JPH0658499A - クライオスタット - Google Patents

クライオスタット

Info

Publication number
JPH0658499A
JPH0658499A JP23132492A JP23132492A JPH0658499A JP H0658499 A JPH0658499 A JP H0658499A JP 23132492 A JP23132492 A JP 23132492A JP 23132492 A JP23132492 A JP 23132492A JP H0658499 A JPH0658499 A JP H0658499A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall
opening
annular space
lid
intermediate annular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP23132492A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06103078B2 (ja
Inventor
Yasuharu Kamioka
泰晴 上岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Sanso Ltd
Original Assignee
Toyo Sanso Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Sanso Ltd filed Critical Toyo Sanso Ltd
Priority to JP23132492A priority Critical patent/JPH06103078B2/ja
Publication of JPH0658499A publication Critical patent/JPH0658499A/ja
Publication of JPH06103078B2 publication Critical patent/JPH06103078B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クライオスタットの開口部の壁面を介しての
外部からの侵入熱による低温液化ガスの蒸発ロスを防止
しつつ、開口部の長さを短くしてコンパクト化を図る。 【構成】 槽本体1を水平な筒状とし、その外壁6と内
壁5との中間に、真空断熱空間7から隔絶された中間環
状空間13を形成し、その中間環状空間13が槽本体1
の開口部11の内周面において周方向に連続して開口す
るようになし、かつ中間環状空間13に断熱材15を挿
入し、その断熱材の縁部が蓋体4と接するように構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体材料や金属材
料、非金属材料、その他各種素子などの試料に対して低
温で実験や測定を行なうために、試料を液体ヘリウム等
の低温液化ガスで冷却保持するためのクライオスタット
に関するものであり、特にその高さの減少を図ったクラ
イオスタットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、低温科学の発達に伴ない、半導体
等の各種材料や素子の低温特性や低温挙動を調べるため
に、低温での測定、実験を行なう機会が増加しつつあ
る。このような低温試験装置では、液体ヘリウムや液体
窒素などの低温液化ガスによって試料を所定の低温に冷
却保持するのが通常であり、一般にこのような冷却装置
をクライオスタットと称している。
【0003】従来のクライオスタットの代表的な一例を
図5に示す。図5において、例えば球形をなす槽本体1
の内部には、低温液化ガス8や測定対象となる試料等を
収容する冷却室2が形成されている。その槽本体1の上
部には、その槽本体1に対する開口部11を構成する中
空円筒状のネック部3が連続一体に形成されており、こ
のネック部3の上端の開口端(開口部11の上端)3A
に蓋体4が上方から挿入されるようになっている。そし
てまた槽本体1およびネック部3はその壁部が内壁5と
外壁6からなる内部2重壁構造とされており、その内壁
5と外壁6との間は真空断熱空間7とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のようなクライオ
スタットにおいては、槽本体1およびネック部3はその
周囲が真空断熱空間7によって真空断熱されていて、そ
の部分での断熱効果は高いが、ネック部3の開口端3A
および蓋体4の部分では真空断熱がなされていない。そ
のためネック部3の開口端3Aおよび蓋体4の部分で外
部からの相当量の熱侵入が生じることは避け難い。この
外部からの侵入熱は、ネック部3の内壁を伝わって冷却
室2の内壁から低温液化ガス8に与えられ、低温液化ガ
ス8を蒸発させる。このようなネック部3の開口端3
A、蓋体4からの熱侵入による低温液化ガスの蒸発ロス
を可及的に防止するため、従来はネック部3の長さを長
くして、ネック部3の開口端3Aや蓋体4の部分から冷
却室2内の低温液化ガス8に至るまでの距離を大きく
し、その間での内壁の伝熱抵抗を大きくすることによ
り、冷却室2内に至る侵入熱を少なくし、低温液化ガス
の蒸発ロスをできるだけ少なくすることが行なわれてい
る。
【0005】このように従来のクライオスタットでは、
侵入熱による低温液化ガスの蒸発ロスを少なくするた
め、ネック部の長さを長くせざるを得ず、したがって冷
却室の容積に比して全高さが著しく高くならざるを得な
かったのである。ところが実際の使用状況では、クライ
オスタットを狭い場所に設置、収容したいこともあり、
このような場合、従来のような全高さの高いクライオス
タットでは収容できないことが多い。また狭い場所に設
置する場合に限らず、輸送や保管上の問題などからも、
全高さを短縮してコンパクト化することが強く望まれる
ている。さらに、クライオスタットを用いる各種試料の
実験や測定を行なうにあたっては、冷却室内の試料に対
する外部からの信号線を、蓋体の部分を通してネック部
を介し冷却室内に導くことが多いが、ネック部が長けれ
ばそれに伴なって信号線も長くならざるを得ず、そのた
め試料と外部の電子回路との間で信号の伝達の遅れが生
じ、高速作動素子などを試料とする場合には問題が生じ
ることがあった。
【0006】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、槽本体の開口部および蓋体の部分からの熱侵
入による低温液化ガスの蒸発ロスを少なくすると同時
に、ネック部の長さを短くするかまたは実質的にネック
部が存在しないような構造とし、これによって全高さを
従来よりも格段に短くしたクライオスタットを提供する
ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明においては、前
述の課題を解決するため、基本的には、低温液化ガスを
収容する冷却室を内部に形成した槽本体と、その槽本体
の上部に形成された開口部と、その開口部に上方から着
脱可能に挿入される密閉用の蓋体とを有し、かつ前記槽
本体は、その壁部が内壁と外壁とによって構成されて、
その内壁と外壁との間に真空断熱空間が形成されたクラ
イオスタットにおいて、前記槽本体は、その全体形状
が、水平な軸線を中心とする筒状をなすように作られて
おり、かつその槽本体の壁部のうち、筒状をなす部分の
上面側に前記開口部が設けられており、さらに槽本体の
壁部の筒状をなす部分における外壁と内壁との中間に
は、その外壁および内壁と平行な内外2重の中間壁が設
けられており、これらの内外2重の中間壁の間に、前記
真空断熱空間から隔絶される中間環状空間が形成され、
その中間環状空間は前記開口部の内周面にその全周にわ
たって開口されており、しかもその中間環状空間内には
全体として筒状をなす断熱材が挿入されていて、その断
熱材における前記開口部に対応する位置には、前記蓋体
が挿通される挿通口が貫通形成され、かつその挿通口の
縁部は、その全周にわたって蓋体と密に接する構成とし
ている。
【0008】またここで、請求項2の発明のクライオス
タットにおいては、請求項1の発明において、前記断熱
材には、その挿通口の縁部において前記蓋体に接しかつ
その部分から中間環状空間の内部へ向って所定長さだけ
延長される伝熱層が形成された構成としている。
【0009】さらに請求項3の発明のクライオスタット
においては、請求項1の発明において、前記断熱材は、
前記内外2重の中間壁のうちいずれか一方または双方に
対面する側の面に、槽本体の軸心を基準とする螺旋状を
なす凹溝が形成されており、かつその螺旋状凹溝の間の
凸部が、それに対面する中間壁に接した構成としてい
る。
【0010】
【作用】この発明のクライオスタットにおいては、槽本
体の壁部の筒状をなす部分の外壁と内壁との中間に、断
熱真空空間に対して隔絶されかつ外壁・内壁と平行な中
間環状空間が形成されている。この中間環状空間は、槽
本体の上部の開口部(蓋体を挿入すべき部分)の内周面
にその全周にわたって開口している。したがって槽本体
の開口部から見れば、その開口端(上端)から冷却室に
続く部分(下端)までの間に、前記中間環状空間が開口
部の内周面に対して引込んでいる凹部として存在するこ
とになる。そのため、槽本体の開口部の内周面における
その上端から下端に至る迄の間の壁面沿いの距離は、同
じく上端から下端に至る迄の間の空間的な直線距離より
も格段に長くなっている。具体的には、直線的な空間距
離よりも壁面沿いの距離は、中間環状空間の深さ(槽本
体開口部内周面に開口する位置から、軸線方向の端部に
至るまでの距離)の2倍分長くなっている。
【0011】このように開口部内周面の開口端から下端
に至るまでの壁面沿いの長さが、見掛け上の開口端から
下端までの直線距離よりも著しく大きくなるから、開口
部の見掛け上の長さを短くしても、開口端から下端に至
るまでの壁面沿いの距離を大きくすることができ、その
ため開口部の開口端や蓋体を介しての外部からの侵入熱
が開口部の壁面伝いに冷却室に至るまでの伝熱距離を大
きくすることができるから、その間の伝熱抵抗を大きく
して、冷却室にまで与えられる侵入熱を少なくし、低温
液化ガスの蒸発ロスを少なくすることができる。換言す
れば、侵入熱による低温液化ガスのロスを大きくするこ
となく、開口部の見掛け上の長さを小さくして、クライ
オスタットのコンパクト化を図ることができるのであ
る。ここで、槽本体の開口部は、通常は槽本体から突出
するネック部に形成されるのが通常であり、したがって
開口部の見掛け上の長さを小さくすることができること
は、そのネック部を短縮できることを意味し、さらに槽
本体から突出するネック部が実質的に存在しない状況と
することもできる。
【0012】さらにこの発明のクライオスタットでは、
単に開口部の内周面に対して凹部として機能する中間環
状空間を形成するのみならず、その中間環状空間に、内
奥部分に至るまで断熱材を挿入しておくことが重要であ
る。すなわち、断熱材が中間環状空間に挿入されていな
い場合には、中間環状空間の対向面間でガスを介しての
熱伝達が生じて、壁面伝いの熱伝達の距離を稼ぐ効果が
失われてしまう。しかしながら断熱材を中間環状空間に
挿入しておくことにより、中間環状空間の対向面間での
ガスを介しての熱伝達が阻止され、前述の効果を充分に
得ることができるのである。
【0013】そしてまた、中間環状空間に挿入された断
熱材の挿通口(槽本体の開口部に対応する部分)の縁部
が蓋体と接していることも重要である。すなわち、この
ようにすることによって、蓋体と断熱材の挿通口縁部と
の間のガスの流通が実質的に遮断される。換言すれば、
中間環状空間の挿通口付近において、下方の槽本体の冷
却室から蒸発した低温のガスが、中間環状空間内に導か
れずに中間環状空間よりも上方の隙間(蓋体と開口部内
壁との間の中間環状空間よりも上側の隙間)へ直ちに至
ってしまうことを防止している。したがって下方の冷却
室からの低温のガスは、開口部の下方から中間環状空間
の下側の壁面と断熱材の下側の面との間の隙間に導か
れ、その隙間を通って中間環状空間の内奥部に至り、そ
の内奥部から同じく中間環状空間の上側の壁面と断熱材
の上側の面との間の隙間を通って開口部の上部へ流出
し、開口部内周面と蓋体との間の隙間へ導かれることに
なる。そのため、中間環状空間内の壁面全体を低温のガ
スによって冷却して、外部からの侵入熱を壁面から奪
い、壁面伝いの侵入熱の熱伝達を少なくすることができ
る。そのため前述のように中間環状空間の壁面によって
熱伝達距離を稼ぐ効果と相俟って、外部侵入熱による冷
却室での低温液化ガスの蒸発ロスを少なくすることがで
きる。また上述のように低温のガスが中間環状空間内で
断熱材表面と中間環状空間の壁面との間の隙間を流れる
ため、断熱材自体も冷却されることになり、その断熱材
の端部に接する蓋体をも冷却することができる。
【0014】さらに請求項2の発明のクライオスタット
においては、断熱材における蓋体と接する側の面に、良
熱伝導材料からなる伝熱層が形成されていて、その伝熱
層が蓋体と接する部分から中間環状空間内へ所定長さの
位置まで延長されている。したがってその伝熱層が中間
環状空間内の断熱材と中間環状空間の壁面との間を流れ
る低温のガスによって冷却され、その伝熱層に接する蓋
体の熱を奪って蓋体を冷却し、外部からの蓋体を介して
の熱侵入を一層少なくすることができる。
【0015】さらに請求項3の発明のクライオスタット
においては、中間環状空間内の断熱材に螺旋状の凹溝が
形成されている。したがって下方の冷却室からの低温ガ
スから中間環状空間内の隙間に導かれた低温のガスは、
断熱材の螺旋状の凹溝を通ることになる。このとき、凹
溝を螺旋状としておくことによって、低温ガスが断熱材
表面に沿って流れる距離が著しく高くなり、そのため断
熱材と中間環状空間の壁面を充分に冷却することが可能
となる。
【0016】
【実施例】図1から図4にこの発明の一実施例のクライ
オスタットを示す。槽本体1は図示の例では水平な軸線
を中心とする円筒形をなすように作られており、その内
部には低温液化ガス8を収容するための内面円筒状の冷
却室2が形成されている。槽本体1の上部には、中空環
状をなす短いネック部3が連続一体に形成されている。
槽本体1の壁部10は内壁5と外壁6とからなる内外2
重壁構造に作られており、内壁5と各外壁6との間は真
空断熱空間7とされている。また槽本体1の上部には、
ネック部3から槽本体1の壁部10を貫通して蓋体4が
挿入される内周円筒面状の開口部11が形成されてい
る。
【0017】槽本体1の壁部10のうち、円筒状をなす
部分には、内壁5と外壁6との中間位置、すなわち真空
断熱空間7内に、円筒状をなす内外2重の中間壁12
A,12Bが設けられており、これらの中間壁12A,
12Bの間が中間環状空間13とされている。この中間
環状空間13は中間壁12A,12Bによって真空断熱
空間7と隔絶されていることになる。さらにこの中間環
状空間13は、槽本体1の開口部11に対応する部分に
おいて、その開口部11の内周面の全周にわたって開口
している。したがって中間環状空間13は、開口部11
の内周面に対して凹部となっている。
【0018】さらに前記中間環状空間13には、発泡ポ
リウレタンなどからなる断熱材15が挿入されている。
この断熱材15は、中間環状空間13の全体形状に対応
して、全体として中空円筒状をなすように作られたもの
であり、その中央の上部には、槽本体1の開口部11に
対応する位置に蓋体4が挿通される挿通口16が貫通形
成されている。この挿通口16は、開口部11の内径よ
りも若干小径に作られて、挿通口16の縁部16Aが開
口部11内に若干突出するようになっている。そしてこ
の縁部16Aが蓋体4の周縁部下向き面4Aにその全周
にわたって接するようになっている。
【0019】前記断熱材15は、図4に詳細に示すよう
に、その内周面および外周面に、それぞれ螺旋状の凹溝
17A,18Aが形成されている。これらの凹溝17
A,18Aの間の凸部(螺旋状凸部)17B,18B
は、中間環状空間13の各壁面(すなわち中間壁12
A,12Bの表面)に接するようにその寸法が定められ
ている。さらに断熱材15の挿通口16の縁部16A付
近には、前記蓋体4の周縁部下向き面4Aに接するよう
に、銅箔等の良熱伝導材料からなる伝熱層19が形成さ
れている。この伝熱層19は、挿通口16の縁部16A
から、中間環状空間13の内部へ向って所定距離だけ延
長するように設けられている。図示の例では、この伝熱
層19は、断熱材15の外周面側の螺旋状凹部17Aの
底部に所定長さに渡って延長されている。なお蓋体4に
も銅箔等の良伝熱材料からなる伝熱層21を、蓋体4の
周縁部下向き面4Aに露呈するように、すなわち断熱材
15の側の伝熱層19と面接触するように設けておくこ
とが望ましい。
【0020】なお蓋体4は、例えば図4に示すように、
開口部11に上方から挿入されるとともに、蓋体フラン
ジ部4Bとネック部3の上面との間がシール材22によ
ってシールされ、かつビス23によって固定されるのが
通常である。
【0021】以上の実施例において、図1、図4に示す
如く開口部11の内周面における上端(開口端)から中
間環状空間13の開口縁部までの距離をL1 、中間環状
空間13の開口幅をL2 、中間環状空間13の開口縁部
から開口部11の内周面下端までの距離をL3 、中空環
状空間13の深さ(開口縁部からの長さ)をL4 とすれ
ば、開口部11の上端(開口端)から下端までの見掛け
上の直線空間距離L0は、 L0 =L1 +L2 +L3 となる。これに対し開口部13の上端から下端までの壁
面伝いの実際の長さLは、 L=L1 +L2 +L3 +2×L4 となる。したがって開口部13の壁面伝いの長さLは、
見掛け上の直線的な空間距離L0 よりも2×L4 の長さ
分だけ長くなっていることが明らかである。
【0022】また前述の実施例において、蓋体4を開口
部11に挿着した状態では、蓋体4の周縁部下向き面4
Aが、中間環状空間13に挿入された断熱材15の挿通
口16の縁部16Aの上面に接する。したがってその部
分でガスの流通が実質的に遮断されるから、槽本体1の
冷却室2内の低温液化ガス8から蒸発された低温の気化
ガスは、中間環状空間13の上向きの壁面(中間壁12
Aの表面)と断熱材15の下面との間の隙間(螺旋状凹
溝17A)に流入し、中間環状空間13の内奥部分まで
螺旋方向に沿って凹溝17Aを通って導入され、さらに
断熱材15の上面と中間環状空間13の下向きの壁面
(中間壁12Bの表面)との間の隙間(螺旋状凹溝18
A)を通って螺旋状に流れ、開口部11の上部において
開口部11の内周面と蓋体4の外周面との間の隙間に流
出して上方へ流れることになる。そしてこのように中間
環状空間13の壁面(中間壁12A,12Bの表面)と
断熱材15との隙間(螺旋状凹溝17A,18A)に低
温ガスが導入されることによって、中間環状空間13の
壁面が低温に冷却されるとともに、断熱材15も冷却さ
れることになる。
【0023】さらに、前述のように蓋体4の周縁部下向
き面4Aが断熱材15の挿通口16の縁部16A上面に
接した状態では、蓋体4の伝熱層21が断熱材15の挿
通口16の縁部16Aの上面の伝熱層19に接すること
になる。この伝熱層19は断熱材15と中間環状空間1
3の壁面との間の隙間に導入される低温のガスによって
冷却されており、したがって伝熱層19、伝熱層21を
介して導かれる冷熱によって、蓋体4の下部が冷却され
る。
【0024】なお以上の実施例では槽本体1が円筒状の
ものとしたが、要は筒状であれば良いから、例えば角筒
状であっても良い。
【0025】また前述の実施例では断熱材15の内周
面、外周面の両方に螺旋状の凹溝17A,18Aを形成
しているが、場合によってはいずれか一方のみに螺旋状
の凹溝を形成しただけであっても良く、さらには螺旋状
の凹溝17A,18Aを全く形成しなくても良い。但し
これらの場合には、中間環状空間13の壁面と断熱材1
5の表面との間の隙間の低温ガスの流れの距離が短くな
るから、低温ガスによって中間環状空間13の壁面や断
熱材15を冷却する効果は小さくなる。
【0026】
【発明の効果】この発明のクライオスタットにおいて
は、槽本体の開口部の内周面に、その全周にわたって中
間環状空間が開口しているから、開口部の内周面の上端
から下端までの壁面伝いの長さは、見掛け上の空間直線
距離よりも格段に長くなり、したがってたとえ開口部の
見掛け上の長さが短くても開口部における壁面伝いの上
端から下端までの熱伝達距離が著しく大きくなり、かつ
その熱伝達距離を稼ぐに寄与する中間環状空間には断熱
材が挿入されているから、中間環状空間の対向面間での
ガスを介しての熱伝達も阻止される。さらに中間環状空
間の開口部分において断熱材の縁部が蓋体に接すること
から、槽本体の低温液化ガスの蒸発ガス(低温ガス)が
中間環状空間の内奥部分まで導入され、中間環状空間の
壁面が充分に冷却されるとともに、断熱材自体も冷却さ
れることになる。したがってこれらの作用が相俟って、
開口部の見掛け上の長さが短くても、外部の熱が開口端
や蓋体から開口部の壁面伝いに冷却室内まで侵入するこ
とを充分に防止して、冷却室内の低温液化ガスの蒸発ロ
ス量を充分に少なくすることができる。そしてこのよう
に開口部の見掛け上の長さを短くすることができるた
め、槽本体から突出するネック部の長さを著しく短くし
たり、さらにはネック部が実質的に存在しないようにし
て、クライオスタットの全体の高さを著しく低くし、こ
れによってコンパクト化を図ることができ、そのためク
ライオスタット設置上の制約が少なくなるとともに、保
管や輸送にも有利となり、さらに蓋体を介して外部から
の信号線を槽本体内に導入する場合においてその信号線
の長さを短くし、信号の遅延を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例のクライオスタットを示す
縦断正面図である。
【図2】図1のX−X線における縦断側面図である。
【図3】図1のY−Y線における縦断側面図である。
【図4】図1のクライオスタットの要部を拡大して示す
拡大縦断面図である。
【図5】従来のクライオスタットの一例を示す略解的な
縦断面図である。
【符号の説明】
1 槽本体 2 冷却室 4 蓋体 5 内壁 6 外壁 7 真空断熱空間 8 低温液化ガス 10 壁部 11 開口部 12A,12B 中間壁 13 中間環状空間 15 断熱材 16 挿通口 17A,18A 螺旋状凹溝 19 伝熱層 21 伝熱層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低温液化ガスを収容する冷却室を内部に
    形成した槽本体と、その槽本体の上部に形成された開口
    部と、その開口部に上方から着脱可能に挿入される密閉
    用の蓋体とを有し、かつ前記槽本体は、その壁部が内壁
    と外壁とによって構成されて、その内壁と外壁との間に
    真空断熱空間が形成されたクライオスタットにおいて、 前記槽本体は、その全体形状が、水平な軸線を中心とす
    る筒状をなすように作られており、かつその槽本体の壁
    部のうち、筒状をなす部分の上面側に前記開口部が設け
    られており、さらに槽本体の壁部の筒状をなす部分にお
    ける外壁と内壁との中間には、その外壁および内壁と平
    行な内外2重の中間壁が設けられており、これらの内外
    2重の中間壁の間に、前記真空断熱空間から隔絶される
    中間環状空間が形成され、その中間環状空間は前記開口
    部の内周面にその全周にわたって開口されており、しか
    もその中間環状空間内には全体として筒状をなす断熱材
    が挿入されていて、その断熱材における前記開口部に対
    応する位置には、前記蓋体が挿通される挿通口が貫通形
    成され、かつその挿通口の縁部は、その全周にわたって
    蓋体と密に接するように構成されていることを特徴とす
    るクライオスタット。
  2. 【請求項2】 前記断熱材には、その挿通口の縁部にお
    いて前記蓋体に接しかつその部分から中間環状空間の内
    部へ向って所定長さだけ延長される伝熱層が形成されて
    いる請求項1に記載のクライオスタット。
  3. 【請求項3】 前記断熱材は、前記内外2重の中間壁の
    うちいずれか一方または双方に対面する側の面に、槽本
    体の軸心を基準とする螺旋状をなす凹溝が形成されてお
    り、かつその螺旋状凹溝の間の凸部が、それに対面する
    中間壁に接するように構成されている請求項1に記載の
    クライオスタット。
JP23132492A 1992-08-06 1992-08-06 クライオスタット Expired - Fee Related JPH06103078B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23132492A JPH06103078B2 (ja) 1992-08-06 1992-08-06 クライオスタット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23132492A JPH06103078B2 (ja) 1992-08-06 1992-08-06 クライオスタット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0658499A true JPH0658499A (ja) 1994-03-01
JPH06103078B2 JPH06103078B2 (ja) 1994-12-14

Family

ID=16921854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23132492A Expired - Fee Related JPH06103078B2 (ja) 1992-08-06 1992-08-06 クライオスタット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06103078B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113362685A (zh) * 2021-04-30 2021-09-07 西安交通大学 一种p-v-t关系测定教学实验台和充灌方法及使用方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113362685A (zh) * 2021-04-30 2021-09-07 西安交通大学 一种p-v-t关系测定教学实验台和充灌方法及使用方法
CN113362685B (zh) * 2021-04-30 2023-04-07 西安交通大学 一种p-v-t关系测定教学实验台和充灌方法及使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06103078B2 (ja) 1994-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006344928A (ja) 超伝導部材のための電気ブッシング
US4655045A (en) Cryogenic vessel for a superconducting apparatus
US4510758A (en) Convertible cryostat
US4713941A (en) Cryogenic vessel
JPH0658499A (ja) クライオスタット
JPH0587295A (ja) クライオスタツト
JP2006261122A (ja) 超伝導部材のための電気接続構造体
KR100590200B1 (ko) 초전도케이블용 단말장치
JP2006319319A (ja) 熱的に補償されたセンタリング機構を有するクライオスタット構造
US11222740B2 (en) Superconducting magnet
GB2155244A (en) Insulating current lead-throughs in superconducting apparatus
WO2021176604A1 (ja) 超電導電磁石装置
JPH10246547A (ja) 理化学機器冷却用液化ガスの再液化装置
JPH077188A (ja) 複合動作環境用実装装置
US3436926A (en) Refrigerating structure for cryostats
JPH0734305Y2 (ja) 分割型クライオスタットにおけるサーマルオシレーション防止シール構造
KR101567072B1 (ko) 초전도 케이블 종단 접속함
JPH06163251A (ja) 極低温容器
JP5622485B2 (ja) 複合極低温冷凍機
US5843871A (en) Electromagnetic filter having a transmission line disposed in a cover of the filter housing
US10002697B2 (en) Superconducting magnet device
JPH07161526A (ja) 超電導装置用電流リード
JPS6073264A (ja) 極低温冷却装置
JPS60102759A (ja) 浸漬沸騰冷却装置
JPH0353454Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19950606

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees