JP3355955B2 - 燃焼装置およびその運転制御方法 - Google Patents

燃焼装置およびその運転制御方法

Info

Publication number
JP3355955B2
JP3355955B2 JP24199196A JP24199196A JP3355955B2 JP 3355955 B2 JP3355955 B2 JP 3355955B2 JP 24199196 A JP24199196 A JP 24199196A JP 24199196 A JP24199196 A JP 24199196A JP 3355955 B2 JP3355955 B2 JP 3355955B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
combustion
pyrolysis
gas
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24199196A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09291285A (ja
Inventor
秀規 小関
浩昭 重岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP24199196A priority Critical patent/JP3355955B2/ja
Priority to CA002205766A priority patent/CA2205766C/en
Priority to EP97108299A priority patent/EP0829683B1/en
Priority to US08/861,656 priority patent/US5957063A/en
Priority to DE69724060T priority patent/DE69724060T2/de
Publication of JPH09291285A publication Critical patent/JPH09291285A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3355955B2 publication Critical patent/JP3355955B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Incineration Of Waste (AREA)
  • Coke Industry (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、固体可燃物の燃
焼装置に関し、特に燃料としての理論混合比が不明な廃
棄物等の焼却装置およびその運転制御方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図12は例えば刊行物(「廃棄物処理技
術百選」 ’93年版、環境公害新聞社)に示された従来
のガス化燃焼炉(乾留炉)の構成を示す断面図である。
図に於いて、1は廃棄物投入口および安全弁、2aは乾
留炉(熱分解炉)、2bは乾留炉2aと別置きされた燃
焼炉、4は乾留炉2aに乾留用空気を供給する乾留空気
孔、6は乾留炉2aの乾留用空気室、9は燃焼空間、1
1aは乾留炉2aの始動用バーナ、11bは燃焼炉2b
の起動用バーナ、12は燃焼空気孔である。14は燃焼
炉2bの燃焼空気室であり、燃焼炉2bの内部と燃焼空
気孔12によって連通している。15は乾留炉2aと燃
焼炉2bを連通する乾留ガス(熱分解ガス)流路、10
1a,bは温度センサー、102a,b,cは空気流量
調整弁である。
【0003】次に動作について説明する。先ず、廃棄物
投入口1から可燃性廃棄物が乾留炉2aの内部に投入さ
れる。次に乾留炉2aに、乾留用空気室6および乾留空
気孔4を通して乾留用空気が供給される。また始動用バ
ーナ11aに助燃油が供給されて乾留炉2a内の廃棄物
の底部から部分燃焼が開始される。その熱で隣接部分が
加熱され、順次上方に向かって空気不足状態での部分燃
焼が進行する。この時、乾留炉2aから未燃ガス成分を
多量に含んだ可燃性ガスである乾留ガス(以降、熱分解
ガスと称す)が発生し、熱分解ガス流路15を経て燃焼
炉2bに供給される。乾留開始直後の熱分解ガスは可燃
成分割合が少ないため、燃焼炉2bに於いて起動用バー
ナ11bにより助燃される。熱分解ガスの発生が本格化
し、また燃焼室9内部が十分加熱されると、熱分解ガス
は、燃焼空気室14および燃焼空気孔12を通過して燃
焼室9に導入される燃焼空気と混合して自燃する。な
お、この時起動用バーナ11bは停止させる。
【0004】この燃焼炉2bの燃焼制御は、燃焼炉2b
内の燃焼ガス温度を温度センサ101bにより検出し、
乾留炉2aの乾留用空気流量および燃焼炉2bの燃焼空
気流量をそれぞれ空気流量調整弁102b,cにより調
整し、燃焼ガス温度が一定となるように行われる。
【0005】図13は例えば特開平6−213423号
公報に示された従来のストーカ炉の構成を示す断面図で
ある。図に於いて、1は焼却炉2の廃棄物投入口である
ホッパー、3はホッパー1に投入された廃棄物を焼却炉
2の内部に押しやるプッシャー、4は廃棄物を乾燥、燃
焼、後燃焼させる火格子すなわちストーカであり、プッ
シャー3に近い方から順に乾燥ストーカ4a、燃焼スト
ーカ4b、後燃焼ストーカ4cに分けられる。5はスト
ーカ4に1次空気を供給する1次空気用送風機、6はス
トーカ4の下部と1次空気用送風機5を連通する1次空
気流路である。7は後燃焼ストーカ4cで燃焼し終わっ
た灰の投入口である焼却灰入り口である。9a,9bは
ストーカ4上の燃焼空間すなわちフリーボードであり、
9aは1次燃焼領域、9bは2次燃焼領域である。11
は起動用燃焼器、12は2次燃焼領域9bに2次空気を
供給する2次空気用送風機、13はストーカ4上の廃棄
物の燃焼状態を観察するためのモニタ用カメラである。
14は排熱ボイラ、15はタービン発電機、16は排ガ
ス処理設備である。
【0006】次に動作について説明する。起動時は先
ず、廃棄物がホッパー1に投入され、その内部に堆積す
る。その最下部に堆積した廃棄物はプッシャー3によっ
てストーカ4上に送られる。ストーカ4上の廃棄物は順
次乾燥ストーカ4aから燃焼ストーカ4bへと送られ
る。一方、1次空気が1次空気用送風機5から1次空気
流路6を経て各ストーカ4a,4b,4cの下方に送ら
れる。ここで起動用燃焼器11が駆動され、ストーカ4
上の廃棄物に点火される。燃焼ストーカ4b上の廃棄物
は燃焼し、ストーカ4bの運動によって順次後燃焼スト
ーカ4cへと送られる。一方、新たな廃棄物がプッシャ
ー3によって乾燥ストーカ4aに供給される。
【0007】燃焼ストーカ4b上で空気不足で部分的に
燃えて発生した未燃成分ガスは、2次空気用送風機12
から2次燃焼領域9bに供給される2次空気によりほぼ
完全に燃焼される。2次燃焼領域9b下流の燃焼ガスの
熱エネルギは、廃熱ボイラ14によって水蒸気の熱エネ
ルギに変換され、更に例えばタービン発電機15により
電気エネルギに変換される。ボイラ14を通過した燃焼
ガスは排ガス処理設備16により飛灰や酸性ガスが除去
される。一方、燃焼ストーカ4bで燃焼し、後燃焼スト
ーカ4cに送られたおき火状廃棄物はそこで灰になり、
焼却灰入り口7へと送られる。
【0008】燃焼炉2内の燃焼状態は、燃焼ガス温度モ
ニタ(図示せず)や、排気中の酸素濃度、テレビカメラ
13による燃焼ストーカ4b上の火炎位置等により監視
される。ストーカ4による廃棄物の送り速度、1次およ
び2次空気の供給量の調整により燃焼ストーカ4b上で
廃棄物が燃え切るように、また排気中の酸素濃度が所定
濃度となるように、更にボイラ14の熱負荷が一定とな
るように燃焼制御が行われる。
【0009】図14は例えば、単行本(「増補改訂版
流動床式ごみ焼却炉設計の実務」工業出版社、平成6年
8月20日)に示された流動床炉の構成を示す断面図で
ある。図に於いて、2は流動床焼却炉本体、3は廃棄物
供給装置、4は流動床、6は流動化空気導入部、61は
流動化空気室である。62は散気板であり、散気板62
の上には流動媒体である砂が用意されている。7は流動
床4下部に設けられた不燃物抜き出し管、8は不燃物抜
き出し装置、81は不燃物と流動砂を分ける振動ふる
い、82は流動砂循環装置である。9は流動床4の上方
に設けられたフリーボードである。10は補助燃料供給
ガン、11は起動用バーナ、12はフリーボード9に2
次空気を供給する2次空気ノズルである。
【0010】次に動作について説明する。流動層を形成
するための流動化空気(1次空気を兼ねる)は流動化空
気導入部6から流動化空気室61、散気板62を通過し
て流動床炉2内に導入される。散気板62の上の砂は、
この流動化空気によって流動層を形成する。次に起動用
燃焼器11により流動層は加熱される。流動層温度が廃
棄物燃焼に適する温度(約700℃)になると、廃棄物供
給装置3により廃棄物が流動床4に投入される。投入さ
れた廃棄物は、速やかに乾燥・熱分解・部分燃焼する。生
成された可燃性ガス(以降、熱分解ガスと称す)は流動
床4上方のフリーボード9に於いて2次空気ノズル12
から導入される2次空気と混合し、ほぼ完全に燃焼す
る。流動床4中の不燃物は、不燃物抜き出し装置8によ
り不燃物抜き出し管7から抜き出され、振動ふるい81
により、砂と不燃物に分けられる。砂は流動砂循環装置
82によって再び流動床に戻される。
【0011】流動床炉では、廃棄物は流動床4の高温の
砂と激しく混合するので、反応速度が大きく、短時間内
に乾燥・熱分解・部分燃焼する。そのため廃棄物の量・質
の変動に対して不完全燃焼しやすい傾向にある。例えば
廃棄物中のプラスチック成分の割合が増大すると、燃焼
空気不足となり、CO排出濃度が急増したりする。
【0012】これに対し、流動床4を部分的に流動化
し、反応を穏やかにして不完全燃焼を押さえる工夫がな
されている例もある(刊行物(「第12回全国都市清掃
研究発表会講演論文集」1992年2月))。しかしなが
ら、この方法も固体廃棄物の質の変化に対しては十分な
対策とはなっていない。
【0013】一方、燃焼制御方法について、制御に用い
られている測定項目と制御項目を従来例に求めると次の
ようなものがある。 特開平7-133917号公報 測定項目:燃焼空気量、排ガス中酸素濃度、出口排ガス
温度 制御項目:燃焼空気量、給じん量、火格子ごみ移動速
度、各ゾーンへの燃焼空気分流比 特開平7-119946号公報 測定項目:ホッパ内ゴミ体積、ホッパ内ゴミ重量 制御項目:ごみの供給加減、燃焼加減、排煙処理加減 特開平6-341629号公報 測定項目:供給空気温度、流動層温度、出口排ガス温
度、1次空気流量、2次空気流量 制御項目:流動層内燃焼空気とフリーボード燃焼空気の
流量および配分比 特開平7-167419号公報 測定項目:炉内輝度、排ガス中酸素濃度 制御項目:塵芥供給量、燃焼空気供給量 特開平6-74435号公報 測定項目:廃棄物供給手段の駆動用モータ負荷電流、炉内
ガス温度 制御項目:焼却物投入流量、2次空気流量 特開平6-331122号公報 測定項目:赤外線による燃え切り点位置 制御項目:ごみ搬送速度、空気供給量 特開平6-288529号公報 測定項目:ストーカの後燃焼帯で発生する特定成分排ガ
ス濃度 特開平7-39854号公報 測定項目:廃棄物供給量 特開平6-86926号公報 測定項目:炉内画像(火炎像) 特開平7-55125号公報 測定項目:炉内画像(炉内輝度分布)(燃焼位置と燃え
切り点を検出)
【0014】以上のように廃棄物供給量、燃焼空気量、
燃焼空気温度、排ガス温度、排ガス中酸素濃度、特定成
分排ガス濃度、炉内画像を測定しての燃焼制御は公知で
ある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来の固体廃棄物焼却
装置は以上のように構成・運転されている。また燃焼制
御に於いては、上述のように廃棄物の量については大ま
かに把握されている例は見られるが、廃棄物の質の変化
を燃焼以前に検知している例はなく、その変化に対して
は適切な制御が行われていないのが現状である。特に廃
棄物の質、具体的にはその燃焼のための理論空気量(燃
料を燃焼させる際の過不足のない空気量)は、全く把握
されておらず、その結果、供給される廃棄物の質の変動
に対して、適切な量の空気が供給されずに、燃焼排気中
のCO排出濃度が急増したり、炉内燃焼ガス温度が上昇
したり、また負荷側のボイラ蒸気温度が変化するなどの
問題点があった。また、排気中のCO濃度の増大により
猛毒物質であるダイオキシンの排出にもつながってい
た。
【0016】一方、最近、燃焼炉の各種情報量を組み合
わせ、ファジィ推論で一本化して、従来は定量化できな
かった概念量を数値化して制御するファジィ制御も一部
の炉に導入され、制御性の向上に効果を上げている。し
かし、これに於いては炉運転のノウハウをファジィ推論
に盛り込む開発に長期間を必要とし、また現在のファジ
ィ制御は、ごみを炉に供給すれば燃えるレベルのごみに
対しては、その供給量を調節することにより燃焼安定化
が図れるが、ごみ質の急変(悪化、例えば水分含有量の
増加)に対しては、対応できていないのが現状である。
【0017】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、可燃物をガス化し、その質をリ
アルタイムで検出し、それにあわせて燃焼空気流量や可
燃物供給量を制御して安定燃焼、高効率燃焼、低公害燃
焼を実現する燃焼装置およびその運転制御方法を提供す
ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る燃焼装置
は、固体可燃物供給手段と、該固体可燃物供給手段から
の固体可燃物を熱分解または部分燃焼して可燃性ガスを
生成する熱分解部と、該熱分解部で生成した可燃性ガス
を燃焼させる燃焼部と、前記熱分解部を加熱する加熱手
段または前記熱分解部に空気を供給する第1の空気供給
手段と、前記燃焼部に空気を供給する第2の空気供給手
段と、前記熱分解部で生成した可燃性ガスの質を検出す
る熱分解ガス質検出手段とを備えてなる燃焼装置に於い
て、前記熱分解ガス質検出手段は、可燃性ガスと空気の
混合比率を段階的に変化させた複数の予混合火炎のイオ
ン電流の大きさ、温度または火炎中のラジカルの発光強
度を比較することにより前記イオン電流、温度または発
光強度がピークとなる可燃性ガスと空気の混合比率を検
出するものである。
【0019】さらに、前記熱分解部で生成した可燃性ガ
スの量を検出する熱分解ガス量検出手段または第1の空
気供給手段により前記熱分解部に供給される空気の流量
を検出する空気流量検出手段を備えたものである。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】さらに、前記複数の予混合火炎は仮想円錐
の略母線上に、互いにその一部が接するように形成され
るものである。
【0024】さらに、前記仮想円錐の頂点近傍に予混合
火炎の点火源を設置したものである。
【0025】さらに、前記仮想円錐の略中心軸上に複数
の予混合火炎に接するように1個のイオン電流検出用共
通電極を設置し、該イオン電流検出用共通電極を用いて
前記各予混合火炎のそれぞれのイオン電流を時間的ずれ
をもって測定するように構成したものである。
【0026】さらに、前記複数の予混合火炎は、熱分解
部よりも低圧の容器内に形成されるものである。
【0027】
【0028】また、本発明に係る燃焼装置の運転制御方
法は、熱分解ガス量検出手段および熱分解ガス質検出手
段により熱分解部で生成した可燃性ガスの量およびイオ
ン電流、温度または発光強度がピークとなる可燃性ガス
と空気の混合比率を検出し、検出された可燃性ガス量
、前記可燃性ガスと空気の混合比率との積に所定倍率
を乗じた量の空気を第2の空気供給手段により燃焼部に
供給するものである。
【0029】また、空気流量検出手段および熱分解ガス
質検出手段により熱分解部に供給される空気流量および
熱分解部で生成した可燃性ガスのイオン電流、温度また
は発光強度がピークとなる可燃性ガスと空気の混合比率
を検出し、検出された空気流量に所定倍率を乗じること
により可燃性ガス量を算定し、該可燃性ガス量と、前記
可燃性ガスと空気の混合比率との積に所定倍率を乗じた
量の空気を第2の空気供給手段により燃焼部に供給する
ものである。
【0030】
【0031】
【0032】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は本発明の実施の形態1による燃焼
装置の構成を説明するブロック図である。図に於いて、
1は固体可燃物供給手段、2aは固体可燃物供給手段1
により供給される固体可燃物を熱分解または部分燃焼す
る熱分解部、2bは熱分解部2aで生成した可燃性ガス
(以降、熱分解ガスと称す)を燃焼させる燃焼部、6は
熱分解部2aに部分燃焼用の空気を供給する第1の空気
供給手段、14は燃焼部2bに燃焼用空気を供給する第
2の空気供給手段である。なお、具体的構成については
例えば従来例で説明した図12に示すものが用いられ
る。また、図13に示すものも、乾燥段4aと燃焼段4
bの境界近傍が熱分解部2aに、燃焼段4bが燃焼部2
bにそれぞれ相当すると考えることにより適用できる。
さらに、図14に示すものも、1次空気を兼ねる流動化
空気が供給される流動床4が熱分解部2aに、2次空気
が供給されるフリーボード9が燃焼部2bにそれぞれ相
当すると考えることにより適用できる。
【0033】41は熱分解部2aと燃焼部2bに連通
し、熱分解部2aで発生した熱分解ガスの量を計測する
熱分解ガス量検出手段であり、例えば図12に於いて熱
分解ガス流路15に設けた流量計である。42は熱分解
部2aに連通し、そこで生成された熱分解ガスの一部を
取り出し、その質を検出する熱分解ガス質検出手段であ
り、その構成および動作については後に詳述する。
【0034】次に動作について説明する。固体可燃物供
給手段1および第1の空気供給手段6より所定量の固体
可燃物および部分燃焼用空気が熱分解部2aに供給され
る。ここで固体可燃物は起動用バーナ(図示せず)によ
り点火され、熱分解・部分燃焼を開始する。その後、定
常燃焼に移行するが、この時、熱分解部2aには可燃物
を不完全燃焼させるだけの量の燃焼空気しか供給しな
い。その結果、可燃性ガス(熱分解ガスと称している)
が生成し、これが燃焼部2bへと送られる。この途中で
熱分解ガス量検出手段である流量計によってそのガス流
量が把握される。また熱分解部2aで生成した熱分解ガ
スの一部は熱分解ガス質検出手段42によりその質が検
出され、それらに基づき、燃焼部2bが予め求めてある
設定空気過剰率になるように第2の空気供給手段14に
より所定量の燃焼空気が燃焼部2bに供給され、ここで
完全燃焼される。
【0035】次に熱分解ガス質検出手段の一例を図につ
いて説明する。図2(a)に於いて、43は熱分解ガス
マニホールドであり、例えば図12に於いて熱分解ガス
流路15に連通して設けられる。44は熱分解ガスマニ
ホールド43の下流に設置した熱分解ガス流量調節バル
ブ、45は空気マニホールド、46は空気マニホールド
45下流に設置した空気流量調節バルブ、47は熱分解
ガスと空気の予混合気を燃焼させるパイロットバーナで
あり、複数個設置されている。48はパイロットバーナ
47の先端に形成される予混合火炎である。49は予混
合火炎48中に挿入されるイオン電流検出用電極であ
り、各パイロットバーナ47にそれぞれ設置される。5
0はイオン電流検出用電源、52はイオン電流検出用抵
抗器であり、各パイロットバーナ47で同じ値とする。
パイロットバーナ47、予混合火炎48、イオン電流検
出用電極49、抵抗器52、電源50で閉回路を形成す
る。この閉回路は各パイロットバーナ47に対してそれ
ぞれ設けられる(図2(a)では右端の一つにだけ図
示)。53はイオン電流検出用の電圧計である。
【0036】次に動作について説明する。熱分解ガスは
マニホールド43に導入された後、流量調節バルブ44
でそれぞれ所定流量になるように調節され、各パイロッ
トバーナ47へ供給される。一方、空気も空気マニホー
ルド45に導入された後、流量調節バルブ46で所定流
量となるように流量調節され、各パイロットバーナ47
に供給される。この時、各パイロットバーナ47毎に熱
分解ガスと空気の混合比率を違えて、完全燃焼に必要な
空気量に対して空気不足から空気過剰となるように段階
的に設定する。各パイロットバーナ47に供給された予
混合気は、その先端部で着火され、予混合火炎48が形
成される。
【0037】各予混合火炎48中には、イオン電流検出
用電極49が挿入されており、パイロットバーナ47、
予混合火炎48、イオン電流検出用電極49、抵抗器5
0で閉回路を形成する。火炎には反応途中のラジカルが
存在しているため、火炎は電気伝導性を示す。その電気
伝導性は、燃料と空気の混合比率(空気過剰率)によっ
て異なるが、一般には、完全燃焼に必要最低限の空気量
(理論空気量)が供給された場合、またはそれよりも少
し空気不足の時にこの電気伝導性が最大となる。その様
子を図2(b)に示してある。ここで横軸は各パイロッ
トバーナ47に於いてそれぞれ異なる値に設定された熱
分解ガスと空気の混合比率である。ここでは、熱分解ガ
スの完全燃焼に必要最低限の空気量(理論空気量;この
ときの混合比率は理論混合比)に対して、空気不足から
空気過剰となるように、広く段階的に混合比率を設定し
てあるため、上述のように電圧計53で検出される電圧
のいずれかに於いて最大値が得られる。なお、この時の
イオン電流値は電圧計53で測定された電圧を電気抵抗
52の抵抗値で除して求められる。また、抵抗52の値
は火炎48の電気抵抗の数MΩに比較して十分小さい数
十kΩ程度に設定し、各閉回路で同じ値のものを用い
る。
【0038】可燃物の質が変化し、その熱分解ガスの組
成が変化しても上記特性は保たれることから、常にその
時々の熱分解ガスの理論混合比またはそれよりも若干小
さな空気過剰率でピーク値が検出される。この理論混合
比あるいは理論混合比に準ずる空気過剰率に基づいて、
燃焼部2bに、設定した空気過剰率となるように燃焼空
気を供給する。
【0039】次に前述の燃焼装置運転制御方法について
さらに詳細に説明する。熱分解ガス量検出手段として例
えば一般に市販されている超音波流量計を用いる。これ
により熱分解ガスの体積流量Qgasが得られる。一方、
前述の熱分解ガス質検出手段であるイオン電流式の理論
混合比検出器により熱分解ガスの理論混合比λstを知る
ことができ、これらの積Qgasλstにより熱分解ガスの
理論空気量を知ることができる。
【0040】図1の燃焼装置では、熱分解部2aに供給
する1次空気で部分燃焼(熱分解)を行って熱分解ガスを
発生させ、燃焼部2bに於いて2次空気を導入して完全
燃焼を行わせるが、この時燃焼部2bに供給する2次空
気(空気量Qa2)の空気過剰率λ2(=Qa2/(Qgasλst))と
排出されるCO濃度の関係は下に凸の放物線状となり、
ある2次空気過剰率λ2でCO排出濃度が最小となる。
この2次空気過剰率は燃焼部2bの2次空気導入構造に
より異なるが、概ね1よりも若干小さな値となり、熱分
解部2aと燃焼部2bの合計で概ね1.6〜2.0とな
る。ここでは、上で求めた熱分解ガスの理論空気量(Q
gasλst)に、その燃焼部2bの2次空気導入構造に応じ
た2次空気過剰率を乗じることにより、CO排出濃度を
最小にする2次空気量を算出して供給することができ
る。このように、本実施の形態によれば、熱分解ガス質
検出手段42により熱分解部2aで生成した熱分解ガス
の質すなわち理論混合比またはそれに準ずる空気過剰率
がリアルタイムで検出されるので、熱分解ガスの質と量
に応じた燃焼空気を燃焼部に供給することが可能にな
り、熱分解ガスの質および量の変化に対しても常に安定
した燃焼を実現でき、その結果、高燃焼効率、低公害燃
焼、さらには熱負荷側の安定運転を実現できる。
【0041】実施の形態2.なお、前記実施の形態のよ
うに熱分解ガス量検出手段41は特に用いずに、熱分解
部2bに供給する空気量(1次空気量)を計測し、この
値に予め実験的に求めておいた熱分解ガス量と1次空気
量の比である(熱分解ガス量)/(1次空気量)を乗じ
ることにより、熱分解ガス量を推定してもよく、熱分解
ガス量検出手段41を用いなくてもよいので装置が安価
になる。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
なお、ここで(熱分解ガス量)/(1次空気量)の具体
的数値は、可燃物の質や熱分解温度によって変化する
が、概ね1.2程度となる。
【0042】実施の形態3.実施の形態1では理論混合
比または理論混合比に準ずる空気過剰率を求める手段と
して複数個のパイロットバーナ47のイオン電流値を比
較したが、イオン電流検出電極49の代わりに、例えば
熱電対を用いて各予混合火炎48の温度を比較してもよ
い。火炎温度の空気過剰率に関する特性はイオン電流の
それと同様であり、図3に示すように、理論混合比近傍
でピークを持つ。これにより運転中のその時々の熱分解
ガスの理論混合比またはそれに準ずる空気過剰率を知
り、それにより実施の形態1の場合と同様に設定空気過
剰率で燃焼装置を運転する。
【0043】また、火炎中のラジカル、例えばOH*、C
HO*からの発光の空気過剰率に関する特性も図4に示
すようにイオン電流や火炎温度と同様であり、これらの
発光強度によっても同様に運転中のその時々の熱分解ガ
スの理論混合比またはそれに準ずる空気過剰率を知り、
それにより設定空気過剰率で燃焼装置運転が可能であ
る。
【0044】実施の形態4.図5は本発明の実施の形態
4による燃焼装置の構成を説明するブロック図である。
図に於いて、40は熱分解部2aと熱分解ガス量検出手
段41および熱分解ガス質検出手段42に連通する混合
部である。その他の構成は図1と同様である。なお、具
体的な1例を示すと、混合部40は熱分解ガス流れに旋
回を与え乱流混合を促進するように例えばガスタービン
燃焼器の空気案内羽根(スワーラ)と同様に構成され、
図12の例では熱分解ガス流路15の入口部に設けられ
る。
【0045】このように構成されたものに於いて、混合
部43により熱分解ガスの混合が促進され、熱分解ガス
質がより均一化されることにより、熱分解ガス質の検出
がより的確に行われる。
【0046】実施の形態5.図6は本発明の実施の形態
5に係わる熱分解ガス質検出手段の構成を示す図であ
る。図に於いて、54は複数個のパイロットバーナ47
を仮想円錐の略母線上に並べるためのパイロットバーナ
取り付け部材であり、円筒状固定金具54aにパイロッ
トバーナ47を挿入しネジ54bで固定するように構成
されている。55はパイロットバーナ取り付け部材54
に設けられたパイロットバーナ用燃焼空気通過孔、49
bはイオン電流検出電極49をパイロットバーナ取り付
け部材54と電気的に絶縁する電気絶縁体、56はイオ
ン電流検出電極49の電気絶縁体49bをパイロットバ
ーナ取り付け部材54に固定する固定金具である。ここ
で、パイロットバーナ47は仮想円錐の略母線上に複数
個、火炎48が形成される先端部が近接して配置されて
いる。57は前記仮想円錐の頂点近傍に設置された点火
源すなわち点火用放電電極であり、例えば周方向2ケ所
に対向させて計2本、各電極先端の間隔を3〜4mmとし
て配置し、この間隙に高電圧放電を行う。
【0047】次に動作について説明する。基本的な動作
は実施の形態1の場合と同様である。ここでは、複数の
パイロットバーナ47が仮想円錐の略母線上に先端部が
近接して配置されることにより、各予混合火炎48が互
いに接する。よって、熱分解ガス質(理論混合比)が変
化し、いずれかの火炎48が消えても、必ず他の予混合
火炎48は燃焼し続ける。再度熱分解ガス質が変化し
て、それまで消えていたパイロットバーナ47の予混合
気の空気過剰率が可燃範囲に入ると、他の火炎48によ
り着火されて、再び火炎48が形成される。このよう
に、パイロットバーナ47の何れかが消炎しても、他の
火炎48により常にパイロットバーナ47全体としては
保炎される。また、点火源57が1つでよい。
【0048】実施の形態6.図7は本発明の実施の形態
6に係わる熱分解ガス質検出手段の構成を示す図であ
り、(b)は全体構成の断面図、(a)はイオン電流検
出電極49を上から見た図である。図に示すように、仮
想円錐の略中心軸上で、かつ複数の予混合火炎48に接
するように1個のイオン電流検出電極49が設置されて
いる。イオン電流検出電極49はこの例では図7(a)
に示すように中心から各予混合火炎に向かって、放射状
に電極部が伸びている。各パイロットバーナ47は、こ
こではパイロットバーナ取り付け部材54から電気的に
絶縁されている。イオン電流検出電極49がパイロット
バーナ取り付け部材54から電気的に絶縁されているの
は図6の場合と同様である。60はスキャナーであり、
一端がイオン電流検出用抵抗器52に電気的に接続さ
れ、多数の他端は各パイロットバーナ47に電気的に接
続されている(図では1本だけ接続し、他は破線で示し
ている)。
【0049】次に動作について説明する。各予混合火炎
48の基本的な測定方法は実施の形態1や5の場合と同
様である。ここでは、予混合火炎48に接しているイオ
ン電流検出電極49を1本とし、各予混合火炎48のイ
オン電流値の大きさの測定は、スキャナー60によって
順に微小時間(例えば10msec)のずれを持たせて、各
パイロットバーナ47とイオン電流測定用抵抗器52を
電気的に接続して行う。また、イオン電流値の時間変化
に対応するため、各イオン電流値の測定を多数回行い、
それぞれについて平均化して各パイロットバーナ47の
イオン電流値とする。
【0050】実施の形態7.図8は本発明の実施の形態
7による燃焼装置の構成を説明するブロック図である。
図に於いて、58は低圧容器すなわち収納ケース、59
は収納ケース58に取り付けられた排気ファンである。
6は燃焼部2bに連通しその燃焼ガスを吸引排出する煙
道ファンであり、第1の空気供給手段に相当する。
【0051】この装置の動作は次のとおりである。この
装置では熱分解部2aでの燃焼空気は、煙道ファン6に
より吸引することにより得る。大型の都市廃棄物焼却炉
では悪臭が周囲に拡散しないように炉内圧を大気圧より
低く設定するのが一般的である。この場合、熱分解部2
aで生成した熱分解ガスを熱分解ガス質検出手段42に
導入するには、二つの方法がある。一つは熱分解部2a
と熱分解ガス質検出手段42の間にブロアを設ける方
法、もう一つは熱分解ガス検出手段42の下流にブロア
を設ける方法である。前者では高温の熱分解ガスが直接
ブロアを通過するので耐熱・耐久性上望ましくない。一
方、後者の場合は、熱分解ガス質検出手段42全体をケ
ース58の中に収納し、そこから排気ファン59で排気
することで熱分解ガス質検出手段42を熱分解部2aよ
りも低圧にし、より大きな負圧を発生させ、熱分解ガス
をガス質検出手段42に導入する。この時、パイロット
バーナ47の燃焼空気も多量に周囲より吸引するように
すれば、パイロット火炎48の燃焼ガスも十分に希釈さ
れブロア59を通過して排気される気体の温度は十分低
下し、ブロア59に悪影響を与えることはない。なお、
熱分解ガス質検出手段42としては例えば前記各実施の
形態でそれぞれ示したのと同様のものが用いられるが、
低圧容器58には少なくとも予混合火炎の形成部すなわ
ちパイロットバーナ47が収納されていればよく、検出
部(例えばイオン電流検出式の場合はイオン電流検出用
電源50、イオン電流検出用抵抗52、イオン電流検出
用電圧計53等)は低圧容器58の外に配置されていて
もよい。なお、各パイロットバーナ47に供給される熱
分解ガスおよび空気の流量は、熱分解ガス流量調節バル
ブ44、および空気流量調節バルブ46によって設定量
に調節される。
【0052】なお、図2〜4、6、7で示した実施の形
態では、複数のパイロットバーナに於いて熱分解ガスと
空気の混合比率を変えた複数個の予混合火炎48につい
て比較を行っているが、単数のパイロットバーナ47に
於いて、時間的に熱分解ガスと空気の混合比率を変えて
行ってもよい。
【0053】参考例1. 本発明の参考例1による燃焼装置は例えば図1に於いて
熱分解部2aに於ける可燃性ガスすなわち熱分解ガスの
温度を検出する手段を備えたものである。熱分解ガス温
度検出手段としては例えば図12で示した温度センサ1
01aと同様に熱電対が用いられる。
【0054】一般に燃料性状の一定である気体燃料や液
体燃料を用いた場合、空気過剰率と燃焼ガス温度の関係
は図9のように理論混合比近傍で最高温度が得られる。
空気過剰率の範囲を理論混合比よりも小さな領域(ピー
クの左側の領域)に限定した場合、燃焼ガス温度の低下
は空気過剰率が小さくなったことを意味し、逆に温度上
昇は空気過剰率が大きくなったことを意味する。ここで
燃料を廃棄物に置き換えても、廃棄物の性状が一定であ
れば、熱分解部2aに於ける可燃性ガス温度(以下熱分
解部温度という)と空気過剰率の関係はこれと同様にな
る。すなわち、熱分解部温度の低下は、この運転空気過
剰率が小さくなったこと意味し、逆に温度上昇は、運転
空気過剰率が大きくなったことを意味する。
【0055】以上のことを踏まえ、本発明の参考例1
よる燃焼装置の運転制御の仕方について下表1の四つの
場合に分けて具体的に説明する。
【0056】
【表1】
【0057】まず、表1のAの熱分解部温度がその設定
温度よりも低下し、且つ前記熱分解ガス質検出手段に於
ける測定項目(例えばイオン電流値)のピークを持つ混
合空気と熱分解ガス量の比である(混合空気)/(熱分
解ガス量)が増大したすなわち熱分解ガス割合が小さく
なった場合(図10の曲線a)、可燃物の供給量を減少
させ、熱分解部2aの温度が設定温度に戻った時に、ま
たは設定温度に戻る少し前に、可燃物の投入量を元に戻
す操作を行う。
【0058】熱分解部2aは通常、理論混合比よりも小
さな空気過剰率で運転する(以下B〜Dの各場合につい
ても同様)。熱分解部2aの燃焼ガス温度がその設定温
度よりも低下したことから、図9からは熱分解部2aの
空気過剰率が小さくなったこと、すなわち熱分解ガス中
の可燃成分割合が増大したことが予想される。一方、前
記熱分解ガス質検出手段に於ける測定値のピークを持つ
混合空気と熱分解ガス量の比(空気過剰率に比例)が増
大したことは、その熱分解ガスの割合が小さくなったこ
とを意味する。熱分解ガスの量が混合空気に対してより
少なくなったということは、熱分解ガス中の可燃成分割
合が増大したことを意味し、図9での温度変化からの予
想と一致する。このことは、熱分解部2aへの供給空気
量が一定である場合、供給された固体可燃物の量が増大
したことを意味する。
【0059】従ってこの場合には、固体可燃物の供給量
を減少させて、熱分解部2aでの空気過剰率を増大さ
せ、熱分解部温度を上昇させる。熱分解部温度が設定温
度に戻った場合に、または設定温度に戻る少し前に、可
燃物の投入量を元に戻す操作を行う。
【0060】次に、表1のBの熱分解部温度がその設定
温度よりも上昇し、且つ前記熱分解ガス質検出手段に於
ける測定値のピークを持つ混合空気と熱分解ガス量の比
が減少したすなわち熱分解ガス割合が大きくなった場合
(図10の曲線b)、可燃物の供給量を増大させ、熱分
解部温度が設定温度に戻った時に、または設定温度に戻
る少し前に、可燃物の投入量を元に戻す操作を行う。
【0061】熱分解部温度がその設定温度よりも上昇し
たことから、図9からは、熱分解部2aの空気過剰率が
大きくなったこと、すなわち熱分解ガス中の可燃成分割
合が減少したことが予想される。一方、前記熱分解ガス
質検出手段に於ける測定値のピークを持つ混合空気と熱
分解ガス量の比が減少したことは、その熱分解ガスの割
合が大きくなったことを意味する。熱分解ガスの量が混
合空気に対してより多くなったということは、熱分解ガ
ス中の可燃成分割合が減少したことを意味し、図9での
温度変化からの予想と一致する。このことは、熱分解部
2aへの供給空気量が一定のもとでは、供給された固体
可燃物の量が減少したことを意味する。
【0062】従ってこの場合には、固体可燃物の供給量
を増大させて、熱分解部2aでの空気過剰率を減少さ
せ、熱分解部温度を低下させる。熱分解部温度が設定温
度に戻った時に、または設定温度に戻る少し前に、可燃
物の投入量を元に戻す操作を行う。
【0063】次に、表1のCの熱分解部温度がその設定
温度よりも低下し、且つ前記熱分解ガス質検出手段に於
ける測定値のピークを持つ混合空気と熱分解ガス量の比
が減少したすなわち熱分解ガス割合が大きくなった場
合、熱分解部2aへの空気供給量を増大させ、熱分解部
温度が設定温度に戻った時に、または設定温度に戻る少
し前に、空気供給量を元に戻す操作を行う。
【0064】ここで、熱分解部温度がその設定温度より
も低下する現象はAの場合と同様であるが、前記熱分解
ガス質検出手段に於ける測定値のピークを持つ混合空気
と熱分解ガス量の比が減少しているのはAの場合と逆で
あり、AやBのような単なる投入されている可燃物の量
の変化では起こらない現象である。
【0065】ここで、熱分解部温度が低下し、かつ混合
空気と熱分解ガス量の比が減少しているのは可燃物の質
の変化が起こっていることを示唆する。例えば熱分解部
温度の低下は可燃物の比熱の増大を、混合空気と熱分解
ガス量の比が減少しているのは、熱分解ガス中の可燃成
分割合が減少していることを意味し、実炉でよく起こる
具体例としては、可燃物中の水分割合の増加が挙げられ
る。
【0066】この場合には、熱分解部温度を上げるた
め、その空気過剰率を大きくする操作が必要となる。空
気過剰率を大きくするには、可燃物供給量を減少させる
か、または熱分解部2aへの供給空気量を増大させる二
通りがある。可燃物供給量を減少させると、水分割合増
加による燃焼量の減少に加えて更に燃焼量を減少させる
ことになるので、燃焼量減少を小さく押さえるために供
給空気量を増大させる操作を行う。これにより熱分解部
温度が上昇し、熱分解速度が増大する結果、熱分解ガス
中の可燃成分割合が増大し、安定燃焼へと向かう。熱分
解部温度が設定温度に戻った時に、または設定温度に戻
る少し前に、空気供給量を元に戻す操作を行う。
【0067】次に、表1のDの熱分解部温度がその設定
温度よりも上昇し、且つ前記熱分解ガス質検出手段に於
ける測定値のピークを持つ混合空気と熱分解ガス量の比
が増大したすなわち熱分解ガス割合が小さくなった場
合、熱分解部2aへの空気供給量を減少させ、熱分解部
の温度が設定温度に戻った時に、または設定温度に戻る
少し前に、空気供給量を元に戻す操作を行う。
【0068】ここで、熱分解部温度がその設定温度より
も上昇する現象はBの場合と同様であるが、前記熱分解
ガス質検出手段に於ける測定値のピークを持つ混合空気
と熱分解ガス量の比が増大しているのはBの場合と逆で
あり、これもAやBのような単なる投入されている可燃
物の量の変化では起こらない現象である。
【0069】熱分解部温度が上昇し、かつ混合空気と熱
分解ガス量の比が増大していることも可燃物の質の変化
が起こっていることを示唆する。例えば熱分解部温度の
上昇は可燃物の比熱の減少を、混合空気と熱分解ガス量
の比が増大しているのは、熱分解ガス中の可燃成分割合
が増大していることを意味し、実炉でよく起こる具体例
としては、可燃物中の水分割合の減少やプラスチック成
分割合の増加が挙げられる。
【0070】この場合には、熱分解部温度を下げるた
め、その空気過剰率を小さくする操作が必要となる。空
気過剰率を小さくするには、可燃物供給量を増大させる
か、または熱分解部への供給空気量を減少させる二通り
があるが、可燃物供給量を増大させると、水分割合減少
やプラスチック割合増加による燃焼量の増大に加えて更
に燃焼量を増大させることになるので、燃焼量増大を小
さく押さえるために供給空気量を減少させる操作を行
う。これにより熱分解部温度が低下し、熱分解速度が低
下する結果、熱分解ガス中の可燃成分割合が減少し、安
定燃焼へと向かう。なお、この操作は熱負荷(例えば蒸
気ボイラ)側の安定運転のために重要となる。また、熱
分解部温度が設定温度に戻った時に、または設定温度に
戻る少し前に、空気供給量を元に戻す操作を行う。
【0071】以上のように、本参考例によれば、熱分解
部2aの温度変化と熱分解ガス質の変化により固体可燃
物の質と量の変化を把握して、それに応じて固体可燃物
供給量や熱分解部2aへの空気供給量を制御するので、
安定した燃焼状態が得られ、その結果、高燃焼効率、低
公害燃焼、さらには熱負荷側の安定運転を実現できる。
【0072】なお、上記燃焼制御方法では、可燃物の供
給が燃焼中にも行われる場合について述べたが、例えば
小型のバッチ炉等に多く見られるように、炉内に可燃物
が予め一括投入され、燃焼中に可燃物の供給がない場合
には、空気供給量のみの制御を行う。すなわち、熱分解
ガス質検出手段に於ける測定値のピーク値が、空気と熱
分解ガスの予混合気の熱分解ガスの比率の小さい側に移
動した場合には、空気供給量を増加させて、また空気と
熱分解ガスの予混合気の熱分解ガスの比率の大きい側に
移動した場合には、空気供給量を減少させて、設定空気
過剰率となるようにする。小型のバッチ炉の場合は、燃
焼熱の利用よりも焼却が主であることから、燃焼量の変
化を押さえる操作よりも、高効率・低公害(低CO等)
の操作に主眼を置く。
【0073】参考例2. なお、前記参考例1では熱分解部2aに第1の空気供給
手段6により空気を供給する方式の燃焼装置の運転制御
方法について説明したが、図11にその構成をブロック
図で示すように、熱分解部2aに加熱手段600により
熱を供給する方式の燃焼装置の運転制御の仕方について
下表2の四つの場合に分けて具体的に説明する。
【0074】
【表2】
【0075】まず、表2のAの熱分解部温度がその設定
温度よりも低下し、且つ前記熱分解ガス質検出手段に於
ける測定項目(例えばイオン電流値)のピークを持つ混
合空気と熱分解ガス量の比である(混合空気)/(熱分
解ガス量)の変化が小さい場合、可燃物の供給量を減少
させ、熱分解部2aの温度が設定温度に戻った時に、ま
たは設定温度に戻る少し前に、可燃物の投入量を元に戻
す操作を行う。
【0076】熱分解部2aへの供給熱量が一定である場
合、熱分解部2aのガス温度がその設定温度よりも低下
したことから、熱分解部2a中の固体可燃物の重量増加
または固体可燃物の比熱の増大(焼却炉でよく発生する
具体例としては水分の増大)が予想される。一方、前記
熱分解ガス質検出手段に於ける測定値のピークを持つ混
合空気と熱分解ガス量の比(空気過剰率に比例)の変化
が小さいことは、その熱分解ガスの質の変化が小さいこ
とを意味する。これらのことは供給された固体可燃物の
量が増大したことを意味する。なぜならば、もし熱分解
部温度低下が例えば固体可燃物中の水分の増加によるな
らば、熱分解ガス質検出手段42に於ける測定項目のピ
ークを持つ混合空気と熱分解ガス量の比は減少し、熱分
解ガスの低カロリー化を示すからである。
【0077】従ってこの場合には、固体可燃物の供給量
を減少させて、熱分解部温度を上昇させる。熱分解部温
度が設定温度に戻った場合に、または設定温度に戻る少
し前に、可燃物の投入量を元に戻す操作を行う。
【0078】次に、表2のBの熱分解部温度がその設定
温度よりも上昇し、且つ前記熱分解ガス質検出手段に於
ける測定値のピークを持つ混合空気と熱分解ガス量の比
の変化が小さい場合、可燃物の供給量を増大させ、熱分
解部温度が設定温度に戻った時に、または設定温度に戻
る少し前に、可燃物の投入量を元に戻す操作を行う。
【0079】熱分解部2aへの供給熱量が一定である場
合、熱分解部温度がその設定温度よりも上昇したことか
ら、熱分解部2a中の固体可燃物の重量減少、または固
体可燃物の比熱の減少(例えば水分の減少)が予想され
る。一方、前記熱分解ガス質検出手段に於ける測定値の
ピークを持つ混合空気と熱分解ガス量の比の変化が小さ
いことは、その熱分解ガスの質の変化が小さいことを意
味する。これらのことは、供給された固体可燃物の量が
減少したことを意味する。なぜならば、もし熱分解部温
度低下が例えば固体可燃物中の水分の減少によるなら
ば、熱分解ガス質検出手段42に於ける測定項目のピー
クを持つ混合空気と熱分解ガス量の比は増大し、熱分解
ガスの高カロリー化を示すからである。
【0080】従ってこの場合には、固体可燃物の供給量
を増大させて、熱分解部温度を低下させる。熱分解部温
度が設定温度に戻った時に、または設定温度に戻る少し
前に、可燃物の投入量を元に戻す操作を行う。
【0081】次に、表2のCの熱分解部温度がその設定
温度よりも低下し、且つ前記熱分解ガス質検出手段に於
ける測定値のピークを持つ混合空気と熱分解ガス量の比
が減少したすなわち熱分解ガス割合が大きくなった場
合、熱分解部2aへの熱供給量を増大させ、熱分解部温
度が設定温度に戻った時に、または設定温度に戻る少し
前に、熱供給量を元に戻す操作を行う。
【0082】ここで、熱分解部温度がその設定温度より
も低下する現象はAの場合と同様であるが、前記熱分解
ガス質検出手段に於ける測定値のピークを持つ混合空気
と熱分解ガス量の比が減少している点がAの場合と異な
っており、AやBのような単なる投入されている可燃物
の量の変化では起こらない現象である。
【0083】ここで、熱分解部温度が低下し、かつ混合
空気と熱分解ガス量の比が減少しているのは可燃物の質
の変化が起こっていることを示唆する。例えば熱分解部
温度の低下は可燃物の比熱の増大を、混合空気と熱分解
ガス量の比が減少しているのは、熱分解ガス中の可燃成
分割合が減少していることを意味し、実炉でよく起こる
具体例としては、可燃物中の水分割合の増加が挙げられ
る。
【0084】この場合には、熱分解部温度を上げる方法
として可燃物供給量を減少させるか、または熱分解部2
aへの供給熱量を増大させる二通りがある。可燃物供給
量を減少させると、水分割合増加による発生熱分解ガス
量の減少に加えて更に熱分解ガス量を減少させることに
なるので、熱分解ガス量減少を小さく押さえるために供
給熱量を増大させる操作を行う。これにより熱分解部温
度が上昇し、熱分解速度が増大する結果、熱分解ガス量
が増大し、安定燃焼へと向かう。熱分解部温度が設定温
度に戻った時に、または設定温度に戻る少し前に、熱供
給量を元に戻す操作を行う。
【0085】次に、表2のDの熱分解部温度がその設定
温度よりも上昇し、且つ前記熱分解ガス質検出手段に於
ける測定値のピークを持つ混合空気と熱分解ガス量の比
が増大したすなわち熱分解ガス割合が小さくなった場
合、熱分解部2aへの熱供給量を減少させ、熱分解部の
温度が設定温度に戻った時に、または設定温度に戻る少
し前に、熱供給量を元に戻す操作を行う。
【0086】ここで、熱分解部温度がその設定温度より
も上昇する現象はBの場合と同様であるが、前記熱分解
ガス質検出手段に於ける測定値のピークを持つ混合空気
と熱分解ガス量の比が増大している点がBの場合と異な
っており、これもAやBのような単なる投入されている
可燃物の量の変化では起こらない現象である。
【0087】熱分解部温度が上昇し、かつ混合空気と熱
分解ガス量の比が増大していることも可燃物の質の変化
が起こっていることを示唆する。例えば熱分解部温度の
上昇は可燃物の比熱の減少を、混合空気と熱分解ガス量
の比が増大しているのは、熱分解ガス中の可燃成分割合
が増大していることを意味し、実炉でよく起こる具体例
としては、可燃物中の水分割合の減少やプラスチック成
分割合の増加が挙げられる。
【0088】この場合には、熱分解部温度を下げる方法
として、可燃物供給量を増大させるか、または熱分解部
への供給熱量を減少させる二通りがあるが、可燃物供給
量を増大させると、水分割合減少やプラスチック割合増
加による発生熱分解ガス量の増大に加えて更に熱分解ガ
ス量を増大させることになるので、熱分解ガス量増大を
小さく押さえるために供給熱量を減少させる操作を行
う。これにより熱分解部温度が低下し、熱分解速度が低
下する結果、熱分解ガス量が減少し、安定燃焼へと向か
う。なお、この操作は熱負荷(例えば蒸気ボイラ)側の
安定運転のために重要となる。また、熱分解部温度が設
定温度に戻った時に、または設定温度に戻る少し前に、
熱供給量を元に戻す操作を行う。
【0089】以上のように、本参考例によれば、熱分解
部2aの温度変化と熱分解ガス質の変化により固体可燃
物の質と量の変化を把握して、それに応じて固体可燃物
供給量や熱分解部2aへの熱供給量を制御するので、安
定した燃焼状態が得られ、その結果、高燃焼効率、低公
害燃焼、さらには熱負荷側の安定運転を実現できる。
【0090】なお、上記燃焼制御方法では、可燃物の供
給が熱分解中にも行われる場合について述べたが、例え
ば小型のバッチ炉等に多く見られるように、炉内に可燃
物が予め一括投入され、熱分解中に可燃物の供給がない
場合には、熱供給量のみの制御を行う。すなわち、熱分
解ガス質検出手段に於ける測定値のピーク値が、空気と
熱分解ガスの予混合気の熱分解ガスの比率の小さい側に
移動した場合には、熱供給量を増加させて、また空気と
熱分解ガスの予混合気の熱分解ガスの比率の大きい側に
移動した場合には、熱供給量を減少させて、設定空気過
剰率となるようにする。小型のバッチ炉の場合は、燃焼
熱の利用よりも焼却が主であることから、燃焼量の変化
を押さえる操作よりも、高効率・低公害(低CO等)の
操作に主眼を置く。
【0091】なお、熱分解部2aの加熱手段600の加
熱源として熱分解部2aで発生する熱分解ガスを用いて
もよく、この場合、装置の省エネルギー性が向上する。
【0092】なお、本参考例では参考例1の熱分解部2
aに空気を供給する方式の燃焼装置の運転制御方法を熱
分解部に熱を供給する方式の燃焼装置に適用した場合に
ついて示したが、実施の形態1、3〜7も上記熱分解部
に熱を供給する方式の燃焼装置にも適用可能であること
は言うまでもない。
【0093】なお、前記各実施の形態および各参考例
示したような燃焼装置は、熱分解部2aで生成した可燃
性ガスの質を検出できるので、石炭、産業廃棄物、都市
ゴミ、汚泥またはこれらの混合物というような質が一定
でない固体可燃物の燃焼に特に有効に用いられる。
【0094】なお、前記各実施の形態および各参考例
は熱分解部2aで生成した熱分解ガスの質とその量また
は熱分解部2aに供給される空気流量とを検出して燃焼
部2bに供給する空気量を制御したり、ガス質と熱分解
部2aに於ける熱分解ガス温度とを検出して熱分解部2
aへの固体可燃物供給量や空気供給量(または加熱量)
を制御する場合について説明したが、これらに限るもの
ではなく、熱分解部2aで生成した熱分解ガスの質(例
えば理論混合比またはそれに準ずる空気過剰率)をリア
ルタイムで検出できることを利用して前記以外の他の検
出項目と組み合わせることにより他の項目の制御を行っ
てもよいのは言うまでもない。
【0095】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、固体可
燃物供給手段と、該固体可燃物供給手段からの固体可燃
物を熱分解または部分燃焼して可燃性ガスを生成する熱
分解部と、該熱分解部で生成した可燃性ガスを燃焼させ
る燃焼部と、前記熱分解部を加熱する加熱手段または前
記熱分解部に空気を供給する第1の空気供給手段と、前
記燃焼部に空気を供給する第2の空気供給手段と、前記
熱分解部で生成した可燃性ガスの質を検出する熱分解ガ
ス質検出手段とを備えてなる燃焼装置に於いて、前記熱
分解ガス質検出手段は、前記可燃性ガスと空気の混合比
率を段階的に変化させた複数の予混合火炎のイオン電流
の大きさ、温度または火炎中のラジカルの発光強度を比
較することにより前記イオン電流、温度または発光強度
がピークとなる可燃性ガスと空気の混合比率を検出する
ので、可燃性ガスの質を知ることができ、石炭、産業廃
棄物、都市ゴミ、汚泥またはこれらの混合物というよう
な質が一定でない固体可燃物を用いた場合にも、供給さ
れる固体可燃物の質や量の変化に基づく可燃性ガスの質
の変化に対応した制御が可能となる。
【0096】さらに、前記熱分解部で生成した可燃性ガ
スの量を検出する熱分解ガス量検出手段または前記第1
の空気供給手段により前記熱分解部に供給される空気の
流量を検出する空気流量検出手段を備えたので、可燃性
ガスの質と量または熱分解部に供給される空気流量とに
応じた燃焼空気を燃焼部に供給することが可能になり、
可燃性ガスの質および量の変化に対しても常に安定した
燃焼を実現でき、その結果、高燃焼効率、低公害燃焼、
さらには熱負荷側の安定運転を実現できる効果がある。
【0097】
【0098】さらに、前記複数の予混合火炎は仮想円錐
の略母線上に、互いにその一部が接するように形成され
るので、仮に可燃性ガス質の変動で一部の予混合火炎が
消えても、他のいずれかの火炎が存在することによりそ
れが火種となり、可燃性ガス質変動に対して常に予混合
火炎群を保持することができる。
【0099】さらに、前記仮想円錐の頂点近傍に予混合
火炎の点火源を設置したので、一度に複数の予混合火炎
を着火・形成できる。
【0100】さらに、前記仮想円錐の略中心軸上に複数
の予混合火炎に接するように1個のイオン電流検出用共
通電極を設置し、該イオン電流検出用共通電極を用いて
前記各予混合火炎のそれぞれのイオン電流を時間的ずれ
をもって測定するように構成したので、イオン電流検知
電極の本数を減じ、熱分解ガス質検出手段の構造を単純
化、低コスト化できる。
【0101】さらに、前記複数の予混合火炎は、熱分解
部よりも低圧の容器内に形成されるので、熱分解部が負
圧であっても、熱分解ガス質検出手段に可燃性ガスを供
給できる。
【0102】また、熱分解ガス量検出手段および熱分解
ガス質検出手段により熱分解部で生成した可燃性ガスの
量およびイオン電流、温度または発光強度がピークとな
る可燃性ガスと空気の混合比率を検出し、検出された可
燃性ガス量と、可燃性ガスと空気の混合比率との積に所
定倍率を乗じた量の空気を第2の空気供給手段により燃
焼部に供給するので、排気中の未燃炭化水素や一酸化炭
素濃度の極めて小さい高効率燃焼を達成することができ
る。
【0103】また、熱分解部への供給空気量に所定倍率
を乗じて熱分解部で生成した可燃性ガスの量を推定すれ
ば、熱分解ガス量検出手段が不要となり装置を安価にで
きる。
【0104】
【0105】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による燃焼装置の構成
を説明するブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係わる熱分解ガス質
検出手段の構成および作用を説明する図である。
【図3】 本発明の実施の形態3に係わる熱分解ガス質
検出手段の一例の作用を説明する図である。
【図4】 本発明の実施の形態3に係わる熱分解ガス質
検出手段の他の例の作用を説明する図である。
【図5】 本発明の実施の形態4による燃焼装置の構成
を説明するブロック図である。
【図6】 本発明の実施の形態5に係わる熱分解ガス質
検出手段の構成を説明する図である。
【図7】 本発明の実施の形態6に係わる熱分解ガス質
検出手段の構成を説明する図である。
【図8】 本発明の実施の形態7による燃焼装置の構成
を説明するブロック図である。
【図9】 本発明の参考例1に係わり空気過剰率と燃焼
ガス温度の一般的関係を示す図である。
【図10】 本発明の参考例1に係わり熱分解ガス質検
出手段での測定値の変化例を示す図である。
【図11】 本発明の参考例2に用いられる燃焼装置の
構成を説明するブロック図である。
【図12】 従来のガス化燃焼炉の構成を示す断面図で
ある。
【図13】 従来のストーカ式焼却炉の構成を示す断面
図である。
【図14】 従来の流動床式焼却炉の構成を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 可燃物供給手段 2a 熱分解部 2b 燃焼部 6 第1の空
気供給手段(煙道ファン) 14 第2の空気供給手段 40 混合部 41 熱分解ガス量検出手段 42 熱分解
ガス質検出手段 43 熱分解ガスマニホールド 44 熱分解
ガス流量調節バルブ 45 空気マニホールド 46 空気流
量調節バルブ 47 パイロットバーナ 48 予混合
火炎 49 イオン電流検出用電極 49b 電気
絶縁体 50 イオン電流検出用電源 52 イオン
電流検出用抵抗器 53 イオン電流検出用電圧計 54 パイロ
ットバーナ取り付け部材 55 パイロットバーナ燃焼空気通過孔 57 点火用
放電電極 58 低圧容器 59 排気フ
ァン 60 スキャナー 600 加熱
手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−110674(JP,A) 特開 昭59−161612(JP,A) 特開 平2−135280(JP,A) 特開 平5−141638(JP,A) 特開 平6−331123(JP,A) 特開 平6−117618(JP,A) 特公 昭56−1522(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10B 53/00 - 53/08 F23G 5/50

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体可燃物供給手段と、該固体可燃物供
    給手段からの固体可燃物を熱分解または部分燃焼して可
    燃性ガスを生成する熱分解部と、該熱分解部で生成した
    可燃性ガスを燃焼させる燃焼部と、前記熱分解部を加熱
    する加熱手段または前記熱分解部に空気を供給する第1
    の空気供給手段と、前記燃焼部に空気を供給する第2の
    空気供給手段と、前記熱分解部で生成した可燃性ガスの
    質を検出する熱分解ガス質検出手段とを備えてなる燃焼
    装置に於いて、前記熱分解ガス質検出手段は、可燃性ガ
    スと空気の混合比率を段階的に変化させた複数の予混合
    火炎のイオン電流の大きさ、温度または火炎中のラジカ
    ルの発光強度を比較することにより前記イオン電流、温
    度または発光強度がピークとなる可燃性ガスと空気の混
    合比率を検出することを特徴とする燃焼装置。
  2. 【請求項2】 前記熱分解部で生成した可燃性ガスの量
    を検出する熱分解ガス量検出手段または第1の空気供給
    手段により前記熱分解部に供給される空気の流量を検出
    する空気流量検出手段を備えたことを特徴とする請求項
    1記載の燃焼装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の予混合火炎は仮想円錐の略母
    線上に、互いにその一部が接するように形成されること
    を特徴とする請求項記載の燃焼装置。
  4. 【請求項4】 前記仮想円錐の頂点近傍に予混合火炎の
    点火源を設置したことを特徴とする請求項記載の燃焼
    装置。
  5. 【請求項5】 前記仮想円錐の略中心軸上に複数の予混
    合火炎に接するように1個のイオン電流検出用共通電極
    を設置し、該イオン電流検出用共通電極を用いて前記各
    予混合火炎のそれぞれのイオン電流を時間的ずれをもっ
    て測定するように構成したことを特徴とする請求項
    たは記載の燃焼装置。
  6. 【請求項6】 前記複数の予混合火炎は、熱分解部より
    も低圧の容器内に形成されることを特徴とする請求項
    ないしの何れかに記載の燃焼装置。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の燃焼装置に於いて、熱分
    解ガス量検出手段および熱分解ガス質検出手段により熱
    分解部で生成した可燃性ガスの量およびイオン電流、温
    度または発光強度がピークとなる可燃性ガスと空気の混
    合比率を検出し、検出された可燃性ガス量と、可燃性ガ
    スと空気の混合比率との積に所定倍率を乗じた量の空気
    を第2の空気供給手段により燃焼部に供給することを特
    徴とする燃焼装置の運転制御方法。
  8. 【請求項8】 請求項2記載の燃焼装置に於いて、空気
    流量検出手段および熱分解ガス質検出手段により熱分解
    部に供給される空気流量および熱分解部で生成した可燃
    性ガスのイオン電流、温度または発光強度がピークとな
    る可燃性ガスと空気の混合比率を検出し、検出された空
    気流量に所定倍率を乗じることにより可燃性ガス量を算
    定し、該可燃性ガス量と前記可燃性ガスと空気の混合
    比率との積に所定倍率を乗じた量の空気を第2の空気供
    給手段により燃焼部に供給することを特徴とする燃焼装
    置の運転制御方法
JP24199196A 1996-02-28 1996-09-12 燃焼装置およびその運転制御方法 Expired - Fee Related JP3355955B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24199196A JP3355955B2 (ja) 1996-02-28 1996-09-12 燃焼装置およびその運転制御方法
CA002205766A CA2205766C (en) 1996-09-12 1997-05-21 Combustion system and operation control method thereof
EP97108299A EP0829683B1 (en) 1996-09-12 1997-05-22 Combustion system and operation control method thereof
US08/861,656 US5957063A (en) 1996-09-12 1997-05-22 Combustion system and operation control method thereof
DE69724060T DE69724060T2 (de) 1996-09-12 1997-05-22 Verbrennungssystem und Steuerverfahren zu seinem Betrieb

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4123696 1996-02-28
JP8-41236 1996-02-28
JP24199196A JP3355955B2 (ja) 1996-02-28 1996-09-12 燃焼装置およびその運転制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09291285A JPH09291285A (ja) 1997-11-11
JP3355955B2 true JP3355955B2 (ja) 2002-12-09

Family

ID=26380805

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24199196A Expired - Fee Related JP3355955B2 (ja) 1996-02-28 1996-09-12 燃焼装置およびその運転制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3355955B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09291285A (ja) 1997-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5957063A (en) Combustion system and operation control method thereof
KR20120035113A (ko) 건류 가스화 소각처리장치
US4757771A (en) Method and apparatus for stable combustion in a fluidized bed incinerator
JP2013213652A (ja) 廃棄物焼却炉及び廃棄物焼却方法
JP3355955B2 (ja) 燃焼装置およびその運転制御方法
JP2854297B1 (ja) 燃焼装置
JP3033015B2 (ja) 半乾留ガス化焼却方法及び装置
KR100941573B1 (ko) 연소 장치
JP5871207B2 (ja) 廃棄物焼却炉及び廃棄物焼却方法
JP3700947B1 (ja) 可燃性廃棄物の焼却方法及び焼却炉
JP2001012716A (ja) 乾留ガス化燃焼装置の燃焼制御システム
JP3247066B2 (ja) 流動床焼却炉のフリーボード温度制御方法
JP2006064359A (ja) 乾留焼却炉およびその運転方法
JP3579774B2 (ja) バーナー加熱式高分子焼却機
JP3936884B2 (ja) ストーカ式焼却炉の制御方法
JP4955124B1 (ja) 焼却装置
JPH09296927A (ja) ゴミ焼却炉の二次燃焼ガス供給機構
JPH11304129A (ja) 廃棄物ガス化溶融炉
JPH07217843A (ja) 焼却炉およびその火炎制御方法
KR19990064706A (ko) 고온 열전대관을 이용한 가스화 열분해 소각로의 배기가스 연소장치
JP3117793U (ja) 可燃性ガス化バーナー装置
KR200280836Y1 (ko) 고온 수증기 분해 연소기를 이용한 고형화 쓰레기 소각로
KR200280837Y1 (ko) 고온 수증기 분해 연소기를 이용한 액상 쓰레기 소각로
JPH102532A (ja) 廃棄物焼却装置及びその運転方法
JPH1182958A (ja) 焼却装置および焼却装置の運転制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071004

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081004

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees