JPH0764782B2 - アセチンの精製方法 - Google Patents

アセチンの精製方法

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JPH0764782B2
JPH0764782B2 JP62096774A JP9677487A JPH0764782B2 JP H0764782 B2 JPH0764782 B2 JP H0764782B2 JP 62096774 A JP62096774 A JP 62096774A JP 9677487 A JP9677487 A JP 9677487A JP H0764782 B2 JPH0764782 B2 JP H0764782B2
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acetins
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和伸 杉山
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はアセチン類を酢酸、無水酢酸、低沸不純物、高
沸不純物等との混合物から分離精製する方法に関するも
のである。
グリセリンの酢酸エステルつまりアセチン類にはモノア
セテート、ジアセテート、トリアセテートの3種類あり
溶剤、可塑剤、香料固定剤、湿潤剤、土壌硬化剤、鋳物
硬化剤等、工業的に大変有用な物質である。
〔従来技術〕
このアセチン類の製造方法としては、グリセリンと酢酸
のエステル化反応が利用されている。
この場合、平衡の位置をグリセリンアセテート側に移行
させる為、脱水操作を併用して製造されることが多い。
又エステル化反応速度を速める為に酸触媒、例えば硫
酸、P−トルエンスルホン酸等を利用することもある。
ドイツ特許134,867にはグリセリンと酢酸を硫酸触媒で
反応させアセチン類の混合物を得る方法が記されてい
る。
グリセリンと無水酢酸を用いたエステル化反応の場合
は、脱水操作及びエステル化触媒の使用は不要となる。
またグリセリン製造時に副生するグリセリンの各種脂肪
酸エステル混合物よりアセチン類を製造する方法もあ
る。
いずれの場合もアセチン類は、アセチル化剤である酢
酸、無水酢酸、アセチン類よりも沸点の低い低沸不純
物、あるいは沸点の高い高沸不純物等との混合物として
得られ、この混合物から分離精製する必要がある。
〔発明で解決しようとする問題点〕
従来、アセチン類の精製は減圧下において連続あるいは
回分式蒸留塔にて行なわれている。回分式蒸留では、ま
ず混合物から酢酸、無水酢酸、低沸不純物留分を留出さ
せる。
そのあとアセチン類を留出し製品とし、缶液としてアセ
チン類及び高沸不純物を残していた。
しかしながらこのような方法では蒸発缶での滞留時間が
長くなるため副反応が生じ、例えばトリアセチンからジ
アセチンへの分解による酸の発生、高沸不純物への変化
等によりアセチン類を効率良く精製回収することが出来
なかった。しかも、得られるアセチン類は酸価が高くな
るため、場合によっては中和処理、吸着処理等の化学
的、物理的処理が必要となり工業的生産では多くの欠点
を有している。
本発明者は上記の諸欠点を克服すべく鋭意研究をすすめ
た。先ず、この様な蒸留により、できるだけ低温で短時
間に物質を処理するには、回分式蒸留より連続的なフラ
ッシュ蒸発を採用する方が副反応を抑制できるという点
に着目した。
減圧下で連続的なフラッシュ蒸発を利用してアセチン類
を酢酸及び、無水酢酸、低沸不純物、さらに高沸不純物
等との混合物から分離する方法として次の方法が考えら
れる。すなわち、最初に脱酢酸(脱無水酢酸を含む)を
連続蒸留もしくは回分蒸留にて行なった後、第一段フラ
ッシュ蒸発で残存の酢酸、無水酢酸、低沸不純物などを
留出しその塔底液を再度第二段フラッシュ蒸発を行ない
塔頂液としてアセチン類を得る方法(A法)と、この逆
に脱酢酸後の粗液を最初の第一段フラッシュ蒸発で残存
の酢酸、無水酢酸、低沸不純物、アセチン類等を塔頂液
として留出させ、これを再度第二段フラッシュ蒸発によ
り酢酸、低沸不純物などを留出させ、塔底液としてトリ
アセチン類を得る方法(B法)である。しかし前者(A
法)の場合は2段目のフラッシュ蒸発工程で副反応によ
り生じた副生物がアセチン類に混入するという欠点があ
った。また後者(B法)の場合は前者のそれに加えて、
アセチン類が塔底液として得られることになる為、着色
が激しいという欠点があった。さらに、どちらも2回フ
ラッシュ蒸発を行なうため、エネルギー的にも設備的に
も無駄が多い。
そこで、本発明者は蒸気の事実等を考慮した上で、鋭意
研究を更に進め目的を達成しうる優れたアセチン類の精
製方法の開発に成功した。
〔発明の構成〕
本発明はグリセリンと酢酸と触媒で反応させたアセチン
類、グリセリンと無水酢酸より反応させたアセチン類、
さらにグリセリン製造時に副生するグリセリンの各種脂
肪酸エステル混合物より製造したアセチン類等を、酢
酸、無水酢酸、低沸不純物、高沸不純物等との混合物か
ら分離精製するに際し、該混合物を30Torr以下の減圧下
でフラッシュ蒸発を行ない、対応蒸気圧におけるアセチ
ン類の露点からこの露点より1〜2℃低い温度までの温
度範囲内で分縮させることにより凝縮液としてアセチン
類を得ることを特徴とするアセチン類の精製方法を提供
するものである。
尚、沸点および露点はフラッシュ蒸留計算により求め
た。計算は酢酸、無水酢酸、トリアセチンの3成分とし
て考え、各成分の蒸気圧はアントンワン式により求め次
式の関係を用いてニュートン・ラプソン法にて各温度を
推算した。
気液平衡関係 yi=Ki*xi xi:i成分の液相におけるモル分率 yi:i成分の気相におけるモル分率 Ki:i成分の平衡比=Pi/π Pi:i成分の飽和蒸気圧 π:全圧 沸点……Σyi=1 露点……Σxi=1 以下同様である。
本発明においては蒸発面の圧力は30Torr以下、好ましく
は10Torr以下で行なう必要がある。10Torrを超えると蒸
発温度が高くなるためアセチン類の副反応が生じて回収
率が下がるとともに、伝熱面の汚れがひどくなる。さら
に30Torrにおける沸点は162℃となり加熱源を得るのも
困難となる。逆に2Torr以下と運転圧力を下げた場合に
は凝縮コンデンサーの冷媒の確保が工場では難しい。以
上の事を考慮し加熱温度は仕込み速度と共に蒸気圧や蒸
発能力等から実験によって適宜決められる。例えば2Tor
rにおいては加熱温度は約120℃となる。
本発明に用いられるフラッシュ蒸発装置は、上昇薄膜型
蒸発器や流下薄膜型蒸発器のような滞留時間の短い型式
のものがこのましい。さらに、Turba−Film型のような
回転する掻き取り板をもった型式の蒸発器も伝熱を促進
する上で有効である。また流下薄膜型蒸発器を用いる場
合仕込み液を単通により蒸発させてもよいが、強制循環
させることも可能である。
フラッシュ蒸発により発生した蒸気は、多管式あるいは
二重管式の熱交換器に導かれ部分凝縮され、凝縮液とし
てアセチンが得られる。
この分縮温度は対応蒸気圧におけるアセチン類の露点か
らこの露点より1〜2℃低い温度(計算値)までの温度
範囲内の温度が適当である。
例えば、2Torrでは102℃〜102.8℃、好ましくは102℃〜
102.6℃(計算値)である。102.0℃未満ではアセチン類
中の酢酸、無水酢酸、低沸不純物濃度が高くなり、102.
8℃を超えるとフラッシュ蒸気中のアセチン類を十分凝
縮しきれなくなる。
このような分縮器は蒸発器と別に設置してもよいが、蒸
発器の上部に組み込んだような型式にする方が、配管の
圧力損失を減じる点で好ましい。
分縮器で凝縮しない蒸気は別の熱交換器に導かれ、全縮
され低沸液含みのアセチン類として回収される。
本発明の対象とされる仕込み液はアセチン類を含有する
液であればいずれも適用できるが、通常アセチル化反応
粗液が使用される。
このようにして、本発明を実施すればアセチン類が酢酸
及び無水酢酸、低沸不純物、さらに高沸不純物等との混
合物から一段階のフラッシュ蒸発で効率良く得られるた
め、設備的にも簡単になり分離精製に必要なエネルギー
も少くて済むことになる。その上副反応が抑えられ、得
られるアセチン類の収率も高く、酸価、純度、着色等の
品質も良いという利点を有するので工業的利用価値は大
きい。
次に、実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
なお、サンプル、例えば、仕込み液、塔頂液、精製アセ
チン、及び塔底液等はそれぞれガスクロマトグラフィに
て組成分析した。また酸価は、KOH滴定にておこない、
水分はカールフィッシャー滴定で分析した。
[実施例1] 40φ10段の多孔板塔を備えた5のフラスコにグリセリ
ン552gと酢酸2160g(対グリセリン 6モル倍)を仕込
み、釜液温度160℃で反応を開始した。反応開始後50時
間での分析は次の通りであった。
酢酸 20.85% ジアセチン 8.22% トリアセチン 70.93% 釜温を150℃に冷却した。釜液中に存在するジアセチン
に対して1.2モル倍量の無水酢酸量を計算により求め滴
下した。その後3時間150℃で反応を行なったところ釜
液中のジアセチンは全てトリアセチンに変化した。次に
減圧(70Torr)で過剰量の酢酸および無水酢酸を釜温が
160℃まで回収した。次いでトリアセチンを精製した。
精製は流下薄膜型蒸発器にて行い、操作圧力は10Torrと
した。
仕込み液 酸分 0.2% 分縮温度 102.5℃ 製品 酸分 0.0033% 外観(APHA) 5以下 純度 99.9%以上 [実施例2] 釜容量90m3の減圧バッチ蒸留塔に酢酸69.6ton、グリセ
リン18.3tonを仕込み釜液温度160℃で35時間反応させ
る。反応に伴って塔頂より水−酢酸の混合物が留出す
る。
35時間経過後の留出液量は35.2tonであった。その組成
は酢酸70%、水30%であり、またこの時の釜液の組成は
酢酸17.7%、ジアセチン0.03%、トリアセチン82.15%
である。釜温度を130℃以下に冷却後釜液中に存在する
モノアセチン、ジアセチンに対して1.2モル倍量の無水
酢酸を計算により求め仕込んだ。その後約5時間150〜1
60℃で反応を行なったところ釜液中のジアセチンは全て
トリアセチンに変化した。過剰の酢酸、無水酢酸を塔頂
圧を40Torr、塔底温度180℃とした連続蒸留塔にて塔頂
より回収した。仕込み量は800/hとし塔底からは脱酢
酸後のトリアセチン(酸分0.02%)を約600/hにて得
た。次いで、この塔底液よりトリアセチンを精製した。
精製は流下薄膜型蒸発器(FFE)にて行ない操作圧力は2
Torrとした。またFFEの塔頂から不活性ガスである窒素
ガスを2Nm3/hにて吹込んだ。
FFE仕込み液 酸分 0.02% 分縮温度 102.5℃ 製品 酸分 0.0025% 外観(APHA) 5以下 純度 99.9%以上 [実施例3] 表−1に示される様なグリセリンの蟻酸、酢酸エステル
類を主な成分とする原料、2000gを3の3ッ口丸底フ
ラスコに仕込む。これにメタノールを400g、トリエチル
アミンを9.3g添加し、撹拌しながら60℃で6時間反応さ
せてエステル交換反応を完結させる。エステル交換反応
完結後の分析結果を表−2に示す。
エステル交換後の反応粗液は、表−3に示される工程に
基づいて製品化される。各工程の条件についても表−3
にまとめた。
エステル交換後の反応粗液は、表−3に示される工程に
基づいて脱酢酸まで行なった後、製品化は流下薄膜型蒸
発器(FFE)にて行なった。
圧力 4Torr 分縮温度 102.5℃ 製品の分析結果を表−4に示す。
表−4 成 分 分析結果(wt%) グリセリンジアセテート 0.2% グリセリントリアセテート 99.0% その他 0.8% 合 計 100.0%

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グリセリンをアセチル化してアセチン類を
    製造する方法においてアセチン類を酢酸、無水酢酸、低
    沸不純物、高沸不純物との混合物から分離精製するに際
    し、、該混合物を30Torr以下の減圧下でフラッシュ蒸発
    を行い、対応蒸気圧におけるアセチン類の露点より低い
    温度で分縮させることにより、凝縮液としてアセチンを
    得ることを特徴とするアセチンの精製方法。
JP62096774A 1987-04-20 1987-04-20 アセチンの精製方法 Expired - Lifetime JPH0764782B2 (ja)

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DD156804A1 (de) 1981-03-10 1982-09-22 Margit Hein Verfahren zur reinigung von triacetin(glyceroltriacetat)

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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DD156804A1 (de) 1981-03-10 1982-09-22 Margit Hein Verfahren zur reinigung von triacetin(glyceroltriacetat)

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