す。同
図の実線で示す分布は最適換気量配分により計画された
濃度分布である。ここで例えば、VI計18-1検出値CVI1
基準値C VI1より高くなった場合、第1集塵機16-1の
風量を現状のままにしていると第2VI計18-2地点の濃度
が第1集塵機C VI3より高くなってしまう可能性があ
る。本制御ではこのような場合、第2VI計18-2地点の濃
度が悪化しないように第1集塵機16-1の風量を予め増加
させて第8図に破線で示すような濃度分布にするのであ
る。
補正風量ΔQCIFは次のように計算する。
まず、第1VI計18-1の検出値(VI値)を煤煙濃度に変換
する。
VI1 :第1VI計の検出値(VI値)[%] CVI1: 〃 〃(煤煙濃度)[−] 次に下記の(69)式と(70)式を連立させて第1集塵機
16-1の予測風量QCIFを求める。
CVI2:第1集塵機出側の煤煙濃度 [−] vr:車道風量検出値 [m/s] Ar:車道断面積 [m2] ηCD1:第1集塵機の集塵効率 [−] q2:第2煤煙換気区間の煤煙発生量 [m3/s] (汚染発生量算出手段12で算出した値) C VI3:第2VI計地点の基準煤煙濃度 QCIF:第1集塵機の予測風量 [m3/s] 最後に下式によって補正風量ΔQCIFを計算する。
ΔQCIF=QCIF−Q C1 ……(71) Q C1:第1集塵機基準風量 尚、このVI値フィードフォワード制御は、第1VI計18-1
地点の目標のVI値の検出されたVI値の偏差が、設定され
た一定の幅から外れた場合だけ制御出力を行う。
制御出力決定手段24-1は、VI値フィードバック制御手段
22-1により演算された補正風量ΔQCIBと、VI値フィード
フォワード制御手段23-1により演算された補正風量ΔQ
CIFを組合せて実際の制御出力の決定を行う。本実施例
では下式によって制御出力を決定している。C1 =Q C1+ΔQCIB+ΔQCIF ……(72)C1 :第1集塵機風量に対する制御出力 [m3/s] Q C1: 〃 基準風量 [m3/s] ΔQCIB:VI値フィードバック制御による補正風量 [m3/
s] ΔQCIF:VI値フィードフォワード制御による補正風量[m
3/s] 以上、第1集塵機16-1に対する集塵機風量制御を説明し
たが、第2,第3集塵機16-2,16-3についても同様であ
る。
(ジェットファン台数制御) ジェットファン台数制御手段15は、最適換気量配分手段
13の演算結果とVI計18、CO計19、風向風速計20の検出値
を用いて、VI値とCO濃度と車道風速が制御目標域内に入
るようにジットファンの運転台数を操作する。
以下では電気集塵機16が全台運転されている場合の、ジ
ェットファン台数制御について説明する。この場合、使
用されるセンサは第1VI計18-1とCO計19と風向速度計20-
1,20-2である。本制御ではセンサからの検出値の監視は
1分周期で行っているが、1度ジットファンの運転台数
を変更したら、認定されたある一定時間(効果待ち時間
と呼ぶことにする)は、次の変更を行わないようにして
いる。
制御出力は次のようにして計算する。JF =(前回のJF)+ΔN JF+max{ΔNJFVI,ΔN
JFCO,ΔNJFVR} ……(73) ΔN JF=N JF−(前回のN JF) ……(74)JF :ジェットファン運転台数(制御出力) [台] N JF=ジェットファン基準運転台数 [台] ΔNJFVI,ΔNJFCo,ΔNJFVRは次のようにして計算される
値である。
vL=vr−Dvr ……(78) VIU:VI値制御目標域上限 [%] VIL: 〃 下限 [%] VI1:第1VI計検出値 [%] COU:Co濃度制御目標域上限 [ppm] CO1:Co計検出値 [ppm] vL :車道風速制御目標域下限 [m/s] vr: 〃 基準値 [m/s] Dvr: 〃 制御不感帯幅[m/s] (Dvr≧0) k1〜k3:制御ゲイン 集塵機風量制御は、第1集塵機16-1、1台だけについて
説明したが、電気集塵機16が3台の場合には第9図に示
すような構成となる。尚、同図において22-1〜22-3はVI
値フィードバック制御手段、23-1〜23-3はVI値フィード
ワード制御手段、24-1〜24-3は制御出力決定手段であ
る。第1集塵機16-1に対する構成と全く同様に、第2、
第3集塵機16-1,16-2に対しても集塵機風量制御が構成
されている。
以上の実施例では、換気機として電気集塵機16とジェッ
トファン17を持つ縦流換気方式トンネルへの適用例を述
べたが、本発明による制御装置は、電気集塵機を有する
あらゆるタイプのトンネルに適用することが出来る。例
えば、立坑送排気方式のトンネルが立坑集中排気方式の
トンネルに適用できる。
[発明の効果] 以上、説明したように、本発明によればトンネル内の汚
染濃度も許容値以下に安定に維持し、且つ換気機で消費
される電力を出来るだけ低く抑ことが可能な道路トンネ
ルの換気制御装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の制御機能構成図、第2図は
対象トンネルの概略図、第3図は長期交通量予測の方法
を示す説明図、第4図は換気機の運転組合せを決めるた
めのテーブル、第5図は換気機組合せ番号と運転集塵機
組合せとの対応を示す図、第6図は煤煙濃度とCO濃度の
定常的な分布を示す図、第7図は第1集塵機に対する集
塵機風量制御の構成図、第8図はVI値フィードフォワー
ド制御手段の演算方法を説明するための煤煙濃度分布
図、第9図は集塵機風量制御とジェットファン台数制御
を組合せた全体構成図、第10図は従来のフィードバック
制御の構成図である。 8……交通量検出器 9……長期交通量予測手段 10……短期交通量予測手段 11……換気機組合せ決定手段 12……汚染発生量算出手段 13……最適換気量制御手段 14……集塵機風量制御手段 15……ジェットファン台数制御手段 16(16-1,16-2,16-3)……電気集塵機 17(17-1,17-2,17-3)……ジェットファン 18(18-1,18-2,18-3,18-4)……VI計 19……CO計 20(20-1,20-2,20-3)……風内風速計 21……換気制御装置 22-1,22-2,22-3……VI値フィードバック制御手段 23-1,23-2,23-3……VI値フィードフォワード制御手段 24-1,24-2,24-3……制御出力決定手段 25……平均処理手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交通量検出器で検出された交通量データか
    ら長期の交通量を予測する長期交通量予測手段と、 前記交通量検出器で検出された交通量データから短期の
    交通量を予測する短期交通量予測手段と、 前記長期交通量予測手段の予測値から運転換気機の最適
    組合せを決定する換気機組合せ決定手段と、 前記短期交通量予測手段の予測値からトンネル内の汚染
    発生量を算出する汚染発生量算出手段と、 前記短期交通量予測手段、汚染発生量算出手段および換
    気機組合せ決定手段の各演算結果から前記運転換気機の
    総所要電力量が最小となるように各運転換気機の基準風
    量を算出する最適換気量配分手段と、 トンネル内汚染濃度を検出してこの汚染濃度が制御目標
    域内に維持されるように前記運転換気機の風量及び運転
    台数を補正する汚染濃度フィードバック制御手段と、 を具備することを特徴とする道路トンネルの換気制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記汚染濃度フィードバック制御手段は、
    運転換気機としての電気集塵機の下流側に設置されたVI
    計の計測値をフィードバックしてこのVI計設置地点のVI
    値が制御目標域内に入るように前記電気集塵機の補正風
    量を演算する手段と、前記電気集塵機の上流側に設置さ
    れたVI計の計測値よりこのVI計設置地点のVI値が制御目
    標域内に入るように前記電気集塵機の補正風量を予測演
    算する手段と、演算された各補正風量を組み合わせて前
    記電気集塵機の最適風量を決定する手段と、を含むこと
    を特徴とする請求項(1)記載の道路トンネルの換気制
    御装置。
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