JPH0734305Y2 - 分割型クライオスタットにおけるサーマルオシレーション防止シール構造 - Google Patents

分割型クライオスタットにおけるサーマルオシレーション防止シール構造

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JPH0734305Y2
JPH0734305Y2 JP6484591U JP6484591U JPH0734305Y2 JP H0734305 Y2 JPH0734305 Y2 JP H0734305Y2 JP 6484591 U JP6484591 U JP 6484591U JP 6484591 U JP6484591 U JP 6484591U JP H0734305 Y2 JPH0734305 Y2 JP H0734305Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、半導体材料や金属材
料、非金属材料あるいは各種素子などの試料に対して低
温で各種の実験や測定を行なうために、試料を液体ヘリ
ウム等の低温液化ガスで冷却保持するためのクライオス
タットに関するものであり、特に槽本体を分割構造とし
たクライオスタットにおいて、分割部分の隙間に生じる
サーマルオシレーションを防止するためのシール構造に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、低温科学の発展に伴ない、半導体
等の各種材料や素子の低温特性や低温挙動を調べるため
に、低温での測定や低温実験を行なう機会が増加しつつ
ある。このような低温試験装置では、液体ヘリウムや液
体窒素等の低温液化ガスによって試料を所定の低温に冷
却保持するのが通常であり、一般にこのような冷却装置
をクライオスタットと称している。
【0003】こようなクライオスタットは、試料を低温
液化ガス中に直接浸漬させることにより試料を冷却する
浸漬型のものと、試料を低温液化ガス中に直接浸漬させ
ずに熱伝導によって間接的に冷却する熱伝導型のものと
に大別される。後者の熱伝導型のクライオスタットは、
間接冷却方式であるため、外部からの熱侵入や試料の発
熱等に起因して、試料を低温液化ガスの温度と同等の低
温まで充分に冷却することが困難な場合が多く、したが
って温度マージンを考慮すれば、前者の浸漬型クライオ
スタットが有利である。
【0004】ところで浸漬型クライオスタットにおいて
は、試料を上部の蓋から吊下げて低温液化ガス中に浸漬
させる関係上、試料と外部の機器の電子回路との間で信
号のやりとりをするための信号線も、蓋からの試料吊下
げのための部材を経て外部へ引出されるが、通常のクラ
イオスタットにおける低温液化ガス収容室の深さは1m
以上あり、したがって信号線の長さはそれ以上の長さと
なってしまう。このように信号線が長い場合、試料と外
部装置の電子回路との間の信号の伝達が、信号線の長さ
分だけ遅くなり、そのため試料の種類や実験・測定の目
的によっては不都合が生じることがある。そこで既に本
願考案者等は、実願平1−60550号(実開平3−5
64号)において、浸漬型クライオスタットにおいて試
料からの信号線を短かくするための構造として、槽本体
を上下2分割構造とし、下部槽の真空断熱層を横切って
信号線を試料から外部へ引出すようにしたクライオスタ
ットを提案している。
【0005】上記提案のクライオスタットは、基本的に
は、上端が上蓋によって密閉されかつ下底部が開放され
た上部槽と、その上部槽の下部に着脱可能に取付けられ
て上部槽とともに低温液化ガス収容室を区画形成する下
部槽とを備え、前記上部槽および下部槽はそれぞれ内外
2重壁を有する構成とされ、かつ上部槽の内壁および外
壁の間と、下部槽の内壁および外壁の間とには、それぞ
れ独立に真空断熱層が形成されており、前記下部槽に
は、試料を前記低温液化ガス収容室内に露呈させた状態
で保持するための試料保持部が設けられていることを特
徴とするものである。
【0006】上記提案のクライオスタットの具体例を図
3に示す。
【0007】図3において、全体として中空長円筒状を
なす上部槽20は、内壁21と外壁22との内外2重壁
構造とされており、内壁21と外壁22との間は真空断
熱層23とされている。上部槽20の上端には上蓋24
がボルト25によって着脱可能に取付けられ、かつその
上蓋24と上部槽20の上端面との間はOリング等のシ
ール部材26によって気密にシールされている。また上
蓋24には、液体ヘリウム等の低温液化ガス9を注入す
るための注入口28と、気化ガスを放出させるための放
出口29とが設けられている。なお上部槽20のそれ自
体の下底部は開放されている。また上部槽20の外周面
には、下端から所定の距離lだけ上方の位置に、フラン
ジ部30が一体に形成されている。
【0008】一方下部槽31は、全体として有底筒状に
作られ、かつ上部槽20と同様に内壁32と外壁33と
の内外2重壁構造とされて、内壁32と外壁33との間
は真空断熱層34とされている。そしてこの下部槽31
は、上部槽20の下部、すなわちフランジ部30よりも
下側の距離lの部分を取囲む大径筒部31Aと、その大
径筒部31Aの下側に一体に連続する直方体部31Bと
によって構成され、その直方体部31Bの下底部は閉塞
されている。さらに直方体部31Bの下端内面には、台
状の試料保持部35が形成されている。そして下部槽3
1の上端面と上部槽20のフランジ部30とは、ボルト
36によって締結され、かつその下部槽31の上端面と
上部槽20のフランジ部30と間は、Oリング等のシー
ル部材37によって気密にシールされている。なお下部
槽31は、基台38および支柱39によって支持されて
いる。
【0009】以上のような上部槽20の内面と下部槽3
1の内面とによって液体ヘリウム等の低温液化ガス9を
収容する低温液化ガス収容室1が区画形成されている。
そして試料6は前記試料保持部35に保持され、低温液
化ガス収容室1内の低温液化ガス9に直接的に曝される
ことになる。また試料6からの信号線10は、下部槽3
1の直方体部31Bにおいて内壁32、真空断熱層3
4、外壁33を貫通して外部へ引出され、基台38に設
けられた外部端子部40に接続される。
【0010】このような浸漬型クライオスタットにおい
ては、試料6と外部装置との間の信号のやりとりを行な
うための信号線10は、下部槽31の試料保持部35か
ら下部槽31の内壁32、真空断熱層34、外壁33を
横切って外部へ引出すことができ、したがって信号線1
0はその長さを短かくして、信号線10の長さによる信
号伝達の遅れを少なくすることができる。
【0011】なお上述の提案のクライオスタットは分割
構造であって、試料交換時には上部槽20と下部槽31
とを分離することになるが、上部槽20の真空断熱層2
3と下部槽31の真空断熱層34とは互いに独立となっ
ているため、分離時に各真空断熱層23,34の真空状
態が破られることはない。したがって試料交換時に真空
排気作業を行なう必要がなく、そのため作業時間が大幅
に短縮される。また上述のように上部槽20の真空断熱
層23と下部槽31の真空断熱層34は互いに独立して
いるから、極低温部位での真空シール部は不要であり、
したがって試料交換後に上部槽20と下部槽31とを結
合する際には極低温部位での真空シール作業を行なう必
要がない。
【0012】なおまた、低温液化ガス収容室1の容量は
上部槽20を長くすることによって大きくすることがで
きる。このことは、下部槽31はその深さ(上下方向の
長さ)を特に大きくする必要がなく、浅い深さとするか
または深さがない形状となし得ることを意味し、したが
って上部槽20を下部槽31から分離した状態での下部
槽31の試料保持部35に対する試料6の取付け、取外
しは、下部槽31の上方から手を差し込んで極めて容易
に行なうことができる。そしてまた、上部槽20の長さ
は試料交換時の作業性に無関係であるため、上部槽20
の長さを変えることによって、試料交換の作業性を損な
うことなく任意に低温液化ガス収容室1の容量を変える
ことができる。
【0013】
【考案が解決しようとする課題】図3に示すような浸漬
型クライオスタットにおいては、上部槽20の外壁22
の下部外周面と、下部槽31の内壁32の上部内周面と
の間に、図3中の長さlの範囲にわたって隙間Gが存在
するのが通常である。この隙間G内には、低温液化ガス
収容室1内の低温液化ガス9の気化ガスが充満される。
そしてこの隙間G内の気化ガスは、外気温に近い上端部
分(シール部材37の位置付近)と収容室1内の低温液
化ガス温度に近い下端部分との間で温度勾配が形成され
る。
【0014】ところで上述のように隙間G内には気化ガ
スが充満されるが、この場合隙間Gの上端はシール部材
37によって気密に閉じられている一方、下端は液化ガ
ス収容室1内に開放され、かつ隙間Gの上端は相対的に
高温、下端開放端は低温となっていることから、隙間G
内でサーマルオシレーション(気柱熱振動)が生じるこ
とがある。このようなサーマルオシレーションが生じれ
ば、大量の熱が低温液化ガス収容室1内の低温液化ガス
9中に侵入し、低温液化ガスの沸騰、気化が促進されて
低温液化ガスの消費量が増大するという問題が生じる。
【0015】この考案は以上の事情を背景としてなされ
たもので、図3に示されるような上下2分割構造のクラ
イオスタットにおいて、前述のようなサーマルオシレー
ションを防止するためのシール構造を提供することを目
的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するため、この考案のサーマルオシレーション防止シー
ル構造は、上端が上蓋によって密閉されかつ下底部が開
放された中空筒状の上部槽と、上端が開放された有底筒
状の下部槽とを備え、上部槽の下部が下部槽の上部に内
挿されて、上部槽の下部の外周面が下部槽上部の内周面
によって取囲まれ、かつ下部槽上端において下部槽と上
部槽とが気密にシールされた状態で着脱可能に結合され
るようにした分割型クライオスタットにおいて、上部槽
の下端に半径方向外向きの連続外周面をなす上部シール
面が形成されるとともに、下部槽の底部付近には、前記
上部槽シール面に近接する位置に半径方向外向きの連続
外周面をなす下部槽シール面が形成され、かつ前記上部
槽シール面と下部槽シール面との両者を跨いで、両シー
ル面を取囲む環状の下部シール部材が配設され、その下
部シール部材は上部槽および下部槽の材料よりも熱膨張
係数が大きい材料で作られていることを特徴とするもの
である。
【0017】
【作用】この考案の構造が適用される分割型クライオス
タットにおいては、上部槽の下部外周面と下部槽上部の
内周面との間には若干の隙間が存在するのが通常であ
る。そしてその隙間は、上方においては下部槽上端位置
で気密にシールされている。一方その隙間の下方の部分
は、下部シール部材によって次のように液密にシールさ
れる。
【0018】すなわち、上部槽の下端の上部槽シール面
とその近くの下部槽シール面を取囲む環状の下部シール
部材は、その熱膨張係数が上部槽、下部槽の材料よりも
大きい。したがって環状の下部シール部材の内径寸法
を、常温では上部槽シール面、下部槽シール面に容易に
嵌め込み得るような寸法(下部シール部材を上部槽シー
ル面、下部槽シール面のいずれか一方または双方にネジ
合わせるように作られている場合は容易にネジ込み得る
ような寸法)としていても、クライオスタット使用時、
すなわち低温液化ガス収容時には、シール部材が低温に
冷却されることにより、上部槽、下部槽よりも大きく収
縮してその内径が小さくなり、シール部材の内周面が上
部槽シール面、下部槽シール面に密着される。これによ
ってシール部材内周面と上部槽シール面、下部槽シール
面との間は液密にシールされることになり、ひいては上
部槽と下部槽との間の間隙が液密にシールされることに
なる。
【0019】このシール部分は上部槽の下端の位置であ
るから、それよりも上方の上部槽外周面と下部槽内周面
との間の隙間へ、低温液化ガスが液状で侵入することが
防止される。したがってその隙間にサーマルオシレーシ
ョンが発生することが有効に防止される。
【0020】
【実施例】図1にこの考案のサーマルオシレーション防
止シール構造を適用した分割型クライオスタットの一例
を示し、また図2に、図1の要部、すなわちサーマルオ
シレーション防止構造の部分について、上部槽、下部槽
を分離した状態の一例を示す。なお図1、図2におい
て、従来例として示した図3における要素と同一の要素
については同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0021】図1、図2において、上部槽20および下
部槽31は、FRPによって作られている。上部槽20
の下端には、その上部槽20に一体に連続して下方へ小
寸法だけ突出する環状突部51が形成されており、この
環状突部51の外周面には雄ネジ52が形成されてい
る。そしてこの雄ネジ52が形成された外周面が上部槽
シール面53とされている。一方、下部槽31の底部近
くには、上面が前記上部槽20の環状突部51に近接す
るように、上方へ向って若干突出する環状突部54が形
成されており、この環状突部54の円筒状の外周面が下
部槽シール面55とされている。
【0022】上部槽20の環状突部51と下部槽31の
環状突部54の外周上には、商品名テフロン等のフッ素
樹脂からなる環状の下部シール部材56が配設されてい
る。この下部シール部材56は、上部槽20の環状突部
51に対応する部分の内周面に雌ネジ57が形成されて
いる。すなわち上部槽環状突部51のシール面53であ
る雄ネジ52と螺合する雌ネジ57が形成されている。
一方、下部シール部材56における、下部槽31の環状
突部54に対応する部分の内周面は、平滑な円筒面58
とされている。すなわち下部槽環状突部54のシール面
55に接する円筒面58とされている。
【0023】ここで、下部シール部材56の雌ネジ57
は、常温(室温)では上部槽20のシール面53である
環状突部51の雄ネジ52に容易に螺合させ得るような
有効ネジ径に定められている。また下部シール部材56
の円筒面58は、同じく常温では下部槽31のシール面
55である環状突部54の外周面に容易に嵌め込み得る
ような内径とされている。したがって常温でクライオス
タットを組立てる際には、上部槽環状突部51の雄ネジ
52に下部シール部材56を容易にネジ込ませることか
でき、かつその下部シール部材56を容易に下部槽環状
突部54に嵌め込むことができる。
【0024】一方クライオスタット組立後の使用時に、
低温液化ガス収容室1に液体窒素等の低温液化ガス9を
注入すれば、上部槽環状突部51、下部槽環状突部5
4、下部シール部材56も低温液化ガス温度近くまで冷
却される。このとき、上部槽20、下部槽31はFRP
で構成されているのに対し、下部シール部材56はフッ
素樹脂で構成されており、通常のクライオスタットに使
用されるFRP(例えばエポキシ系樹脂をガラス繊維で
強化したもの)の熱膨張係数が0.3%程度であるに対
し、フッ素樹脂の熱膨張係数は1.9%程度で、FRP
よりも格段に大きい。そのため上述のように低温に冷却
されれば、下部シール部材56が上部槽環状突部51お
よび下部槽環状突部54よりも大きく収容し、その結果
下部シール部材56の内面が上部槽環状突部51、下部
槽環状突部54の外周面に密着される。すなわち、下部
シール部材56の雌ネジ57が上部槽環状突部51のシ
ール面53である雄ネジ52に密着すると同時に、下部
シール部材56の内側円筒面58が下部槽環状突部54
のシール面55に密着される。したがって下部シール部
材56により、その位置で上部槽20と下部槽31との
間がシールされることになる。
【0025】上述のような下部シール部材56の冷却・
収縮によるシールの程度は、通常は気密なシールではな
く、液体が侵入しない程度であるが、いずれにしても低
温液化ガス収容室1内の低温液化ガス9が、下部シール
部材56よりも上方の位置の上部槽20の外周面と下部
槽31の内周面との間の隙間Gに侵入することが防止さ
れる。その隙間Gには、低温液化ガスの気化ガスは侵入
するのが通常であるが、前述のように液体状態の低温液
化ガスはシール部材56の位置で遮断されるから、隙間
G内にサーマルオシレーションが発生することが防止さ
れる。
【0026】なお図1、図2の例では、上部槽20の環
状突部51に雄ネジ52を形成して、これに対応する下
部シール部材56の上半部分の内周面に雌ネジ57を形
成しているが、場合によっては上部槽20の環状突部5
1の外周面(シール面53)は平滑な円筒面とする一
方、下部槽31の環状突部54の外周面(シール面5
5)に雄ネジを形成し、これに対応して下部シール部材
56も下半部分の内周面に雌ネジを形成しても良い。ま
た場合によっては上部槽20の環状突部51と下部槽3
1の環状突部54の両者のシール面53,55に雄ネジ
を形成し、これに対応して下部シール部材56の上半部
分、下半部分の両者に雌ネジを形成しても良い。さらに
は、上部槽20の環状突部51のシール面53、下部槽
31の環状突部54のシール面55のいずれにも雄ネジ
を形成せず、またこれに対応して下部シール部材56の
内周面も雌ネジを形成せずに単なる円筒面として、下部
シール部材56を単純に嵌め込むだけにしても良い。
【0027】なおまた、図1においては、試料6への信
号線については特に示していないが、図3の従来例と同
様に下部槽31を貫通させても、あるいは上方へ引出し
て上蓋24を貫通させるようにしても良く、その点はこ
の考案の要旨には関係しない。
【0028】さらに、前記実施例では上部槽20、下部
槽31の材料としてFRPを用い、下部シール部材56
の材料としてフッ素樹脂を用いているが、これらに限ら
れるものではなく、要は上部槽、下部槽の材料よりも熱
膨張率が大きい材料、したがって低温冷却時に収縮の大
きい材料を下部シール部材に用いれば良い。
【0029】
【考案の効果】この考案の分割型クライオスタットにお
けるシール構造によれば、上部槽の下部の外周面と下部
槽上部の内周面との間の間隙に低温液化ガスが液体状態
で侵入することが防止されるため、その間隙にサーマル
オシレーションが生じることが有効に防止され、その結
果サーマルオシレーションの発生に起因する低温液化ガ
ス収容室内での低温液化ガスの沸騰、気化を防止して、
低温液化ガスの消費量を抑えることができる。またこの
考案のシール構造では、下部シール部材と上部槽、下部
槽との熱膨張率の差を利用してシールするため、常温で
のクライオスタット組立時には下部シール部材とそれに
相対するシール面との間に余裕を持たせておくことによ
って、その組立を簡単かつ容易とし、しかもクライオス
タット使用時(低温冷却時)には下部シール部材の収縮
によって有効にシールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案のサーマルオシレーション防止シール
構造を適用した分割型クライオスタットの一例を示す縦
断面図である。
【図2】図1の分割型クライオスタットにおけるシール
構造部分を、拡大して分解状態で示す縦断面図である。
【図3】従来の分割型クライオスタットの一例を示す縦
断面図である。
【符号の説明】
20 上部槽 24 上蓋 31 下部槽 53 上部槽シール面 55 下部槽シール面 56 下部シール部材

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上端が上蓋によって密閉されかつ下底部
    が開放された中空筒状の上部槽と、上端が開放された有
    底筒状の下部槽とを備え、上部槽の下部が下部槽の上部
    に内挿されて、上部槽の下部の外周面が下部槽上部の内
    周面によって取囲まれ、かつ下部槽上端において下部槽
    と上部槽とが気密にシールされた状態で着脱可能に結合
    されるようにした分割型クライオスタットにおいて、 上部槽の下端に半径方向外向きの連続外周面をなす上部
    シール面が形成されるとともに、下部槽の底部付近に
    は、前記上部槽シール面に近接する位置に半径方向外向
    きの連続外周面をなす下部槽シール面が形成され、かつ
    前記上部槽シール面と下部槽シール面との両者を跨い
    で、両シール面を取囲む環状の下部シール部材が配設さ
    れ、その下部シール部材は上部槽および下部槽の材料よ
    りも熱膨張係数が大きい材料で作られていることを特徴
    とする分割型クライオスタットにおけるサーマルオシレ
    ーション防止シール構造。
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