JPH0765835B2 - 横型クライオスタット - Google Patents
横型クライオスタットInfo
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Description
定プローブや、その他各種の極低温測定器具や半導体等
の素子、あるいは金属材料等の各種材料を極低温に冷却
・保持するためのクライオスタットに関するものであ
る。
状態で生じるトンネル効果、すなわち所謂ジョセフソン
効果を利用して、極めて微弱な磁場の磁束密度、例えば
生体の脳から発生する脳磁波や心臓から発生する心磁
波、そのほか岩石磁気、地磁気の微弱な乱れなどを測定
することが可能なSQUID(Superconducting Quatum
Interference Device)磁束計が開発されている。この
SQUID磁束計は、絶対零度に近い10K以下の極低
温での超伝導状態のジョセフソン効果を利用しているか
ら、その測定プローブ部分すなわちSQUID素子本体
とその素子本体に接続される検知コイルを10K以下の
極低温に冷却保持しておく必要がある。そこで一般には
クライオスタットと称される真空断熱容器を用いて、液
体ヘリウムによってSQUID磁束計の測定プローブを
冷却保持することが行なわれている。
って、半導体や金属材料、非金属材料等の各種材料や各
種素子などの試料の低温特性や低温挙動を調べるため、
低温での測定や低温実験を行なう機会が増加しつつあ
り、このような場合においても、液体ヘリウムや液体窒
素などの低温液化ガスによって試料を低温に冷却保持す
る必要があり、このような目的でも前述のようなクライ
オスタットが広く用いられている。
べき対象物(SQUID磁束計の測定プローブを含む)
を低温液化ガス中に直接浸漬させることによって対象物
を直接冷却する浸漬型のものと、冷却すべき対象物を低
温液化ガス中に直接浸漬せず、熱伝導によって間接的に
冷却する熱伝導型のものとに大別される。後者の熱伝導
型のクライオスタットは、間接冷却方式であるため、外
部からの熱侵入や冷却対象物の発熱等に起因して、冷却
対象物を低温液化ガスの温度と同等の低温まで冷却する
ことが困難な場合が多く、したがって温度マージンを考
慮すれば、前者の浸漬型クライオスタットが有利とな
る。
としては、図13に示すように垂直な軸線Oを中心とす
る円筒状に作られた槽本体1を内外2重壁構造に作り、
その外壁2と内壁3との間を真空断熱層4とし、槽本体
1の上部の開口部1Aに、上方から着脱可能に蓋体5を
挿入して、槽本体1の内部の冷却室7内に冷却対象物8
を配設するとともに、冷却室7内に液体ヘリウム等の低
温液化ガス9を注入するように構成とされている。なお
槽本体1の開口部1Aと蓋体5との間の隙間Gは、その
上端部分(蓋体5の上端フランジ部と開口部1Aの上端
面との間の部分)においてOリング等のシール部材6に
よりシールされるのが通常であり、そのシール部材6に
よるシール位置までは冷却室7で蒸発した低温のガスが
下端側から隙間G内に侵入するようにして、蓋体5を冷
却するとともに、隙間Gにおける冷却室7の側の端部か
らシール位置までの距離Lを大きくして、蓋体5上部の
高温部分から冷却室7に至るまでの温度勾配を小さくす
るのが通常である。
漬型クライオスタットは、一般に垂直な軸線を中心とす
る円筒状の冷却槽本体を用い、縦長の形状、すなわち縦
型に作られているのが一般的である。
スタットでは、使用目的、使用態様によっては好ましく
ないことがあった。すなわち、従来の縦型の浸漬型クラ
イオスタットにおいては、全体的に縦型であるに加え
て、前述のような冷却槽本体の開口部と蓋体との間の隙
間Gの長さLを大きくする必要があることから、全高さ
が大きくならざるを得ず、そのため高さの低い空間、特
に横長の空間に設置するには制約があった。
を例えばSQUID磁束計の測定プローブの冷却保持に
適用する場合、測定プローブは外部の磁気発生源に可及
的に近接する必要があるため、測定プローブは冷却室の
底面に設置するのが通常であるが、そのように冷却室の
底面に測定プローブを設置した場合、測定時には冷却槽
本体を磁気発生源の上方に配置して、冷却槽本体の底面
を磁気発生源の上面に近接させる必要がある。ところが
実際の測定時においては、磁気発生源の上面側からのみ
ならず、側面側から測定したい場合も多く、このような
場合には前述のような縦型のクライオスタットでは実際
上測定が困難であった。もちろん縦型クライオスタット
の冷却室内の側面側に測定プローブを配設した構成とす
ることも考えられるが、この場合冷却槽本体の側面側の
部分を垂直な平面状に構成しなければならず、この場合
冷却槽本体は単純な円筒形状ではなくなるため、製造上
の大幅なコストアップを招かざるを得ず、また強度面で
の制約も生じざるを得ない。また上述のように従来の縦
型のクライオスタットにおいて測定プローブを冷却室内
の側面側の部分に配置した場合、その測定プローブの取
付位置と開口部、蓋体との位置関係から、測定プローブ
の取付け取外しを簡単に行ない得なくなることが多く、
したがってこのような構成を実際に適用することは困難
であった。なおSQUID磁束計に限らず、冷却槽本体
の外側の種々の物体の状況を冷却室内の測定用素子によ
って測定したりする場合には、従来の縦型のクライオス
タットでは上記と同様な問題があった。
たもので、基本的にはクライオスタットを横長構造とし
て高さの低い空間にも設置可能となし、同時に大幅なコ
スト上昇や強度面の制約を招くことなく、冷却室内の垂
直平面部分にSQUID磁束計の測定プローブなどの冷
却対象物を配置するように構成して、外部の磁気発生源
などの外部物体に対して水平方向側方からクライオスタ
ット内の冷却対象物を接近させることが可能となるよう
にするとともに、冷却対象物の着脱も容易に行なえるよ
うにしたクライオスタットを提供することを目的とする
ものである。
スタットは、基本的には、内側に冷却室を有しかつ内外
2重壁構造に作られてその内壁と外壁との間に真空断熱
層を有する構成とされた冷却槽本体が、全体として水平
な軸線を中心とする横長な有底筒体状に作られ、かつそ
の冷却槽本体の水平方向の一方側の端部に水平方向へ開
口する開口部が形成され、その開口部には水平方向に沿
って側方から着脱可能に蓋体が取付けられ、その蓋体は
内部に真空断熱層が形成され、また冷却槽本体の開口部
側の周面と蓋体の周面とによって挟まれる隙間もしくは
空間における冷却室に近い側の端部が、環状のシール部
材によって液密にシールされており、さらに蓋体におけ
る冷却室側の側面、もしくは冷却槽本体における蓋体に
対し反対側の垂直平面状をなす垂直壁部の内側面に、冷
却対象物を保持する保持部が形成されていることを特徴
とするものである。
横型クライオスタットにおいて、前記シール部材が、冷
却槽本体および蓋体の材料よりも熱膨張係数が大きい材
料で作られており、かつ冷却槽本体の開口部側における
半径方向外向きの連続外周面をなす冷却室側シール面と
蓋体における半径方向外向きの連続外周面をなす蓋体側
シール面との両シール面を跨いで、前記シール部材が両
シール面を取囲むように構成されたものである。
の横型クライオスタットにおいて、前記蓋体における冷
却室側の側面に、冷却対象物を保持する保持部が設けら
れているものである。
槽本体が水平な軸線を中心とする有底筒体状に作られて
いて、その一方の端部側の開口部に側方から着脱可能に
蓋体が取付けられているから、冷却槽本体の冷却室内に
注入された液体ヘリウムなどの低温液化ガスは、蓋体に
も接することになるが、蓋体は真空断熱層を有している
ため、蓋体側からの侵入熱による冷却室内の低温液化ガ
スの蒸発ロスは抑制される。また冷却槽本体の開口部側
の周面と蓋体の周面とによって挟まれる隙間もしくは空
間は、冷却室に近い側の端部において液密にシールされ
ているため、冷却室内の低温液化ガスがその隙間を通っ
て漏洩することは防止される。但し低温液化ガスの蒸発
により生じた低温のガス(気化ガス)は前記隙間もしく
は空間内に侵入する。この隙間(空間)内の低温の気化
ガスによって蓋体自体が冷却されるばかりでなく、前記
隙間(空間)における外部空間に近い側の端部から冷却
室側の端部までの距離(水平軸線に沿った方向の距離)
によってその隙間(空間)での温度勾配を小さくし、前
記隙間(空間)を通っての外部からの侵入熱を少なくす
ることができる。
り、冷却槽本体の開口部側の周面と蓋体の周面との間の
隙間もしくは空間の距離(水平方向の距離)を大きくし
てもクライオスタット全体の高さは特に高くなることが
ないから、クライオスタット全体の高さが低く、そのた
め高さの低い空間にクライオスタットを容易に収納する
ことができる。
のほか冷却すべき素子や試料(以下これらの測定プロー
ブや素子、試料をこの明細書では“冷却対象物”と総称
することとする)は、冷却槽本体内の冷却室における開
口部と反対側の側面、もしくは蓋体の冷却室側の側面に
保持される。ここで、冷却室における開口部と反対側の
側面、および蓋体の冷却室側の側面は、いずれも垂直な
平面となっており、したがってこれらの面に冷却対象物
を保持させておくことによって、例えばSQUID磁束
計に適用した場合(すなわち冷却対象物がSQUID磁
束計の測定プローブである場合)に、磁気発生源(外部
物体)に対しその側面側からクライオスタットの測定プ
ローブ保持側の垂直平面を近接させて磁気測定を行なう
ことができる。もちろんSQUID磁束計に限らず、そ
の他の場合にもクライオスタットの外側の外部物体に対
して側方からクライオスタットの冷却対象物保持側の垂
直平面を近接させて、測定等を行なうことができる。
対側の側面に冷却対象物を保持させた場合、蓋体を取外
した状態で開口部側から見て保持部は正面に位置してい
るから、手指を挿入したりして容易に冷却対象物の着脱
を行なうことができる。一方、請求項3において規定し
たように蓋体における冷却室側の側面に冷却対象物を保
持させた場合、蓋体の取外しに伴なって保持部が外部へ
露出されるため、冷却対象物の着脱は一層容易となる。
スタットの場合、冷却槽本体の開口部側の周面と蓋体の
周面との間の隙間もしくは空間における冷却室側の端部
を液密にシールするシール部材は、その熱膨張係数が冷
却槽本体、蓋体の材料よりも大きい材料によって作られ
ている。したがってシール部材の内径寸法を、常温では
冷却槽本体の冷却室側シール面、蓋体の蓋体側シール面
に容易に嵌め込み得るような寸法(シール部材を冷却室
側シール面、蓋体側シール面のいずれか一方または双方
にネジ合わせる構造としている場合には、容易にネジ込
み得るような寸法)としていても、クライオスタット使
用時すなわち低温液化ガス収容時には、シール部材が低
温に冷却されることによって冷却室側シール面、蓋体側
シール面より大きく収縮してその内径が小さくなり、そ
の結果シール部材が両シール面に緊密に密着されて、液
密なシールが行なわれることになる。したがってこの場
合には、常温時における蓋体の着脱の容易性と、クライ
オスタット使用時における液密シール性とを容易に両立
させることができる。
型クライオスタットを示す。
FRPあるいはステンレス鋼等によって全体として水平
な軸線を中心とする横長の有底円筒状に作られており、
その壁部11は、内壁11Aおよび外壁11Bからなる
2重壁構造に構成されて、内壁11Aの内側が冷却室1
2とされるとともに、内壁11Aと外壁11Bとの間の
空間が、真空断熱層13とされている。冷却槽本体10
における水平軸線方向の一方の端部側は開口部14とさ
れて、この開口部14に後述する蓋体15が着脱可能に
挿入されており、冷却槽本体10の他方の端部側は、円
筒の底面をなす垂直平面状の垂直壁部16とされてい
る。そしてこの垂直壁部16の下部は水平方向へ突出さ
れ、その突出部が保持部17とされて、その保持部17
に冷却対象物(測定プローブ、あるいは素子、試料等を
含む)18が保持されている。なお冷却槽本体10の内
周面における、蓋体15の先端部位置付近には、内周方
向へ突出する環状突起部26が形成されている。この環
状突起部26については後に改めてシール構造に関連し
て説明する。
Pやステンレス鋼等からなるもので、内部に真空断熱層
20を形成した短円筒状をなす円筒部15Aの端部(冷
却室に対して遠い側の端部)に大径フランジ部15Bを
一体に形成した形状とされており、その大径フランジ部
15Bが冷却槽本体10の開口部14の端面に接し、か
つ円筒部15Aが開口部14内に挿入されている。そし
て蓋体15には、蓋体15を冷却室12まで水平に貫通
する低温液化ガス導入ガイド管22、ガス排気管23、
信号線導入管24が取付けられている。なお信号線導入
管24の外側の端部にはコネクタ24Aが設けられてい
る。
ジ部15Bの周辺部において複数本のビス34によって
冷却槽本体10の開口部側の端面に着脱可能に取付けら
れている。そして蓋体15の円筒部15Aの外周面と冷
却槽本体10の開口部14側の内周面との間の隙間G
は、蓋体15の円筒部15Aの冷却室側の先端面外周縁
部と、前述の冷却槽本体10の内周面の環状突起部26
との間に挟まれる環状をなすシール部材25によって液
密にシールされている。このシール部材25は、その熱
膨張係数が冷却槽本体10の材料、蓋体15の材料より
も大きい材料によって作られたものであり、例えば冷却
槽本体10、蓋体15がエポキシ系樹脂をガラス繊維で
強化したFRP(熱膨張係数約0.3%)で作られてい
る場合、商品名テフロンで知られるフッ素樹脂(熱膨張
係数約1.9%程度)をシール部材25に用いる。この
シール部材25による液密シール構造を拡大して図5に
示す。
0の内周面側の環状突起部26は、その内周部分(突出
先端側の部分)がさらに開口部14へ向って(蓋体15
へ向って)水平方向に延出されて、断面逆L字状となる
ように作られており、その延出部27の内周面が、半径
方向外向きの連続外周面をなす冷却室側シール面28と
されている。一方蓋体15の円筒部15Aの冷却室側の
先端面外周縁部は段差状に切欠かれており、その切欠部
の内側の半径方向外向きの連続外周面は、蓋体側シール
面30とされている。その蓋体側シール面30には雄ネ
ジ31が形成されている。またシール部材25は、前述
のようにフッ素樹脂等からなるものであって、前記冷却
室側シール面28の外周側および蓋体側シール面30の
外周側との両者に跨るような形状に作られている。そし
てシール部材25における冷却室側シール面28に対向
する面が円筒面32とされ、蓋体側シール面30に対向
する部分には雌ネジ33が形成されている。ここで、シ
ール部材25は、常温時には雌ネジ33を蓋体側シール
面30の雄ネジ31に容易にネジ込むことができかつ円
筒面32を冷却室側シール面28に容易に嵌め込むこと
ができる一方、低温時には前述のような熱膨張係数の差
によって蓋体15および冷却槽本体10よりも大きく収
縮して、雌ネジ33が蓋体側シール面30の雄ネジ31
に密着しかつ円筒面32が冷却室側シール面28に密に
接するような内径寸法(雌ネジ33の有効ネジ径、円筒
面32の内径)に定められている。
0の上部に相当する部分には、図1中に示すようにその
環状突起部26を水平に貫通するガス抜孔26Aが形成
されている。
ライオスタットによって冷却対象物18を冷却保持する
にあたっては、蓋体15を冷却槽本体10の開口部14
から取外した状態で、冷却対象物18を冷却槽本体10
の垂直壁部16の下部の保持部17に保持させる。なお
冷却対象物18から延びる図示しない信号線は、予め前
記信号線導入管24を経てコネクタ24Aに接続してお
く。一方蓋体15の円筒部15Aの先端面縁部の蓋体側
シール面30には、予めシール部材25を螺合させてお
く。すなわち予めシール部材25の雌ネジ33を蓋体側
シール面30の雄ネジ31にネジ込んでおく。この作業
は一般に常温で行なわれるから、シール部材25は未だ
収縮しておらず、したがって雄ネジ31に対する雌ネジ
33のネジ込みは容易に行なうことができる。
14に挿入し、ビス34によって蓋体15を冷却槽本体
10に固定する。このとき、シール部材25の円筒面3
2は冷却室側シール面28の外側に嵌め込まれることに
なるが、既に述べたように未だシール部材25は収縮し
ていないため、その嵌め込みは容易に行なうことができ
る。
介して、液体ヘリウム、液体窒素等の低温液化ガス35
を冷却槽本体10の冷却室12内に注入する。このと
き、シール部材25も低温液化ガスの温度に冷却される
ことになり、そのためシール部材15は冷却槽本体1
0、蓋体15の材料との熱膨張係数の差によって、冷却
槽本体10、蓋体15よりも大きく収縮し、その結果シ
ール部材25の円筒面32、雌ネジ33が、冷却槽本体
10の冷却室側シール面28、蓋体15の蓋体側シール
面30の雄ネジ31に緊密に接する状態となり、これに
よって蓋体15と冷却槽本体10の開口部14との間の
隙間Gが、その冷却室側の端部においてシール部材25
により液密にシールされることになる。したがって隙間
Gへの低温液化ガス35の漏出が防止される。但し低温
液化ガス35の蒸発により生じた低温の気化ガスは、環
状突起部26における冷却槽本体上部の位置に形成され
たガス抜孔26Aを通り、シール部材25の外側の隙間
25Aを経て前記隙間G内に流入する。そのため蓋体1
5が隙間Gの側からも冷却されるばかりでなく、隙間G
の室温側端部から冷却室12までの距離によって温度勾
配が形成され、その隙間Gを挟む面での熱伝導による外
部から冷却室12への熱侵入が少なくなり、冷却室12
内での低温液化ガスの蒸発ロスが少なくなる。また蓋体
15は真空断熱されているから、蓋体15自体を通して
の熱侵入も少なくなる。
温液化ガス35が液密にシールされた状態で冷却対象物
18が冷却保持され、冷却対象物18による測定や冷却
対象物18の特性の測定などを行なうことができる。こ
こで、例えば冷却対象物18がSQUID磁束計の測定
プローブであって、人体の脳磁波の測定を行なう場合、
被検者をほぼ水平に寝かせた状態で、側方に向いた被検
者の頭部頂面に保持部17の外面側を近接させることに
よって、水平に寝たままの状態で頭部頂面側からの脳磁
波の測定を行なうことができる。
横型クライオスタットを示す。なお図6、図7の第2実
施例において、図1〜図5に示される第1実施例と同一
の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説
明は省略する。
15の円筒部15Aの外径が冷却槽本体10の開口部1
4の内径よりもある程度小さい径に作られており、これ
によって蓋体15の円筒部15Aの内周面と冷却槽本体
10の開口部14側の外周面との間の部分(図1〜図5
の第1実施例における隙間Gに相当する部分)が、円筒
状の空間40となっている。またこれに伴なって、冷却
槽本体10の内周面に突出する環状突起部26の高さも
第1の実施例の場合よりも高くなっている。但しシール
部材25によるシール構造は第1実施例と同様である。
そしてまた、図6、図7の実施例においては、低温液化
ガス導入ガイド管22、ガス排気管23および信号線導
入管24は、蓋体15の円筒部15Aの外周面と槽本体
10の開口部14側の内周面との間の円筒状空間40に
水平に挿入されている。そして前記環状突起部26にお
ける低温液化ガス導入ガイド管22の先端に対向する位
置には、ガス抜孔26Aが形成されている。またこの実
施例では、冷却槽本体10の端部の垂直壁部16それ自
体に冷却対象物18を保持するための保持部17が形成
されている。すなわち図1〜図5の実施例のように保持
部17は垂直壁部16から突出していない。
施例でも基本的な作用は第1実施例と同様であるが、特
に第2実施例の場合は、前記ガス抜孔26Aを経て円筒
状空間40に流入した低温の気化ガスによって低温液化
ガス導入管22、ガス排気管23、信号線導入管24が
筒状空間40内で低温に冷却され、そのためこれらの管
を介しての外部からの冷却室12への熱侵入を少なくす
ることができる。
ライオスタットを示す。
以外の構成は図6、図7の第2実施例と同様である。こ
の第3実施例では、保持部17は、蓋体15の円筒部1
5Aの端面、すなわち冷却室12側の端面に形成されて
いる。このような図8に示される第3実施例において
は、冷却対象物18の着脱は、蓋体15を冷却槽本体1
0から取外した状態で極めて容易に行なうことができ
る。
ライオスタットを示す。
以外の構成は図8の実施例と同様である。図9の第4実
施例において、蓋体15はその外側の垂直な端面(大径
フランジ部15Bの表面)の中央部分が凹状に引込まれ
て凹部41が形成されている。これに伴なって蓋体15
内部における真空断熱層20の厚み(空間の幅)も図8
の第3実施例の場合より格段に小さくなっている。換言
すれば、冷却室12内の試料保持部17から蓋体15の
外側までの距離が図8の第3実施例よりも格段に小さく
なっている。
仮想線で示しているように外部物体42、例えばSQU
ID磁束計に適用した場合における磁気発生源を、蓋体
15の凹部41内に差し込むことによって、冷却対象物
18から外部物体42までの距離を小さくすることがで
きる。
一部を変更した第5の実施例の横型クライオスタットを
示す。
体10における開口部14の側の内周面と蓋体15の円
筒部15Aの外周面との間の筒状空間40内に、その蓋
体15の円筒部15Aの外周面から冷却槽本体10の水
平中心軸線を螺旋旋回中心とする螺旋状に連続して突出
する突条部44が設けられている。この螺旋状の突条部
44は、その頂面が冷却槽本体10における開口部14
の側の内周面に接するように突出高さが定められてい
る。
突条部44によって筒状空間40が螺旋状に仕切られて
おり、このため、ガス抜孔26Aから流入した低温気化
ガスはその螺旋状の空間をガス流通経路として流れるこ
とになる。したがって液密シール部分から外部(大径フ
ランジ部15B付近)に至るまでのガス流通経路が著し
く長くなり、しかも低温の気化ガスが蓋体15の円筒部
15Aの全周にわたって万遍なく流れることになる。そ
のため蓋体15を均一に冷却することができるととも
に、外部からの侵入熱の経路の温度勾配を一様に小さく
することができる。
筒部15Aの外周面に一体に突設したものとしたが、簡
便には、ポリウレタン樹脂等の断熱性が良好な材料から
なる円筒体の外周面に螺旋状の突条部44を形成してお
き、その円筒体を筒状空間40に挿入しても良い。
空間40に螺旋状の突条部44を設けた構成としている
が、図6、図7に示される第2実施例の筒状空間40、
あるいは図8に示される第3実施例の筒状空間40に螺
旋状突条部44を設けても良いことは勿論である。
実施例の横型クライオスタットを示す。
冷却槽本体10の開口部14をその外側から覆うように
構成されている。すなわち、蓋体15は、垂直平面をな
す側壁部51と、水平な軸線を中心とする円筒壁部52
とを一体に形成したものであって、その側壁部51およ
び円筒壁部52の内部には、連続して真空断熱層20が
形成されている。一方冷却槽本体10の外周上の所定位
置には、半径方向外方へ突出しかつ周方向に連続する環
状突起部53が形成されており、また冷却槽本体10の
開口部14の近くの上部には、半径方向に貫通するガス
抜孔26Aが形成されている。そして蓋体15は、その
円筒壁部52が冷却槽本体10の開口部14の側の外周
面を取囲むように開口部14の側から外挿され、その円
筒壁部52の先端面が複数本のビス54によって冷却槽
本体10の環状突起部53に固定されている。
外周縁には段差状の切欠部55が形成され、一方蓋体1
5における側壁部51の内面側の外周端付近には周方向
に連続する凹部56が形成されており、これらの切欠部
55および凹部56の両者に跨がるように環状のシール
部材25が設けられて、その部分で液密シール部が構成
されている。このシール部材25は、既に第1実施例に
おいて述べたように冷却槽本体10および蓋体15の材
料よりも熱膨張係数が大きい材料によって作られてい
る。そして蓋体15の側壁部51の内面は保持部17と
されて、この部分に冷却対象物18が保持されるように
構成されている。なお低温液化ガス導入管22およびガ
ス排気管23は、冷却槽本体10における開口部14に
対し反対側の垂直壁部16を貫通するように設けられて
いる。そしてこれらの低温液化ガス導入管22およびガ
ス排気管23の冷却室12内への突出部分の外周上は、
冷却槽本体10の周囲の真空断熱層13に連続する真空
断熱層57によって断熱されている。
例においては、蓋体15の円筒壁部52の内周面と冷却
槽本体10の開口部14側の外周面との間の隙間Gは、
冷却槽本体10の開口部14の先端位置においてシール
部材25によって液密にシールされている。また冷却槽
本体10の開口部14近くに形成されたガス抜孔26A
を経て、気化した低温のガスが冷却槽本体10の外側の
隙間Gに侵入し、前記各実施例と同様な作用を果たす。
0を外側から覆うように構成した場合においても、図6
に示した第2実施例に準じて、隙間Gの部分を拡大して
円筒状空間40としても良く、さらにその場合において
図10に示される第5実施例に準じて、その円筒状空間
40に螺旋状突起部44を設けても良い。
ば、その全高さを低くすることができるため、高さの低
い空間にも容易に設置することができ、またクライオス
タットにおける垂直平面をなす部分の内側(蓋体におけ
る冷却室側の側面もしくは冷却槽本体における蓋体に対
し反対側の垂直壁部の内面)に冷却対象物(素子、測定
プローブあるいは試料)を配置した構成としているた
め、外部物体に対して水平方向側方からクライオスタッ
ト内の冷却対象物を接近させることができるため、外部
物体に対する側方からの測定等を容易に行なうことがで
き、また冷却対象物の水平方向からの着脱を容易に行な
うことができる。
トにおいては、蓋体の着脱を容易に行なうことができる
と同時に、簡単な構造にて冷却室内の低温液化ガスに対
して充分に液密なシールを行なうことができる。
ットにおいては、冷却対象物を保持する保持部が蓋体に
設けられているため、蓋体を取外した状態で蓋体に対し
て冷却対象物の着脱を行なえば良いから、冷却対象物の
着脱が一層容易となる。
トを示す縦断正面図である。
る。
る。
トを示す縦断正面図である。
る。
トを示す縦断正面図である。
トを示す縦断正面図である。
ットを示す縦断正面図である。
ットを示す縦断正面図である。
である。
解的な断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 内側に冷却室を有しかつ内外2重壁構造
に作られてその内壁と外壁との間に真空断熱層を有する
構成とされた冷却槽本体が、全体として水平な軸線を中
心とする横長な有底筒体状に作られ、かつその冷却槽本
体の水平方向の一方側の端部に水平方向へ開口する開口
部が形成され、その開口部には水平方向に沿って側方か
ら着脱可能に蓋体が取付けられ、その蓋体は内部に真空
断熱層が形成され、また冷却槽本体の開口部側の周面と
蓋体の周面とによって挟まれる隙間もしくは空間におけ
る冷却室に近い側の端部が、環状のシール部材によって
液密にシールされており、さらに蓋体における冷却室側
の側面、もしくは冷却槽本体における蓋体に対し反対側
の垂直平面状をなす垂直壁部の内側面に、冷却対象物を
保持する保持部が形成されていることを特徴とする、横
型クライオスタット。 - 【請求項2】 前記シール部材が、冷却槽本体および蓋
体の材料よりも熱膨張係数が大きい材料で作られてお
り、かつ冷却槽本体の開口部側における半径方向外向き
の連続外周面をなす冷却室側シール面と蓋体における半
径方向外向きの連続外周面をなす蓋体側シール面との両
シール面を跨いで、前記シール部材が両シール面を取囲
むように構成された、請求項1に記載の横型クライオス
タット。 - 【請求項3】 前記蓋体における冷却室側の側面に、冷
却対象物を保持する保持部が設けられている、請求項1
に記載の横型クライオスタット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5084041A JPH0765835B2 (ja) | 1993-03-18 | 1993-03-18 | 横型クライオスタット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5084041A JPH0765835B2 (ja) | 1993-03-18 | 1993-03-18 | 横型クライオスタット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06273025A JPH06273025A (ja) | 1994-09-30 |
JPH0765835B2 true JPH0765835B2 (ja) | 1995-07-19 |
Family
ID=13819438
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5084041A Expired - Fee Related JPH0765835B2 (ja) | 1993-03-18 | 1993-03-18 | 横型クライオスタット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0765835B2 (ja) |
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TWI420129B (zh) * | 2009-09-10 | 2013-12-21 | Univ Nat Taiwan | Nuclear magnetic resonance imaging RF coil cooling device |
DE102009046321B4 (de) * | 2009-11-03 | 2013-10-17 | Bruker Biospin Ag | Kühlvorrichtung zur kryogenen Kühlung eines NMR-Detektionssystems mit Hilfe eines mit kryogenen Fluid gefüllten Behälters |
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-
1993
- 1993-03-18 JP JP5084041A patent/JPH0765835B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06273025A (ja) | 1994-09-30 |
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