JPH0768193A - 電気集塵装置の運転方法 - Google Patents

電気集塵装置の運転方法

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JPH0768193A
JPH0768193A JP24372893A JP24372893A JPH0768193A JP H0768193 A JPH0768193 A JP H0768193A JP 24372893 A JP24372893 A JP 24372893A JP 24372893 A JP24372893 A JP 24372893A JP H0768193 A JPH0768193 A JP H0768193A
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JP
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dust
electrostatic precipitator
oxygen concentration
oil
fired boiler
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JP24372893A
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Inventor
Yoshihiko Mochizuki
美彦 望月
Shinichi Kawabata
進一 川畑
Hiroshi Asano
弘 浅野
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Hitachi Plant Technologies Ltd
Original Assignee
Hitachi Plant Technologies Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】油焚きボイラの起動運転時及び停止運転時にお
いて電気集塵装置内に捕集されたダストの着火を防止す
る電気集塵装置の運転方法を提供する。 【構成】炭素含有率が高く着火し易いダストを含む含塵
ガスが発生する油焚きボイラ10において含塵ガスの酸
素濃度を酸素濃度計22で検出し、検出した酸素濃度が
8%以上の時に、電気集塵装置12の放電極12Bに印
加する電圧を制御して放電極12Bと集塵極12Cの間
に火花放電が発生しないようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気集塵装置の運転方法
に係り、特に、油焚きボイラの起動運転時及び停止運転
時の電気集塵装置の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】重油又は原油を燃料とする油焚きボイラ
は、窒素酸化物対策として燃料に対する供給酸素量を低
く抑える傾向にあり、その結果、発生するダストは粒径
が細かく炭素含有率の高いダストを有する含塵ガスが発
生する。ちなみに、原油焚きボイラのダストを分析した
一例では、ダストの平均粒径は0.3〜2μm、炭素含
有率は50〜90%であり可燃性の高い成分がほとんど
であった。
【0003】通常、ボイラは、定常運転時にはボイラ効
率を高める為に、含塵ガス中の酸素濃度を2〜4%の範
囲で略一定に制御して運転されるが、ボイラの起動運転
時では、含塵ガスの酸素濃度は空気中の酸素濃度である
21%から徐々に低下してくることになり、停止運転時
はこれと逆に含塵ガス中の酸素濃度が徐々に高くなり2
1%に近づく。
【0004】一方、含塵ガス中のダストを捕集する電気
集塵装置の集塵性能は、放電極に印加する印加電圧に比
例し、印加電圧が高い方が集塵性能が高くなる。この
為、放電極に印加する印加電圧は火花放電近くまで高く
して火花放電を起こしながらこの火花放電回数を検出し
て、この発生回数を一定に制御する運転方法が取られて
いる。このように、一定回数の火花放電が発生するよう
に印加電圧を制御する運転方法は、ボイラの起動運転時
・停止運転時においても同様に行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電気集塵装置の運転方法の場合、油焚きボイラのように
炭素含有率が高く着火し易いダストが発生するボイラで
は、ボイラの起動運転時及び停止運転時のように含塵ガ
ス中の酸素濃度が高くなると、火花放電の放電エネルギ
ーにより、電気集塵装置内に捕集されたダストに着火す
るという問題がある。即ち、ダストへの着火エネルギー
の最小値は、空気中(酸素濃度21%)で10〜100
mJである。これに対し、油焚きボイラ用電気集塵装置
では電気集塵装置のコンデンサ容量が約1000〜20
00pF、火花電圧が約40kVであるので、火花放電
時の放電エネルギーは最大で1.6Jにも達し、火花放
電の放電エネルギーはダストへの着火エネルギーに対し
て充分大きい。この結果、ボイラの起動運転時及び停止
運転時のように含塵ガス中の酸素濃度が高くなると、火
花放電の放電エネルギーにより、電気集塵装置内に捕集
されたダストに着火する。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、特に油焚きボイラの起動運転時及び停止運転時
において電気集塵装置内に捕集されたダストに着火しな
いようにできる電気集塵装置の運転方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、油焚きボイラから発生する含塵ガス中のダ
ストを捕集する電気集塵装置の運転方法に於いて、前記
含塵ガスの酸素濃度を検出し、検出した酸素濃度が所定
値以上の時に前記電気集塵装置の放電極と集塵極の間に
火花放電が発生しないように前記放電極に印加する印加
電圧を制御することを特徴とする。
【0008】本発明は前記目的を達成するために、油焚
きボイラから煙道管を介して取り込まれる含塵ガス中の
ダストを捕集する電気集塵装置の運転方法に於いて、少
なくとも前記油焚きボイラの起動運転時及び停止運転時
に前記煙道内に前記ダストの炭素含有率が20%以下に
なるように不燃性粉体を吹き込むことを特徴とする。
【0009】本発明は前記目的を達成するために、油焚
きボイラから発生する含塵ガス中のダストを捕集する電
気集塵装置の運転方法に於いて、少なくとも前記油焚き
ボイラの起動運転時及び停止運転時に前記電気集塵装置
内に電気集塵装置内の湿度が90%以上になるように水
蒸気を噴霧することを特徴とする。
【0010】
【作用】第1の発明によれば、炭素含有率が高く着火し
易いダストを含む含塵ガスが発生する油焚きボイラにお
いて、前記含塵ガスの酸素濃度を検出し、検出した酸素
濃度が所定値以上の時には前記電気集塵装置の放電極に
印加する電圧を制御して放電極と集塵極の間に火花放電
が発生しないようにした。これにより、含塵ガス中の酸
素濃度が所定値以上になり電気集塵装置内に捕集された
ダストが燃えやすい場合でも、放電極と集塵極の間に火
花放電が発生しないので、電気集塵装置内に捕集された
ダストが着火しないようにできる。
【0011】第2の発明によれば、炭素含有率が高く着
火し易いダストを含む含塵ガスが発生する油焚きボイラ
の少なくとも起動運転時及び停止運転時に、煙道内に前
記ダストの炭素含有率が20%以下になるように不燃性
粉体を吹き込むようにした。これにより、前記ダストの
炭素含有率が低減してダストが燃えにくくなるので、電
気集塵装置に火花放電が発生しても電気集塵装置内に捕
集されたダストが着火しないようにできる。
【0012】第3の発明によれば、炭素含有率が高く着
火し易いダストを含む含塵ガスが発生する油焚きボイラ
の少なくとも起動運転時及び停止運転時に前記電気集塵
装置内に電気集塵装置内の湿度が90%以上になるよう
に水蒸気を噴霧するようにした。これにより、電気集塵
装置内の相対湿度が上がるので、電気集塵装置に火花放
電が発生しても電気集塵装置内に捕集されたダストが着
火しないようにできる。
【0013】
【実施例】以下添付図面に従って本発明に係る電気集塵
装置の運転方法の好ましい実施例を詳述する。図1に従
って、本発明の電気集塵装置の運転方法の第1実施例を
説明する。図1は、油焚きボイラ10から発生する含塵
ガス中のダストを電気集塵装置12で除塵する除塵フロ
ー及び本発明の電気集塵装置の運転方法が適用される電
気集塵装置12の構成を示している。この油焚きボイラ
10から発生する含塵ガス中のダストは炭素含有率(約
50〜90%)が高く燃えやすいという特徴がある。
【0014】先ず、後記する第2実施例及び第3実施例
とも共通する除塵フローについて説明すると、油焚きボ
イラ10から発生した含塵ガスはエアヒータ14を介し
て煙道管16により電気集塵装置12に送気される。電
気集塵装置12に取り込まれた含塵ガスは、集塵室12
A内に設けられた放電極12Bと集塵極12Cとの間に
荷電して発生する放電により含塵ガス中のダストが集塵
極12Cに捕集される。そして、除塵された清浄ガスは
排気管18を通って煙突20から大気に排出される。
【0015】一方、集塵極12Cに捕集されたダスト
は、槌打ち操作により集塵極12Cから剥離されて電気
集塵装置12のホッパー部12Dに堆積される。ホッパ
ー部12Dに堆積された堆積ダストは堆積量に応じて又
は一定時間ごとに電気集塵装置12外に図示しない排出
装置で排出される。次に、本発明の電気集塵装置の運転
方法が適用される電気集塵装置12の構成について説明
すると、電気集塵装置12は、煙道管16に酸素濃度計
22が設けられ、煙道管16から電気集塵装置12の集
塵室12Aに取り込まれる含塵ガスの酸素濃度が測定さ
れる。また、酸素濃度計22で測定された酸素濃度測定
値は比較制御器24に出力され、比較制御器24では、
酸素濃度計22で測定された含塵ガスの酸素濃度測定値
と比較制御器24に予め設定された酸素濃度設定値の8
%とが比較され、比較結果に基づいて高電圧電源26を
制御して電気集塵装置12の放電極12Bに印加する電
圧を変化させる。即ち、酸素濃度測定値が8%より大き
い時は、印加電圧を下げて放電極12Bと集塵極12C
の間に火花放電が発生しないようにする。また、酸素濃
度測定値が8%より小さい時は、印加電圧を上げて放電
極12Bと集塵極12Cの間に一定回数の火花放電が発
生するようにする。
【0016】ここで、図2に従って比較制御器24に設
定した酸素濃度設定値を8%にした理由を説明する。図
2において、テスト1は、油焚きボイラ10から排出さ
れた炭素含有率90%のダストを用いて、ダストが置か
れた雰囲気の酸素濃度を0〜21%の間で変化させなが
ら、火花放電に相当する放電エネルギー1.6Jを前記
ダストに与えた場合のダスト着火性を調べた結果であ
る。また、テスト2は、温度1000°Cの発熱体を用
いて火花放電による火花が直接ダストに接触した場合を
想定してダスト着火性を調べた結果である。図2から、
火花放電の放電エネルギーによる場合は、雰囲気の酸素
濃度が10%以上でダストに着火し、発熱体の場合に
は、雰囲気の酸素濃度が8%以上でダストに着火した。
このことから、電気集塵装置12に火花放電が発生した
条件下では、雰囲気の酸素濃度が8%以上になると電気
集塵装置12内に捕集したダストに着火する危険性のあ
ることが分かった。この結果に基づき安全率を見越して
比較制御器24に設定した酸素濃度設定値を8%とし
た。
【0017】尚、比較制御器24に設定した酸素濃度設
定値の8%は、ダストの炭素含有率及び雰囲気の酸素濃
度がダストに最も着火し易い条件下のものであり、着火
条件の程度により酸素濃度設定値を適宜変えることがで
きる。次に、第1実施例における本発明の電気集塵装置
の運転方法について説明する。
【0018】油焚きボイラ10を起動して燃料である重
油又は原油を徐々にバーナーに供給すると、油焚きボイ
ラ10からエアヒータ14を介して煙道管16により電
気集塵装置12の集塵室12Aに取り込まれる含塵ガス
の酸素濃度は、空気中の酸素濃度である21%から徐々
に低下する。この時、集塵室12Aに取り込まれる含塵
ガスの酸素濃度が酸素濃度計22で逐次測定され、測定
値が比較制御器24に出力される。比較制御器24で
は、酸素濃度測定値が8%以上の時に、高電圧電源26
を制御して放電極12Bに印加される印加電圧を小さく
して放電極12Bと集塵極12Cの間に火花放電が発生
しないようにする。これにより、油焚きボイラ10の起
動運転時のように含塵ガスの酸素濃度が8%以上の時で
も火花放電が発生しないようにできるので、電気集塵装
置12内に捕集されたダストへの着火を防止できる。
【0019】次に、油焚きボイラ10が起動運転時から
定常運転時に移行すると、酸素濃度計22で測定される
含塵ガスの酸素濃度は8%以下になり通常2〜4%で運
転される。この油焚きボイラ10の起動運転時から定常
運転時への移行過程において、酸素濃度計22で測定さ
れた酸素濃度測定値が8%より小さくなったら、比較制
御器24は高電圧電源26を制御して放電極12Bに印
加される印加電圧を大きくして放電極12Bと集塵極1
2Cの間に一定回数の火花放電が発生するようにする。
これにより、火花放電が発生しても含塵ガスの酸素濃度
が8%以下であり電気集塵装置12内に捕集されたダス
トへの着火を防止できると共に、定常運転時のように油
焚きボイラ10から発生するダスト量が多いときには集
塵性能を高めることができる。
【0020】次に、油焚きボイラ10を停止する為に、
バーナーに供給する燃料を徐々に減少させると、油焚き
ボイラ10から集塵室12Aに取り込まれる含塵ガスの
酸素濃度は、定常運転時の2〜4%から徐々に上昇して
空気中の酸素濃度である21%に近づく。この油焚きボ
イラ10の定常運転時から停止運転時への移行過程にお
いて、酸素濃度計22で測定された酸素濃度測定値が8
%より大きくなったら、比較制御器24は高電圧電源2
6を制御して放電極12Bに印加される印加電圧を小さ
くして放電極12Bと集塵極12Cの間に火花放電が発
生しないようにする。これにより、油焚きボイラ10の
停止運転時のように含塵ガスの酸素濃度が8%以上の時
でも火花放電が発生しないようにできるので、電気集塵
装置12内に捕集されたダストへの着火を防止できる。
【0021】次に、図3に従って、本発明の電気集塵装
置の運転方法の第2実施例を説明する。除塵フローにつ
いては第1実施例で説明したのと同じある為省略し、本
発明の電気集塵装置の運転方法を適用する電気集塵装置
の構成について説明する。尚、第1実施例と同じ部材、
装置については同符号を付して説明する。図3に示すよ
うに、電気集塵装置12には、フライアッシュを貯蔵す
る為のタンク28が設けられ、輸送管30を介して煙道
管16に連結されている。そして、タンク28に貯蔵さ
れたフライアッシュはサイロ28出口のロータリバルブ
32から輸送管30に排出さると、輸送管30に圧縮空
気を供給するブロアー34により空気輸送され煙道管1
6内に噴出されるようになっている。
【0022】ここで、図4に従って、ダストの炭素含有
率とダスト着火性の関係について説明する。図4に示し
たテスト3は、油焚きボイラ10から排出された炭素含
有率90%のダストに、図示しない石炭ボイラから排出
されたフライアッシュ(無機物が主成分)を混合して調
製した炭素含有率が10〜90%の混合ダストを用い、
混合ダストが置かれた雰囲気の酸素濃度を21%の下
で、火花放電に相当する放電エネルギー1.6Jを混合
ダストに与えた場合の混合ダストの着火性を調べた結果
である。図4から明らかなように、混合ダストの炭素含
有率が20%以下であれば、雰囲気の酸素濃度が21%
の下で、火花放電に相当する放電エネルギー1.6Jの
ような厳しい着火条件を混合ダストに与えても、混合ダ
ストは着火しない。一方、混合ダストの炭素含有率が2
0%以上の場合は着火し易くなることが分かった。
【0023】次に、第2実施例における本発明の電気集
塵装置の運転方法のについて説明する。油焚きボイラ1
0を起動して燃料である原油を徐々にバーナーに供給す
ると、油焚きボイラ10からエアヒータ14を介して煙
道管により集塵室12Aに取り込まれる含塵ガスの酸素
濃度は、空気中の酸素濃度である21%から徐々に低下
する。また、油焚きボイラ10を停止する為に、バーナ
ーに供給する燃料を徐々に減少させると、集塵室12C
に取り込まれる含塵ガスの酸素濃度は、定常運転時の2
〜4%から徐々に上昇して空気中の酸素濃度である21
%に近づく。このように、油焚きボイラー10の起動運
転時及び停止運転時は、油焚きボイラ10から発生する
含塵ガスの酸素濃度が高くなり、電気集塵装置12の放
電極12Bと集塵極12Cの間に発生する火花放電によ
り、電気集塵装置12内に捕集されたダストが着火し易
くなる。そこで、油焚きボイラ10の起動運転時及び停
止運転時には、前記ロータリバルブ32及びブロアー3
4を駆動させて、タンク28に貯蔵されたフライアッシ
ュを煙道管16内に噴出させるようにした。これによ
り、油焚きボイラ10から発生する含塵ガス中のダスト
は、炭素含有率が低減され着火しにくくなるので、放電
極12Bと集塵極12Cに火花放電が発生しても、電気
集塵装置12内に捕集されたダストが着火するのを防止
できる。また、前記ダストの炭素含有率が20%以下に
なるようにフライアッシュを吹き込むことにより、着火
を確実に防止できる。また、フライアッシュの吹込量は
油焚きボイラ10から発生するダスト濃度の10倍以内
が望ましい。この理由は、フライアッシュの吹込量が油
焚きボイラ10から発生するダスト濃度の10倍以上に
なると、電気集塵装置12の出口ダスト濃度が高くな
り、集塵性能に影響がでるためである。
【0024】尚、第2実施例では、油焚きボイラ10の
起動運転時及び停止運転時にフライアッシュを煙道管1
6内に噴出させるようにしたが、第1実施例と同様に、
煙道管16に酸素濃度計22を設けて含塵ガスの酸素濃
度に基づいてフライアッシュを煙道管16内に噴出させ
るように制御してもよい。また、煙道管16内に噴出す
る不燃性粉体はフライアッシュに限定されるものではな
く、不燃性の粉体で電気集塵装置12の集塵性能に悪影
響を与えないものであればよい。
【0025】次に、図5に従って、本発明の電気集塵装
置の運転方法の第3実施例を説明する。除塵フローにつ
いては第1実施例で説明したのと同じある為省略し、本
発明の電気集塵装置の運転方法を適用する電気集塵装置
の構成について説明する。尚、第1実施例と同じ部材、
装置については同符号を付して説明する。図5に示すよ
うに、電気集塵装置12は、煙道管16に酸素濃度計2
2が設けられ、煙道管16から集塵室12Aに取り込ま
れる含塵ガスの酸素濃度が測定され、酸素濃度測定値が
コントローラ36に逐次出力される。また、集塵室12
Aには、電気集塵装置12内の相対湿度を測定する湿度
センサ38が設けられ、湿度測定値がコントローラ36
に逐次出力される。また、コントローラ36には、予め
酸素濃度設定値の8%及び湿度設定値の90%が設定さ
れており、酸素濃度計22で測定された含塵ガスの酸素
濃度測定値が8%と比較されると共に、湿度センサ38
で測定された電気集塵装置12内の相対湿度が90%と
比較され、夫々の比較結果に基づいてコントローラ36
が水蒸気供給器42を制御する。即ち、コントローラ3
6は酸素濃度測定値が8%以上で、湿度測定値が90%
以下の時だけ水蒸気供給器42を作動させる。そして、
水蒸気供給器42は水蒸気配管40を介して集塵室12
Aに設けられた図示しない噴霧装置により電気集塵装置
内12に水蒸気を噴霧して電気集塵装置12内の湿度が
90%以上になるようにする。また、コントローラ36
は高電圧電源26の出力が停止した時に、水蒸気供給器
42の作動を停止させるように、高電圧電源26からの
停止信号がコントローラ36に出力されている。
【0026】ここで、図6に従って、コントローラ36
に設定した湿度設定値を90%にした理由を説明する。
尚、コントローラ36に設定した酸素濃度設定値を8%
にした理由は実施例1で説明したと同じ理由であるので
省略する。図6に示したテスト4は、油焚きボイラ10
から排出された炭素含有率90%のダストを用い、ダス
トが置かれた雰囲気の酸素濃度を21%の下で、火花放
電に相当する放電エネルギー1.6Jをダストに与えた
場合、電気集塵装置12内の相対湿度とダストの着火性
を調べた結果である。図6から明らかなように、電気集
塵装置12内の相対湿度が90%以上であれば、雰囲気
の酸素濃度を21%の下で、火花放電に相当する放電エ
ネルギー1.6Jのような厳しい着火条件をダストに与
えた場合でも、ダストは着火することがない。一方、電
気集塵装置12内の相対湿度が90%以下の場合は着火
し易くなることが分かった。
【0027】次に、実施例3における本発明の電気集塵
装置の運転方法について説明する。油焚きボイラ10を
起動して燃料である原油を徐々にバーナーに供給する
と、油焚きボイラ10から集塵室12Aに取り込まれる
含塵ガスの酸素濃度は、空気中の酸素濃度である21%
から徐々に低下する。この時、集塵室12Aに取り込ま
れる含塵ガスの酸素濃度が酸素濃度計22で逐次測定さ
れると共に、湿度センサ38で電気集塵装置12内の相
対湿度が逐次測定され、各測定値がコントローラ36に
出力される。コントローラ36では、酸素濃度測定値が
8%以上で湿度測定値が90%以下の時に、水蒸気供給
器42を作動させて電気集塵装置12内に水蒸気を噴霧
し、電気集塵装置12内の相対湿度が90%以上になる
ようにする。これにより、油焚きボイラ10の起動運転
時のように含塵ガスの酸素濃度が8%以上の時に、電気
集塵装置12内の相対湿度を90%以上にできるので、
放電極12Bと集塵極12Cに火花放電が発生しても、
電気集塵装置12内に捕集されたダストが着火するのを
防止できる。
【0028】次に、油焚きボイラ10の起動運転時から
定常運転時に移行すると、酸素濃度計22で測定される
含塵ガスの酸素濃度は8%以下になり通常2〜4%で運
転される。この油焚きボイラ10の起動運転時から定常
運転時への移行過程において、酸素濃度計22で測定さ
れた酸素濃度測定値が8%より小さくなったら、コント
ローラ36は水蒸気供給器42の作動を停止して電気集
塵装置12内への水蒸気の噴霧を止める。
【0029】次に、油焚きボイラ10を停止する為に、
バーナーに供給する燃料を徐々に減少させると、集塵室
12Aに取り込まれる含塵ガスの酸素濃度は、定常運転
時の2〜4%から徐々に上昇して空気中の酸素濃度であ
る21%に近づく。この油焚きボイラ10の定常運転時
から停止運転時への移行過程において、酸素濃度計22
で測定された酸素濃度測定値が8%より大きくなった
ら、コントローラ36は水蒸気供給器42を再び作動さ
せて電気集塵装置12内に水蒸気を噴霧し、電気集塵装
置12内の相対湿度が90%以上になるようにする。こ
れにより、油焚きボイラ10の停止運転時のように含塵
ガスの酸素濃度が8%以上時に、電気集塵装置内の相対
湿度を90%以上にできるので、放電極12Bと集塵極
12Cに火花放電が発生しても、電気集塵装置12内に
捕集されたダストへの着火を防止できる。
【0030】最後に、油焚きボイラ10の停止に伴って
電気集塵装置12の稼働を停止すると、高電圧電源26
の出力停止信号がコントローラ36に出力され、コント
ローラ36が水蒸気供給器42の作動を停止する。尚、
コントローラ36に設定した酸素濃度設定値の8%は、
ダストの炭素含有率及び雰囲気の酸素濃度がダストに最
も着火し易い条件下のものであり、着火条件の程度によ
り酸素濃度設定値を適宜変えることができる。また、第
3実施例では、含塵ガスの酸素濃度を酸素濃度計22で
検出して、その検出結果に基づいて電気集塵装置12内
に水蒸気を噴霧するようにしたが、酸素濃度計22を省
略して単に、油焚きボイラ10の起動運転時及び停止運
転時に電気集塵装置12内に水蒸気を噴霧する運転方法
でもよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明に係る電
気集塵装置の運転方法によれば、油焚きボイラにおい
て、油焚きボイラから発生する含塵ガスの酸素濃度を検
出し、検出した酸素濃度が所定値以上の時には前記電気
集塵装置の放電極に印加する電圧を制御して放電極と集
塵極の間に火花放電が発生しないようにしたので、含塵
ガスの酸素濃度が高い起動運転時及び停止運転時でも電
気集塵装置内に捕集されたダストが着火しないようにで
きる。
【0032】また、第2の発明に係る電気集塵装置の運
転方法によれば、油焚きボイラの少なくとも起動運転時
及び停止運転時に、煙道内にダストの炭素含有率が20
%以下になるように不燃性粉体を吹き込むようにしたの
で、含塵ガスの酸素濃度が高い起動運転時及び停止運転
時に電気集塵装置に火花放電が発生しても電気集塵装置
内に捕集されたダストが着火しないようにできる。
【0033】また、第3の発明に係る電気集塵装置の運
転方法によれば、油焚きボイラの少なくとも起動運転時
及び停止運転時に、電気集塵装置内に電気集塵装置内の
湿度が90%以上になるように水蒸気を噴霧するように
したので、含塵ガスの酸素濃度が高い起動運転時及び停
止運転時に電気集塵装置に火花放電が発生しても電気集
塵装置内に捕集されたダストが着火しないようにでき
る。
【0034】従って、上記した第1、第2及び第3の発
明に係る電気集塵装置の運転方法のいずれの場合にも、
電気集塵装置内に捕集されたダストが着火しないように
できるので、電気集塵装置の信頼性を高めることがき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る電気集塵装置の運転方法の
第1実施例を説明する説明図
【図2】図2は電気集塵装置内に取り込まれる含塵ガス
の酸素濃度とダストの着火性の関係を示した関係図
【図3】図3は本発明に係る電気集塵装置の運転方法の
第2実施例を説明する説明図
【図4】図4はダストの炭素含有率と着火性の関係を示
した関係図
【図5】図5は本発明に係る電気集塵装置の運転方法の
第3実施例を説明する説明図
【図6】図6は電気集塵装置内の湿度と電気集塵装置内
に捕集されたダストの着火性の関係を示した関係図
【符号の説明】
10…油焚きボイラ 12…電気集塵装置 12A…集塵室 12B…放電極 12C…集塵極 12D…ホッパー部 22…酸素濃度計 24…比較制御器 26…高電圧電源 28…フライアッシュの貯蔵タンク 30…輸送管 32…ロータリバルブ 34…ブロアー 36…コントローラ 38…湿度センサ 42…水蒸気供給器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油焚きボイラから発生する含塵ガス中のダ
    ストを捕集する電気集塵装置の運転方法に於いて、 前記含塵ガスの酸素濃度を検出し、 検出した酸素濃度が所定値以上の時に前記電気集塵装置
    の放電極と集塵極の間に火花放電が発生しないように前
    記放電極に印加する印加電圧を制御することを特徴とす
    る電気集塵装置の運転方法。
  2. 【請求項2】油焚きボイラから煙道管を介して取り込ま
    れる含塵ガス中のダストを捕集する電気集塵装置の運転
    方法に於いて、 少なくとも前記油焚きボイラの起動運転時及び停止運転
    時に前記煙道内に前記ダストの炭素含有率が20%以下
    になるように不燃性粉体を吹き込むことを特徴とする電
    気集塵装置の運転方法。
  3. 【請求項3】油焚きボイラから発生する含塵ガス中のダ
    ストを捕集する電気集塵装置の運転方法に於いて、 少なくとも前記油焚きボイラの起動運転時及び停止運転
    時に前記電気集塵装置内に電気集塵装置内の湿度が90
    %以上になるように水蒸気を噴霧することを特徴とする
    電気集塵装置の運転方法。
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