JPH0767085A - テレビジョン付加信号伝送及び受信装置 - Google Patents

テレビジョン付加信号伝送及び受信装置

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JPH0767085A
JPH0767085A JP5209587A JP20958793A JPH0767085A JP H0767085 A JPH0767085 A JP H0767085A JP 5209587 A JP5209587 A JP 5209587A JP 20958793 A JP20958793 A JP 20958793A JP H0767085 A JPH0767085 A JP H0767085A
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JP
Japan
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signal
carrier
modulated
polarity
multiplexed
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Application number
JP5209587A
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English (en)
Inventor
Seijirou Yasuki
成次郎 安木
Masayuki Ishida
昌之 石田
Yoshio Yasumoto
吉雄 安本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Nippon Television Network Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Nippon Television Network Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Nippon Television Network Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】現行受信機と両立性を持つ横長画面テレビジョ
ン放送信号の送受信装置において、上下無画部の多重信
号を、再生時にはS/N劣化等の問題を生じることなく
伝送でき、一方現行受信機でこの放送信号を受信した場
合には同期分離等の誤動作を起こさずに、かつ上下無画
部の多重信号による妨害低減を得る。 【構成】送信側の多重信号は、掛算器313、キャリア
発生器317、極性反転回路318により、走査線毎に
極性を反転する色副搬送波と同一の周波数のキャリアで
変調されVSB補償フィルタ315でナイキスト補正を
施し伝送される。受信側では、キャリア発生器418の
キャリアが極性反転回路419で極性が復元され、変調
多重信号は、掛算器415で復調される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、テレビジョン放送信
号に付加信号を加えて送受信する装置に係わり、特にテ
レビジョン付加信号伝送及び受信装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】テレビ画面の横縦比(アスペクト比)は
現行のテレビ放送では4:3が用いられているが、新し
い規格としての高品位テレビ(HDTV)では、日本の
みならず諸外国でも16:9のアスペクト比が採用され
ている。横長の画面を大きな視野角で見れば臨場感が著
しく向上することが知られている。しかしながら、HD
TVでは方式そのものが新規格となるため、現行受信機
ではそのままでは受信できない。そこで、現行方式との
両立性を保ちながら簡便に横長画像を伝送する手段とし
てレターボックス方式が知られている。
【0003】この方式は、図15に示すように現行NT
SC方式で規定される有効走査線480[本/フレー
ム]を持つアスペクト比4:3の画面の中央部360
[本/フレーム]でアスペクト比16:9の横長画面画
像を伝送する方式である。この場合、主画面部では本来
のNTSCで規定された有効走査線の3/4のみを利用
した画像情報しか伝送できないために、垂直解像度も3
/4に劣化せざるを得ない。一方、レターボックス方式
としたテレビジョン信号には、画面の上下に無画部とな
る各々60[本/フレーム]の領域が存在する。そこで
この上下無画部を利用して、主画面部の画像の劣化分を
補償するための付加信号を多重伝送する手法が提案され
ている。しかしながら、この無画部領域に多重伝送され
る付加信号は、現行受信機では利用しない信号であるた
め、現行受信機にとっては単なる雑音と見なされ、現行
受信機への妨害として知覚される可能性がある。
【0004】上記多重信号の重畳レベルを低くすれば、
現行受信機への妨害が低減されるが、一方、この多重信
号を利用する側の横長画面の受信機では、付加信号であ
る補償信号の再生S/Nが低下する問題があり、むやみ
に多重レベルを低く設定できない。また、無画部のセッ
トアップレベルによっても多重信号の見え方は異なり、
一般に黒レベルに近づけた方が見え難くなるため妨害低
減には有効である。しかしながら、NTSC方式ではセ
ットアップレベルが0IREまでしか規定されていない
ために、更に負のレベルまでセットアップを低下させれ
ば受信機の同期分離回路で同期信号と誤判定され、同期
分離回路が誤動作する恐れがある。
【0005】次に、レターボックス方式のシステムとし
て、ライン間差分を上下無画部で伝送する方式(以下L
D方式)をあげ、以下に説明する。LD方式は、順次走
査信号を飛び越し走査信号に変換する際に除去される走
査線と元の前後の走査線との差信号を上下無画部に多重
し、受信機側ではこの差信号を用いて、送り側で除去さ
れた走査線の補償信号を生成し、元の順次走査信号を再
生する方式である。
【0006】図16には、LD方式のエンコーダの従来
例を示している。走査線数525本、フレーム周波数6
0(Hz)、アスペクト比16:9の順次走査信号であ
るR、G、B信号は、それぞれ入力端子101、10
2、103を介してマトリックス回路104に入力され
る。マトリックス回路104ではR、G、B信号をマト
リックス演算して、輝度信号(以下Y信号と記す)、2
つの色差信号(I、Q信号と記す)を生成する。
【0007】Y信号は、垂直低域通過フィルタ(V−L
PF)105で有効走査線480本から360本へレタ
ーボックス形式に変換処理する際に折り返しが生じない
ように、垂直方向へ帯域制限される。垂直低域通過フィ
ルタ105の出力は、走査線数を変換する4→3変換器
106に入力され有効走査線480本から360本へ変
換される。4→3変換器106の出力は、垂直低域通過
フィルタ(V−LPF)107と垂直高域通過フィルタ
(V−HPF)108に入力される。
【0008】垂直低域通過フィルタ107の出力は、飛
越し走査変換器109に入力され、エンコード出力の主
画面部信号となる。また、垂直高域通過フィルタ108
の出力は、飛越し走査変換器110に入力され、飛越し
走査信号に変換される。この飛越し走査信号は、さらに
水平低域通過フィルタ(H−LPF)111により、時
間圧縮後の帯域が現行放送の伝送帯域を越えないように
帯域制限される。水平低域通過フィルタ111の出力
は、時間圧縮回路112に入力され、1/3倍に時間圧
縮される。時間圧縮回路112の出力は、バッファメモ
リ114に入力される。バッファメモリ114の信号が
出力される場合は、360本の時間圧縮した信号の3本
ずつが、伝送する走査線1本の上に並べられ、上下無画
部の120本の走査線に割り振られて出力される。
【0009】一方、I、Q信号は、それぞれ垂直低域通
過フィルタ(V−LPF)117、118に入力され、
飛越し走査変換、4→3変換を行うときに垂直方向に折
り返さないように帯域が制限される。垂直低域通過フィ
ルタ117、118の出力は、それぞれ飛越し走査変換
器119、120に入力され、飛越し走査信号に変換さ
れた後、4→3変換器121、122に入力され、ここ
でフィールド内の走査線変換が行われ有効走査線数36
0本の飛越し走査信号に変換される。4→3変換器12
1、122の出力は、水平低域通過フィルタ(H−LP
F)123、124で現行放送フォーマットの帯域に帯
域制限され、次にそれぞれ乗算器125、126に入力
され、でキャリア周波数fsc(455/2fh:fh
は水平走査周波数)で変調される。乗算器125、12
6の出力は、加算器127で加算され主画面信号に多重
される色信号Cとなる。
【0010】飛越し走査変換器109出力と、加算器1
27出力は、それぞれバッファメモリ113、128に
入力され、遅延調整を施される。バッファメモリ11
3、128の出力は、加算器115に入力され、主画面
部のコンポジット信号として出力される。加算器115
の出力(主画面部信号)とバッファメモリ114の出力
(上下無画部信号)は、セレクタ116で主画面部と上
下無画部のタイミングで選択導出され、走査線数525
本の飛越し走査信号として出力される。このエンコーダ
出力が、レターボックス形式の信号である。
【0011】また、先の順次走査信号から分離された、
水平同期信号H、垂直同期信号Vは、制御信号発生部1
29に入力され、キャリア周波数fscの正弦波、余弦
波およびバッファメモリ113、114、128への制
御信号a・b・c及びセレクト信号dを発生する。
【0012】図17は、デコーダの構成を示している。
先に述べたエンコード信号は、入力端子200を介して
輝度信号と色信号を分離するY/C分離回路201に入
力され、輝度信号Yと色信号Cとに分離される。分離さ
れたY信号は、バッファメモリ202で遅延調整された
後、順次走査変換器203に入力される。順次走査変換
器203では、飛越し走査信号から順次走査信号への変
換を行う。順次走査変換器203の出力は、垂直低域通
過フィルタ(V−LPF)204に入力され、その垂直
低域成分が抜き出される。
【0013】また、入力エンコード信号は、バッファメ
モリ205に入力される。バッファメモリ205では、
上下無画部に多重されている多重信号がフレーム周波数
30(Hz)の飛越し走査信号に並び変えられる。バッ
ファメモリ205の出力は、時間伸張回路206に入力
され、3倍に時間伸張され元の補償信号として再生され
る。時間伸張回路206の出力は、順次走査変換器20
7に入力され、順次走査信号に変換された後、垂直高域
通過フィルタ(V−HPF)208で垂直高域成分が再
生される。ここで、垂直低域通過フィルタ204と垂直
高域通過フィルタ208の出力は、加算器209で合成
され、有効走査線数360本の広帯域の信号として再生
される。加算器209の出力は、走査線数を変換する3
→4変換器211に入力され、元の有効走査線数480
本の順次走査信号に再生される。
【0014】一方、Y/C分離部201から得られた色
信号は、乗算器212、213に入力され、それぞれキ
ャリア周波数fscの正弦波・余弦波による乗算がなさ
れ、それぞれI、Q信号として復調される。
【0015】次に、乗算器212、213から出力され
たI、Q信号は、それぞれ水平低域通過フィルタ21
4、215に入力され、各成分の高調波を除去される。
水平低域通過フィルタ214、215の出力は、それぞ
れ3→4変換器216、217に入力され、有効走査線
数480本の信号に変換される。3→4変換器216、
217の出力は、それぞれ順次走査変換器218、21
9に入力され、フレーム周波数60(Hz)の順次走査
信号に変換される。順次走査変換器218、219から
出力されたI、Q信号は、それぞれバッファメモリ22
0、221に入力され、3→4変換器211からのY信
号との時間合わせのために遅延調整されて出力される。
各Y、I、Q信号は、マトリクス回路222に入力され
R、G、Bのコンポーネント信号に変換されて出力され
る。
【0016】ここで、同期再生回路224は、入力エン
コード信号から水平及び垂直同期信号H、Vを再生し、
また2フレーム基準信号を作成している。fsc再生部
225は、入力エンコード信号と2フレーム基準同期信
号をもとに先のキャリア周波数fscの正弦波、余弦波
を発生している。制御信号発生部226は、水平、垂直
同期信号を用いてメモリ制御信号e、f、g、hを作成
しており、バッファメモリ202、205、220、2
21を制御している。
【0017】上記の方式によれば、エンコード信号の上
下無画部の120本に多重されている信号は垂直高域成
分で、尚且つ水平低域成分の補償信号であり、この補償
信号は時間方向に圧縮処理され多重されてるエネルギー
的には視覚的に大きい成分となる。このため、現行受信
機では視覚的な妨害として検知されやすい問題が有る。
しかし、妨害低減のためのレベル減衰処理を行なうと今
度は、補償信号を必要とする受信機において再生を行う
場合にS/N劣化となり、再生デコード画像の劣化につ
ながる。この結果、補償信号に対するこのようなレベル
低減処理を行なうことは事実上むずかしい。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述したように現行方
式と両立性を保つレターボックス方式の放送において
は、画像補強用信号を無画部に多重するが、無画部の多
重信号は現行受信機への妨害として知覚される可能性が
あるために、知覚され難く工夫する必要がある。妨害低
減のためには多重信号のレベルを低くするのが直接的に
有効であるが、補強用信号を必要とする受信機におい
て、再生した場合、S/Nが低下する問題が発生する。
また、セットアップレベルを下げれば妨害低減には有効
であるが、受信機の同期分離誤動作の恐れがある。
【0019】そこでこの発明は、現行受信機と両立性を
持つ横長画面テレビジョン放送信号の送受信装置におい
て、上下無画部の多重信号を、再生時にはS/N劣化等
の問題を生じることなく伝送でき、一方、現行受信機で
この放送信号を受信した場合には同期分離等の誤動作を
起こさずに、かつ上下無画部の多重信号による妨害低減
を得ることができるテレビジョン付加信号伝送及び受信
装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明では、送信側で
付加信号(例えば垂直補強信号)を色副搬送波と同一の
周波数を持つ副搬送波で変調し、ナイキスト補正を施
し、走査線毎に極性が反転した多重信号として伝送する
手段を有し、受信側では、再生色副搬送波から再生搬送
波を生成し、多重信号を走査線毎に極性を反転させて復
調して、前記垂直補強信号を再生する手段を有するもの
である。
【0021】
【作用】上記の手段によると次のような作用を得る。テ
レビジョン画像信号は周波数領域上、3次元の成分を持
つが、統計的性質として各成分ともに低域に大きなエネ
ルギーを有すると見れる。垂直補強信号は基本的に垂直
高域成分であるので、水平低域かつ垂直高域に最もエネ
ルギーが集中して発生する。色副搬送波と同一の周波数
を持つ副搬送波で変調することで、補強信号が水平方向
に周波数シフトされ、エネルギーの集中する水平低域成
分が水平高域成分に変換される。視覚特性上、高域成分
は視感度が低下するために妨害として検知され難くな
る。また、最もエネルギーの大きな搬送波周波数の部分
がナイキスト補正により1/2に低下するために、妨害
低減に極めて有効である。NTSC方式の色副搬送波は
本来色信号を多重伝送する場合に白黒テレビへの妨害低
減を目的として決定されており、水平同期周波数の半整
数倍に設定されている。従って、垂直方向にみると副搬
送波の位相は走査線毎に位相が反転している。このた
め、垂直補強信号を色副搬送波でそのまま変調すると、
垂直高域にエネルギーが集中している信号が視感度の高
い垂直低域に周波数シフトされ、妨害が検知され易くな
る。しかし、走査線毎に極性を反転させることにより、
変調信号は元の垂直補強信号と同様に垂直高域にエネル
ギーが集中し、妨害が検知され難くなる。このように伝
送された信号を受信する受信側では色副搬送波を再生
し、走査線毎に極性を反転させて伝送されてきた信号に
位相のあった副搬送波に生成し、変調信号を同期復調し
て補強信号を再生することができる。
【0022】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。図1はこの発明に係わるエンコーダであり、図
2は同デコーダである。送信側のエンコーダ及び受信側
のデコーダの基本的な構成は、図16及び図17で説明
した構成と大部分が同じであり、同一部には同一符号を
付して、異なる部分を説明することにする。
【0023】エンコーダにおいて、図16の構成と異な
る部分は、バッファメモリ114から出力された信号の
系路にVSB変調部301が設けられている点であり、
デコーダにおいて図17の構成と異なる部分は、入力エ
ンコーダ信号がバッファメモリ205に入力される系路
にVSB復調部401が設けられている点である。
【0024】図3(A)に、エンコーダ側のVSB変調
部301を示している。入力端子311を介して図1の
バッファメモリ114からの出力信号が入力される。入
力された信号は低域通過フィルタ(LPF)312に入
力され帯域が制限される。このとき低域通過フィルタ3
12のカットオフ周波数は少なくとも3.58MHz以
下に設定されている。低域通過フィルタ312の出力
は、掛算器313の一方の入力端子に入力される。掛算
器313の他方の入力端子には変調のためのキャリアが
入力されており、掛算器313の出力は、高域に周波数
シフトされた信号となっていいる。掛算器313の出力
は、係数器314のより係数倍されVSB補償フィルタ
315に入力される。VSB補償フィルタ315の出力
は、スイッチ316に入力されタイミング信号mにより
切り替えられ出力端子321より出力される。タイミン
グ信号mは、制御信号発生部129より供給される。
【0025】次に掛算器313の他方の入力端子に供給
されるキャリア発生手段について説明をする。このキャ
リア発生手段は、色副搬送波をライン毎に極性反転させ
て変調信号の伝送帯域を設定している。図1に示す制御
信号発生部129より出力されるfscで変調されたc
os波、sin波信号がキャリア発生器317に入力さ
れる。キャリア発生器317の出力キャリアは、極性反
転回路318により極性をライン毎に反転される。極性
反転されたキャリアは、係数器319に入力され掛算器
313に入力される。一方、図1に示す制御信号発生器
129より出力される制御信号lは基準信号発生器32
0に入力される。基準信号発生器320の出力は、極性
反転回路318に入力され極性の反転タイミングの制御
を行う。また、基準信号発生器320の一方の出力はス
イッチ316に入力され、変調された信号と時分割で多
重される。ここで、スイッチ316は図1に示す制御信
号発生部129より出力される制御信号mにより制御さ
れる。
【0026】図3(B)は上記エンコーダに対応したデ
コーダとしてのVSB復調部401である。入力端子4
11には図2に示す入力端子200よりエンコード信号
が入力される。入力されたエンコード信号はスイッチ4
12に入力される。スイッチ412は、図2に示す制御
信号発生部226より出力される制御信号nにより制御
され、変調された信号は、係数器413へ、多重された
基準信号は基準信号抽出回路417へ供給される。スイ
ッチ412の一方の出力信号は係数器413に入力され
係数倍される。係数器413の出力は、掛算器415に
入力され復調が行われる。復調された信号は次に低域通
過フィルタ(LPF)416に入力され、掛け算によっ
て生じる余分な高域成分を除去され、出力端子421か
ら復調信号として出力される。またスイッチ412の他
方の出力信号は、基準信号抽出回路417に入力され
る。図2に示す制御信号発生より出力されるcos波、
sin波信号は、キャリア発生器418に入力され、復
調のためのキャリアが生成される。生成されたキャリア
は、極性反転回路419に入力される。ここで極性反転
は基準信号抽出回路417より出力される信号により反
転タイミングが制御され、ラインごとの反転が行われ
る。ライン毎に極性が反転されたキャリアは、係数器4
20により係数倍され、掛算器415に入力される。
【0027】以上がデコーダ側の動作説明であるが、次
に各部分の動作について更に詳しく説明を行う。図4
(A)にVSB補償フィルタ315の構成を示す。VS
B補償フィルタ315は、変調された上下無画部の多重
信号をスペクトル整形する。入力端子501より変調さ
れた上下無画部の多重信号が入力される。入力された信
号は単位遅延素子502から505により所定単位時間
づつ遅延される。それぞれ遅延された信号は係数器50
6から509によりそれぞれ係数倍され、加算器510
に入力される。加算器510の出力は出力端子511よ
り出力される。これはいわゆるFIR型のデジタルフィ
ルタであり、係数506から509に所定の係数を与え
ることにより、所望の周波数特性を実現することができ
る。ここでは、図4(B)の特性512に示すようにキ
ャリア周波数で対称となるいわゆるナイキスト特性のフ
ィルタに設定する。
【0028】次に図5を参照して、上記フィルタ特性を
考慮し変調、復調の動作を説明する。同図の説明では簡
単のためキャリアはcos波のみを使用した場合につい
て説明するが、実際にはsin波を用い,cos波とs
in波を合成したキャリアを用いることも可能である。
図5に示す601は、図3(A)に示す低域通過フィル
タ312の出力信号のスペクトルである。低域通過フィ
ルタ312により信号帯域は3.58MHzに制限さて
いる。次に、掛算器313によりキャリアで変調された
信号のスペクトルを602に示す。キャリア周波数3.
58MHzを中心としてDSB波となっている。ここで
振幅はキャリア側にかかる係数Bと変調波にかかる係数
AによりAB倍に増幅されている。次に、VSB補償フ
ィルタ315により、スペクトル整形が行われ、図5の
603に示すようにVSB波となる。このスペクトル整
形された信号が伝送され、受信側では同じ周波数のキャ
リアにより復調が行われる。図中のfh(t)は、ベー
スバンド信号f(t)のヒルベルト変換信号を示す。
【0029】次に受信側の処理を説明する。図6の60
3に示すVSB波が図3(B)に示す入力端子411に
入力される。入力された信号は、係数器413によりA
´倍にされた後、掛算器415に入力され復調が行われ
る。復調した信号のスペクトルを図5の604に示す。
伝送されてくる信号は、あらかじめVSB補償フィルタ
315によりスペクトル整形されているため、図5の6
04に示すように復調後は平坦なスペクトルとなる。こ
こでキャリアは係数器420によりB´倍されているた
め、デコーダ側ではA´B´倍に振幅が増幅されてい
る。掛算器415の出力信号は、高域に余分な信号を含
んでいるため、次の低域通過フィルタ416により、不
要成分の除去を行い、最終的な復調信号を得る。最終的
な復調信号は図5の605に示す。低域通過フィルタ4
16は、少なくとも3.58MHz以上の成分を除去す
るように設定されているため、復調信号は高域に生じる
余分な成分が除去されている。最終的な復調信号の振幅
はABA´B´倍となっているため、ABA´B´=1
となるように設定すればデコーダ側で上下無画部の多重
信号が正しく得られる。ここで変調した多重信号のレベ
ルが大きいと、ノイズに対して強くなるが、現行受像機
への妨害が低減できない。逆に、変調した多重信号レベ
ルを小さくすると、現行受像機への妨害を低減できる
が、ノイズに対して弱くなる。本発明では、送受信側
に、係数を用いて柔軟にレベルを設定することができ
る。
【0030】以上変調、復調動作を説明したが、次にキ
ャリア位相を反転する制御について説明する。図6
(A)に示すように色副搬送波fscはライン毎に位相
が反転している。上下無画部の多重信号をfscで変調
して多重伝送することはもちろん可能であるが、fsc
で単純に変調して伝送すると、現行受像機でエンコード
信号を受信したときに色信号として再生してしまうた
め、上下無画部に色がついてしまい、妨害となりやす
い。また、上下無画部で伝送する多重信号は垂直の高域
成分となっているため、fscで変調すると垂直の低域
へシフトされるため、やはり現行受像機での妨害とな
る。したがって、図6(B)に示すようにライン毎にf
scを反転させライン毎に位相がそろったキャリアによ
って変調を行うことで、現行受像機への妨害を大幅に低
減することができる。また、スぺクトル整形を行うVS
B補償フィルタによりキャリア近傍の成分のレベルを下
げることで、現行受像機で妨害になりやすいエネルギー
の大き成分を低減することができる。このように、本発
明にかかわる伝送方式では上下無画部の多重信号が現行
受像機で受信したときに生じる妨害を大幅に低減してい
る。
【0031】次に、上述したライン毎に極性を反転する
キャリアの生成について説明を行うことにする。図7で
は、この発明に係わる変調、復調キャリアの位相関係
と、その位相を決める基準信号について説明する。図7
(A)にテレビ信号を示す。第1フィールドと第2フィ
ールドが交互に伝送されている。テレビ信号では、色副
搬送波は図7(B)に示すように1フレーム毎に反転し
た位相関係となる。この発明では、ライン毎に極性が反
転したキャリアを用いるため、図7(C)に示すように
フレーム毎に位相が揃うことになる。受信側では伝送さ
れてくる色副搬送波fscの位相をバースト信号から正
確に決定することができるため、この発明で用いるライ
ン毎に極性を反転したキャリアは、図7(D)に示す極
性反転パルスを用いることにより実現できる。したがっ
て、受信側では、テレビ信号に多重されてくる2フレー
ム毎に基準となる信号Ref1、Ref2を基に、図7
(E)に示す2フレーム周期の制御信号を生成すること
で、デコーダ側のキャリア位相を決定することができ
る。このような、基準信号は、EDTV放送開始時に多
重される識別信号に付加することで容易に実現すること
ができる。また、現在映像信号が1/2ライン分しか乗
っていないため、有効に使われていない263ラインに
2フレーム毎に所定のフォーマットの信号を多重するこ
とでも可能である。
【0032】図8(A)には、VSB変調器の第2の実
施例を示している。第1の実施例との違いはライン毎に
極性を反転する極性反転回路308がキャリアを反転す
るのではなく、上下無画部の多重信号を反転するように
した点である。それぞれの構成回路は第1の実施例とま
ったく同様の動作をする。よって、図3の実施例におけ
る各回路と対応する部分には同一符号を付している。こ
のように、多重信号の極性を反転しても、前述の現行受
信機に対する妨害に対して同様に低減することができ
る。図8(B)は、第2の実施例のデコーダの関するも
のである、極性反転回路419は、キャリアの極性を反
転を行わず、変調されて伝送されてくる多重信号の極性
を反転するように設けられている。他の構成は、図3
(A)の構成と同じである。
【0033】図9(A)VSB変調器の第3の実施例を
示している。この実施例では、多重信号の極性を反転し
ている。この実施例においても、それぞれの構成回路の
動作は第1の実施例とまったく同様である。よって、図
3の実施例における各回路と対応する部分には同一符号
を付している。図9(B)は、上記エンコーダに対する
デコーダの実施例を示している。復調を行った信号に対
して極性反転回路419による極性反転を行っている。
【0034】図10には、デコーダ側の第4の実施例を
示す。図3に示す第1の実施例との違いは、係数器41
3と掛算器415の間に低域通過フィルタ(LPF)4
14が挿入されているところである。係数器413の出
力信号は低域通過フィルタ414に入力され帯域制限さ
れた後、復調される。この低域通過フィルタ414の効
果について図11を用いて説明する。
【0035】図11(A)に変調された上下無画部の多
重信号を示す。伝送系でN1に示すノイズが重畳された
場合、その復調スペクトルは、図11(B)に示すよう
になる。ここで、伝送系で重畳されるノイズはフラット
であると復調後のスペクトルはN2に示すようにDSB
波となった部分が2倍にレベルが増加する。従って、上
下無画部の多重信号の低域のノイズ成分が増加するため
好ましくない。図10に示した低域通過フィルタ141
は、このノイズ成分をあらかじめ除去するために挿入さ
れている。送信側でVSB補正フィルタでスペクトル整
形された信号は、キャリアを中心として急峻にナイキス
ト整形されて伝送されてくるとする。更に、伝送系でノ
イズが重畳されたとすると、低域通過フィルタ414の
出力は図11(C)に示すスペクトルとなる。ここで、
低域通過フィルタ414はナイキストされた部分をその
まま通過させ、ノイズ成分をN3に示すように低減し除
去するように設定されている。この図11(C)に示す
信号を復調すると、図11(D)に示すようにノイズの
低域成分の帯域をN4に示すように狭くすることができ
る。従って、低域通過フィルタ414により上下無画部
の低域に生じるノイズ成分を大幅に低減することができ
る。
【0036】図12には、基準信号の第2の実施例を示
す。図7で説明した実施例では、2フレームに1度の基
準信号を挿入することで受信側のライン反転位相を決定
したが、本実施例では、バースト信号を多重し、復調の
ためのキャリア位相を直接復調できるようにする。つま
り、ライン毎に極性が反転する復調キャリアの位相を、
多重されたバースト信号と位相比較し位相を決定するの
である。このバースト信号は、やはり垂直同期期間毎、
あるいはその数倍の周期毎に多重すればよい。一旦、位
相が決定されれば、デコーダ側ではキャリアをライン毎
に自動的に極性反転することで、復調を行うことができ
る。
【0037】図13には、第2のエンコーダの全体図を
示している。図1に示すエンコーダと異なる部分は、基
準信号発生器302が追加されているところである。他
の部分は図3のエンコーダと同じであるから同一符号を
付している。この、基準信号発生器302は、図3に示
す基準信号発生器320と同様の動作をする。
【0038】基準信号発生器302は、VSB変調部3
03をコントロールする制御信号と、基準信号を出力す
る。スイッチ304は、一方の入力端子にスイッチ11
6からの信号が供給され、他方の入力端子に基準信号発
生器302からの基準信号が供給されており、制御信号
mにより時分割で制御され、ビデオ信号に基準信号を多
重して出力する。
【0039】図14は、上記VSB変調部303の詳細
を示している。図3と同一部分には同一の符号を付して
いる。基準信号発生器302からの制御信号は、極性反
転回路318の制御端子に入力される。この制御信号に
よりキャリアはライン毎に極性反転される。
【0040】なおこの発明は、上下無画部において伝送
する信号を垂直補強信号としているがこれに限らず各種
の付加信号を伝送する場合にも適用できることはもちろ
んである。
【0041】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
ライン毎にfscの極性を反転したキャリアを用いるた
め、受信側でのキャリア位相の再生を容易に行うことが
できる。また、キャリアの位相がライン毎にそろうた
め、現行受像機で受信したときに色信号として再生され
にくく、かつ上下無画部で伝送する多重信号が垂直の高
域成分のままとなるため、現行受像機への妨害を大幅に
低減することができる。さらに送信側でVSB補償を行
うためエネルギーの大きいキャリア近傍の成分のレベル
を下げることができ、現行受像機での妨害を低減するこ
とができる。また受信側では、復調時に特別なVSB復
調のためのフィルタを必要としないため、デコーダのハ
ードウエア規模を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るエンコーダを示す
図。
【図2】この発明の一実施例に係るデコーダを示す図。
【図3】図1及び図2に示したVSB変調部及びVSB
復調部を示す図。
【図4】図3に示したVSB補償フィルタの構成と特性
を示す図。
【図5】VSB変調及び復調動作を説明するために示し
たスペクトル図。
【図6】図3のキャリア発生器の出力キャリアの説明
図。
【図7】図3のVSB変調部の動作を説明するために示
した信号波形図。
【図8】VSB変調部及びVSB復調部の他の例を示す
図。
【図9】VSB変調部及びVSB復調部のさらに他の例
を示す図。
【図10】VSB変調部のさらにまた他の例を示す図。
【図11】図10のVSB変調部の動作を説明するため
に示したスペクトル図。
【図12】VSB変調及び復調に用いられる基準信号の
他の例を示す図。
【図13】この発明の他の実施例に係るエンコーダの他
の例を示す図。
【図14】図13のVSB変調部の構成を示す図。
【図15】レターボックス方式による画面の説明図。
【図16】従来のエンコーダを示す図。
【図17】従来のデコーダを示す図。
【符号の説明】
104…マトリックス回路、105…垂直低域通過フィ
ルタ(V−LPF)、106…4→3変換器、107…
垂直低域通過フィルタ、108…垂直高域通過フィル
タ、109、110…飛越し走査変換器、111…水平
低域通過フィルタ、112…時間圧縮回路、113、1
14…バッファメモリ、115…加算器、116…セレ
クタ、117、118…垂直低域通過フィルタ(V−L
PF)、119、120…飛越し走査変換器、121、
122…4→3変換器、123、124…水平低域通過
フィルタ(H−LPF)、125、126…乗算器、1
27…加算器、128…バッファメモリ、201…Y/
C分離部、202、205…バッファメモリ、203、
207…順次走査変換器、204、208…垂直低域通
過フィルタ(V−LPF)、206…時間伸張回路、2
09…加算器、211…3→4変換器、212、213
…乗算器、214、215…水平低域通過フィルタ(H
−LPF)、216、217…3→4変換器、218、
219…順次走査変換器、220、221…バッファメ
モリ、222…マトリックス回路、224…同期再生
部、225…fsc再生部、226…制御信号発生部、
301…VSB変調部、401…VSB復調部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 昌之 東京都千代田区二番町14番地 日本テレビ 放送網株式会社内 (72)発明者 安本 吉雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画面の中央にはテレビジョン信号の主画面
    部を対応させて、画面の上下無画部には付加信号を多重
    して伝送する伝送装置において、 前記付加信号を色副搬送波周波数を持つ搬送波で残留側
    波帯変調して変調信号を得て、この変調信号をナイキス
    トスペクトル整形して出力する変調手段と、 前記付加信号または搬送波または変調信号のいずれか1
    つを走査線毎に極性を反転させて前記変調信号の伝送帯
    域を設定する帯域設定手段とを具備することを特徴とす
    るテレビジョン付加信号伝送装置。
  2. 【請求項2】付加信号が色副搬送波周波数を持つ搬送波
    で残留側波帯変調及びナイキストスペクトル整形されて
    変調信号とされ、かつ前記付加信号または前記搬送波ま
    たは前記変調信号のいずれか1つが走査線毎に極性を反
    転されて前記変調信号の伝送帯域が設定され、さらにテ
    レビジョン信号の画面の上下無画部に対応した部分に多
    重されて伝送される前記変調信号を受信する受信手段
    と、 色副搬送波周波数を持つ再生搬送波を再生する搬送波発
    生手段と、 前記上下無画部に多重されてきた変調信号を前記再生搬
    送波で同期検波により復調して復調信号を得る復調手段
    と、 最終復調出力が元の付加信号に再現されるように、前記
    変調信号または再生搬送波または復調信号のいずれかを
    走査線毎に極性反転する手段とを具備したことを特徴と
    するテレビジョン付加信号受信装置。
  3. 【請求項3】前記搬送波の位相情報または色副搬送波と
    水平・垂直同期信号との位相関係を示す情報を前記テレ
    ビジョン信号に別途多重して伝送する基準信号伝送手段
    を有したことを特徴とする請求項1記載のテレビジョン
    付加信号伝送装置。
  4. 【請求項4】付加信号が色副搬送波周波数を持つ搬送波
    で残留側波帯変調及びナイキストスペクトル整形されて
    変調信号とされ、かつ前記付加信号または前記搬送波ま
    たは前記変調信号のいずれか1つが走査線毎に極性を反
    転されて前記変調信号の伝送帯域が設定され、さらにテ
    レビジョン信号の画面の上下無画部に対応した部分に多
    重されて伝送くる前記変調信号を受信するとともに、前
    記搬送波の位相情報または色副搬送波と水平・垂直同期
    信号との位相関係を示す情報を受信する受信手段と、 色副搬送波周波数を持つ搬送波を再生する搬送波発生手
    段と、 前記上下無画部に多重されてきた変調信号を前記搬送波
    で同期検波により復調して復調信号を得る復調手段と、 最終復調出力が元の付加信号に再現されるように、搬送
    波の位相情報または色副搬送波と水平・垂直同期信号と
    の位相関係を示す情報を基準として、前記変調信号また
    は搬送波または復調信号のいずれかを走査線毎に極性反
    転する手段とを具備したことを特徴とするテレビジョン
    付加信号受信装置。
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