JPH07637Y2 - 受渡し小扉付き玄関ドア - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、一般住宅・ホテル内の客室・マンションの
個室・夜間不在となる小店舗等の玄関や出入口に建付け
られる受渡し小扉付き玄関ドアに関するものである。

（従来の技術） 例えば、マンションの個室の玄関ドアの従来の一般的な
建付け構造においては、防犯上の見地からドアチェーン
が付設されているほか、ドア面にレンズ付きののぞき穴
が開けられており、またドア板には、表札や郵便受箱等
の雑多な付属品が取り付けられた構造になっていた。

ところで、マンションの日常生活では、訪問販売業者が
訪れたり、またクリーニング屋や食べ物屋等の出入り業
者、あるいは宅配便の業者が、注文取り・出前・配達・
引取り等のために訪れる機会が多い。このような場合、
上述した従来の玄関ドアによると、居住者が不在の際に
は用が足りず、従って業者は、止むを得ず届物をドアの
入口に置いて帰るとか、あるいは居住者が外出前に渡し
物をドアの入口に置いてから出かける等の不便をしのい
でいた。

また、業者を装って物品の受渡しに来訪した不審者が、
ドアチェーンを外した瞬間に侵入して居直る危険を防ぐ
ことが不可能でもあった。

そのほか、ドア面に雑多な付属品がゴチャゴチャしてい
ることから、玄関の外見が見苦しい等、従来の玄関ドア
においては、その機能性、利用性、および安全性の点で
上述のような諸問題点があった。

以上の点に鑑み、玄関のドア板の側部における玄関室の
外側壁面に、キー付きの小扉を有する物品収納箱を設
け、該物品収納箱の背板を玄関内から開閉自在とした考
案が実開昭60−46785号公報に示されて提案されてい
る。この従来の考案では、外部業者等は、予じめ渡され
たキー付きの小扉を開けて物品を出し入れし、居住者
は、玄関内から背板を開けて物品を出し入れするととも
に外部業者等と面接できる。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、上記従来の考案では、居住者が物品収納箱の
背板を開けて外部業者等と対応する構造であるため、外
部業者等は、開けられた背板から広いスペースで室内を
見透せることとなり、安全性の確保及びプライバシーの
保護に問題があった。

そこで本考案は、居住者が留守の際にも来訪者との間で
間接的に物品を受け渡しすることが出来るほか、玄関の
ドア板を閉めたままで、来訪者に侵入される恐れなしに
来訪者と面談することができ、しかも安全性の確保とプ
ライバシーの保護が確実な受渡し小扉付き玄関ドアを提
供することを目的としている。

（問題点を解決するための手段） 次に、上記の目的を達成するための手段を実施例に対応
する図面を参照して説明する。

すなわち、本考案の受渡し小扉付き玄関ドアは、 玄関室（１）の外壁開口面（2a）の一側半部に取り付け
られたドア板であって、人が通るのに十分な幅寸を有す
る玄関鍵付きのドア板（７）と、 表板を、上記外壁開口面（2a）の他側半部に臨ませた状
態で玄関室（１）内に据置かれた幅の狭い物品収納箱
（９）であって、その表板には、物品を出し入れするた
めのキー付き小扉（14），（15）が取り付けられ、その
一方の側板には、上記ドア板（７）の背部の玄関室
（１）内に開閉する開閉板（21），（22）が設けられ、
該開閉板（21），（22）には玄関室（１）内側からは開
閉自在であるが物品収納箱（９）の内部側からは開けら
れない係止金物（24）が設けられて成る物品収納箱
（９）と、 を具備したことを特徴としている。

（作用） このような構造から、取引きの有る出入り業者にあらか
じめ小扉の操作キーやキーカードを貸し与えておくこと
により、居住者が不在であっても、物品収納箱（９）を
介して間接的に物品を受渡しすることが可能なほか、ド
ア板（７）を閉めたままの状態でも、物品収納箱（９）
の物品取出口と物品出し入れ口とを透して来訪者と安心
して面談することができる。この場合、物品収納箱
（９）の表手側の扉（14），（15）と裏側の開閉板（2
1），（22）とは斜め方向に対接しているところから、
来訪者に室内を見透かされるということがない。

また、遠隔操作方式可能な設計では、ビル、マンション
等の管理人が管理人室より小扉（14），（15）の開閉管
理を行なっても良い。

（実施例） 以下、第１図ないし第３図に示す一実施例に基づき、本
考案の構成を具体的に述べる。

居室に通じる玄関室１は、外壁２と左右の側壁3,4とに
囲まれていて、かつその外壁開口2aには、略方形枠５が
嵌め付けられている。

しかして、方形枠５の枠面内の左側半部には、上下の丁
番６を介しドア板７が取付けられていて、このドア板７
は、人が通るのに十分な幅寸に成形されると共に、その
板面の右側には、通常の玄関鍵８が取付けられている。

次に、方形枠５の枠面内の右側半部には、玄関室１内に
据置かれた幅の狭い（人が通れない程度）物品収納箱９
の表板10が展装されていて、この物品収納箱９の４周の
箱面は、上記表板10と、左右の各側板11,12と裏板13と
により形成されている。

しかして、表板10の右側部分の上部と下部との２箇所に
は、物品を出し入れするためのキー13付き小扉14,15
が、夫々ヒンヂ16によって方形枠５に取付けられてお
り、かつ方形枠５の上下の小扉14,15に挟まれた部分に
は、郵便受口17が開けられている。

更に、表板10の方立18に接した平坦部分には、表札19や
インターホーン20等が取付けられている。

なお、小扉14,15の各キー13は、操作キーを使って扉を
開けることができるが、収納箱９の内部から居住者が扉
を開ける際には、操作キー無しで扉を開け閉めすること
ができるようになっている。

次に、物品収納箱９の左側板11の上記各小扉14,15の高
さに対応した高さ位置には、収納物品を取出すための
上、下の各開閉板21,22（一体物であっても良い。）
が、方立18に取付けられる各ヒンヂ23を介して左側板11
に取付けられており、かつ夫々の開閉板21,22の開き側
には、フック金具等の係止金物24が取付けられていて、
これにより各開閉板21,22は、玄関室１側からは開閉自
在であるが、収納箱９の内部側からは開けられないよう
になっている。

そのほか、左側板11の上記郵便受口17に対応した高さ位
置には、郵便取出し口25が開けられているほか、物品収
納箱９の内空には、郵便受口17の上方と下方の２段の高
さに仕切板26が張られると共に、下側の仕切板26から下
方には、複数段の棚板27が張られており、そのほか、収
納箱９の天井近くの高さには、長物の洗濯物等を掛ける
ためのハンガー棒28が横架されている。

このように構成された実施例の玄関ドアによれば、あら
かじめ操作キーやキーカードが貸し与えられている来訪
者が、届物や引取物等の物品を持参あるいは集めに来た
場合には、居住者の在、不在に関係なく、自由にキー13
を開けて小扉14,15から所要の届け物や引取り物を収納
箱９内に出し入れすれば良く、その際のは、開閉板21,2
2は外部からは開かないので、盗難やのぞき込み等の虞
れがない。

また、不審な来訪者があった場合とか、あるいは来訪者
に対応する居住者が老人や子供のように弱者であったよ
うな場合には、ドア板７を開ける代りに、開閉板21,22
と小扉14を内側から開けた後、斜め方向に対接して窓越
しに面談すれば、物品収納箱９の幅が狭いことから、来
訪者が居直ったり、あるいは室内に侵入したりする虞れ
が無く、安心して面談することができ、従ってドアチェ
ーンを付設する必要がない。

そのほか、ドア板７付近に雑多な付属品がないことか
ら、玄関の外見がすっきりするほか、無用に居室がのぞ
き込まれることがなく、プライバシイがおかされないと
いうメリットがある。

なお、上述した実施例の構成では、ドア板７と物品収納
箱９とが一体に組付けられた構成としたが、これに替
え、物品収納箱をユニット化した上でドア板と分離でき
る型とし組立て得るようにし、かつ、物品収納箱を別に
オプション販売するようにすれば、玄関ドアの流通性と
利用性とが高まるメリットがあり、特にこのメリット
は、ホテルの客室やマンションの個室のように多数の玄
関ドアを建付ける際に有効である。また逆に、備えつけ
の下駄箱等を下段にセットしたまま既設改造に応え得る
等バラエティも多様でメリットを広く求めることが出来
る。

（考案の効果） 以上述べたように、本考案に係る受渡し小扉付き玄関ド
アによれば、玄関のドア板（７）に並設させて、キー付
き小扉（14），（15）を有する物品収納箱（９）を設け
た構造において、該物品収納箱（９）の玄関室（１）内
における側板に、上記ドア板（７）の背部の方向に開閉
する開閉板（21），（22）を設けたので、玄関口の内外
で物品収納箱（９）を介して居住者と外部業者等との間
で間接的に物品を受渡しすることが可能なほか、上記表
手側の小扉（14），（15）と裏側の開閉板（21），（2
2）とは斜め方向に対接していることから、物品収納箱
（９）と小扉と開閉板を開けて来訪者と面談するとき
に、来訪者に室内を見透かされるということがなく、プ
ライバシーの保護と安全性の点で優れている。

また、上記開閉板（21），（22）には、玄関室（１）内
側からのみ開閉自在とした係止金物（24）が付設されて
いることから、外部業者等が物品の出し入れ時に物品収
納箱内から開閉板を勝手に開けるということがなく、安
全性の点で一層優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す受渡し小扉付き玄関
ドアの正面図、第２図は、第１図のII−II線における平
断面図、第３図は、第２図のIII−III線における側断面
図である。 １…玄関室、2a…外壁開口、７…ドア板、８…玄関鍵、
９…物品収納箱、10…表板、11…側板、13…キー、14,1
5…小扉、21,22…開閉板。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭60−46785（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】玄関室（１）の外壁開口面（2a）の一側半
   部に取り付けられたドア板であって、人が通るのに十分
   な幅寸を有する玄関鍵付きのドア板（７）と、 表板を、上記外壁開口面（2a）の他側半部に臨ませた状
   態で玄関室（１）内に据置かれた幅の狭い物品収納箱
   （９）であって、その表板には、物品を出し入れするた
   めのキー付き小扉（14），（15）が取り付けられ、その
   一方の側板には、上記ドア板（７）の背部の玄関室
   （１）内に開閉する開閉板（21），（22）が設けられ、
   該開閉板（21），（22）には玄関室（１）内側からは開
   閉自在であるが物品収納箱（９）の内部側からは開けら
   れない係止金物（24）が設けられて成る物品収納箱
   （９）と、 を具備したことを特徴とする受渡し小扉付き玄関ドア。