JPH0764883B2 - ほう酸化合物、ほう酸組成物、及びこれらの製造方法、並びに木材保存剤 - Google Patents

ほう酸化合物、ほう酸組成物、及びこれらの製造方法、並びに木材保存剤

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JPH0764883B2
JPH0764883B2 JP5031756A JP3175693A JPH0764883B2 JP H0764883 B2 JPH0764883 B2 JP H0764883B2 JP 5031756 A JP5031756 A JP 5031756A JP 3175693 A JP3175693 A JP 3175693A JP H0764883 B2 JPH0764883 B2 JP H0764883B2
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智紀 小林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ほう酸化合物、ほう酸
組成物、及びこれらの製造方法、並びにこれらを主成分
とする木材保存剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ほう酸は強い殺菌力や殺虫力を有してお
り、従来より合板等に発生するヒラタキクイムシの予防
・駆除や、木材に発生するシロアリ駆除等のために使用
されている。またほう酸は高い難燃効果を有するために
木材用難燃剤としても広く使用されている。そしてほう
酸による木材の処理は、ほう酸を水等に溶解してスプレ
ーするかあるいは注入するなどしておこなわれるのが一
般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしほう酸は水溶性
のために、木材に処理しても使用場所によっては水によ
って溶出してしまい、特に住宅の屋外面、屋外建造物、
屋外遊具等など雨水等の作用を受け易い場所では、ほう
酸による効力を長期に亘って保持することができないと
いう問題があった。
【0004】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、ほう酸の持つ殺菌力や殺虫力、難燃効果などの効
力を長期に亘って処理木材の表面で保持させることがで
きるほう酸化合物、ほう酸組成物、及びこれらの製造方
法、並びに木材保存剤を提供することを目的とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るほう酸化合
は、ほう酸とキトサンの錯体から成ることを特徴とす
るものである。このほう酸化合物は、ほう酸1重量部に
対してキトサンを0.1〜0.5重量部、及び酸を0.
5重量部未満含む条件下でほう酸とキトサンを反応させ
ることによって調製することができる。
【0006】また本発明に係るほう酸組成物は、ほう酸
とキトサンの錯体及び多価アルコールから成ることを特
徴とするものである。この多価アルコールとしては、分
子内にアミノ酸を有する多価アルコールを用いることが
できる。
【0007】また本発明に係るほう酸組成物の製造方法
は、ほう酸1重量部に対してキトサンを0.1〜0.5
重量部、及び酸を0.5重量部未満、多価アルコールを
1〜1.5重量部含む条件下で反応させることを特徴と
するものである。さらに本発明に係る木材保存剤は、こ
れらのほう酸化合物あるいはほう酸組成物から成ること
を特徴とするものである。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0008】キトサンは、カニやエビ等の甲殻類や昆虫
類などの外殻に豊富に含有される多糖類の一種であるキ
チンを脱アセチル化することによって得られるものであ
り、その化学構造の骨格は木材の繊維成分であるセルロ
ースに非常に類似した天然高分子物質である。このキト
サンは一部の菌類に対して抗菌効果があることから食品
や化粧品類の保存剤として使用されている。またキトサ
ンは上記のようにセルロースに非常に類似した化学骨格
構造を有するために繊維類との固着性に優れており、こ
の性質を利用して抗菌繊維の製造に使用されたり、繊維
柔軟剤に応用されたりしている。本発明においてキトサ
ンとしては脱アセチル化率が50〜90%程度のものが
好ましく、また分子量は500以上であれば特に制限さ
れることなく使用することができるが、できれば分子量
50000以下の低分子のものが望ましく、特に分子量
20000以下のものがさらに好ましい。
【0009】そして本発明は、このキトサンにほう酸を
反応させ、ほう酸とキトサンの錯体としてほう酸化合物
を調製したものである。このようにほう酸をキトサンの
錯体にすることによって、木材へのキトサンの高い固着
性から、木材にほう酸を安定して固着させることができ
るものである。このほう酸とキトサンの錯体から成るほ
う酸化合物は、ほう酸1重量部に対してキトサンを0.
1〜0.5重量部、及び酸を0.5重量部未満含む条件
反応させることによって調製することができる。キト
サンは水に溶けないが、酸の存在で塩をつくって水に溶
解し、このように水に溶解させた状態でキトサンとほう
酸とは容易に反応して錯体を形成する。従ってほう酸と
キトサンの錯体から成るほう酸化合物を調製するにあた
っては酸を用いることが好ましいのである。しかし場合
によっては酸は必ずしも使用する必要はなく、酸を使用
しない場合もある。この酸としては、酢酸、蟻酸、乳
酸、クエン酸、アジピン酸、酒石酸、シュウ酸等の有機
酸や、塩酸等の無機酸を用いることができる。有機酸は
ほぼ例外なく使用することができ、無機酸も大部分のも
のは使用することができるが、硫酸は使用することがで
きない。
【0010】また本発明では、ほう酸とキトサンの錯体
及び多価アルコールから成るほう酸組成物として調製す
ることもできる。多価アルコールを配合することによっ
てほう酸の溶解性を高め、ほう酸組成物を安定化するこ
とができるものである。多価アルコールとしては特に限
定されないものあり、例えばエチレングリコール、ジエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコールメタクリレート、プロピレングリコー
ル、グリセリン等を挙げることができるが、特にポリエ
チレングリコールは木材の寸法安定化作用に優れている
ために望ましい。ポリエチレングリコールを用いる場
合、その分子量は400以上のものが望ましく、作業性
よりして特に分子量400〜2000のものがより好ま
しい。
【0011】このほう酸とキトサンの錯体及び多価アル
コールから成るほう酸組成物は、ほう酸1重量部に対し
てキトサンを0.1〜0.5重量部、酸を0.5重量部
未満、多価アルコールを1〜1.5重量部含む条件で反
応させることによって調製することができる。多価アル
コールとしてはポリエチレングリコールなど上記したも
のを使用することができるが、本発明では分子内にアミ
ノ基を有する多価アルコールを用いることがより好まし
い。アミノ基を有する多価アルコールとしては、例えば
トリエタノールアミンを使用することができる。このよ
うに分子内にアミノ基を有する多価アルコールを用いる
と、ほう酸と、キトサンと、分子内にアミノ基を有する
多価アルコールの三者が反応し、水を媒体として錯体を
形成するために、水溶性でしかも安定した粘性液体とし
てほう酸組成物を調製することができるものである。ほ
う酸に対するキトサンや酸、分子内にアミノ基を有する
多価アルコールの配合量は上記と同じであるが、ほう酸
1重量部に対してキトサン0.2〜0.3重量部、有機
酸0.2〜0.3重量部、分子内にアミノ基を有する多
価アルコール1.1〜1.2重量部の配合がより好まし
い。またほう酸とキトサンが反応する初期に水が必要で
あるために、ほう酸1重量部に対して水3〜5重量部を
配合するのが好ましい。
【0012】本発明に係るほう酸組成物は、例えば次の
ような方法で容易に製造することができる。もちろん、
次の方法に限定されるものでないのはいうまでない。ま
ず、キトサンを有機酸の水溶液に添加して60〜80℃
で攪拌しながら完全に溶解させ、次に攪拌しながら徐々
にほう酸を加えて75〜85℃でほぼ溶解させ、最後に
75〜85℃に予め加熱した分子内にアミノ基を有する
多価アルコールを添加して75〜85℃で完全に溶解さ
せることによって、ほう酸組成物を調製することができ
る。
【0013】上記のようにして調製されるほう酸化合物
ほう酸組成物は、木材保存剤として使用することがで
きる。本発明に係るこの木材保存剤は、木材に塗布した
り、あるいは加圧等して注入することによって、ほう酸
の作用で、木材がシロアリ、キクイムシ、ヒラタキクイ
ムシ等から受ける食害や、木材腐朽菌類から受ける腐
朽、黴類から受ける変色を防止することができると共
に、火災等による木材の燃焼、あるいは水分の吸脱によ
る寸法変化および割れ等の被害を妨ぐことができるもの
である。またほう酸はキトサンと錯体を形成しているた
めに、木材へのキトサンの高い固着性によってほう酸を
安定して木材に固着させることができるものであり、雨
水等の作用によってほう酸が木材から洗い流されてしま
うこと等を防ぐことができ、ほう酸による木材の保存効
果を長期に亘って維持することができるものである。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例によって例証する。 (実施例1) 無水酢酸3gに水62.5gを加えて65℃に加熱し、
そこにキトサン(脱アセチル化度87%、平均分子量約
48000)3gを加えて完全に溶解させた。次にこれ
にほう酸15gを加えて75℃に加熱しつつ攪拌するこ
とによってほぼ溶解させた。最後に、予め75℃に加熱
したトリエタノールアミン16.5gを加え、完全に溶
解させてほう酸化合物を得た。このほう酸化合物は、粘
稠な液体であり、長時間放置しても沈澱等が生じること
はなかった。また任意の割合で水によって希釈すること
ができるものであった。
【0015】(実施例2)無水酢酸4gに水62gを加
えて65℃に加熱し、そこにキトサン(脱アセチル化度
87%、平均分子量約48000)4gを加えて完全に
溶解させた。次にこれにほう酸10gを加えて75℃に
加熱しつつ攪拌することによってほぼ溶解させた。最後
に、予め75℃に加熱したポリエチレングリコール20
gを加え、完全に溶解させてほう酸組成物を得た。この
ほう酸組成物は、粘稠な液体であり、長時間放置しても
沈澱等が生じることはなかった。また任意の割合で水に
よって希釈することができるものであった。
【0016】(実施例3) 無水酢酸4gに水73gを加えて65℃に加熱し、そこ
にキトサン(脱アセチル化度87%、平均分子量約48
000)8gを加えて完全に溶解させた。次にこれにほ
う酸15gを加えて75℃に加熱しつつ攪拌することに
よって完全に溶解させ、ほう酸化合物を得た。このほう
化合物は、粘稠な液体であり、長時間放置しても沈澱
等が生じることはなかった。また任意の割合で水によっ
て希釈することができるものであった。
【0017】(実施例4)ポリエチレングリコール(平
均分子量600)50gに水10gを加えて85℃に加
熱し、そこにほう酸を10g加え、さらに直ちにキトサ
ン(脱アセチル化度87%、平均分子量約48000)
3gを加えて90℃で加熱しつつ攪拌することによって
完全に溶解させ、最後に水27gを加えてほう酸組成物
を得た。このほう酸組成物は、粘稠な液体であり、長時
間放置しても沈澱等が生じることはなかった。また任意
の割合で水によって希釈することができるものであっ
た。
【0018】(耐候試験) 実施例1で得られたほう酸化合物を水で希釈してほう酸
の濃度が0.2重量%、0.4重量%、0.6重量%、
1.0重量%の木材保存剤を調製した。この木材保存剤
を2cm×2cm×1cmの寸法に作成したスギ辺材に
減圧注入して試験材を作成した。各試験材の注入量を表
1のほう酸吸収量の欄に示す。この試験材を常温の水
(水量は試験材総容量の10倍量)中に8時間浸漬して
攪拌することによって溶脱処理したのち、40℃のオー
ブン中に16時間入れて揮散処理をする操作をおこない
(この溶脱処理と揮散処理の操作を耐候操作という)、
この耐候操作を10回繰り返しておこなって各試験材中
のほう酸の残存量を測定した。ほう酸の残存量の測定は
各操作回数毎におこない、結果を表1に示す。
【0019】また比較のために、ほう酸を水で希釈して
濃度が0.4重量%、0.6重量%の木材保存剤(比較
例1)を調製し、同様にしてスギ辺材に減圧注入して試
験材を作成すると共に、耐候操作をおこなってほう酸の
残存量を測定した。結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1にみられるように、ほう酸を水に溶解
して木材保存剤として使用した比較例1のものでは、ほ
う酸の溶脱は著しく発生するが、ほう酸のキトサン錯体
で調製した木材保存剤を使用した実施例1のものでは、
ほう酸の溶脱がかなり抑制されていることが確認され
る。 (防腐効力試験)上記(耐候試験)で作成した実施例1
及び比較例1の試験材を用い、各試験材にオオウズラタ
ケ(褐色腐朽菌:TYP)及びカワラタケ(白色腐朽
菌:COV)を植え、防腐効力を試験した。試験は上記
「耐候試験」における耐候操作をおこなわない試験材
と、耐候操作を10回おこなった試験材についてそれぞ
れ実施した。防腐効力の試験はJIS A 9102に
基づいておこない、試験材の重量減少率を測定した。ま
た比較のために、ほう酸による処理をおこなわない試験
材についてもおこない、同様にして重量減少率を測定し
た。これらの結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】表2にみられるように、比較例1のもので
は耐候操作をしない試験材に比べて耐候操作をした試験
材の重量減少率が大きく高まっており、ほう酸の溶脱で
防腐効力は著しく低下しているが、実施例1のものでは
耐候操作をしない試験材と耐候操作をした試験材の間で
の重量減少率に有意な差がみられず、ほう酸の溶脱が抑
制されて防腐効力が保持されていることが確認される。
【0024】(寸法安定試験)実施例2で得たほう酸組
成物を水で希釈してほう酸の濃度が0.4重量%、0.
6重量%の木材保存剤を調製した。この木材保存剤を5
cm×5cm×20cmの寸法に作成した含水率50%
のスギ辺材に減圧注入して、ほう酸吸収量が2.9kg
/m3 、4.2kg/m3 の試験材を作成した。この各
試験材及び処理をおこなわない試験材を風通しの良い屋
外に放置したところ、木材保存剤を注入した試験材は未
処理の試験材に比べて木口の割れ発生が極めて少ないも
のであった。
【0025】(防蟻効力試験) 実施例1で得たほう酸化合物を水で希釈してほう酸の濃
度が0.4重量%、0.6重量%の木材保存剤を調製
し、この木材保存剤を1cm×1cm×2cmの寸法に
作成したアカマツ辺材に減圧注入して試験材を作成し
た。また比較のために、ほう酸を水で希釈して濃度が
0.4重量%、0.6重量%の木材保存剤(比較例1)
を調製し、同様にしてスギ辺材に減圧注入して試験材を
作成した。そして上記「耐候試験」における耐候操作を
おこなわない試験材と、耐候操作を10回おこなった試
験材をそれぞれ用い、これを底部に歯科用石膏を5mm
の厚みに敷詰めた直径10cm×高さ5cmの円筒の中
央に設置し、イエシロアリの職蟻150頭、兵蟻15頭
を投入後、湿潤脱脂綿の上に置いて(社)日本木材保存
協会規格第11号(1)に基づいて食害試験をおこな
い、試験材の重量減少率を測定した。また比較のため
に、ほう酸による処理をおこなわない試験材についても
おこない、同様にして重量減少率を測定した。これらの
結果を表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】表3にみられるように、比較例1のもので
は耐候操作をしない試験材に比べて耐候操作をした試験
材の重量減少率が大きく高まっており、ほう酸の溶脱で
防蟻効力は著しく低下しているが、実施例1のものでは
耐候操作をしない試験材と耐候操作をした試験材の間で
の重量減少率に有意な差がみられず、ほう酸の溶脱が抑
制されて防蟻効力が保持されていることが確認される。
【0028】(野外防蟻・防腐効力試験) 実施例3で得たほう酸化合物及び実施例4で得たほう酸
組成物を水で希釈してほう酸濃度が0.1重量%、0.
2重量%、0.4重量%、0.6重量%の木材保存剤を
調製した。この木材保存剤を3cm×3cm×35cm
の先端を尖らせたアカマツ辺材杭に加圧注入して、ほう
酸吸収量が0.7kg/m2 、0.8kg/m2 、1.
1kg/m2 、2.4kg/m2 、2.6kg/m2
3.4kg/m2 、3.7kg/m2 の試験材を作製し
た。この各試験材及び処理をおこなわない試験材を鹿児
島県日置郡吹上町吹上浜のクロマツ林内のイエシロアリ
営巣周辺に30cmの深さまで埋設して野外試験をおこ
なった。また比較のために、ほう酸を水で希釈して濃度
が0.1重量%、0.2重量%、0.6重量%の木材保
存剤(比較例2)を調製し、同様にアカマツ辺材に加圧
注入して試験材を作成すると共に、同様に野外試験をお
こなった。野外試験の評価結果を表4の「被害状況」の
欄に示す。被害状況の評価は、5本の試験材に次のよう
に点数を与えてその平均値を出すことによっておこなっ
た。 0点:試験材表面に食痕や腐朽がない。 1点:試験材表面に軽い食痕あるいは腐朽がある。 2点:試験材表面に明らかな食害あるいは腐朽がある。 3点:試験材表面の食害あるいは腐朽が内部まで進行し
ている。 4点:試験材全体が食害あるいは腐朽を受けている。 5点:試験材が食害あるいは腐朽によって破壊されてい
る。
【0029】
【表4】
【0030】表4にみられるように、比較例2のものは
1年目さらに2年目と被害が大きくなっており、ほう酸
の溶脱で防蟻・防腐効力は著しく低下しているが、実施
例3及び実施例4のものではほう酸の溶脱が抑制されて
防蟻・防腐効力が保持されていることが確認される。
【0031】
【発明の効果】上記のように、ほう酸のキトサン錯体か
らなるほう酸化合物やほう酸組成物の木材保存剤は、ほ
う酸の作用で害虫による食害や、木材腐朽菌類による腐
朽、黴類による変色等を防止することができると共に木
材の燃焼や水分の吸脱による寸法変化の被害を妨ぐこと
ができるものであり、しかも木材へのキトサンの高い固
着性によってほう酸を安定して木材に固着させることが
でき、ほう酸によるこれら木材の保存効果を長期に亘っ
て維持することができるものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほう酸とキトサンの錯体から成ることを
    特徴とするほう酸化合物
  2. 【請求項2】 ほう酸1重量部に対してキトサンを0.
    1〜0.5重量部、及び酸を0.5重量部未満含む条件
    下でほう酸とキトサンを反応させることを特徴とする請
    求項1に記載のほう酸化合物の製造方法
  3. 【請求項3】 ほう酸とキトサンの錯体及び多価アルコ
    ールから成ることを特徴とするほう酸組成物。
  4. 【請求項4】 多価アルコールとして分子内にアミノ酸
    を有する多価アルコールを用いることを特徴とする請求
    項3に記載のほう酸組成物。
  5. 【請求項5】 ほう酸1重量部に対してキトサンを0.
    1〜0.5重量部、及び酸を0.5重量部未満、多価ア
    ルコールを1〜1.5重量部含む条件下で反応させるこ
    とを特徴とする請求項3又は4に記載のほう酸組成物の
    製造方法
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のほう酸化合物から成る
    木材保存剤。
  7. 【請求項7】 請求項3又は4に記載のほう酸組成物か
    ら成る木材保存剤。
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