JPH0764957B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

タイヤトレッド用ゴム組成物

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JPH0764957B2
JPH0764957B2 JP2226240A JP22624090A JPH0764957B2 JP H0764957 B2 JPH0764957 B2 JP H0764957B2 JP 2226240 A JP2226240 A JP 2226240A JP 22624090 A JP22624090 A JP 22624090A JP H0764957 B2 JPH0764957 B2 JP H0764957B2
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carbon black
rubber
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高度の耐摩耗性と、改善されたグリップ性能
ならびに耐ウエットスキッド性能を兼備するタイヤトレ
ッド用ゴム組成物に関する。
〔従来の技術〕
近年、自動車の高性能化に伴って高速性能や安定走行に
対する要求が高まり、タイヤトレッド部の性能向上につ
いても活発な研究開発が進められている。とくに高速安
定走行に耐える高度の耐摩耗性を損なうことなしに、乾
いた路面および濡れた路面のいずれにおいても路面把持
力の大きい、換言すれば優れた耐摩耗性、グリップ性能
ならびに耐ウエットスキッド性能を同時に備えるタイヤ
トレッドが強く要求されている。
このような要求性能をゴム補強用カーボンブラックの特
性面から満足させるためには、一次粒子径を小さくし、
比表面積を大きくすることが有効とされているが、カー
ボンブラックの一次粒子径を小さくしすぎると、ゴム中
でのカーボンブラックの分散性が低下してタイヤトレッ
ドとした場合に目的とする耐摩耗性およびグリップ性能
の向上が得られなくなる。
本発明者は、ゴム成分と配合するカーボンブラックの表
面活性を適度に抑制すると高耐摩耗性を維持しながらグ
リップ性能を優位に向上させることができることを知見
し、すでにゴム成分100重量部に対し、窒素吸着比表面
積(N2SA)が100m2/g以上、DBP吸油量が100ml/100g以上
であり、酸素と水素の含有量がカーボンブラック100g当
り0.35g当量以下のカーボンブラックを30〜200重量部配
合してなるタイヤトレッド用ゴム組成物を開発した(特
開平1−185342号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、前記特開平1−185342号の発明ではもう1つ
の要求性能である耐ウエットスキッド性を向上させるこ
とができない問題点が残されていた。
本発明は、前記の先行技術に更に改良を加えるべくカー
ボンブラック表面性状と配合ゴム性能との関係について
解明を進めた結果、先願の特性要件と併せてカーボンブ
ラックに含有される硫黄成分を一定量以下に抑制する
と、耐ウエットスキッド性能が効果的に改善させること
を確認した。
本発明は、かかる技術的解明に基づいて開発されたもの
で、高速安定走行に必要な高耐摩耗性、高グリップ性能
および高耐ウエットスキッド性能を兼備するタイヤトレ
ッド用ゴム組成物の提供を目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するための本発明によるタイヤトレッ
ドゴム組成物は、窒素吸着比表面積(N2SA)が100m2/g
以上、DBP吸油量が100ml/100g以上であり、硫黄含有量
が0.15重量%以下で、かつ酸素と水素の合計含有量がカ
ーボンブラック100g当たり0.35g当量以下のカーボンブ
ラックを、ゴム成分100重量部に対し30〜200重量部配合
してなることを構成上の特徴とする。
本発明に適用されるカーボンブラックの各特性値は、下
記の測定方法によるものとする。
(1)窒素吸着比表面積(N2SA) ASTM D3037−86“Standard Test Method for Carbon B
lack−Surface Area by Nitrogen Adsorption"Method
Bによる。この方法で測定したIRB#5の窒素吸着比表
面積値は、80.3m2/gとなる。
(2)DBP吸油量 JIS K6221−1982「ゴム用カーボンブラックの試験方
法」6・1・2項、吸油量A法による。
(3)酸素、水素、硫黄の含有量 JIS M8813−1976「石炭類およびコークス類の元素分析
法」による。
本発明のカーボンブラック性状項目のうち、窒素吸着比
表面積(N2SA)が100m2/g以上およびDBP吸油量が100ml/
100g以上の特性は、配合ゴムに高度の耐摩耗性を付与す
るために必要な要件であり、品種グレードとしてはSA
F、ISAF等のハード系領域に属している。
硫黄含有量は、配合ゴムの耐ウエットスキッド性能に関
与する因子で、この含有量が0.15重量%以下の場合に耐
ウエットスキッド性能の指標となる動的弾性率(E′)
が優位に増大する。
酸素と水素の含有量は、グリップ性能を向上させる要素
となるものである。酸素、水素などは通常、カーボンブ
ラックの製造時にカルボキシル基、フェノール基、キノ
ン基などの官能基としてカーボンブラック表面に結合す
るが、これら官能基の結合を抑制するグリップ性能の指
標となる損失係数(tanδ)が大きくなる。とくに酸素
と水素の合計含有量としてカーボンブラック100g当たり
0.35g当量以下である場合に、グリップ性能が効果的に
向上する。
しかし、前記成分の合計含有量が0.15g当量を下廻る
と、耐摩耗性が低下方向にシフトする。したがって、酸
素と水素の好適な合計含有量は、カーボンブラック100g
当り0.15〜0.35g当量の範囲にある。
上記の硫黄含有量0.15重量%以下で酸素と水素の合計含
有量がカーボンブラック100g当たり0.35g当量以下の性
状を備えるカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2
SA)100m2/g以上でDBP吸油量100ml/100g以上のカーボン
ブラックを水素ガスを混入させた不活性ガス雰囲気下に
600〜1300℃、好適に1200℃近傍の温度域で熱処理する
ことによって得ることができる。
上記の特性と成分組成を備えるカーボンブラックは、常
法に従って天然ゴムおよび合成ゴムの1種もしくは2種
以上をブレンドしたゴム成分100重量部に対し30〜200重
量部の割合で配合する。合成ゴム成分としては、SBR、B
R、IR等ジエン系のものを適用することが好ましい。そ
の他、、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤、
軟化剤、可塑剤等の必要成分とともに混練して本発明の
タイヤトレッド用ゴム組成物を得る。
〔作 用〕
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、カーボンブラ
ックとして粒子性状に係わる要素と成分組成ないし表面
性状に係わる要素を要求ゴム性能との関係において最も
好適な限定値として特定した点に特徴づけられる。すな
わち、窒素吸着比表面積(N2SA)100m2/g以上でDBP吸油
量100ml/100g以上の粒子性状要素は、配合ゴムに高度の
耐摩耗性を付与するための前提要件となるもので、この
要件を満足しないと耐久性の面で性能失格となる。硫黄
含有量を0.15重量%以下にする成分組成要素は、カーボ
ンブラック表面上の化学成分の組成を微妙に変化させて
耐ウエットスキッド性能の指標となる動的弾性率
(E′)を向上させる作用をなすものと推測される。更
に、酸素と水素の合計含有量がカーボンブラック100g当
たり0.35g当量以下に設定する表面性状要素は、付着官
能基による表面活性を適度に抑制してグリップ性能の指
標となる損失係数(tanδ)を増大する機能を営む。こ
のような作用が相俟って、高速安定走行に必要な高い耐
摩耗性、グリップ性能ならびに耐ウエットスキッド性能
を同時に満たすタイヤトレッド用ゴム組成物が提供され
るのである。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明する。
実施例1〜3、比較例1〜3 (1)カーボンブラックの性状特性 6種類のカーボンブラックを断面積113cm2、均熱帯40cm
の管状炉を用い、雰囲気、温度、時間等の条件を変えて
熱処理を施して本発明の性状特性を満たす実施例1〜3
と性状特性を外れる比較例1〜3のカーボンブラック試
料を調製した。
熱処理の条件とカーボンブラック性状特性を対比して表
1に示したが、実施例と比較例の同番号の試料は同一カ
ーボンブラックをソースとするものである。
なお、雰囲気をN2にした場合のN2ガス流量は0.5/mi
n.、N2+H2にした場合の流量は両ガス共に0.5/min.と
し、カーボンブラックの処理量は500g/回とした。
(2)ゴム配合 上記の各カーボンブラック試料を、表2に示す割合で天
然ゴムおよび合成ゴムに配合した。
(3)ゴム組成物の物性評価 表2の配合物を混練・加硫処理して得られたゴム組成物
の各種物性を評価し、表3に天然ゴム系、表4に合成ゴ
ム系の結果として示した。
なお、ゴム物性の測定は下記によった。
損失係数(tanδ)、動的弾性率(E′) ヴィスコ・エラスティック・スペクトロメーター(岩本
製作所製)を用い、試験片の長さ30mm,幅5mm、厚さ2m
m、周波数50Hz、動的歪み率±1%の条件とした。
ランボーン摩耗量 ランボーン摩耗試験機(機械式スリップ機構)を用い、
試験片は外径50mm、厚さ5mm、エメリーホイールはGCタ
イプ、粒度#80、硬度H、エメリーホイールと試験片と
の相対スリップ率25%および50%、試験荷重4.5kg、添
加カーボランダム粉の粒度#80、添加量15g/min.の条件
でおこなった。
その他 JIS K6301−75「加硫ゴム物理試験方法」を適用した。
表3および表4の結果から、実施例のゴム組成物は対応
する比較例のそれに比べて同等の高耐摩耗性を有しなが
ら、グリップ性能の指標となる損失係数も同水準に維持
され、その上で耐ウエットスキッド性能の指標となる動
的弾性率が向上していることが認められる。
〔発明の効果〕
以上のとおり、本発明によれば配合カーボンブラックの
選択的特性による特有の機能により高速安定タイヤに要
求される耐摩耗性、グリップ性能ならびに耐ウエットス
キッド性能を同時に満たすゴム組成物を提供することが
できる。
したがって、高性能タイヤトレッド用として極めて有用
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒素吸着比表面積(N2SA)が100m2/g以
    上、DBP吸油量が100ml/100g以上であり、硫黄含有量が
    0.15重量%以下で、かつ酸素と水素の合計含有量がカー
    ボンブラック100g当たり0.35g当量以下のカーボンブラ
    ックを、ゴム成分100重量部に対し30〜200重量部配合し
    てなるタイヤトレッド用ゴム組成物。
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