JPH0763482A - バッチ式加熱炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、バーナの高効率燃焼を実現しつつ、
炉体を小型化できる、バッチ式加熱炉を提供するもので
ある。 【構成】本発明は、バーナと該バーナと対を形成するリ
ジェネレータとが炉体の同一面側に分離して装備されて
おり、対を形成するバーナとリジェネレータとは２対以
上が装備されていて、各バーナは炉内の被加熱物に対し
同一側に装備され、一つの対を形成するリジェネレータ
が他の一つの対を形成するバーナに接続されて成ること
を特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はバッチ式加熱炉に関す
る。加熱源としてバーナを装備した各種のバッチ式加熱
炉が鋼材の熱処理等に広く利用されている。これらのバ
ッチ式加熱炉のなかには、バーナとリジェネレータとを
装備したものがある。本発明はかかるバッチ式加熱炉の
改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、バーナとリジェネレータとを装備
したバッチ式加熱炉として、バーナとリジェネレータと
が一体構成された蓄熱式バーナを装備したものが使用さ
れている。このバッチ式加熱炉は、二つの蓄熱式バーナ
を一組として装備し、双方を交互に切り換え燃焼させる
ことによって高効率燃焼を実現させるもので、具体的に
は、一つの蓄熱式バーナを燃焼させたときの排ガスを他
の一つの蓄熱式バーナのリジェネレータに通して、該排
ガスの熱を該リジェネレータに装填されている蓄熱体、
例えばアルミナ小片のようなセラミックス小片で蓄熱
し、次に該他の一つの蓄熱式バーナを燃焼させるときの
空気として、蓄熱したリジェネレータを通して高温予熱
した空気を使用するという操作を繰り返して行なうもの
である。

【０００３】ところが、上記のような蓄熱式バーナを装
備した従来のバッチ式加熱炉には炉体が大型になってし
まうという欠点がある。例えば、炉内に横置き載置の被
加熱物を加熱する場合、該被加熱物を均一加熱するため
にはその上面から下面に亘って又はその下面から上面に
亘って排ガスを通過させる必要があるので、一方の蓄熱
式バーナをその燃焼炎が該被加熱物の上側に噴射される
よう炉体の側面上部に装備し、これと組を形成する他方
の蓄熱式バーナをその燃焼炎が該被加熱物の下側に噴射
されるよう炉体の同一側面下部に装備することになる
が、双方の蓄熱式バーナの燃焼による支障が生じないよ
うにするためには該被加熱物の上下両側に相応の炉内ス
ペースをとる必要があり、それだけ炉体が大型になって
しまうのである。また例えば、炉内に縦置き載置の被加
熱物を加熱する場合、該被加熱物を均一加熱するために
はその左側面から右側面に亘って又はその右側面から左
側面に亘って排ガスを通過させる必要があるので、一方
の蓄熱式バーナをその燃焼炎が該被加熱物の左側に噴射
されるよう炉体の上面左部に装備し、これと組を形成す
る他方の蓄熱式バーナをその燃焼炎が該被加熱物の右側
に噴射されるよう炉体の上面右部に装備することになる
が、双方の蓄熱式バーナの燃焼による支障が生じないよ
うにするためには該被加熱物の左右両側に相応の炉内ス
ペースをとる必要があり、それだけ炉体が大型になって
しまうのである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、バーナとリジェネレータとが一体構成され
た蓄熱式バーナを装備した従来のバッチ式加熱炉では、
炉体が大型になってしまう点である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】しかして本発明は、バー
ナと該バーナと対を形成するリジェネレータとが炉体の
同一面側に分離して装備されており、対を形成するバー
ナとリジェネレータとは２対以上が装備されていて、各
バーナは炉内の被加熱物に対し同一側に装備され、一つ
の対を形成するリジェネレータが他の一つの対を形成す
るバーナに接続されて成ることを特徴とするバッチ式加
熱炉に係る。

【０００６】本発明において、バーナと該バーナと対を
形成するリジェネレータとは炉体の同一面側に分離して
装備されている。バーナと該バーナと対を形成するリジ
ェネレータとは、一体構成されておらず、分離されてい
て、双方は通常、炉体の左側面、右側面又は上面に装備
されているのである。

【０００７】また本発明において、対を形成するバーナ
とリジェネレータとは２対以上が装備されており、各バ
ーナは炉内の被加熱物に対し同一側に装備されていて、
一つの対を形成するリジェネレータが他の一つの対を形
成するバーナに接続されている。バーナとリジェネレー
タとを１対としてその２対以上が装備されており、各対
を形成するバーナは炉内の被加熱物に対し通常は上側、
左側又は右側の同一側に装備されていて、一つの対を形
成するリジェネレータは他の一つの対を形成するバーナ
に接続されているのである。

【０００８】例えば、２対のバーナとリジェネレータと
を装備したバッチ式加熱炉において、その炉内に横置き
載置の被加熱物を加熱する場合、第１の対を形成するバ
ーナをその燃焼炎が被加熱物の上側に噴射されるよう炉
体の左側面上部に装備し、該第１の対を形成するリジェ
ネレータを炉体の左側面下部に装備すると共に、第２の
対を形成するバーナをその燃焼炎が被加熱物の上側に噴
射されるよう炉体の右側面上部に装備し、該第２の対を
形成するリジェネレータを炉体の右側面下部に装備し
て、第１の対を形成するリジェネレータを第２の対を形
成するバーナに接続すると共に、該第２の対を形成する
リジェネレータを該第１の対を形成するバーナに接続す
る。この場合、第２の対を形成するバーナを炉体の左側
面上部に装備し、また該第２の対を形成するリジェネレ
ータを炉体の左側面下部に装備することもできる。

【０００９】上記の場合、第１の対を形成するバーナと
リジェネレータとは炉体の同一面側すなわち炉体の左側
面に分離して装備されており、第２の対を形成するバー
ナとリジェネレータとは炉体の同一面側すなわち炉体の
右側面又は左側面に分離して装備されていて、各対を形
成するバーナは炉内の被加熱物に対し同一側すなわち上
側に装備されている。

【００１０】また例えば、２対のバーナとリジェネレー
タとを装備したバッチ式加熱炉において、その炉内に縦
置き載置の被加熱物を加熱する場合、各対を形成するバ
ーナをその燃焼炎が被加熱物の左側に噴射されるよう炉
体の上面左部にそれぞれ装備し、また各対を形成するリ
ジェネレータを炉体の上面右部にそれぞれ装備して、第
１の対を形成するリジェネレータを第２の対を形成する
バーナに接続すると共に、該第２の対を形成するリジェ
ネレータを該第１の対を形成するバーナに接続する。

【００１１】上記の場合、各対を形成するバーナとリジ
ェネレータとは炉体の同一面側すなわち炉体の上面にそ
れぞれ分離して装備されており、各対を形成するバーナ
は炉内の被加熱物に対し同一側すなわち左側に装備され
ている。

【００１２】

【作用】各対を形成するバーナが炉内の被加熱物に対し
同一側に装備されており、該バーナの燃焼炎は、前述し
た横置き載置の被加熱物を加熱する場合、該被加熱物の
上側にのみ噴射されるので、該上側にのみバーナの燃焼
による支障を生じないようにするための炉内スペースを
とればよく、また前述した縦置き載置の被加熱物を加熱
する場合、該加熱物の左側にのみ噴射されるので、該左
側にのみバーナの燃焼による支障を生じないようにする
ための炉内スペースをとればよく、したがって上下両側
又は左右両側に同様の炉内スペースをとらなければなら
ない従来のバッチ式加熱炉に比べてそれだけ炉体を小型
化できる。

【００１３】一つの対を形成するバーナを燃焼させたと
きの排ガスを該一つの対を形成するリジェネレータに通
して、該排ガスの熱を該リジェネレータに装填されてい
る蓄熱体、例えばアルミナ小片のようなセラミックス小
片で蓄熱し、次に他の一つの対を形成するバーナを燃焼
させるときの空気として、蓄熱したリジェネレータを通
して高温予熱した空気を使用するという操作を繰り返し
て、各対を形成するバーナを交互に切り換え燃焼させる
ことにより、高効率燃焼を実現できるのはいうまでもな
い。

【００１４】

【実施例】図１は本発明の一実施例を略示する縦断面図
である。図１では、合計２対のバーナとリジェネレータ
とが装備されており、被加熱物Ａが炉内に横置きで載置
されている。炉体１１の左側面上部にバーナ２１ａが装
着されており、炉体１１の左側面下部に排気口４１ａが
開設されていて、排気口４１ａにはバルブ５１ａを介し
リジェネレータ３１ａが接続されている。バーナ２１ａ
とバーナ２１ａと対を形成するリジェネレータ３１ａと
は分離されており、リジェネレータ３１ａはバーナ２１
ａの鉛直方向下部に装備されていて、双方は炉体１１の
同一面側すなわち左側面に装備されている。

【００１５】また炉体１１の右側面上部にバーナ２１ｂ
が装着されており、炉体１１の右側面下部に排気口４１
ｂが開設されていて、排気口４１ｂにはバルブ５１ｂを
介しリジェネレータ３１ｂが接続されている。バーナ２
１ｂとバーナ２１ｂと対を形成するリジェネレータ３１
ｂとは分離されており、リジェネレータ３１ｂはバーナ
２１ｂの鉛直方向下部に装備されていて、双方は炉体１
１の同一面側すなわち右側面に装備されている。

【００１６】バーナ２１ａ，２１ｂは共に炉内の被加熱
物Ａに対し同一側すなわち上側に装備されており、バー
ナ２１ａと対を形成するリジェネレータ３１ａはバルブ
６１ａを介しバーナ２１ｂに接続されていて、バーナ２
１ｂと対を形成するリジェネレータ３１ｂはバルブ６１
ｂを介しバーナ２１ａに接続されている。リジェネレー
タ３１ａ，３１ｂの給気側はバルブ７１ａ，７１ｂを介
して燃焼用空気を供給するための給気ファン９１ａに接
続されており、リジェネレータ３１ａ，３１ｂの排気側
はバルブ８１ａ，８１ｂを介して排ガスを排出するため
の排気ファン９１ｂに接続されている。各バルブの開閉
関係は、バーナ２１ａを燃焼させるとき、バルブ５１
ａ，６１ｂ，７１ｂ，８１ａは開いており、バルブ５１
ｂ，６１ａ，７１ａ，８１ｂは閉じている。またバーナ
２１ｂを燃焼させるとき、バルブ５１ｂ，６１ａ，７１
ａ，８１ｂは開いており、バルブ５１ａ，６１ｂ，７１
ｂ，８１ａは閉じている。

【００１７】図２は本発明の他の一実施例を略示する平
面図である。図２では合計６対のバーナとリジェネレー
タとが装備されており、被加熱物Ｂ（図示しない、以下
同じ）が、図１の場合と同様、炉内に横置きで載置され
ている。炉体１２の左側面上部にバーナ２２ａ，２３
ａ，２４ａが装着されており、炉体１２の左側面下部に
排気口４２ａ，４３ａ，４４ａが開設されていて、排気
口４２ａ，４３ａ，４４ａにはバルブ５２ａ，５３ａ，
５４ａを介しリジェネレータ３２ａ，３３ａ，３４ａが
それぞれ接続されている。バーナ２２ａとバーナ２２ａ
と対を形成するリジェネレータ３２ａ、バーナ２３ａと
バーナ２３ａと対を形成するリジェネレータ３３ａ、及
びバーナ２４ａとバーナ２４ａと対を形成するリジェネ
レータ３４ａはそれぞれ分離されており、リジェネレー
タ３２ａ，３３ａ，３４ａはバーナ２２ａ，２３ａ，２
４ａの斜め方向下部にそれぞれ装備されていて、これら
は炉体１２の同一面側すなわち左側面に装備されてい
る。

【００１８】また炉体１２の右側面上部にバーナ２２
ｂ，２３ｂ，２４ｂが装着されており、炉体１２の右側
面下部に排気口４２ｂ，４３ｂ，４４ｂが開設されてい
て、排気口４２ｂ，４３ｂ，４４ｂにはバルブ５２ｂ，
５３ｂ，５４ｂを介しリジェネレータ３２ｂ，３３ｂ，
３４ｂがそれぞれ接続されている。バーナ２２ｂとバー
ナ２２ｂと対を形成するリジェネレータ３２ｂ、バーナ
２３ｂとバーナ２３ｂと対を形成するリジェネレータ３
３ｂ、及びバーナ２４ｂとバーナ２４ｂと対を形成する
リジェネレータ３４ｂはそれぞれ分離されており、リジ
ェネレータ３２ｂ，３３ｂ，３４ｂはバーナ２２ｂ，２
３ｂ，２４ｂの斜め方向下部にそれぞれ装備されてい
て、これらは炉体１２の同一面側すなわち右側面に装備
されている。

【００１９】バーナ２２ａ〜２４ａ，２２ｂ〜２４ｂは
いずれも炉内の被加熱物Ｂに対し同一側すなわち上側に
装備されており、バーナ２２ａと対を形成するリジェネ
レータ３２ａはバルブ６２ａ（図示しない）を介しバー
ナ２２ｂに接続されていて、バーナ２２ｂと対を形成す
るリジェネレータ３２ｂはバルブ６２ｂ（図示しない）
を介しバーナ２２ａに接続されている。バーナ２３ａと
リジェネレータ３３ａとバーナ２３ｂとリジェネレータ
３３ｂとの間の接続、及びバーナ２４ａとリジェネレー
タ３４ａとバーナ２４ｂとリジェネレータ３４ｂとの間
の接続も上記と同様になっている。また図１に略示した
一実施例の場合と同様、各リジェネレータの給気側は図
示しない給気ファンに接続されており、各リジェネレー
タの排気側は図示しない排気ファンに接続されている。

【００２０】図３は本発明の更に他の一実施例を略示す
る縦断面図、図４は図３と同じ一実施例を略示する平面
図である。図３及び図４では、合計２対のバーナとリジ
ェネレータとが装備されており、被加熱物Ｃが炉内に縦
置きで載置されている。炉体１３の上面左部にバーナ２
５ａが装着されており、炉体１３の上面右部に排気口４
５ａが開設されていて、排気口４５ａにはバルブ５５ａ
を介しリジェネレータ３５ａが接続されている。バーナ
２５ａとバーナ２５ａと対を形成するリジェネレータ３
５ａとは分離されており、リジェネレータ３５ａはバー
ナ２５ａの水平方向右部に装備されていて、双方は炉体
１３の同一面側すなわち上面に装備されている。

【００２１】また炉体１３の上面左部にバーナ２５ｂが
装着されており、炉体１３の上面左部に排気口４５ｂ
（図示しない、以下同じ）が開設されていて、排気口４
５ｂにはバルブ５５ｂ（図示しない）を介しリジェネレ
ータ３５ｂが接続されている。バーナ２５ｂとバーナ２
５ｂと対を形成するリジェネレータ３５ｂとは分離され
ており、リジェネレータ３５ｂはバーナ２５ｂの水平方
向右部に装備されていて、双方は炉体１３の同一面側す
なわち上面に装備されている。

【００２２】バーナ２５ａ，２５ｂは共に炉内の被加熱
物Ｃに対し同一側すなわち左側に装備されており、バー
ナ２５ａと対を形成するリジェネレータ３５ａはバルブ
６５ａを介しバーナ２５ｂに接続されていて、バーナ２
５ｂと対を形成するリジェネレータ３５ｂはバルブ６５
ｂを介しバーナ２５ａに接続されている。また図１に略
示した一実施例の場合と同様、各リジェネレータの給気
側は図示しない給気ファンに接続されており、各リジェ
ネレータの排気側は図示しない排気ファンに接続されて
いる。

【００２３】

【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、加熱源としてバーナを装備するバッチ式加熱炉
において、バーナの高効率燃焼を実現しつつ、炉体を小
型化できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を略示する縦断面図。

【図２】本発明の他の一実施例を略示する平面図。

【図３】本発明の更に他の一実施例を略示する縦断面
図。

【図４】図３と同じ一実施例を略示する平面図。

【符号の説明】

１１〜１３・・・炉体、２１ａ〜２５ａ，２１ｂ〜２５
ｂ・・・バーナ、３１ａ〜３５ａ，３１ｂ〜３５ｂ・・
・リジェネレータ、４１ａ〜４５ａ，４１ｂ〜４４ｂ・
・・排気口

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バーナと該バーナと対を形成するリジェ
   ネレータとが炉体の同一面側に分離して装備されてお
   り、対を形成するバーナとリジェネレータとは２対以上
   が装備されていて、各バーナは炉内の被加熱物に対し同
   一側に装備され、一つの対を形成するリジェネレータが
   他の一つの対を形成するバーナに接続されて成ることを
   特徴とするバッチ式加熱炉。