JPH0765737A - カラー受像管 - Google Patents

カラー受像管

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JPH0765737A
JPH0765737A JP21002293A JP21002293A JPH0765737A JP H0765737 A JPH0765737 A JP H0765737A JP 21002293 A JP21002293 A JP 21002293A JP 21002293 A JP21002293 A JP 21002293A JP H0765737 A JPH0765737 A JP H0765737A
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JP
Japan
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shadow mask
ridge line
electron beam
opening
electron gun
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Application number
JP21002293A
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English (en)
Inventor
Yasuhisa Otake
康久 大竹
Seiji Sago
誠司 佐合
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、シャドウマスクの開孔を通過す
る電子ビーム欠けを発生させることなく、また、開孔側
壁に電子ビームが射突して反射しても反射電子ビームが
不必要な蛍光体を発光させることのないカラー受像管を
提供することを目的とする。 【構成】 この発明は、開孔の小孔端321 から稜線合致
部34までの稜線で形成される開孔壁部は、その稜線に沿
う線35と開孔の中心軸36との成す角度αが電子ビームの
入射軌道33と開孔の中心軸36との成す角度βよりも大き
くなるように構成され、また、大孔開孔端311 と稜線合
致部の近傍の接点37とを結ぶ直線38と開孔の中心軸36と
の成す角度γが角度αよりも小さくなるように構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シャドウマスク型カ
ラー受像管に係わり、特にそのシャドウマスクの電子ビ
ーム開孔の形状に関する。
【0002】
【従来の技術】シャドウマスク型カラー受像管は図4に
示すように、ガラスからなる外囲器は、実質的に矩形状
のフェースプレート部411 と、これにつながるスカート
部412と、フェースプレート部411 に対向配置される円
筒状のネック部414 と、スカート部412 とネック部414
を連接するファンネル部413 とから構成されている。そ
して、フェースプレート部411 の内面には赤、青及び緑
に発光する蛍光体が規則的に配列された蛍光面42が形成
されており、一方、ネック部414 内には赤、青及び緑に
対応する複数の電子ビーム45G 、45R 及び45B を射出す
る電子銃45が配設されている。また、蛍光面42に所定の
間隔で近接対向して規則的に配列された多数の電子ビー
ム開孔431 を有するシャドウマスク43が配設されてい
る。このシャドウマスク43はマスクフレーム432 に接合
され、マスクホルダー433 を介してスカート部412 のス
タッドピン434 に係り止めされている。そして、シャド
ウマスク43の電子ビーム開孔431 の断面形状は、蛍光面
42側の表面開孔(以降、大孔と称す)は電子銃45側の表
面開孔(以降、小孔と称す)よりも大きく形成されてお
り、電子ビームがシャドウマスクの周辺部ほど斜めに入
射する時の一定の電子ビーム量を確保している(図示せ
ず)。
【0003】このような構成のカラー受像管において、
電子銃45から射出された3本の電子ビーム45G 、45R 及
び45B は制御加速され、ファンネル部413 の外部に配設
された偏向装置46の磁界により偏向作用を受けながら蛍
光面42へ向かって進行する。そして、3本の電子ビーム
はシャドウマスク43の一つの電子ビーム開孔431 で集中
するように制御され、ここから蛍光面までの距離の間に
再び離散し、それぞれ対応する蛍光体に正しく射突して
カラー映像を映出する。
【0004】以上のように、カラー受像管のシャドウマ
スクは、パララックスの原理を利用して電子ビーム開孔
と幾何学的に1対1の関係にある各色蛍光体のみに正し
く射突するように電子ビームを通過させる機能を有して
おり、色選別電極とも呼ばれる重要な構成要素である。
【0005】このシャドウマスクの電子ビーム開孔には
円形状と矩形状のものが用いられている。即ち、文字や
図形を高精細に表示するディスプレイ管用としては円形
状のものが、テレビジョン用として用いられる民生用管
としては矩形状のものが用いられる。また、近年の傾向
として、パソコン、オフコン、EWSの端末としてのデ
ィスプレイ管の需要には目覚ましいものがあり、一方民
生用管としてはハイビジョン放送用を含み大型化が主流
となっている。
【0006】そして、いずれの場合も従来と異なるの
は、人間工学的な見地から、外光反射が少なく歪みの少
ない画像が求められる。このために、より平坦な画面を
有するフラットスクェア管は必須のものとなっている。
これに伴って、蛍光面と相対的な関係を有するシャドウ
マスクも、より平坦化、即ちその曲率半径が大きなもの
が必要となる。
【0007】従って、より平坦化されたシャドウマスク
は、従来のシャドウマスクに比して全体的にシャドウマ
スクへの電子ビームの入射角度は必然的に大きくなり、
特に周辺部では著しい。この結果、従来のシャドウマス
クに比して、入射した電子ビームの一部は電子ビーム開
孔の孔縁または孔壁に射突する割合が増加し、電子ビー
ム形状が歪む、いわゆるビーム欠けを生じ、輝度やホワ
イトユニフォミティを低下させる。また、電子ビーム開
孔の孔縁または孔壁に射突し反射する電子ビームは、目
的外の蛍光体を発光させコントラストの低下をもたら
す。
【0008】このような問題は、シャドウマスク材の板
厚が厚いほど、また高解像度用として電子ビーム開孔の
ピッチが小さいものほど生じ易くなる。しかしながら、
従来管と同一サイズ、同一ピッチであっても、フラット
スクェア管のように電子ビーム開孔への入射角が大きく
なるに従って顕在化し、カラー受像管の品位を低下させ
ることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題を解決す
る一手段として、特公昭47−7670号公報においては、図
5(A)に示すように、シャドウマスクの電子銃側の小
孔52の開孔中心に対して蛍光面側の大孔51の開孔中心を
電子ビーム53が抜ける方向にずらした、いわゆるオフセ
ンターマスクが提案されている。
【0010】このようなオフセンターマスクとすること
によって、入射する電子ビームが開孔側壁や大孔端511
に射突してビーム欠けを生ずる恐れは回避される。しか
し、電子ビーム開孔のビーム通過量、即ち通過電子ビー
ムの幅は、図5(A)に示すように、入射電子ビームの
左側は小孔52の電子ビーム入射側の左側の小孔端521で
決まる。一方、入射電子ビームの右側は開口の大孔51と
小孔52の稜線に沿う直線53で決まる。即ち、大孔51側の
大孔端511 からシャドウマスクの板厚方向に向う稜線と
小孔52の小孔端521 からシャドウマスクの板厚方向に向
う稜線と板厚内で合致する稜線合致部54を有している
が、大孔51側の右側の大孔端511 とこの稜線合致部54の
近傍の接点59で接する直線とで決定される。従って、実
際の通過電子ビームの幅は小孔52の開孔径よりも小さく
なる。
【0011】また、稜線合致部54の位置、即ちシャドウ
マスクの小孔52側表面から稜線合致部54までの距離が変
動すると、通過電子ビームの幅も変動することになり、
蛍光面での電子ビームのランディング余裕度の少ないカ
ラー受像管ではホワイトユニフォミティの低下を引き起
こす。さらに、電子ビームの入射角が従来管よりもより
大きなフラットスクェア管においては、図5(B)に示
すように、小孔52の小孔端521 から稜線合致部54までの
稜線541 に電子ビーム53が射突して反射する割合が増加
する。このような反射電子ビーム531 は何等制御されて
いないので、所定の蛍光体以外の蛍光体に射突して発光
させ、画面全体の黒レベルが低下してコントラストを大
幅に低下させる。その結果、昼光の下での視認と同じ状
況となり、カラーテレビとしての画像品位は低下する。
【0012】このように、電子ビームが電子ビーム開孔
の開孔側壁や大孔端511 に射突してビーム欠けが発生し
ないよう、大孔と小孔の開孔中心を必要量に応じて水平
方向及び垂直方向にずらしたとしても、シャドウマスク
がより平坦で電子ビームの入射角度が大きなカラー受像
管では不所望の反射電子ビームの発生を避けることがで
きない。蛍光面側に反射した反射電子ビームは、不必要
な蛍光体部をも発光させる結果、蛍光面の黒しずみを悪
くし、コントラストを低下させる。
【0013】この発明は、以上の問題に鑑みてなされた
ものであり、電子ビーム欠けを発生させることなく所望
の電子ビームのみ電子ビーム開孔を通過させるととも
に、開孔側壁に電子ビームが射突して反射しても反射電
子ビームが不必要な蛍光体を発光させることのないカラ
ー受像管を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は、フェースプ
レートの内面に形成された蛍光面と、この蛍光面に対向
配置された電子銃と、前記蛍光面と前記電子銃の間にあ
って前記蛍光面に近接対向して配置され規則的に配列さ
れた多数の電子ビーム開孔を有し、前記電子ビーム開孔
の前記蛍光面側の開孔は前記電子銃側の開孔よりも大な
る面積からなるシャドウマスクとを少なくとも備えたカ
ラー受像管において、前記シャドウマスクの前記蛍光面
側の開孔端から前記シャドウマスクの板厚方向に向う稜
線は前記電子銃側の開孔端から前記シャドウマスクの板
厚方向に向う稜線と板厚内で合致する稜線合致部を有
し、前記電子銃側の開孔端から前記シャドウマスクの板
厚方向に向う稜線に沿って引かれる直線と前記開口の中
心軸との成す角度は前記電子ビームの入射軌道と前記開
口の中心軸との成す角度よりも大きいカラー受像管であ
り、また、前記シャドウマスクの前記蛍光面側の開孔端
から前記シャドウマスクの板厚方向に沿う稜線は前記電
子銃側の開孔端から前記シャドウマスクの板厚方向に沿
う稜線と板厚内で合致する稜線合致部を有し、前記電子
銃側の開孔端から前記シャドウマスクの板厚方向に向う
稜線に沿って引かれる直線と前記開口の中心軸との成す
角度は前記蛍光面側の開孔端と前記稜線合致部近傍とを
結ぶ直線と前記開口の中心軸との成す角度よりも大きい
カラー受像管であり、さらには、前記電子銃側の開孔端
から前記シャドウマスクの板厚方向に向う稜線に沿って
引かれる直線と、前記蛍光面側の開孔端と前記稜線合致
部近傍とを結ぶ直線との交点は、前記シャドウマスクの
板厚に対して前記電子銃側表面から1/3 以内にあるカラ
ー受像管であり、または、前記蛍光面側の開孔端と前記
稜線合致部近傍とを結ぶ直線の前記稜線合致部近傍の接
点は、前記電子銃側の開孔端から前記シャドウマスクの
板厚方向に向う稜線に沿って引かれる直線と前記蛍光面
側の開孔端と前記稜線合致部近傍とを結ぶ直線との交点
よりも電子銃側の開孔端側に位置するカラー受像管であ
る。
【0015】
【作用】シャドウマスク全面に亘って入射する電子ビー
ムが、電子ビーム開孔で不所望のけられ(欠け)を発生
することなく、且つ蛍光面に反射電子ビームが到達しな
いようにするためには、電子ビームを面ではなく線で切
ればよい。即ち、電子ビームが通過する側の開孔断面に
おいて、大孔と小孔から板厚方向へ向う稜線が合致する
稜線合致部にて電子ビームは切られ、小孔端から稜線合
致部までの稜線で形成される開孔壁部は、その稜線に沿
う線と開孔の中心軸との成す角度が電子ビームの入射軌
道と開孔の中心軸との成す角度よりも大きくなるように
構成されている。さらに、この稜線に沿う傾きは、電子
ビームの射突による反射電子ビームが発生しても反射電
子ビームが蛍光面に到達しないような傾きを有していれ
ばよい。
【0016】また、開孔断面の稜線に沿う線、即ち、大
孔開孔端と稜線合致部の近傍の接点とを結ぶ直線と開孔
の中心軸との成す角度が電子ビームの入射軌道と開孔の
中心軸との成す角度よりも大きくなるように構成されて
いる。
【0017】このような構成とすることにより、電子ビ
ーム開孔を通過する電子ビームはビーム欠けを生ずるこ
とがなく、また電子ビームが開孔側壁に射突して反射電
子ビームが発生することがなく、仮に反射電子ビームが
発生しても反射電子ビームが蛍光面に到達しないように
することができる。
【0018】
【実施例】以下に図面を参照して、この発明の一実施例
について詳細に説明する。尚、この実施例におけるカラ
ー受像管の構成は、シャドウマスクの電子ビーム開孔部
以外は従来のカラー受像管と同様であり、カラー受像管
の全体構成についての説明は省略し、要部についてのみ
以下に説明する。図1は、この実施例のシャドウマスク
の中央部における電子ビーム開孔の断面形状を、図2は
同じくシャドウマスクの周辺部における電子ビーム開孔
の断面形状をそれぞれ示す。
【0019】図1に示すシャドウマスクの電子ビーム開
孔は、0.13mmの板厚の金属薄板に0.3mm ピッチの孔ピッ
チで形成され、蛍光面側の大孔11は直径が0.28mmであ
り、電子銃側の小孔12は直径が0.14mmとなるように形成
されている。シャドウマスクの中央部における電子ビー
ム開孔では、通過する電子ビーム13は当然のことながら
シャドウマスク面に対して実質的に垂直である。
【0020】これに対して、シャドウマスクの周辺部に
おける電子ビーム開孔の状態を図2に示す。小孔22側の
形状が電子ビーム23が抜ける幅を実質的に決めることに
なるが、小孔端221 に対する大孔端211 との差を、紙面
では中心線より右側の電子ビーム22の傾斜して抜ける大
孔21側方向をΔ1 、紙面では中心線より左側の電子ビー
ム22の傾斜して入射する小孔22側方向をΔ2 とする。シ
ャドウマスクの中央近傍では図2(A)に示すように、
Δ1 はΔ2 と同等であるのに対し、シャドウマスクの周
辺部ほど図2(B)に示すように、Δ1 はΔ2 よりも大
きくなるように構成されている。
【0021】さらに、図3(A)に示すように、大孔31
の大孔端311 から板厚方向への稜線と小孔32の小孔端32
1 からの稜線は稜線合致部34で合致し、小孔端321 から
稜線合致部34への稜線に沿う直線35と開孔の中心軸36と
の成す角度αは、電子ビーム33の入射軌道と開孔の中心
軸36との成す角度βよりも大きくなるように構成されて
いる。また、図3(B)に示すように、小孔端321 から
稜線合致部34への稜線に沿う直線35と開孔の中心軸36と
の成す角度αは、大孔端311 と稜線合致部34の近傍の接
点39とを結ぶ直線38と開孔の中心軸36との成す角度γよ
りも大きくなるように構成されている。
【0022】このような構成とすることによって、開孔
の小孔側から入射し大孔側へ抜ける電子ビームは開孔の
側壁に射突することなく蛍光面に到達するとともに、そ
の通過量も確保される。即ち、電子ビーム開孔を通過す
る電子ビーム径は実質的には開孔の小孔寸法と同じとな
るので、電子ビームの開孔寸法を制御すれば蛍光面に到
達する電子ビーム径も制御することが可能となる。ま
た、稜線に電子ビーム33が射突したとしてもその反射ビ
ームが蛍光面に到達することはない。
【0023】また、図3に示すように、小孔端321 から
稜線合致部34への稜線に沿う直線35と、大孔端311 と稜
線合致部34の近傍の接点39とを結ぶ直線38との交点37か
ら小孔32側表面までの距離tはシャドウマスク強度の点
からは大きな方がよい。さらに、大孔端311 と稜線合致
部34の近傍の接点39とを結ぶ直線38の接点39の位置は上
記tよりも小孔32側表面に近い方がよい。
【0024】しかし、エッチングによる開孔穿設の点か
ら見ると、tを大きくするためには小孔32側からのエッ
チング量を増やす必要がある。エッチング量を増やすと
サイドエッチ量も必然的に増加するため、その分だけ焼
き付けパターン寸法を小さくしなければならず、これは
パターンのむら品位の低下をもたらす。また、小孔のエ
ッチング量を増やすためには小孔へ供給するエッチング
液量を増加させる必要がある。通常、小孔側は水平に搬
送するマスク材の上側に位置するが、スプレーノズルを
揺動しマスク材上のエッチング液や液の当たりを均一に
保持していても、液量の増加に伴って不均一な液溜まり
が生じマスクむらを引き起こす。従って、tの大きさは
均一エッチングが比較的容易に維持できる観点からマス
ク肉厚の1/3 以下が好ましい。
【0025】以上の構造を有するシャドウマスクの製造
方法について以下に説明する。まず、所望の板厚のマス
ク材をアルカリ溶液などで脱脂洗浄後、マスク材の両面
にレジスト膜を被着形成する。その後、レジスト膜を形
成したマスク材の両面に目的の大小孔開孔パターンを各
々密着配置し、紫外線光源にて開孔パターン潜像をレジ
スト膜に形成する。開孔パターンの作成は、例えば米国
ガーバー社製のフォトプロッターを用いて行う。
【0026】電子ビームの入射角はマスク中央部に比較
して周辺部の方が斜めから入射する分大きくなるが、マ
スクの種類によっては図2に示すように必要なΔ1 を取
るため各大孔及び小孔の合わせ状態がマスク周辺部に行
くに従ってずれていく物もある。また、開孔ピッチが小
さくなるに従って大孔径も小さくなり、取り得るΔ1も
小さくなるため、ずらし量を大きく取らねばならないマ
スクもある。さらに、マスク板厚が厚くなるに従って必
要とするΔ1 が大きくなり、ずらし量を大きく取らねば
ならないマスクもある。これらのシャドウマスクを作成
するために用いられるマスク開孔パターンはパターンの
各位置に依って必要な大孔パターンに対する小孔パター
ン、または小孔パターンに対して大孔パターンを合わせ
た際、大小孔同志の中心軸がずれた状態にある。当然、
マスクによってはマスク全面に亘り大小孔の合わせずれ
を生じなくても良いものもある。
【0027】次いで、約40℃の温水をレジスト膜にスプ
レーすることにより未露光のレジスト膜を溶解除去し、
この後のエッチングにて開孔を形成すべき部分のマスク
材を露出させる。以上の現像終了後、レジスト膜の耐エ
ッチング性を向上させるため約200 ℃の温度で熱処理を
行う。その後、マスク材が鉄を主成分とするものであれ
ば、高温の塩化第2鉄溶液をスプレーすることによりレ
ジスト膜の存在しない開孔対応部をエッチングし、目的
の寸法及び断面形状を有する開孔を穿設する。エッチン
グ終了後、レジスト膜を除去し洗浄乾燥して目的のマス
クが得られる。
【0028】大小開孔端から板厚方向への稜線と、その
稜線が合致する稜線合致部からなる開孔断面を目的の形
状とするためのエッチング方法として最も重要なこと
は、大小開孔側からのエッチングの条件を制御すること
である。その方法について以下に説明する。
【0029】第1の方法は、小孔が上で大孔が下の状態
に保持されたシャドウマスク材を水平に搬送しながら両
面からエッチングを行う場合、小孔に対して大孔から吹
き付けるエッチング液の液量を多くするか、または衝撃
力が強い条件にて行う。このためには、一定の圧力にて
吐出する液量の多いスプレー用ノズルを大孔側に使用す
ればよい。または大孔と小孔とも同じスプレー用ノズル
を使用する場合、大孔側のスプレー圧を小孔側のスプレ
ー圧よりも高めればよい。このようにすることによっ
て、大孔側から吹き付けられるエッチング液が大小孔が
合致した稜線部と小孔部とで形成される肉厚部分を削り
取っていく作用をする。開孔寸法は、サイドエッチング
で生じたレジスト膜の庇部がエッチングの進行を抑制す
るので大きくなりにくい。従って、開孔寸法の変動を少
なくした状態で目的とする開孔断面形状が得られる。
【0030】第2の方法は、小孔部側をエッチング液が
かからないように保護した状態か、または小孔部側にエ
ッチング保護膜を被着した状態で、まず大孔側からのみ
マスク板厚の半分以上エッチングする。次いで、両側か
ら目的の開孔寸法が得られるまでエッチングを行う。両
側からのエッチング条件は上記の第1の方法の条件を用
いるとよい。このようなエッチングによれば、最初のエ
ッチングによってマスク材の実質的な板厚は減少して、
結果的には薄板をエッチングするに等しいことになるの
で、小孔のエッチング時間が短い分だけサイドエッチン
グ量が少なくてすむ。従って、レジストパターン寸法を
大きくできる分だけパターン品位が向上することと、エ
ッチング時間の短い分だけサイドエッチングのばらつき
が減少することにより、結果として開孔寸法のばらつき
の少ないシャドウマスクが得られる。一方、大孔からの
エッチング時間が極めて長くなる分だけ大小孔が合致し
た稜線部と、ビームの走行部とで形成される部分の肉厚
を削り取って薄くすることができるので目的とする開孔
断面形状が得られる。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、シャドウ
マスクの開孔に入射する電子ビームは開孔側壁に射突す
ることによるビーム欠けを生ずることがなく、また、開
孔内で反射電子ビームが発生しても蛍光面に到達するこ
とはない。従って、このようなシャドウマスクを用いた
カラー受像管は黒しずみが良く、ホワイトユニフォミテ
ィの優れた良質の画面を提供することができる。また、
シャドウマスクの開孔の寸法変動が極めて少ないため、
むら品位の良く蛍光面の品位を向上したカラー受像管と
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのシャドウマスクの中
央部における電子ビーム開孔の形状を示す断面図。
【図2】(A)及び(B)は本発明の一実施例としての
シャドウマスクの周辺部における電子ビーム開孔の形状
をそれぞれ示す断面図。
【図3】(A)及び(B)は図2の電子ビーム開孔への
電子ビーム入射の状態を説明するための断面図。
【図4】カラー受像管の全体構成を示す概略断面図。
【図5】(A)及び(B)は図3に対応する従来の電子
ビーム開孔への電子ビーム入射の状態を説明するための
断面図。
【符号の説明】
31…大孔 32…小孔 33…電子ビーム 34…稜線合致部 35…稜線に沿う線 36…開孔中心軸 37…交点 311 …大孔端 321 …小孔端 42…蛍光面 43…シャドウマスク 45…電子銃

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェースプレートの内面に形成された蛍
    光面と、この蛍光面に対向配置された電子銃と、前記蛍
    光面と前記電子銃の間にあって前記蛍光面に近接対向し
    て配置され規則的に配列された多数の電子ビーム開孔を
    有し、前記電子ビーム開孔の前記蛍光面側の開孔は前記
    電子銃側の開孔よりも大なる面積からなるシャドウマス
    クとを少なくとも備えたカラー受像管において、前記シ
    ャドウマスクの前記蛍光面側の開孔端から前記シャドウ
    マスクの板厚方向に向う稜線は前記電子銃側の開孔端か
    ら前記シャドウマスクの板厚方向に向う稜線と板厚内で
    合致する稜線合致部を有し、前記電子銃側の開孔端から
    前記シャドウマスクの板厚方向に向う稜線に沿って引か
    れる直線と前記開口の中心軸との成す角度は前記電子ビ
    ームの入射軌道と前記開口の中心軸との成す角度よりも
    大きいことを特徴とするカラー受像管。
  2. 【請求項2】 フェースプレートの内面に形成された蛍
    光面と、この蛍光面に対向配置された電子銃と、前記蛍
    光面と前記電子銃の間にあって前記蛍光面に近接対向し
    て配置され規則的に配列された多数の電子ビーム開孔を
    有し、前記電子ビーム開孔の前記蛍光面側の開孔は前記
    電子銃側の開孔よりも大なる面積からなるシャドウマス
    クとを少なくとも備えたカラー受像管において、前記シ
    ャドウマスクの前記蛍光面側の開孔端から前記シャドウ
    マスクの板厚方向に沿う稜線は前記電子銃側の開孔端か
    ら前記シャドウマスクの板厚方向に沿う稜線と板厚内で
    合致する稜線合致部を有し、前記電子銃側の開孔端から
    前記シャドウマスクの板厚方向に向う稜線に沿って引か
    れる直線と前記開口の中心軸との成す角度は前記蛍光面
    側の開孔端と前記稜線合致部近傍とを結ぶ直線と前記開
    口の中心軸との成す角度よりも大きいことを特徴とする
    カラー受像管。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のカラー受像管に
    おいて、前記電子銃側の開孔端から前記シャドウマスク
    の板厚方向に向う稜線に沿って引かれる直線と、前記蛍
    光面側の開孔端と前記稜線合致部近傍とを結ぶ直線との
    交点は、前記シャドウマスクの板厚に対して前記電子銃
    側表面から1/3 以内にあることを特徴とするカラー受像
    管。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のカラー受像管に
    おいて、前記蛍光面側の開孔端と前記稜線合致部近傍と
    を結ぶ直線の前記稜線合致部近傍の接点は、前記電子銃
    側の開孔端から前記シャドウマスクの板厚方向に向う稜
    線に沿って引かれる直線と前記蛍光面側の開孔端と前記
    稜線合致部近傍とを結ぶ直線との交点よりも電子銃側の
    開孔端側に位置することを特徴とするカラー受像管。
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