JPH0767529B2 - スルホン化ポリアリールエーテル系ポリマーからなる分離用膜 - Google Patents

スルホン化ポリアリールエーテル系ポリマーからなる分離用膜

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JPH0767529B2
JPH0767529B2 JP5218176A JP21817693A JPH0767529B2 JP H0767529 B2 JPH0767529 B2 JP H0767529B2 JP 5218176 A JP5218176 A JP 5218176A JP 21817693 A JP21817693 A JP 21817693A JP H0767529 B2 JPH0767529 B2 JP H0767529B2
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弘喜 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スルホン化ポリアリー
ルエーテル系ポリマー、更に詳しくはスルホン化ポリア
リールエーテルスルホン又は/及びスルホン化ポリアリ
ールエーテルケトンからなる分離用膜に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】特開昭55−36296号公報には、
式、
【0003】
【化4】
【0004】で示される反復単位を単独でか、又はこの
反復単位と式
【0005】
【化5】
【0006】で示される反復単位とを共に有するポリマ
ーを制御スルホン化したスルホン化ポリアリールエーテ
ルケトンが開示されており、このものは親水性を有し且
つ相当量の水を含んだ状態においても強度が大きいので
限外瀘過膜として有用であり、そのほか導電体用絶縁材
としても使用できる旨の記載がある。
【0007】同様に特開昭55−48222号公報に
は、式、
【0008】
【化6】
【0009】で示される反復単位と、式
【0010】
【化7】
【0011】で示される反復単位とを共に有するポリマ
ーを制御スルホン化したスルホン化ポリアリールエーテ
ルスルホンが開示されており、このものは親水性を有し
且つ相当量の水を含んだ状態においても強度が大きいの
で、限外瀘過膜として有用である旨の記載がある。
【0012】そのほか、特公昭53−13679号公報
には、式
【0013】
【化8】
【0014】で表される単位からなる非スルホン化ポリ
スルホンをスルホン化するスルホン化ポリアリールエー
テルスルホンについて開示があり、このものは特に逆浸
透用膜として有用である旨の記載がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
公昭53−13679号公報に開示されたスルホン化ポ
リマーは、クロロスルホン酸の如き強力なスルホン化剤
を用いなければならないため工業的には製造上不利であ
り、しかも得られるスルホン化ポリマーの膜特性が必ず
しも満足できるものではなかった。
【0016】これに対し、特開昭55−36296号公
報及び特開昭55−48222号公報に開示されたスル
ホン化ポリマーは、濃硫酸でもスルホン化できる点で有
利であるが、その反応に長時間を有するという問題があ
った。
【0017】又、得られるスルホン化ポリマーの含水状
態における膜強度が必ずしも十分ではないため膜寿命が
短い場合があり、この点を更に改良する必要があった。
【0018】本発明は、生産性が良好で且つ優れた膜特
性を有する新規なスルホン化ポリアリールエーテル系ポ
リマーからなる分離用膜を提供することを目的とするも
のである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、以下に述べる技術的手段を講じたもので
ある。
【0020】即ち、本発明のスルホン化ポリアリールエ
ーテル系ポリマーからなる分離用膜は、式
【0021】
【化9】
【0022】(式中、nは1以上の整数、X1、X2はCO
又はSO2を表す。)
【0023】で示される反復単位Aを単独で、或いはこ
の反復単位Aと式
【0024】
【化10】
【0025】で示される反復単位Bとを有するポリマー
のスルホン化物であって、反復単位Bを含むときの反復
単位Aと反復単位Bとの割合は、反復単位Aが1〜99
モル%、反復単位Bが99〜1モル%であり、反復単位
Aにおける式
【0026】
【化11】
【0027】で表される部位のみがスルホン化されてな
り、且つスルホン化度は、得られるスルホン化物が室温
において2重量%の水を吸収する吸水度から80重量%
の水を吸収する吸水度の親水性を有し、更に、ポリマー
の縮合度又は分子量の指標となる対数粘度は、機械的強
度の点からスルホン化後で少なくとも0.2以上(0.
5gポリマー/100ml・N−メチルピロリドン、3
0℃)であるものからなることを特徴とするものであ
る。
【0028】本発明において、反復単位Aにおける式
【0029】
【化12】
【0030】で表される部位のみがスルホン化されてな
り、とは、スルホン化されているのが、ポリマー中の全
分子における上記部位のみがスルホン化されているもの
の他、ポリマー中の全分子の一部における上記部位のみ
がスルホン化されているものを含む意味である。そし
て、このスルホン化の程度は後述する吸水度によって特
定される。
【0031】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられるスルホン化前のポリアリールエーテル系ポリ
マーは、式
【0032】
【化13】
【0033】で示される反復単位Aを必須の単位として
含む。
【0034】ここでnは1以上の数を表し、特に1〜5
の範囲であることが好ましい。
【0035】この場合、同一ポリマー分子中にnの異な
る反復単位Aが含まれていることは差し支えないばかり
か、分離用膜において膜特性が向上するのでかえって好
ましい。これは同一ポリマー中にnの異なる反復単位A
が含まれていると、分子の結晶性が乱され、膜を形成し
たときにより優れたフレキシビリティーが奏されるため
と考えられる。
【0036】又、nが1となるように理論量配合してポ
リアリールエーテル系ポリマーを製造した場合、得られ
るポリマーの大部分はn=1のものであるが、重合反応
は競争反応にて生じるため、nが1より大きいポリマー
も得られるが、上記理由により差し支えないものであ
る。
【0037】上記式中のX1、X2はCO又はSO2を表
し、同一分子中におけるX1、X2がいずれもCO又はS
2であってもよく、或いはX1、X2の一方がCOで、
他方がSO2であってもよい。
【0038】本発明で用いられるスルホン化前のポリア
リールエーテル系ポリマーは、上述の反復単位Aのほか
に、式
【0039】
【化14】
【0040】で示される反復単位Bを有していてもよ
い。
【0041】この単位Bはスルホン化度の調整、膜特性
の調節に貢献する。
【0042】上記反復単位Bを含むときの反復単位Aと
反復単位Bとの割合は、反復単位Aが1モル%以上、反
復単位Bが99モル%以下というように広い範囲から選
択される。更に好ましい範囲は、反復単位Aが95〜5
モル%、反復単位Bが5〜95モル%である。
【0043】スルホン化前のポリアリールエーテル系ポ
リマーは、スルホン又はスルホキシド溶媒の存在下に、
適当なp−、o−又はm−ハロフェノール、4,4´−ジヒ
ドロキシベンゾフェノン、4,4´−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン、4,4´−ジクロロジフェニルスルホ
ン、4,4´−ジフルオロジフェニルスルホン、4,4´
−ジクロロベンゾフェノン、ジヒドロキシフェノール、
p−(p−クロロフェニルスルホニル)フェノール等をアル
カリ金属の炭酸塩又は重炭酸塩と共に縮合反応させるこ
とによって調整される。
【0044】ここでスルホン又はスルホキシド溶媒とし
ては、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエ
チルスルホキシド、ジイソプロピルスルホン、ジフェニ
ルスルホン、テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキ
シド(つまりスルホラン)、テトラヒドロチオフェン−1
−モノオキシド等が挙げられる。これらと共にベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、ジクロルベ
ンゼン、ヘプタン、ジフェニルエーテル、アニソール等
の有機溶剤を併用してもよい。
【0045】アルカリ金属の炭酸塩又は重炭酸塩におけ
るアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリ
ウム、セシウム等が挙げられるが、特にナトリウム、カ
リウムが反応性及びコストの点から実用性が大きい。
【0046】このようにして調整されるポリアリールエ
ーテル系ポリマーのスルホン化は、上記ポリアリールエ
ーテル系ポリマーを濃硫酸に溶解して撹拌するだけで達
成できる。反応は冷却下又は加温下に行うこともできる
が、通常は常温で反応を行う。常温下の反応でも、反応
時間は数十分ないし数時間で充分である。なお、濃硫酸
と共に適当な溶媒を併用することもできる。
【0047】スルホン化により反復単位Aにおける式
【0048】
【化15】
【0049】で表される部位のみに導入されるスルホン
基は、式−SO3Mで示され、ここにMは水素、アルカ
リ金属又はテトラアルキルアンモニウムを表す。例え
ば、ポリアリールエーテル系ポリマーをスルホン化した
後、水洗し、乾燥すれば、遊離のスルホン酸基を有する
ポリマーを得ることができる。又、スルホン化ポリマー
をアルカリ金属水酸化物又はアルカリ金属アルコラート
の水溶液やメタノール、エタノール溶液等で処理すれ
ば、遊離のスルホン酸基をアルカリ金属塩とすることが
できる。アルカリ金属水酸化物としては、例えば水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が、ア
ルカリ金属アルコラートとしては、ナトリウムメチラー
ト、カリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリ
ウムエチラート等が用いられる。更に、水酸化テトラア
ルキルアンモニウム、例えば水酸化テトラメチルアンモ
ニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テト
ラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニ
ウム等の水溶液やメタノール、エタノール溶液等で処理
すれば、対応するテトラアルキルアンモニウム塩とする
こともできる。
【0050】ポリアリールエーテル系ポリマーが反復単
位Aのみからなるときは、スルホン化時のスルホン化条
件に応じこの単位Aの一部ないし全部がスルホン化され
る。
【0051】ポリアリールエーテル系ポリマーが反復単
位Aのほかに反復単位Bを含むときは、スルホン化処理
により反復単位Aのみがスルホン化され、反復単位Bは
実質上スルホン化されない。従って、ポリマー中の反復
単位Aと反復単位Bの割合を適宜に選べば、スルホン化
度を任意に調整することができる。
【0052】本発明のスルホン化ポリアリールエーテル
系ポリマーからなる分離用膜において、そのポリマーの
スルホン化度は、得られるスルホン化物が室温において
2重量%の水を吸収する吸水度から80重量%の水、好
ましくは5〜40重量%の水を吸収する吸水度のものが
望ましい。
【0053】又、ポリマーの縮合度又は分子量の指標と
なる対数粘度は、機械的強度の点からスルホン化後で少
なくとも0.2以上(0.5gポリマー/100ml・N
−メチルピロリドン、30℃)であることが好ましい。
【0054】本発明のスルホン化ポリアリールエーテル
系ポリマーからなる分離用膜は、上記スルホン化ポリア
リールエーテル系ポリマーを公知の方法で成形して得ら
れるものであり、この分離用膜は、親水性を特徴とする
ばかりでなく、相当量の水(例えば20重量%の水)を含
む場合でさえも相当の強度を保持するのであり、よっ
て、この分離用膜は、電気透析器における仕切り隔膜、
溶液又は懸濁液の分離用膜、逆浸透膜、限外瀘過膜等の
分離用膜の素材として有用である。
【0055】
【作用】本発明のスルホン化ポリアリールエーテル系ポ
リマーからなる分離用膜は、上記特定のポリマーを成形
して得られるものであり、この特定のポリマーは、反復
単位AAを単独で、或いはこの反復単位Aと反復単位B
とからなるポリアリールエーテル系ポリマーのスルホン
化は、このポリマーを濃硫酸に溶解して撹拌するだけで
達成できるので生産性が良好であり、また濃硫酸を用い
たスルホン化により反復単位Aはすみやかにスルホン化
されるが、反復単位Bはスルホン化しない。これは反復
単位Aの独特の構造によるためであると考えられる。
【0056】そして、本発明のスルホン化ポリアリール
エーテル系ポリマーからなる分離用膜は、スルホン化に
より得られたスルホン化ポリアリールエーテル系ポリマ
ーの溶液をキャスティング等の通常の製膜処理をするこ
とにより膜が形成されるのであり、この膜は含水状態に
おいても相当の膜強度を有するが、これは反復単位Aの
独特の構造によりポリマーにフレキシビリティーが付与
されるためであると考えられる。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 イ.ポリアリールエーテルスルホンの製造 式
【0058】
【化16】
【0059】で示される反復単位A80モル%と、式
【0060】
【化17】
【0061】で示される反復単位B20モル%からなる
線状ポリアリールエーテルスルホンを次のようにして製
造した。
【0062】4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン25.0g(0.1モル)を撹拌機、窒素ガス導入管、
水抜き管及び温度計を備えたフラスコに入れ、更にスル
ホラン200mlとキシレン100mlを加えた。これを
マントルヒーターによる加熱下に撹拌しながら、温度1
55℃で1時間還流を行い、この際、水5.3mlを抜
き出した。
【0063】次いで、温度を110℃まで下げ、4,4
´−ジクロルジフェニルスルホン28.8g(0.1モ
ル)、p−クロルフェノール10.3g(0.08モル)と
炭酸カリウム27.6g(0.2モル)を加えて重合反応
を開始した。温度162℃で1時間還流した後、2.5
時間の間に水を抜きながら温度200℃まで昇温し、更
に温度200〜215℃で4時間還流を続けた。この反
応の間に抜き出された水量は2.0mlであった。
【0064】反応液の一部をガラス板に塗布し、水中に
浸漬したときにフィルムを形成しうることを確認した
後、100℃まで温度を下げ、ジクロルメタン220m
lを加えた。このようにして得た反応混合物を純水中に
投じてポリアリールエーテルスルホンを凝固させ、純
水、次にアセトンで洗浄した後、温度80℃で6.5時
間乾燥した。
【0065】このようにして得られた線状ポリアリール
エーテルスルホンは淡黄色粒状物であり、その対数粘度
は0.90(0.5gポリマー/100ml・P−クロル
フェノール、47℃)であった。
【0066】ロ.スルホン化ポリアリールエーテルスル
ホンの製造 上記のようにして得たポリマー10gを、97重量%濃
硫酸80mlに加えて溶解させ、常温にて4時間撹拌反
応させて、黒褐色の粘稠な反応液を得た。これを氷浴中
に投入して、スルホン化したポリマーを凝固させた。水
にて洗浄後、0.5N水酸化ナトリウム水溶液800m
l中に一晩放置した。ついで洗浄液が中性になるまでこ
の重合体を洗浄した後、温度60℃で5時間真空乾燥し
た。
【0067】このようにして得られた淡黄色粒状のスル
ホン化ポリアリールエーテルスルホンは、対数粘度が
1.03(0.5gポリマー/100ml・N−メチルピ
ロリドン、30℃)、イオン交換容量が1.0ミリ当量/
gであった。又、室温における含水率は20重量%であ
った。
【0068】このようにして得られたポリマーをジメチ
ルスルホキシド溶液としてNMRにて分析したところ、
上記イ.の冒頭で示した反復単位Aのほぼ100モル%
が−SO3Naを有することがわかった。
【0069】ハ.本発明の分離用膜の製造 本発明の分離用膜は、上記スルホン化ポリマー5gを2
−メトキシエタノール25gに溶解し、この溶液をガラ
ス板にキャストし、室温でほとんどの溶剤を蒸発させた
後、60℃の乾燥器中に3時間放置することにより得ら
れた。
【0070】得られたフィルムは0.2mmの厚さを有し
ていた。米国特許第3,709,841号に準じて行った
破裂圧は4kg/cm2(破裂時のたわみ 6.5mm)であっ
た。又乾燥時の引張強度は5.6kg/mm2、20重量%
吸水時の引張強度は4.1kg/mm2であった。
【0071】又、上記と同様にして厚さ20μm のフィ
ルムを得、これを用いて80kg/cm 2の下で逆浸透によ
り濃度5g/lのNaCl水溶液を処理したところ、塩の
除去率99.5%であり、流速は30l/m2日 であっ
た。
【0072】比較例1 式
【0073】
【化18】
【0074】で示される反復単位80モル%、式
【0075】
【化19】
【0076】で示される反復単位20モル%よりなるポ
リアリールエーテルスルホンを用いたほかは実施例1の
ロ.と同様の条件でスルホン化を行った。
【0077】このようにして得られたスルホン化ポリア
リールエーテルスルホンは、対数粘度が1.10(0.
5gポリマー/100ml・N−メチルピロリドン、30
℃)、イオン交換容量が1.0ミリ当量/gであった。室
温における含水率は20重量%であった。
【0078】このようにして得られたポリマーをジメチ
ルスルホキシド溶液としてNMRにて分析したところ、
反復単位
【0079】
【化20】
【0080】のほぼ100モル%が−SO3Naを有する
ことがわかった。
【0081】又このポリマーを実施例1のハ.と同様に
してフィルム化した。得られたフィルムは0.2mmの厚
さを有していた。米国特許第3,709,841号に準じ
て行った破裂圧は3.5kg/cm2(破裂時のたわみ 6.
0mm)であった。又乾燥時の引張強度は4.8kg/mm2
湿潤時の引張強度は2.7kg/mm2であった。
【0082】実施例2 イ.ポリアリールエーテルスルホンの製造 式
【0083】
【化21】
【0084】で示される反復単位Aのみからなる線状ポ
リアリールエーテルスルホンを実施例1のイ.と同様に
して製造した。ただしモノマー成分としては、4,4´
−ジヒドロキシジフェニルスルホン25.0g(0.1モ
ル)、4,4´−ジクロロジフェニルスルホン28.7g
(0.1モル)、p−クロルフェノール12.5g(0.1
モル)を用いた。
【0085】このようにして得られた線状ポリアリール
エーテルスルホンは淡黄色粒状物であり、その対数粘度
は1.40(0.5gポリマー/100ml・P−クロル
フェノール、47℃)であった。
【0086】ロ.スルホン化ポリアリールエーテルスル
ホンの製造 上記のようにして得たポリマーを97重量%濃硫酸を用
いて実施例1のロ.と同様の条件でスルホン化した。た
だし、反応時間は1時間とした。
【0087】このようにして得られた淡黄色粒状のスル
ホン化ポリアリールエーテルスルホンは、対数粘度が
2.80(0.5gポリマー/100ml・N−メチルピ
ロレドン、30℃)、イオン交換容量が1.5ミリ当量/
gであった。又、室温における含水率は25重量%であ
った。
【0088】このようにして得られたポリマーをジメチ
ルスルホキシド溶液としてNMRにて分析したところ、
反復単位Aの99モル%が−SO3Naを有することがわ
かった。
【0089】ハ.本発明の分離用膜の製造 本発明の分離用膜を実施例1のハ.と同様にして作成し
た。
【0090】得られたフィルムは0.2mmの厚さを有し
ていた。米国特許第3,709,841号に準じて行った
破裂圧は4.3kg/cm2(破裂時のたわみ6.6mm)であ
った。又乾燥時の引張強度は5.7kg/mm2、湿潤時の
引張強度は4.3kg/mm2であった。
【0091】又、上記と同様にして20μm のフィルム
を得、これを用いて80kg/cm2の下で逆浸透により濃
度5g/lのNaCl水溶液を処理したところ、塩の除去
率99.4%であり、流速は31l/m2日 であった。
【0092】実施例3 イ.ポリアリールエーテルスルホンの製造 式
【0093】
【化22】
【0094】で示される反復単位A120モル%、式
【0095】
【化23】
【0096】で示される反復単位A240モル%及び式
【0097】
【化24】
【0098】で示される反復単位A320モル%、及び
【0099】
【化25】
【0100】で示される反復単位B20モル%とからな
る線状ポリアリールエーテルスルホンを実施例1のイ.
と同様にして製造した。ただしモノマー成分としては、
4.4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン25.0g
(0.1モル)、4,4´−ジクロロジフェニルスルホン
28.8g(0.1モル)、p−クロルフェノール20.6
g(0.16モル)を用い、炭酸カリウムは41.4g
(0.3モル)を用いた。
【0101】これに、p−クロルフェノールを加えて1
時間反応させた後、温度を110℃まで下げ、4,4´
ジクロルジフェニルスルホンを加えることによって反応
を行った。
【0102】このようにして得られた線状ポリアリール
エーテルスルホンは淡黄色粒状物であり、その対数粘度
は0.8(0.5gポリマー/100ml・p−クロルフェ
ノール、47℃)であった。
【0103】ロ.スルホン化ポリアリールエーテルスル
ホンの製造 上記のようにして得たポリマーを97重量%濃硫酸を用
いて実施例1のロ.と同様の条件でスルホン化した。た
だし、反応時間は1時間とした。
【0104】このようにして得られた淡黄色粒状のスル
ホン化ポリアリールエーテルスルホンは、対数粘度が
1.6(0.5gポリマー/100ml・N−メチルピロ
リドン、30℃)、イオン交換容量が1.2ミリ当量/g
であった。又、室温における含水率は23重量%であっ
た。
【0105】このスルホン化ポリマーをジメチルスルホ
キシド溶液としてNMRにて分析したところ、上記イ.
の冒頭で示した反復単位A1、A2及びA3のほぼ100
モル%が−SO3Naを有することがわかった。
【0106】ハ.本発明の分離用膜の製造 本発明の分離用膜を実施例1のハ.と同様にして作成し
た。
【0107】得られたフィルムは0.2mmの厚さを有し
ていた。米国特許第3,709,841号に準じて行った
破裂圧は4kg/cm2(破裂時のたわみ6.5mm)であった。
又乾燥時の引張強度は5.3kg/mm2、湿潤時の引張強
度は4.0kg/mm2であった。
【0108】又、上記と同様にして厚さ20μm のフィ
ルムを得、これを用いて80kg/cm2の下で逆浸透によ
り濃度5g/lのNaCl水溶液を処理したところ、塩の
除去率99.4%であり、流速は33l/m2日 であっ
た。
【0109】実施例4 イ.ポリアリールエーテルケトンの製造 式
【0110】
【化26】
【0111】で示される反復単位A80モル%と、式
【0112】
【化27】
【0113】で示される反復単位B20モル%とからな
る線状ポリアリールエーテルケトンを実施例1のイ.と
同様にして製造した。ただしモノマー成分としては、
4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン22.6g(0.
1モル)、4,4´−ジクロロベンゾフェノン26.3g
(0.1モル)、o−クロルフェノール10.3g(0.0
8モル)を用いた。
【0114】このようにして得られた線状ポリアリール
エーテルケトンは淡黄色粒状物であり、その対数粘度は
0.9(0.5gポリマー/100ml・p−クロルフェノ
ール、47℃)であった。
【0115】ロ.スルホン化ポリアリールエーテルケト
ンの製造 上記のようにして得たポリマーを97重量%濃硫酸を用
いて実施例1のロ.と同様の条件でスルホン化した。た
だし、反応時間は1時間とした。
【0116】このようにして得られた淡黄色粒状のスル
ホン化ポリアリールエーテルケトンは、対数粘度が1.
01(0.5gポリマー/100ml・N−メチルピロリ
ドン、30℃)、イオン交換容量が1.1ミリ当量/gで
あった。室温における含水率は20重量%であった。
【0117】このスルホン化ポリマーをジメチルスルホ
キシド溶液としてNMRにて分析したところ、上記イ.
の冒頭で示した反復単位Aのほぼ100モル%が−SO
3Naを有することがわかった。
【0118】ハ.本発明の分離用膜の製造 本発明の分離用膜を実施例1のハ.と同様にして作成し
た。
【0119】得られたフィルムは0.2mmの厚さを有し
ていた。米国特許第3,709,841号に準じて行った
破裂圧は4.2kg/cm2(破裂時のたわみ6.3mm)であ
った。又乾燥時の引張強度は5.3kg/mm2、湿潤時の
引張強度は3.9kg/mm2であった。
【0120】又上記と同様にして厚さ20μm のフィル
ムを得、これを用いて80kg/cm2の下で逆浸透により
濃度5g/lのNaCl水溶液を処理したところ、塩の除
去率99.6%であり、流速は28l/m2日 であっ
た。
【0121】比較例2 式
【0122】
【化28】
【0123】で示される反復単位80モル%、式
【0124】
【化29】
【0125】で示される反復単位20モル%よりなるポ
リアリールエーテルケトンを用いたほかは実施例4の
ロ.と同様の条件でスルホン化を行った。
【0126】このようにして得られたスルホン化ポリア
リールエーテルケトンは対数粘度が0.6(0.5gポリ
マー/100ml・N−メチルピロリドン、30℃)、イ
オン交換容量が0.8ミリ当量/gであった。又、室温
における含水率は20重量%であった。
【0127】このスルホン化ポリマーをジメチルスルホ
キシドに溶解してNMRにて分析したところ、反復単位
【0128】
【化30】
【0129】の85モル%が−SO3Naを有することが
わかった。
【0130】又、このポリマーを実施例4のハ.と同様
にしてフィルム化した。得られたフィルムは0.2mmの
厚さを有していた。米国特許第3,709,841号に準
じて行った破裂圧は3.8kg/cm2(破裂時のたわみ5.
0mm)であった。又乾燥時の引張強度は4.9kg/mm2
湿潤時の引張強度は3.0kg/mm2であった。
【0131】
【発明の効果】本発明のスルホン化ポリアリールエーテ
ル系ポリマーからなる分離用膜は、従来公知のスルホン
化ポリアリールエーテルスルホンやスルホン化ポリアリ
ールエーテルケトンに比べて、含水状態における膜強度
が大きく、膜寿命が長い等の優れた膜特性を有するの
で、水溶液を取扱う分離用膜として極めて優れた効果を
有するのである。
【0132】本発明のスルホン化ポリアリールエーテル
系ポリマーからなる分離用膜は、特に、特定のスルホン
化ポリアリールエーテル系ポリマーを成形して形成され
ており、このものは同一ポリマー中にnの異なる反復単
位Aが含まれているときは、フレキシビリティーが付与
される結果、分離用膜の膜特性が一段と向上する効果を
有するのである。
【0133】本発明の分離用膜においては、この分離用
膜が成形されるスルホン化ポリアリールエーテル系ポリ
マーの製造にあたって、スルホン化剤として無水硫酸や
クロルスルホン酸といった著しく酸化性の高い試薬を使
用せずに濃硫酸を用いておだやかにスルホン化を行うこ
とができ、しかもその際の反応時間が短いので、重合の
際の危険の防止及び生産性の点で工業的に有利である。
【0134】又、本発明の分離用膜において、この分離
用膜が成形されるポリアリールエーテル系ポリマーが反
復単位Aのはかに反復単位Bを含むときは、スルホン化
により反復単位Aのみがスルホン化され、反復単位Bは
実質上スルホン化されないので、ポリマー中の反復単位
Aと反復単位Bの割合を適宜選ぶことにより、スルホン
化度を任意に調整できる効果を有するのである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 (式中、nは1以上の整数、X1、X2はCO又はSO2
    表す。)で示される反復単位Aを単独で、或いはこの反
    復単位Aと式 【化2】 で示される反復単位Bとを有するポリマーのスルホン化
    物であって、反復単位Bを含むときの反復単位Aと反復
    単位Bとの割合は、反復単位Aが1〜99モル%、反復
    単位Bが99〜1モル%であり、反復単位Aにおける式 【化3】 で表される部位のみがスルホン化されてなり、且つスル
    ホン化度は、得られるスルホン化物が室温において2重
    量%の水を吸収する吸水度から80重量%の水を吸収す
    る吸水度の親水性を有し、更に、ポリマーの縮合度又は
    分子量の指標となる対数粘度は、機械的強度の点からス
    ルホン化後で少なくとも0.2以上(0.5gポリマー
    /100ml・N−メチルピロリドン、30℃)である
    スルホン化ポリアリールエーテル系ポリマーからなるこ
    とを特徴とする分離用膜。
  2. 【請求項2】 同一ポリマー分子中に、n の異なる反復
    単位Aが含まれている請求項1に記載のスルホン化ポリ
    アリールエーテル系ポリマーからなる分離用膜。
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