JPH0764258B2 - 乳母車 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、折り畳み形式の乳母車に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

折り畳みにともない計四個の前輪及び後輪を集合させて
自立できるようにした形式の乳母車としては、特開昭52
−115034号公報により既に知られている。

この既知の乳母車は、中間体の中折れ関節部分を足で押
し上げ、同時に把手を前方に倒れるよう押すことにより
各支持部材が回動して左右の前脚及び後脚を引き寄せ、
又同時に前脚に後脚を引き寄せて計四個の前輪及び後輪
を集合させるようになっている。

〔発明が解決しようとする課題〕 乳母車を折り畳んだ際の前脚の上下端間（把手と前輪と
の間）の丈は、不変（約1m5cm）なため、腕に把手を引
っかけて乳母車を持ち歩くとき車輪が接地する。

このため、腕を高く上げなければならないと共に、疲労
する問題があった。

又自動車のトランクに収納したり或はトランクから取り
出したりする場合、丈が大きいためにスムーズに行なう
ことができない問題もあった。

そこで、この発明は乳母車の折り畳みにともない前脚の
丈を短かくできる乳母車を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、この発明は下端に前輪を
有する左右二本の並行前脚と、この両前脚の上下間の略
中央部に上端を回動自在に取付けた後脚と、この両後脚
の下端に設けた後輪と、上記両後脚の上端から連なって
前方に突出する突出杆と、両端間の中央交差部分を回動
自在に軸支し、かつそれぞれの上下端を前脚の上部と後
脚の下部とに回動自在に取付けたＸ状の第１開閉杆と、
両端間の中央交差部分を回動自在に軸支し、かつそれぞ
れの上下端を突出杆と前脚の下部とに回動自在に取付け
たＸ状の第２開閉杆とから成る乳母車に於いて、両前脚
の上端から下方にスライダを昇降自在に嵌装すると共
に、このスライダの上端にグリップを設け、又両前脚の
突出杆下方の部分に昇降自在の昇降体を設けて、この昇
降体と後脚とに連動部材の両端を回動自在に取付け、更
にスライダと昇降体とに連結部材の両端を接続して構成
したものである。

〔作用〕

乳母車の折り畳みにともない前脚に向け後脚を引き寄せ
る。

このとき、連動部材を介し下方に昇降体を降下させるの
で、共に降下する連結部材を介しグリップ付のスライダ
が降下する。

又乳母車の展開にともない昇降体と共に連結部材を上昇
させるので、グリップ付のスライダが上昇する。

〔実施例〕

図示の折り畳みにともない計四個の前輪及び後輪を集合
させる自立形式の乳母車は、下端に前輪１を有する左右
二本の並行前脚２と、この両前脚２の上下端間略中央部
にピン３を介し上端を回動自在に取付けた後脚４と、こ
の両後脚４の下端に設けた後輪５と、上記両後脚４の上
端から連なって前方に突出する突出杆６と、両端間の中
央交差部分をピン７を介し回動自在に軸支し、かつそれ
ぞれの上下端を両前脚２の突出杆６上方の部分と両後脚
４の下部とにピン８を介し回動自在に取付けたＸ状の第
１開閉杆９、９と、両端間の中央交差部分をピン10を介
し回動自在に軸支し、かつそれぞれの上下端を両突出杆
６と両前脚２の下部とにピン11を介し回動自在に取付け
たＸ状の第２開閉杆12、12とで構成され、第１図及び第
２図に示す展開状態の乳母車を折り畳むには、第１開閉
杆９、９が閉じる方向に回動すると、両後脚４は前脚２
に並行するよう回動し、又上記両後脚４の回動にともな
い上昇方向に移動する両突出杆６を介し第２開閉杆12、
12も閉じる方向に回動させて、上記第１開閉杆９、９及
び第２開閉杆12、12により両前脚２及び両後脚４を互に
内方に引き寄せ、第３図に示すように計四個の前輪１と
後輪５とを自立できるよう集合させる。

なお、図示のように途中に中折れ関節部を設けて第１開
閉杆９、９の上部にピン13を介し間隔規制杆14の両端を
取付けておくと、乳母車の折り畳みに際し上記間隔規制
杆14の中途を持ち上げると第１開閉杆９、９の上端を引
き寄せて自動的に折り畳むことができ、又展開に際して
は間隔規制杆14の中央部を押し下げればよい。

上記の間隔規制杆14は、図示の場合下面及び両端面が開
放する溝形板15と、この溝形板15の両端内にそれぞれ一
端側を嵌入すると共に、ピン16を介し回動自在に連結し
た板状体17とで構成され、上記両板状体17の他端をピン
13を介し第１開閉杆９、９に取付けてあるが、両前脚２
の上部や両後脚４の下部に取付けてもよい。

又ハンモック（図示省略）の座席両側は、両突出杆６
に、背凭れ両側は、前脚２に支持させる。

更に両前脚２の上端から下方に昇降自在にスライダ18を
嵌装すると共に、このスライダ18の上端には、グリップ
19が設けられている。

上記のスライダ18は、図示の場合前脚２の上端から外側
に角筒を嵌装したが、上記角筒にかえて前脚２の内側に
軸材を嵌装してもよい。

20は両前脚２の突出杆６の下方の部分に昇降自在に設け
た昇降体で、この昇降体20と後脚４とにピン21を介し連
動部材22の両端が回動自在に連結されている。

上記の昇降体20は、図示の場合後脚４の外側に筒状体を
スライダ自在に嵌装して設けてある。

23は、スライダ18と昇降体20とに両端を固定した板状の
連結部材である。

上記のように構成すると、乳母車の折り畳みにともない
前脚２に向け後脚４を引き寄せるのと同時に連動部材22
により昇降体20を降下させるので、連結部材23を介しス
ライダ18が第３図及び第５図に示すように下向きにスラ
イドする。

このため、折り畳まれた乳母車の丈が上記スライダ18の
スライド長さだけ短くなる。

なお、乳母車を展開したときには、自動的に上方に向け
グリップ19付のスライダ18をスライドさせる。

図中24は乳母車の展開終了時昇降体20の上昇をストップ
させるよう両前脚２に固定したストッパである。

〔効果〕

以上のように、この発明に係る乳母車によれば、折り畳
みにともない自動的にグリップ付のスライダを前輪方向
にスライドさせて前脚の丈を短くするので、腕にグリッ
プを引っかけて乳母車を持ち歩いても車輪が接地しな
い。

このため、腕を高く上げなければならないような不都合
をなくすることができる。

又丈が短くなるため自動車のトランクに収納する際及び
トランクから取り出す際の出し入れが容易になる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明に係る乳母車を示すもので、第１図は側
面図、第２図は同背面図、第３図は折り畳んだ乳母車の
側面図、第４図はグリップ付スライダを伸長させた縦断
拡大側面図、第５図はグリップ付スライダを収縮させた
縦断拡大側面図である。 １……前輪、２……前脚、 ３……ピン、４……後脚、 ５……後輪、６……突出杆、 ７、８、10、11……ピン、 ９……第１開閉杆、12……第２開閉杆、 18……スライダ、19……グリップ、 20……昇降体、21……ピン、 22……連動部材、23……連結部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】下端に前輪を有する左右二本の並行前脚
   と、この両前脚の上下間の略中央部に上端を回動自在に
   取付けた後脚と、この両後脚の下端に設けた後輪と、上
   記両後脚の上端から連なって前方に突出する突出杆と、
   両端間の中央交差部分を回動自在に軸支し、かつそれぞ
   れの上下端を前脚の上部と後脚の下部とに回動自在に取
   付けたＸ状の第１開閉杆と、両端間の中央交差部分を回
   動自在に軸支し、かつそれぞれの上下端を突出杆と前脚
   の下部とに回動自在に取付けたＸ状の第２開閉杆とから
   成る乳母車に於いて、両前脚の上端から下方にスライダ
   を昇降自在に嵌装すると共に、このスライダの上端にグ
   リップを設け、又両前脚の突出杆下方の部分に昇降自在
   の昇降体を設けて、この昇降体と後脚とに連動部材の両
   端を回動自在に取付け、更にスライダと昇降体とに連結
   部材の両端を接続したことを特徴とする乳母車。