JPH0765331A - 磁気ヘッドの浮上量測定方法 - Google Patents

磁気ヘッドの浮上量測定方法

Info

Publication number
JPH0765331A
JPH0765331A JP5205308A JP20530893A JPH0765331A JP H0765331 A JPH0765331 A JP H0765331A JP 5205308 A JP5205308 A JP 5205308A JP 20530893 A JP20530893 A JP 20530893A JP H0765331 A JPH0765331 A JP H0765331A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flying height
head
vector
measurement
parameters
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5205308A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2980493B2 (ja
Inventor
Tadashi Fukuzawa
董 福沢
Teiji Kuno
悌二 久野
Tetsuharu Morita
徹治 森田
Koichi Isogi
幸一 五十木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
International Business Machines Corp
Original Assignee
International Business Machines Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by International Business Machines Corp filed Critical International Business Machines Corp
Priority to JP5205308A priority Critical patent/JP2980493B2/ja
Priority to US08/293,010 priority patent/US5502565A/en
Publication of JPH0765331A publication Critical patent/JPH0765331A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2980493B2 publication Critical patent/JP2980493B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/48Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
    • G11B5/58Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
    • G11B5/60Fluid-dynamic spacing of heads from record-carriers
    • G11B5/6005Specially adapted for spacing from a rotating disc using a fluid cushion
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B11/00Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques
    • G01B11/14Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques for measuring distance or clearance between spaced objects or spaced apertures
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B33/00Constructional parts, details or accessories not provided for in the other groups of this subclass
    • G11B33/10Indicating arrangements; Warning arrangements

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】白色ランプとカラー CCD カメラを用いて磁
気デイスクのヘッドの浮上量を高速に、かつ、精度よく
求めるための方法に関する。 【構成】干渉光の強度と測定の対象である浮上量の関係
を示す理論式に各色を代表する仮定屈折率、消光係数を
代入し、非線形回帰法によって最適化する。それによっ
て、最適な係数を求め浮上量を測定する。また、上記理
論式を特定の浮上量にのみ適用可能な近似式とし、ヘッ
ドの形状に関する定数をも考慮に入れて上記最適化をす
ることによって、極めて高速に浮上量を求めることを可
能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は光学干渉方式を用いた
磁気ヘッドの浮上量測定において、その浮上量を迅速に
計算し導出する方法に関する。
【0002】
【従来技術】磁気ディスク用磁気ヘッドの 浮上量を評
価する Flying Height Tester (FHT)は、磁気ヘッド
の開発・製造にかかせない重要な装置であり、これまで
に多くのテスターが開発されている。そのなかで光の干
渉を用いて浮上量を測定する方式のFHT は、電気的
な結線を必要とせず、非接触であるため、生産ライン用
のテスターとして広く一般に用いられている。
【0003】このタイプの FHT は磁気ディスクの代
わりに透明な石英ディスクを用い、ディスクと磁気ヘッ
ドの間にできる 100 nm程度の微小ギャップによる多重
干渉効果による干渉色を測定し、浮上量を推定する。こ
の方法は原理的に精度の高い測定が可能であるが、いく
つかの問題点を有する。
【0004】まず、図17を参照し、浮上量を光学的に
求める原理について述べる。同図は、透明な石英ガラス
・ディスク1と磁気ヘッド3が距離dで対向し、ヘッド
3が飛行状態になっている様子を表す。石英ガラス・デ
ィスク側から入射角θで間隙へ入射した光4は、石英
ガラス・ディスク1から空気間隙2に移る際に、角度θ
で屈折しヘッド3に同じ角度θ2で入射する。光の一
部5は、ヘッド3の内部へ角度θで入射し吸収され
る。それ以外の光は、ヘッド3で反射され、石英ガラス
・ディスク1の表面で再度反射される光7と、石英ガラ
ス・ディスク1内へ入る光6とに分かれる。このような
多重反射を繰り返す際に、光路の異なる光は、干渉効果
により光強度の変調を受ける。
【0005】第1図はこのような多重干渉効果により光
強度の変調を受けた反射光の強度を、光の波長及び微小
ギャップ(Flying Height)の関数として表現したもので
ある。仮に測定系の全ての光学定数、すなわち磁気ヘッ
ドの表面の屈折率および消光係数が必要な波長領域全て
にわたって求められており、光源、受光器および、分光
計の分光感度特性も既知である時は、第1図に示すよう
な反射スペクトルの強度が、第1式で表される理論式に
よって一意的に得られる。
【数1】 ここで、
【数2】
【数3】
【数4】 であり、さらに、
【数5】
【0006】ここで、n1、n2、n3は、それぞれ石
英ガラス・ディスク、空気、磁気ヘッドの複素屈折率、
λは光の波長、dは空気間隙長すなわち浮上量、cは光
速、ωは入射光の振動数を表す。また、r12はディス
クと空気の界面での反射率、r23は空気と磁気ヘッド
の界面での反射率、kiは光波ベクトルのx成分を表
す。
【0007】このような関数を予め用意しておけば、未
知の浮上量で石英ディスク上を飛んでいる磁気ヘッドの
干渉色と比較することで、未知の浮上量を精度良く求め
ることが可能である。
【0008】この場合浮上量の求め方として、二通りの
方法が可能である。すなわち、浮上しているヘッドの反
射スペクトルを測定し、そのスペクトルと同じ形状を与
える浮上量を予め用意しておいたスペクトル群の中から
求める方法と、いくつかの特定の波長の光に着目し、各
々の反射光強度の組み合わせから浮上量を逆算して求め
る方法である。ここで、前者をスペクトル評価方式とい
い、後者は3つの波長を用いて測定を行うことから三波
長方式という。
【0009】スペクトルを測定する方式では、適当な波
長領域を選べば、同一のスペクトル形状を異なる浮上量
に対して与えることがないため、浮上量の判定が容易に
なるという特徴をもつ。このためほとんどのFHTはこ
の方式をとっている。しかしながらこのような関数を計
算で導くには、さきに述べたように測定系の全ての光学
定数、すなわち磁気ヘッドの表面の屈折率および消光係
数が必要な波長領域全てにわったって求められており、
光源、受光器および、分光計の分光感度特性も全て解っ
ていることが必要である。このような測定は高価な光学
機器と高度の測定技術を必要とし、生産ラインに設置し
て休みなく評価を行う機器の校正法として全く不適当で
ある。なぜなら、ヘッドによってこれらの定数は固体差
が認められ、また、測定中に光源の経時変化が生じるこ
とも考慮すべきだからである。
【0010】さらに磁気ディスク装置の高密度化にとも
なう浮上量の低下は、スペクトル形状の変化を少なく
し、浮上量の判定をより困難にしている。浮上量が 50
nm から100 nm の範囲では、可視光の領域でのスペクト
ル形状の変化はほとんどなく、オフセット成分が変化す
るのみである。この方式によればスペクトル形状から浮
上量を推定するものであるから、このようにスペクトル
形状の変化が乏しい場合はこの方式を採用することは原
理的に困難である。
【0011】一方三波長方式は予め、用意しておくデー
タ量は、スペクトル方式と比べ、大幅に少なくてすむ。
この方式は三種類の異なった波長の単色光を用い、同一
の浮上量を与える反射光強度の組み合わせから浮上量を
一意的に求めることができる。スペクトル方式で 100 n
m までの浮上量を測定するためのデータを 1 nm の分解
能で持とうとすれば、100 個の関数を記憶しておく必要
があるが、三波長方式ならば3個の関数のみ記憶してお
けばよい。
【0012】この方式によれば必要な光学定数の数も少
なくて良い。しかしながら光学定数を測定するヘッドの
種類が変わる毎に測定するのは、オペレーターにとって
負担となる。つまり、ヘッドの材質が変更した時に予め
ギャップ長が分かっている標準サンプル(ヘッドをガラ
スデイスクに一定の傾きを持たせて貼り合わせたものな
ど)を用いて光学定数を測定する必要があるが、浮上量
が微小化するにつれその標準サンプルに係わるギャップ
部分の製作精度が問題となってくるし、ギャップ部分に
水が凝結し正しいギャップ長を与えないという新たな問
題も生じる。従って、この方式においても今後微小化し
ていく低浮上量磁気ヘッドのギャップ長測定に対応でき
ない。
【0013】また、そもそもFHTにおける光学干渉方
式自体、測定の非一意性および不可観測未知パラメータ
への依存性という二つの不確定要因を内包する。両者は
相乗的に影響しあい浮上量の較正の困難さ及び、低浮上
量領域での精度の低下などを招いている。ここで、測定
の非一意性とは、ある測定データから複数の浮上量推定
結果が得られるということである。このような複数の浮
上量推定結果の中から、なんらかの条件をつけてその中
の1つを選択するわけであるが、それには予見情報や人
為的判断が必要であり、ときには判定不能に陥る場合も
ある。この問題は干渉現象の周期性に起因する本質的な
ものであり、これを回避するために反射光のスペクトル
を測定していたため、装置のコスト増大を招いていた。
次に、不可観測パラメータへの依存性とは、例えば、被
測定ヘッドの複素屈折率(屈折率と消光係数)、光強度
センサデバイス(フォトダイオード、CCDアレイな
ど)のゲイン、オフセットなどの直接知ることが困難な
パラメータの仮定値をもとにして浮上量の逆算推定を行
わなければならないということをさす。現実にそれらを
精度良く測定することは困難な場合が多く、また、仮に
測定できたとしても個々の被測定ヘッドのばらつき、測
定装置のパラメーターの時間的な変動に対処することは
不可能に近い。従って、このような仮定値をもとに浮上
量を求めるということは誤差の発生につながる。
【0014】このように、浮上量を求める仮定において
不確定要因を含むようなアルゴリズムを使用すると以下
のような問題が生じる。例えば、第2図は浮上量(F
H)と石英デイスクの回転数との相関を求めた図であ
る。回転数の増大に応じて、浮上量が線形に増大してお
り、一見正しい結果を示しているように思える。しか
し、同時にクラウン(磁気ヘッドスライダーの凸形状を
示す定数)を測定すると図3のように回転数に応じて異
なった結果が得られてしまう。クラウンは形状により一
義的に決定するものであるから、このように回転数に依
存するデータが得られることは矛盾する。この矛盾は上
記したアルゴリズムの不確定要因の問題、すなわち、第
1図に示した関数が種々の光学定数に関する正しい情報
がないまま決められたことに起因する。
【0015】このように、磁気ヘッドのスライダーのク
ラウンを測定する場合には、スライダーの全領域につい
て浮上量を求め、数ナノメートルから数十ナノメートル
のクラウンを判定する必要がある。スライダーは斜めに
なって浮上しているため、磁気のギャップ部の浮上量を
与える 100 nm の浮上量から 500 nm 前後というきわめ
て広範囲の浮上量を測定範囲としつつ、クラウンを求め
るためには誤差を数ナノメートルのレベルに抑える必要
がある。このために、この浮上量測定に関するアルゴリ
ズムの線形性は極めて重要な役割をはたす。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従って、光学干渉方式
を用いたFHTにおける種々の不確定要因をオペレータ
ーになんら負担をかけることなく取り除き、正確な浮上
量を得ることができる信号処理アルゴリズムを提供する
ことが本願発明の目的である。
【0017】
【課題を解決するための手段】本願発明は白色ランプに
よる光学干渉方式のうち、三波長方式に関する磁気ヘッ
ドの浮上量測定において、一定の分光特性を有している
RGBカメラによって干渉光の強度を測定し、RGBの
各々の色毎に共通な第一の屈折率と第一の消光係数を仮
定し、反射スペクトル強度の理論式に前記第一の屈折率
と前記第一の消光係数を代入し、前記測定結果と前記代
入された理論式の誤差を各々のRGBごとに最小二乗法
によって評価し、前記第一の屈折率と前記第一の消光係
数を漸次他の値を有する屈折率、消光係数に変更し前記
評価を行い、前記誤差が最小となるような屈折率と消光
係数を確定屈折率と確定消光係数として導出し、前記確
定屈折率と前記確定消光係数を前記理論式に代入するこ
とによって浮上量と各RGBの干渉光強度との関係を求
める方法について開示する。
【0018】また、さらにこの方法を生産ラインに適し
たものとするために、白色ランプによる光学干渉方式を
用いた磁気ヘッドの浮上量測定において、理論式のパラ
メータ群を特定するステップと、特定されたパラメータ
群を利用して浮上量を測定するステップからなる方法で
あって、前記パラメータ群を特定するステップは、パラ
メータ群として理論式に係わる定数と、ヘッドの形状を
代表する多項式に関する定数を採用し、一定の分光特性
を有しているRGBカメラによって浮上したヘッドの発
する干渉光の強度を測定し、前記測定を複数のデイスク
の回転数について実施し、前記理論式のパラメータ群の
最適化は上記理論式に仮のパラメータ群を代入して得た
理論的な干渉光強度と測定干渉光強度の誤差を指標とし
て非線形回帰法によってこれを行い、前記浮上量を測定
するステップは、前記特定するステップから求められた
最適化された前記パラメータ群を上記理論式に代入し,
ヘッドが浮上している時の浮上量を連続的な曲線として
求める、方法について開示する。
【0019】
【実施例】本発明は第1図に示すような浮上中の磁気ヘ
ッドと石英ディスクとの間に生じる微小間隙の干渉現象
を正確に数式的に記述し、誤差なく、かつ、高速にヘッ
ドの浮上量を求める方法に関する。
【0020】第1の実施例ではできるだけ物理的に理解
しやすいアプローチをとり、本発明のアルゴリズムの正
しさを示す。第2の実施例では、モデル関数で干渉現象
を記述し、コンピューターによる処理が容易にできる方
法について述べる。
【0021】第16図に浮上中のヘッドを横方向、下方
向から見た図を示す。ヘッドは回転するデイスクからの
風圧を受け、定常状態で浮上する。以下の説明において
は図に示された方向に、x,z軸を設ける。測定すべき
浮上量はヘッドとデイスクの各点における間隔であり、
特に実施例2においては,ヘッドの浮上量をヘッドの形
状に関するデータを利用し、浮上量を曲線として求める
ものである。また、以下の説明で用いる「クラウン」の
概念はひと言でいえばヘッドの「反り」を定量的に表し
たものである。これも第16図に示した。
【0022】実施例1 第4図に使用した測定装置の概念図を示す。モーター24
で駆動される石英ディスク23と磁気ヘッド21との間の間
隙31が、測定すべき浮上量(FH)である。タングステン
・ハロゲン・ランプ25の光は、顕微鏡26の光学系を用い
てギャップ31で多重反射を繰り返し、浮上量に応じて一
定の干渉色を示す。この反射光を顕微鏡の頭部に固定し
たカラーTVカメラで画像情報として取り込む。本実施
例ではCCD撮像用アレイ61,62,63が、三色RGBにつ
いて独立に設けられているものを用いた。RGBの信号
RR,RG,RBは画像処理カードで予備的な処理をし
た後に、コンピューター38で処理される。なお、本実施
例で用いた装置は特願平4−297004号公報に詳述
されている。
【0023】第5図は磁気ヘッドの滑走面のセンターレ
ール部の干渉色を1次元的にTVカメラで取り込み、R
GB各色の信号強度を滑走面の位置zの関数として表示
したものである。センターレールはヘッドのはじからも
う一方のはじまで滑らかに形成された滑走面で、磁気ヘ
ッドの書き込み・読み込み用ギャップは、このレールの
一方の端に設けられている。図中で左側が磁気ギャップ
がある側である。RGBの信号は8X8の画素の平均値
を一つの単位としてあつかった。画像カードにより0〜
256に量子化されている。
【0024】第5図の値はそのままでは浮上量の算出に
用いることはできず、前処理を行う必要がある。まずデ
ータを2次元で取り込むことに起因する歪が問題とな
る。この歪は、TVカメラの撮像素子の面内分布(シェ
ーディング)及び顕微鏡光学系の照明むらによるもので
ある。この歪を補正するために均一な白色板を使用状態
で照明しカメラで各ポイントのRGB信号強度を測定し
記録した。ついで第5図の信号強度を、それぞれの画素
の面内分布の補正係数を乗じこの歪は除去した。
【0025】従来の浮上量測定装置では一点のデータを
取り込み分光して各波長成分に分けた信号を数値解析し
ていた。この方法では、上述したような2次元特有の歪
を心配する必要がない代わりに、光学測定系全体をメカ
ニカルに移動することにより、スライダーの二次元情報
を取り込む必要があり、装置の大型化、高価格化、測定
時間の増加が避けられない。本実施例では2次元的に一
画面のデータを一度に取り込んでしまうため、光学測定
系全体をメカニカルに移動する必要はまったくない。
【0026】次にCCD撮像素子の暗電流および画像カ
ードの直流成分の除去を行った。カメラのシャッターを
閉じた状態でRGB信号を測定しDC成分として差し引
いた。
【0027】このような前処理を行ったRGBの信号
は、第1式から第5式におけるいくつか未知パラメータ
ーを決めることで浮上量の関数として記述され得る。第
1図はこれらの式を単一の波長の光について適用したも
のであるが本実施例では、TVカメラのRGB信号を取
り込んでおり、RGBそれぞれの色に対応したフィルタ
ーを通過した光はすべて合算されて各色の信号となる。
【0028】第6図はここで使用したTVカメラのフィ
ルターの分光特性である。この特性には光源の色温度の
差による補正及びCCD撮像素子の分光感度特性も含め
て表示されている。
【0029】RGB 3出力のうちのひとつ、例えば R
(赤色)出力について考える。 R出力は白色光源によ
るヘッド・ディスク間エアーギャップからの干渉反射光
をR フィルタを通して CCD カメラにて電気信号に
変換したものであるから、その大きさは、各波長の(単
色)反射光強度を R フィルタの分光感度スペクトルで
重みづけして積分したものとなる。 R フィルタと光源
のスペクトルも考慮した総合分光感度スペクトルを SR
(λ)、波長 λ の単色光におけるヘッド・ディスク間エ
アーギャップ干渉反射率を g(λ,x) とするとき R 出
力 yR は次のように表される。
【0030】g(λ,x) は第1式から第5式に屈折率及び
消光係数を代入して求まる。屈折率及び消光係数は、現
在考慮している波長領域では、波長依存性を持ち浮上量
の計算結果に大きく影響を及ぼす。従って、本来であれ
ばスペクトル内の全ての波長についてそれぞれ屈折率、
消光係数を変化させ、それを代入する必要がある.この
ことは、膨大なパラメータを特定する必要性を義務付け
る。しかし、屈折率と消光係数を波長の関数とする代わ
りに、各RGBごとにおける定数と仮定してもそれほど
悪い近似とはならない。この操作で数百のパラメーター
を3個の屈折率nr,ng,nbと、3個の消光係数kr,kg,kbに
減らすことができる。
【0031】この6個のパラメーターに適当な初期値 n
1,k1,n2,k2,n3,k3 を代入し、第1式から第5式までの
計算を実行する。各RGBについてRGB関数(RGB
各々の強度と浮上量の依存性に関する関数)の候補であ
るトライアル関数Tr(x), Tg(x), Tb(x) を暫定的に求め
る。
【0032】第5図で示したデータは、あるスライダー
のポジションzに対してR,G,Bの強度の組み合わせ
が一意的に決まることを示している。従って、第1式か
ら第5式の未知パラメータを同定できれば、RGBの干
渉光強度の組み合わせから、ある位置zの浮上量が決定
できる。
【0033】現実には浮上しているヘッドは、クラウン
や傾きを持っており前述した前処理を行った後でも、第
5図から直接RGB関数を求めることはできない。しか
し、前処理をすませた各々のRGBの出力強度の測定値
Rs(z), Gs(z), Bs(z) は z= a というあるスライダー
ポジションにおける信号強度 Rs(a), Gs(a), Bs(a)とい
う組み合わせに近いTr(x=d), Tg(x=d), Tb(x=d) (dは
浮上量) という組み合わせを、先に求めたトライアルな
RGB関数 Tr(x), Tg(x), Tb(x) のいずれかの d と
いう浮上量においてとるはずである。ここで a はスラ
イダーの全領域について変化させるが浮上量 d の絶対
値は未知のままでかまわない。
【0034】いまある z に関して誤差 E(z) = ( Tr(x)-Rs(z) )2 + ( Tg(x)-Gs(z) )2 + ( Tb
(x)-Bs(z) )2 が最小となるdを探し、そのときのE(z)をEm(z) とす
る。Em(z) を z の全域について求め、その和をTEm
(n1,k1,n2,k2,n3,k3)とする。6個のパラメーター n1,
k1,n2,k2,n3,k3 を変化させて誤差の和TEm が最小と
なる n1,k1,n2,k2,n3,k3の組み合わせを求めた。このプ
ロセスは測定値と整合するように、第1式から第5式の
パラメータを最適化するプロセスである。従って、TE
mが最小となる n1,k1,n2,k2,n3,k3 の組み合わせを
第1式から第5式に代入した時に正しいRBG関数が求
まる。
【0035】第7図にTEm が最小となる n1,k1,n2,k
2,n3,k3 を用いて計算したEm(z) をz の関数として表
した。このように、特定のパラメータを選定することに
よってEm(z)は極めて低くすることができる。
【0036】次に、第8図はここで得られたパラメータ
ーを第1式から第5式に代入して求めた確定的なRGB
関数 Tr(x), Tg(x), Tb(x)を決め、前処理を行なった第
5図のデータ Rs(z), Gs(z), Bs(z) がいかなる浮上量
FHに対応するかを最小二乗法を用いて求めたものであ
る。第8図に示されているとおり、スライダーの各ポジ
ションにおける浮上量の測定結果は滑らかで、実際のス
ライダー形状と一致している。この事実から、本願発明
の浮上量の測定が正確で、アルゴリズム自体が正しい
(直線性が良い)ことがわかる。
【0037】このときの 測定値 Rs(z), Gs(z), Bs(z)
と確定されたRGB関数 Tr(x), Tg(x), Tb(x)の浮上量
x に関する関係を第9図に示す。図中で丸印、四角
印、三角印は、それぞれ Rs(z), Gs(z), Bs( z) を表
す。見てわかるように、測定値と理論値は良い一致が見
られる。
【0038】第10図はTEm が最小とならない(つま
り、最適化されていない) n1,k1,n2,k2,n3,k3 を用い
て計算したEm(z)を z の関数として表した例である。
第11図はこの場合の n1,k1,n2,k2,n3,k3 を用いて計
算したRGB関数 Tr(x), Tg(x), Tb(x)から求めた同じ
スライダーの各ポジションにおける浮上量である。部分
的には一見正しい浮上量を与えているかに見えるが、本
来滑らかであるべきスライダーの形状に不連続な箇所が
あり、この計算例が正しくないことがわかる。すなわ
ち、n1,k1,n2,k2,n3,k3を最適化するという過程が正し
い計算結果を得る上で、極めて重要であるということが
分かる。
【0039】次にディスクの回転数を変えて第5図に相
当するデータを取得した。3200 rpm,3600 rpm, 4
000 rpm, 4400 rpm における浮上中のスライダー
形状の測定値から求めたスライダーのクラウンは 31 nm
± 1 nm の精度で一致した。このときの n1,k1,n2,k2,
n3,k3 の値は 3600 rpm で測定した第5図のとき求
めた値を他の場合にも使用した。
【0040】スライダーの各部分の浮上量は回転数の増
加に対して相対的に増加するがクラウン自体は回転数に
よらず一定である。従って異なる回転数で得られたクラ
ウンの値が一致したことは、この評価アルゴリズムの妥
当性とリニアリティの良さを表している。
【0041】実施例2 実施例1で用いた方法は物理の基本原理から導いてお
り、屈折率や消光係数という物理量をパラメーターとし
て最適値を求めた。従ってこの方法は、物理的な直感が
得られ易いという長所を有する。しかし、現実の生産過
程においてはここまで広い範囲で浮上量を求める必要が
ない場合も多いので、一定の関数について近似形を用い
ることができる。これによって、より簡素化した手法を
用いて最適値を求め、計算速度の向上を実現することが
できる。具体的には、RGB関数を非線形関数で近似
し、必要なパラメーターを未知パラメーターとして非線
形回帰を用いて求める方法について説明する。
【0042】この実施例の概要をまとめると以下のよう
になる。 方策 1: 実施例1と同様に光源は白色ランプ、受光装
置は位置情報をも得るためカラーCCD カメラを用い
る。 方策 2: 非一意性を排除するため1点での測定は行わ
ずスライダー全体にわたって干渉光強度を一画面上で求
め、多項式近似されたスライダー形状ベクトルbを利用
して隣接する測定点間の関係を当てはめ、結果として、
浮上量をデイスクからの変位曲線(スライダープロファ
イル)の形で求める。 方策 3: 上記スライダー形状ベクトルbと、光学系・
装置パラメータの一群を未知パラメータベクトルpとし
て非線型回帰の手法によりパラメータ最適化を行う。こ
れにより、測定と較正(チューニング)は、データ自身
の整合性を利用して同時に行われる。 方策 4: 運用上は較正段階と測定段階に分ける。較正
段階ではディスク回転数を変えた多数の測定データを用
い、広い測定範囲での整合性を利用して全ての未知パラ
メータの同定を行う。測定段階ではある特定の回転数の
データを用い、変動し易いパラメータのみチューニング
しながら浮上しているヘッドのプロファイルを推定す
る。
【0043】単色光反射光強度関数の導出 波長 λ の単色光についてのヘッド・ディスクギャップ
の反射率を次式のように書き換える。 g(λ,x) = r1・ ( 1 - r3・COS(ax-φ))/(1 - r2・
COS(ax-φ)) ここに、a = 4π/λ で、r1、r2、r3、φ は、ヘッ
ド、ディスクの屈折率によって決まる定数である。ただ
し、これらの定数を正確に測定することは困難であり、
かつ被測定ヘッドの物性値としてのばらつきも予想され
るのでこれらを未知パラメータとして同定する必要があ
る。
【0044】FHT 出力関数 f(x) の関数形の導出 RGB 3出力のうちのひとつ、例えば R (赤色)出力
は実施例1で述べたように R フィルタと光源のスペク
トルも考慮した総合分光感度スペクトルを SR(λ)、ヘ
ッド・ディスク間エアーギャップ干渉反射率を g(λ,x)
とするとき R出力 yR は で表せる。 SR (λ) は第6図で示したように複雑な形
状をしており、その正確な形を装置ごとに知ることは極
めて困難であり、かつ、光源の劣化などによる経時変化
も考慮すればこれを未知パラメータとして同定する必要
がある。しかし、本願発明においては実施例1のように
波長スペクトル全体について積分する方法ではなく、ス
ペクトルを特定の2波長または3波長に代表させ、パラ
メータ数を集約する。例えば、3波長近似を用いた場
合、 yR = fR(x) = wR・g(λR,x) + w1・g(λR-εR,x) + w1・
g(λR+εR,x) ここに、wR、λR、εR は未知パラメータ、 w1 = (1-
wR)/2 である。
【0045】以上の他に実際の測定系においては、RG
B 各出力ごとにカメラ出力のゲイン、DC オフセット、
カメラ画像の視野位置 u でゲインが異なるシェーディ
ングなどの未知パラメータ(以下、未知パラメータ群と
して、
【数6】 (以降ベクトルpで表す、他の記号についても同様)で
表す)があり、これらを考慮した関数形は最終的に次の
ようになる。 yR = fR(p,u,x) = p1・(1+p2・u+p3・u2+p4・u3)・[p5・gR1
+(1-p5)/2・(gR2+gR3)] +p6 ここに gR1 = (1 - p8・COS(4π・x/p10-p9))/ (1 - p7・COS
(4π・x/p10-p9)) gR2 = (1 - p8・COS[4π・x/(p10-p11)-p9])/(1 - p
7・COS[4π・x/(p10-p11)-p9]) gR3 = (1 - p8・COS[4π・x/(p10+p11)-p9]) / (1 -
p7・COS[4π・x/(p10+p11)-p9])
【0046】上記における各パラメータは以下のように
説明される。 p1 ----------- 総合ゲイン(光源強度、CCDカメラ感
度等によって決定) p2〜p4 -------- シェーディング補正の1次、2次、
3次係数 p5 ----------3波長近似における中央部のエネルギー
重み(p5=0 のときには2波長近似となる) p6 ----------- 総合オフセット=デイスク表面の反射
率、CCDカメラの直流分によって 決定す
る p7〜p9 -------- ヘッド・ディスク屈折率によって定
まる定数 p10 --- --- 3波長近似の中心波長 p11 ------- 3波長近似における中心波長と側帯波波
長の差 以上、R 出力のみで 11個、 G、B出力と合わせて計
33個の未知パラメータが必要となる。このように、関数
の形状が定まったので、以下の過程においては未知パラ
メータを誤差を指標に最適化することが必要である。
【0047】アルゴリスムの概要 実施例1における FHT 信号処理ではヘッドの特定位
置における浮上量 ベクトルx に対応する RGB 出力ベ
クトル y を観測し、それを用いてもとの浮上量の推定
値 ベクトルx を求めるという考え方を取っていた。本
実施例ではヘッドスライダー全体からの RGB 出力ベク
トルを全体として観測し、そのデータの集合がヘッドの
形状と合致することを制約条件として、もとのヘッドプ
ロファイルを表す多項式係数ベクトルの推定値を求めて
いる。このように一点ではなく全体を利用することによ
って、測定誤差、ランダムノイズなどの影響を抑え、か
つパラメータ同定に必要なデータのリッチネス(変化す
る範囲の網羅性の豊さ)を確保することができる。例え
ば、一点のみに注目するときはパラメータベクトルの推
定値に複数の可能性があるがその近くのもう二点のデー
タを用い、『それらの浮上量は位置変化について直線的
に変化する』というヘッドの形状に起因する制約を加え
れば、全体を満足するパラメータベクトルの可能性はせ
ばまってきて推定しやすくなる。実際には、直線的な変
化を仮定するのではなく、ヘッドプロファイルは3次多
項式で精度よく表現できることが確認されているのでそ
れを制約条件としてヘッドスライダー全体にわたる多数
点のデータから多項式係数ベクトルの推定値 ベクトル
b を求める。
【0048】実際の運用上は後に示すように較正プログ
ラムと測定プログラムの二つの段階がある。測定プログ
ラムではスライダー位置 u の3次多項式でヘッドプロ
ファイルを表すが、較正プログラムでは同定すべきパラ
メータが多くなるため複数回転数でのデータを一組の測
定データとして利用する。この場合、スライダー位置u
の他に、ディスク回転数 v も用いて、u-v 二次元
空間上の浮上量プロファイルを多項式近似し、その係数
ベクトルを ベクトルb として、これを未知パラメータ
の一部として他のパラメータと合わせて非線型回帰を行
い同定する。 uについて3次、v について2次の場合
の測定プログラム、較正プログラムのそれぞれについて
のヘッドプロファイルの近似多項式の構成例を以下に示
す。 測定プログラム:
【数7】 較正プログラム:
【数8】 上記によりわかるように、この例の場合係数ベクトル
b の次元は測定プログラムでは4、較正プログラムで
は9となる。
【0049】まず、較正プログラムの場合について係数
ベクトル b から、浮上量ベクトルx を計算する方法
を説明する。 u、v を両端を含めてそれぞれ n、m 点
に適当に分割したサンプル点を ui、 vj とし、その時
の浮上量を xij とする(分割は等間隔でも不等間隔でも
以下の議論は同じである)。その xij を適当な順序で並
べて浮上量ベクトル x を構成する。そのとき、それと
同じ順序で i,j を動かして ui、 vj を定め (7)式 代
入したものを上から順に並べれば、つぎのようになる:
【数9】
【0050】これをベクトル表現すれば
【数10】
【0051】さらにこれをまとめて表現すれば、 ベクトルx = H・ベクトルb ------(10) の形を得る。上式の行列 H は ui、vj のすべての
サンプル点を定めれば(10) 式から容易に計算すること
ができる。
【0052】測定プログラムの場合も同様であるが、変
数が u のみになるので表現は、より簡単となる。この
場合の (9)式 にあたる表現は、次のようになる。
【数11】 また、(10)式の形は較正プログラムと同じであるが、(1
1)式からも分かるように行列Hは別物であるし、ベクト
ルx,ベクトルbの次元も異なることはいうまでもな
い。
【0053】第12図にモデル化された FHT と、提
案する信号処理アルゴリズムの関係を表現するブロック
ダイヤグラムを示す。 図の上部、すなわち FHT モ
デル部において ベクトルb はスライダープロファイル
(浮上中のヘッドの底面を表す曲線)を示す多項式係数
ベクトル、 ベクトルx はヘッド各位置における浮上量
のベクトル、 ベクトルy はその対応する位置における
RGB 出力ベクトル、ベクトルp は未知パラメータ
ベクトルであり、 関数 f(p,x) の関数形は前述の手法
で理論的に与えられる。また、H は多項式係数ベクト
ル 、ベクトルbから各位置における浮上ベクトル、ベ
クトル x を計算するための既知行列であり、前述した
ようにベクトルx=H・ベクトルbの関係を有してい
る。この部分は FHT のモデルであり、実際の測定時
に外部より観測できるのは ベクトルy のみである。
【0054】図の下部は上記パラメータ推定を行うため
の適応信号処理アルゴリズムを表現している。図の最下
部は、FHT そのものの数学モデルである。この数学
モデルに、ある初期パラメータ ベクトルb*,ベクトル
* を与えれば、仮の FHT出力 ベクトルyハット
が得られる。ここで * は推定値であることを示し、ま
た、アルゴリズム上は ベクトルb* も ベクトルp*
おなじレベルのパラメータとして同等に扱う。これと、
実際に測定した FHT 出力 ベクトル、ベクトルy と
の差を誤差ベクトル、ベクトル e としてその成分の自
乗和が最小となるように非線型回帰を行えば、最終的に
パラメータベクトル ベクトルb*,ベクトルp* を最適
化することが可能となる。
【0055】信号処理プログラムの実現例 第12図のブロックダイヤグラムに基づく信号処理シス
テム(較正プログラムと測定プログラム)を用いた信号
処理の全体のデータの流れを第13図に示す。この図に
示すように、この実施例は較正プロセスと測定プロセス
の2段階に分かれる。前者においてはベクトルb,ベク
トルpの各不確定要素を推定・最適化する段階である。
そして、後者において実際にその最適化されたパラメー
タを用いて浮上量の測定がなされる。
【0056】較正プログラムにおいては回転数を変化さ
せた時の測定データベクトルyと初期パラメータベクト
ルpinit をもとに、非線型回帰を行い最適な未知パラ
メータ(推定パラメータ)ベクトルpestを同定する。
この時の出力データはひとつのヘッドについてのスライ
ダー全体の多点RGB出力の組を、複数のディスク回転
数について取ったものである。
【0057】測定プログラムは測定データベクトルyと
推定パラメータベクトルpestからヘッド形状の多項式
係数ベクトル b を得る。測定データは較正データと同
じ形式のデータを一つのディスク回転数についてのみ持
つものである。この時、較正時と測定時のパラメータの
変動を補償できるよう、推定パラメータをさらに調節
(すなわち同定)しながら ベクトルb を求めている。
このベクトルbを求めれば、ベクトルx=H・ベクトル
bの関係を用いてヘッドの浮上量を求めることができ
る。
【0058】較正プログラムと測定プログラムは構造、
機能ともにほとんど同じものであり、違いは入力データ
のディスク回転数が複数か一つかという点だけである。
共通の工夫として入力データをスライダー位置 u につ
いて多項式近似法でスムーズィングし、さらにそれをサ
ンプルしてデータ数を減らし、計算時間の短縮を図って
いる。また、実行時に同定(調節)すべきパラメータを
オペレータが自由に選択できるようにしてある。これに
より、値の確定した安定なパラメータには触れずに済ま
すことができ、同定すべきパラメータ数を絞り込み、計
算時間を短縮することができる。実際の運用上は新規に
装置を作製したときの新規較正時には全パラメータを同
定し、その後の定期較正時や測定時には変動しやすいパ
ラメータ、たとえばゲイン、オフセットのみを同定する
のが望ましい。非線型回帰はいくつかの手法があるが、
ここでは収束が速い変形ニュートン法を用いた。
【0059】第14図はこの方法で求めた 浮上量 の測定
例である。石英ディスクの回転数を変化させギャップ部
分の 浮上量 を測定した。第2図の従来法による測定と
比べ、滑らかに変化しており回転数の増加時に 浮上量
が低くなるような逆転現象もない。第15図はスライダー
のクラウンの回転数依存性である。第14図のデータ取得
時に本実施例のアルゴリズムにより同時に算出される。
従来法で求めた第3図の場合と比べて、本来一定である
べきクラウンが正しく求められている。
【0060】
【発明の効果】新アルゴリズムの優位性はパラメータ変
動に対する適応性、低浮上量測定への適性、および計算
の高速性である。
【0061】従来の信号処理方式ではパラメータは既知
として計算しなければならず、初期較正、定期較正、ま
た、得られた測定結果の信憑性の検討などに技術者の多
大な努力が必要であった。今回提案の新アルゴリズムで
はパラメータ変動に適応する機能により技術者の手間を
かなり省くことができ、操作指示書の工夫によっては技
術者の介入をほとんど不要にできる可能性もある。
【0062】従来の一点測定法では、波長の数分の一の
低浮上量領域の測定は困難であったが、新アルゴリズム
ではヘッドスライダープロファイルの全データの整合性
を用いるため、低浮上量領域も精度良く測定できる。
【0063】計算時間は全パラメータ同定の較正時 HOS
T CMS での CPU Time にしてわずか10 秒前後であり、
また、測定時ゲイン・オフセット同定は 1 秒以下であ
り、全体の測定時間のネックにはならない。
【0064】較正プログラムでは個々の浮上量ではなく
スライダー位置 u 、ディスク回転数 v の二次元空間
上の浮上量プロファイルを多項式近似するときの係数ベ
クトル b と前記未知パラメータとを合わせて非線形回
帰を行い同定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】デイスク−ヘッド間のギャップによる干渉光の
スペクトルを示す。
【図2】従来のアルゴリズムを利用した時の回転数と浮
上量の相関を示す。
【図3】従来のアルゴリズムを利用した時の回転数とク
ラウンの相関を示す。
【図4】本願発明において利用される測定装置を示す。
【図5】干渉光の測定結果の一例を示す。
【図6】測定において使用したRGBカメラの分光特性
を示す。
【図7】本願発明においてパラメータを最適化した時の
誤差を示す。
【図8】本願発明においてパラメータを最適化した時の
浮上量を示す。
【図9】本願発明においてパラメータを最適化した時の
理論曲線と実測値の対応を示す。
【図10】パラメータ最適化が不十分な時の誤差を示
す。
【図11】パラメータ最適化が不十分な時の浮上量を示
す。
【図12】本願発明において浮上量を求めるアルゴリズ
ムを示したブロック図である。
【図13】本願発明に係わるヘッド浮上量を求めるフロ
ー図である。
【図14】本願発明において求めた浮上量とデイスクの
回転数の相関図である。
【図15】本願発明において求めたクラウンとデイスク
の回転数の相関図である。
【図16】測定の対象となるスライダーを横方向、下方
向から見た図である。
【図17】干渉方式を用いた磁気ヘッドの浮上量の測定
方法の原理図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久野 悌二 神奈川県藤沢市桐原町1番地 日本アイ・ ビー・エム株式会社 藤沢事業所内 (72)発明者 森田 徹治 神奈川県藤沢市桐原町1番地 日本アイ・ ビー・エム株式会社 藤沢事業所内 (72)発明者 五十木 幸一 神奈川県藤沢市桐原町1番地 日本アイ・ ビー・エム株式会社 藤沢事業所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学干渉方式のうち三波長方式を用いた磁
    気ヘッドの浮上量測定において、 光源として白色ランプを採用し、ヘッドとデイスクの間
    隙による干渉光の強度をRGB各色について一定の分光
    特性を有しているTVカメラによって測定し、 前記RGB各色毎に共通な第一の屈折率と第一の消光係
    数を仮定し、 干渉光強度を導出する理論式に前記第一の屈折率と前記
    第一の消光係数を代入し、 前記測定結果と前記代入されたときの理論式による計算
    結果の誤差をRGB各色ごとに最小二乗法によって評価
    し、 前記第一の屈折率と前記第一の消光係数を漸次他の値を
    有する屈折率、消光係数に変更し前記評価を行い、前記
    誤差が最小となるような屈折率と消光係数を確定屈折率
    と確定消光係数として選択し、 前記確定屈折率と前記確定消光係数を前記理論式に代入
    することによって浮上量とRGB各色の干渉光強度との
    関係を求める方法。
  2. 【請求項2】前記RGBカメラによって測定される干渉
    光の強度は、二次元情報を一度にとり込むことに起因す
    るひずみ分を除去する前処理を施されることを特徴とし
    た請求項1の方法。
  3. 【請求項3】光学干渉方式のうち三波長方式を用い、光
    源として白色ランプを採用した磁気ヘッドの浮上量測定
    において、パラメータ群を特定するステップと、特定さ
    れたパラメータ群を利用して浮上量を測定するステップ
    からなる方法であって、 前記パラメータ群を特定するステップは、パラメータ群
    として干渉光強度を導出する理論式に係わる定数とヘッ
    ドの形状を表す多項式に関連する定数を採用し、RGB
    各色について一定の分光特性を有しているTVカメラに
    よって浮上したヘッドとデイスクの間隙によって発する
    干渉光の強度を測定し、前記測定を複数のデイスクの回
    転数について実施し、前記パラメータ群の最適化は上記
    理論式に仮のパラメータ群を代入して得た理論的な干渉
    光強度と測定干渉光強度の誤差が最小となるように非線
    形回帰法によってこれを行い、 前記浮上量を測定するステップは、前記パラメータ群を
    特定するステップから求められた最適化された前記パラ
    メータ群を上記理論式に代入し,ヘッドが浮上している
    時の浮上量をデイスクからの浮上変位を示す連続的な曲
    線として求める、ヘッドの浮上量測定方法。
  4. 【請求項4】上記理論式は白色光を検出する上記TVカ
    メラのRGB各色の分光感度スペクトルを、複数の特定
    波長で代表させることによって求めるべきパラメータの
    数を減少させた近似式であることを特徴とする、請求項
    3の方法。
  5. 【請求項5】白色光光源とカラービデオカメラの組み合
    わせによってRGB夫々のフィルターで透過した各色光
    の干渉光の強度の変化を利用して透明デイスクと磁気ヘ
    ッド間の間隙を測定する磁気ヘッド浮上量測定方法であ
    って、前記RGB夫々のフィルターで透過した各色光の
    干渉光強度を複数の単色光の干渉光強度の和として表現
    した近似関数形を用意し、 干渉光強度を導出する理論式に係わる定数とヘッドの形
    状を表す多項式に関連する定数をパラメータとして設定
    し、前記各色光の干渉光強度の測定値から前記パラメー
    タを推定する較正ステップと、 前記較正ステップの結果得られた前記パラメータを利用
    して磁気ヘッドの浮上量を求める測定ステップと、を具
    備し、 前記較正ステップは直線上の複数視野を測定点として選
    択し、かつ、測定を同一の磁気ヘッドについて複数の回
    転数について行い、測定点の位置とデイスク回転数との
    相関における浮上量を測定点より少ない数の係数パラメ
    ータで表現し、 前記測定ステップは直線上の複数視野を測定点として選
    択し、ヘッドのデイスクからの浮上変位を示す連続的な
    曲線を測定点より少ない数の係数パラメータで表現す
    る、磁気ヘッド浮上量測定方法。
  6. 【請求項6】前記較正ステップにおいて、前記近似関数
    形に含まれる前記パラメータのうち任意のパラメータを
    推定することを特徴とする請求項5の方法。
JP5205308A 1993-08-19 1993-08-19 磁気ヘッドの浮上量測定方法 Expired - Fee Related JP2980493B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5205308A JP2980493B2 (ja) 1993-08-19 1993-08-19 磁気ヘッドの浮上量測定方法
US08/293,010 US5502565A (en) 1993-08-19 1994-08-19 Method and apparatus for measuring the flying height of a magnetic head above a disk surface at three wavelengths

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5205308A JP2980493B2 (ja) 1993-08-19 1993-08-19 磁気ヘッドの浮上量測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0765331A true JPH0765331A (ja) 1995-03-10
JP2980493B2 JP2980493B2 (ja) 1999-11-22

Family

ID=16504806

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5205308A Expired - Fee Related JP2980493B2 (ja) 1993-08-19 1993-08-19 磁気ヘッドの浮上量測定方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5502565A (ja)
JP (1) JP2980493B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100520054B1 (ko) * 1998-05-26 2005-12-06 삼성전자주식회사 하드디스크 검사장치 및 그 방법
US7206077B2 (en) 2003-11-20 2007-04-17 International Manufacturing And Engineering Services Co., Ltd. Flying height tester and flying height test method

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6178157B1 (en) 1996-04-15 2001-01-23 Digital Papyrus Corporation Flying head with adjustable actuator load
US5703684A (en) * 1996-09-23 1997-12-30 International Business Machines Corporation Apparatus for optical differential measurement of glide height above a magnetic disk
US6317210B1 (en) * 1998-11-13 2001-11-13 Seagate Technology Llc Apparatus for recording fly height measurement
SG106583A1 (en) * 2000-08-03 2004-10-29 Inst Data Storage A method and apparatus for dynamically measuring the full flying state of a slider
US6804010B1 (en) 2002-01-14 2004-10-12 Seagate Technology Llc Optical coating thickness optimization for fly height test media
JP2006023900A (ja) * 2004-07-07 2006-01-26 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands Bv 回転円板形記憶装置の試験/調整方法及び試験制御装置
US7969573B2 (en) * 2005-10-04 2011-06-28 Agency For Science, Technology And Research Method and system for obtaining n and k map for measuring fly-height
US7817286B2 (en) * 2006-12-22 2010-10-19 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Iteration method to improve the fly height measurement accuracy by optical interference method and theoretical pitch and roll effect
WO2016030227A1 (en) * 2014-08-29 2016-03-03 Asml Netherlands B.V. Method for controlling a distance between two objects, inspection apparatus and method

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62174211U (ja) * 1986-04-25 1987-11-05
JPH03158709A (ja) * 1989-11-15 1991-07-08 Ezel Inc 立体形状認識装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4593368A (en) * 1984-06-04 1986-06-03 Kollmorgen Technologies Corporation Technique for measuring very small spacings
US5218424A (en) * 1991-03-19 1993-06-08 Zygo Corporation Flying height and topography measuring interferometer
US5280340A (en) * 1991-10-23 1994-01-18 Phase Metrics Method and apparatus to calibrate intensity and determine fringe order for interferometric measurement of small spacings
US5311287A (en) * 1992-02-25 1994-05-10 International Business Machines Corporation Direct access storage device with head-disc dynamics monitor

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62174211U (ja) * 1986-04-25 1987-11-05
JPH03158709A (ja) * 1989-11-15 1991-07-08 Ezel Inc 立体形状認識装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100520054B1 (ko) * 1998-05-26 2005-12-06 삼성전자주식회사 하드디스크 검사장치 및 그 방법
US7206077B2 (en) 2003-11-20 2007-04-17 International Manufacturing And Engineering Services Co., Ltd. Flying height tester and flying height test method

Also Published As

Publication number Publication date
JP2980493B2 (ja) 1999-11-22
US5502565A (en) 1996-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105424185B (zh) 一种计算机辅助的全波段光谱仪波长标定方法
US7206074B2 (en) Apparatus and method for measuring spectral reflectance and apparatus for measuring film thickness
Shimano Recovery of spectral reflectances of objects being imaged without prior knowledge
US9325966B2 (en) Depth measurement using multispectral binary coded projection and multispectral image capture
JP4242767B2 (ja) 2次元型検出器を用いた薄膜特性測定装置及びその測定方法
CN109253700B (zh) 膜厚度测量方法及膜厚度测量装置
JP2980493B2 (ja) 磁気ヘッドの浮上量測定方法
KR20020060151A (ko) 물체의 기복을 측정하기 위한 방법 및 시스템
EP0658751B1 (en) Correction of spectra for stray radiation
CN108259865A (zh) 一种基于单像素探测器的彩色成像方法和系统
US5126569A (en) Apparatus for measuring optical properties of materials
JP3304692B2 (ja) 分光測定装置
CN113506235A (zh) 一种对抗曝光变化的自适应加权光谱重建方法
JP2007170961A (ja) 検査装置及び検査方法
CN109341554A (zh) 一种测量膜厚的装置及方法
CN106468562A (zh) 一种基于绝对相位的彩色相机径向色差校准方法
WO2021195817A1 (zh) 一种提取待测物质的光谱信息的方法
JP2013033006A (ja) 分光情報取得装置、分光情報取得方法及び分光情報取得用プログラム
US11158548B2 (en) Overlay measurement using multiple wavelengths
US20060231779A1 (en) Exterior inspection apparatus and exterior inspection method
CN105115908B (zh) 金属锈斑最优光谱波段选取视觉检测装置和方法
KR100868374B1 (ko) 잔류응력 추정 방법 및 장치
US7046288B1 (en) Image recording apparatus employing a single CCD chip to record two digital optical images
Kim et al. Generating a true color image with data from scanning white-light interferometry by using a Fourier transform
JP2002323376A (ja) 色情報計測方法と表示色評価方法及び表示色調整方法並びにこれらを利用した装置それにプロジェクタの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees