JPH0765246B2 - 連続繊維束の低温牽切装置 - Google Patents

連続繊維束の低温牽切装置

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JPH0765246B2
JPH0765246B2 JP59021495A JP2149584A JPH0765246B2 JP H0765246 B2 JPH0765246 B2 JP H0765246B2 JP 59021495 A JP59021495 A JP 59021495A JP 2149584 A JP2149584 A JP 2149584A JP H0765246 B2 JPH0765246 B2 JP H0765246B2
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秀 橋本
康夫 丹後
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、連続繊維の束から不連続繊維の束を凍結牽切
によって製造する装置に関するものである。
〔従来の技術〕
凍結牽切法は特開昭58−60021、特開昭58−60022、特開
昭58−203107の明細書に開示されている様に、トウ紡績
において、連続繊維の束から不連続繊維の束を製造する
際、繊維を低温にて牽切する方法であり、紡出される不
連続繊維の束中の単繊維物性は牽切される前の連続繊維
の束中の物性と比べほとんど低下することなく維持して
いる。第1図にアクリル系合成繊維(商品名カシミロン
)3d 20本束の各温度における張力−伸度線図を示
す。第1図より明らかなように、低温下での牽切は塑性
変形量がきわめて少なく、弾性領域近傍において切断で
きるため、切断後の単繊維の強伸度が繊維され、しかも
残留歪みが少ないので、100〔℃〕ボイルによる単繊維
収縮率が極めて低い単繊維群を有した不連続繊維の束を
得ることができる。そして、供給する連続繊維の束を構
成する各単繊維が捲縮を有するものを用いれば、牽切後
もこの捲縮が維持された不連続繊維の束を得ることがで
きる。この様に、原綿の物性、捲縮を保持し、しかも平
行度の優れたランダム・スライバーが得られる為、従来
の紡績工程と比べると著しく工程短縮ができまたネッ
プ,スラブ,紡績工程でのフライが少なく品質の向上も
可能となる。また、牽切時の繊維温度を下げるに従い、
切断は延性破壊から脆性破壊へと遷移し、単繊維の切断
面な先細尖端となる。以上のように、凍結牽切法は非常
に有効的かつ特徴的な牽切法である。
前記連続繊維の束を連続冷却する場合、この連続繊維の
束の送込口、及び引出口を有する冷却槽内に連続繊維の
束を通過させることにより、冷却する。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、水分を多く含んだ外気に晒らされたままの連
続繊維の束をこの冷却槽に直接通過させて冷却し、牽切
機で牽切するという従来からの凍結牽切法では、この外
気中の水分により、牽切時及び牽切された直後の各単繊
維の移行が良好に行なわれず、段切れ,牽切斑を招き、
凍結牽切が良好に行なえないという欠点が生ずる。その
牽切斑は不連続繊維の束の斑の原因となり、U%の低
下、品質の低下となる。これは、連続繊維の束中には冷
却槽外部の大気を含有しておりその水分が低温となり霧
となることによって影響されるからである。第2図に飽
和蒸気圧表から、空気の露点温度と標準状態における1
〔Nm3〕当りの水分量の関係を示す。例えば、大気温度2
5〔℃〕の時、約23〔g/Nm3〕の水蒸気で飽和となり、相
対湿度65〔%〕で約15〔g/Nm3〕に相当する水蒸気が存
在する。低温,極低温での飽和蒸気圧は極めて低く、こ
の外気が、例えば−80〔℃〕以下に冷却された場合、約
15〔g/Nm3〕に相当する水蒸気のほとんど凝縮する。
また、大気中水分が冷却槽内に侵入すると、冷却槽内各
部にも霧付きが生じ、冷却槽内に連続繊維の束の回転ロ
ーラ等を設けた場合、露結により回転不良が生じる。そ
して、低温下では繊維の剛性が増し、過度の撮れが生じ
ると繊維表面に損傷を与える原因となる。又、冷凍機の
蒸発器表面にも霜付きが生じ、熱交換が低下し、冷凍能
力が低下する。
本発明の本発明者等は凍結牽切を行う際には、前述の面
から連続繊維の束中に含有している大気中の水分を減少
するとともに、冷却槽内への大気中水分の侵入を防止す
る事が必要であることに着目し種々検討の結果本発明に
到達した。
本発明は連続繊維の束中の含有空気を予め乾燥気体に置
換することによって、牽切時の牽切斑から来る不連続繊
維の束のU%、品質の低下をなくし、ステープル・ダイ
ヤグラムの劣化をなくし、品質の優れた不連続繊維の束
を長時間安定して製造することを可能にする低温牽切装
置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の目的を達成するための、低温に冷却された連続
繊維の束を牽切して不連続繊維の束を製造する低温牽切
装置は、その低温牽切装置が、連続繊維の束の進行方向
で順次連結された置換槽と冷却槽と牽切機とから成り、
前記置換槽には露点温度−5〔℃〕以下の乾燥気体の供
給口が設けられて常温乾燥気体で充満されており、前記
冷却槽が冷凍機を用いて連続繊維の束を−5〔℃〕以下
に冷却できるように構成されていることを特徴とする。
本発明による低温牽切装置の置換槽は連続繊維の束の送
込口と引出口を有し置換槽内を通過させる間に連続繊維
の束中の含有空気を乾燥空気に置換する。この乾燥空気
の代りに液体窒素等の低温気化ガスの様な、大気に洩れ
ても無害な乾燥ガスであってもよいが、工業的には圧気
を除湿し、フィルターやミストセパレータを介して、冷
凍式乾燥器、吸収式乾燥器により得られるできるだけ露
点の低い乾燥空気が好ましい。この乾燥空気は、冷却槽
内へ持込まれても発露しない様、冷却槽の冷却温度より
低い露点温度をもつ乾燥空気、例えば冷却温度が−5
〔℃〕の場合、露点温度−5〔℃〕以下の乾燥空気を供
給すれば良い。冷却温度が極低温とした場合、その温度
以下の露点温度をもつ乾燥空気を得るのは、差程容易に
は得られない。しかし、第2図に示した様に、−40
〔℃〕の露点温度をもつ乾燥空気の水分量は極めて少な
く、さらに露点温度の低い乾燥空気の水分量と比べても
差程変らない。従って、供給する乾燥空気の露点温度
は、低い方が好ましいのは言う迄もないが、好ましくは
−40〔℃〕以下の乾燥空気を供給すれば、冷却槽内へこ
の乾燥空気が持込まれても、凝縮して発露する水分は極
めて低く抑えることができる。
前記乾燥空気を置換槽内で噴出し、フリース状となつた
連続繊維の束の厚さ方向に通過させたり、連続繊維の束
の進行方向に向流に流動させる等して置換する。又、置
換槽内に回転ローラーを設け、連続繊維の束を蛇行さ
せ、槽内滞留長さを大きくしたり、回転ローラーを、1
対のニップローラとして、スクイジング作用をもたせる
こともできる。置換槽内に供給した乾燥空気が、大量に
冷却槽内へ侵入しない様、連続繊維の束の引出口は、1
対以上のニップロールやスリット等でシールし、送込口
は幾分開放しておき、乾燥空気が送込口から流出して、
置換槽内への大気の侵入を防ぐこともできる。
以上、連続繊維の束中の含有空気を水分の低い乾燥空気
に置換した後、冷却槽内各部で霜の発生を極めて少なく
抑えて、連続的に連続繊維の束を長時間安定して深冷す
る。そして、連続して牽切機に送り込み牽切される。冷
却槽の連続繊維の束の送込口、及び引出口には1対以上
のニップロールやスリット等により、冷却槽内冷気と外
気との接触を防ぐ様する。
ところが、一般に繊維は延伸して切断すると発熱する。
これは繊維に仕事を加えると、弾性変形する場合はこの
仕事が位置エネルギとして貯えられるのに対し、さらに
変形が進み塑性変形し始めると、この仕事が熱エネルギ
に変換され放熱されるためである。第1図において20℃
における塑性変形領域はa,a′,b′,bの面積であり、こ
の仕事が発熱量を決める。この面積は切断温度が低下す
ると、一端増加した後減少してゆき、−100℃の時はほ
とんど弾性領域内で切断され、発熱量は著しく減少す
る。第3図にこの塑性変形領域と切断温度との関係を示
す。ここでIは第1図に示した繊維束であり、IIは同じ
く商品名カシミロン の低伸度タイプの繊維であるが、
切断がある温度以下で行なわれ、弾性領域内、もしくは
その近傍の領域であれば牽切により発熱はほとんどなく
なる。逆に言えば、牽切熱が繊維の温度を上げてさらに
大きな牽切熱を発生する原因となり繊維温度は急激に上
昇する。
そして、牽切を2段以上で行なう場合、第3図で示した
(II)の様な繊維では、2段目以降で牽切する時の繊維
温度は、差程高くならないが、(I)の様な繊維ではそ
の繊維は極めて高くなり、塑性変形して単繊維収縮が生
じ、凍結牽切が都合よく実施できない。
そこで、凍結牽切のもつ本来の長所を損なうことなく発
現するためには、牽切熱が発生したならば素早く奪い取
るか、もしくは1段目で牽切した不連続繊維の束を再び
冷却する必要がある。そこで本発明を実施する際には、
2対以上のニップロールから成る牽切機において、任意
のニップロール間に冷却手段を備えた冷却槽もしくは冷
却体を設けることが好ましい。牽切に伴ない牽切熱が発
生する場合には、この低温牽切槽もしくは冷却体におい
て吸熱して繊維束の昇温を防ぐかもしくは、1段目で牽
切した不連続繊維の束を再び冷却し、再牽切する。
本発明による低温牽切で用いられる冷却には、液体窒
素、液体ヘリウム、ドライアイス、冷凍機で得られる低
温ガス(通常は空気)、低温液体、等、−5〔℃〕以
下、好ましくは−20〔℃〕以下の低温が得られるものな
ら如何なるものを用いても良いが、工業的にはコストの
面から冷凍機を用いるのが最も好ましい。本発明におい
ては、冷凍機の蒸発器が内蔵されているか、もしくは、
蒸発器を内蔵したチャンバーとダクト等で連系された冷
却槽内に、連続繊維の束を通過させ、冷風を当てかる、
低温に致らした物体に接触させる事により冷却を行なっ
ている。
本発明による装置に用いられる連続繊維の束は、主に単
繊維デニール0.1〜100〔d〕から構成されるトータルデ
ニール30〔d〕〜200万〔d〕に至るフィラメント、ト
ウ等の繊維束が用いられ、ポリアクリル系、ポリエステ
ル系、ポリアミド等の合成繊維等である。
<実 施 例> 次に本発明による低温牽切装置の実施例を示す添付図面
を参照して本発明を説明する。
第4図において、1は単糸デニール3〔d〕トータルデ
ニール50万〔d〕のアクリル系合成繊維(商品名;カシ
ミロン )の捲縮を有するトウ状の連続繊維の束であ
る。1対のニップローラ2,2と、1対のニップローラ3,3
との間でトウ1、を牽切して、不連続繊維の束であるス
ライバー51、とする牽切機4、の前段にトウ1、冷却す
る冷却槽A、が連続して取付けてある。冷却槽Aはトウ
1の送込口が1対の送込ローラ5,5で閉塞され、又、引
出口は先の牽切機の1対のニップローラ2,2で閉塞され
ている。冷却槽Aは外周を断熱材6、で覆われ、低温雰
囲気で満たされた槽内にトウ1を通過させ、連続冷却す
る。冷却槽Aの前段には、置換槽B、が設けてある。置
換槽Bにはトウ1の引出口に1対のニップロール7,7が
設けてあり、トウ1の入口8、はスリット状をなしてい
る。置換槽B内には、乾燥空気が満されており、トウ1
が通過する間にトウ中に含有している外気を乾燥空気に
置換している。又、この装置では牽切機の各々のニップ
ローラ2,2と3,3の間に低温牽切槽C、が設けてある。こ
の槽Cは断熱材6、で覆われ、牽切機の各々のニップロ
ーラ2,2と3,3により閉塞してある。そして、トウ1、は
ローラ2,2と3,3の間で延伸力、および/または剪断力を
受けて切断され、スライバー51、となる。そして、スラ
イバー51、は収束ローラ9を通りコイラーE、により、
ケンス10、内にコイリングされる。なお、D内には低温
牽切に必要とする冷熱を供給する冷凍機ユニットが組ま
れている。
第5図は冷却槽Aの詳細図であり、(a)は正面からの
縦断面図、(b)は側面からの縦断面図を示す。トウ
1、は槽内で複数のつば付回転ローラー11、により蛇行
しつつ、1対の送込みローラ5,5と、牽切機の1対のニ
ップローラ2,2により、槽内を搬送される。冷却槽Aの
送込口と、引出口はそれぞれのニップローラ5,5と2,2に
より閉塞されている。槽内の雰囲気循環通路12、内には
冷凍機に接続された蒸発器13、温度調節と冷却槽A内の
霜とりを兼ねた加熱器14、及び、送気ファン15、が内蔵
されてあり、蒸発器13、により冷却された低温雰囲気は
循環通路12、内から送気ファン15、整流板41により流動
し、槽内へ送り込まれる。16、はファン駆動用モータで
ある。矢印(イ)方向へ流動する槽内雰囲気は、トウ1
に当たり、冷却して、槽内の吸込口17に戻り矢印(ロ)
方向へと循環する。吸込口17、には、繊維のフライやゴ
ミ等が蒸発器へ付かない様フィルタ18を設けてある。
第6図は、フレーム19に支持されたつば付き回転ローラ
ー11のシャフト20の軸受部を示す。2個1組のフレーム
19,19とシャフト20は冷却槽A内の構造的フレームを構
成している。繊維束の折曲した走行を案内する回転ロー
ラー11はベアリング・ボックス21内のグリース凍結防止
用ヒーター22がシャフト20の端部に取付けてある。冷却
槽内温度がベアリングの使用限界温度−40〔℃〕以下と
なったときに、ヒータ22を働かせるよう施しておく。ま
た回転ローラ11にフッ素系樹脂、あるいは超高分子量ポ
リエチレン樹脂のような耐低温特性および自己潤滑性を
有する材料を用いることにより、軽量化が図られ、極低
温においても使用に耐えることができる。
第7図は置換槽Bの詳細図である。(a)は正面からの
縦断面図、(b)は側面からの縦断面図を示す。トウ
1、は置換槽内で複数のつば付き回転ローラー23、によ
り蛇行しつつ、置換槽Bの引出口24、に設けた1対のニ
ップローラ7,7により置換槽B内から搬出される。置換
槽Bの入口8、はスリット状をなしている。置換槽Bの
底部には乾燥空気供給管25、を設け露点−5〔℃〕以下
の乾燥空気を矢印(ハ)方向に供給する。乾燥空気で満
たされた置換槽B内をトウ1、が通過している間にトウ
1、中の含有空気は追い出される。又置換槽は入口8、
のみが開放となっているため、乾燥空気を供給すると、
トウ1中の含有空気を置換した後の空気は、入口8、ス
リット部で矢印ニ)方向へ噴出し、トウ1の進行に伴な
う外気の随伴空気の侵入を防ぐことができる。
置換槽は効率よくトウ1中の含有空気を乾燥空気に置換
できるものであれば良く、第8図に示す様にトウ1の入
口、および出口を1対のニップローラ32,32、と33,33で
閉塞し、置換槽の一方向から前記乾燥空気を供給する
様、片面に乾燥空気供給管34、と、その対面側に乾燥空
気排気管35、を設けた装置を用いてもよい。乾燥空気を
第8図のように矢印(ハ)の方向に供給することによ
り、トウ1の厚み方向に乾燥空気を通過させることがで
きる。この際、トウ1の乾燥空気供給管34、側の近傍に
孔36、を多数有する板37(第8図(C))を配置し、ト
ウ1に乾燥空気を吸き付けて、積極的にトウ1中の含有
空気を置換させるものである。又、第9図に示す装置を
用いてもよい。この装置では、乾燥空気供給管34、を複
数設け矢印(ハ)方向に乾燥空気を供給する。置換槽B
内には小型のスリット38、を多数設ける。置換槽B出口
には1対のニップローラ33,33を設け出口部を閉塞す
る。又入口部39、はスリット状とし開放しておく。乾燥
空気供給管34、から供給された乾燥空気は、矢印(ニ)
の様に、トウ1を通過しつつ流れてゆき、入口部39、の
スリットからトウ1、の進行方向と向流で噴出する。乾
燥空気がトウ1、を通過する際、トウ1中の含有空気を
効率よく、乾燥空気に置換させることができる。
さらに又、第10図に示す装置を用いてもよい。この装置
では置換槽B内に複数対のニップロール40、を設ける。
ニップロール40、の一方はつば付きロールで、この1対
のニップロール40、によりトウ1、中の含有空気をスク
イジングする。置換槽Bの出口部には1対のニップロー
ラ33,33で閉塞し、大量の乾燥空気が冷却槽A内へ侵入
するのを防ぐ。又、入口部39、はスリット状とし開放し
ておく。乾燥空気供給管34、から供給された乾燥空気は
スクイジングされたトウ1中の含有空気を効率よく置換
される。
第11図は低温牽切槽Cの詳細図であり、槽内の冷却板30
の下方に冷媒が内部を循環する冷却器26と送気フアン27
があり、槽内雰囲気を冷却しつつ循環させる。そしてニ
ップローラー3,3の線速度をローラー2,2の線速度より大
きくし、油圧ニップにより適当な荷重を加え繊維束を2
対のローラ間にて牽切し不連続繊維束51となし紡出す
る。槽内温度はニップ・ローラー2,2およびニップロー
ラ3,3の近傍や、冷却器26の背後等、任意の任意に設け
た白金抵抗体や熱伝対等の温度検出端により検出し、自
動制御する。
一般にトウを牽切するとフライが発生するが、牽切領域
を密閉すると、このフライは堆積していき連続運転に支
障をきたしたり浮遊してスライバー中に入り品質を低下
させるため、低温牽切槽Cでは除去に都合の良いよう、
槽下部の循環通路内にフイルタ28を設け、フライを集積
できるよう施してある。また、ニップローラー2,2上下
には単繊維のローラー捲き付きを防止するよう、ブラシ
29が設けてある。低温となった容器内雰囲気と外気との
接触を防ぐため、2対のローラ側面と槽内壁間ではすり
合わせにより、また、2対の上下ローラ間では適当な荷
重を加えてニップして、槽内雰囲気と外気との接触を防
ぐ。ここで、ローラー2,2およびローラー3,3は耐低温特
性と機械的特性に優れたゴムと、フツ牽系樹脂や超高分
子量ポリエチレン樹脂やベークライト樹脂を組み合わせ
たが、これらを被覆させたものでも良い。牽切途中の繊
維束の上下に設けた冷却板30,30は、銅やアルミニウム
等の熱伝導の優れた金属板等を繊維束の進行の妨げとな
らないよう、両端に丸みを付けた表面平滑な仕上げを施
した接触面をもつ。冷却板30は槽の下部にバー等で固定
し冷却板30は穴を設けバーを通す等、上下方向にのみ動
くよう牽切途中の繊維束の上に載せておく。また、バネ
により荷重を加え繊維束の走行の妨げとならない程度に
積極的に繊維束に接触させるようにしても良い。牽切に
よる発熱は冷却板30,30の任意の位置に設けた温度検出
端によつて検出でき、この温度により槽内温度を調整し
ても良い。牽切熱が発生した場合、昇温した冷却板30,3
0は槽内の低温雰囲気により冷却され、熱伝達に優れた
金属を接触させることにより昇温した牽切途中の繊維束
から素早く熱を奪い取ることができるものである。
そして、冷凍機ユニットD内には蒸発温度が−120
〔℃〕を得れる3元方式の多段冷凍機が内蔵してあり、
冷却槽A内と低温牽切槽B内に設けてある蒸発器13,26
と接続してある。
以下本発明による低温牽切装置を用いて低温牽切を行な
った具体例実施例と、その具体的実施例によって得られ
た不連続繊維の束の性能を従来例と比較して示す。
具体的実施例1 連続繊維の束:アクリル系合成繊維、単糸デニール3
〔d〕、トータルデニール50万〔d〕の捲縮を有するト
ウ状 冷却槽A内温度:−90〔℃〕 置換槽B内乾燥空気の露点温度:−60〔℃〕 ニップローラ2,2の線速度:8〔m/min〕 ニップローラ2,2と3,3のゲージ:140〔mm〕 牽切ドラフト倍率:4.0 置換槽B内への乾燥空気の供給量:5〔m3/h〕の条件で第
4図に示した装置を用いて凍結牽切した。この結果長時
間に渡り、牽切斑も生じる問題なく安定して紡出できた
のに対し、置換槽B内への乾燥空気の供給を停止して、
連続繊維の束中の含有空気を乾燥空気に置換しなかった
場合、牽切時に部分的に集団切れが生じたり、ミスカッ
トが生じ過長繊維となったりし、牽切が安定して良好に
行なえなかった。各々の場合に紡出したスライー51、の
物性を表1に示す。
ここで、スライバーU%、ステープル・ダイヤグラムは
運転5分後の物性であり、又、単繊維収縮率は100
〔℃〕ボイルによる収縮率である。
表1より明らかな様に、乾燥空気で置換する事により、
牽切が良好に行なえ、紡出したスライバーの物性も良好
である。又、置換なしの場合は運転後、徐々に冷却槽A
内温度が上昇してゆき、運転2時間後には−86〔℃〕、
4時間後には−70〔℃〕に迄上昇してゆき、トウ1、の
冷却が不充分となり、その時に紡出されたスライバー中
の単繊維収縮率は7.2〔%〕にまで上昇した。
この冷却槽A内の温度上昇は、トウ1中の含有空気中の
水分が冷凍機の蒸発器表面に霜付き、冷凍能力が低下し
た為である。これは第5図(b)に示した冷却槽A内の
ファン15、の吐出部付近31と、吸込部付近32、との差圧
を調べ、蒸発器表面の霜付きが生じると、槽内雰囲気の
流動の抵抗が増し、差圧が大きくなることにより調べ
た。
以上の様に、置換槽B内でトウ1中の含有空気を乾燥空
気に置換する事により、安定して長時間良好に凍結牽切
が実施できた。
<発明の効果> 本発明は前述のように構成されているので、本発明の装
置を用いることにより下記の効果を得ることができる。
(1) 牽切時の部分的な集団切れやミスカットがな
く、紡出した不連続繊維の束のU%、ステープルダイヤ
グラムが優れた状態で、長時間安定して不連続繊維の束
を製造する事が可能である。
(2) 冷却槽内での冷却能力の低下を防ぐことがで
き、長時間安定した紡出が可能となった。
(3) さらに冷却槽の入口部のシールが簡単となり、
複雑なシールが不要となった。
(4) シールが簡単である為、極低温下でもトラブル
がない。
(5) シールの際のニップ荷重が大きくない為、ニッ
プローラの回転がスムーズになり、繊維損傷がない。
(6) 冷却槽内に回転体を設けた場合も、露結による
回転不良がなく、繊維損傷等のトラブルがない。
【図面の簡単な説明】
第1図はアクリル系合成繊維(商品名カシミロン )3
d,20本束の各温度における張力−伸度線図を示すグラフ
である。 第2図は、飽和蒸発表から空気の露点と、標準状態にお
ける1〔Nm3〕当りの水分量の関係を示すグラフであ
る。 第3図は、第1図に示した張力−伸度線図から得られる
塑性変形領域と切断温度との関係を示したグラフであっ
て、(I)は第1図に示した繊維束であり、(II)は同
じくアクリル系合成繊維(商品名:カシミロン )の低
伸度タイプの繊維束である。 第4図は本発明による低温牽切装置の一実施例を示す略
示正面図である。 第5図は冷却槽の詳細を示す図面であり、(a)は正面
からの縦断面図、(b)は側面からの縦断面図である。 第6図は冷却槽内のつば付回転ローラの軸受部の縦断面
図である。 第7図は置換槽の一実施例を示す図面であり、(a)は
正面からの縦断面図、(b)は側面からの縦断面図であ
る。 第8図は置換槽の他の実施例を示す図面であり、(a)
は正面からの縦断面図、(b)は側面からの縦断面図、
(c)は置換槽内で走行するトウの下方に配置された多
孔性板の平面図である。 第9図は置換槽のさらに他の実施例を示す縦断面図であ
る。 第10図は置換槽のさらに他の実施例を示す縦断面図であ
る。 第11図は低温牽切槽の詳細を示す縦断面図である。 A……冷却槽、B……置換槽、C……低温牽切槽、D…
…冷凍機ユニット、1……トウ、2,3,7……ニップロー
ラ、5……送込ローラ、6……断熱材、8……スリッ
ト、51……スライバー。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低温に冷却された連続繊維の束を牽切して
    不連続繊維の束を製造する低温牽切装置であって、該低
    温牽切装置が、連続繊維の束の進行方向で順次連結され
    た置換槽と冷却槽と牽切機とから成り、前記置換槽には
    露点温度−5[℃]以下の乾燥気体の供給口が設けられ
    て常時乾燥気体で充満されており、前記冷却槽が冷凍機
    を用いて連続繊維の束を−5[℃]以下に冷却できるよ
    うに構成されていることを特徴とする低温牽切装置。
  2. 【請求項2】前記牽切機が2対、もしくは2対以上のニ
    ップロールから成り、任意のニップロール間に冷却手段
    を備えた低温牽切槽を有し、それぞれのニップロールに
    より連続繊維の束の送込口、及び引出口が閉塞されてい
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の低温牽
    切装置。
  3. 【請求項3】前記乾燥気体の供給口を有する置換槽が連
    続繊維の束の送込口、及び引出口を有し、該送込口およ
    び引出口がそれぞれ、1対以上のロールにより、もしく
    は1組以上のスリットにより閉塞されていることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の低温牽切装置。
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