JPH076856B2 - 路面のすべり摩擦抵抗測定方法およびその装置 - Google Patents

路面のすべり摩擦抵抗測定方法およびその装置

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JPH076856B2
JPH076856B2 JP21823690A JP21823690A JPH076856B2 JP H076856 B2 JPH076856 B2 JP H076856B2 JP 21823690 A JP21823690 A JP 21823690A JP 21823690 A JP21823690 A JP 21823690A JP H076856 B2 JPH076856 B2 JP H076856B2
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光之 小野田
成利 曽我
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光之 小野田
株式会社八千代製作所
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、前後車輪に固定された歯数の異なるスプロケ
ットに亘って張設されたチェーンの張力から、路面のす
べり摩擦抵抗を測定する路面のすべり摩擦抵抗測定方法
およびその装置に関する。
[従来の技術] 一般に、冬季における路面の安全保守のために使用され
る凍結防止剤の散布時期や、通行車両への警告等に際し
ては、管理者がパトロールカーによる目視や、定点にお
ける路面温度測定等によって行われるか、あるいは比較
的大型の車両に搭載された試験輪に100%の制動を与
え、その時に生ずる走行抵抗力や制動力を測定して路面
の摩擦抵抗力を測定するすべり抵抗測定装置が用いられ
ている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、目視や路面温度測定によっては、種々異
なる道路環境上、路面のすべり摩擦抵抗を正確に測定す
ることはできず、測定者によってもバラツキを生じると
いう問題点があった。また、上記すべり抵抗測定装置に
より路面のすべり摩擦抵抗を測定するものにおいては、
たとえば冬季における凍結路面の場合には、その測定値
は路面のすべり摩擦抵抗値とは無関係な全く別の値とな
り、非常に滑り易い路面となっている場合が多い。した
がって凍結路面であるか否かの判定は、走行車両に対す
る安全確保上、現場管理者の対応上重要な問題となって
いる。
本発明は、このような路面のすべり摩擦抵抗測定方法や
装置における課題を解決するために、簡単な方法または
装置により、直接現場で動的に路面のすべり摩擦抵抗値
を測定して凍結路面を見出し、諸対応を迅速に実施する
ことができる路面のすべり摩擦抵抗測定方法およびその
装置を提供することを目的としている。
[課題を解決するための手段] 本発明は、それぞれ異なった歯数からなるチェーンスプ
ロケットが固設され、両チェーンスプロケット間にチェ
ーンが張設された前後1対の試験用車輪を台枠に取付
け、この台枠を車両で牽引して路面を走行させたときに
生じるチェーンの張力を測定することにより、路面のす
べり摩擦抵抗を測定するものである。
また、本発明は、車両に着脱自在に連結される台枠と、
この台枠に枢着された前後1対の試験用車輪と、この両
試験用車輪に固設されたそれぞれ異なった歯数からなる
チェーンスプロケットと、これら両チェーンスプロケッ
トに亘って張設されたチェーンと、このチェーンにアイ
ドラープーリを介して連設された荷重変換器の組合わせ
からなるものである。
この組合わせにおいては、前方の試験用車輪が後方の試
験用車輪より摩擦抵抗が大であり、かつ前方の試験用車
輪に固設されたチェーンスプロケットより後方の試験用
車輪に固設されたチェーンスプロケットの歯数が多いこ
とが好ましい。
[作用] 上記のような構成からなる装置を車両の後部に連結し、
牽引走行すると、前後両試験用車輪は路面の凹凸に沿っ
て回転するが、一方の試験用車輪のスプロケットの歯数
が他方の試験用車輪のスプロケットの歯数より多いた
め、路面摩擦抵抗の大きい、すなわち凍結していない路
面では、常にチェーンにはスプロケットの歯数が少ない
方の試験用車輪を強制回転させようとする大きな張力が
働く。また、路面摩擦係数の小さい、すなわち凍結して
いる路面では、チェーンにはスプロケットの歯数の少な
い方の試験用車輪の強制回転させようとする張力は働く
が、その値は小さい。これらの張力を公知の機器で測定
することにより、路面のすべり摩擦抵抗を測定する。
[実施例] 以下、図面に基いて本発明に係る路面のすべり摩擦抵抗
測定方法およびその装置の実施例を説明する。
平面工状に形成され、前方においてボルト1,1により略
Y字形の牽引金具2の後端開脚端部が枢着された台枠3
の前後端部には、1対の前、後輪車軸4,4aがボルト5,5a
により取付けられている。
牽引金具2の先端には、図示されていない牽引車両に連
結するための連結杆6の後端を、連結杆6が垂直方向に
円弧運動可能に枢着するための軸承7とピン8を備えて
おり、連結杆6の先端には、水平方向に円運動可能な軸
孔9が形成されている。
台枠3の上面4隅には、それぞれ支柱10が植設され、各
支柱10の上面には、各支柱10の上面が同一平面となるよ
うに、受板11が固設され、進行方向に対して平行な左右
1対の重錘支持板12が、この受板11上にダンバー13を介
して取付けられる。
重錘支持板12には、後述の試験用車輪に適した重量の重
錘14が、進行方向に対して左右の平衡を保ち、かつ前後
両試験用車輪に略等しい荷重が掛かるように、重錘支持
板12の上下に螺子15で着脱自在に取付けられる。
前述の1対の前後輪車軸4,4a中央部には、それぞれ進行
方向に回転自在な前後1対の同径の試験用車輪16,16a
が、それぞれ軸方向調節用のスリーブ17を介して取付け
られている。
そして、試験用前車輪16としては、試験用後車輪16aよ
り摩擦抵抗の大きい、たとえばスパイクタイヤ等の車輪
を用い、試験用後車輪としては通常のトレッドタイヤ等
の車輪が用いられる。前後両試験用車輪16,16aのフレー
ムには、それぞれチェーンスプロケット19,20が固設さ
れ、かつ試験用前車輪16aのチェーンスプロケット19の
歯数が試験用後車輪16aのチェーンスプロケット20より
数個少ないものが用いられる。
両車軸4,4a間で、やや後方の台枠3下側には台座21が固
設され、この台座21の下側に一端が枢着されたアーム22
の他端には、アイドラープーリ23が枢着されている。こ
のアイドラープーリ23の下面には、アーム22を水平にし
たとき、前述の両チェーンスプロケット19,20の下面を
結ぶ線より下方へ位置するように、アーム22に取付けら
れている。
台座21の後方の台枠3下側には、ビーム形荷重変換器24
が取付けられており、このビーム形荷重変換器24の下面
には、先端部が上記アーム22の下面と適当な圧力で接触
する板ばね25が、ボルト26により螺着されている。
1対のチェーンスプロケット19,20とアイドラープーリ2
3の円周に亘って、弛みのない適宜張力を保ってチェー
ン27が張設される。
このチェーン27の張力の調節は、1対の前後輪車軸4,4a
間距離を調整することにより行なわれる。このため、後
輪車軸4aを支承する部分の台枠3は2又に形成されたス
ライド部28を有している。
以上のような構成からなる装置を、牽引車両の後部に連
結し牽引して走行すると、両試験用車輪16,16aは路面の
凹凸に沿って回転するが、試験用後車輪16aのチェーン
スプロケット20の端数が試験用前車輪16の端数よりも数
個多いため、路面摩擦係数の大きい、すなわち凍結して
いない路面では、常にチェーン27には試験用前者輪16を
強制回転させようとする張力が働くためにアイドラープ
ーリ23は上方に変位し、ビーム形荷重変換器24には大き
いプラスの歪出力が得られる。車両が凍結路面に進入す
ると、試験用前車輪16は滑り止めを具えているので、正
常路面と殆ど変わらない回転をするが、試験用後車輪16
aは滑り止めがないので試験用前車輪16と試験用後車輪1
6a間の強制回転力が弱くなり、アイドラープーリ23は正
常路面のときより下方に変位し、ビーム形荷重変換器24
には小さなプラスの歪出力しか得られないこととなる。
したがって、牽引する車両に、この出力歪を自動記録す
る公知の記録計やモニターを設備しておけば、運転者が
容易に路面状況を把握することができる。
すなわち、第4図において、 W……試験用車輪荷重 R……試験用車輪接地半径 Y……チェーンスプロケット有効半径 μ……摩擦係数 F……ロードセル検出荷重 T……チェーン張力 とすると、 T=μ×W×R/r F=T×sinθより、 μ=F×r/sinθ×W×R ここでr=一定、θ=一定のため r/sinθ=a(定数)とすると μ=a×F/W×Rとなる。
したがって、試験用車輪荷重W、試験用車輪接地半径R
を計測しておくことにより、ロードセル検出荷重Fより
路面摩擦係数μが算出できる。
[発明の効果] 本発明は上記方法および構成によりなるものであるの
で、以下に記載されるような効果を有する。
試験用車輪に100%の制動を与えて車輪と路面との摩擦
抵抗を測定するものではなく、前後車輪に取付けたチェ
ーンスプロケットの歯数比に対応した回転中のチェーン
の張力から車輪と路面との摩擦抵抗を測定するものであ
るので、正常で安全な路面から凍結路面に至るまで、正
確なすべり摩擦抵抗値を現場で動的に求めることができ
て、車両運転者へ告知や走行規制の警告、凍結防止剤の
散布の時期と範囲等、路面状況に応じた対策を迅速に講
じることができるばかりでなく、凍結防止剤散布の効果
も即時に判定できるとともに、地域的な天候や気象条件
に適応した安全対策ができ、突発的な気象変化に対応し
て走行規制を行なうことができるので、著しく安全対策
が向上する効果がある。
また、装置自体はきわめて簡潔に構成でき、使用に際し
ても、単に牽引車両に凍結して走行するのみで足るか
ら、取扱いおよび使用上簡便である効果もある。
さらに、実施例に示されるように、前方の試験用車輪が
後方の試験用車輪より摩擦抵抗が大であり、かつ前方の
試験用車輪に固設されたチェーンスプロケットより後方
の試験用車輪に固設されたチェーンスプロケットの歯数
が多い構成からなるものにあっては、一層すべり摩擦抵
抗値の精度を高めることができる効果を併有する。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明に係る路面のすべり摩擦抵抗測定装置の実
施例を示すもので、第1図は要部の平面図、第2図は全
体の正面図、第3図は要部の側面図、第4図はすべり摩
擦抵抗測定原理の説明図である。 3……台枠 16,16a……前後の試験用車輪 19,20……チェーンスプロケット 23……アイドラープーリ 24……ビーム形荷重変換器 27……チェーン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれ異なった歯数からなるチェーンス
    プロケットが固設され、両チェーンスプロケット間にチ
    ェーンが張設された前後1対の試験用車輪を台枠に取付
    け、この台枠を車両で牽引して路面を走行させたときに
    生じるチェーンの張力を測定することにより、路面のす
    べり摩擦抵抗を測定することを特徴とする路面のすべり
    摩擦抵抗測定方法。
  2. 【請求項2】車両に着脱自在に連結される台枠と、この
    台枠に枢着された前後1対の試験用車輪と、この両試験
    用車輪に固設されたそれぞれ異なった歯数からなるチェ
    ーンスプロケットと、これら両チェーンスプロケットに
    亘って張設されたチェーンと、このチェーンにアイドラ
    ープーリを介して連設された荷重変換器とからなること
    を特徴とする路面のすべり摩擦抵抗測定装置。
  3. 【請求項3】前方の試験用車輪が後方の試験用車輪より
    摩擦抵抗が大であり、かつ前方の試験用車輪に固設され
    たチェーンスプロケットより後方の試験用車輪に固設さ
    れたチェーンスプロケットの歯数が多い請求項(2)記
    載の路面のすべり摩擦抵抗測定装置。
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